TECHNOLOGY EXPLAINER
中性原子
― 光のピンセットで並べた「原子」が量子ビットになる仕組みと、それを支える光学・真空
中性原子方式は、真空の中に、レーザー光の「ピンセット」で原子を1個ずつ捕まえて並べ、それぞれを量子ビットにします。イオントラップと同じく、自然が作った同一の原子を使いますが、原子は電気を持たないので、電場ではなく光で捕まえます。電気を持たない原子どうしは、ふつうは触れ合わないため、2量子ビットゲートには「リュードベリ状態」という、原子を高く励起して一時的に大きく広げる工夫を使います。同じ原子を数千個も並べられること、原子を動かして接続を変えられることが特長で、近年は誤り訂正の実験も進んでいます。一方、原子が逃げる(損失)問題があります。この記事では、①どうやって原子を捕まえ並べるか、②量子ビットは何か、③どう操作し、読み出すか、④長所と短所、⑤大規模化(ゾーン方式)、⑥装置の光学・真空、⑦確認日(2026年10月16日)時点の到達点を、図と小さな数値例で順に説明します。
- 3行でわかる/前提/シリーズの中での位置
- 復習:量子ビットは「矢印」
- 光ピンセットで原子を捕まえ、並べる
- 量子ビットは「原子の中の2つの状態」
- 操作:1量子ビットと、リュードベリ状態による2量子ビット
- 読み出しと、原子の損失
- 同じ型の「カード」で要点を整理し、他の3方式と並べる
- 大規模化:ゾーン方式と、原子の数
- 装置・光学・真空
- 現在地(確認日 2026年10月16日)と計画
- 限界と、確認できなかったこと/まとめ
- 評価・標準の読み方
- 用語集
- 参考資料(一次情報)
- 主張と出典の対応表(監査)
事実=公表資料に記載のある内容(出典リンクあり)
本稿の計算=明示した前提をもとに本記事が算出した値
未確定/将来=計画・目標・草案など、確定していない事項
このほか、材料研究への読み取りやたとえ話は「解説」として区別しています。推測は太字で示します。
量子コンピュータの数字は、何を、どう測ったかとセットでないと意味が決まりません。この記事では、誤り率・忠実度・寿命に、方式・測定対象・平均か最良か・日付を添えます。企業の発表は「企業の主張」、計画や目標は未確定/将来として、達成した事実と分けて書きます。ゲートのパルスの長さとリュードベリ状態の寿命の比(約0.3%)は、同じ論文の2つの数を組み合わせた、本稿の計算の例です。規格(ISO/IEC・IEEE)の本文は有料のため確認しておらず、題名・状態の記載にとどめています。簡単に説明するために、嘘は書いていません。たとえ話には、必ず「たとえの限界」を添えます。
1. 3行でわかる/前提/シリーズの中での位置
- 中性原子の量子ビットは、真空の中に、光ピンセットで捕まえた1個の原子です。0と1は、原子の内部の2つの状態(超微細準位など)です[参考資料1・2]事実
- 同じ原子を数千個も並べられ、動かして接続を変えられるのが特長です(6,100個の原子の配列、3,000個超を2時間以上維持した例)。2量子ビットゲートは、原子を一時的に「リュードベリ状態」にして行い、99.5%(最大60原子を並列)の忠実度が報告されています[参考資料3・4・1]事実
- 課題は、原子が逃げる(損失)ことと、サイクルが遅いことです。ただし、損失は「どの原子が逃げたか」が分かるので、誤り訂正では扱いやすい誤りにもなります[参考資料4・5・6]事実
中性原子は、「光で、同じ原子を大量に並べて動かせる」方式です。電気を持たない原子の2量子ビットゲートは、リュードベリ状態という「一時的に大きく広げた状態」で行い、最大の課題は、原子が逃げることです。
前提:特になし。矢印のたとえは次章で復習します(量子力学の式は使いません)。
シリーズの中での位置:「量子コンピュータの基礎」「量子ゲートと量子回路」の次に読むと分かりやすい記事です。イオントラップ編(同じく原子を使う方式)と、続けて読むと違いがよく分かります。誤り訂正は「量子誤り訂正と表面符号」「論理量子ビットと耐故障量子計算」編、真空と光学は「光ファイバー」「半導体レーザー」「光検出器」「量子コンピュータの材料と製造」編で扱います。
2. 復習:量子ビットは「矢印」
このシリーズでは、量子ビットの状態を球の中心から表面に向かう矢印で表します。北極を向けば「0」、南極を向けば「1」、斜めを向いていれば重ね合わせです。矢印が斜めのとき、測ると必ず0か1のどちらかに決まり、どちらになるかの確率は矢印の傾きで決まります。測った後は、矢印は北極か南極に固定され、元の傾きは戻りません。
これは誤りです。矢印が斜めを向いている状態は、「0と1の両方が入っている」のではなく、「0と1のあいだの、ある決まった向き」です。測ると、0か1のどちらか一方になります。量子コンピュータの力は、この矢印の向きを「波」のように重ね、正しい答えが強め合うように設計することから生まれます(本シリーズ「量子アルゴリズム」編)。
3. 光ピンセットで原子を捕まえ、並べる
① 光は原子を引き寄せる
電気を持たない原子(中性原子)は、電場では動かせません。そこで、光の力を使います。レーザー光を、レンズで針のように細く絞ると、その焦点に、原子を引き寄せる「谷」ができます(解説:光の電場が原子の中に小さな電気の偏りを作り、光の強いほうへ引かれる。原子の共鳴より低い周波数の光で起きる)。この細い光の谷が光ピンセットで、1本のピンセットに、原子を1個つかまえます[参考資料7・8]事実。
② 並べる:測って、動かす
多数のピンセットは、液晶の位相の板(空間光変調器、SLM)などで一度に作ります。ところが、原子はピンセットに確率的にしか入りません。そこで、一度写真を撮って原子の位置を調べ、別のピンセット(AODという素子で素早く振る)で原子を動かして、隙間を詰めます。Endres ら(2016年)は、この「測ってから動かす」手順で、50個を超える隙間のない配列を400ミリ秒未満で作りました[参考資料9・10]事実。Evered らの装置では、87Rb 原子を850 nm のピンセットに入れ、810 nm のピンセットで並べ替え、冷却して約10 μK、深さ約1 mK の谷に保ちました[参考資料1]事実。
