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アリス・アンド・ボブ 企業解説

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COMPANY PROFILE / 量子コンピュータ

アリス・アンド・ボブ
― 「猫量子ビット」で、誤り訂正に必要な量子ビットの数を減らそうとするフランスの会社

量子コンピュータの最大の難しさは、量子ビットがすぐ間違えることです。間違い方には大きく2種類ありますが、 Alice & Bobはそのうち1種類(ビット反転)を、装置のしくみそのもので抑える「猫量子ビット」だけを作る会社です。 残る1種類だけを訂正すればよいので、誤りを直した「論理量子ビット」を作るための量子ビットが少なくて済む、というのが会社の主張です。 本稿では、2026年6月に発表された最初のシステム「Helium」を中心に、何ができていて、何がまだ計画なのかを、会社の公式発表と論文で確認できた範囲で整理します。

構成:Alice & Bob公式サイト(プレスリリース・製品ページ・企業紹介)と、Nature・Nature Physics・Nature Communicationsの論文を一次情報として使用/2026年10月16日確認/非上場のため、売上など財務の数字は公表されていません

この記事でわかること
  1. 30秒でわかるAlice & Bobと、量子コンピュータでの立ち位置
  2. ロゴと社名の表記について
  3. 量子コンピュータの世界で、この会社はどこにいるか
  4. 会社の規模
  5. 量子コンピュータにかけているリソース
  6. これまでの取り組み
  7. 今後の計画
  8. この会社は量子コンピュータで何を目指しているか
  9. 量子コンピュータ分野の提携マッピング
  10. 提供している技術・製品・サービス
  11. この企業が抱えるリスク
  12. 用語集/出典/主張と出典の対応表

1. 30秒でわかるアリス・アンド・ボブと、量子コンピュータでの立ち位置

社名Alice & Bob公式サイトの表記どおり
本社フランス・パリ米国ボストンにも拠点がある
上場非上場上場に関する提出書類は確認できなかった(2026年10月16日時点)
創業2020年CEO テオ・ペロナン、CTO ラファエル・レスカンヌ
この分野での区分超伝導(猫量子ビット専業)量子ビットは超伝導回路でつくる
最新の装置Helium システム18個の猫量子ビットのチップ。2026年6月10日に発表
従業員250人超会社の発表(2026年10月13日付)
資金調達(累計)1億8,000万ユーロ超会社の発表。内訳の全体は非公表
まず押さえるべき1点

量子コンピュータの部品である量子ビットは、ふつうのコンピュータのビット(0か1)と違い、ちょっとした乱れで簡単に間違えます。 間違い方は大きく2つで、ビット反転(0と1が入れ替わる)と位相反転(量子ビット特有の「向き」が入れ替わる。後で図で説明します)です。 ふつうの量子ビットはこの両方を見張って直す必要がありますが、Alice & Bobの猫量子ビットは、ビット反転のほうをはじめから起きにくくする設計です。 会社はこのことで、誤りを直した論理量子ビット(誤り訂正で守られた量子ビット)を1つ作るのに、最少で猫量子ビット5個ほどで足りる可能性があると説明しています 事実(これは会社の主張です。実験で確認されたのは、まず「ビット反転が起きにくいこと」で、論理量子ビット自体はまだ作成中です)。

量子ビットの「2つの間違い方」と、猫量子ビット 間違いを直す作業(誤り訂正)は、間違い方の種類が少ないほど簡単になる ふつうの量子ビット 猫量子ビット ビット反転(0 と 1 が入れ替わる)が起きる 位相反転(+ と - が入れ替わる)も起きる 両方を見張って直す必要がある (誤り訂正が「2方向」の仕事になる) ビット反転は、装置のしくみで強く抑える 位相反転は残る 見張って直すのは位相反転だけ (誤り訂正が「1方向」の仕事になる) 猫量子ビットは「間違い方の片方」を、はじめから減らしておく設計 ただし位相反転は残り、むしろ増える面もある。両方のバランスを取ることが設計のむずかしさ(解説)
解説図 ビット反転と位相反転、猫量子ビットの考え方のイメージ。説明のための簡略図で、実際の物理を正確に描いたものではありません。猫量子ビットがビット反転を指数関数的に抑えることは論文で報告されています(出典18・19) 事実。位相反転が相対的に増える面があることは、この方式で一般に知られる性質で、本稿の解説です。

2. ロゴと社名の表記について

表記の注意:社名は Alice & Bob(& を含む)です。創業者の名前ではありません。 会社の説明によれば、暗号や量子通信の説明で「通信する二人」にAliceとBobという名前をつける慣習があり、その科学の伝統にちなんだ名前です(出典30)。 「猫」は、量子力学の有名な思考実験「シュレーディンガーの猫」にちなみます。ロゴの猫もこれを表しています。

