COMPANY PROFILE / ドローン・ロボティクス
インテュイティブ・サージカル
― 手術室で医師が使う「da Vinci」で、売上の8割超を「使われ続ける収益」が占める手術支援ロボットの会社
手術支援ロボット「da Vinci」は、医師が操作席で動かし、患者のそばのロボットアームが細い器具を動かす機械です。Intuitive Surgicalの2025年12月期の売上高は100.6億US$で、うち84%が器具・消耗品・保守サービス・運用リースによる「経常収益」でした。同年のda Vinciの手術件数は約315万件、設置台数は約11,106台です(会社の集計・推計)。本稿は、何を売り、どの手術の範囲までFDAなどが許可したか(日付つき)、会社の主張とどこが違うかを、Form 10-K・10-Qと米国FDAの公開データベースの範囲で整理します。治療や手術の効果・安全性が優れているとは断定しません。製品や許可の状況は変化が速いため、確認日(2026年10月25日)を明記しています。
- 30秒でわかるIntuitive Surgicalと、ドローン・ロボティクスでの立ち位置
- ロゴと社名の表記について
- ドローン・ロボティクスの世界で、この会社はどこにいるか
- 会社の規模
- ドローン・ロボティクスにかけているリソース
- これまでの取り組み
- 今後の計画
- この会社はドローン・ロボティクスで何を目指しているか
- ドローン・ロボティクス分野の提携マッピング
- 提供している技術・製品・サービス
- この企業が抱えるリスク
- 用語集/出典/主張と出典の対応表
1. 30秒でわかるインテュイティブ・サージカルと、ドローン・ロボティクスでの立ち位置
サニーベール1020 Kifer Road
Intuitive Surgicalは、医師が操作席(コンソール)で操作し、患者のそばのロボットアームが細い器具を動かす手術支援ロボット「da Vinci(ダヴィンチ)」の会社です。医師の代わりにロボットが手術を決めるものではなく、医師の手の動きを器具の細かい動きに変える道具です(Form 10-Kの説明)事実。このほか、肺の生検(組織を採る検査)に使う細いカテーテルのロボット「Ion」も手がけます。
本稿の特徴は2つです。1つは、売上の84%が「経常収益」(手術のたびに使う器具・消耗品、保守サービス、運用リース)で、本体を売るだけでなく使われ続けることで成り立つ構造であること 事実。もう1つは、承認ではなく「クリアランス(510(k))」という許可の取り方で、どの手術の範囲まで米国FDAが認めたかを、機器ごとに確認できることです。治療の効果・安全性が優れているとは、本稿では断定しません。会社の「より良い結果を目指す」という主張と、FDAが許可した使用の範囲は別のものです。
本稿は技術・事業の解説で、特定の手術や治療法を勧めるものではありません。FDAの「クリアランス」は、既に市販されている機器と実質的に同等であることを確認する手続き(510(k))の結果で、治療の効果を保証するものではありません。手術の選択は、患者と担当医が相談して決めるものです。
2. ロゴと社名の表記について

表記の注意:法人名は Intuitive Surgical, Inc.、会社は「Intuitive」とも名乗ります(本稿は米国の親会社の開示に基づき、日本など各国の現地法人は扱いません)。製品名の da Vinci、Ion は同社の商標で、ロボットの名前であって人物名や別会社ではありません。中国の合弁会社 Intuitive Surgical-Fosun Medical Technology (Shanghai) は、上海復星医薬(Fosun Pharma)との合弁(Intuitive側が過半数を出資)で、別の法人です。
ロゴ画像の取得元:https://www.intuitive.com/assets/images/svg/isi-logo-black.svg3. ドローン・ロボティクスの世界で、この会社はどこにいるか
この分野の会社は、何を作って誰に売るかで4つに分けると分かりやすくなります。Intuitive Surgicalは「産業・専門ロボット」のうち、病院の手術室で働く医療用ロボットです。売る相手は病院で、使うのは医師と手術チームです。
4. 会社の規模
Intuitive Surgicalはほぼ手術支援・診断ロボットの会社なので、会社全体がこの分野に当たります。数値はForm 10-Kと、SECのXBRL(財務データの公開API)のとおりです(単位:百万US$)事実。
| 指標(単位:百万US$) | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 7,124.1 | 8,352.1 | 10,064.7 |
