主要成果
中国の電池メーカーであるCATLと、ドイツのエネルギー貯蔵システム(ESS)インテグレーターであるIntilionは、ドイツ語圏の欧州市場(DACH地域)において、今後5年間で最大3 GWhのナトリウムイオン電池エネルギー貯蔵プロジェクトを共同開発する合意に達した。IntilionのCEOであるHubertus Jakobi氏が10月9日のLinkedIn投稿で発表した。なお、3 GWhという数値は開発目標であり、確定した納入量ではない点に注意が必要である。具体的なプロジェクト名や調達義務、契約額、初期納入スケジュールなどの詳細は公開されていない。
技術・詳細
本プロジェクトで採用されるCATLのナトリウムイオン技術は、高い性能特性を備えている。Jakobi氏によれば、充放電効率(round-trip efficiency)は96.5%を超え、充放電サイクル数は15,000回以上、低温下での容量維持率は90%以上であるという。また、CATLが2026年6月の「The Smarter E」カンファレンスで発表した「TENER Sodium」エネルギー貯蔵システムの仕様では、25℃で15,000サイクル、45℃で10,000サイクル以上の寿命を実現し、-20℃において92%以上の容量を維持することが示されている。
TENER Sodiumはモジュール式システムであり、標準的なエネルギーブロック1つあたり30 MWh以上の容量を提供し、貯蔵時間は1時間から8時間まで対応する。また、ナトリウムイオン電池の特性に最適化した専用の双方向DC電圧調整およびバッテリー管理システム(BMS)も開発されている。
背景・業界の文脈
CATLとIntilionは数年来の協力関係にあり、2025年5月にはDACH地域で最大10 GWhの電池貯蔵プロジェクトを5年間で展開する別のパートナーシップ合意を締結している。前回の合意はCATLの「TENER」製品を対象とし、統合DC/ACソリューションの協力も含まれていた。今回のナトリウムイオン電池の目標が、前述のフレームワークの一部であるかは明言されていない。
IntilionはドイツのHOPPECKE Group傘下で、パダーボルンに本社を置く。同社はユーティリティスケールおよび商業・産業用貯蔵システムへの電池技術の統合に特化しており、エンジニアリング、ソフトウェア、試運転、メンテナンスサービスを提供している。
今後の展望
CATLはナトリウムイオン貯蔵システムの出荷量が2026年に1 GWhに達すると予想しており、国際的な納入は2027年6月に開始される予定である。欧州での展開は加速しており、CATLはオランダのAlfen社と欧州全域で5 GWhの導入計画を、中国のHyperStrong社とは3年間で60 GWhの協力合意をそれぞれ締結している。
ナトリウムイオン技術の導入は、原材料抽出に伴う環境影響の軽減や、貯蔵サイトにおける騒音放出の抑制といった利点をもたらすとされる。Intilionにとってはこの合意によりリチウムイオン以外のポートフォリオを拡大でき、CATLにとってはナトリウムイオン貯蔵システムの国際的な商用化に向けた欧州での強力な統合パートナーを確保することになる。
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