COMPANY PROFILE / ドローン・ロボティクス
ファナック
― 工場の産業用ロボットで売上の4割強を占め、「オープンな物理AI」へ舵を切る
工場で溶接・搬送・組立をする腕型のロボットは、FANUCの主力商品の1つです。2026年3月期の有価証券報告書によると、ロボット部門の連結売上高は3,786億円で、連結売上高の44.1%でした。会社は2025年12月に、ロボットをROS 2やPythonでAIとつなげられるようにするオープン化と、NVIDIAとの協力を発表しています。本稿は、会社全体の事業ではなくロボットに関わる部分に絞り、何を売り、どこまで数字が開示され、物理AIへの取り組みのうち何が会社の説明で何が未確定かを、有価証券報告書と公式資料の範囲で整理します。製品・提携の状況は変化が速いため、確認日(2026年10月25日)を明記しています。
- 30秒でわかるFANUCと、ドローン・ロボティクスでの立ち位置
- ロゴと社名の表記について
- ドローン・ロボティクスの世界で、この会社はどこにいるか
- 会社の規模(ロボット事業に絞って)
- ドローン・ロボティクスにかけているリソース
- これまでの取り組み
- 今後の計画
- この会社はドローン・ロボティクスで何を目指しているか
- ドローン・ロボティクス分野の提携マッピング
- 提供している技術・製品・サービス
- この企業が抱えるリスク
- 用語集/出典/主張と出典の対応表
1. 30秒でわかるファナックと、ドローン・ロボティクスでの立ち位置
南都留郡忍野村研究開発と工場を本社地区に集中
プライム市場有価証券報告書の記載
R-2000/E ほか公式発表(2025年12月ほか)
NVIDIA・Google会社の取り組み。成果の売上への寄与は非公表
FANUCは、工場で溶接・搬送・組立などをする腕型の産業用ロボットの会社です(人型ロボットの会社ではありません)。有価証券報告書によると、会社全体は「CNC(工作機械の制御装置)・サーボ」を土台に、ロボットと小型の工作機械「ロボマシン」へ広げた構成で、事業は単一セグメントです 事実。ロボット部門だけの売上(2026年3月期 3,786億円、連結売上高の44.1%)は開示されていますが、ロボット部門の利益・人員・研究開発費・投資額は開示されていません。
もう1つの注目点は、ロボットに「AIの頭脳」をつなぐためのオープン化です。ROS 2(ロボット開発用の共通ソフトの土台)に対応したドライバを公開し、Pythonをロボット制御装置の中で動かせるようにしたと、会社は説明しています 事実。本稿では「何を売っているか/どこまで開示されているか/物理AIへの取り組みは何が会社の説明で、何が未確定か」を軸に読みます。
2. ロゴと社名の表記について

表記の注意:法人名は「ファナック株式会社」、英文名は FANUC CORPORATIONです(有価証券報告書の英訳名)。ロボットの販売・保守は、米国の FANUC America Corporation、欧州の FANUC Europe Corporation など、本体が出資する連結子会社が担っています。一方、中国の SHANGHAI-FANUC Robotics CO., LTD. は、50%出資の持分法適用関連会社(連結子会社ではない別法人)です。本稿ではこの区別を保って書きます。
公式サイトのロゴ画像:https://www.fanuc.co.jp/en/image/logo-ci.svg3. ドローン・ロボティクスの世界で、この会社はどこにいるか
この分野の会社は、何を作って誰に売るかで4つに分けると分かりやすくなります。FANUCは「産業・専門ロボット」、つまり工場で毎日働く腕型ロボットを主力にしています。
4. 会社の規模(ロボット事業に絞って)
FANUCは会社全体としてはFA(CNC・サーボ・レーザ)、ロボット、ロボマシン、サービスを手がけますが、本稿ではロボットに絞ります。会社全体の規模は次のとおりです 事実。
| 指標(単位:百万円) | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|
| 連結売上高 | 795,274 | 797,129 | 857,831 |
| ロボット部門の連結売上高 | 380,944 | 329,566 | 378,610 |
| ロボット部門の構成比 | 47.9% | 41.3% | 44.1% |
| 研究開発費(会社全体) | 49,813 | 46,666 | 44,959 |
| 設備投資総額(会社全体) | 52,464 | 40,136 | 21,990 |
| 従業員(2026年3月31日現在) | 人数 | 備考 |
|---|---|---|
| 連結会社 | 10,040 | 臨時従業員は別に1,682人(年間平均) |
