COMPANY PROFILE / ドローン・ロボティクス
ハーモニック・ドライブ・システムズ
― ロボットの関節に入る「波動歯車減速機」。産業用ロボット向けは売上の約3割、AIロボットの立ち上がりは「想定より遅い」
ハーモニック・ドライブ・システムズは、ロボットの関節で回転を遅くして力を大きくする減速機の会社です。主力の「ハーモニックドライブ®」は、薄い金属のたわみを使う波動歯車装置で、有価証券報告書は産業用ロボットの関節部に組み込まれていると書いています。2026年3月期の連結売上高は595億円で、産業用ロボット向けの比率は有価証券報告書に記載がありません。決算説明資料のグラフからは約3割と読み取れます(本稿の計算)。会社は、AIロボット向けの需要の立ち上がりが想定より遅いとして、中期経営計画を見直し、航空・宇宙・防衛、eモビリティも成長領域に加えました。本稿は、何を売り、どこまで数字が開示され、AIロボット向けの話のうち何が会社の記載で何が未確定かを、有価証券報告書と公式資料の範囲で整理します。確認日は2026年10月25日です。
- 30秒でわかるハーモニック・ドライブ・システムズと、ドローン・ロボティクスでの立ち位置
- ロゴと社名の表記について
- ドローン・ロボティクスの世界で、この会社はどこにいるか
- 会社の規模(ロボット向けに絞って)
- ドローン・ロボティクスにかけているリソース
- これまでの取り組み
- 今後の計画
- この会社はドローン・ロボティクスで何を目指しているか
- ドローン・ロボティクス分野の提携マッピング
- 提供している技術・製品・サービス
- この企業が抱えるリスク
- 用語集/出典/主張と出典の対応表
1. 30秒でわかるハーモニック・ドライブ・システムズと、ドローン・ロボティクスでの立ち位置
プライム市場2026年2月にスタンダード市場から移行(有価証券報告書)
ハーモニック・ドライブ・システムズは、ロボットそのものではなく、ロボットの関節の中に入る「減速機」の会社です。減速機は、モータの速い回転を、ゆっくりで力強い回転に変える部品です。同社の「ハーモニックドライブ®」は、薄い金属がたわむ性質を使う波動歯車装置で、小さく、軽く、位置決めの精度が高いのが特長だと会社は説明しています 事実。有価証券報告書は、これが「産業用ロボットの関節部に組み込まれ、世界市場で高いシェアを獲得している」と書いています(会社の主張で、シェアの数値は確認できない)。
重要なのは、産業用ロボット向けの売上の割合が、有価証券報告書には書かれていないことです。決算説明資料の用途別グラフを読むと約3割と分かりますが、これは本稿の読み取りと計算です 本稿の計算。会社は、人型・AIロボット向けの需要の立ち上がりが「想定より遅い」とも記載しており、新しい中期経営計画ではロボット以外(航空・宇宙・防衛、eモビリティ)も成長領域に加えています 事実。
2. ロゴと社名の表記について
表記の注意:法人名は「株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズ」、英文名は Harmonic Drive Systems Inc. です。「ハーモニックドライブ®」「アキュドライブ®」「ハーモニックプラネタリ®」は、同社の製品(減速機)の登録商標名で、会社名ではありません。ドイツの Harmonic Drive SE(旧Harmonic Drive AG)は連結子会社、米国の Harmonic Drive LLC も連結子会社で、本体とは別の法人です。本稿では有価証券報告書の会社名に従って書きます。
ロゴ画像の取得元:https://www.hds.co.jp/Portals/0/files/common/images/logo_blue.png3. ドローン・ロボティクスの世界で、この会社はどこにいるか
この分野の会社は、何を作って誰に売るかで4つに分けると分かりやすくなります。ハーモニック・ドライブ・システムズは「部品・基盤ソフト」、つまりロボットの関節を作る部品を、ロボットメーカーや装置メーカーに売る会社です。最終製品は自社では作りません。
4. 会社の規模(ロボット向けに絞って)
同社は「精密減速機事業」の単一セグメントで、ロボット向けだけの損益は開示されていません。会社全体の規模は次のとおりです(単位:百万円)事実。