元のSVG・数値・出典を確認する
元SVGの説明:本稿の計算を含む作図(ベクター作図)。光ピンセットと原子の並べ替えの概念図。数値は Evered ら[参考資料1]、Endres ら[参考資料9]によります。「10 μK ÷ 20 mK = 1/2,000」は本稿の計算(超伝導量子ビットの運用温度は Krantz らの総説による)。
ここでいう「約10 μK」は、原子の揺れの激しさのことで、装置が冷えているわけではありません。装置(真空容器と光学部品)は室温で、原子だけがレーザー光で冷やされています。冷凍機で装置全体を冷やす超伝導量子ビットとは、冷やし方が違います[参考資料1・3]事実。
4. 量子ビットは「原子の中の2つの状態」
中性原子の量子ビットも、イオンと同じく、原子の内部の2つの状態です。よく使われるのは、アルカリ原子(ルビジウム、セシウム)の基底状態の超微細準位の2つで、Evered らは |F = 1, mF = 0⟩ と |F = 2, mF = 0⟩ を0と1にしています[参考資料1・2]事実。もう一つの流れが、アルカリ土類原子(イッテルビウム、ストロンチウム)です。Ma らは、171Yb の準安定な状態の核スピンを量子ビットにして、誤りの多くを検出できる損失に変える工夫を示しました[参考資料11・5]事実。
状態を保つ時間は、非常に長い例があります。Manetsch らは、6,100個の原子の配列で、超微細準位の量子ビットのコヒーレンス時間12.6秒(ピンセットの配列では、超微細量子ビットの最長と報告)、室温の装置での捕まえておける時間23分、撮像での生存確率99.98952% を示しました[参考資料3]事実。ただし、これは原子を捕まえて保持する性能で、2量子ビットゲートの精度とは別の話です。ゲートの間だけ、原子を「リュードベリ状態」に励起し、すぐに戻します(次章)。
これは誤りです。6,100個は、ピンセットで原子を捕まえて、長い時間コヒーレンスを保てることを示した数で、6,100量子ビットで計算した、という意味ではありません[参考資料3]事実。計算の実験で使われた数は、例えば、論理量子ビットの実験の最大280個、誤り訂正の実験の最大448個です[参考資料12・13]事実。また、3,000個超を2時間以上維持した実験は、原子を補充し続ける連続運転の実証で、計算ではありません[参考資料4]事実。「何量子ビット」は、何をした数か(並べた、保持した、ゲートをかけた、誤り訂正をした)と、物理か論理かを確認してください。
5. 操作:1量子ビットと、リュードベリ状態による2量子ビット
① 1量子ビットの操作:矢印を回す
0と1のあいだの周波数に合わせた光(2本のレーザー光の差の周波数を使うラマン遷移)やマイクロ波で、矢印を回します。Evered らは、全原子に同時に当てる光(ラビ周波数1 MHz)で、パルスの形を工夫して誤差を抑えました(BB1 パルス)[参考資料1]事実。個々の原子に別々に当てる局所的な操作も、Radnaev らが、1量子ビットの局所ゲートの忠実度99.902(8)% で示し、Bluvstein らの論理プロセッサも、完全にプログラムできる1量子ビットの回転を備えます[参考資料2・12]事実。
② 2量子ビットの操作:「長い腕」を一時的に伸ばす
ここが、中性原子の最大の工夫です。基底状態にある原子どうしは、ほとんど触れ合いません。そこで、ゲートの間だけ、原子を「リュードベリ状態」に励起します。リュードベリ状態は、電子がとても遠くまで広がった状態で、原子どうしの相互作用が強く、寿命も長い(量子数 n が大きいほど、相互作用は n⁴、寿命は n³ に比例して大きくなる)という性質があります[参考資料14]事実。この考えは、Jaksch らが2000年に提案しました[参考資料15]事実。近くの原子Aがリュードベリ状態になると、原子Bは同じ光で励起できなくなります(ブロッケード)。この「片方が励起されると、もう片方は励起されない」という関係が、2つの原子の状態に依存した操作(CZ ゲート)になります。
基底状態の原子は確かにほとんど触れ合いませんが、一時的にリュードベリ状態にして、触れ合う力を「借りる」ことで、2量子ビットゲートを作れます。触れ合わない性質は、むしろ、ゲートをかけていない間に原子どうしが邪魔し合わず、状態を長く保てるという長所にもなります(解説)。2量子ビットゲートの忠実度99.5%(Evered ら)は、この仕組みで得られました[参考資料1]事実。
Evered らは、ゲート用のレーザー光を全体に一度に当て、ペアにして近づけた原子の対だけに、ブロッケードでゲートがかかるようにしました。光は全部に当たるが、効くのは近づけた対だけという仕組みで、最大60原子を並列で動かしています[参考資料1]事実。超伝導やイオンでは、操作する量子ビットごとに別の信号を用意する場面が多いのに対し、中性原子では、光を共通にして、原子を動かすことで、どの対に効かせるかを決めるのが特徴です(解説)。
6. 読み出しと、原子の損失
読み出しは、イオンと同じく「光る/暗い」です。読み出し用のレーザー光を当て、原子の蛍光をカメラで撮ります。片方の状態の原子だけが光り、もう片方は暗いままです。原子ごとの位置が写真で分かるので、多数の原子を一度に読み出せます(Manetsch らは、撮像の忠実度99.99% 超を報告)[参考資料3]事実。Radnaev らは、アルカリ原子の量子ビットを壊さずに読み出す方法(損失0.9(3)%)を示しました[参考資料2]事実。
最大の課題:原子が逃げる
光ピンセットの谷は浅く、原子は少しずつ逃げます。Chiu らは、原子の損失が、中性原子の装置を、パルス的な運転に縛ってきたと述べ、原子を補充し続けて、3,000個超の配列を2時間以上維持する「連続運転」を示しました(毎秒30万個の原子をピンセットに補充)[参考資料4]事実。一方で、逃げた原子は、ピンセットが空になることでどの原子か分かるので、場所の分からない誤りより扱いやすい、という考えがあります(消失誤り)。Scholl らと Ma らは、アルカリ土類原子で、誤りを「検出できる損失」に変える消失変換を示し[参考資料5・11]事実、Reichardt らは、イッテルビウム原子256個の装置で、誤りの主な原因が原子の損失として検出されるよう設計し、48原子に24個の論理量子ビットをもつれさせました[参考資料6]事実(プレプリント)。