公式サイト:https://alice-bob.com/ ロゴの出所:https://alice-bob.com/media-kit/

3. 量子コンピュータの世界で、この会社はどこにいるか

量子コンピュータの会社は、量子ビットを何で作るか(方式)で大きく分かれます。Alice & Bobは超伝導、つまり 極低温で電気抵抗がゼロになる金属で作った小さな電気回路を量子ビットにする方式です。同じ超伝導でも、会社はふつうの量子ビットではなく 回路の中の「共振器」(マイクロ波をためておく小さな箱)に量子の情報を持たせる猫量子ビットを採用しています 事実。

量子コンピュータに関わる企業の4つの類型 同じ「量子の会社」でも、量子ビットの作り方(方式)で、強みと課題が違う 超伝導 イオン・中性原子 光・シリコンほか 周辺・ソフト 回路で量子ビットを作る 原子やイオンを並べる 光やシリコンで作る クラウド・ソフト・通信 IBM/Google Rigetti/IQM Quantinuum/IonQ QuEra/Pasqal PsiQuantum/Xanadu Diraq/Microsoft NVIDIA/AWS 富士通/東芝 製造技術と研究の蓄積 高い精度と操作性 光の技術と量産の可能性 使いやすさと連携 冷却と配線の難しさ 拡大と速度の課題 方式の実証が途上 自社のデバイスが主力ではない Alice & Bobは超伝導の枠にいて、その中でも「猫量子ビット」だけに絞っている 多くの超伝導の会社はふつうの量子ビットを使うが、同社は誤りの片方を装置自体で抑える設計に賭けている
図1 量子コンピュータに関わる企業の4類型と、Alice & Bobの位置づけ。区分は本稿によるもので、企業名は本シリーズで扱う企業から例示しています 本稿の計算。Alice & Bobが猫量子ビットだけで開発していることは、会社の公式発表(出典1)に基づきます。

4. 会社の規模

非上場の会社なので、売上・利益などの財務数値は公表されていません。公式発表で確認できた範囲を示します(2026年10月16日確認) 事実。

項目内容出典
設立2020年(パリ)出典2・25
従業員250人超(2026年10月13日付の発表)。2026年4月16日の発表では251人、うち博士号取得者79人(約3分の1)、31か国籍出典10・13
拠点パリ(本社)、ボストン。会社紹介ページは「オフィス4」と記載出典2
資金調達(累計)2026年4月までの発表は「1億3,000万ユーロ」、2026年6月以降の発表は「1億8,000万ユーロ」。増加分の内訳は確認できなかった出典13・8・10
売上・利益・評価額非公表(本稿では推計もしない)―
ここで注意

「従業員250人超」「資金調達1億8,000万ユーロ超」は会社自身の発表で、第三者の監査を受けた財務報告ではありません。 また、資金調達額は量子コンピュータの開発に使える資金の総額とは限りません。 非上場の会社の財務は、公式発表の範囲でしか確認できないため、本稿では売上や評価額に触れません。

5. 量子コンピュータにかけているリソース

量子コンピュータが主事業の会社なので、「人・金・外部との関係・公的な連携」のすべてがこの分野に向いています。 4点それぞれについて、一次情報で確認できたか、できなかったかを示します。

リソースの種類内容区分
人従業員250人超。博士号取得者が約3分の1。量子アルゴリズム、誤り訂正、極低温ハードウェア、超伝導材料、ナノ加工などの専門職を採用したと発表(出典13)事実
金(調達)シリーズA 2,700万ユーロ(2022年4月)、シリーズB 1億ユーロ(2025年1月28日、Future French Champions・AVP・Bpifranceが主導)、NVIDIAの投資部門NVenturesがシリーズBを拡大する形で出資(2026年5月22日、金額は非公表)事実
金(使い道)シリーズBの資金の「ほぼ半分」を、パリの研究開発・製造設備(4,000平方メートル級の新ラボ)の建設に充てると2025年1月に発表。2025年10月の発表は、この新ラボを「5,000万ユーロ」規模と記載事実
金(研究開発費・設備投資の総額)決算書類に基づく開示はない非公表
外部への出資・買収・合弁・事業売却他社への出資・買収・合弁・事業売却は、公式発表で確認できなかった(出資を受ける側)確認できず
大学・研究機関科学委員会にInria・CEA・ENS Lyon・ENS(パリ)の研究者。ENS Lyonとの共同実験(2026年9月)、Inriaとの誤り訂正の共同研究(2025年8月)、CEAとの研究協力(2026年9月17日)事実
公的資金・公的調達フランス国防革新庁(AID)が資金支援する成膜装置の開発「ULTRACAT」(2022〜2027年)、米エネルギー省ARPA-Eの助成390万ドル(2026年3月31日)、欧州イノベーション会議(EIC)が出資者に名を連ねる、フランスの大型計算機センターGENCIによる18猫量子ビット機の購入契約(2026年6月17日。購入資金はフランス政府の国家量子戦略〔France 2030〕の枠組み)事実

主要なデバイス・製品の状況(会社の公式資料で確認できた範囲)

