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ロボットの安全規格の読み方 技術解説

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ロボットの安全規格の読み方
― 「規格に適合」と「安全」は同じではない。国際標準化機構(ISO) 10218・13482・3691-4・25785-1・13849-1 の地図

ロボットのカタログや発表には、「ISO ○○に適合」という言葉がよく出てきます。しかし、規格の番号はロボットの種類ごとに違い、発行済みのものと、まだ策定中のものがあります。そして、規格に合っていることは、どこでも誰にとっても危険がないことを意味しません。 この記事は、ロボットの知識がなくても読めるように、①「安全」とは何か、②規格の地図、③産業用ロボットの規格(2025年の改訂)、④ほかの種類のロボットの規格、⑤制御系の安全、⑥規格と法の関係、⑦「適合」と「安全」の違いの読み方、の順に、図と小さな計算で説明します。 規格の本文は有料のため、題名・適用範囲・状態(発行済みか、策定中か)にとどめ、要求事項は書きません。

構成:ISOの公式ページ、A3(北米のロボット・自動化団体)の記事、厚生労働省のリーフレット、EU-OSHA、IFA(ドイツ)の資料を使用/計算は本稿/確認日 2026年10月25日

工場のロボットセルの安全装置のイメージ。 柵、床の区画、非常停止、レーザースキャナーなど、リスクを下げる保護方策の例を並べた場面です。実在の製品・施設ではありません。
図1 ImageGen生成の概念画像。工場のロボットセルの安全装置のイメージ。 柵、床の区画、非常停止、レーザースキャナーなど、リスクを下げる保護方策の例を並べた場面です。実在の製品・施設ではありません。 実在する製品・施設・実測結果ではありません。断面、色、矢印は理解のための表現で、寸法比は説明用です。
この記事の構成
  1. 3行でわかる/読む前に知っておくこと/シリーズの中での位置
  2. 「安全」とは何か:リスクはゼロにならない
  3. 規格の地図:基本から個別へ
  4. 産業用ロボットの規格:ISO 10218-1・-2:2025
  5. 止まるまでの距離と、ぶつかる力を数字で見る
  6. ほかの種類のロボットの規格:生活支援・搬送車・脚型
  7. 制御系の安全:ISO 13849-1と性能レベル
  8. 規格から法へ:日本・米国・EU
  9. 「適合」と「安全」の違いを読む7つの問い
  10. 限界と、確認できなかったこと/まとめ
  11. 評価・標準の読み方
  12. 用語集
  13. 参考資料(一次情報)
  14. 主張と出典の対応表(監査)
本記事の表記ルール

事実=公式資料(規格団体・当局・団体の公表)に記載のある内容(出典リンクあり)
本稿の計算=明示した前提をもとに本記事が算出した値
未確定/将来=策定中の規格、改訂予定、計画など、確定していない事項
このほか、構造の整理や材料の視点での読み取りは「解説」として区別しています。推測は太字で示します。たとえ話には、必ず「たとえの限界」を書きます。

この記事の読み方(必ずお読みください)

規格の本文は有料で、本稿は読んでいません。書いたのは、ISOなどの公式ページで確認できた番号・題名・適用範囲・状態と、団体・当局の公表資料の内容です。要求事項(数値の限度、試験の手順、合否の基準)は、推測で書いていません。 規格の状態は変わります(この分野は変化が速い)。各項目に確認日(2026年10月25日)を付けています。 この記事は一般的な解説です。特定のロボットや設備の安全を保証したり、設計・導入・運用の助言をしたり、法令順守を判断したりするものではありません。実際の設計や導入は、規格の本文、法令、専門家(安全の有資格者・認証機関)にあたってください。

1. 3行でわかる/読む前に知っておくこと/シリーズの中での位置

  • 規格は「安全の作り方と確かめ方の約束事」で、「安全の保証書」ではありません。リスク(けがの重さ×起きやすさ)はゼロにならず、規格に適合していても、使い方や環境が想定と違えば危険は残ります。ドイツの労働安全研究所(IFA)も、協働ロボットでは「残留リスクが残る」と書いています事実[参考資料17]。
  • ロボットの種類ごとに規格が違い、状態もそれぞれ違います。産業用ロボットは ISO 10218-1・-2:2025(2025年に改訂。協働の内容を定めたISO/TS 15066が取り込まれた)事実[参考資料1・13]、生活支援・サービスロボットは ISO 13482:2014(改訂版は最終段階)、無人搬送車は ISO 3691-4:2023、脚型など自己バランス式のロボットの ISO 25785-1 はまだ委員会原案(策定中)です未確定/将来[参考資料5・6・7・8]。
  • 「適合」は、「どの規格の何年版の、どの範囲に、誰が、どの条件で」まで読んで初めて意味を持ちます。規格そのものは法律ではなく、法や契約が引用して初めて「守るべきもの」になります(国と地域で道筋が違う)。第9章に、7つの問いとしてまとめます。
この記事を読む前に知っておくこと

ロボットや安全の知識は要りません。ロボットは「感じる(センサー)・考える(制御と知能)・動く(アクチュエータ)」の3つの組合せで、アクチュエータはロボットの筋肉(モーター+減速機)です(本シリーズ『ドローン・ロボティクス概論』編の共通の見方)。この記事の主役は、そのうち「動く」ことで人にけがをさせないための約束事です。ISO(国際標準化機構)は国際規格を作る団体、JIS は日本の規格です。

シリーズの中での位置

この記事は、「ロボットが人のそばで働くために、何を守る約束事があるのか」を整理する入口です。個々のロボットは、本シリーズ『産業用ロボットと協働ロボット』編、『ヒューマノイドロボット』編、『脚型ロボットと点検ロボット』編、『倉庫・物流ロボット』編で扱い、そこで出る「規格に適合」という言葉の読み方を、この記事にまとめます。ドローンの規則は『ドローンの規制と空域管理』編で別に扱います。

2. 「安全」とは何か:リスクはゼロにならない

自動車を思い浮かべてください。シートベルト、ブレーキ、エアバッグがあっても、事故が「ゼロ」になるわけではありません。それでも私たちは、「許せる程度まで危険を下げ、残りは使い方で気をつける」と考えて車に乗ります。ロボットの安全も同じ考え方です。

(1) 危険源とリスク

ロボットには、人にけがをさせうる「もと」があります。たとえば、速く動くアーム、強い力、とがった工具の先、はさまれる隙間です。この「もと」を危険源と呼びます。 そしてリスクは、「その危険源でけがをしたとき、どれだけ重いか」と「どれだけ起きやすいか」の組合せです(本記事による解説。ISO 12100 のページは、危険源の特定、リスクの見積りと評価、除去または十分なリスク低減の手順を扱う規格であると説明しています)事実[参考資料10]。