| 指標(単位:百万円) | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|
| 連結売上高 | 55,796 | 55,646 | 59,558 |
| 営業利益 | 確認していない | 6 | 2,567 |
| 経常利益 | 570 | 151 | 2,540 |
| 親会社株主に帰属する当期純損益 | △24,807 | 3,474 | 1,609 |
| 受注高(連結) | 確認していない | 確認していない | 61,613 |
| 区分(2026年3月期) | 売上高(百万円) | 構成比・前期比 |
|---|---|---|
| 減速装置(ハーモニックドライブ®など) | 46,333 | 77.8%(前期比9.5%増) |
| メカトロニクス製品(アクチュエーターなど) | 13,224 | 22.2%(前期比0.9%減) |
| 日本(セグメント) | 26,626 | 前期比22.5%増 |
| 北米 | 12,107 | 前期比4.1%増 |
| 欧州 | 16,776 | 前期比0.7%増 |
| 中国 | 4,046 | 前期比28.0%減(産業用ロボット向けの減少) |
| 研究開発・投資・人員 | 内容 |
|---|---|
| 研究開発費 | 3,950百万円(2026年3月期)。研究開発要員151人 |
| 設備投資総額 | 4,796百万円。北米2,261百万円(生産能力13%増)、日本1,421百万円、中国108百万円 |
| 従業員(連結) | 1,419人(ほか臨時従業員342人)。ロボット向け専任の人数は非公表 |
上の数値は会社全体のものです。ロボット向けだけの売上・利益・研究開発費・人員は有価証券報告書に記載がなく、非公表です 未確定/将来。次の「産業用ロボット向けの売上」は、決算説明資料のグラフを本稿が読み取った参考値で、会社が示した割合ではありません。
産業用ロボット向けの売上(決算説明資料のグラフからの読み取り)
| 期間 | 連結売上高(百万円) | 産業用ロボット向け(百万円) | 割合(本稿の計算) |
|---|---|---|---|
| 2025年4〜6月 | 13,496 | 4,126 | 30.6% |
| 2025年7〜9月 | 14,342 | 4,471 | 31.2% |
| 2025年10〜12月 | 14,345 | 4,626 | 32.2% |
| 2026年1〜3月 | 17,374 | 6,384 | 36.7% |
| 小計(2026年3月期) | 59,557 | 19,607 | 32.9% |
| 2026年4〜6月 | 16,681 | 4,920 | 29.5% |
決算説明資料のグラフ「連結用途別売上高【四半期】」で、凡例の先頭(産業用ロボット)にあたる最下段の数値を読み取りました。グラフには半導体製造装置・工作機械・医療・AIロボット・航空・宇宙・防衛・車載・その他の区分もあります。AIロボット向けの区分は金額が小さく、読み取りの精度が低いため、本稿では数値を採用しません。割合は「用途別金額 ÷ 四半期の連結売上高」の本稿の計算です 本稿の計算。
5. ドローン・ロボティクスにかけているリソース
4つの観点(人・金・外部との関係・研究機関との連携)を、有価証券報告書と公式資料で確認できたか/できなかったかで整理します。「記載なし」も確認の結果です。
| 観点 | 確認できた内容 | 区分 |
|---|---|---|
| 人 | 連結従業員1,419人。研究開発要員151人。米国シリコンバレーに調査・研究のオフィスを設置。ロボット向けの専任人員は非公表 | 事実/非公表 |
| 金 | 研究開発費39億50百万円、設備投資47億96百万円(いずれも会社全体、2026年3月期)。北米の生産設備の導入で現地の生産能力が13%増加(2025年12月)。ロボット向けだけの金額は非公表 | 事実/非公表 |
| 工場 | 日本:穂高工場(長野県安曇野市)など。減速装置ユニットの主要部品のクロスローラーベアリングは子会社のハーモニックプレシジョン(長野県松本市)。米国はマサチューセッツ州、ドイツにも拠点 | 事実 |
