スズ系ペロブスカイト太陽電池|効率16.19%と安定性の世界記録

PV Magazine アメリカ
概要
米国の研究チームが、2D/3D混合型スズ系ペロブスカイト太陽電池で16.19%の電力変換効率を達成し、同時に業界をリードする安定性記録を樹立した。この鉛フリーデバイスは、乾燥空気中で1600時間後に初期効率の95%を維持し、55℃の連続照射下で1000時間後も80%の効率を保持。塩素化スペーサーの使用により、結晶性と酸素・水分への耐性が大幅に向上した。
詳細

主要成果

米国の研究者チームが、環境負荷の低い鉛フリーのスズ系ペロブスカイト太陽電池において、16.19%という高い電力変換効率を達成し、同時に長期安定性で世界記録を樹立しました。この2D/3D混合型ペロブスカイト太陽電池は、乾燥空気中での性能維持期間と高温・連続照射下での耐久性の両面で画期的な進歩を示しました。

技術・臨床詳細

開発されたデバイスは、2次元(2D)と3次元(3D)のペロブスカイト構造を組み合わせたもので、特に塩素化スペーサー分子を導入することで、材料の結晶性を向上させ、酸素や水分に対する耐性を高めています。これにより、通常の環境下での劣化を大幅に抑制することに成功しました。具体的な安定性データとして、乾燥空気中で1600時間以上経過した後も初期効率の95%を維持し、さらに55℃の高温下で連続的に光を照射する過酷な条件下で1000時間後でも初期効率の80%を保持するという、これまでのスズ系ペロブスカイトでは達成困難だった記録を打ち立てました。これは、鉛フリーペロブスカイトの実用化に向けた重要なマイルストーンとなります。

背景・業界文脈

ペロブスカイト太陽電池は、高効率化が急速に進む一方で、材料の安定性、特に環境中の酸素や水分に対する脆弱性が実用化への大きな課題とされてきました。また、毒性のある鉛の使用が懸念され、鉛フリー化への移行が強く求められています。スズ系ペロブスカイトは鉛フリー化の有力な候補ですが、安定性の低さが実用化を阻んできました。今回の研究は、高効率と高安定性を両立する鉛フリーのスズ系ペロブスカイトを実現した点で、環境配慮と性能向上を求める業界のニーズに応えるものです。

今後の展望

この安定性記録の樹立は、鉛フリーペロブスカイト太陽電池の商業化に向けた大きな一歩となります。今後、さらなる効率向上とコスト削減が進めば、住宅用、商業用、さらには特殊用途を含む幅広い市場での採用が加速するでしょう。特に、環境規制が厳しくなる中で、鉛フリーで信頼性の高い太陽電池技術は、市場競争力を大きく高める要因となり、持続可能なエネルギーソリューションの普及に貢献すると期待されます。

元記事: https://www.pv-magazine.com/2026/09/25/us-team-claims-stability-record-for-16-19-efficient-2d-3d-tin-perovskite-solar-cell/

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