COMPANY PROFILE / ドローン・ロボティクス
ジップライン
― 医薬品の輸送から始め、いまは家庭への即時配送に広げる、機体も運航も自社で担うドローン配送の会社
Ziplineは、荷物を積んだドローンを飛ばして、病院や家庭に届ける米国の会社です。2016年にルワンダで血液などの医療品の配送を始め、2025年からは米国で食品・日用品・処方薬を家庭へ届けるサービスを広げています。 機体の設計・組立から、配送拠点、注文アプリ、運航までを一社で担うのが特徴です。 本稿は、会社の公式の発表で確認できる事業の数字を「会社の数字」として区別し、FAAの承認の範囲を、連邦官報に公示された文書で確認できる部分と、会社の説明にとどまる部分に分けて整理します。 株価・評価額・投資判断には触れません。確認日は2026年10月25日です。
- 30秒でわかるZiplineと、ドローン・ロボティクスでの立ち位置
- ロゴと社名の表記について
- ドローン・ロボティクスの世界で、この会社はどこにいるか
- 会社の規模
- ドローン・ロボティクスにかけているリソース
- これまでの取り組み
- 今後の計画
- この会社はドローン・ロボティクスで何を目指しているか
- ドローン・ロボティクス分野の提携マッピング
- 提供している技術・製品・サービス
- この企業が抱えるリスク
- 用語集
- 出典
- 主張と出典の対応表
1. 30秒でわかるジップラインと、ドローン・ロボティクスでの立ち位置
サウスサンフランシスコ機体の組立もここ(公式ページの説明)
(主たる類型)機体の製造と配送サービスの運営を一体で行う
(2026年7月14日)2026年1月21日は「200万件」。公式ページ間で時点が異なる
(2026年1月21日)Fidelity、Baillie Gifford、Valor、Tiger Global などが参加
+個別の免除・承認機体・運航・免除ごとに範囲が違う(第5・6章)
Ziplineには2種類の機体と、2種類のサービスがあります。 1つは、長距離向けの固定翼機(第1世代、P1)で、会社の設計値では積載量4ポンド(約1.8 kg)、往復120マイル(約193 km)以上、荷物はパラシュートで降ろします。 もう1つは、家庭配送向けの第2世代(P2)で、機体は高い空中に留まり、ひもで吊った小型の配送装置(「ドロイド」)が荷物を地面に降ろします。積載量は8ポンド(約3.6 kg)、半径10マイル(約16 km)が設計値です 事実(会社の設計値)。 数字はいずれも会社が公表した設計値・実績で、第三者による検証は本稿では確認できていません。 また、米国の承認は一括りではなく、Part 135(航空会社の運航証明)、機体の型式に関する審査、個別の免除に分かれています(第5章・第6章)。
2. ロゴと社名の表記について

表記の注意:会社名は Zipline。FAAの公示では「Zipline International, Inc.」(2022年・2024年・2025年)や「Zipline, Inc.」(2023年)と書かれています。 機体の愛称の「Zip」は、会社の用語で機体(ドローン)そのものを指します。ロゴは公式サイトのヘッダーに掲載されているものです。 別会社の Wing(Alphabet傘下)も、同じドローン配送の分野で事業を行っていますが、別の会社です。
公式サイト:https://www.zipline.com/about3. ドローン・ロボティクスの世界で、この会社はどこにいるか
Ziplineは、空を飛ぶ機体を作り、自分で飛ばして荷物を届ける会社です。ドローンを売るメーカーではなく、運航するサービス事業者の面が強い点が特徴です。 本シリーズの技術解説「ドローン物流」で触れている、配送拠点(ハブ)と配送先を結ぶ運航の仕組みを、機体の開発から運営まで一社で行っています。 同じ配送分野には、荷物の受け渡し方式や機体の形が異なる会社が複数あります(本シリーズのWingの解説も参照)。 本稿は主たる類型を「ドローン・eVTOL」としました。従たる類型は特に設けていません。
4. 会社の規模
Ziplineは非上場で、売上・利益・従業員数は公表していません。確認できたのは、会社が発表した累計の実績と資金調達です 事実(会社の発表)。
| 項目 | 内容 | 出典・注記 |
|---|---|---|
| 本社・創業 | サウスサンフランシスコ(米国)/2014年創業、2016年にルワンダで最初の配送 | 公式のFact Sheet、About |
| 配送の累計 | 200万件超(2026年1月21日)→ 250万件超(2026年7月14日)。Aboutページは「300万件超」と記載(日付なし) | 会社の発表。ページごとに時点が異なる可能性があり、本稿は日付つきの発表を優先する |
| 飛行距離の累計 | 1.25億マイル(2026年1月)→ 1.35億マイル(2026年8月)。Aboutは「1.5億マイル超」(日付なし) | 会社の数字(自律飛行の商用の距離)。第三者の検証は確認できず |