| うち器具・消耗品 | 4,276.6 | 5,079.0 | 6,018.9 |
| うちサービス | 1,167.8 | 1,307.1 | 1,572.1 |
| うち運用リース(固定払い・使用量払いを含む) | 500.5 | 654.2 | 874.3 |
| 経常収益が売上に占める割合 | 83% | 84% | 84% |
| 営業利益 | 1,766.8 | 2,348.9 | 2,945.5 |
| 研究開発費 | 998.8 | 1,145.3 | 1,311.8 |
| 有形固定資産の購入(設備投資) | 1,064.2 | 1,111.2 | 539.8 |
| 事業の規模 | 2024年12月期(末) | 2025年12月期(末) | 2026年7〜9月期(9月末) |
|---|---|---|---|
| da Vinciの手術件数(約) | 2,683,000 | 3,153,000 | 906,000(前年同期797,000) |
| da Vinciの設置台数(累計・約) | 9,902 | 11,106 | 12,094 |
| da Vinciの新規設置台数(期間中) | 1,526 | 1,721 | 546 |
| うちda Vinci 5の設置台数(期間中) | 362 | 870 | 315 |
| Ionの設置台数(累計・約) | 805 | 995 | 1,152 |
| Ionの手術・生検件数(約) | 95,500 | 144,100 | 49,700(前年同期37,900) |
手術件数・設置台数は、会社が設置されたシステムのログなどから集計・推計した数字で、Form 10-Kは「推計と判断を含み、不確実性がある」と明記しています。件数の増加が売上の増加と一致するとは限りません 事実。経常収益の割合は、Form 10-Kの表のとおりです。
| 従業員(2025年12月31日) | 人数 |
|---|---|
| 全体(29か国) | 17,021 |
| 研究開発 | 2,288 |
| 製造 | 7,625 |
| 営業・サービス | 4,837 |
| 管理部門 | 2,271 |
5. ドローン・ロボティクスにかけているリソース
4つの観点(人・金・外部との関係・研究機関との連携)を、Form 10-K/10-Qと公的データベースで確認できたか/できなかったかで整理します。「記載なし」も確認の結果です。
| 観点 | 確認できた内容 | 区分 |
|---|---|---|
| 人 | 従業員17,021人。2025年に約1,383人増。研究開発2,288人、製造7,625人。拠点は29か国 | 事実 |
| 金 | 研究開発費13億1,180万US$(2025年12月期)。有形固定資産の購入は5億3,980万US$(前年は11億1,120万US$)。設備投資の内訳(拠点別・製品別)はForm 10-Kからは確認できなかった | 事実/確認できず |
| 工場 | システムは米国のサニーベール(カリフォルニア州)とピーチツリーコーナーズ(ジョージア州)、および中国の合弁会社の工場で製造。器具・アクセサリーはサニーベールとメキシコのメヒカリ。Ion関連は米国バージニア州、内視鏡関連はブルガリアとドイツ | 事実 |
| 外部への出資・買収・合弁 | 中国の合弁会社(Fosun Pharmaとの合弁。Intuitiveが過半数)。2026年3月1日にイタリア・スペイン・ポルトガル・マルタ・サンマリノなどのda VinciとIonの販売会社を約5億3,310万US$の現金で買収。ベンチャー投資ファンド「Intuitive Ventures」(2本)が初期の企業に投資(金額はForm 10-Kから確認できなかった) | 事実/確認できず |
| 企業との共同開発 | Hillrom(現Baxter International)と、手術台の動きとロボットを連動させる「Integrated Table Motion」を共同開発 | 事実 |
| 大学・研究機関・公的機関 | 日本では、診療報酬(手術の保険点数)の獲得のため、大学病院と外科系の学会が会社の支援を受けて申請する枠組みがある。大学との共同研究、NIH・DARPA等の公的研究資金は、今回確認したForm 10-K/10-Qには記載を確認できなかった | 事実/確認できず |
主要なロボット・製品の状況と、米国食品医薬品局(FDA)などの許可の範囲
性能の説明は会社の説明です。許可の範囲は、FDAの許可書(510(k))とForm 10-Kの「規制」の項で確認できた内容です。FDAの「クリアランス(510(k))」は、承認(PMA)とは別の手続きで、既に市販されている機器との実質的な同等性を確認するものです。確認日は2026年10月25日です。