そうとは限りません。逃げた原子は、写真で場所が分かるため、その情報を使って誤りを直せる場合があります(消失誤り)。Reichardt らは、損失として検出された誤りを、平均1.8個の失われた原子とともに訂正した例を報告しています[参考資料6]事実(プレプリント)。ただし、損失が多すぎると訂正できず、原子の補充やサイクルの高速化も必要です。「損失の扱い方」が、この方式の大きな研究課題です。
7. 同じ型の「カード」で要点を整理し、他の3方式と並べる
ここまでを、シリーズで共通の5つの問い(何で作る・0と1は・どう操作・どう読む・長所と短所)に答える「カード」にまとめます。他の3つの記事も、同じ型のカードを使います。
4つの方式を同じ型で読み比べる
| 項目 | 超伝導 | イオントラップ | 中性原子 | 光量子 |
|---|---|---|---|---|
| 量子ビットの実体 | 超伝導体の回路(トランズモンなど)。チップ上に描いた、大きさ約1 mm の「人工原子」[参考資料17] | 高周波の電場で真空中に浮かせた1個の原子イオン(例:Ba⁺、Yb⁺)[参考資料18・19] | 光ピンセット(細く絞ったレーザー光)で真空中に捕まえた1個の中性原子(例:Rb、Cs、Yb)[参考資料1・11・2] | 光子(光の粒)。導波路(光の通り道)や光ファイバーを進む[参考資料20・21] |
| 0と1の区別 | 回路のエネルギーの、いちばん低い2つの段[参考資料17] | 原子内部の2つの状態(例:Ba⁺ の超微細準位の2つ)[参考資料19] | 原子内部の2つの状態(例:Rb の超微細準位の2つ)[参考資料1] | 光子が通る道(例:2本の導波路のどちらか)。時間の早い・遅いでも表せる[参考資料20・22] |
| 操作の方法 | マイクロ波パルス。2量子ビットゲートは、結合器やクロス共鳴で作る[参考資料17・23] | レーザー光(またはマイクロ波・電気信号)。2量子ビットゲートは、イオン全体の共通の揺れを仲立ちにする[参考資料18・24・25] | レーザー光。2量子ビットゲートは、原子を高く励起したリュードベリ状態にして、近くの原子に影響を与える[参考資料14・1] | 光回路での干渉と、光子の検出(測定)。光子どうしは素通りするので、測定で相互作用を作る[参考資料22・26] |
| 読み出しの方法 | 共振器のマイクロ波の応答のずれを測る(分散読み出し)[参考資料27・28] | 光を当てて、蛍光が出るか(明るい/暗い)を見る[参考資料18] | 蛍光を撮像し、原子ごとの明るい/暗いを見る[参考資料3] | 光検出器で、どの道に光子が来たかを数える(超伝導ナノワイヤ検出器を約2 K で使う例)[参考資料20] |
| 動作の環境 | 希釈冷凍機で約20 mK[参考資料17] | 超高真空。トラップは室温のものも、冷やしたものもある[参考資料29・30] | 超高真空の容器にレーザーと光学部品。原子は約10 μK、装置は室温[参考資料1・3] | 光回路の多くは室温で動く。検出器は冷やす構成が多い[参考資料21・20] |
| 2量子ビットゲートの時間の例 | 43 ns(Barends らの例)や約200 ns(クロス共鳴の例)[参考資料17] | 約70 μs(Helios の例)。3.8 μs〜520 μs の範囲を調べた例もある[参考資料19・29] | ゲートのパルスは数百 ns の規模(Evered らの較正値の例:275 ns)。再配置や撮像には、これより長い時間がかかる[参考資料1・13] | 本稿では代表値を確認できなかった |
| 2量子ビットの操作の質の例(定義が違う) | IBM 公式ページの表示値 EPLG 3.7×10⁻³(測定条件は確認できなかった)[参考資料23・31] | 平均不忠実度 7.9×10⁻⁴(Helios、98量子ビット機の全ゾーンの平均)[参考資料19] | 忠実度 99.5%(最大60原子を並列、Evered ら)[参考資料1] | 「融合」の忠実度 99.22%(検出に成功した場合のみ。損失は含まない)[参考資料20] |
| 強み | 速い。半導体の微細加工が使える[参考資料17] | 同じ種類のイオンはすべて同一。操作の精度が高い[参考資料18・19] | 同じ原子を大量に並べられる(6,100個)。配置を変えられる[参考資料3・32] | 光ファイバーでつなぎやすい。光回路を半導体工場で作る構想[参考資料20・21] |
| 弱み | 量子ビットの寿命が比較的短い。配線と冷却、作りのばらつき[参考資料33・34・35・36] | ゲートが遅い。大規模化には電極・レーザー・配線が増える[参考資料19・18] | 原子が逃げる(損失)。サイクルが遅い[参考資料4・13] | 光子の損失が最大の課題。光子どうしが相互作用しにくい[参考資料21・22] |
整理は解説、各セルの数値・事実は出典(参考資料)によります(確認日 2026年10月16日)。数字は定義も条件も違う別々の量なので、方式どうしの優劣をつけないでください。
答えは「まだ決まっていない」です。速さ(超伝導)、精度と全結合(イオン)、数の多さと配置の自由(中性原子)、通信との相性(光)と、得意なことが違います。どの方式も、「量子ビットを増やしても質を保つ」という同じ難問に、別の道から挑んでいます。この記事の表の数字は、定義も条件も違うので、並べて比べないでください。
8. 大規模化:ゾーン方式と、原子の数
中性原子の大規模化の考え方は、原子を動かして、必要な場所でだけゲートをかけることです。Bluvstein らは、2022年に、もつれた原子の配列を、もつれを保ったまま2次元で動かし、動かしながら1・2量子ビット操作を挟む、動的に接続を変えられるプロセッサを示しました[参考資料32]事実。2023年には、ゾーン方式(保管・演算・読み出しの領域を分け、原子を動かす)で、最大280個の物理量子ビットの上で、論理量子ビットを動かし、符号の距離を3から7へ上げて2量子ビット論理ゲートが改善する例、最大48個の論理量子ビットをもつれさせた例を報告しました[参考資料12]事実。