| 外部への出資・買収・合弁 | ドイツのHarmonic Drive SE:2002年に25%、2008年に35%、2017年3月に産業革新機構(現INCJ)と共同で追加取得して子会社化(所有比率74.7%)、2021年7月に完全子会社化。米国のHarmonic Drive LLCも2021年2月に完全子会社化。青梅鋳造(持分法適用の非連結子会社)に2008年に49.2%を出資 | 事実 |
| 大学・研究機関 | 東京大学の石川研究室とロボットハンド向けの超小型減速機を開発(2000年に要望を受け、2001年に外径13mmの減速機を納入)。連携例として秋田大学、大阪大学、産業技術総合研究所、信州大学、東京大学、東北大学、名古屋工業大学ほか。国の研究補助金などの公的資金は、今回確認した資料に記載を確認できなかった | 事実/確認できず |
主要な製品の状況(会社の公式資料で確認できた範囲)
性能値は会社の公称値で、他社製品との比較や優劣はつけません。確認日は2026年10月25日です。
| 名称(種別) | 主な仕様(会社の説明・条件) | 導入・運用の実績 | 段階と日付 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| ハーモニックドライブ®(波動歯車減速機) | 部品は3点。標準品の減速比は1/30〜1/320。歯の噛み合い部分に隙間がなく、高精度な位置決めができる(会社の説明) | 産業用ロボット、半導体製造装置、人工衛星、先進医療機器などに採用(会社の記載)。台数・顧客名は非公表 | 提供中(1970年に製造を開始) | 出典1・3 |
| アキュドライブ®/ハーモニックプラネタリ®(遊星減速機) | 減速比1/3〜1/45。独自のバックラッシ(歯車の遊び)除去機構(会社の説明) | 産業用ロボットや工作機械など。台数は非公表 | 提供中。2026年3月期にFPAシリーズ(遊星ギヤ採用のACサーボアクチュエーター)を追加 | 出典1・3 |
| CSF-mini(小型ユニットタイプ) | 同社の注力分野の小型ユニット。2026年3月期に型番を追加(有価証券報告書) | 台数は非公表 | 提供中(型番追加) | 出典1 |
| CSF-3(外形13mm) | 2001年に東京大学の研究室へ納品したとされる小型の波動歯車装置。会社は「世界最小」と説明(会社の主張) | ロボットハンドの研究用。のちに標準製品化し、2007年の「今年のロボット大賞」中小企業基盤整備機構理事長賞を受賞(会社の記載) | 標準製品として提供(時期は確認できず) | 出典4 |
| ACサーボアクチュエーター(FHA-Cminiシリーズ等) | 減速機にモーター・センサーを組み合わせた駆動ユニット。LWタイプは軽量・全長短縮(会社の説明) | 台数は非公表 | 提供中(2026年3月期に追加) | 出典1・3 |
顧客名(ロボットメーカーなど)、出荷台数、各製品の価格、独立した第三者による性能の検証は、今回の資料に記載がありませんでした 未確定/将来。「高いシェア」「世界最小」は会社の記載であり、本稿では数値で裏付けられません。
6. これまでの取り組み
| 時期 | できごと | 意味 |
|---|---|---|
| 1970年 | 長谷川歯車と米国USM社の合弁で設立。松本工場でハーモニックドライブの製造を開始 | USM社との技術提携にもとづくハーモニックドライブ機構の事業化(有価証券報告書の沿革) |
| 1977年 | FA機器(現メカトロニクス製品)の製造・販売を開始 | 減速機から駆動ユニットへ |
| 1990年 | 穂高工場(長野県安曇野市)を竣工し、生産拠点を移転 | 現在も主要部門が集中する地域 |
| 2000〜2001年 | 東京大学の石川研究室の要望を受け、外径13mmの小型減速機と超小型サーボモーターを開発・納入 | 指の大きさのロボットハンド向け |
| 2017年3月 | ドイツのHarmonic Drive AG(現SE)をINCJと共同で追加取得し、子会社化 | 欧州の事業を取り込む |
| 2021年 | 米国のHarmonic Drive LLC(2月)、ドイツのHarmonic Drive SE(7月)を完全子会社化 | 北米・欧州の完全な傘下化 |