| 名称(種別) | 会社の説明(仕様) | 許可の範囲(日付つき) | 段階 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| da Vinci 5(第5世代の手術支援システム) | 力の感覚を医師に伝える「フォースフィードバック」器具、新しい操作部、計算能力はda Vinci Xiの10,000倍超(会社の主張) | 米国FDA(2024年3月14日):泌尿器科・一般の腹腔鏡・婦人科の腹腔鏡・一般の胸腔鏡の手術で、成人に使用。心臓・小児の適応は除く。フォースフィードバックの針ドライバーは子宮摘出・子宮筋腫核出で禁忌。 米国FDA(データベース決定日2026年1月16日):胸腔鏡補助下の一部の心臓手術を追加(フォースフィードバックなしの器具で)。 EU(2025年7月):成人・小児の腹部骨盤・胸腔の手術(フォースフィードバックは除く)。日本(2025年6月):心臓以外の全診療科。韓国(2024年10月) | 提供(2025年に870台を設置) | 出典1・4・5 |
| da Vinci SP(単孔式システム) | 1つの穴から3本の器具と内視鏡を出す。単一の腕 | 米国FDA:2023年4月に前立腺手術の一部、2024年7月に胸腔鏡手術、2024年12月に大腸の手術、2025年5月に経肛門の局所切除、2025年12月に胆嚢摘出・鼠径ヘルニア・虫垂切除・乳頭温存乳房切除の一部。EU(2024年1月)、台湾(2024年8月) | 提供 | 出典1 |
| da Vinci X/Xi(第4世代) | da Vinci 5より前の世代。現在も多くの病院で使われる | 各国で複数の適応を取得(詳細はForm 10-Kの「規制」の項)。FDAのデータベースに、2025年4月1日・2025年6月11日の決定(da Vinci X/Xiの許可の更新)が登録されている | 提供 | 出典1・8 |
| Ion(気管支鏡ロボット) | 細いカテーテルで肺の末梢にある病変から組織を採る。形状を測るセンサーで経路を示す(会社の説明) | 米国FDA(2019年):最初の使用目的は肺の最小侵襲の生検。2025年10月にAIを加えたソフトウェアの更新、2024年4月に1本のカテーテルの使用回数を5回から8回に拡大。EU(2025年2月)で同様の拡大。中国NMPA(2024年3月) | 提供(2025年に195台設置) | 出典1・8 |
| Intuitive Endoluminal GI System(IG1000) | 食道・胃・十二指腸の内視鏡を、ロボットで操作する新しいシステム | 米国FDA(510(k) K253702、データベース決定日2026年8月7日):上部消化管(食道・胃・十二指腸)の観察・診断・内視鏡治療の際の、ロボット内視鏡の操作。比較対象は富士フイルムの内視鏡 | 許可を取得。発売時期・導入台数は確認できなかった | 出典6 |
各機種の価格、国ごとの診療報酬、臨床試験の結果、導入病院名、IG1000の発売時期は、今回確認した資料に記載がありませんでした 未確定/将来。国内(日本)での各機種の許可の範囲は、Form 10-Kの記載の範囲にとどめ、日本の医療機器の承認番号などは確認していません。
6. これまでの取り組み
| 時期 | できごと | 意味 |
|---|---|---|
| 1999年 | 最初のda Vinciを発売 | 会社の記載 |
| 2000年 | FDAが一般の腹腔鏡手術での使用を許可 | 最初の米国での許可。その後、泌尿器・婦人科・胸部・頭頸部などへ拡大 |
| 2019年 | FDAがIonを許可(最初の使用目的は肺の生検) | 手術から診断へ範囲を広げた |
| 2023年6〜8月 | 中国のNMPAが現地版のda Vinci Xiを承認。合弁会社が製造許可を取得 | 中国での製造・販売体制 |
| 2024年3月14日 | FDAがda Vinci 5を許可(510(k) K232610) | 第5世代の最初の米国での許可 |
| 2025年 | da Vinci 5を欧州・日本で許可。年間のda Vinci 5設置は870台 | 米国外でも導入が始まる |
| 2026年1月 | FDAがda Vinci 5の胸腔鏡補助下の一部の心臓手術での使用を許可 | 適応が心臓の領域に拡大 |
| 2026年3月1日 | 南欧の販売会社を買収(約5億3,310万US$) | 直接販売の範囲が拡大 |
| 2026年8月7日 | FDAが上部消化管向けのIG1000を許可(データベース決定日) | ロボット内視鏡の領域へ |
| 2026年10月 | 反トラスト集団訴訟について、4億5,000万US$の一時金と差止めなどで和解することに合意(裁判所の承認待ち。会社の責任は認めていない) | 訴訟の経過。裁判所の手続は未了 |