デバイス方式量子ビット数代表的な数値(会社の公称・条件つき)段階確認日・出典
Boson超伝導・猫量子ビット単一の猫量子ビットの研究用チップビット反転の間隔430秒(2024年、会社の発表)稼働(冷凍機内)2026年10月16日/出典4・16・5
Hydrogen超伝導・猫量子ビット複数誤りの「検出」まで(会社の説明)稼働(冷凍機内)2026年10月16日/出典16
Helium(システム)超伝導・猫量子ビット物理量子ビット18個。論理量子ビット1個を目指して作成中ビット反転の間隔33〜60分(平均光子数11、信頼区間95%、研究実験)/Zゲート忠実度94.2%(26.5ナノ秒)。いずれも2025年9月の予備的な結果で、18個すべての量子ビットでの値とは確認できなかった2026年6月10日に発表。研究パートナー向けに提供2026年10月16日/出典3・4・5
次世代チップ超伝導・猫量子ビット物理量子ビット48個(複数の論理量子ビットを見込む)数値は公表されていない計画(Heliumシステムに載せる予定)2026年10月16日/出典3
Graphene(最終目標)超伝導・猫量子ビット論理量子ビット100個「高忠実度」とのみ記載。2030年が目標未確定/将来2026年10月16日/出典13・5
数字の読み方:「物理」と「論理」、「忠実度」

物理量子ビットは、チップの上に実際に作った量子ビットです。論理量子ビットは、物理量子ビットを何個かまとめて誤り訂正で守り、「間違いにくい1個の量子ビット」として扱うものです。 「Heliumは18個」は物理量子ビットの数で、論理量子ビットの数ではありません。会社は、Heliumで最少18個の猫量子ビットから最初の論理量子ビットを作ることを目指していると書いています 未確定/将来。 忠実度(フィデリティ)は「操作がどれだけ正しくできたか」の割合で、94.2%は「100回やって約94回正しい」という意味です。 ビット反転の間隔(33〜60分)は、「量子ビットを何もせず置いたとき、0と1が入れ替わるまでの時間」で、 計算の操作中も保たれるかは今後の確認事項だと会社自身が書いています(出典5)。 異なる方式・測り方の数値と並べて優劣を決めることはできません。

6. これまでの取り組み

時期できごと意味
2020年3月創業者レスカンヌの猫量子ビットの論文がNature Physicsに掲載(ビット反転の指数的な抑制)。同月、Alice & Bob設立研究室の成果を企業化(出典2・19)
2021年11月パリに本社を開設し、冷凍機を設置。最初の猫量子ビットチップ「Boson 1」の試験準備研究室から自社施設へ(出典2)
2022年4月シリーズA 2,700万ユーロ。ビット反転なしで100秒という記録を会社が発表実験の記録と資金調達が同時(出典2)
2023年2月猫量子ビットなら、他の最先端方式より必要な量子ビットが約60分の1で済む、という理論的な見積もりを会社が発表会社の理論見積もり(出典2)
2023年10月米ボストンに拠点を開設米国への展開(出典2)
2024年1月新しい誤り訂正の方法(LDPC-cat符号)により、約200分の1という見積もりを会社が発表。のち2025年1月にNature Communicationsに掲載会社の理論見積もり。実機での実証ではない(出典2・20)
2024年5月ビット反転の間隔が10秒を超える猫量子ビットの実験がNatureに掲載。位相反転の間隔は490ナノ秒超査読済み論文。位相反転は桁違いに短い点に注意(出典18)
2025年1月28日シリーズB 1億ユーロを発表設備と人員の拡大の資金(出典1)
2025年9月25日ビット反転の間隔が1時間を超えるという予備的な結果を発表。Zゲート忠実度94.2%予備的結果。論文としての確認は未了(出典5)
2025年10月猫量子ビットの共同発明者とされるミシェル・デヴォレ(会社の説明)を含む3人がノーベル物理学賞を受賞(会社が祝意を発表)。AID支援の成膜装置が納入超伝導回路の量子現象の研究への賞。会社の技術との関係は会社の説明(出典21・31・14)
2026年3月31日米ARPA-Eの助成390万ドル(レアアースを使わない磁石の探索のための量子アルゴリズム)公的資金による応用研究(出典12)
2026年6月10日Heliumシステムを発表(18猫量子ビットのチップ、約40キロワット、研究パートナーへの提供)チップ単体から「システム」へ(出典3)
2026年6月17日GENCIが18猫量子ビット機を購入する契約に署名。利用開始は2027年を予定猫量子ビット機として初の購入と会社・GENCIが発表(出典6)
2026年9月〜10月CEAとの研究協力(9月17日)、DC電圧による猫量子ビット安定化の実験(9月30日、プレプリント)、GPUによる誤り訂正の計算の実証(10月13日、合成データ)いずれも要素技術の段階(出典9・11・10)

7. 今後の計画

Helium(研究パートナー向け)提供中の位置づけ研究者が誤り訂正を試す「実験室」。契約済みの導入先は確認できなかった
GENCIの18猫量子ビット機2027年に利用開始予定フランスの計算センターTGCCに設置予定。スケジュールは会社・GENCIの予定
次のチップ48猫量子ビット複数の論理量子ビットを見込む。時期は非公表
最終目標:Graphene論理量子ビット100個2030年が目標。会社は「初期の耐障害量子コンピュータ」と位置づける