| 配送した品数 | 2,000万点超(2026年1月・8月) | 会社の数字 |
| 拠点・提携先 | 米国:ダラス周辺、ヒューストン、フェニックス、オースティン、クリーブランドなど。アフリカ:ルワンダ、ガーナ、ナイジェリア、ケニア、コートジボワールなど | 公式ニュース(2025〜2026年)。詳細は第6章 |
| 従業員数 | 非公表 | 確認できず |
| 売上・利益・研究開発費 | 非公表 | 確認できず。報道ベースの数字は採用しない |
Ziplineの公式ページは「年間1万2,000人以上の命を救う」「5,000以上の病院・保健施設に届ける」といった数字や、医療へのアクセスに関する研究の結果を挙げています。 本稿は健康上の効果の数字を採用しません。原論文を確認していないためです。「5,000以上の病院・保健施設に届ける」は会社の主張として紹介するにとどめます 未確定/将来。 また、会社が挙げる「安全の統計」(深刻な負傷なしでの累計飛行距離)は、公的機関の事故調査の資料と照らし合わせたものではありません。
5. ドローン・ロボティクスにかけているリソース
| リソースの種類 | 内容 | 区分 |
|---|---|---|
| 人 | 従業員数は非公表。2026年7月14日の発表で、CFO・最高法務責任者・営業の責任者に、Tesla・Waymo・Uberの出身者を迎えたと説明。製造拠点を拡張し、組立・品質保証などの新しい職を作ると説明(2025年9月30日) | 非公表(人事は会社の発表) |
| 金 | 6億ドル超の資金調達を発表(2026年1月21日)。参加した投資家として、Fidelity Management & Research、Baillie Gifford、Valor Equity Partners、Tiger Global を挙げている。Uberが戦略的な出資を行うと発表(2026年8月17日。金額は非公表)。研究開発費は非公表 | 事実(会社の発表) |
| 外部への出資・買収・合弁・事業売却 | 本稿で確認した公式ニュースに、Ziplineが他社に出資・買収した記載はなし。Uber、FidelityなどはZiplineへの出資者であり、逆ではない | 確認できず |
| 大学・研究機関・公的機関との連携 | FAAと、空域管理(UTM)の承認や免除で協議(第6章)。米国国務省から1.5億ドルの「成果払い」の契約(2025年11月25日)。アフリカ各国の政府も費用を負担する計画。UTMの整備では、NASAや標準化団体との協力を公式ブログが言及 | 事実(会社の発表) |
| 製造能力 | サウスサンフランシスコの施設を3倍に拡張し、年間最大1.5万機の製造能力を目指すと発表(2025年9月30日) | 未確定/将来(会社の計画) |
主要な機体・サービスの状況を、公式の資料と、FAAの公示で確認できた範囲で表にします。数値は会社の設計値で、条件が機体ごとに違うため優劣はつけません。確認日は2026年10月25日です(括弧内のkm・kgはヤード・ポンド法からの換算 本稿の計算)。
| 名称 | 種別 | 主要な仕様(会社の設計値・条件つき) | 導入・運用の実績 | 規制上の承認・位置づけ(範囲) | 段階 |
|---|---|---|---|---|---|
| P1(第1世代) | 固定翼。長距離の配送(病院・企業・政府向け) | 積載 4 lb(約1.8 kg)。往復120マイル(約193 km)以上。巡航時速60マイル(約97 km/h)。荷物はパラシュートで地上60〜80フィート(約18〜24 m)から降ろす。ハブで職員が荷造り | ルワンダなどで運航(2016年〜)。米国ではアーカンソー州ピーリッジでWalmartの配送を2021年から(会社の説明) | FAAの「特別クラス型式証明」申請に対する基準を公示(2022年。型式証明の取得は確認できず)。BVLOS免除を2023年に取得したと会社が説明 | 稼働 |
| P2(第2世代) | 家庭向けの即時配送 | 積載 8 lb(約3.6 kg)。サービス半径10マイル(約16 km)または片道24マイル(約39 km)。巡航時速70マイル(約113 km/h)。機体は高い空中にとどまり、ドロイドが最大300フィート(約91 m)の高さからひもで荷物を降ろす | 米国で2025年4月に家庭配送を開始(会社の説明)。ダラス周辺、ヒューストン、フェニックスなどに展開 | 「全ての機体と運航はFAAの承認済み」と会社が説明(Fact Sheet)。個別の承認の範囲は本稿で確認できず | 稼働(拡大中) |
| Dropbox・ハブ | 注文を受け取る箱と、配送拠点 | 飲食店・小売が特別な梱包なしで荷物を入れられる箱。ハブ・アンド・スポーク方式 | Walmart、Chipotle、Buffalo Wild Wings など(2025年9月30日の発表) | — | 稼働 |
