COMPANY PROFILE / マテリアルインフォマティクス
三井化学
― 化学メーカーが、MIを「研究開発のDX」の一部に組み込み、日立・NECなど外部と組んで使っている
三井化学は、プラスチック原料・機能性材料・ヘルスケア材料などを手がける日本の大手化学メーカーです。 マテリアルインフォマティクス(MI:データと計算で材料の候補や条件を絞り込む手法)の視点で見ると、 MIのソフトや材料AIを自社の商品として売る会社ではなく、MIを使って自社の材料開発を速める「応用する側」です。 公開資料からは、日立製作所との協創(2017年〜)、研究開発DXの計算拠点「デジタルサイエンスラボ」(2024年12月竣工)、 NECなどとの再生プラスチックでのMI活用(2025年10月〜)の3つが確認できます。 本稿は会社全体の事業は簡潔にとどめ、MIに関わる部分に絞ります。
- 30秒でわかる三井化学と、マテリアルインフォマティクスでの立ち位置
- ロゴと社名の表記について
- マテリアルインフォマティクスの世界で、この会社はどこにいるか
- 会社の規模(会社全体は簡潔に)
- マテリアルインフォマティクスにかけているリソース
- これまでの取り組み
- 今後の計画
- この会社はマテリアルインフォマティクスで何を目指しているか
- マテリアルインフォマティクス分野の提携マッピング
- MIの使われ方と、関わる技術・事業
- この企業が抱えるリスク
- 用語集/出典/主張と出典の対応表
1. 30秒でわかる三井化学と、マテリアルインフォマティクスでの立ち位置
八重洲二丁目2番1号代表取締役社長:市村 聡(2026年6月の有価証券報告書)
NEC日立とは2017年から。NECとは2025年10月に協業開始
165名(全社)2026年3月に達成。MI専任の人数は非公表
三井化学のMIは、「MI専門の事業」ではなく、全社のDX(デジタルを使った業務・研究の変革)の中の1つの手段として語られています。 有価証券報告書では、MIが電池材料・ポリオレフィン樹脂の処方開発・コーポレート研究(先端的な基盤技術)の3か所に出てきますが、 MIで開発した製品名や、MIによる開発期間の短縮の実績は書かれていません 事実。 会社が数字で示しているのは、日立との2021年の検証(過去データで実験回数が約1/4)と、NECなどとの2025年の協業の目標(製造時間を25%削減)だけです。 つまり「MIにしっかり投資している」ことは確認できるが、「MIで何が達成できたか」はまだ外部から確かめにくい、というのが現状です。
2. ロゴと社名の表記について

表記の注意:法人名は「三井化学株式会社」で、英文名は Mitsui Chemicals, Inc.。 三井物産など、「三井」を冠する他の会社とは別法人です。 子会社に三井化学ファイン、プライムポリマー、Kulzer などがあり、グループ全体の数字(連結)と三井化学単体の数字は区別されます。 ロゴは公式サイトのヘッダーに掲載されている英文ロゴです。
公式サイト:https://jp.mitsuichemicals.com/jp/index.htm3. マテリアルインフォマティクスの世界で、この会社はどこにいるか
MIは、過去のデータと計算から「有望そうな材料の候補や条件」を絞り込み、実験で確かめる流れです (シリーズの技術解説「マテリアルインフォマティクス概論」を参照)。MIに関わる会社は、この流れのどこを担うかで4つに分かれます。
三井化学は応用する側です。MIのソフトを自社で売る会社ではなく、 日立(AI技術)やNEC(MI技術)の力を借りて、自社の材料開発や製造に使う側にいます。 MIの流れでいえば、自社が持つ実験データ・製造データを出発点にして、外部のAIで候補や条件を絞り、 実験室や工場で確かめる部分を自社が担っています。なお、化学メーカーの強みは「実際の材料と市場」、課題は「内製の人材とデータ」とされますが(図1の一般的な傾向)、 三井化学はデータサイエンティスト165名の育成と計算拠点の整備で、その課題に手を打っていると読めます。
4. 会社の規模(会社全体は簡潔に)
