TECHNOLOGY EXPLAINER
コヒーレント光通信とDSP
― 光の「波の形」まで受け取り、ファイバの歪みを計算で消す
データセンターの短い配線では、光の明るさだけを読み取ります。 数十〜百数十 km を結ぶ回線では、受信側にもう1本のレーザーを用意し、届いた光と干渉させて位相と偏波まで読み取ります。これがコヒーレント通信です。 受け取った波形はDSP(デジタル信号処理)で計算し直され、ファイバで広がった波形が元に戻されます。 OIF の 400ZR と 800ZR は、その仕組みを抜き差しできる小さなモジュールに収めるための取り決めです。
- コヒーレント光通信とは何か(3行でつかむ)
- 直接検波とコヒーレント検波 ― 何を受け取るかが違う
- 受信器の中身 ― 手元のレーザーと、4本の出力
- DSPの役割 ― ファイバが崩した波形を、計算で組み立て直す
- 本稿の計算:1記号が何記号ぶんに広がるか
- 400ZRと800ZR ― 規格は何を決めているか
- 本稿の計算:1本のファイバに何Tb/s載るか
- 素材技術者の視点①:分散補償ファイバを、計算が置き換えた
- 素材技術者の視点②:レーザーの「きれいさ」が規格になっている
- 課題
- 用語集/参考資料/出典対応表
事実=規格・標準化団体の公開文書、査読論文に記載のある内容(出典リンクあり)
本稿の計算=明示した前提をもとに本記事が算出した値
未確定/将来=策定中・計画中であり、確定や実績が確認できていない事項
このほか、物理の一般的な説明や材料設計上の読み取りは「解説」として区別しています。
1. コヒーレント光通信とは何か(3行でつかむ)
- 何が違うか:受信側に局部発振光(LO)と呼ぶレーザーを置き、届いた信号光と干渉させることで、光の明るさだけでなく位相と偏波の情報まで取り出します(解説)
- なぜ強いか:菊池は、デジタルコヒーレント受信器によって PSK や QAM のような周波数利用効率の高い変調方式が使えるようになり、さらに位相情報が保たれるため、ファイバの群速度分散(GVD)や偏波モード分散(PMD)による線形の劣化をデジタル領域で等化できると述べています事実
- どこで使うか:OIF の 400ZR は増幅ありで120 km 以下などの用途、800ZR は単一スパン・増幅ありで80〜120 kmの用途(データセンター間接続など)を対象としています事実
QAM や偏波多重という変調方式と、それを作るマッハツェンダー型変調器の原理は「光変調と変調方式」編で扱いました。 この記事は、その信号を受け取って元に戻す側を扱います。 ファイバそのもの(分散・損失の物理)は「光ファイバー」編、 波長ごとにチャネルを分ける考え方は「波長多重とマイクロリング」編、 狭い線幅の波長可変レーザーは「半導体レーザー」編で詳しく扱います。
2. 直接検波とコヒーレント検波 ― 何を受け取るかが違う
データセンター内の PAM4 のリンクでは、受光素子が光の強さを電流に変えるだけです(直接検波)。 光の波の位相(山谷のタイミング)と、波の振動の向き(偏波)の情報は、受信した時点で失われます(解説)。
OIF の 400ZR 実装合意は、符号化したビットを 8ビットずつ1つの DP-16QAM 記号にまとめ、 そのうち2ビットをX偏波の I(同相)成分、2ビットをX偏波の Q(直交)成分、残りをY偏波の I・Q に割り当てると定めています事実。 つまり受信側は、光の電界を4つの軸で同時に測る必要があります(本記事による解説)。
3. 受信器の中身 ― 手元のレーザーと、4本の出力
受信器は、届いた光と局部発振光を偏波ごとに分け、90°ずらした組み合わせで干渉させ、 X偏波の I・Q、Y偏波の I・Q の4系統の電気信号を取り出します。 これを A/D 変換器でデジタル値にし、DSP が計算で処理します(解説)。
4. DSPの役割 ― ファイバが崩した波形を、計算で組み立て直す
400ZR と 800ZR の実装合意は、モジュールが耐えなければならない伝送路の条件を数値で定めています。 これは裏返せば、DSP が計算で打ち消さなければならない乱れの一覧です(本記事による解説)。
| 乱れの種類 | 400ZR(100 GHz DWDM) | 800ZR | DSP が行うこと(解説) |
|---|---|---|---|