| 運航管理(UTM) | 他の運航者と飛行経路を調整するソフト | 経路の予約と衝突の回避を自動化 | 2024年7月に米国の運航に組み込んだと会社が説明 | FAAが「初めての承認」を出したと会社が説明(2024年7月30日) | 稼働 |
表の数値はいずれも設計値または会社の説明で、実測値ではありません。FAAの公示は、会社が申請した内容の要約であり、認められたかどうかは公示そのものからは分かりません。
FAAの基準の公示(2022年)によると、Zip UAS Sparrowの機体は、離陸時の最大重量が50ポンド(約23 kg)、翼幅は約11フィート(約3.4 m)、全長約6フィート、高さ約2フィートで、 離着陸と前進飛行の両方に電池で動く電動モーターを使う設計です 事実(FAAの公示。申請者の運用構想に基づく値)。 P1は積載4ポンドで往復120マイル超を飛ぶ設計と会社が説明しており、固定翼(翼で揚力を得る)の機体は、回転翼(プロペラで持ち上げ続ける)の機体より遠くまで飛びやすい、というのが一般的な理由です 未確定/将来(一般的な説明で、Zipline固有の数値は確認していない)。 一方、P2は機体が高い空中にとどまり、ひもで吊るドロイドだけが降りて荷物を置く設計で、会社は音の小ささを特徴として説明しています(騒音の測定値は本稿では確認していない)。 電池の化学種や機体の構造材は、本稿で確認した公式資料には書かれていません 未確定/将来。 医療品の配送では、ハブに低温を保つ保管設備(コールドチェーン)があると会社は説明しています。
6. これまでの取り組み
| 時期 | できごと | 意味・範囲 |
|---|---|---|
| 2014年 | Zipline創業 | 公式のFact Sheet |
| 2016年 | ルワンダの病院に最初の配送 | 会社の説明 |
| 2019年3月25日 | FAAに、Zip UAS Sparrow(無人航空機システム)の「特別クラス型式証明」を申請(14 CFR 21.17(b)) | FAAの公示(2022年)に記載 |
| 2021年 | アーカンソー州ピーリッジでWalmartの配送を開始 | 会社の説明(2024年1月9日のブログ) |
| 2022年2月25日 | FAAが、Zip UAS Sparrowの特別クラスの耐空性基準を公示(2022年3月28日発効) | 型式証明そのものの発行ではなく、審査の基準の公示。運用構想:最大高度400フィート、巡航速度56ノット、BVLOS、人の上空の飛行、1人の操縦者が最大20機 |
| 2023年3月15日 | 家庭配送用の第2世代(P2)を発表 | 会社の発表 |
| 2023年5月25日 | 既存の免除(No. 19111B)の改定を申請。他の航空機との衝突回避に「検知と回避」のシステムを使い、目視の監視員に代える内容 | FAAの公示。申請の要約で、認められたかは公示では分からない |
| 2023年9月18日 | FAAが、目視外飛行(BVLOS)を目視の監視員なしで行う免除を認めたと発表(会社の説明) | FAA自身の発表文は本稿で取得できず。会社の説明として扱う |
| 2024年1月9日 | ダラス・フォートワースのWalmartで家庭配送を始める計画を発表 | 会社の発表(当時の計画) |
| 2024年7月23日 | 免除を申請:低視程での有視界飛行、パイロットの身体検査証明書の代わりに運転免許証、重大な修理の記録様式の免除など | FAAの公示。認められたかは公示では分からない |
| 2024年7月30日 | FAAが空域管理(UTM)システムを承認したと発表(会社の説明) | FAA自身の文書は本稿で取得できず |
| 2025年4月 | 家庭配送を米国で開始(Walmart、Chipotleなど) | 会社の説明(2025年9月30日の発表) |
| 2025年9月30日 | 製造施設を3倍にして年産最大1.5万機を目指すと発表 | 会社の計画 |
| 2025年11月25日 | 米国国務省と1.5億ドルの成果払いの契約。アフリカ各国も費用を負担する計画 | 会社の発表 |
| 2025年12月10日 | 免除を申請:サービス障害報告、薬物・アルコール検査、パイロット記録データベースなどの要件の免除 | FAAの公示。認められたかは公示では分からない |
| 2026年1月21日 | 累計200万件超の配送と、6億ドル超の資金調達を発表。ヒューストンとフェニックスに展開 | 会社の発表。評価額は本稿では扱わない |
| 2026年2月4日(発表は5日) | ルワンダ政府が、全国規模の自律配送を世界で初めて実現する拡張契約に署名(国務省の資金の下での最初の契約) | 会社の発表 |
| 2026年7月14日 | 累計250万件超、事業者数が半年で13倍。オースティンとクリーブランド(Cleveland Clinicの処方薬の家庭配送)へ | 会社の発表 |