(2) リスクを下げる3つの段階

ISO 10218-1 のページは、この規格が「本質安全設計、リスク低減策、使用上の情報」を扱うと説明しています。ISO 13482 の適用範囲にも、同じ3つが並びます事実[参考資料1・5]。図2に整理しました。

リスクを「ゼロ」にはできない:3つの段階で下げ、残りを管理する ① リスクの考え方 けがの重さ × 起きやすさ = リスク(これを見積もる) 人が近づく回数・時間、 避けられるかも「起きやすさ」に効く ② リスクを下げる3つの段階(一般に、上の段階を先に検討) 1 本質安全設計 危険のもとを小さく・なくす(例:軽くする、遅くする、角を丸める) 2 保護方策 危険から人を守る装置(例:柵、レーザースキャナー、非常停止) 3 使用上の情報 取扱説明、警告表示、教育(それでも残るリスクを使う側へ伝える) 残留リスク:3段階の後にも残るリスク ゼロにはならない。使う側が管理し続ける
図2 概念図(ベクター作図)。リスクを下げる3つの段階。左はリスクの考え方、右は低減の3段階です。3つの項目名はISO 10218-1とISO 13482のページに出ます事実[参考資料1・5]。「上の段階を先に」という優先順位と例は、本記事による解説です。
つまずきやすいところ:「危険源」と「リスク」

尖った包丁は危険源ですが、引き出しにしまってあればリスクは小さい。同じ包丁でも、子どもの手が届く所に置けばリスクは大きくなります。ロボットも同じで、「危険源がある」ことと「リスクが大きい」ことは別です。だから規格は、危険源をなくす・小さくすることを先に考えます(一般にこの順で優先して検討される、という考え方は ISO 12100 のものですが、本稿はその本文を確認していません)。たとえの限界:包丁は静止しているが、ロボットは動いて位置が変わる。

よくある誤解:「規格に適合している=安全」

不正確です。ISO 13849-1(制御系の規格)のページ自身が、この規格は「どの安全機能が必要か、必要な性能レベルはどれか、を決めない」と書いています事実[参考資料9]。何を守るかは、その用途のリスクアセスメントで決まります。ドイツの IFA は、協働ロボットでは保護柵をなくす場所で別の技術的な保護方策が要り、「残留リスクが残る」と書いています[参考資料17]。A3 の記事も、規格は指針であり、事業者は規格に含まれる範囲を超えて、ほかの安全規制も守る必要がある、と説明しています[参考資料13]。

3. 規格の地図:基本から個別へ

ロボットの規格は、「基本(どの機械にも共通)」から「個別(ロボットの種類ごと)」へ、積み木のように組み合わさっています。ISO 12100 のページは、この規格が、より個別の規格(ISO 用語でタイプBやタイプC)を作るための基礎として使われることを意図している、と書いています事実[参考資料10]。ISO 13849-1 のページも、ある機械に特有の要求は「タイプC規格」で考慮できる、と書きます[参考資料9]。ロボットの規格づくりは、ISO/TC 299(2015年設置。玩具と軍事用途を除くロボット分野)が担当し、産業用の安全はWG3、サービスロボットの安全はWG2が受け持ちます事実[参考資料12]。

規格の地図:基本から個別へ(状態は2026年10月25日確認) 発行済み 策定中・承認段階 基本(どの機械にも共通) ISO 12100:2010 機械類の安全性―リスクアセスメントとリスク低減 次の版が開発中と表示(現行版は発行済み) 共通の部品(制御系・用語) ISO 13849-1:2023 制御系の安全関連部 (性能レベルPLなどで評価) ISO 8373:2021 ロボットの用語 次の版(DIS)が開発中と表示 個別(ロボットの種類ごと) 産業用ロボット ISO 10218-1 ISO 10218-2 (2025) 協働の接触 ISO/TS 15066 (2016) →ISO/AWI 15066-1 生活支援・サービス ISO 13482 (2014) →ISO/FDIS 13482 無人搬送車・AMR ISO 3691-4 (2023) 次版DIS開発中 脚型・自己バランス ISO/CD 25785-1 (委員会原案) 矢印(→)は、ISOのページが「置き換える予定」と表示している開発中の文書。 日本ではJIS B 8433(2015年。ISO 10218の2011年版に対応)などに規格化されている。
図3 概念図(ベクター作図)。規格の地図。状態の色分けと表示は、2026年10月25日にISOのページで確認した内容です事実[参考資料10・9・11・1・3・4・5・6・7・8]。基本・共通・個別の並べ方は本記事による整理です。
規格題名(ISOのページ)何を対象にするか(適用範囲の要点)状態(2026年10月25日確認)
ISO 10218-1:2025Robotics — Safety requirements — Part 1: Industrial robots産業用ロボット本体。「部分的に完成した機械」として扱い、本質安全設計・リスク低減策・使用上の情報を定める。2025年より前に製造されたロボットには適用しない事実[参考資料1]発行済み(第3版、2025年2月)。2011年版を置き換え
ISO 10218-2:2025Robotics — Safety requirements — Part 2: Industrial robot applications and robot cells産業用ロボットの「応用」とロボットセルの統合・試運転・運用・保守・廃棄事実[参考資料2]発行済み(第2版、2025年)
ISO/TS 15066:2016Robots and robotic devices — Collaborative robots産業用の協働ロボットシステムと作業環境の安全。ISO 10218-1・-2を補う技術仕様書(TS)事実[参考資料3]発行済み。段階90.92「改訂予定」。後継としてISO/AWI 15066-1が登録段階(20.00)未確定/将来[参考資料4]
ISO 13482:2014Robots and robotic devices — Safety requirements for personal care robots移動型の生活支援、身体支援、人を運ぶ、の3種類。時速20 kmを超えるもの、玩具、水上・飛行ロボット、産業用、医療機器、軍事用は対象外事実[参考資料5]発行済み(2014年2月)。置き換え予定のISO/FDIS 13482(題名はサービスロボット)は段階50.20[参考資料6]
ISO 3691-4:2023Industrial trucks — Safety requirements and verification — Part 4: Driverless industrial trucks and their systems無人の産業用車両。自動搬送車(AGV)や自律移動ロボット(AMR)などを例に挙げる。レール誘導のみのものと遠隔操縦のものは対象外事実[参考資料7]発行済み(第2版、2023年6月)。次の版(ISO/DIS)が開発中と表示
ISO/CD 25785-1Robotics — Safety requirements for dynamically stable industrial mobile robots (legged, wheeled, or other forms of locomotion) — Part 1: Robots能動的な制御がないと倒れうる(電源が切れると不安定になる)産業用の移動ロボット。四足・二足・車輪の倒立型など。第2部(応用)は別に策定予定事実[参考資料8]策定中。委員会原案、段階30.60「コメント期間の終了」未確定/将来
ISO 13849-1:2023Safety of machinery — Safety-related parts of control systems — Part 1: General principles for design機械の安全機能を担う制御系の設計の方法と要求。どの安全機能が必要かは決めない事実[参考資料9]発行済み(第4版、2023年4月)
ISO 12100:2010Safety of machinery — General principles for design — Risk assessment and risk reduction機械の安全の基本用語・原則・リスクアセスメントとリスク低減の方法事実[参考資料10]発行済み。次の版が開発中と表示
ISO 8373:2021Robotics — Vocabularyロボット分野の用語の定義事実[参考資料11]発行済み(第3版、2021年11月)。次の版(ISO/DIS)が開発中と表示