| 提出会社(ファナック株式会社) | 4,842 | 臨時従業員は別に1,160人。平均年齢40.0歳 |
| ロボット部門の従業員 | 非公表 | 「事業の部門別に区分することは困難」と有価証券報告書に記載 |
上の研究開発費と設備投資額は会社全体の数字で、ロボット事業だけの金額ではありません。会社は単一セグメントのため、ロボット部門の利益・研究開発費・設備投資・人員は開示されていません 未確定/将来。本稿はそれらを推計しません。また、ロボット部門の売上は「ファナックのロボット販売」であり、「世界のロボット市場におけるシェア」ではありません(会社のサステナビリティページには会社推計のシェアの記載がありますが、推計の根拠を確認できないため採用しません)。
5. ドローン・ロボティクスにかけているリソース
4つの観点(人・金・外部との関係・研究機関との連携)を、有価証券報告書と公式資料で確認できたか/できなかったかで整理します。「記載なし」も確認の結果です。
| 観点 | 確認できた内容 | 区分 |
|---|---|---|
| 人 | 連結従業員10,040人(全社)。研究開発組織に「ロボット機構」「ロボットソフト」「ロボットアプリケーション技術」の研究開発本部がある。ロボット専任の人数は非公表 | 事実/非公表 |
| 金 | 研究開発費449億59百万円・設備投資219億90百万円(いずれも全社、2026年3月期)。当期の所要資金は全て自己資金で、外部調達はなし。ロボット分の金額は非公表 | 事実/非公表 |
| 工場 | ロボット専用の工場として、本社地区に新ロボット工場(2011年)、筑波地区に新ロボット工場(2018年)を建設(有価証券報告書の沿革)。生産能力は記載なし | 事実 |
| 外部への出資・合弁 | 中国の合弁会社 SHANGHAI-FANUC Robotics(議決権50%、持分法適用関連会社)。2026年3月期は同社向けの売上が連結売上高の10.4%(896億39百万円)。過去には米国GMとの合弁(1982年設立、1992年に完全子会社化)。新たなロボット関連の出資・買収は有価証券報告書に記載なし | 事実/確認できず |
| 特許・技術の相互供与 | ドイツのシーメンス社と、CNCシステム・CNC自動プログラミング装置・ロボットの特許実施権を相互に供与。契約期間は1983年4月19日から2026年12月31日まで(満了後の扱いは記載なし) | 事実 |
| 大学・研究機関 | 山梨大学の研究チームが、FANUCのオープンプラットフォームを使ってブドウの摘粒の自動化を研究(農業分野の公的な委託研究事業の枠内)。FANUC公式ページの事例紹介であり、FANUCの資金・人員の関与は記載なし。NEDO・経済産業省などとの連携は今回の資料では確認できなかった | 事実/確認できず |
主要なロボット・製品の状況(会社の公式資料で確認できた範囲)
性能値はすべてFANUCの公称値で、比較対象は多くの場合「前の機種」です。他社の機体との比較や優劣はつけません。確認日は2026年10月25日です。
| 名称(種別) | 主な仕様(メーカー公称・条件) | 実績・承認の状況 | 段階と日付 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| CRX-3iA(協働ロボット) | 可搬質量3kg、リーチ692mm、機構部の重量11kg。磁石のベースで設置でき、設置角度を自動検出(公式の説明) | 導入実績の台数は確認できなかった。承認・認証の記載は確認できなかった | 2025年12月発表。量産開始は2026年1月と予告(開始の確認はできなかった) | 出典10 |
| CRXシリーズ全体 | 6機種(CRX-3iA〜CRX-30iA)。可搬質量3〜30kg、リーチ692〜1,756mm | 2019年12月に発表(会社の説明)。シリーズ全体の出荷台数は確認できなかった | 提供中(公式の製品一覧) | 出典10・15 |
| R-2000/Eシリーズ(大型産業用ロボット) | 8機種。従来のR-2000比で動作速度最大20%向上、可搬質量・リーチ最大10%向上、消費電力15%削減(いずれも会社の比較)。バッテリーレスのエンコーダ | 旧R-2000シリーズは累計35万台以上の出荷(会社の公称)。新型の出荷台数は確認できなかった | 2025年12月発表。量産開始は2026年3月と予告(開始の確認はできなかった) | 出典1・11 |
| M-810(機械加工ロボット) | 有価証券報告書の記載:M-810/190-20Bは可搬質量190kg、リーチ2m。公式ページ:IP67相当の保護、M-800比で加工荷重3.4倍(会社の比較) | 公式ページで「出荷開始 2025年6月(M-810/270-27B)」と記載。台数は確認できなかった | 提供(2025年6月出荷開始) | 出典1・12 |