| 波長分散(CD) | 0〜2,400 ps/nm | 0〜2,400 ps/nm | 色(周波数)ごとの到着時間のずれを逆算して戻す |
| 偏波の遅延差(DGD) | 最大 28 ps | 最大 28 ps | 2つの偏波の到着時間の差を戻し、混ざった偏波を分け直す |
| 偏波依存損失(PDL) | 2 dB | 2 dB | 偏波ごとの強さの違いを補正する |
| 偏波の回転の速さ | 50 krad/s | 50 krad/s | 刻々と変わる偏波の向きに追従する |
| 送信光と局部発振光の周波数ずれ | −3.6〜+3.6 GHz(捕捉範囲) | — | ずれを推定して差し引く |
| レーザーの位相雑音 | 500 kHz の線幅に相当(送受とも) | 500 kHz の線幅に相当(送受とも) | 搬送波の位相を推定して追いかける |
| 受信の雑音耐性(OSNR 耐性) | 26 dB/12.5 GHz | 27.0 dB/12.5 GHz | 誤り訂正(400ZR は C-FEC、800ZR は OFEC)と組み合わせる |
数値はすべて事実(OIF 400ZR 実装合意 Rev 3.0[参考資料1]の Table 20 ほか、800ZR 実装合意 Rev 1.0[参考資料2]の Table 22 ほか)。「—」は本稿で該当する記載を確認していない欄です。右列の説明は本記事による解説です。
波長分散の上限 2,400 ps/nm について、800ZR の実装合意は「based on G.652 fiber and a target reach of 80km」(G.652 ファイバと到達目標80 km にもとづく)と注記しています事実。 ITU-T G.652 は、G.652.D ファイバの 1550 nm での分散係数を13.3〜18.6 ps/(nm·km) の範囲で規定しています事実。
5. 本稿の計算:1記号が何記号ぶんに広がるか
2,400 ps/nm の分散とは、どれくらいの乱れなのか。1つの記号が、ファイバを通る間に何記号ぶんの時間に広がるかで見積もります。
- 1記号の長さ:1 ÷ 59.84 GHz ≒ 16.7 ps(400ZR)、1 ÷ 118.2 GHz ≒ 8.46 ps(800ZR)本稿の計算
- 信号の波長幅:Δλ ≒ λ² × Δf ÷ c = (1.55 µm)² × 59.84 GHz ÷ (3.0 × 10⁸ m/s) ≒ 0.48 nm。800ZR では約 0.95 nm本稿の計算
- 広がり:2,400 ps/nm × 0.48 nm ≒ 1,150 ps → 1,150 ÷ 16.7 ≒ 約69記号。800ZR は 2,400 × 0.95 ≒ 2,270 ps → 2,270 ÷ 8.46 ≒ 約270記号本稿の計算
- 整合の確認:G.652.D の上限 18.6 ps/(nm·km) で 120 km なら 18.6 × 120 = 2,232 ps/nm、80 km なら 1,488 ps/nm。いずれも 2,400 ps/nm の範囲に収まります本稿の計算
前提と限界:信号の周波数幅をボーレートと同じとみなした近似です。実際の広がりはスペクトルの形で変わります。 「何十〜何百記号ぶん重なった波形を、DSP が1記号ずつにほどき直している」という桁の感覚をつかむための計算です。
6. 400ZRと800ZR ― 規格は何を決めているか
| 項目 | 400ZR(OIF-400ZR-03.0) | 800ZR(OIF-800ZR-01.0) |
|---|---|---|
| 変調方式 | 単一キャリアのコヒーレント DP-16QAM | DP-16QAM |
| ボーレート | 59.843750000 GBaud/偏波(合計 478.750 Gbps) | 公称 118.203350603 Gbaud |
| 誤り訂正 | 連接 FEC(C-FEC)。訂正後の誤り率の下限 <1.0E-15 | OFEC |
| 用途 | 増幅ありで120 km 以下(100 GHz/75 GHz 間隔の DWDM)、増幅なしの単一波長 | 単一スパン・増幅ありで80〜120 km の DWDM |
| チャネル | 48 × 100 GHz、または 64 × 75 GHz | 32 × 150 GHz(規定の配置) |