表の「適用範囲の要点」は、ISOのページに載る要旨の抜粋と要約です。本文は有料のため確認していません。

つまずきやすいところ:AWI・CD・DIS・FDISとは

国際規格は、いきなり完成せず、段階を踏みます。ISOのページは、新しい案件の登録(段階20.00)、委員会原案のコメント期間の終了(30.60)、最終案の投票開始(50.20)、発行済みで見直し時期(90.92「改訂予定」)といった段階を表示します。一般に、AWI(新規作業項目の承認)→ CD(委員会原案)→ DIS(国際規格案)→ FDIS(最終国際規格案)→ 発行、という順です(本記事による解説)。つまり、CD や AWI の規格は、内容が変わりうる「予定」です。「ISO ○○に準拠した設計」と書かれていても、それが発行済みの規格か、原案かを確かめてください。

4. 産業用ロボットの規格:国際標準化機構(ISO) 10218-1・-2:2025

工場で部品を運び、溶接し、組み立てる「産業用ロボット」の安全の中心になる規格が、ISO 10218 です。2025年に、約8年かけて、20か国を超える専門家が改訂しました(A3の記事)事実[参考資料13]。

(1) 2つの部:「ロボット」と「ロボットの使い方」

第1部はロボット本体の規格で、ロボットを「部分的に完成した機械」として扱います。第2部は、ロボットに工具(エンドエフェクター)や部品、周辺機器、作業プログラムを加えた「ロボットアプリケーション」とロボットセルの規格です。A3 の説明では、第1部はロボットメーカー、第2部はインテグレーター(システムを組み立てる会社)向けです事実[参考資料13・1・2]。ロボット本体が規格に合っていても、そこに尖った工具を付ければ、危険は変わります。だから「応用」の規格が別にあるのです。

ISO 10218:誰が何に責任を持つか(上)と、版の移り変わり(下) ロボットメーカー ISO 10218-1:2025 ロボット本体(部分的に 完成した機械) インテグレーター ISO 10218-2:2025 工具・ワーク・周辺機器を 含む「応用」とセル 使う側(事業者) 運用・保守・教育 各国の法令・ リスクアセスメント 版の移り変わり(ISOのページとA3の記事で確認) 2006 2011 2016 2025 第1部 初版 (A3の記事) 第1部 第2版 第2部 初版 ISO/TS 15066 協働ロボット 第1部 第3版 第2部 第2版 2025年版は、ISO/TS 15066の内容(協働の応用の要求)が取り込まれ、機能安全の要求が明示された(A3)。 「協働ロボット」という語は使わず「協働の応用」とする。ただしISO/TS 15066は2016年版が現行で、後継の開発も続く。
図4 概念図(ベクター作図)。ISO 10218の2つの部と版の移り変わり。上は、第1部(ロボット本体)と第2部(応用・セル)の役割で、A3の説明とISOのページによります事実[参考資料13・1・2]。下の年表は、ISOのページが示す版の数(第1部は第3版、第2部は第2版)、A3の記事が書く2006年の初版、ISO/TS 15066の2016年の発行によります[参考資料14・3]。矢印は、ISO/TS 15066の内容が2025年版に取り込まれたこと(A3)を表します。

(2) 2025年の主な変更(A3の説明)

  • 機能安全の要求が「暗黙」から「明示」へ。機能安全とは、安全機能(止める、監視する)が確かに働くこと(第7章)事実[参考資料13]。
  • ISO/TS 15066 の内容を取り込んだ。第1部では「適切な場合に」追加、第2部では協働の応用の安全要求が取り込まれ、サイバーセキュリティの要求も加わった事実[参考資料13]。
  • 用語の変更。「協働ロボット」「協働作業」の語は使わず、「協働の応用(collaborative application)」を使う。理由は、安全に設計し確認できるのは、ロボット単体ではなく、実際の使い方(応用)だけだから。「安全定格監視停止」は「監視つき停止(monitored standstill)」に改名された事実[参考資料13・14]。
  • 分量。A3 の記事は、第1部が50ページから95ページに、第2部が72ページから223ページに増えたと書いています(第1部の95ページはISOのページと一致)事実[参考資料14・1]。短い要約では書ききれない量です。
よくある誤解:「協働ロボットだから、柵がなくても安全」

A3 の記事で、米国の R15.06 起草小委員会の委員長は、「協働ロボット」という語が「出力と力の制限」を使うロボットの意味になってしまったが、実際には「協働ロボットというものはなく、協働の技術を使うロボットがある」と述べています。認められた協働の技術は、ハンドガイディング、速度と離隔の監視、出力と力の制限です[参考資料14]。安全にする対象は、ロボットと工具と作業を含む「応用」全体です(図5)。

人とロボットが近くで働くための4つの考え方(概念図) 監視つき停止 停止 人が入ると、ロボットは 止まって待つ ハンドガイディング 手で 人が手でロボットを 導いて動かす 速度と離隔の監視 遠い:通常 近い:停止 減速 近づくほど遅くし、 近すぎれば止める 出力と力の制限 力の限度 触れても、力が 限度を超えないようにする 「協働ロボット」という機種があるのではなく、ロボットと工具・作業を含む「協働の応用」全体を安全にする(A3の記事)。 限度の数値は規格本文(有料)にあり、本稿は書かない。
図5 概念図(ベクター作図)。協働の応用で使われる4つの考え方。名称は、A3の記事に出る「監視つき停止」と、規格作りの専門家が挙げた3つの協働の技術(ハンドガイディング、速度と離隔の監視、出力と力の制限)です事実[参考資料13・14]。ロボットや人の絵は説明用で、実際の機器の形や限度の値を示しません。

(3) 国際標準化機構(ISO)/TS 15066 は、いま、どういう状態か

ISOのページでは、ISO/TS 15066:2016 は発行済みで、2022年に見直して継続された文書です。一方で段階90.92「改訂予定」で、後継としてISO/AWI 15066-1「Robotics — Physical contact with robots — Part 1: Biomechanical thresholds and data」(人体への接触に関する生体力学的な限度とデータ)が登録段階(20.00)にあります事実未確定/将来[参考資料3・4]。 日本では JIS TS B 0033:2017 が ISO/TS 15066:2016 に対応します(日本ロボット工業会の一覧、2024年11月30日現在)事実[参考資料19]。

つまずきやすいところ:「取り込んだ」のに「改訂予定」?