上の表の数字はすべて会社が示した目標・予定で、達成された事実ではありません 未確定/将来。 会社の公式サイトのロードマップのページは、2026年10月16日の確認時点で「更新中・近日公開」と表示されており、 最新のロードマップの全体は確認できませんでした。以前は「Boson、Helium、Lithium、Beryllium、Graphene」の5世代を並べていた(出典24・16)ため、 各世代の量子ビット数や誤り率の目標値は、今回は書きません。

確認できなかったこと

次は公式資料で確認できませんでした 未確定/将来。

Heliumで最初の論理量子ビットが実際にできたか/Helium以降のチップの発表時期/GENCI機の価格/ パリの新ラボ(クリーンルーム)の稼働開始の確認(2025年10月の発表は「2026年3月完成予定」)/ 売上・顧客数/ロードマップの最新版。

8. この会社は量子コンピュータで何を目指しているか

ここは会社が直接には述べていない部分を含みます。一次情報から読み取れる範囲の推測として、根拠とともに書きます。

読み取れること根拠となる一次情報区分
まず誤り訂正の研究基盤として、計算センターや研究機関に入ろうとしているHeliumを「製品ではなく実験室」「共同研究のための招待」と説明(出典3・32)。購入先はGENCI、連携先はBull・CEA・Hartreeセンターなど計算センター系推測
量子ビットの数の競争ではなく、誤り訂正の効率で勝負する方針「量子ビット数ではなく、誤り訂正を真剣にやる場」と書き、論理量子ビットの評価基準(5つの基準)を自ら提案している(出典15)推測
2030年前後の目標は、材料科学などの限られた用途での実用CEAとの研究課題が多体問題(新材料探索など)、ARPA-Eの課題がレアアースを使わない磁石の探索(出典9・12)推測
GPUなど古典計算とのハイブリッドを前提にしているNVIDIAのNVQLink・CUDA-Qを使った誤り訂正の復号の実証、スケジューラ(Slurm)との連携(出典10・26)事実
推測の根拠を1つだけ詳しく

2026年6月の公式ブログは、Heliumについて「これは製品発表ではない」と明言し、「量子ビット数の誇示ではなく、誤り訂正を真剣に研究するための、第三者に開かれた最初の猫量子ビットの実験室」だと書いています 事実。 さらに「既存のアルゴリズムを動かすために借りる設備ではなく、共同設計(共同研究と成果の共同執筆)を提案している」とも書かれています。 ここから、会社の当面の収益源が「大量の顧客への販売」ではなく、研究機関・計算センターとの共同研究や機器の導入にあると読むのが自然だと本稿は考えます 未確定/将来。ただし収益の内訳は非公表のため、確認はできません。

9. 量子コンピュータ分野の提携マッピング

Alice & Bobを中心とした提携関係 会社の公式発表に記載のある関係のみ(2026年10月16日確認)。報道だけの関係は含まない 導入・共同開発・共同研究 装置・部品の供給 出資・資金支援 Alice & Bob 超伝導・猫量子ビット GENCI/CEA(フランス) 18猫量子ビット機の購入契約 2026年6月・利用は2027年予定 Bull HPCへの組み込みと商業化 覚書(MoU)2026年6月 Hartree/Horizon Quantum Slurm連携(2025年11月) エミュレータ連携(2026年1月) NVIDIA NVQLink・CUDA-Qで協力 2026年5月 NVenturesが出資 Bluefors/Quantum Machines 冷凍機と制御装置を 共同開発(公式サイト記載) PLASSYS-BESTEK/AID 成膜装置SQUID-6 UHV 仏国防革新庁が資金支援 出資:FFC/AVP/Bpifrance/EIC ほか シリーズB 1億ユーロ(2025年1月) 共同研究:ENS Lyon/Inria/LANL ARPA-E助成の共同研究先を含む
図2 Alice & Bobを中心とした量子コンピュータ分野の提携関係。出典:会社の公式発表(出典1・3・6・7・8・9・12・14・16・26・27・28・29)。図に含めたのは公式発表に記載がある関係だけです。購入契約・覚書・共同研究・出資は、それぞれ法的な性格が違うため、線の太さや色だけで関係の強さを比べることはできません。「NVIDIA」の線は技術協力を表し、出資(NVentures)は別の関係です。