| 形状 | 形状は制約しない | クライアント用光モジュールと同等のポート密度を持つ小型プラガブルでの実装を目指す(形状は制約しない) |
すべて事実(OIF 400ZR 実装合意 Rev 3.0[参考資料1]、800ZR 実装合意 Rev 1.0[参考資料2])。どちらも2024年10月8日付の版です。
400ZR の実装合意は、チャネルの周波数を193.1 THz を基準に 0.1 THz(100 GHz)刻みで並べ、400ZR モジュールでは191.3〜196.1 THzの範囲を使うと定めています事実。100 GHz 間隔の48チャネルの表は、この範囲の中の196.1〜191.4 THz(n=30〜−17)です事実。 波長に直すと約1,529〜1,567 nm、いわゆる C 帯です本稿の計算。
QSFP-DD MSA の技術白書(2023年)は、QSFP-DD1600 で必要になる高電力のモジュールの例としてコヒーレントモジュール(1600ZR)を挙げ、 システムの冷却検討で30 Wや50 Wのコヒーレントモジュールを想定しています事実。 DSP の計算量は、そのまま熱になって現れます(「光トランシーバー」編も参照)。
7. 本稿の計算:1本のファイバに何Tb/s載るか
8. 素材技術者の視点①:分散補償ファイバを、計算が置き換えた
ITU-T G.652 は、このファイバを 1550 nm 帯で使う場合について「some forms of chromatic dispersion compensation are often employed」 (何らかの形の波長分散補償がしばしば用いられる)と書いています事実。
直接検波の時代、分散の補償は物理の部品の仕事でした。 伝送用ファイバとは逆向きの分散を持つように屈折率分布を設計した分散補償ファイバなどを回線に入れ、光のまま打ち消す—— いわばガラスの屈折率分布で解く問題です(本記事による解説)。
コヒーレント受信では、菊池が述べるとおり、位相情報が保たれているので群速度分散や偏波モード分散をデジタル領域で等化できます事実。 400ZR・800ZR の実装合意が 0〜2,400 ps/nm の分散をモジュールが受け入れる前提で書かれているのは、その補償をDSP が引き受けることを意味します事実。
- 消えた要求:回線ごとに分散補償の部材を設計・挿入する必要が小さくなる
- 移った要求:その代わり、数十〜数百記号ぶんの重なりをほどく計算量と電力が、プラガブルモジュールの中に入る(第5章)
- 残った要求:DSP が扱えるのは線形の劣化です。菊池の論文も、デジタル領域で等化できるものを「線形の伝送劣化」としています事実。ファイバの損失や、強い光で生じる非線形の効果は、ファイバそのものの材料と設計が受け持ち続けます
材料メーカーの目で見ると、コヒーレント化は「伝送路の欠点を材料で直す」市場の一部を、半導体の計算に置き換えた出来事です。 そしてその計算は熱を出すので、今度は放熱の材料に要求が移っています(本記事による解説)。
9. 素材技術者の視点②:レーザーの「きれいさ」が規格になっている
400ZR の実装合意は、送信レーザーの位相雑音について、100 MHz 以上の高周波成分が500 kHz の線幅と整合することを求め、 受信器の局部発振光も同じ線幅であるとしています事実。 直接検波の送受信器では、受信側にレーザーは要りません。 コヒーレントでは、1本の回線の両端それぞれに、送信用と受信用のレーザーが必要になるということです(本記事による解説)。
しかもそのレーザーは、C 帯の48の周波数のどれにでも合わせられる必要があります(100 GHz DWDM の場合)事実。 波長を広く変えられて、しかも線幅が狭い——この2つは、半導体レーザーの共振器設計で互いに引っ張り合う要求です(本記事による解説)。
- 線幅を狭く:共振器を長く・損失を小さくしたい。温度の揺らぎも位相雑音になる
- 広く波長可変:屈折率や共振器長を大きく変えられる構造が要る
- 小型・低電力:それを、放熱の限られたプラガブルの中に収める
「光変調と変調方式」編で見たとおり、QAM の送信には位相を正確に操れる変調器が要ります。 コヒーレントのモジュールは、狭線幅の可変レーザー、高精度の変調器、4系統の受光素子、高速の A/D 変換器と DSPを1つの箱に入れた、光通信の部品の中でも最も「材料の種類が多い」製品のひとつです(本記事による解説)。