| SR-9iA/R(棚置き型SCARAロボット) | 可搬質量9kg、リーチ620mm。条件付きの往復動作0.7秒(荷重2.5kg、水平500mm、垂直100mm)。会社は「世界最高の処理能力」と主張(独立した検証は確認できなかった) | 太陽光パネルのセル搬送が主な想定用途。導入台数は確認できなかった | 提供(2025年4月出荷開始) | 出典13 |
| ROS 2ドライバ・Python対応・ストリームモーション | 可搬質量3kg〜2,300kgのロボットをROS 2から制御できる。位置指令を1ミリ秒周期で実行 | 利用実績・利用者数は確認できなかった。ドライバのソースはGitHubで公開 | 提供(2025年12月に公式発表) | 出典5・6・17 |
| ROBOGUIDE連携(NVIDIA Isaac Sim) | 会社のロボットシミュレータとNVIDIAのシミュレーション基盤を連携。FANUCのロボットが「OpenUSD SimReadyアセット」として利用可能 | 導入実績は確認できなかった | 提供(公式ページに2026年1月20日のお知らせ) | 出典4・9 |
導入先・台数・稼働時間、安全規格や防爆などの認証の範囲、各機種の価格は、今回確認した公式資料に記載がありませんでした 未確定/将来。なお、公式サイトは「防爆規格に適合した世界初の協働ロボット」を持つと述べていますが、適合する規格名・範囲はそのページでは確認できなかったため、本稿では詳細を書きません(会社の主張)。
6. これまでの取り組み
| 時期 | できごと | 意味 |
|---|---|---|
| 1974年 | ロボットを開発し、自社工場に設置 | 会社の沿革の記載 |
| 1977年 | ロボットの商業生産・出荷を開始(ROBOT-MODEL 1)。米国に現地法人を設立 | 工作機械の制御装置の会社としてのロボット事業の出発点 |
| 1982年 | 米国ゼネラルモーターズとの合弁でGMFanuc Roboticsを設立 | 米国での自動車工場向けの展開。1992年に完全子会社化し FANUC Robotics に改称 |
| 1997年 | 中国に合弁会社 SHANGHAI-FANUC Robotics を設立 | 現在は持分法適用関連会社(50%) |
| 2002年 | ロボットセルで連続720時間の無人運転を実用化(会社の説明) | 長時間の無人運転の実績 |
| 2015年 | 協働ロボットCR-35iAを開発。ロボット累計出荷40万台。Preferred Networksとの提携を発表 | AI分野との提携の始まり(提携の詳細は今回確認できなかった) |
| 2017年 | ロボット累計出荷50万台 | 会社の公称値 |
| 2018年 | 筑波地区に新ロボット工場を建設 | 有価証券報告書の沿革 |
| 2019年12月 | 協働ロボットCRXシリーズを発表 | 軽く、手で動かして教えられるシリーズ(会社の説明) |
| 2023年 | ロボット累計出荷100万台 | 会社の公称値 |
| 2025年12月 | ROS 2ドライバの公開、Python対応、NVIDIAとの協力を発表。R-2000/E・CRX-3iAを発表 | 物理AIに向けた「オープン化」の発表 |
| 2026年1月20日 | ROBOGUIDEとNVIDIA Isaac Simの連携が利用可能になった旨のお知らせ | 公式ページの掲載 |
| 2026年6月 | 2026年3月期の有価証券報告書。ロボット部門売上は前期比14.9%増 | 国内の自動車向けは低迷、中国のEV関連・一般産業向けが好調(会社の説明) |
7. 今後の計画
有価証券報告書には、ロボットの売上目標・台数目標・投資額の計画は書かれていません。書かれているのは方針です 事実。
サービスを一体で提供「one FANUC」。有価証券報告書の記載
全商品群にAIを適用生成AIの商品への応用も検討(会社の記載)
部品調達先の複数化自然災害・調達リスクへの対応方針
次はいずれも今回の資料に記載がありませんでした 未確定/将来。ロボットの売上・出荷台数の目標/増産投資の額と時期/物理AI関連の売上や導入台数/CRX-3iA・R-2000/Eの量産開始の確認。物理AIは、公式ページの事例(音声で指示するロボット、人を避けるロボット、模倣学習でシャツをたたむロボットなど)が会社の発表した実証・展示の段階で、実用の規模は確認できません。
8. この会社はドローン・ロボティクスで何を目指しているか
ここには会社が直接は述べていない部分が含まれます。一次資料から読み取れる範囲の推測を、根拠とともに書きます。
| 読み取れること | 根拠となる一次資料 | 区分 |
|---|---|---|
| ロボット単体ではなくFA全体(制御装置・サーボ・ロボット・保守)の一体供給が強みと考えている | 有価証券報告書:「one FANUC」、すべての商品にCNC・サーボモータを使う単一セグメント、保守サービスを続けるという方針 | 推測 |