A3 は、2025年版の ISO 10218 が ISO/TS 15066 の内容(協働の応用の要求)を取り込んだと説明しています。一方、ISOのページでは TS 15066:2016 自体は現行のままで、「接触の限度とデータ」を扱う後継の文書が別に動いています。取り込まれた部分と、TS 15066 に残る(または新しい文書へ移る)部分の線引きは、規格本文が有料のため確認できませんでした。したがって「TS 15066 はもう不要」とも、「そのまま使える」とも言えません。使うときは、どの版を、どの国の規格や契約が参照しているかを確かめてください(解説)。

5. 止まるまでの距離と、ぶつかる力を数字で見る

規格の言葉は難しく見えますが、考え方は身近な数字で確かめられます。ここでは、規格の値ではなく、読み方の練習用の仮定の数字を使います。

(1) 止まるまでの時間が長いほど、遠くで見つける必要がある

人が近づいてロボットを止める場合を考えます。人が毎秒1.0 mで近づくと仮定し、検知してから完全に止まるまでの間、人が同じ速さで進むとすると、人が進む距離=速さ×時間です。停止まで0.2秒なら0.2 m、0.5秒なら0.5 m、1.0秒なら1.0 m、2.0秒なら2.0 mです本稿の計算。止まるのに2秒かかるロボットは、人が2 m手前に来たときに見つけないと、間に合いません。

止まるまでの時間が長いほど、離れた場所で検知する必要がある 仮定:人が毎秒1.0 mで近づき、検知から停止までの間は同じ速さで進む(距離=速さ×時間) 停止まで 0.2 秒 人が 0.2 m 進む 停止まで 0.5 秒 人が 0.5 m 進む 停止まで 1.0 秒 人が 1.0 m 進む 停止まで 2.0 秒 人が 2.0 m 進む 0 m 0.5 m 1 m 1.5 m 2 m 数値は読み方を示す仮定の例で、規格の値や実在のロボットの値ではない。実際の設計では、規格に従い、 ロボット自身の停止距離、検知の遅れ、人の速さの前提を、根拠を持って決める。
図6 本稿の計算を含む作図(ベクター作図)。停止にかかる時間と、人が進む距離。距離=速さ×時間の本稿の計算です本稿の計算。人の速さ(毎秒1.0 m)と停止時間(0.2・0.5・1.0・2.0秒)は仮定の例で、規格の値でも実在のロボットの値でもありません。

実際の設計では、ロボット自身の停止距離、センサーの検知の遅れ、人の歩く速さの前提を、規格に従って根拠をもって決めます。本稿は、その値を書きません。

(2) 動く部分が軽いほど、ぶつかる力は小さくなる

動いているものの運動エネルギーは、½×質量×速さの2乗です。質量10 kg の部分が毎秒1 m で動くと、½×10×1²=5 J。毎秒2 m なら½×10×2²=20 J(速さが2倍で4倍)。質量を5 kg に半分にすれば、毎秒1 m で2.5 J です本稿の計算。

動く部分の質量速さ運動エネルギー(½×質量×速さ²)
10 kg1 m/s5 J
10 kg2 m/s20 J(速さ2倍で4倍)
5 kg1 m/s2.5 J(質量半分で半分)

数字は仮定の例で、実在のロボットの値ではありません。本稿の計算

素材技術者の視点①:安全は「軽さ」と「当たり方」の材料設計でもある

厚生労働省のリーフレット(2013年12月)は、産業用ロボットのリスクアセスメントで特に注意する点として、マニピュレーター等の力と運動エネルギー、周辺構造物との間に人体が拘束される可能性、マニピュレーター等の形状(突起、鋭利な部分、関節のはさまれ)を挙げています。はさまれについては、周辺構造物との最接近距離を500 mm以上にするか、駆動力なしで人力で開放できることが、危険がないと判断できる一例とされています事実[参考資料18]。 上の計算のとおり、同じ速さなら、動く部分が軽いほど衝突のエネルギーは小さくなります。したがって、アームの材料を軽い金属やCFRP(炭素繊維強化プラスチック)にすること、表面を丸く・やわらかくすること、鋭利な部分に覆いや緩衝材を付けることは、性能のためだけでなく、安全のリスクを下げる設計にもつながります(解説)。 ただし、軽い材料は剛性や寿命とのトレードオフがあり、覆いやクッションが実際にどれだけ衝撃を和らげるかは、材料と形で変わり、規格の試験で確かめる必要がある(本稿は試験の条件を確認していません)。材料の特性は、本シリーズ『ロボット・ドローンの構造材料』編、『ソフトロボットと人工筋肉』編で扱います。

6. ほかの種類のロボットの規格:生活支援・搬送車・脚型

ISO 10218 は、工場の産業用ロボットのための規格です。ISOのページは、第1部・第2部とも、サービスロボット(公衆が近づける)、消費者向け製品、医療、水中、軍事、人を持ち上げる・運ぶ用途は対象外だと書いています。さらに、ロボットが無人搬送車や移動台車に取り付けられたときの「移動」の危険、爆発性の雰囲気での使用も対象外です事実[参考資料1・2]。つまり、ロボットが動き回る場合は、別の規格を見る必要があります。

(1) 生活支援・サービスロボット:国際標準化機構(ISO) 13482

ISO 13482:2014 は、移動型の生活支援ロボット、身体支援ロボット、人を運ぶロボットの3種類を対象にします。ISOのページには、衝突など衝撃の危険について、発行時点では、痛みやけがの限度のような国際的に認められた網羅的なデータがなかったという注意書きがあります事実[参考資料5]。規格が「何が分かっていないか」を書いている例です。この規格は2014年版が現行ですが、置き換え予定の ISO/FDIS 13482(題名は Robotics — Safety requirements for service robots)が最終段階(50.20)にあり、個人用と業務・商業用のサービスロボットを対象にすると説明されています未確定/将来[参考資料6]。日本では JIS B 8445:2016 が ISO 13482:2014 に対応します[参考資料19]。

(2) 無人搬送車・AMR:国際標準化機構(ISO) 3691-4

倉庫や工場で荷物を運ぶ無人の台車は、「産業用トラック」の規格の一つ、ISO 3691-4 の対象です。ISOのページは、対象の例として「自動搬送車」「自律移動ロボット」「牽引型の無人台車」などを挙げています。走行する場所の条件が安全に大きく効くため、場所の準備を附属書Aで定めているとも書かれています事実[参考資料7]。AMR の詳細は、本シリーズ『倉庫・物流ロボット』編で扱います。

(3) 脚型など「自己バランス」式:国際標準化機構(ISO) 25785-1(策定中)