2025年のBluvsteinらは、最大448個の原子で、表面符号による誤り訂正を、4ラウンドの測定の回路で調べ、原子の損失の検出と機械学習による復号を使って、しきい値以下の性能(2.14(13)倍)を示しました。さらに、論理量子ビットの間の演算(横断ゲート、格子手術)、論理量子ビットの再利用(サイクル速度を2桁上げた)を実験しています[参考資料13]事実。Reichardt らは、マイクロソフトの量子チームと Atom Computing の共同で、256個のイッテルビウム原子の装置を使い、28個の論理量子ビット(112原子)でベルンシュタイン・ヴァジラニ・アルゴリズムを、物理の誤り率より良い誤り率で実行したと報告しています[参考資料6]事実(プレプリント)。
上の図のように、中性原子では、「数千個の原子」と「数百個で行った誤り訂正の実験」は、示していることが違います。量子ビットは、数と質(誤り率)、接続の形、速度、物理か論理かの全体で見ます。ゲートの速さは、パルスの長さは数百 ns でも、原子の再配置や撮像に時間がかかるため、全体のサイクルは長くなります(Bluvstein らは、量子ビットの再利用でサイクル速度を2桁上げた、と報告)[参考資料13・1]事実。
9. 装置・光学・真空
中性原子の装置は、極低温の冷凍機が要らない代わりに、光学部品とレーザーの塊です。素材技術者に関係する論点を、図の番号ごとに整理します。
元のSVG・数値・出典を確認する
元SVGの説明:概念図(ベクター作図)。中性原子の装置の全体像と、素材・光学・真空の論点の概念図。数値は Evered ら[参考資料1]、Radnaev ら[参考資料2]、Manetsch ら[参考資料3]によります。
中性原子では、原子を捕まえるのも、動かすのも、ゲートをかけるのも、読むのも、すべて光です。Evered らは、リュードベリ励起のビームを、SLM で平らな強度分布に整えて、原子ごとの光の強さの差を小さくしています[参考資料1]事実。光の強さが原子ごとにずれれば、ゲートの回転の角度がずれます。つまり、レンズ、ミラー、SLM、AOD などの光学部品の面精度、均一性、散乱、熱による変形が、そのままゲートの誤りに響きます(解説)。光学部品の材料・コーティング・製造は、本シリーズの「光ファイバー」「半導体レーザー」「光検出器」編と共通する材料の話題です。
ピンセットに捕まえた原子は、残った気体の分子に当たると逃げます。Evered らの装置では、真空による原子の寿命は約10秒でした[参考資料1]事実。Manetsch らの装置では、室温での捕捉寿命が23分に延び、それが、6,100個の配列と、撮像の高い生存確率につながっています[参考資料3]事実。この差は、真空容器の材料、ガスを出さない部品の選び方、ポンプとゲッターの設計などによる、と考えられます(推測)。超高真空は、原子の寿命だけでなく、サイクルの長さと、必要な原子の補充の量まで決める点で、素材技術者の見どころです。
10. 現在地(確認日 2026年10月16日)と計画
① 誤り訂正の実験(大学の研究チームの査読論文)
2025年11月に Nature に掲載された Bluvstein らの論文は、最大448個の中性原子の配列で、しきい値以下の誤り訂正(2.14(13) 倍)、論理量子ビット間の演算、量子ビットの再利用を示しました[参考資料13]事実。これは数ラウンドの測定の回路での実験で、長い計算の実行ではありません。他の研究室による同じ実験の再現は、本稿では確認できませんでした。
② 企業の研究チーム
Infleqtion の研究チームは、セシウム原子で、個々の原子に別々に光を当てる方式の汎用の中性原子コンピュータを報告しました(CZ ゲート 99.35(4)%、原子の損失の事象を除くと99.73(3)%)[参考資料2]事実。マイクロソフトの量子チームと Atom Computing は、256個のイッテルビウム原子での耐故障計算の実験をプレプリントで報告しています[参考資料6]事実。いずれも企業チームの論文で、他の研究室による再現は確認していません。
③ 計画(未確定/将来)
論文は、数千〜数万個の原子での計算と誤り訂正を目指す、という見通しを述べています(例:Manetsch らは、数千〜数万の物理量子ビットでの普遍量子計算と誤り訂正が近い将来の見込みだと述べる)[参考資料3]未確定/将来。企業のロードマップ(量子ビット数、論理量子ビット数、年)は、本稿では公式資料で確認できませんでしたので、記載していません。
11. 限界と、確認できなかったこと/まとめ
(1) 規格の本文
ISO/IEC 4879:2024 の本文は有料のため確認していません。IEEE P7130・P7131 は、IEEE の公式ページを取得できず、StandICT.eu の記載で案件の存在を確認したにとどまります。
(2) プレプリントと企業の論文
Reichardt らと Peper らはプレプリント、Radnaev らは企業チームの論文です。査読の有無と、他の研究室による再現を区別してください。
(3) ゲートの時間
Evered らのパルスの長さ(275 ns)は、較正の図に記された値の一例で、全装置の代表値ではありません。再配置・撮像を含むサイクルの時間の代表値は、本稿では確認できませんでした。
(4) 扱っていない内容
分子や、光学格子(原子を周期的な光の格子に置く方式)、原子と光子の結合(量子ネットワーク)、国内の研究(分子研など)は扱っていません。
(5) 計画の達成度
企業のロードマップは確認できなかったため、達成度は書いていません。
- 中性原子は、光ピンセットで捕まえた1個の原子を量子ビットにします。0と1は、原子の内部の2つの状態です事実
- 2量子ビットゲートは、原子を一時的にリュードベリ状態にして、ブロッケードで作ります。光は共通で、原子を動かして対を決めます事実
- 読み出しは、蛍光の撮像。多数の原子を一度に読み、逃げた原子も分かります事実
- 最大の課題は、原子が逃げること。連続運転と、損失を「消失誤り」として扱う工夫が進みます事実