| 物理AIでは、自社で巨大なAIモデルを作るのではなく、外部のAI企業と組み、ロボットを「開く」方針 | ROS 2・Python・ストリームモーションの公開、NVIDIA・Googleとの取り組みの公式ページ。自社のAI基盤モデルの記載は確認できなかった | 推測 |
| ロボットの稼働を止めない(予防保全)ことを、AIの活用より前に置いている | 有価証券報告書:「壊れない」「壊れる前に知らせる」「壊れてもすぐ直せる」商品を開発。公式のZDT機能 | 事実 |
| 2026年3月期の増収は中国の需要に支えられた | 有価証券報告書:中国ではEV関連向け・一般産業向けが好調で売上が大きく増加。中国の関連会社向け売上は10.4% | 事実 |
| 人型ロボットは主力ではない | 今回確認した有価証券報告書・公式ロボットページに、人型ロボットの開発・販売の記載は確認できなかった(ないことの証明ではない) | 確認できず |
ROS 2とPythonに対応した狙いは、ロボットを使う開発者の裾野を広げることだと読めます 推測。公式ページは「多くの企業・スタートアップ・大学・研究機関がROSとPythonで物理AIを探究している」と書き、そこに自社ロボットを接続できるようにしたと説明しています 事実。一方で、有価証券報告書は「AI技術に関する取り組みにより、競合他社との差別化を図る」と書いており、オープン化は差別化の手段の1つと位置づけられていると考えられます。ただし、これが売上にどう結びつくかは、いずれの資料でも確認できませんでした 未確定/将来。
9. ドローン・ロボティクス分野の提携マッピング
NVIDIAとGoogleについては、公式ページに「協力」「取り組み」「試験プログラムへの参加」などの説明がありますが、契約の形態・金額・期間は記載がありません 未確定/将来。また、公式サイトのGoogleのページには、GoogleのAIエージェント「Gemini Enterprise」を使ったシステム、Googleのロボット開発ソフトFlowstate(Intrinsic)への対応、Google DeepMindの「Gemini Robotics Trusted Tester」プログラムへの参加が書かれていますが、日付は明記されていません。
10. 提供している技術・製品・サービス
FANUCは、可搬質量(持てる重さ)が500グラムの小型から2.3トンの大型まで、用途別の産業用ロボットを揃えています(公式の説明)。
| 区分 | 内容(会社の説明) | 用語の説明 |
|---|---|---|
| 産業用ロボット | 溶接、機械加工、搬送(マテリアルハンドリング)、組立、塗装向け。自動車、電子部品、物流、食品、医薬品、化粧品、農業など | 腕のような機構で、決められた作業を繰り返す機械 |
| 協働ロボット(CRX) | 人のそばで働く。人に触れると自動で止まる。手で動かして教えるダイレクトティーチ、タブレットで操作 | 安全柵なしで使える場合がある(使う場所の安全評価は別途必要) |
| 塗装ロボット | 防爆規格に適合した機種を提供(会社の説明。規格名・範囲はこのページでは確認できなかった) | 可燃性の溶剤がある場所でも使える設計 |
| ソフトウェア・保守 | ROBOGUIDE(シミュレータ)、ZDT(故障予測・保守通知)、CRXプラグイン | 実機を動かす前に画面で動作を確かめる/故障の兆候を知らせる |
| 外部製品との連携 | J.Schmalz GmbHの柔らかいグリッパー mGrip(空気圧で開閉するゴム製の指)を、CRX専用の画面から操作 | ロボットの「手」にあたる部品 |
公式発表のR-2000/Eは、バッテリーレスのエンコーダ(関節の角度を測る部品)を採用し、「電池交換・グリース交換・ケーブル交換が不要」と説明しています(会社の公称、条件・年数は記載なし) 事実。関節の油脂と配線は、ロボットの保守で最も手間がかかる消耗部分です。これを減らすには、摩耗しにくい材料と、動き続けても切れにくい配線材料が必要になります(一般論)。具体的な材料は公式資料に書かれていません 未確定/将来。
もう1つは、柔らかいゴムの指を持つ mGrip です。公式ページは、食品に触れる用途の規則(米国FDA 21 CFR、EU規則 EC 1935/2004、日本の食品衛生法)に適合していると記載しています(J.Schmalz社の製品。適合の根拠となる試験は確認できなかった)。CRX-3iAは機構部の重さが11kgで、磁石のベースで固定できます。軽さと磁石の吸着を両立する構造は、本シリーズの技術解説「ロボット・ドローンの構造材料」「永久磁石とレアアース」とあわせて読むと分かりやすくなります。どの減速機・モーターを使っているかは、今回の資料では確認できませんでした(本シリーズの「減速機とギア」「関節アクチュエータ」を参照)。
