主要成果
TSMCは、CoWoS(Chip-on-Wafer-on-Substrate)を最終的に置き換える次世代パッケージング技術CoPoS(Chip-on-Panel-on-Substrate)の開発を加速させています。この革新的なアプローチは、IbidenとInnoluxとの協力により開発されたガラスコア基板を中核とし、2028年以降の超大型AIチップの製造コストを30%削減し、ウェハ利用率を90%以上に劇的に向上させることを目指しています。
技術・臨床詳細
CoPoSパッケージングは、従来のウェハレベルのCoWoSとは異なり、パネルレベルでチップを統合するアプローチです。ガラスコア基板は、ABF(Ajinomoto Build-up Film)材料で挟まれた三層構造を持ち、その優れた特性がCoPoSの鍵となります。TSMCが検証した結果、ガラス基板は、有機基板と比較して、はるかに高い平面度(コプラナリティ)、低い熱膨張係数(CTE)、および向上した電力完全性(Power Integrity)を提供します。これにより、大規模なAI GPUパッケージにおいて、反り(Warpage)や熱応力による問題が大幅に軽減され、より多くのチップをより信頼性の高い方法で統合することが可能になります。ウェハ利用率が70%未満から90%以上に向上することで、超大型チップ製造時の幾何学的廃棄物(例えば、ウェハの円形とチップの四角形の不一致による無駄)の問題が大幅に解決され、製造コストの大幅な削減に直結します。
背景・業界文脈
AIの進化に伴い、AIチップのサイズと複雑性は増大の一途を辿っています。これにより、CoWoSのような先進パッケージング技術の重要性が高まる一方で、有機基板の物理的限界(特に大型化に伴う反りや熱膨張)やウェハレベルでの製造コスト効率の課題が顕在化していました。TSMCは、これらの課題を克服するため、ガラス基板の採用を推進しており、日本のABF基板大手であるIbidenと台湾のディスプレイパネルメーカーInnoluxとの戦略的な協力関係を構築しています。この動きは、半導体業界が従来の微細化だけでなく、後工程での革新を通じて性能とコスト効率を追求する方向へとシフトしていることを明確に示しています。
今後の展望
CoPoSパッケージングとガラスコア基板技術の採用は、2028年以降の次世代AIチップ、特に大規模なAIプロセッサの設計と製造に革命をもたらす可能性を秘めています。コスト削減と利用率向上は、AIハードウェアの普及を加速させ、より広範なAIアプリケーションの実現に貢献するでしょう。この技術は、半導体産業全体の競争環境を変化させ、特に材料サプライヤーやパッケージング装置メーカーにとって新たなビジネスチャンスを生み出すことが期待されます。TSMCのCoPoSへの注力は、今後の先進パッケージング技術の主要トレンドを形成する重要な動向として、業界から注目されています。
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