- 原子の数だけでは性能は分かりません。6,100個の配列、448個の誤り訂正、280個の論理プロセッサは、示していることが違います事実
12. 評価・標準の読み方
中性原子の性能は、2量子ビットゲートの精度、撮像と原子を保持する性能、誤り訂正でどこまで抑えられたかで見ます。数字は、「原子の損失を除くか」「状態準備の誤りを補正するか」「何を数えた原子の数か」で変わります。標準は、いまのところ「用語」が先行していて、性能の測り方の標準は案件の段階です(確認日 2026年10月16日)。
| 評価項目 | 代表的なベンチマーク・評価手法(名称・出典) | 標準・指針(NIST・ISO/IEC・IEEE・ETSI・ITU-T・IETF など) | 読み方の注意 |
|---|---|---|---|
| ゲートの精度(2量子ビット) | ベンチマークのゲート列(ランダム化ベンチマーキングに近い、ゲートを繰り返す方法)で、ベル状態やゲートの忠実度を推定。例:Evered ら 99.5%(最大60原子並列)、Radnaev ら 99.35(4)%[参考資料1・2・37]事実 | 確認できなかった | 原子の損失の事象を除くか(Radnaev ら:99.35% → 99.73%)、状態準備の誤りを補正するか(Scholl ら:≥0.9971 → ≥0.9985)で、数字が変わる[参考資料2・5] |
| 撮像と原子の保持 | 撮像の忠実度と生存確率、捕捉寿命、コヒーレンス時間。例:Manetsch ら 99.99% 超、99.98952%、23分、12.6 s[参考資料3]事実 | 確認できなかった | 保持の性能は、ゲートの精度とは別の話。原子の数と並べて優劣をつけない |
| 誤り訂正の進み具合 | 論理誤り率と、符号の距離を上げたときの抑制率(しきい値以下は2.14(13) 倍)、論理量子ビットの数(最大48個)。Bluvstein ら[参考資料12・13]事実 | 確認できなかった | 何ラウンドの回路か、損失の検出と機械学習の復号を使ったか、を確認する(計算の長さではない) |
| 計画と達成 | 論文が述べる見通し(数千〜数万の物理量子ビットでの計算と誤り訂正)。企業のロードマップは確認できなかった[参考資料3]未確定/将来 | 確認できなかった | 見通しは達成した事実ではない。物理か論理かの区別を確認する |
| 物理系が量子コンピュータの材料として足りているか | DiVincenzo の7項目(5つの要件+通信の2つ)。①量子ビットを多数そろえられる、②初期化できる、③ゲートより十分長いデコヒーレンス時間、④万能のゲート、⑤量子ビットごとの測定、⑥⑦通信に関する2つ[参考資料39]事実 | 確認できなかった(標準ではなく、論文の整理) | チェックリストであり、点数ではない。4方式とも、満たし方と弱点が違う |
| ゲートの精度(1量子ビット・2量子ビット) | ランダム化ベンチマーキング(RB)。ランダムなゲート列を繰り返し、成功の減り方から平均の誤りを推定する(Knill ら、2008/Magesan ら、2011)[参考資料40・37]事実 | IEEE P7131(量子コンピュータの性能指標・ベンチマーク)は案件段階[参考資料41]未確定/将来 | 「忠実度99.9%」は、何の操作を、どう測ったかとセットで読む。RB は測定のしかたで数字が変わる |
| 装置全体の質 | 量子ボリューム(Cross ら、2019)、EPLG(McKay ら、2023)、CLOPS(Wack ら、2021)、能力を測る手法(Proctor ら、2022)[参考資料42・31・43・44]事実 | 確認できなかった(IEEE P7131 は案件段階)[参考資料41]未確定/将来 | 指標ごとに測るものが違う。1つの数字で装置の優劣を決めない(ベンチマーク全般の整理:Acuaviva ら、2026[参考資料45]) |
| 用語・定義 | —(評価ではなく用語の標準) | ISO/IEC 4879:2024 "Information technology — Quantum computing — Vocabulary"(第1版、2024年5月、発行済み)[参考資料38]事実。IEEE P7130(量子技術の用語。案件段階)[参考資料46]未確定/将来 | 規格の本文は有料のため未確認。要求事項や定義の中身は書いていない |
表の整理は本稿の計算(整理)。規格の本文は有料のため、題名・状態にとどめています(確認日 2026年10月16日)。
読み方の注意(素材技術者向け)
- 「何量子ビット」だけでは性能は分かりません。何をした数か(並べた、保持した、ゲートした、誤り訂正した)と、物理か論理かを確認してください[参考資料3・12・13]
- 損失を除いた数字か、含めた数字かを確認してください。Radnaev らの99.35% と99.73% は、同じ装置の、条件の違う2つの数字です[参考資料2]
- プレプリントと査読論文、企業の論文と第三者の再現は別です。Reichardt らはプレプリント、Radnaev らは企業チームの査読論文です[参考資料6・2]
- 標準は、推奨か要求か、法的拘束力があるかを確認してください。ISO/IEC 4879 は用語の規格で、性能を保証するものではありません[参考資料38]。計画は未確定/将来です
13. 用語集
- 量子ビット(qubit)
- 量子コンピュータの情報の単位。0と1のあいだの向きを持てる。シリーズ共通のたとえでは「矢印」。
- 中性原子
- 電気を持たない原子。電場ではなく、光の力で捕まえる。
- 光ピンセット
- レーザー光を細く絞って作る、原子を引き寄せる光の「谷」。
- 空間光変調器(SLM)
- 液晶などで光の位相を変え、多数のピンセットを一度に作る素子。
- 音響光学偏向器(AOD)
- 音波で光の向きを素早く振り、原子を動かすピンセットを作る素子。
- 超微細準位
- 原子の基底状態のうち、ごく近いエネルギーの2つの段。多くの中性原子で、0と1に使う。
- ラマン遷移
- 2本のレーザー光の差の周波数で、0と1のあいだを行き来させる方法。
- リュードベリ状態
