主要成果
Preferred Networks(PFN)が開発した国産生成AI基盤モデルの最新版「PLaMo 3.1 Prime」がリリースされた。最大の特長は、自律的な調査業務を支援する「Deep Research」機能の搭載である。ユーザーが調査テーマを入力すると、AIがWeb検索を通じて最新情報を参照し、情報の収集・整理・分析を経て、出典を明記したレポートを数分から数十分で作成する。これにより、従来は担当者が数時間から数日を要していた市場・競合調査や技術動向の把握といった業務の効率化が可能となる。
技術・詳細
本モデルでは、信頼性と処理速度の両面で大幅な向上が図られている。具体的には以下の技術的改善が導入された。
- 事実性の向上:事後学習により、未知の情報に対して推測せず「知らない」と回答する能力や、コンテキストへの忠実性が向上した。ハルシネーション(もっともらしい嘘)に関するベンチマークでは、前バージョンのPLaMo 3.0 Prime比でスコアが平均約15%改善している。
- 推論の高速化:投機的デコーディング(Speculative Decoding)技術を採用。軽量モデルが文章の続きを予測し、本体モデルがそれを検証する仕組みにより、PLaMo 3.0 Prime比で1.7倍の高速化を実現した。
- モードの使い分け:複雑な課題向けの「推論モード」に加え、出力トークン数を90%削減した「非推論モード」を搭載。簡潔な回答を短時間で出力し、利用料を抑制できる。
- 安全性の強化:学習パイプラインとデータの抜本的な見直しにより、不適切な行為への質問に対し、単なる拒否ではなく、行為の誤りを説明してユーザーの判断を助ける回答が可能となった。この開発・評価は情報通信研究機構(NICT)が支援している。
背景・業界の文脈
生成AIの業務活用において、学習データ以降の最新情報への対応不可やハルシネーションが導入の障壁となっている。また、機密性の高い情報を扱う企業にとって、海外製AIへの過度な依存やクラウド上でのデータ取り扱いに対する懸念が高まっている。PLaMo 3.1 Primeは、国産モデルとしての透明性と信頼性を重視し、最新情報へのアクセス能力と自律的な調査能力を付加することで、これらの課題に応える設計となっている。
今後の展望
提供形態は「PLaMo Chat」「PLaMo API」、およびオンプレミスの3形態となる。特にオンプレミス環境での利用では、社内文書との連携や、社内文書に限定した調査が可能になるため、高度なセキュリティが求められる企業利用への普及が見込まれる。API利用料は、無料のFreeプランのほか、Standardプラン(入力100万トークンあたり60円、出力250円)が設定されている。
元記事: https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/2151518.html
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