主要成果
FDAは、2歳以上のStage III dMMR結腸がん患者に対するアテゾリズマブ(Tecentriq)と化学療法の併用、および12歳以上で体重40kg以上の患者に対するアテゾリズマブとヒアルロニダーゼ-tqjs(Tecentriq Hybreza)と化学療法の併用を、術後補助療法として承認した。この承認の根拠となった第3相ATOMIC試験(NCT02912559)では、アテゾリズマブと修正FOLFOX6(mFOLFOX6)の併用により、化学療法単独群と比較して再発または死亡のリスクが有意に低下した(ハザード比 0.50; 95% CI, 0.35-0.73; P <.001)。3年DFS率は、併用群の86.3%に対し、化学療法単独群は76.2%であった。
技術・詳細
本療法における化学療法は、フルオロピリミジンとオキサリプラチンで構成される。投与スケジュールは、まず化学療法とアテゾリズマブを6ヶ月間併用し、その後、病気の再発または許容できない毒性が現れるまで、アテゾリズマブ単剤による治療を6ヶ月間継続する。静脈内投与の場合、成人への推奨用量は2週ごと840mg、3週ごと1200mg、または4週ごと1680mgである。また、皮下投与製剤(Tecentriq Hybreza)は、15mL(アテゾリズマブ1875mg、ヒアルロニダーゼ30,000単位含有)を3週ごとに投与する。
安全性に関しては、グレード3または4の有害事象が併用群で84.1%、対照群で71.9%に認められた。併用群で多く見られたグレード3/4の毒性は、好中球減少(43.6%)、末梢性感覚ニューロパチー(18.5%)、下痢(12.1%)、疲労(10.1%)であった。また、併用群で6名、対照群で2名にグレード5の事象が発生し、併用群の2名(突然死1名、敗血症1名)は治療に関連していると判断された。
背景・業界の文脈
Stage IIIの結腸がん患者の約30%は、手術後の標準的な化学療法(FOLFOXなど)を行っても5年以内に再発するとされており、dMMR/MSI-H腫瘍は結腸がん全体の約15%を占める。これまで、dMMR大腸がんに対するFDA承認済みの免疫療法は、切除不能または転移性の進行癌(pembrolizumab, nivolumab, および2025年4月承認のnivolumab+ipilimumab)に限定されていた。本承認により、アテゾリズマブは根治目的の治療段階である術後補助療法において、初の免疫療法ベースの選択肢となった。
今後の展望
ATOMIC試験の探索的解析では、mFOLFOX6を6サイクルより多く投与した患者において、ハザード比が0.41(95% CI, 0.27-0.64)と顕著なリスク低減が示された。これにより、非転移性dMMR結腸がんの治療における重要な前進がもたらされたとされる。今後は、根治切除後の早期段階からPD-L1阻害薬を導入することで、再発率のさらなる低下が期待される。
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