11. この企業が抱えるリスク
| リスク | 内容 | 区分 |
|---|---|---|
| 景気変動の影響 | 有価証券報告書は、商品は生産財で景気変動の影響を受けやすいと記載 | 事実 |
| 自動車向けの低迷 | 2026年3月期は、国内で自動車産業向けが復調せず売上が減少したと記載 | 事実 |
| 関税・保護主義・安全保障貿易管理 | 各国の政策・法規制(関税、アンチダンピング課税、輸出管理)の変更が販売に影響する可能性。海外売上が連結売上高の大きな部分を占める | 事実 |
| 新興国企業等の競争力向上 | 新興国企業等の技術力・競争力の急速な向上を、競争力低下のリスクとして記載 | 事実 |
| 部品調達 | 部品等の調達に不足や遅れが生じた場合に生産が遅延する可能性 | 事実 |
| 拠点の集中 | 研究開発・工場を本社地区に集中。大地震などが起きると被害が甚大になる可能性があるとし、壬生・筑波など生産拠点の複数化を進めている | 事実 |
| 中国関連会社への売上集中 | SHANGHAI-FANUC Robotics向けの売上が連結売上高の10.4% | 事実 |
| オープン化に伴うセキュリティ | 有価証券報告書はサイバーセキュリティのリスクと製品の事故対応体制(PSIRT)を記載。外部のAIや計算機とつなぐ範囲が広がるほど重要になる可能性 | 推測 |
| 物理AIの収益化 | 事例・展示の段階で、売上・導入台数は非公表 | 未確定/将来 |
| シーメンスとの契約期間 | 特許の相互実施契約の期間が2026年12月31日までで、満了後の扱いは記載なし | 未確定/将来 |
12. 用語集
- 産業用ロボット
- 工場で溶接・搬送・組立などを自動で行う腕型のロボット。
- 協働ロボット
- 人のそばで働けるよう、人に触れると止まるなどの安全機能をもつロボット。
- 可搬質量(ペイロード)
- ロボットの手先が持てる最大の重さ。
- リーチ
- ロボットの腕が届く距離。
- SCARAロボット
- 水平方向に素早く動く腕型ロボット。小さな部品の搬送や組立に使う。
- CNC
- 工作機械を数値で制御する装置。FANUCの事業の土台。
- サーボモータ
- 位置や速度を正確に制御できるモータ。ロボットの関節を動かす。
- エンコーダ
- モータの回転角を測る部品。
- ROS 2
- ロボット開発で広く使われるオープンソースのソフト基盤。
- 物理AI
- AIが画面の中だけでなく、現実の物を見て動かす技術。
- デジタルツイン
- 現実の機械を仮想空間に再現し、動作を事前に確かめる技術。
- ストリームモーション
- PCから送る位置指令を1ミリ秒周期でロボットに実行させる機能。
- IP67
- 粉じんが入らず、一時的な水没にも耐える防水・防じんの等級。
- 持分法適用関連会社
- 出資比率が50%以下などで、連結せず利益を持分に応じて取り込む会社。
- 有価証券報告書
- 日本の上場会社が国に提出する年次報告書。
13. 出典
- ファナック 有価証券報告書 第57期(2025年4月1日〜2026年3月31日)。関東財務局提出(提出日2026年6月22日)。会社概要・沿革・事業内容・関係会社・部門別売上・研究開発・設備投資・従業員・リスク・重要な契約。 https://www.fanuc.co.jp/ja/ir/securitiesreport/pdf/securitiesreport57_202603.pdf
- ファナック 有価証券報告書 第56期(2024年4月1日〜2025年3月31日)。ロボット部門売上、研究開発費、設備投資額。 https://www.fanuc.co.jp/ja/ir/securitiesreport/pdf/securitiesreport56_202503.pdf
- ファナック 有価証券報告書 第55期(2023年4月1日〜2024年3月31日)。ロボット部門売上、研究開発費、設備投資額。 https://www.fanuc.co.jp/ja/ir/securitiesreport/pdf/securitiesreport55_202403.pdf
- ファナック ROBOT(製品ページ、英語。確認日 2026年10月25日)。ロボットの製品範囲(可搬質量500gから2.3トン)、新製品・お知らせの一覧。 https://www.fanuc.co.jp/en/product/robot/index.html
- ファナック ROBOT New Technology: Open Platforms & Physical AI(2025年12月)。ROS 2ドライバ、Python対応、NVIDIAとの協力。 https://www.fanuc.co.jp/en/product/new_product/2025/202512_robot_physicalai.html