10. 課題
(1) DSPの電力と熱
コヒーレントの利点の多くは DSP の計算に支えられています。 QSFP-DD MSA の白書が 30 W や 50 W のコヒーレントモジュールを冷却検討の対象にしていることは事実、 計算の量がそのまま放熱の問題になることを示しています(本記事による解説)。 ボーレートを倍にした 800ZR では、第5章の概算で重なりが約4倍になりました本稿の計算。
(2) 次の世代
OIF は2024年の第1四半期の会合で1600ZR+のプロジェクトを立ち上げたと発表しています[参考資料6]事実。 1.6 Tb/s 級のコヒーレント実装合意の内容と完成時期は、本稿の調査時点で確認できていません未確定/将来。
(3) 本稿で扱わなかったこと
個別製品の消費電力、DSP の回路規模、受光素子や変調器の具体的な材料構成は、本稿で開いて確認できた一次情報の範囲では比較可能な形でそろわなかったため記載していません。 非線形効果の物理とファイバ材料の工夫は「光ファイバー」編に譲ります。
- コヒーレント光通信は、局部発振光と干渉させて、光の位相と偏波まで受け取る方式です(解説)
- 位相が保たれるので、分散や偏波モード分散をDSPで等化できます事実
- 400ZR・800ZR はともに DP-16QAM、2,400 ps/nm の分散、28 ps の DGD、50 krad/s の偏波回転に耐えることを求めています事実
- 2,400 ps/nm で1記号は約69記号(400ZR)、約270記号(800ZR)ぶんに広がります本稿の計算
- 1本のファイバに 400ZR(75 GHz)でも 800ZR でも 25.6 Tb/s、効率は約5.3 b/s/Hz です本稿の計算
- 分散補償は「ガラスで解く」から「計算で解く」へ移り、その計算の熱が新しい材料の課題になっています(本記事による解説)
- 送受信の両方に、狭線幅(500 kHz 相当)で C 帯を広く動けるレーザーが要ります事実
11. 用語集
- コヒーレント検波
- 受信側のレーザー光と信号光を干渉させ、光の振幅・位相・偏波を取り出す受信方式。
- 局部発振光(LO)
- コヒーレント受信器が内蔵する基準のレーザー光。
- I/Q
- 同相(I)と直交(Q)の成分。光の電界を複素数として表す2つの軸。
- DP-16QAM
- 2つの偏波それぞれに16QAM を載せ、1記号8ビットを送る方式。
- DSP
- デジタル信号処理。A/D 変換した信号を計算で補正・復調する回路。
- 波長分散(CD)
- ファイバ中で光の色(周波数)ごとに速さが違い、パルスが広がる現象。単位 ps/nm。
- DGD/PMD
- 2つの偏波の到着時間差(DGD)と、それを生む偏波モード分散(PMD)。
- PDL
- 偏波依存損失。偏波の向きによって損失が違うこと。
- OSNR
- 光信号対雑音比。光増幅器の雑音に対する信号の強さ。
- DWDM
- 高密度波長多重。1本のファイバに多数の波長を狭い間隔で並べる方式。
- C 帯
- およそ1,530〜1,565 nm の波長帯。長距離通信の中心となる帯域。
- 400ZR/800ZR
- OIF が定めたコヒーレント光インターフェースの実装合意。
- C-FEC/OFEC
- 400ZR・800ZR で使われる誤り訂正符号の方式。
- 線幅
- レーザー光の周波数の広がり。狭いほど位相が安定している。
12. 参考資料(一次情報)
- OIF「Implementation Agreement 400ZR(OIF-400ZR-03.0)」2024年10月8日(PDF) — oiforum.com
- OIF「Implementation Agreement for 800ZR Coherent Interfaces(OIF-800ZR-01.0)」2024年10月8日(PDF) — oiforum.com
- 菊池和朗(IEICE Electronics Express, 2011)「Digital coherent optical communication systems: fundamentals and future prospects」Vol. 8, No. 20, pp. 1642–1662. DOI: 10.1587/elex.8.1642 — jstage.jst.go.jp