7. 今後の計画
会社は2026年10月20日の決算発表で、2026年の見通しを示しています。見通しは会社の予想で、達成の事実ではありません 未確定/将来。
da Vinci 5の海外での展開の台数目標、IG1000の販売計画、新製品の投入時期、中期の売上目標は、今回確認した資料に記載がありませんでした 未確定/将来。会社の「展望」の記述(より低侵襲な医療の実現など)は理念で、数値目標ではありません。
8. この会社はドローン・ロボティクスで何を目指しているか
ここには会社が直接は述べていない部分が含まれます。一次資料から読み取れる範囲の推測を、根拠とともに書きます。
| 読み取れること | 根拠となる一次資料 | 区分 |
|---|---|---|
| 売上の中心は本体の販売ではなく、使われ続けることから生まれる収益 | Form 10-K:経常収益(器具・消耗品、サービス、運用リース)が売上の84%。運用リースは固定払いまたは使用量に応じた払いの契約 | 事実 |
| 手術の範囲(適応)を1つずつ広げることが成長の軸 | Form 10-K/FDAの許可書:da Vinci SPは2023年から複数の手術を段階的に追加。da Vinci 5は心臓へ。FDAのデータベースには同社の決定が198件並ぶ | 推測 |
| 手術の外側(診断・内視鏡)へロボットの範囲を広げている | Ion(肺の生検、2019年)、IG1000(上部消化管、2026年)の許可 | 推測 |
| 販売・サービスを自社で持つ方向 | 2026年3月の南欧の販売会社の買収。中国は合弁。米国外の多くは販売代理店を使うと記載 | 推測 |
| 部品・材料の調達と関税が経営上の重要課題 | 2025年は関税などで売上原価が約6,300万US$増。中国のレアアース(磁石を含む)の輸出規制を、部品調達のリスクとして記載 | 事実 |
da Vinci SPの許可の履歴を並べると、2023年4月(前立腺の一部)、2024年7月(胸腔鏡)、2024年12月(大腸)、2025年5月(経肛門)、2025年12月(胆嚢・ヘルニア・虫垂・乳房の一部)と、約半年おきに手術の種類が増えていることが分かります(Form 10-K)事実。ここから、同社は新しい機械を出すだけでなく、同じシステムで扱える手術の範囲をFDAに申請して広げていくことを成長の手段にしていると読めます 推測。ただし、どの手術が増えるかは臨床上の必要性や医師の需要にも左右されるため、個々の追加が売上にどれだけ寄与するかは確認できませんでした 未確定/将来。
9. ドローン・ロボティクス分野の提携マッピング
日本の大学病院・学会との関係は、診療報酬を得るための手続きに関するForm 10-Kの記載で、共同研究の契約ではありません 事実。また、Form 10-Kは「米国外の多くの国では販売代理店を通じて販売する」と書いており、個々の代理店の名前や契約条件は記載がありません 未確定/将来。
10. 提供している技術・製品・サービス
da Vinciシステムは、操作席(サージョンコンソール)、患者側カート(器具を持つ腕)、ビジョンシステム(立体の高精細な映像)、手術用の器具で構成されます(Form 10-K)。医師は座って操作し、手の動きが器具の小さな動きに変換されます 事実。
| 区分 | 内容(会社の説明) | 用語の説明 |
|---|---|---|
| da Vinci(多孔式:X/Xi/5) | 複数の小さな穴から器具と内視鏡を入れる。約70種類の器具。多くは決まった回数まで再利用でき、器具の中のメモリチップが使用回数を記録 | 腹腔鏡手術:お腹に小さな穴をあけ、器具を入れて行う手術 |
| da Vinci SP(単孔式) | 1つの穴から3本の器具と内視鏡を出す。単一の腕が全てを支える | 単孔:穴を1つにする方式 |
| Ion(気管支鏡) | 極細のカテーテルで肺の末梢の病変にたどり着き、生検(組織の採取)を行う。形状を測るセンサーで位置を知る | 生検:診断のために組織を少し採る検査 |
| Intuitive Endoluminal GI(IG1000) | 食道・胃・十二指腸を観察し、内視鏡で処置するロボット内視鏡 | エンドルミナル:管の内側(消化管など)を通って行う処置 |
| デジタル・学習 | My Intuitiveアプリ、SimNow(VRシミュレータ)、Case Insights、Intuitive Hub(エッジ計算機) | 手術のデータを使った学習・振り返りの道具(会社の説明) |