三井化学は大企業なので、会社全体の規模だけを簡潔に示します 事実。MIだけの数字は開示されていません。
| 指標(連結、IFRS) | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|
| 売上収益(百万円) | 1,749,743 | 1,809,164 | 1,668,754 |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円) | 49,999 | 32,242 | 34,378 |
| 連結従業員数(名) | 19,861 | 17,320 | 16,967 |
| 研究開発(2026年3月期) | 数値 | 備考 |
|---|---|---|
| 研究開発費(当社及び連結子会社) | 464億円 | 売上収益に対する割合は約2.8%(本稿の計算) |
| うちライフ&ヘルスケア・ソリューション/モビリティ/ICT/ベーシック&グリーン・マテリアルズ | 117/88/131/48億円 | 別に、新事業創出5億円、コーポレート研究75億円(有価証券報告書は全報告セグメントに配賦と記載) |
| 研究開発の体制 | 2025年10月に変更 | 成長3領域の事業本部に開発部を設置し、事業部門と開発組織を一体化 |
上の数字は会社全体のものです。MIにいくら使っているか、何人が専任かは開示されていません 未確定/将来。研究開発費464億円のうちMIの分は、書類から切り出せません。 化学メーカーの記事でこの分野を読むときは、会社の規模と、MIにかけている規模は別物だと意識してください。
5. マテリアルインフォマティクスにかけているリソース
人・金・外部への出資・大学や公的機関との連携を、一次情報で確認できたか/できなかったかで示します。「記載なし」も成果です。
| リソースの種類 | 内容 | 区分 |
|---|---|---|
| 人(全社のデータ人材) | データサイエンティスト165名を2026年3月に達成。研究開発・生産・事業・間接の各部門に配属。2025年に「データサイエンティスト・スペシャリスト」制度を開始(三井化学レポート2025) | 事実 |
| 人(研究拠点) | デジタルサイエンスラボに、研究開発部門と生産・技術部門のデジタルサイエンスの専門家を集めると説明。袖ケ浦の拠点には1,000名を超える研究者が集まっている(2022年の発表) | 事実 |
| 人(MI専任) | MIに専任する人員数 | 非公表 |
| 金(施設) | デジタルサイエンスラボの投資額:2022年の発表で日本語版は約50億円、英語版は約4 billion yen(約40億円)と書かれ、同じ発表で一致していない。実績額は確認できなかった | 事実(不一致あり) |
| 金(研究開発) | 研究開発費464億円(会社全体)。MIの分は非公表 | 非公表 |
| 計算資源 | 総演算性能(倍精度理論最高値)がPetaFLOPS級のマルチアーキテクチャのハイパフォーマンスコンピューティング環境(2022年・2024年の発表) | 事実 |
| 民間との協創 | 日立製作所(2017年〜、AI活用のMI技術の共同の実証)、NEC・萩原工業・丸喜産業(2025年10月〜、再生プラスチック) | 事実 |
| 外部への出資・買収・合弁 | MIに関する出資・買収・合弁は、確認した資料に記載なし | 確認できず |
| 大学・研究機関・公的資金との連携 | MIに関する大学・公的機関との共同研究・公的資金の記載は、確認した資料になし。有価証券報告書に「オープンイノベーションを活用した外部技術・知見の取り込み」という一般的な記述がある | 確認できず |
主要な技術・設備の状況
MIに関わる設備・技術・協業を、公式資料で確認できた範囲で整理します。三井化学は自社のモデルやソフトを公開していないため、公開の形は「社内利用」などで示します。
| 名称 | 種別 | 主な仕様(公表された範囲) | 公開の形 | 段階・日付 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|