| 2026年8月17日 | Uberとの提携(1日100万件の配送を計画)とUberの出資を発表 | 会社の発表・計画(未確定/将来) |
7. 今後の計画
(最終化は未確認)2025年8月7日に提案。最終規則は連邦官報で確認できず
FAAの提案規則(Part 108、2025年8月7日)は、目視外飛行(BVLOS)を個別の許可ではなく規則で認める枠組みです。 意見募集は延長されず、2026年2月10日の文書で延長の要請が退けられました。2026年10月25日時点で最終規則は確認できませんでした 未確定/将来。 FAAの公式ページは、小型ドローンの有償の配送はPart 135(航空会社の運航証明)の手続きで行い、目視外飛行には免除または許可が必要だと説明しています。
次は、本稿で確認した一次資料に記載がありません 未確定/将来。
従業員数/売上・利益・研究開発費/Part 135の証明書の発行内容(保有の有無は会社が「FAAの承認のもとで運航」と説明)/Zip UAS Sparrowの型式証明が発行されたか/ 2023年・2024年・2025年に公示された免除申請の結果/事故・インシデントに関する公的機関の調査報告(確認できた範囲では見つからなかったが、存在しないことは確認していない)。
8. この会社はドローン・ロボティクスで何を目指しているか
ここは会社が直接には述べていない部分を含みます。一次情報から読み取れる範囲の推測として、根拠とともに書きます。
| 読み取れること | 根拠となる一次情報 | 区分 |
|---|---|---|
| 医療品の輸送で得た運航の経験を、米国の家庭配送に移して拡大している | 公式のFact Sheetが2つのサービスを説明し、「2025年に精密な配送サービスを開始」と記載。2026年の発表が米国の都市の拡大を中心にしている | 事実(会社の説明) |
| 自社の配送拠点の拡大だけでなく、他社のプラットフォーム(Uberなど)に配送を載せる方向に進んでいる | 2026年8月17日のUberとの提携の発表。2026年7月14日の発表が、アプリで配送を提供する事業者数が半年で13倍に増えたと説明 | 推測 |
| 機体の量産が成長の制約になっていると見ている | 2025年9月30日の発表が、製造施設を3倍にして年産最大1.5万機を目指すと説明 | 推測 |
| 規制の進展を個別の免除の積み重ねで進めている | FAAの公示で、2023年・2024年・2025年に免除を申請していることが確認できる | 事実 |
FAAの公示を並べると、Ziplineは個別の規則(目視外飛行の監視員、低視程、操縦者の免許・健康、記録、薬物検査、報告)ごとに免除を申請していることが分かります 事実。 一方、FAAのBVLOS提案規則(Part 108)は、こうした個別の免除に頼らず規則で包括的に認める方向の提案ですが、最終化は確認できません 事実。 この組み合わせから、本稿は「規則が最終化されるまでは、Ziplineの拡大は個別の免除の取得状況に左右される」と読みます 未確定/将来。 ただし、公示された免除申請の結果は本稿で確認できておらず、会社の発表には「FAAの承認のもとで運航している」とあるため、実際に必要な免除はすでに得ている可能性も大いにあります。
9. ドローン・ロボティクス分野の提携マッピング
10. 提供している技術・製品・サービス
| 分野 | 公式資料で確認できた内容 | 何をするものか |
|---|---|---|
| 長距離の配送(P1) | 固定翼機。往復120マイル以上、積載4 lb(会社の設計値) | 病院・企業・政府向け。血液、ワクチン、医薬品、小売品などを運ぶ |
| 家庭向けの配送(P2) | 半径10マイル、積載8 lb、ひもで吊るドロイドが荷物を降ろす(会社の設計値) | 飲食店・小売から家庭へ。Zipline アプリで注文 |
| 受け取りの仕組み | Dropbox(荷物を入れる箱)、ハブ | 事業者が特別な梱包や装置なしで荷物を渡せる |
| 機上の自律・認識 | FlightIQ(会社名) | 周囲の航空機などを認識して、飛行・航法・配送を自律で行う(会社の説明) |
| 運航管理 | UTM(無人機の交通管理) | 他の運航者と飛行経路を共有して重ならないようにする |
| 医療の物流 | 血液・ワクチン・医薬品の配送 | 公式は、5,000以上の病院・保健施設に配送すると説明(会社の主張) |
11. この企業が抱えるリスク
| リスク | 内容 | 区分 |
|---|---|---|
| 承認の範囲を外部から確認しにくい | FAAの公示は免除の申請の要約で、結果は公示では分からない。型式証明の発行も確認できない。会社の説明は「FAAの承認のもとで運航」だが、機体・運航・免除ごとの範囲は公開資料からは特定できない | 事実 |