10. 提供している技術・製品・サービス

名前何をするものか段階・条件
Helium(システム)18猫量子ビットのチップ、冷凍機、制御電子機器、ソフトウェアをまとめた設置型の装置。誤り訂正の研究用。大きさは幅2.4m×高さ3.3m×長さ9m(21平方メートル)、庫内温度10ミリケルビン、運転に約40キロワット2026年6月10日発表。研究パートナー向け。数値は会社の公称(出典3・4)
StarboardHeliumの監視画面。個々の量子ビットの状態、仕事の予約、ハードウェアの数値を一画面で見るHeliumとともに公開(出典3)
FelisHeliumチップ向けの専用命令を備えつつ、主要な量子プログラミングの枠組みとの互換を保つソフトウェア会社の説明(出典3)
Slurm連携(QRMI)スーパーコンピュータの仕事の割り当てソフト「Slurm」から量子コンピュータを呼び出すための、オープンソースのライブラリHeliumは対応と説明。2025年11月にHartreeセンターと連携を発表(出典3・26)
Dynamiqs猫量子ビットなどの回路を、コンピュータの上で模擬する自社のオープンソース・ライブラリ。GPU(NVIDIA CUDA-Q)に対応会社の説明(出典27・7)
チップ系列Boson(単一の猫量子ビット)、Hydrogen(誤り検出)、Helium(誤り訂正)、Lithium(設計中、ロードマップ上の次世代)会社の技術ページの記載。LithiumとHeliumの次の「48猫量子ビット」チップの関係は確認できなかった(出典16・3)

Heliumの中身:3つの部分

Heliumは大きく3つの部分でできています(出典4)。 ①「シャンデリア」:パリで設計した、天井から吊り下げた金属の筒の集まりで、いちばん下の「混合室」に量子チップが入っています。 ②冷却システム:希釈冷凍機(ヘリウムの同位体を混ぜて、絶対零度に近い温度をつくる装置)で、庫内を約10ミリケルビン(約マイナス273.14度)に保ちます。 ③制御電子機器:マイクロ波のパルスを冷凍機の中へ送り、量子ビットを1つずつ操作・読み出しする精密機器です。 超伝導の量子コンピュータは、このように「チップ」「冷却」「配線・制御」の3つが揃って初めて動きます。詳しくは、本シリーズの技術解説「超伝導量子ビット」「極低温と制御」を参照してください。

素材技術者の視点:チップを作る装置と材料

猫量子ビットのチップは、超伝導の薄い金属膜とジョセフソン接合(2枚の超伝導膜のあいだに極めて薄い絶縁膜をはさんだ素子。量子回路の「非線形な部品」の役を担う)でできています。 会社は、チップを「数ナノメートルの規模で、超伝導材料から加工する」と書いていますが、どの金属・基板を使うかは公式資料で確認できませんでした 未確定/将来。 一方、2025年10月の発表では、PLASSYS-BESTEK社の超高真空(UHV)成膜装置「SQUID-6 UHV」がパリの新ラボ向けに納入されたとされています。 この装置は直径8インチまでのウェハーを、複数の独立した処理室で連続処理し、工程どうしの汚染(クロスコンタミネーション)を減らす、と説明されています(出典14) 事実。 量子チップは「材料の小さな欠陥(不純物や膜の不均一)」が性能に直結するため、成膜装置の高度化は性能の安定性に効く、と考えられます 未確定/将来。

11. この企業が抱えるリスク

リスク内容区分
論理量子ビットが未実証Heliumの諸元は「1 logical qubit in the making(論理量子ビット1個を作成中)」。2026年10月16日時点で、論理量子ビットの実現を示す公式資料は確認できなかった事実
演算中もビット反転が抑えられるかが未確認2025年9月の発表自身が「ゲート操作中も保護が保たれると仮定すれば」と条件を付け、次の課題を2量子ビットゲート(CNOT)での評価としている事実
ゲートの忠実度の水準Zゲート忠実度94.2%は予備的な結果(平均光子数11の条件)。誤り訂正の閾値に対する位置づけは、公式資料では確認できなかった事実
ロードマップの更新中公式のロードマップのページが「更新中」。目標値の最新版が確認できない事実
主要な実験結果の一部がプレプリント2026年9月のDC電圧バイアスの実験は2026年8月のプレプリント、10月のGPU復号は合成データによる実証で、実時間の復号ではない事実
数字の条件の違い「約60分の1」「約200分の1」は会社の理論的な見積もりで、実機での実証ではない。他方式との比較は前提(誤りの偏り・符号)に左右される事実
1つの方式への集中会社は「この種の量子ビットだけで量子コンピュータを開発している唯一の会社」と説明。方式が行き詰まった場合の分散先は公式資料から読み取れない推測
財務の確認ができない非上場で、売上・利益・研究開発費は非公表。資金の1億8,000万ユーロ超も、内訳は一部しか確認できない事実
公的調達への依存2026年に確認できた大きな導入契約はGENCI(公的機関)で、フランスの国家戦略の予算による。公的な予算の動向の影響を受けうる推測