| デジタルサイエンスラボ | 研究施設・計算環境 | PetaFLOPS級のHPC環境。建築面積1,471.98㎡、延床面積2,707.84㎡。社外の共創者を迎えるプロジェクトルームを備える計画 | 社内利用(共創は未確定/将来) | 2024年12月16日に竣工式。同月から開所 | 竣工式の発表・2022年の発表 |
| 日立の入れ子型AI | MI技術(日立が開発) | 約50万件の公開の化学式データで学習したAIの内側に、実験データで学習したAIを入れた構造。特許出願中 | 日立の「Lumada」ソリューションへ展開する方針(日立側) | 2021年6月に実証試験を開始 | 日立との共同リリース |
| NECのMI技術×再生プラスチック | 協業 | 丸喜産業の工場で取得した粘度データをMIで分析し、添加する樹脂の量をリアルタイムで調整。製造時間を従来比25%削減することが目標 | 確認できなかった | 2025年10月7日に協業開始。目標は未確定/将来 | 共同リリース |
| 1台式押出機の粘度均一化装置 | 装置(萩原工業と共同開発) | 再生プラスチックの製造中に粘度を測り、追加する樹脂の量を調整する | 萩原工業が2025年10月に製造・販売を開始 | 提供 | 共同リリース |
日立との仕組みは、実験データが少ない場面を想定した設計です 事実。 従来、化学式を直接生み出すAIは、「化学式とその性能値」のペアを大量に必要としました。日立の方式は、 外側のAIを公開の化学式データ(約50万件)で学習させ、内側のAIだけを自社の少数の実験データで学習させます。 実験データが数十〜数百件しかない材料系でも使える可能性がある、というのが狙いです。 ただし注意点があります。第一に、「実験回数が約1/4」は、三井化学の過去の有機材料データで検証した結果であり、 新しい材料を実際に開発して確かめた結果ではありません。第二に、AIが出す化学式は候補であり、 合成できるか、実際に狙いの性能が出るかは、実験で確かめる必要があります。第三に、この検証の後の実証試験の結果は、確認できる資料がありませんでした 未確定/将来。自社に当てはめるときは、自社の過去データで同じ検証をしてみるのが近道です。
6. これまでの取り組み
| 時期 | できごと | 意味 |
|---|---|---|
| 2017年 | 日立製作所と、MIを用いた材料開発の協創を開始 | MIへの取り組みの起点(共同リリースの脚注) |
| 2021年4月 | 三瓶 雅夫氏がCDO(最高デジタル責任者)に就任 | 全社DXの責任者を置く(2023年の発表) |
| 2021年6月28日 | 日立が開発したAI活用のMI技術の実証試験を開始。過去データの検証で実験回数が従来のMI比で約1/4 | 会社が示す唯一の定量的な成果(過去データでの検証) |
| 2022年11月15日 | デジタルサイエンスラボの開設計画を発表 | 研究開発DXの計算拠点の計画 |
| 2023年3月22日 | DXの取り組みにR&DのDX(MIなど)が含まれると説明 | MIがDXの一部として位置づく |
| 2024年12月16日 | デジタルサイエンスラボの竣工式(計画は2024年10月の完工・供用開始) | 2022年の計画(2024年10月の供用開始)より約2か月遅い開所(本稿の比較) |
| 2025年 | 「データサイエンティスト・スペシャリスト」制度の運用を開始 | 専門人材を処遇する仕組み |
| 2025年10月7日 | 三井化学・萩原工業・丸喜産業・NECが、MIを使った再生プラスチックの協業を開始 | MIの対象が、分子設計から製造プロセスへ広がる |
| 2025年10月 | 成長3領域の事業本部に開発部を設置し、研究開発の体制を変更(有価証券報告書) | 開発を事業部門に近づける |
| 2026年3月 | データサイエンティスト165名の目標を達成 | 人材基盤の整備 |
| 2026年6月22日 | 有価証券報告書で、電池材料・樹脂の処方開発・コーポレート研究でのMI活用を記載 | MIが事業戦略の文書に載る |
7. 今後の計画