| 2024年3月期 | 親会社株主に帰属する当期純損益は248億円の損失(5年間の経営指標) | 原因は、本稿で参照した有価証券報告書では確認していない(決算期の記載のみ) |
| 2024年5月13日 | 中期経営計画(2024〜2026年度)を公表(2026年度の連結売上高900億円などを目標) | AIロボット市場の立ち上がりの想定が、現在の状況と差が出ている(会社の記載) |
| 2026年2月 | 東京証券取引所のプライム市場へ移行 | 市場区分の変更(有価証券報告書) |
| 2026年6月16日 | 第38期の有価証券報告書を提出。新しい中期経営計画(2026〜2030年度)を策定 | 注力領域をAIロボット・航空宇宙防衛・eモビリティへ |
7. 今後の計画
会社は新しい中期経営計画(2026〜2030年度)と、2027年3月期の通期予想を示しています。目標・予想は会社のもので、達成の事実ではありません 未確定/将来。
旧計画の前提と実際の差について、会社は「AIロボット市場は中長期的な成長期待に変わりはないが、現時点では創成期にあり、社会実装の進展ペースが想定と差異が生じつつある」と書いています 事実。2026年8月の予想の上方修正の理由は、産業用ロボット向け・半導体製造装置向けを中心とする主要用途全般での減速装置・メカトロニクス製品の需要増加です(決算説明資料)。
AIロボット・人型ロボット向けの売上、顧客名、量産規模、生産能力の増強計画の詳細は、今回の資料に記載がありませんでした 未確定/将来。有価証券報告書は「AIロボット向けのお客様の量産移行に伴う受注を獲得」「北米のAIロボット向け受注が増加」と書くにとどまります。
8. この会社はドローン・ロボティクスで何を目指しているか
ここには会社が直接は述べていない部分が含まれます。一次資料から読み取れる範囲の推測を、根拠とともに書きます。
| 読み取れること | 根拠となる一次資料 | 区分 |
|---|---|---|
| 売上の約3割が産業用ロボット向けで、ロボット需要の変動を直接受ける | 決算説明資料のグラフ(本稿の計算で32.9%)。有価証券報告書のリスク:製品の大半が産業用ロボット・半導体製造装置などの部品で、設備投資動向の影響を受ける | 事実/本稿の計算 |
| AIロボットはまだ売上への寄与が小さく、立ち上がりが想定より遅い | 有価証券報告書:創成期にあり、進展ペースが想定と差異。決算説明資料のAIロボットの金額は小さい | 事実 |
| 新しい中期経営計画は、ロボット以外にも売上の柱を広げる狙い | 注力領域に航空・宇宙・防衛、eモビリティを追加。減速機の用途として人工衛星・先進医療機器・車載も挙げている | 推測 |
| 北米でのAIロボット向けの需要を見込んで増産している | 北米のAIロボット向けの受注が増加(有価証券報告書)、北米の生産設備で生産能力が13%増(2025年12月)。顧客名は非公表のため、両者の関係は推測 | 推測 |
| 売上の増加で採算が改善している | 営業利益は6百万円から2,567百万円へ。会社は工場稼働率の上昇による製造原価率の改善を理由に挙げる | 事実 |
有価証券報告書は、北米で「防衛用途向けの受注高が減少したものの、AIロボット向けの受注高が増加し、売上高は前期比4.1%増」と書き、設備投資の説明で北米の生産用機械の導入により「同社の生産能力は13%増加した」と書いています 事実。この2つを並べると、北米のAIロボット向けの需要を取り込むために、現地の生産能力を増やしている可能性があります 推測。ただし、増設の目的や顧客は記載がなく、設備投資は産業用ロボットを含む他の用途向けにも使われるはずです。会社の記載にあるのは「AIロボット向けのお客様の量産移行に伴う受注」までで、実際の量産規模は確認できませんでした 未確定/将来。
9. ドローン・ロボティクス分野の提携マッピング
同社は部品メーカーのため、最も重要な「顧客との関係」が図に出ません。有価証券報告書は、顧客を「多様な顧客」と書き、個別の取引先名はほとんど開示していません 未確定/将来。産業用ロボットメーカーが同社の減速機を使っているかどうかは、本稿では個社名をあげて断定しません。