| 規則の最終化の遅れ | FAAのPart 108は提案の段階で、最終規則は確認できない。それまでは個別の免除とPart 135に依存する | 未確定/将来 |
| 会社の数字の検証 | 配送件数、飛行距離、「深刻な負傷なし」などは会社の発表で、第三者による検証を確認できない。公式ページ間で数字の時点が異なる | 事実(会社の説明) |
| 計画の実現 | Uberとの1日100万件、年産最大1.5万機、4州への拡大は計画であり、達成の事実ではない | 未確定/将来 |
| 米国のFCCの規則との関係 | FCCのカバードリストは「外国で製造された」機体を対象とする。Zipline は米国で組立と説明しているが、個別の機体のFCC上の扱い(国内最終製品など)は本稿では確認していない。FCCの提案文書(DA 26-758)は、リスト追加後に国内メーカーが資金を集めている例としてZiplineの2026年1月の発表を挙げているが、Ziplineの機体を対象とする判断を示したものではない | 事実/未確定/将来 |
| 資金と成長の関係 | 財務が非公表のため、事業の採算を外部から評価できない | 推測 |
12. 用語集
- BVLOS
- Beyond Visual Line of Sight。操縦者や監視員の目で見えない範囲での飛行。
- Part 135
- 米国の連邦航空規則の一部で、有償の運航(航空運送事業)に必要な証明の手続き。ドローン配送もこの手続きを使う。
- 免除(exemption)
- 特定の規則を、条件つきで適用しないとFAAが認める制度。申請の要約が連邦官報に公示される。
- 特別クラス型式証明
- 既存の分類に当てはまらない航空機の設計を、個別の基準で審査して認める証明。まず審査の基準が公示される。
- UTM
- Unmanned Aircraft System Traffic Management。無人機の運航者どうしが飛行計画を共有して、空域の衝突を避ける仕組み。
- 固定翼機
- 翼で揚力を得て飛ぶ飛行機型の機体。回転翼機(プロペラで持ち上げる機体)より遠くまで飛びやすい。
- ハブ
- 配送の拠点。荷物を集めて機体に載せる場所。
- コールドチェーン
- 血液やワクチンなどを低温に保ったまま運ぶ仕組み。
- 成果払い契約
- 実際に提供された成果(配送など)に応じて費用を支払う契約。
- カバードリスト
- FCCが公表する、国家安全保障上のリスクがあると判断された機器の一覧。
- 耐空性基準
- 航空機が飛べる状態にあるとFAAが認めるための、設計上の基準。
- ドロイド
- Ziplineの用語で、P2の機体から降りて荷物を地面に置く小型の配送装置。
13. 出典
- Zipline About Zipline(公式)。累計の飛行距離・配送件数、米国での製造拠点(サウスサンフランシスコ)。日付の記載なし。 https://www.zipline.com/about
- Zipline Zipline Fact Sheet(公式。頁の公開日表示は2023年7月24日だが、2025年の内容を含む)。2つの機体の設計値、事業の説明。 https://www.zipline.com/about/zipline-fact-sheet
- Zipline Safety(公式)。「FAAの承認のもとで運航」との説明。 https://www.zipline.com/safety
- Zipline 公式ニュース「Zipline Surpasses 2 Million Deliveries, Raises More than $600M …」(2026年1月21日。会社の発表)。 https://www.zipline.com/newsroom/zipline-surpasses-2-million-deliveries-raises-more-than-600m-to-power-next-phase-of-growth-and-expands-operations-to-houston-and-phoenix
- Zipline 公式ニュース「Zipline Will Make 1 Million Deliveries Per Day Through New Uber Partnership」(2026年8月17日。会社の発表・計画)。 https://www.zipline.com/newsroom/zipline-will-make-1-million-deliveries-per-day-through-new-uber-partnership
- Zipline 公式ニュース「Zipline Accelerates U.S. Growth with 13X Marketplace Expansion …」(2026年7月14日。会社の発表)。 https://www.zipline.com/newsroom/zipline-accelerates-u-s-growth-with-13x-marketplace-expansion-new-leadership-hires-and-launches-in-austin-and-cleveland