次はいずれも会社の目標・方針です。達成した事実ではありません 未確定/将来。
迅速な製品開発力有価証券報告書の戦略。数値目標は記載なし
新銘柄・処方開発有価証券報告書の戦略。数値目標は記載なし
次はいずれも、確認した資料に記載がありません 未確定/将来。
MIで開発した製品の名称/MIによる開発期間の短縮の実績/MIの売上への寄与/MI専任の人員・投資額/ 日立との実証試験の結果/デジタルサイエンスラボで受け入れる社外の共創者。報道ベースの数字は採用しません。
8. この会社はマテリアルインフォマティクスで何を目指しているか
ここは会社が直接には述べていない部分を含みます。一次情報から読み取れる範囲の推測として、根拠とともに書きます。
| 読み取れること | 根拠となる一次情報 | 区分 |
|---|---|---|
| MIは全社のDXの一部として進められている | 2023年の発表でDXの取り組みにR&DのDX(MIなど)を挙げ、2026年の発表で全社のデータ人材165名の整備を述べる。MI専任の組織を示す記載はない | 推測 |
| MIのソフトは自社で作らず、外部と組んで使う方針 | 日立(AI技術)・NEC(MI技術)の技術を使う協業が公式に確認できる。自社のMIソフトを外販する記載はない | 推測 |
| 重点は電池材料・樹脂の処方・触媒・再生プラスチック | 有価証券報告書が、電池材料ソリューション、ベーシック&グリーン・マテリアルズ(処方開発、DXを活用した重合触媒)でMIやDXに言及する | 事実(記載の範囲) |
| MIの対象を分子設計から製造プロセスへ広げている | 2025年10月の協業は、粘度データを使ってリアルタイムで添加量を調整し、製造時間を短縮する内容 | 推測 |
2025年10月の協業は、再生プラスチックの原料(廃プラスチック)の量と質が日々変わるため、粘度や強度を満たす添加剤の種類・量を、 熟練作業者の経験で都度決めてきた、という課題から始まっています 事実。 ここでMIが担うのは、新しい分子の設計ではなく、製造中のデータから最適な条件を見つけることです。 日立との2021年の取り組みが「分子の候補をAIで作る」方向だったのに対し、2025年は「工場のデータで製造条件を整える」方向です。 この2つを並べると、三井化学はMIを材料設計と製造の両方で使おうとしていると読めます 未確定/将来。ただしこれは本稿の解釈で、会社が戦略として明言したものではありません。
9. マテリアルインフォマティクス分野の提携マッピング
10. MIの使われ方と、関わる技術・事業
有価証券報告書は、MIを3つの文脈で挙げています(第一部「事業の状況」と「研究開発活動」)。MIによる成果の数字は書かれていません。
| 領域 | 有価証券報告書の記述(要旨) | 関わる製品の例(報告書の記載) |
|---|---|---|
| 電池材料ソリューション | 顧客ごとの電池設計に応じた製品のカスタマイズと、マテリアルズインフォマティクス等を活用した迅速な製品開発力 | リチウムイオン電池用電解液(ミレット®)、太陽電池用封止シート(ソーラーエース™) |
| ベーシック&グリーン・マテリアルズ | 高機能製品の強化として、エンドユーザー起点の素材開発と、MI活用の拡大による新銘柄開発や処方開発。また、DXを活用したポリオレフィン樹脂用の高性能重合触媒の開発 | ポリオレフィン樹脂、オレフィン重合触媒 |
| コーポレート研究 | 将来価値の創出に向け、マテリアルズインフォマティクスや感性評価技術といった先端的な基盤技術を展開し、オープンイノベーションで外部技術も取り込む | 先端材料・ソリューション研究所などが担う |
| 再生プラスチック(協業) | 2025年10月の共同リリース。粘度データをNECのMIで分析し、添加量をリアルタイムで調整する | 1台式押出機の粘度均一化装置(萩原工業) |