Form 10-Kは、中国が2025年に発表したレアアースを含む製品の輸出規制について、「レアアース元素は当社製品の一部の部品に重要で、中国が主要な生産国である」「磁石を含むレアアースの輸出制限は、当社製品の多くの部品へのアクセスを制約し得る」と書いています 事実。ロボットの関節を動かすモータには強い磁石が使われるのが一般的ですが(一般論)、どの部品にどの材料を使っているかはForm 10-Kに記載がありません 未確定/将来。本シリーズの技術解説「永久磁石とレアアース」とあわせて読むと、背景が分かります。
もう1つは器具の寿命です。多くの器具は「決まった回数まで」再利用でき、洗浄・滅菌を繰り返します。Ionのカテーテル器具は、FDAが2024年4月に使用回数を5回から8回に増やすことを許可しました(EUは2025年2月)事実。繰り返しの洗浄と曲げに耐えるには、金属・樹脂・ワイヤの疲労(くり返しの力で壊れやすくなること)や、洗浄剤への耐性が関わります(一般論)。会社は使用回数を増やした根拠となる試験を公表していません 未確定/将来。なお、「force feedback instruments」(K253986)の許可は、設計と洗浄方法の変更が理由で、使用目的は変わっていないとFDAの文書にあります。
11. この企業が抱えるリスク
| リスク | 内容 | 区分 |
|---|---|---|
| 競争 | Form 10-Kは、Johnson & Johnson、Medtronic、Medicaroid、中国・韓国・米国の複数の企業など多数の競合を挙げ、競争が激しいと記載 | 事実 |
| 診療報酬・病院の予算 | 病院が診療報酬を受けられなければ、導入が進まない可能性 | 事実 |
| 製品の不具合・リコール | FDAのリコールデータベースには同社の記録が277件あり、2026年4月にもda Vinci 5のタワー部品などの記録が登録されている。件数は製品・型番単位の記録で、重大性や原因の比較はできないため、本稿は評価しない | 事実 |
| 関税・貿易措置 | 2025年に関税などで売上原価が約6,300万US$増加。2026年はさらに増える見込み。主な製造はメキシコ(器具)・ドイツ(内視鏡)、中国から一部の材料を輸入 | 事実 |
| レアアース・部品調達 | 中国の輸出規制が部品調達と製品の輸出許可に影響する可能性。単一・唯一の供給元の部品がある | 事実 |
| 反トラスト訴訟 | 器具の修理・交換に関する集団訴訟で、2026年10月に4億5,000万US$の一時金などで和解合意。裁判所の予備承認・最終承認が必要で、会社は責任を認めていない | 事実 |
| 規制の遅れ | FDAや欧州で許可までの期間が長くなっていると会社が記載 | 事実 |
| AI・サイバー | AIを製品に組み込むことに法規制上のリスクがあり、情報システムの障害・攻撃のリスクも記載 | 事実 |
| 新製品の収益化 | IG1000などの新しい製品の販売・導入は確認できていない | 未確定/将来 |
12. 用語集
- 手術支援ロボット
- 医師の操作を、器具の細かい動きに変えて行う手術のための機械。ロボットが自分で手術を決めるものではない。
- da Vinci(ダヴィンチ)
- Intuitive Surgicalの手術支援ロボットの製品名。
- 低侵襲(MIS)
- 体の傷を小さくする手術。患者の体への負担を減らすことを目指す。
- 腹腔鏡手術
- お腹に小さな穴をあけ、器具とカメラを入れて行う手術。
- 生検
- 診断のために、組織を少し採る検査。
- 510(k)(クリアランス)
- 米国FDAの手続き。既に市販されている機器と実質的に同等であることを確認する。承認(PMA)とは別。
- 適応(使用目的)
- その機器を使ってよいと許可された手術や用途の範囲。
- 禁忌
- その機器を使ってはいけないと定められた条件。
- フォースフィードバック
- 器具にかかる力を、医師が感じ取れるように伝える機能。
- 経常収益
- 会社の用語。器具・消耗品、サービス、運用リースの合計。
- 運用リース
- システムを貸し出し、固定額または使用量に応じて支払ってもらう契約。
- 設置台数(インストールドベース)
- 病院に設置され、使われているシステムの累計。
- Form 10-K/10-Q
- 米国の上場会社が提出する年次報告書/四半期報告書。
- openFDA
- 米国FDAが公開しているデータベース用のAPI。
- 持分法・合弁
- 他社と出資し合って作る会社。
13. 出典
- Intuitive Surgical Form 10-K(2025年12月31日終了の会計年度。米国SEC提出、2026年2月3日)。事業内容・製品・規制上の許認可の一覧・業績・手術件数・設置台数・従業員・製造拠点・リスク要因。 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1035267/000103526726000010/isrg-20251231.htm