四足歩行ロボットや二足歩行のヒューマノイドは、車輪で止まっている台車と違い、電源が切れたり制御が止まったりすると倒れる可能性があります。ISO/CD 25785-1 の適用範囲は、この「能動的に制御しないと不安定になる」産業用の移動ロボットを対象にし、四足・二足・倒立する車輪型を例に挙げます。対象は、公衆の立ち入りが排除または制限される産業環境に限り、家庭・消費者向け、医療、軍事、宇宙、水中などの非産業用は対象外(そちらは ISO 13482 などで考える、と注記)です。垂直面の移動、地下、爆発性の雰囲気、原子力環境も、危険の対象に含めていません事実[参考資料8]。 状態は、2026年10月25日のISOのページで「委員会原案、コメント期間の終了(30.60)」です未確定/将来。発行時期や最終的な要求事項は確認できませんでした。

つまずきやすいところ:ヒューマノイドや脚型ロボットは、どの規格に入るのか

現時点の公式ページから読み取れる範囲では、産業環境の二足・四足ロボットは ISO 25785-1(策定中)が受け持つ予定、非産業環境は ISO 13482 系、爆発性の雰囲気では、25785-1 も 10218 も対象外です。つまり、「ヒューマノイドの規格」が整っているとは言えず、規格が技術に追いついていない領域です(解説)。この領域の製品で「安全規格に適合」と書かれていたら、どの規格のどの版かを必ず確かめてください。ヒューマノイドについては、本シリーズ『ヒューマノイドロボット』編で扱います。

7. 制御系の安全:国際標準化機構(ISO) 13849-1と性能レベル

安全は、頑丈な柵だけで作るものではありません。「人が近づいたら検知し(入力)、判断し(論理)、止める(出力)」という安全機能で作ることが多く、その鎖のどこかが壊れれば、安全は失われます。この鎖(制御系の安全関連部)の設計を扱うのが ISO 13849-1:2023 です事実[参考資料9]。

安全機能の鎖と、性能レベル(PL)を決める材料 検知(入力) レーザースキャナー、 非常停止ボタン、ドアスイッチ 判断(論理) 安全コントローラー、 安全用のリレー・ソフト 停止(出力) モーターへの電力遮断、 ブレーキ ISO 13849-1が扱う範囲:この鎖(制御系の安全関連部)全体 性能レベル(PL)を決める材料(IFAの資料に出る名称) カテゴリー 構造(二重化や 点検の有無) MTTFd 部品が危険な向きに 壊れるまでの平均時間 DC 故障を見つける 割合(診断範囲) 性能レベルPL a〜e の5段階 (BGIAの報告書) PLは「この安全機能が、どれだけ確かに働くか」の目安で、ロボット全体の安全度ではない。 ISO 13849-1は、どの安全機能が必要か、どのPLが必要かは決めない(ISOのページ)。それは用途のリスクアセスメントで決める。
図7 概念図(ベクター作図)。安全機能の鎖と性能レベル。検知・判断・停止の3つの部分の例は本記事の解説です。カテゴリー、MTTFd、DCから性能レベルを求めるという枠組みはIFAの資料[参考資料15]、PLがa〜eの5段階という点はBGIAの報告書の紹介ページ[参考資料16]によります事実。ISO 13849-1が安全機能やPLを指定しないことはISOのページによります[参考資料9]。

ドイツの IFA の資料によれば、この規格は、制御系の構造を表すカテゴリー、部品の信頼性を表すMTTFd(危険な向きの故障までの平均時間)、故障を見つける割合のDC(診断範囲)などから、危険な故障が起きる頻度と性能レベル(PL)を求めます事実[参考資料15]。IFA/BGIA の報告書の紹介ページは、PL は a から e まで、カテゴリーは B から 4 までの例を載せると説明しています[参考資料16]。 PL は、その安全機能が、どれだけ確かに働くかの目安であり、ロボット全体の安全度ではありません。必要な PL は、リスクアセスメントで決めます(解説)。

つまずきやすいところ:「PL d の部品を使った」は何を意味するか

ある停止ボタンやセンサーが「PL d」と書かれていても、それはその部品が、PL d の安全機能の一部になれるという程度の意味です。安全機能は、検知・判断・停止の全体の組合せで性能が決まります。鎖の1か所が弱ければ、全体が弱くなります(解説。計算の方法は規格本文にあり、本稿は書きません)。鎖のたとえ:鎖は一番弱い輪で切れる。たとえの限界:二重化(冗長)で、1つが壊れても全体が働く設計もある。

素材技術者の視点②:安全機能の「寿命」は、材料の疲労・摩耗・劣化が決める

MTTFd は部品の信頼性を表す数字で、その大本には、材料の疲労、摩耗、劣化があります。たとえば、くり返し曲がるケーブルの被覆と導体の疲労、ブレーキの摩擦材の摩耗、センサーの窓やレンズの汚れと変色、シール材の硬化などです。安全機能が働くはずの部品が、使ううちに材料の劣化で性能を失えば、紙の上の PL は意味を失います(解説。推測:実際の故障の多くがどの材料に由来するかは、本稿の出典では確認できていません)。 また、ISO 10218 のページは、爆発性の雰囲気、衛生が要求される用途、極端な気候での使用を対象外と書いています事実[参考資料1]。食品・医薬・化学の現場では、材料(帯電しにくい樹脂、洗浄に耐える素材、使える潤滑剤など)の選定が安全の一部になるので、規格の適用範囲の外にある条件は、別の基準で確かめる必要があります。

8. 規格から法へ:日本・米国・EU

ISOの規格は、それだけでは法律ではありません。各国の法令や契約が引用して初めて、守るべきものになります。確認できた範囲で、3つの地域の道筋を図8に整理します。

規格から法へ:日本・米国・EUの例(確認できた範囲) 日本 安衛則 第150条の4: 定格出力80 W超の産業用ロボットは、 接触の危険があれば柵・囲い等 2013年の通達: ①リスクアセスメントで危険がないと 評価、または②ISO 10218(2011年版)に 従う設計・設置+技術ファイルと 適合宣言書、で協働作業が可能 JIS B 8433(2015年)が対応 米国 OSHAには、ロボット専用の 規則はない(A3の説明) 事業者は職場の危険から 労働者を守る義務 ISO 10218は指針として使われる ANSI/A3 R15.06-2025が 2025年9月10日に発表 (ISO 10218-1・-2:2025が基) カナダはCSA Z434として発行予定 EU 機械規則(EU) 2023/1230は 2027年1月20日から適用 機械指令2006/42/ECに代わる 必須の安全要件は法で決め、 技術の詳細は欧州整合規格が主に担う CEマーキングは、要件を満たす という表示 自律移動機械(ロボット)やAIも 射程に入れる、とEU-OSHAが説明 どの国でも、規格そのものは法律ではない。法や契約が引用して初めて「守るべき」になる(解説)。 日本の通達は2013年12月のリーフレットによる。現在の条文・通達の改正は確認できなかった。
図8 概念図(ベクター作図)。規格から法へ:日本・米国・EUの例。日本は厚生労働省のリーフレット(2013年12月)とJARAの一覧[参考資料18・19]、米国はA3の説明と発表[参考資料13・14]、EUはEU-OSHAの説明[参考資料20]によります事実。3地域の並べ方は本記事の整理です。