- 電子がとても遠くまで広がった、高く励起した状態。原子どうしの相互作用が強い。
- ブロッケード
- 近くの原子がリュードベリ状態だと、もう一方が同じ光では励起できなくなる効果。
- CZ ゲート
- 2つの量子ビットがともに1のときだけ、位相を反転させる2量子ビットゲート。
- 蛍光撮像
- 原子の蛍光をカメラで撮り、光る/暗いで0と1を読む方法。
- 損失(原子の逃げ)
- 原子がピンセットから逃げること。この方式の最大の課題。
- 消失誤り(erasure)
- 誤りの場所が分かっている誤り。場所が分からない誤りより直しやすい。
- 消失変換
- 誤りを、検出できる損失に変える工夫。
- 連続運転
- 原子を補充し続けて、配列を長時間維持する運転。
- ゾーン方式
- 保管・演算・読み出しの領域を分け、原子を動かして使う方式。
- アルカリ原子/アルカリ土類原子
- ルビジウム・セシウムなど/イッテルビウム・ストロンチウムなど。量子ビットの取り方が違う。
- 物理量子ビット/論理量子ビット
- 実際の1個の原子/誤り訂正で守った、多数の物理量子ビットで表す1個の量子ビット。
- コヒーレンス時間
- 量子ビットが状態を保てる時間の目安。
- 忠実度(フィデリティ)
- 操作や状態が理想にどれだけ近いかの割合。1に近いほど良い。
- しきい値以下
- 物理の誤りが十分小さいと、符号を大きくするほど論理誤りが減る状態。
- 真空による原子の寿命
- 残った気体の分子が当たって、原子が逃げるまでの時間の目安。
14. 参考資料(一次情報)
- Evered S. J. ほか "High-fidelity parallel entangling gates on a neutral-atom quantum computer", Nature 622, 268–272 (2023), DOI 10.1038/s41586-023-06481-y(本稿は arXiv:2304.05420 版の本文も確認) — doi.org/10.1038/s41586-023-06481-y
- Radnaev A. G. ほか (Infleqtion) "A universal neutral-atom quantum computer with individual optical addressing and non-destructive readout", PRX Quantum 6, 030334 (2025), DOI 10.1103/66s8-jj18 — doi.org/10.1103/66s8-jj18
- Manetsch H. J. ほか "A tweezer array with 6,100 highly coherent atomic qubits", Nature 647, 60–67 (2025), DOI 10.1038/s41586-025-09641-4(本稿は arXiv:2403.12021 版の要旨を確認) — doi.org/10.1038/s41586-025-09641-4
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- Bluvstein D. ほか "A fault-tolerant neutral-atom architecture for universal quantum computation", Nature 649, 39–46 (2025), DOI 10.1038/s41586-025-09848-5(本稿は arXiv:2506.20661 版の要旨を確認) — doi.org/10.1038/s41586-025-09848-5
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- Peper M. ほか "Spectroscopy and modeling of 171Yb Rydberg states for high-fidelity two-qubit gates", arXiv:2406.01482(2024年6月、プレプリント) — arxiv.org/abs/2406.01482
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- Ransford A. ほか (Quantinuum) "A 98-qubit trapped-ion quantum computer with all-to-all connectivity", Nature 655, 81–86 (2026), DOI 10.1038/s41586-026-10676-4(本稿はプレプリント arXiv:2511.05465 "Helios: A 98-qubit trapped-ion quantum computer" の本文を確認) — doi.org/10.1038/s41586-026-10676-4
- Alexander K. ほか (PsiQuantum) "A manufacturable platform for photonic quantum computing", Nature 641, 876–883 (2025), DOI 10.1038/s41586-025-08820-7(本稿は arXiv:2404.17570 版の本文も確認) — doi.org/10.1038/s41586-025-08820-7
- Aghaee Rad J. ほか (Xanadu) "Scaling and networking a modular photonic quantum computer", Nature 638, 912–919 (2025), DOI 10.1038/s41586-024-08406-9 — doi.org/10.1038/s41586-024-08406-9