- ITU-T「G.652 (08/2024) Characteristics of a single-mode optical fibre and cable」 — itu.int
- QSFP-DD MSA「Enabling QSFP-DD1600 Ecosystem With Performance-Driven Thermal Innovations」技術白書 2023年9月(PDF) — qsfp-dd.com
- OIF「OIF Publishes Implementation Agreement for 112 Gb/s Retimed Transmitter Linear Receiver (RTLR) ...」2025年11月18日(関連記事一覧に「OIF Launches 1600ZR+ Coherent Optical ... Projects ... at Q1 2024 Technical and MA&E Meeting」を掲載) — oiforum.com
13. 主張と出典の対応表(監査)
| 本文の主張 | 根拠 | 区分 |
|---|---|---|
| 400ZR が単一キャリアのコヒーレント DP-16QAM、C-FEC(訂正後誤り率の下限 <1.0E-15)で、増幅ありで120 km 以下(100 GHz/75 GHz DWDM)と増幅なし単一波長の用途を持つこと。59.843750000 GBaud/偏波で合計478.750 Gbps。8ビットを X偏波 I・Q、Y偏波 I・Q に2ビットずつ割り当てること。100 GHz DWDM 用途の光チャネル仕様(191.3〜196.1 THz、193.1+n×0.1 THz、n=30〜−17 の48チャネル、G.652、CD 0〜2,400 ps/nm、DGD 最大28 ps、PDL 2 dB、偏波回転50 krad/s)。64×75 GHz の配置。送信レーザーの位相雑音の高周波成分が500 kHz 線幅と整合し LO も同じ線幅であること。搬送波と LO の周波数ずれの捕捉範囲−3.6〜+3.6 GHz。OSNR 耐性26 dB/12.5 GHz。形状を制約しないこと。版が2024年10月8日付であること | OIF 400ZR 実装合意 Rev 3.0出典1 https://www.oiforum.com/wp-content/uploads/OIF-400ZR-03.0.pdf | 事実 |
| 800ZR が単一スパン・増幅ありで80〜120 km の DWDM を対象とし、クライアント光学と同等のポート密度を持つ小型プラガブルでの低電力実装を目指すこと(形状は制約しない)。DP-16QAM・OFEC。公称118.203350603 Gbaud。32×150 GHz の規定配置。CD 0〜2,400 ps/nm(「based on G.652 fiber and a target reach of 80km」)、DGD 最大28 ps、PDL 2 dB、偏波回転50 krad/s。OSNR 耐性27.0 dB/12.5 GHz。500 kHz 線幅と整合する位相雑音と LO の同線幅。送信出力範囲の一部で全チャネル充填に個別設計が要る場合がある注記 | OIF 800ZR 実装合意 Rev 1.0出典2 https://www.oiforum.com/wp-content/uploads/OIF-800ZR-01.0.pdf | 事実 |
| デジタルコヒーレント受信器により PSK・QAM など周波数利用効率の高い変調方式が使えること。位相情報が保たれるため、群速度分散と偏波モード分散による線形の伝送劣化をデジタル領域で等化できること。DSP で伝送劣化を緩和することを論じていること | 菊池, IEICE Electronics Express 8(20), 1642 (2011)出典3 https://www.jstage.jst.go.jp/article/elex/8/20/8_20_1642/_article | 事実 |