有価証券報告書の記述から、MIが使われる場面は配合や処方の最適化と触媒の開発に重なります(事実:記載の範囲)。 電池用電解液は、溶媒・塩・添加剤の組み合わせが膨大で、一つひとつ試すと時間がかかる領域です。 また、ポリオレフィン樹脂の新銘柄・処方は、触媒・重合条件・添加剤が互いに影響する多変数の問題です。 こうした場面では、MIで試す順番を絞ることが効いてきます。 ただし、三井化学の資料には、どの材料系でどの手法(機械学習、シミュレーション、実験計画法など)を使ったかは書かれていません。 また、MIの結果の信頼性は、自社データの質と量、評価の仕方に左右されます (本シリーズの技術解説「MIの結果の評価と再現性の読み方」を参照)。 三井化学の取り組みを参考にするときは、どの課題で、どのデータを使い、何を成果とするかを自社で決めてから導入するのが近道です。
11. この企業が抱えるリスク
| リスク | 内容 | 区分 |
|---|---|---|
| 成果が外から確かめにくい | MIで開発した製品名・開発期間の短縮の実績・売上への寄与が開示されていない。会社が示す定量的な数字は、2021年の過去データ検証と、2025年の協業の目標だけ | 未確定/将来 |
| 検証と実装の差 | 「実験回数が約1/4」は過去データでの検証結果で、実際の新材料開発での結果は確認できない | 事実 |
| DX・AIの活用の遅れとセキュリティ | 有価証券報告書が、デジタル技術・AIの導入が遅れれば業務変革や開発力の強化が進まない可能性、およびサイバー攻撃を、リスクとして挙げる。社内では生成AIのガイドラインを定める | 事実 |
| 計画の遅れ | デジタルサイエンスラボの完工・供用開始は、2022年の計画の2024年10月に対し、竣工式は2024年12月16日だった | 事実 |
| 外部技術への依存 | MIのAI技術を日立・NECなど外部に頼っている。自社固有のデータと外部技術の組み合わせが競争力になるが、外部の技術が使えなくなる場合の備えは書かれていない | 推測 |
| 人材が全社に分散 | データサイエンティスト165名は研究開発・生産・事業・間接に配属されており、MIの専任ではない。MIに集中して使える人員は読み取れない | 推測 |
| 事業環境の厳しさ | 有価証券報告書の経営環境の記述では、ベーシック&グリーン・マテリアルズ事業の再構築と他社との再編が優先課題として挙げられている。MIへの経営資源の配分は読み取れない | 推測 |
12. 用語集
- マテリアルインフォマティクス(MI)
- データと計算を使って、有望な材料の候補や条件を絞り込み、実験で確かめる手法。
- DX
- デジタルトランスフォーメーション。デジタル技術で業務や研究のやり方を変えること。
- CDO
- Chief Digital Officer。デジタルを使った変革の最高責任者。
- デジタルサイエンス
- 計算科学、データサイエンス、ハイパフォーマンスコンピューティングを組み合わせた研究のやり方(三井化学の説明)。
- HPC/PetaFLOPS
- HPCは大規模な計算機環境。PetaFLOPSは1秒に1,000兆回の計算ができる規模を表す。
- SMILES
- 分子を文字の並びで表す書き方。AIが化学式を文字として扱うときによく使われる。
- 深層学習
- 多層のニューラルネットワークで、データから特徴を学ぶ機械学習の方法。
- 記述子
- 分子や材料の特徴を数値にしたもの。AIが材料の性能を予測するときの入力になる。
- 実証試験
- 開発した技術を、実際の業務や材料開発で試すこと。研究室での検証とは別の段階。
- 再生プラスチック
- 使用済みのプラスチックを回収・加工して、新しい材料として使うもの。原料の質が日によって変わる。
- 押出機・粘度
- 押出機は樹脂を溶かして押し出す装置。粘度は溶けた樹脂の流れにくさで、品質の指標になる。
- 有価証券報告書
- 日本の上場会社が国に提出する年次報告書。監査済みで、法的な責任を伴う。
- IFRS
- 国際財務報告基準。三井化学の連結財務諸表はこの基準で作られている。
13. 出典