(1) 日本

労働安全衛生規則第150条の4は、定格出力が80 Wを超える産業用ロボットについて、接触して危険が生じるおそれがあるときは、さく又は囲いを設けるなどの措置を事業者に求めています。厚生労働省は2013年12月24日付の通達(基発1224第2号)で、協働作業の安全基準を明確にしました。①リスクアセスメントで、接触による危険のおそれがなくなったと評価できるとき、または、②ISO 10218-1:2011とISO 10218-2:2011に従って設計・製造・設置された産業用ロボット(技術ファイルと適合宣言書を作成しているもの)を、使用条件に基づいて適切に使うとき、協働作業が可能と説明されています事実[参考資料18]。 この通達と、2025年版の ISO 10218 との関係は、確認できませんでした。JIS は、B 8433-1・-2:2015(ISO 10218の2011年版に対応)が日本ロボット工業会の一覧(2024年11月30日現在)に載ります[参考資料19]。2025年版に対応するJISは、この一覧では確認できませんでした。

(2) 米国

A3 の説明では、OSHA にはロボット専用の規則はなく、事業者は職場の危険から労働者を守る義務を負い、ISO 10218 のような規格はその助けとなる指針です事実[参考資料13]。ANSI/A3 R15.06-2025 は、ISO 10218-1・-2:2025 をもとに、2025年9月10日(水曜日)に発表されました。カナダ規格協会は同じ2つの部を Z434 として発行する予定、と書かれています[参考資料14]。

(3) EU

機械規則(EU) 2023/1230 は、機械指令2006/42/ECに代わり、2027年1月20日から適用されます(認証機関の要求などは2024年1月20日から適用)。必須の安全・健康要件は法で決め、技術の詳細は主に欧州整合規格が担い、CEマーキングは製品が要件を満たすことを示します。EU-OSHA は、この規則が自律移動機械(ロボット)やAIを使う機械にも対応しようとしている、と説明しています事実[参考資料20]。未確定/将来2027年以降の運用で、どの規格が整合規格として引用されるかは、確認できませんでした。

9. 「適合」と「安全」の違いを読む7つの問い

「ISO ○○に適合」という言葉を見たら、次の7つを確かめます。これは本記事の整理(解説)で、規格の要求事項ではありません。

問いなぜ大事か(根拠)
1. どの規格の、何年版かISO 10218 は2011年版から2025年版に改訂され、2025年版は、発行日より前に製造されたロボットには適用されないとISOのページに書かれている[参考資料1]。日本の通達(2013年)は2011年版を前提にしている[参考資料18]。
2. 規格のどの範囲か(ロボット本体か、応用か)第1部はロボット本体、第2部は工具・ワーク・プログラムを含む応用とセル。ロボット単体が規格に合っても、使い方の安全は別[参考資料13]。
3. 誰が「適合」と言っているか日本の通達の書式でも、技術ファイルと適合宣言書は作る側(設計者・製造者・設置者)が作成する書類[参考資料18]。第三者の審査を伴うかは制度で違う(本稿は各制度の詳細を確認していない)。
4. 想定した用途・環境の中かISO 10218 は、公衆が近づける用途、爆発性の雰囲気、衛生が要求される用途などを対象外としている[参考資料1・2]。
5. 自分の現場のリスクアセスメントをしたかISO 13849-1 は、必要な安全機能や性能レベルを決めない[参考資料9]。日本の通達も、リスクアセスメントを基礎に置く[参考資料18]。
6. 改造や変更の後でも成り立つか第2部の「応用」には、工具、ワーク、作業プログラム、周辺機器が含まれる[参考資料13]。尖った工具に替える、速度を上げる、といった変更は、リスクを変えうる(解説)。
7. 残るリスクを、誰がどう管理するか規格に合っても残留リスクは残る[参考資料17]。使用上の情報(取扱説明、教育)を使う側が活かす必要がある(図2の3段階目)。
書類と現場を見比べる場面。 「適合」を書類だけで終わらせず、現場の状態と照らして確認するイメージです。実在の人物・施設ではありません。
図9 ImageGen生成の概念画像。書類と現場を見比べる場面。 「適合」を書類だけで終わらせず、現場の状態と照らして確認するイメージです。実在の人物・施設ではありません。 実在する製品・施設・実測結果ではありません。断面、色、矢印は理解のための表現で、寸法比は説明用です。

10. 限界と、確認できなかったこと/まとめ

(1) 規格の本文

ISO 10218-1・-2、ISO/TS 15066、ISO 13482、ISO 3691-4、ISO 25785-1、ISO 13849-1、ISO 12100、ISO 8373 の本文は有料のため、確認していません。本稿は、ISOのページで確認できた番号・題名・適用範囲の要旨・状態にとどめ、要求事項や数値の限度は書いていません。

(2) 国際標準化機構(ISO)/TS 15066 の取り込みの範囲

A3 の記事は「取り込んだ」と書きますが、どの数値や表が2025年版に移り、どこが新しい ISO/AWI 15066-1 に移るかは、確認できませんでした。

(3) 各国の最新の状況

日本の通達と労働安全衛生規則は、2013年12月のリーフレットで確認した内容です。その後の改正や、2025年版 ISO 10218 に対応する JIS は確認できませんでした。EU の整合規格の引用状況、カナダの Z434 の発行状況も確認できませんでした。

(4) ほかの規格・分野

IEC 61508(機能安全)、IEC 60204-1(機械の電気装置)、ISO 13855・13857(安全距離・安全隙間)、サイバーセキュリティの規格、医療ロボット(手術支援)、ドローンの規則は、本稿では扱っていません。ASTM 規格は、ASTM のサイトを開かない方針のため扱っていません。

この記事のまとめ
  • 安全は「リスクをゼロにする」のではなく、「許せる程度まで下げ、残りを管理する」ことです。規格は、その下げ方と確かめ方の約束事で、保証書ではありません事実
  • 産業用ロボットの中心は ISO 10218-1・-2:2025(2025年2月発行)。協働の内容(ISO/TS 15066)が取り込まれ、「協働ロボット」ではなく「協働の応用」で考えます事実
  • ロボットが動き回る領域は、規格が整備の途中です。ISO 13482 は改訂版が最終段階、脚型の ISO 25785-1 は委員会原案です事実/未確定/将来
  • 「適合」は、版・範囲・主体・条件・リスクアセスメント・変更・残留リスクの7点で読みます。規格は法律ではなく、国と地域で法とのつながり方が違います
  • 止まるまでの時間と動く部分の質量は、安全の数字を決める基本の量です(仮定の計算)本稿の計算