- ファナック FANUC Open Platform(英語。確認日 2026年10月25日)。3つの柱(ROS 2、Python、ストリームモーション)と事例。 https://www.fanuc.co.jp/en/product/robot/academia/index.html
- ファナック Initiatives with NVIDIA(FANUC Open Platform内。確認日 2026年10月25日)。 https://www.fanuc.co.jp/en/product/robot/academia/fanuc-nvidia.html
- ファナック Initiatives with Google(FANUC Open Platform内。確認日 2026年10月25日)。 https://www.fanuc.co.jp/en/product/robot/academia/fanuc-google.html
- ファナック ROBOGUIDE and NVIDIA Omniverse(機能紹介ページ。確認日 2026年10月25日)。 https://www.fanuc.co.jp/en/product/robot/function/roboguide_omniverse.html
- ファナック ROBOT New product: CRX-3iA(2025年12月)。仕様、量産開始予定。 https://www.fanuc.co.jp/en/product/new_product/2025/202512_robot_crx.html
- ファナック ROBOT New product: R-2000/E Series(2025年12月)。仕様、量産開始予定。 https://www.fanuc.co.jp/en/product/new_product/2025/202512_robot_r2000.html
- ファナック ROBOT New product: Machining Robot M-810(2025年8月)。 https://www.fanuc.co.jp/en/product/new_product/2025/202508_robot_m810.html
- ファナック ROBOT New product: SR-9iA/R(2025年8月)。 https://www.fanuc.co.jp/en/product/new_product/2025/202508_robot_sr9iar.html
- ファナック FANUC’s History(公式の沿革、英語。確認日 2026年10月25日)。ロボットの出荷開始、累計台数、提携。 https://www.fanuc.co.jp/en/profile/history/index.html
- ファナック ROBOT Business(サステナビリティ内の事業紹介、英語。確認日 2026年10月25日)。ロボットの用途と業界、CRXシリーズ。 https://www.fanuc.co.jp/en/sustainability/sdgs/robotbusiness.html
- ファナック Automating Grape Berry Thinning(FANUC Open Platform の事例紹介。山梨大学の研究。確認日 2026年10月25日)。 https://www.fanuc.co.jp/en/product/robot/academia/case_study/automation-of-grape-berry-thinning.html
- ファナック FANUC公式のROS 2ドライバ(GitHub。リポジトリの存在を確認、確認日 2026年10月25日)。 https://github.com/FANUC-CORPORATION/fanuc_driver
- ファナック Soft Gripper mGrip(J.Schmalz GmbH製。機能紹介ページ。確認日 2026年10月25日)。 https://www.fanuc.co.jp/en/product/robot/function/mgrip.html
- ファナック FANUC公式サイトのロゴ画像(ロゴ画像の取得元。確認日 2026年10月25日)。 https://www.fanuc.co.jp/en/image/logo-ci.svg
14. 主張と出典の対応表
最終更新:2026年10月25日/Troy Technical
本稿の数値はすべてファナック株式会社の有価証券報告書と、同社の公式サイトの記載に基づきます。調査会社の市場推計・報道ベースの数値は使用していません。性能値は会社の公称値で、独立した検証ではありません。「推測」と記した箇所は、一次資料から本稿が読み取った解釈であり、会社の公表内容ではありません。本稿は投資・購入の助言ではありません。