- Zipline 公式ニュース「Zipline to Triple U.S. Manufacturing Facility …」(2025年9月30日。会社の発表・計画)。 https://www.zipline.com/newsroom/zipline-to-triple-u-s-manufacturing-facility-creating-more-jobs-in-ai-and-robotics
- Zipline 公式ニュース「Zipline to Triple Its Life-Saving Drone Delivery Network with $150 Million from U.S. State Department …」(2025年11月25日。会社の発表)。 https://www.zipline.com/newsroom/zipline-to-triple-its-life-saving-drone-delivery-network-with-150-million-u-s-state-department-contract-that-will-be-more-than-doubled-by-african-countries
- Zipline 公式ニュース「Rwanda Expands with Zipline to Become First Country in the World with Nationwide Autonomous Delivery …」(2026年2月5日)。 https://www.zipline.com/newsroom/rwanda-expands-with-zipline-to-become-first-country-in-the-world-with-nationwide-autonomous-delivery-including-africa-s-first-urban-drone-delivery-network
- Zipline 公式ブログ「Making aviation history, the FAA enables drone delivery at scale」(2023年9月19日。会社の説明)。 https://www.zipline.com/newsroom/aviation-history-faa-drone-delivery-at-scale-zipline
- Zipline 公式ブログ「Zipline receives the FAA’s first-ever approval of airspace traffic management system for drone delivery」(2024年7月30日。会社の説明)。 https://www.zipline.com/newsroom/zipline-receives-the-faa-s-first-ever-approval-of-airspace-traffic-management-system-for-drone-delivery
- Zipline 公式ブログ「Our Next Flight With Walmart Will Reach Millions of Americans」(2024年1月9日)。 https://www.zipline.com/newsroom/our-next-flight-with-walmart-will-reach-millions-of-americans
- Zipline 公式ニュース「Zipline unveils autonomous system for quiet, fast, and precise home delivery」(2023年3月15日)。 https://www.zipline.com/newsroom/zipline-unveils-new-autonomous-system-capable-of-quiet-fast-and-precise-home-delivery
- 米国連邦官報(FAA) Airworthiness Criteria: Special Class Airworthiness Criteria for the Zipline International Inc. Zip UAS Sparrow Unmanned Aircraft, 87 FR 10687(2022年2月25日。2022年3月28日発効)。 https://www.federalregister.gov/documents/2022/02/25/2022-03864/airworthiness-criteria-special-class-airworthiness-criteria-for-the-zipline-international-inc-zip