10. 提供している技術・製品・サービス
同社の製品は2つに分かれます。減速装置(ハーモニックドライブ®、遊星減速機)と、減速機にモーター・センサーなどを組み合わせたメカトロニクス製品(アクチュエーターとコントローラー)です。
| 区分 | 内容(会社の説明) | 用語の説明 |
|---|---|---|
| 減速装置 | ハーモニックドライブ®(波動歯車装置)、アキュドライブ®・ハーモニックプラネタリ®(遊星減速機) | 減速機:回転を遅くして力を大きくする部品 |
| メカトロニクス製品 | 減速機・モーター・センサー・ドライバー・コントローラーを組み合わせたアクチュエーターなど。主に半導体製造装置などで使われる | アクチュエーター:動きを生み出す駆動ユニット |
| クロスローラーベアリング | 減速装置ユニットの主要部品。子会社のハーモニックプレシジョンが製造・加工 | 軸受(ベアリング):回転を支える部品 |
| コア技術 | 精密切削、薄肉金属部品加工、小モジュール歯車加工、精密研削、精密計測 | 小モジュール歯車:非常に小さな歯の歯車 |
波動歯車装置は、薄い金属の部品が回るたびにたわみ(弾性変形)、元に戻ることを繰り返します 事実。ロボットの関節で長期間使われるため、金属の疲労(繰り返しの力で壊れやすくなること)に強く、加工しても形が狂わない金属が必要になります(一般論)。会社は、コア技術として「薄肉金属部品加工」「小モジュール歯車加工」「精密研削」「精密計測」を挙げていますが、どの合金や熱処理を使うかは公表していません 未確定/将来。
外径13mmの小型品の開発では、「部品や歯車があまりに小さく、加工も測定も未知の領域の技術と技能が求められた」と会社は述べています(会社の説明)。材料側では、鋳造(青梅鋳造への出資)や、軸受用の鋼などが関わりますが、具体的な調達先・材料名は今回確認できませんでした。本シリーズの技術解説「減速機とギア」「関節アクチュエータ」「ロボット・ドローンの構造材料」とあわせて読むと分かりやすくなります。
11. この企業が抱えるリスク
| リスク | 内容 | 区分 |
|---|---|---|
| 需要変動 | 製品の大半が産業用ロボット・半導体製造装置・フラットパネル製造装置などの部品。設備投資動向と市況の影響を受ける(発生可能性「高」、影響度「大」と会社が評価) | 事実 |
| 個別受注 | 多くの製品が顧客ごとの個別仕様の受注生産。納期が長くなると機会損失のリスク | 事実 |
| AIロボット市場の立ち上がり | 社会実装の進展ペースが想定と差異。旧計画(2026年度に売上高900億円)を見直した | 事実 |
| 中国向けの減少 | 2026年3月期は産業用ロボット向けの減少で、中国の売上が28.0%減 | 事実 |
| 欧州子会社の無形資産 | Harmonic Drive SEの顧客関係資産(9,187百万円)と技術資産(2,454百万円)。計画が未達になれば減損の可能性(前期末は減損の兆候ありと判断したが、損失は認識していない) | 事実 |
| 財務制限条項 | 借入契約に純資産の維持(直近決算期末または2024年3月期末の大きい方の70%以上)と、経常損益の2期連続赤字の禁止の条件がある | 事実 |
| 関税・為替・調達 | 米国の追加関税の影響、為替変動、中東情勢によるエネルギー・物流コストの上昇などを記載 | 事実 |
| 品質 | 予期せぬ製品の不具合が起こる可能性(発生可能性「高」と会社が評価) | 事実 |
| 航空・宇宙・防衛向け | 成長領域に位置づける。具体的な製品・顧客は確認できず、本稿では扱わない(攻撃用兵器は扱わない方針) | 未確定/将来 |
12. 用語集
- 減速機
- モータの速い回転を、ゆっくりで力強い回転に変える部品。
- 波動歯車装置(ハーモニックドライブ)
- 薄い金属のたわみを使い、少ない部品で大きな減速比を得る減速機。
- 遊星減速機
- 中心の歯車の周りを複数の歯車が回る形の減速機。
- 減速比
- 入力の回転が何分の1の速さの出力になるか。1/100なら100分の1。
- バックラッシ
- 歯車の噛み合いの隙間(遊び)。小さいほど位置決めの精度が上がる。
- アクチュエーター
- 動きを生み出す駆動ユニット。ロボットの関節の中核。