11. 評価・標準の読み方

ロボットの安全は、「速い・強い」という性能の数字では測れません。危険源を特定し、リスクを見積もり、リスクを下げる手段が確かに働くことを、設計の記録と試験で示します。ものさしは、①安全機能の信頼性(性能レベルなど)、②接触したときの力や圧力が限度内か(協働の場合)、③止まるまでの時間と距離、④使用条件と環境の範囲、⑤リスクアセスメントの記録、です。数字が測るのは「想定した条件での値」であり、想定外の使い方や環境は測っていません。以下は、確認できた範囲の対応表です(確認日 2026年10月25日)。

評価項目代表的な試験・ベンチマーク(名称・出典)標準・規則・指針読み方の注意
産業用ロボット本体の安全確認できなかった(試験方法は規格本文にあると考えられるが、本文は未確認)ISO 10218-1:2025(第3版、2025年2月)[参考資料1]事実2025年より前に製造されたロボットには適用されない。ロボット本体だけの規格
ロボットの応用・セルの安全確認できなかったISO 10218-2:2025(第2版)[参考資料2]事実工具・ワーク・プログラムを含む。移動台車に載せた場合の「移動」は範囲外
協働の接触(人体への力・圧力)確認できなかった(限度の数値は規格本文の内容であり、本稿は書かない)ISO/TS 15066:2016(改訂予定)[参考資料3]、後継ISO/AWI 15066-1(20.00)[参考資料4]。日本:JIS TS B 0033:2017[参考資料19]事実未確定/将来2025年版 ISO 10218 への取り込みの範囲は未確認。後継は登録段階
生活支援・サービスロボット確認できなかったISO 13482:2014[参考資料5]、置き換え予定のISO/FDIS 13482(50.20)[参考資料6]。日本:JIS B 8445:2016[参考資料19]事実未確定/将来衝撃の限度について、発行時点で網羅的な国際データがなかったと規格が注記
無人搬送車・AMR確認できなかったISO 3691-4:2023(第2版、2023年6月)[参考資料7]事実レール誘導のみ・遠隔操縦は対象外。走行場所の準備を附属書Aで定める
脚型・自己バランス式の産業用ロボット確認できなかったISO/CD 25785-1(30.60)[参考資料8]未確定/将来委員会原案で内容が変わりうる。非産業・爆発性雰囲気は範囲外
安全機能の信頼性(制御系)IFAの性能レベル算出ツール(PLC):カテゴリー・MTTFd・DCからPFHとPLを読む[参考資料15]事実ISO 13849-1:2023(第4版)[参考資料9]事実PLは安全機能の目安。必要なPLを決めるのはリスクアセスメント
リスクアセスメント確認できなかったISO 12100:2010[参考資料10]。日本:労働安全衛生規則第150条の4と2013年の通達[参考資料18]事実用途ごとに行う。規格適合の証明では代わりにならない
用語—ISO 8373:2021[参考資料11]。日本:JIS B 0134:2024(日本ロボット工業会の一覧)[参考資料19]事実用語は版で変わる(「協働ロボット」→「協働の応用」)
国・地域の法—日本:安衛則第150条の4[参考資料18]。米国:ANSI/A3 R15.06-2025[参考資料14]。EU:機械規則(EU) 2023/1230、2027年1月20日適用[参考資料20]事実規格そのものは法ではない。引用されて初めて拘束力を持つ

表の整理は本稿の計算(整理)。規格の番号・題名・版・段階は、ISOの公式ページで確認(確認日 2026年10月25日)。規格本文は有料のため、適用範囲の要旨にとどめています。

読み方の注意(素材技術者向け)

  • 実演・カタログと、規格・現場は別です:展示会の動画で人のそばで動いていても、それは「その条件でのリスク」を示しません。リスクアセスメントの記録と、使用条件の範囲を確認してください
  • メーカーの宣言と、第三者の検証は別です:適合宣言書は作る側が作る書類です(日本の通達の書式)。第三者の審査があるかは、制度と契約によります
  • 標準は、推奨か要求かが国で違います:ISOの規格は、それだけでは法的な拘束力がありません。引用する法令や契約を確認してください
  • 計画中の規格と発行済みの規格を区別してください:ISO 25785-1(委員会原案)やISO/AWI 15066-1(登録段階)は、内容が変わる前提です
  • 認証・適合の範囲を確認してください:「ロボットが適合」と「その応用が適合」は別の話です

12. 用語集

ISO/JIS
国際標準化機構/日本産業規格。規格を作る団体、または日本の規格。
ISO/TC 299
ISOのロボット分野の専門委員会。玩具と軍事を除く。
危険源
けがや害のもと(速く動くアーム、強い力、尖った先、はさまれる隙間など)。
リスク
害の重さと、起きやすさの組合せ(本記事の説明)。
リスクアセスメント
危険源を見つけ、リスクを見積もり、下げる手段を決める手順。
残留リスク
対策をしても、残るリスク。ゼロにはならない。
本質安全設計
危険のもと自体を小さく・なくす設計(軽く、遅く、丸く)。
保護方策
柵、レーザースキャナー、非常停止など、人を危険から守る装置。
部分的に完成した機械
単独では使えず、ほかの機械に組み込まれる前提のもの。第1部のロボット本体の位置づけ。
ロボットアプリケーション
ロボット、工具、ワーク、作業プログラム、周辺機器を含む、使い方全体。
インテグレーター
ロボットを使うシステムを組み立てて納める会社。
協働の応用
人とロボットが近くで作業する使い方全体(2025年版の用語)。
監視つき停止
人が作業域に入るとロボットを止めて待つ仕組み。旧称は「安全定格監視停止」。
ハンドガイディング
人が手でロボットを導いて動かすこと。
速度と離隔の監視(SSM)
人との距離に応じて速度を下げ、近すぎれば止めること。
出力と力の制限(PFL)
ロボットの出力や力を、接触しても限度内に抑えること。
技術仕様書(TS)
ISOの文書の一種。国際規格より前の段階や補足として発行される(ISO/TS 15066 など)。
AWI/CD/DIS/FDIS
規格の案の段階(新規項目、委員会原案、国際規格案、最終国際規格案)。本記事の説明。
AGV/AMR
自動搬送車/自律移動ロボット。無人で荷物を運ぶ台車。
自己バランス(能動的に制御された安定)
制御が止まると倒れうるロボット(脚型など)。
安全関連部(SRP/CS)
安全機能を担う制御系の部分。検知・判断・停止の鎖。
性能レベル(PL)
安全機能がどれだけ確かに働くかの段階(a〜e)。
MTTFd/DC
危険な故障までの平均時間/故障を見つける割合。
適合宣言書/技術ファイル
作る側が、規格への適合の根拠をまとめた書類。
CEマーキング
EUで、製品が要件を満たすことを示す表示。
整合規格
EUの法の要件を満たす方法として、欧州の規格団体が作る規格。
安衛則
労働安全衛生規則。日本の、職場の安全の基本のルール。