- 三井化学 有価証券報告書 第29期(2025年4月1日〜2026年3月31日、関東財務局へ2026年6月22日提出)。売上収益・従業員数・研究開発費・各事業の戦略(電池材料・ベーシック&グリーン・マテリアルズ)でのMI活用・コーポレート研究・DXのリスク。 https://jp.mitsuichemicals.com/content/dam/mitsuichemicals/sites/mci/documents/release/2026/ms_260622.pdf
- 三井化学・日立製作所 「三井化学と日立が材料開発を高速化するMI技術の実用化に向けた実証試験を開始」(共同ニュースリリース、2021年6月28日)。日立のMI技術の仕組み、過去データでの検証結果、協創の開始年。 https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2021/06/0628.pdf
- 三井化学 「三井化学、研究開発DXを加速する『デジタルサイエンスラボ』を開設」(2022年11月15日)。施設の目的・計算環境・投資額・日程。 https://jp.mitsuichemicals.com/jp/release/2022/2022_1115/index.htm
- 三井化学 “Mitsui Chemicals Opens Digital Science Lab. to Step up DX in R&D”(同発表の英語版、2022年11月15日)。投資額の記載が日本語版と異なるため併記。 https://jp.mitsuichemicals.com/en/release/2022/2022_1115.htm
- 三井化学 「三井化学、研究開発DXを加速する『デジタルサイエンスラボ』竣工式を開催」(2024年12月17日)。竣工式の日付、計算環境、建物の規模。 https://jp.mitsuichemicals.com/content/dam/mitsuichemicals/sites/mci/documents/release/2024/241217.pdf
- 三井化学 “Briefing on Mitsui Chemicals’ Outcomes for Digital Transformation”(2023年3月22日)。DXの取り組み分野にR&DのDX(MIなど)が含まれること。 https://jp.mitsuichemicals.com/content/dam/mitsuichemicals/sites/mci/documents/release/2023/230322.pdf
- 三井化学・萩原工業・丸喜産業・NEC 「マテリアルズ・インフォマティクスの技術を活用し、再生プラスチックの品質安定化と製造工程の大幅な効率化に向けて協業を開始」(共同ニュースリリース、2025年10月7日)。 https://jp.mitsuichemicals.com/content/dam/mitsuichemicals/sites/mci/documents/release/2025/251007.pdf
- 三井化学 「三井化学、DX人材基盤を起点とした全社変革を次のステージへ」(2026年3月30日)。データサイエンティスト165名の達成。 https://jp.mitsuichemicals.com/jp/release/2026/2026_0330/index.htm
- 三井化学 三井化学レポート2025(統合報告書、2025年9月30日公開)。データサイエンティストの人数目標、CTOによる技術経営でのMI活用への言及。 https://jp.mitsuichemicals.com/content/dam/mitsuichemicals/sites/mci/documents/ir/ar/ar25_all_jp.pdf
14. 主張と出典の対応表
最終更新:2026年10月22日/Troy Technical
本稿の数値はすべて、三井化学の有価証券報告書・公式リリース・統合報告書と、日立製作所・NECとの共同リリースに基づきます。調査会社の推計値・報道ベースの数値は使用していません。「推測」と記した箇所は、一次情報から本稿が読み取った解釈であり、会社の公表内容ではありません。「実験回数が約1/4」は日立と三井化学が示した過去データでの検証結果で、実際の材料開発での成果ではありません。