12. 用語集

量子ビット
量子コンピュータの基本単位。0と1の「重ね合わせ」を保てるが、乱れで簡単に壊れる。
猫量子ビット
共振器(マイクロ波をためる箱)の中の、2つの安定した状態で0と1を表す量子ビット。ビット反転を起こしにくくできる。
ビット反転/位相反転
量子ビットの2つの間違い方。0と1が入れ替わるのがビット反転、重ね合わせの向き(+と-)が入れ替わるのが位相反転。
物理量子ビット/論理量子ビット
物理はチップ上の実物。論理は、物理を複数まとめ誤り訂正で守った「間違いにくい1個」。
誤り訂正
間違いを見つけて直しながら計算を続ける技術。そのぶん量子ビットがたくさん必要になる。
反復符号
同じ情報を複数のビットに並べて、多数決的に誤りを見つける最も単純な符号。猫量子ビットでは位相反転の訂正に使う。
eFTQC
early fault-tolerant quantum computer。初期の誤り耐性量子コンピュータ。会社は2030年ごろを目標とする。
共振器
特定の周波数のマイクロ波をためておける小さな回路の「箱」。猫量子ビットはここに情報を持たせる。
ジョセフソン接合
超伝導体のあいだに極薄の絶縁膜をはさんだ素子。量子回路に必要な「非線形」な性質をつくる。
希釈冷凍機
ヘリウムの同位体を混ぜて、約10ミリケルビンまで冷やす装置。
QPU
Quantum Processing Unit。量子の演算を担うチップ。
HPC
High-Performance Computing。スーパーコンピュータなどの高性能計算。
忠実度
操作が理想どおりにできた割合。94.2%なら、100回に約94回の正しさ。
Alice & Bobの猫量子ビットを動かす装置の概念図(AI生成による概念図。実際の設備や製品を写したものではありません)。
図3 概念画像(ImageGen生成)。Alice & Bobの猫量子ビットを動かす装置の概念図(AI生成による概念図。実際の設備や製品を写したものではありません)。 実際の製品・施設・寸法・測定結果ではありません。拡大模型と実物スケールの場面は区別してください。

13. 出典

  1. Alice & Bob Alice & Bob Closes €100M Series B(2025年1月28日、プレスリリース)。シリーズBの金額・主導投資家・資金の使い道。 https://alice-bob.com/newsroom/alice-bob-100m-series-b-fundraising-press-release/
  2. Alice & Bob That’s us(会社紹介ページ)。沿革、従業員・拠点の数、科学委員会、出資者。 https://alice-bob.com/thats-us/
  3. Alice & Bob Alice & Bob Unveils First Quantum System, Helium(2026年6月10日)。 https://alice-bob.com/newsroom/alice-bob-unveils-first-quantum-system/
  4. Alice & Bob Platform(Heliumの製品ページ)。チップ・システムの諸元。 https://alice-bob.com/platform/
  5. Alice & Bob Alice & Bob Shares Preliminary Results Vastly Surpassing Previous Bit-Flip Time Record(2025年9月25日)。 https://alice-bob.com/newsroom/alice-bob-surpasses-bit-flip-stability-record/
  6. Alice & Bob France Acquires First Quantum Computer Based on Cat-Qubit Technology(GENCIとの契約、2026年6月17日)。 https://alice-bob.com/newsroom/genci-acquisition/
  7. Alice & Bob Alice & Bob announces Series B Extension(NVentures、2026年5月22日)。 https://alice-bob.com/newsroom/alice-bob-announces-series-b-extension/
  8. Alice & Bob Bull and Alice & Bob partner to bring quantum computers into HPC(2026年6月24日)。 https://alice-bob.com/newsroom/bull-and-alice-bob-partner-up-to-bring-quantum-computers-into-hpc/
  9. Alice & Bob Alice & Bob Partners with the CEA(2026年9月17日)。 https://alice-bob.com/newsroom/alice-bob-cea-software-stack/
  10. Alice & Bob Alice & Bob decodes LDPC-cat codes on GPUs with NVIDIA NVQLink(2026年10月13日)。 https://alice-bob.com/newsroom/alice-bob-decodes/
  11. Alice & Bob Alice & Bob Demonstrates New Approach to Stabilising Cat Qubits with DC Voltage Bias(2026年9月30日)。 https://alice-bob.com/newsroom/alice-bob-new-approach-stabilising-cats/
  12. Alice & Bob Alice & Bob Secures $3.9M ARPA-E Award(2026年3月31日)。 https://alice-bob.com/newsroom/alice-bob-secures-3-9m-arpa-e-award-to-use-quantum-computing-to-design-rare-earth-free-magnets/
  13. Alice & Bob Alice & Bob hires more than 100 employees in seven months(2026年4月16日)。従業員数・Grapheneの目標。 https://alice-bob.com/newsroom/alice-bob-hires-more-than-100-employees-in-seven-months-even-as-overall-labour-market-slows/