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- Zhang E. J. ほか "High-fidelity superconducting quantum processors via laser-annealing of transmon qubits", arXiv:2012.08475(Sci. Adv. 8, eabi6690 (2022) として掲載。本稿は arXiv 版の要旨を確認) — arxiv.org/abs/2012.08475
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- StandICT.eu "P7130 - Standard for Quantum Technologies Definitions"(IEEE の案件。標準化情報サイト StandICT.eu の標準リポジトリの記載。IEEE の公式ページは取得できなかった) — standict.eu/standards-repository/p7130-standard-quantum-technologies-definitions
15. 主張と出典の対応表(監査)
| 本文の主張 | 根拠 | 区分 |
|---|---|---|
| Evered ら:2量子ビット99.5%(最大60原子並列)、87Rb、850 nm の SLM ピンセット、810 nm の AOD、約10 μK・深さ約1 mK、超微細準位 |F=1,mF=0⟩・|F=2,mF=0⟩、全体照射のラマン(ラビ周波数1 MHz、BB1)、二光子励起 420 nm・1013 nm、真空寿命約10 s、較正値 T = 275 ns、リュードベリ状態の寿命88 μs(誤りの模型の仮定)、誤りの主な原因、SLM による平らなビーム | Evered らの論文(arXiv 版の本文) 出典1 https://doi.org/10.1038/s41586-023-06481-y | 事実 |
| Saffman らの総説:リュードベリ原子の相互作用 n⁴・寿命 n³。Jaksch ら:リュードベリ状態を使った高速ゲートの提案(2000年)。Kaufman と Ni・Browaeys と Lahaye:光ピンセットの配列の総説 | 各論文・総説の要旨 出典14 https://doi.org/10.1103/RevModPhys.82.2313 出典15 https://doi.org/10.1103/PhysRevLett.85.2208 出典7 https://doi.org/10.1038/s41567-021-01357-2 出典8 https://doi.org/10.1038/s41567-019-0733-z | 事実 |
| Endres ら・Barredo ら(2016年):測ってから動かして、50個超の隙間のない配列を400ミリ秒未満で作成 | Endres らの要旨(arXiv)、Barredo らの書誌 出典9 https://doi.org/10.1126/science.aah3752 出典10 https://doi.org/10.1126/science.aah3778 | 事実 |
| Manetsch ら:6,100原子・約12,000サイト、コヒーレンス時間12.6 s、室温での捕捉寿命23分、撮像の生存99.98952%・忠実度99.99%超、将来の見通し | Manetsch らの要旨(arXiv 版) 出典3 https://doi.org/10.1038/s41586-025-09641-4 | 事実 |
| Chiu ら:3,000個超を2時間以上維持、補充30万個/秒、損失がパルス運転を縛ってきたという記述 | Chiu らの要旨 出典4 https://doi.org/10.1038/s41586-025-09596-6 | 事実 |
| Bluvstein ら:2022年(もつれたまま動かす)、2023年(最大280物理量子ビット、距離3→7、最大48論理量子ビット、完全にプログラムできる1量子ビット回転)、2025年(最大448原子、2.14(13)倍、横断ゲート・格子手術、再利用で2桁)、Nature 掲載 | 各論文の要旨 出典32 https://doi.org/10.1038/s41586-022-04592-6 出典12 https://doi.org/10.1038/s41586-023-06927-3 出典13 https://doi.org/10.1038/s41586-025-09848-5 | 事実 |
| Ma ら:171Yb の準安定な核スピン、1量子ビット0.9990(1)・2量子ビット0.980(1)、消失変換。Scholl ら:消失変換、ベル状態 ≥0.9971・補正後 ≥0.9985 | 各論文の要旨 出典11 https://doi.org/10.1038/s41586-023-06438-1 出典5 https://doi.org/10.1038/s41586-023-06516-4 | 事実 |
| Radnaev ら(Infleqtion):Cs、CZ 99.35(4)%(損失を除くと99.73(3)%)、局所1量子ビット99.902(8)%、損失0.9(3)% の非破壊読み出し、459 nm・1040 nm、ガラスセル、EMCCD。Peper ら:171Yb、CZ 0.994(1) | Radnaev らの論文(arXiv 版の本文)、Peper らの要旨 出典2 https://doi.org/10.1103/66s8-jj18 出典16 https://arxiv.org/abs/2406.01482 | 事実 |
| Reichardt ら(マイクロソフトの量子チーム・Atom Computing):256個の Yb 原子、48原子に24論理量子ビット、112原子に28論理量子ビット、平均1.8個の損失を訂正、消失変換(プレプリント) | Reichardt らの要旨(arXiv) 出典6 https://arxiv.org/abs/2411.11822 | 事実 |
| DiVincenzo の「5つ(+通信の2つ)の要件」の枠組み | DiVincenzo(2000)の要旨と本文 出典39 https://arxiv.org/abs/quant-ph/0002077 | 事実 |