- Intuitive Surgical Form 10-Q(2026年9月30日終了の四半期。米国SEC提出、2026年10月21日)。2026年7〜9月期の業績、手術件数、設置台数、販売会社の買収、反トラスト集団訴訟の和解合意。 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1035267/000103526726000071/isrg-20260930.htm
- Intuitive Surgical 2026年第3四半期の決算発表(Form 8-K 添付資料99.1。2026年10月20日)。2026年の見通し(会社の予想)。 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1035267/000103526726000067/q326ex-991earningsrelease.htm
- 米国FDA 510(k) K232610:da Vinci Surgical System Model IS5000(da Vinci 5)。FDAの許可書と使用目的(2024年3月14日)。 https://www.accessdata.fda.gov/cdrh_docs/pdf23/K232610.pdf
- 米国FDA 510(k) K251739:da Vinci Surgical System (IS5000)。心臓手術の一部を使用目的に加えた許可。FDAデータベース上の決定日は2026年1月16日。 https://www.accessdata.fda.gov/cdrh_docs/pdf25/K251739.pdf
- 米国FDA 510(k) K253702:Intuitive Endoluminal Gastrointestinal System (IG1000)。上部消化管向けの新しいシステム。FDAデータベース上の決定日は2026年8月7日。 https://www.accessdata.fda.gov/cdrh_docs/pdf25/K253702.pdf
- 米国FDA 510(k) K253986:da Vinci Force Feedback Instruments。FDAデータベース上の決定日は2026年3月11日。 https://www.accessdata.fda.gov/cdrh_docs/pdf25/K253986.pdf
- 米国FDA(openFDA) 510(k)データベースの公開API(申請者 Intuitive Surgical。決定日の新しい順。確認日 2026年10月25日)。許可番号・決定日・機器名の一覧。 https://api.fda.gov/device/510k.json?search=applicant:%22Intuitive+Surgical%22&limit=100&sort=decision_date:desc
- 米国FDA(openFDA) 医療機器リコールデータベースの公開API(リコール実施者 Intuitive Surgical。新しい順。確認日 2026年10月25日)。 https://api.fda.gov/device/recall.json?search=recalling_firm:%22Intuitive+Surgical%22&limit=8&sort=event_date_initiated:desc
- 米国SEC EDGAR XBRL company facts API(CIK 0001035267)。売上高・営業利益・研究開発費の年次の数値の確認。 https://data.sec.gov/api/xbrl/companyfacts/CIK0001035267.json
- Intuitive Surgical 公式サイトのロゴ画像(isi-logo-black.svg。ロゴ画像の取得元。公式サイトは自動取得を拒むため、ブラウザで取得して確認。確認日 2026年10月25日)。 https://www.intuitive.com/assets/images/svg/isi-logo-black.svg
14. 主張と出典の対応表
最終更新:2026年10月25日/Troy Technical
本稿の数値はすべてIntuitive Surgicalが米国SECに提出した書類と、米国FDAの公開文書・データベースに基づきます。調査会社の市場推計・報道ベースの数値は使用していません。性能や効果の説明は会社の主張で、独立した検証ではありません。「推測」と記した箇所は、一次資料から本稿が読み取った解釈であり、会社の公表内容ではありません。本稿は医療・投資・購入の助言ではありません。