  14. Alice & Bob French Government Backs New Technology for Industrial Quantum Chip Production(AID・PLASSYS-BESTEK、2025年10月23日)。 https://alice-bob.com/newsroom/aid-backs-new-technology-for-industrial-qpu-production/
  15. Alice & Bob Logical Qubits: Alice & Bob Publishes Report to Benchmark Claims(2026年6月5日)。 https://alice-bob.com/newsroom/logical-qubits-alice-bob-publishes-report-for-industry-to-benchmark-claims/
  16. Alice & Bob Engineering(技術ページ)。チップ系列、制作・運用の説明。 https://alice-bob.com/engineering/
  17. Alice & Bob Science(技術の基礎ページ)。 https://alice-bob.com/science/
  18. Réglade ほか Quantum control of a cat qubit with bit-flip times exceeding ten seconds, Nature(2024年)。 https://doi.org/10.1038/s41586-024-07294-3
  19. Lescanne ほか Exponential suppression of bit-flips in a qubit encoded in an oscillator, Nature Physics(2020年)。 https://doi.org/10.1038/s41567-020-0824-x
  20. Ruiz ほか LDPC-cat codes for low-overhead quantum computing in 2D, Nature Communications(2025年)。 https://doi.org/10.1038/s41467-025-56298-8
  21. Alice & Bob Technology Co-Inventor and Consultative Board Member Each Awarded Nobel Prize(2025年10月7日)。 https://alice-bob.com/newsroom/nobel-prize-to-cat-qubit-co-inventor-and-consultative-board-member/
  22. Alice & Bob Alice & Bob Develops ‘Elevator Codes’ to Slash Error Rates(2026年1月21日)。 https://alice-bob.com/newsroom/reducing-quantum-computing-errors-with-new-code/
  23. Alice & Bob QuBriC doctoral network(欧州の誤り訂正の博士課程ネットワーク、2026年8月)。 https://alice-bob.com/newsroom/alice-bob-partners-on-europes-first-doctoral-network-dedicated-to-quantum-error-correction/
  24. Alice & Bob Roadmap(ロードマップのページ。「更新中」の表示)。 https://alice-bob.com/roadmap/
  25. Alice & Bob Media kit(ロゴ、会社概要)。 https://alice-bob.com/media-kit/
  26. Alice & Bob Alice & Bob and STFC Hartree Centre integrate cat-qubit quantum computers into SLURM(2025年11月)。 https://alice-bob.com/newsroom/hartree-centre-and-alice-bob-integrate-cat-qubits/
  27. Alice & Bob Alice & Bob Accelerates Fault-Tolerant Quantum Computing with NVIDIA NVQLink(2025年10月28日)。 https://alice-bob.com/newsroom/alice-bob-accelerates-fault-tolerant-quantum-computing-with-nvidia-nvqlink/
  28. Alice & Bob Horizon Quantum Explores Faster Ways to Fault-Tolerant Quantum Computing with Alice & Bob(2026年1月)。 https://alice-bob.com/newsroom/alice-bob-partners-with-horizon-quantum/
  29. Alice & Bob Alice & Bob and Inria Improve Efficiency of Magic State Preparation(2025年8月6日)。 https://alice-bob.com/newsroom/alice-bob-and-inria-improve-efficiency-of-magic-state-preparation-to-enable-useful-quantum-computing/
  30. Alice & Bob Who are Alice and Bob? The Story Behind Our Name(会社名の由来)。 https://alice-bob.com/blog/who-are-alice-and-bob-the-story-behind-our-name/
  31. Nobel Prize Outreach Press release: Nobel Prize in Physics 2025。 https://www.nobelprize.org/prizes/physics/2025/press-release/
  32. Alice & Bob This Is Not a Product Launch(Heliumの位置づけを説明した公式ブログ、2026年6月)。 https://alice-bob.com/blog/this-is-not-a-product-launch/