- 米国連邦官報(FAA) Petition for Exemption; Summary of Petition Received; Zipline, Inc., 88 FR 33958(2023年5月25日)。 https://www.federalregister.gov/documents/2023/05/25/2023-11028/petition-for-exemption-summary-of-petition-received-zipline-inc
- 米国連邦官報(FAA) Petition for Exemption; Summary of Petition Received; Zipline International, Inc., 89 FR 59798(2024年7月23日)。 https://www.federalregister.gov/documents/2024/07/23/2024-16131/petition-for-exemption-summary-of-petition-received-zipline-international-inc
- 米国連邦官報(FAA) Petition for Exemption; Summary of Petition Received; Zipline International, Inc., 90 FR 57271(2025年12月10日)。 https://www.federalregister.gov/documents/2025/12/10/2025-22431/petition-for-exemption-summary-of-petition-received-zipline-international-inc
- FAA Package Delivery by Drone (Part 135)(FAA公式ページ)。小型ドローンの配送でPart 135の証明書と、BVLOS用の免除・許可が必要な旨。 https://www.faa.gov/uas/advanced_operations/package_delivery_drone
- 米国連邦官報(FAA) Normalizing Unmanned Aircraft Systems Beyond Visual Line of Sight Operations(提案規則。2025年8月7日)。 https://www.federalregister.gov/documents/2025/08/07/2025-14992/normalizing-unmanned-aircraft-systems-beyond-visual-line-of-sight-operations
- 米国連邦官報(FAA) 同提案規則の意見募集の再開と期間延長の否認(2026年2月10日付の文書)。 https://www.federalregister.gov/documents/2026/02/10/2026-02649/normalizing-unmanned-aircraft-systems-beyond-visual-line-of-sight-operations-reopening-of-comment
- FCC Public Notice DA 26-758(2026年7月21日)。「軍用等級」の輸入・販売禁止案(提案の段階)。本文が国内メーカーの資金調達の例としてZiplineの2026年1月の発表を引用。 https://docs.fcc.gov/public/attachments/DA-26-758A1.pdf
- FCC Covered List FAQs: UAS and UAS Critical Components(2026年7月21日更新)。 https://www.fcc.gov/covered-list-faqs-uas-and-uas-critical-components
- FCC List of Equipment and Services Covered By Section 2 of The Secure Networks Act(2026年10月23日更新の表示)。 https://www.fcc.gov/supplychain/coveredlist
14. 主張と出典の対応表
最終更新:2026年10月25日/Troy Technical
本稿の事業の数字(配送件数、飛行距離、資金調達など)はZiplineの公式の発表に基づく会社の数字で、第三者による検証は確認できていません。FAAの承認については、連邦官報の公示(申請の要約と基準の公示)で確認できる範囲と、会社の説明を区別して書いています。株価・評価額・投資判断には触れていません。調査会社の推計値・報道ベースの数値は使用していません。「推測」と記した箇所は、一次情報から本稿が読み取った解釈であり、会社や当局の公表内容ではありません。本稿は法的助言・投資助言ではありません。