| G.652.D の1550 nm での分散係数が13.3〜18.6 ps/(nm·km)(線形近似、1460〜1625 nm)で規定されていること。1550 nm 帯で使う場合に「some forms of chromatic dispersion compensation are often employed」 | ITU-T G.652 (08/2024)出典4 https://www.itu.int/rec/T-REC-G.652-202408-I/en | 事実 |
| QSFP-DD1600 で必要になる高電力モジュールの例としてコヒーレント(1600ZR)を挙げ、30 W・50 W のコヒーレントモジュールを冷却検討の対象としていること | QSFP-DD MSA 技術白書(2023年)出典5 http://www.qsfp-dd.com/wp-content/uploads/2023/09/2023-QSFP-DD%20MSA-ThermalWhitepaper.pdf | 事実 |
| OIF が2024年第1四半期の会合で 1600ZR+ のプロジェクトを立ち上げたと発表していること(関連記事の見出し) | OIF ウェブサイトの関連記事一覧出典6 https://www.oiforum.com/oif-publishes-implementation-agreement-for-112-gb-s-retimed-transmitter-linear-receiver-rtlr-electrical-and-optical-interface-advancing-energy-efficiency/ | 事実 |
| 1記号の長さ(約16.7 ps、約8.46 ps)、波長幅(約0.48 nm、約0.95 nm)、分散による広がり(約1,150 ps、約2,270 ps)と重なりの記号数(約69、約270)、DGD 28 ps の記号数(約1.7、約3.3)。18.6×120=2,232 ps/nm、18.6×80=1,488 ps/nm。191.3〜196.1 THz の波長換算(約1,529〜1,567 nm)。48×400=19.2 Tb/s、64×400=25.6 Tb/s、32×800=25.6 Tb/s と b/s/Hz。重なりが約4倍になること | 本稿の計算。波長1550 nm、信号の周波数幅をボーレートと同じとみなす近似、容量はクライアント速度で数えることを前提とする | 本稿の計算 |
| 1.6 Tb/s 級のコヒーレント実装合意の内容と完成時期 | プロジェクト立ち上げの発表は確認したが、内容と完成は本稿の調査時点で確認できない見通しの事項 | 未確定/将来 |
| 直接検波とコヒーレント検波の受け取る情報の違い、受信器の構成(偏波分離・90°ハイブリッド・差動受光・A/D)、DSP の処理項目の説明。実装合意の耐性値を「DSP が打ち消す乱れの一覧」と読む整理。分散補償ファイバから DSP への置き換えという読み取りと、残る非線形・損失は材料側が受け持つという整理。コヒーレントでは送受信にレーザーが要るという整理、狭線幅と広い波長可変が引っ張り合うという読み取り。コヒーレントモジュールが材料の種類の多い製品だという整理 | 物理の一般的な説明と、公開文書にもとづく本記事の整理・解説。各団体・研究者が表明した見解ではない | 解説 |
| 個別製品の消費電力、DSP の回路規模、受光素子や変調器の材料構成 | 本稿で確認できた一次情報の範囲では比較可能な形でそろわなかったため記載していない | 解説 |
| 図1・図2・図5が説明のための作図であること、図3・図4が本稿の計算を含む作図であること。ヒーロー画像がAI生成イメージであること | 本記事による注記 | 解説 |
最終更新:2026年9月26日/出典は一次情報(OIF の実装合意、ITU-T 勧告、査読論文、QSFP-DD MSA の技術白書)に限定しています。 物理の一般的な説明や材料設計上の読み取りを含むため、それらは「解説」として出典付きの事実と区別しています。 個別製品の消費電力、DSP の回路規模、各部品の材料構成は、比較可能な一次情報を確認できなかったため記載していません。 第5章・第7章の数値は、明示した前提にもとづく概算です。 図はすべて説明用の図です。図1・図2・図5はベクター作図、図3・図4は本稿の計算を含むベクター作図、ヒーロー画像はAI生成イメージであり、いずれも実際の受信器の構造・スペクトル・製品の外観を示すものではありません。