14. 主張と出典の対応表

本文の主張区分出典
2020年設立、パリ本社・ボストン拠点、創業者、科学委員会の構成事実出典2・25 https://alice-bob.com/thats-us/
猫量子ビットはビット反転を抑える設計で、会社はこの種の量子ビットだけで開発していると説明事実出典1・17 https://alice-bob.com/newsroom/alice-bob-100m-series-b-fundraising-press-release/
ビット反転の間隔が10秒超(Nature 2024)、位相反転の間隔は490ナノ秒超事実出典18 https://doi.org/10.1038/s41586-024-07294-3
ビット反転が指数的に抑えられることの最初の実験(Nature Physics 2020)事実出典19 https://doi.org/10.1038/s41567-020-0824-x
ビット反転の間隔33〜60分(平均光子数11、信頼区間95%)、Zゲート忠実度94.2%(26.5ナノ秒)、次の課題はCNOTでの評価事実出典5 https://alice-bob.com/newsroom/alice-bob-surpasses-bit-flip-stability-record/
Heliumの発表(2026年6月10日)、18猫量子ビット、約40キロワット、研究パートナー向け、次の48猫量子ビットチップ事実出典3・4 https://alice-bob.com/newsroom/alice-bob-unveils-first-quantum-system/
Heliumの寸法・庫内温度、「1 logical qubit in the making」事実出典4 https://alice-bob.com/platform/
GENCIによる18猫量子ビット機の購入契約、利用開始は2027年予定、TGCCに設置事実出典6 https://alice-bob.com/newsroom/genci-acquisition/
NVIDIAのNVenturesの出資(金額非公表)、NVQLink・CUDA-Qでの協力事実出典7・27 https://alice-bob.com/newsroom/alice-bob-announces-series-b-extension/
BullとのMoU、CEAとの研究協力、Hartreeセンターとの連携、Horizon Quantumとの連携事実出典8・9・26・28 https://alice-bob.com/newsroom/bull-and-alice-bob-partner-up-to-bring-quantum-computers-into-hpc/
シリーズB 1億ユーロ(2025年1月28日)、資金の約半分を新ラボの建設に充てる計画事実出典1 https://alice-bob.com/newsroom/alice-bob-100m-series-b-fundraising-press-release/
累計1億3,000万ユーロ(2026年4月まで)から1億8,000万ユーロ超(2026年6月以降)への表記の変化事実出典13・10 https://alice-bob.com/newsroom/alice-bob-hires-more-than-100-employees-in-seven-months-even-as-overall-labour-market-slows/
従業員251人・博士号79人(2026年4月)、Grapheneの目標(論理量子ビット100個)事実出典13 https://alice-bob.com/newsroom/alice-bob-hires-more-than-100-employees-in-seven-months-even-as-overall-labour-market-slows/
AID支援の成膜装置SQUID-6 UHV、新ラボ約5,000万ユーロ、ULTRACAT(2022〜2027年)事実出典14 https://alice-bob.com/newsroom/aid-backs-new-technology-for-industrial-qpu-production/
ARPA-E助成390万ドル、共同研究先(ロスアラモス国立研究所、GE Vernova)事実出典12 https://alice-bob.com/newsroom/alice-bob-secures-3-9m-arpa-e-award-to-use-quantum-computing-to-design-rare-earth-free-magnets/
CEAとの研究課題(多体問題)、2030年ごろのeFTQCを想定事実出典9 https://alice-bob.com/newsroom/alice-bob-cea-software-stack/
DC電圧バイアスによる猫量子ビットの安定化(プレプリント、ENS Lyonとの共同)事実出典11 https://alice-bob.com/newsroom/alice-bob-new-approach-stabilising-cats/
LDPC-cat符号の論文(2025年)と、NVQLinkでのGPU復号(合成データ・実時間ではない)事実出典20・10 https://doi.org/10.1038/s41467-025-56298-8
エレベータ符号の期待値(論理誤り率10,000分の1、量子ビット約3倍)はシミュレーションに基づく会社の予測事実出典22 https://alice-bob.com/newsroom/reducing-quantum-computing-errors-with-new-code/
論理量子ビットの5基準は会社の提案で、業界標準ではない事実出典15 https://alice-bob.com/newsroom/logical-qubits-alice-bob-publishes-report-for-industry-to-benchmark-claims/
デヴォレのノーベル賞受賞と、猫量子ビットの共同発明者という会社の説明事実出典21・31 https://alice-bob.com/newsroom/nobel-prize-to-cat-qubit-co-inventor-and-consultative-board-member/
QuBriC(欧州の誤り訂正の博士課程ネットワーク)への参加事実出典23 https://alice-bob.com/newsroom/alice-bob-partners-on-europes-first-doctoral-network-dedicated-to-quantum-error-correction/
Inriaとの魔法状態の共同研究(2025年8月)事実出典29 https://alice-bob.com/newsroom/alice-bob-and-inria-improve-efficiency-of-magic-state-preparation-to-enable-useful-quantum-computing/
ロードマップのページが「更新中」事実出典24 https://alice-bob.com/roadmap/
社名の由来、Heliumの位置づけ(「製品ではなく実験室」)事実出典30・32 https://alice-bob.com/blog/who-are-alice-and-bob-the-story-behind-our-name/
量子コンピュータ企業の4類型の区分本稿の計算本稿による整理。企業名は本シリーズで扱う企業から例示
売上・利益・研究開発費・評価額、GENCI機の価格未確定/将来非公表または記載なし。本稿では推計もしない
Heliumでの論理量子ビットの実現、次チップの時期、新ラボの稼働状況、最新のロードマップ未確定/将来公式資料に記載なし。会社の目標・予定であり、本稿では見通しとして扱い、達成の事実とは区別する
Zゲートの忠実度とビット反転の時間が、Helium全体の18個の量子ビットの値であるかどうか未確定/将来公式資料で確認できなかった。本稿では推定しない
当面の収益源は研究機関・計算センターとの共同研究や導入にあるという読み推測Heliumの位置づけの説明と、購入先・連携先の顔ぶれからの本稿の解釈
量子ビット数ではなく誤り訂正の効率で勝負する方針という読み推測公式ブログと5基準の提案からの本稿の解釈
2030年前後の用途は材料科学などに限られるという読み推測CEA・ARPA-Eの課題設定からの本稿の解釈
方式が1つに集中するリスク、公的調達への依存推測会社の説明と契約の顔ぶれからの本稿の解釈

最終更新:2026年10月16日/Troy Technical
本稿の数値はAlice & Bobの公式発表と、Nature・Nature Physics・Nature Communicationsの論文に基づきます。装置の性能値は会社の公称で、測定条件を添えています。調査会社の推計値・報道ベースの数値は使用していません。「推測」と記した箇所は、一次情報から本稿が読み取った解釈であり、会社の公表内容ではありません。

図版更新:2026年10月17日。本文・出典整理表のベクター作図という表記は、保存した元SVGの由来を示します。現在の主図の形式と読み方は各図下の説明を参照してください。ImageGen画像は実測や実在製品の写真ではなく、元SVG・数値・出典は展開して確認できます。