- ACサーボモーター
- 位置や速度を正確に制御できる交流モータ。
- クロスローラーベアリング
- 回転する軸を支える軸受の一種。
- 産業用ロボット
- 工場で溶接・搬送・組立などを行う腕型のロボット。
- AIロボット
- 会社の用語。AI技術を使って状況に応じて動くロボット。
- メカトロニクス
- 機械(メカ)と電子制御(エレクトロニクス)を組み合わせた技術。
- 持分法適用
- 出資先の利益を、出資比率に応じて自社の業績に取り込む会計の方法。
- INCJ
- 旧・産業革新機構。政府系のファンド。
- ROE/ROIC
- 資本や投下資本に対する利益の割合。
- 有価証券報告書
- 日本の上場会社が国に提出する年次報告書。EDINETで公開される。
13. 出典
- 株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズ 有価証券報告書 第38期(2025年4月1日〜2026年3月31日)。関東財務局提出(2026年6月16日)。EDINETの公開PDF。会社概要・沿革・事業内容・業績・用途と地域別の動向・研究開発・設備投資・従業員・リスク・中期経営計画。 https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100YBHC.pdf
- 株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズ 2027年3月期 第1四半期 決算説明資料(2026年8月7日公表)。連結用途別売上高(四半期)のグラフ、通期業績予想の修正。公式サイトのIR資料ページに掲載。 https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS06879/b045fd4d/ec48/4539/8d39/4b66e7a74f0a/140120260807515115.pdf
- 株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズ 事業領域/ビジネスモデル(公式サイト。確認日 2026年10月25日)。製品群、波動歯車装置の説明(部品3点、減速比1/30〜1/320)。 https://www.hds.co.jp/company/business/model/
- 株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズ 産官学との共同研究(公式サイト。確認日 2026年10月25日)。東京大学石川研究室との事例、連携先の例。 https://www.hds.co.jp/development/structure/university/
- 株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズ コア技術(公式サイト。確認日 2026年10月25日)。精密切削・薄肉金属部品加工・小モジュール歯車加工などの加工技術。 https://www.hds.co.jp/development/hd_skill/core/
- 株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズ 公式サイトのロゴ画像(logo_blue.png。ロゴ画像の取得元。確認日 2026年10月25日)。 https://www.hds.co.jp/Portals/0/files/common/images/logo_blue.png
14. 主張と出典の対応表
最終更新:2026年10月25日/Troy Technical
本稿の数値は、株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズの有価証券報告書(EDINET)と、同社の公式サイトに掲載された決算説明資料などに基づきます。調査会社の市場推計・報道ベースの数値は使用していません。「世界市場で高いシェア」などの表現は会社の記載で、独立した検証ではありません。「推測」と記した箇所は、一次資料から本稿が読み取った解釈であり、会社の公表内容ではありません。本稿は投資・購入の助言ではありません。