| ランダム化ベンチマーキングの原論文(Knill ら、Magesan ら)の存在と題名 | 論文の書誌(Crossref/出版社ページで確認) 出典40 https://doi.org/10.1103/PhysRevA.77.012307 出典37 https://doi.org/10.1103/PhysRevLett.106.180504 | 事実 |
| 量子ボリューム、EPLG、CLOPS、能力を測る手法、ベンチマークの総説の題名・要旨 | 各論文の要旨 出典42 https://doi.org/10.1103/PhysRevA.100.032328 出典31 https://arxiv.org/abs/2311.05933 出典43 https://arxiv.org/abs/2110.14108 出典44 https://doi.org/10.1038/s41567-021-01409-7 出典45 https://doi.org/10.1088/2058-9565/ae4269 | 事実 |
| ISO/IEC 4879:2024 の番号・題名・発行年月(第1版、2024年5月、発行済み) | ISO のページ 出典38 https://www.iso.org/standard/80432.html | 事実 |
| IEEE P7130・P7131 が IEEE の案件として存在すること(状態は案件段階として扱い、確定した規格とは書いていない) | StandICT.eu の標準リポジトリの記載(IEEE の公式ページは取得できなかった) 出典46 https://standict.eu/standards-repository/p7130-standard-quantum-technologies-definitions 出典41 https://standict.eu/standards-repository/p7131-standard-quantum-computing-performance-metrics-performance-benchmarking | 未確定/将来 |
| 他方式の事実(4方式の比較表):Krantz らの総説、Helios・Ballance らなどのイオン、Alexander ら・Aghaee Rad らの光量子 ほか | 各論文の要旨・本文 出典17 https://doi.org/10.1063/1.5089550 出典33 https://doi.org/10.1038/s41586-024-08449-y 出典34 https://doi.org/10.1038/s41586-025-09687-4 出典35 https://doi.org/10.1140/epjqt/s40507-019-0072-0 出典36 https://arxiv.org/abs/2012.08475 出典23 https://www.ibm.com/quantum/technology 出典18 https://doi.org/10.1063/1.5088164 出典19 https://doi.org/10.1038/s41586-026-10676-4 出典24 https://doi.org/10.1103/PhysRevLett.82.1971 出典25 https://doi.org/10.1103/h4wk-v31j 出典29 https://doi.org/10.1103/PhysRevLett.117.060504 出典30 https://doi.org/10.1038/s41586-020-2823-6 出典20 https://doi.org/10.1038/s41586-025-08820-7 出典21 https://doi.org/10.1038/s41586-024-08406-9 出典22 https://doi.org/10.1103/RevModPhys.79.135 出典26 https://doi.org/10.1038/s41467-023-36493-1 出典27 https://doi.org/10.1103/RevModPhys.93.025005 出典28 https://doi.org/10.1038/nature02851 出典31 https://arxiv.org/abs/2311.05933 | 事実 |
| 275 ns ÷ 88 μs ≈ 0.3%、10 μK ÷ 20 mK = 1/2,000、撮像1回あたりの損失(1 − 0.9998952 ≈ 1.05×10⁻⁴、約9,500回に1個) | 本稿の計算(入力値は上記の出典の数値) | 本稿の計算 |
| 光の力でピンセットができる原理、ブロッケードの説明、光は共通で原子を動かして対を決めるという整理、光学部品の面精度がゲートの誤りに響くこと、真空が原子の寿命とサイクルを決めること、原子が逃げる原因(残留気体・撮像の光)などの説明・たとえ・素材技術者の視点、および『3行でわかる』『よくある誤解』ボックス | 公表内容にもとづく本記事の整理・解説(本稿の説明)。各機関が表明した見解ではない | 解説 |
| 図1・図11 がImageGen生成の概念画像であること。それ以外の図が実データの観察ではなく説明のための作図であること | 本記事による注記(本稿) | 解説 |
| 確認できなかった点:ISO/IEC・IEEE の規格の本文、IEEE の公式ページ、他の研究室による再現、企業のロードマップ、サイクル全体の代表的な時間 | 本稿の調査範囲でアクセスできた一次情報では確認できなかったため、記載していない(本稿) | 解説 |
最終更新:2026年10月16日/出典は一次情報(査読論文、arXiv の論文、ISO の公式ページ)に限定しています。規格の本文は有料のため確認できていません。数値例(約0.3%、1/2,000、約9,500回に1個)は本稿の計算です。他の研究室による再現、IEEE の公式ページ、企業のロードマップ、サイクル全体の代表的な時間については、確認できなかったため記載していません。図はすべて説明用の概念図または本稿の計算を含む作図で、図1と図11 は ImageGen生成の概念画像です。