13. 参考資料(一次情報)

  1. ISO “ISO 10218-1:2025 Robotics — Safety requirements — Part 1: Industrial robots”(ISOのページ。第3版、2025年2月、95ページ、ISO/TC 299) — iso.org/standard/73933.html
  2. ISO “ISO 10218-2:2025 Robotics — Safety requirements — Part 2: Industrial robot applications and robot cells”(ISOのページ。第2版、2025年) — iso.org/standard/73934.html
  3. ISO “ISO/TS 15066:2016 Robots and robotic devices — Collaborative robots”(ISOのページ。2016年2月、33ページ。2022年に見直して継続、段階90.92「改訂予定」) — iso.org/standard/62996.html
  4. ISO “ISO/AWI 15066-1 Robotics — Physical contact with robots — Part 1: Biomechanical thresholds and data”(ISOのページ。段階20.00、ISO/TS 15066:2016を置き換える予定) — iso.org/standard/91522.html
  5. ISO “ISO 13482:2014 Robots and robotic devices — Safety requirements for personal care robots”(ISOのページ。2014年2月、79ページ。2020年に見直して継続、段階90.92「改訂予定」) — iso.org/standard/53820.html
  6. ISO “ISO/FDIS 13482 Robotics — Safety requirements for service robots”(ISOのページ。第2版、段階50.20、160ページ、ISO 13482:2014を置き換える予定) — iso.org/standard/83498.html
  7. ISO “ISO 3691-4:2023 Industrial trucks — Safety requirements and verification — Part 4: Driverless industrial trucks and their systems”(ISOのページ。第2版、2023年6月、74ページ、ISO/TC 110/SC 2。次の版としてISO/DISが開発中と表示) — iso.org/standard/83545.html
  8. ISO “ISO/CD 25785-1 Robotics — Safety requirements for dynamically stable industrial mobile robots (legged, wheeled, or other forms of locomotion) — Part 1: Robots”(ISOのページ。策定中、段階30.60「コメント期間の終了」。2026年10月25日に確認) — iso.org/standard/91469.html
  9. ISO “ISO 13849-1:2023 Safety of machinery — Safety-related parts of control systems — Part 1: General principles for design”(ISOのページ。第4版、2023年4月、152ページ、ISO/TC 199。2015年版を置き換え) — iso.org/standard/73481.html
  10. ISO “ISO 12100:2010 Safety of machinery — General principles for design — Risk assessment and risk reduction”(ISOのページ。2010年11月、77ページ、ISO/TC 199。次の版が開発中と表示) — iso.org/standard/51528.html
  11. ISO “ISO 8373:2021 Robotics — Vocabulary”(ISOのページ。第3版、2021年11月、22ページ。次の版としてISO/DISが開発中と表示) — iso.org/standard/75539.html
  12. ISO “ISO/TC 299 Robotics”(ISOの専門委員会のページ。2015年設置。範囲は「玩具と軍事用途を除くロボット分野の標準化」。WG3=産業用の安全、WG2=サービスロボットの安全) — iso.org/committee/5915511.html
  13. A3(Association for Advancing Automation) “Updated ISO 10218: Answers to Frequently Asked Questions (FAQs)”、2025年3月20日(改訂の内容、用語の変更、OSHAとの関係) — automate.org/robotics/blogs/updated-iso-10218-faq
  14. A3(Association for Advancing Automation) “ANSI, A3 Publish Revised R15.06 Industrial Robot Safety Standard”、2025年9月10日(R15.06-2025の発表、「協働の応用」という語の理由) — automate.org/robotics/industry-insights/ansi-a3-publish-revised-r15-06-industrial-robot-safety-standard/aph
  15. IFA(ドイツ法定災害保険協会の労働安全研究所) “Performance Level Calculator – PLC. A handy disc to determine the performance level according to EN ISO 13849-1″(2026年8月版のリーフレット) — dguv.de/medien/ifa/en/pra/drehscheibe/instruction.pdf
  16. IFA/BGIA “Functional safety of machine controls – Application of EN ISO 13849 (BGIA Report 2/2008e)”(PL a〜eとカテゴリーB〜4の例を載せる報告書の紹介ページ) — dguv.de/ifa/publikationen/reports-download/bgia-reports-2007-bis-2008/bgia-report-2-2008/index-2.jsp
  17. IFA(ドイツ法定災害保険協会の労働安全研究所) “Collaborative robots (COBOTS) – Safe co-operation between human beings and robots”(技術情報のページ。残留リスクの記述) — dguv.de/ifa/fachinfos/kollaborierende-roboter/index-2.jsp
  18. 厚生労働省 「産業用ロボットと人との協働作業が可能となる安全基準を明確化しました(労働安全衛生規則第150条の4関係)」リーフレット、2013年12月 — mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/dl/pamphlet_140115.pdf
  19. 日本ロボット工業会 「産業用ロボット・サービスロボット関連規格(JIS)および標準仕様書(抜粋)」、2024年11月30日現在 — jara.jp/various/standard/img/irsr-jis_241130.pdf
  20. EU-OSHA(欧州労働安全衛生機関) “Regulation 2023/1230/EU – machinery”(機械規則の説明ページ。2025年1月16日更新) — osha.europa.eu/en/legislation/directive/regulation-20231230eu-machinery

14. 主張と出典の対応表(監査)

本文の主張根拠区分
ISO 10218-1:2025は第3版(2025年2月発行、95ページ、ISO/TC 299)、2011年版を置き換え。ロボットを部分的に完成した機械として扱い、2025年より前に製造されたロボットには適用しない。対象外の用途の一覧ISOのページ
出典1 https://www.iso.org/standard/73933.html
事実
ISO 10218-2:2025は第2版。ロボットアプリケーションとセルの統合・運用・保守などを扱う。爆発性雰囲気、移動台車に載せた場合の移動などは対象外ISOのページ
出典2 https://www.iso.org/standard/73934.html
事実
改訂に約8年、20か国超の専門家。機能安全の明示、ISO/TS 15066の内容の取り込み、サイバーセキュリティの追加、「協働の応用」への用語変更、「監視つき停止」への改名A3の記事(2025年3月20日)
出典13 https://www.automate.org/robotics/blogs/updated-iso-10218-faq
事実
R15.06-2025が2025年9月10日に発表され、ISO 10218-1・-2:2025をもとにする。カナダはZ434として発行予定。第1部50→95ページ、第2部72→223ページ。協働の3つの技術(ハンドガイディング、速度と離隔の監視、出力と力の制限)A3の記事(2025年9月10日)
出典14 https://www.automate.org/robotics/industry-insights/ansi-a3-publish-revised-r15-06-industrial-robot-safety-standard/aph
事実
OSHAにロボット専用の規則はなく、ISO 10218は指針。事業者は規格の範囲を超えて他の安全規制も守る必要があるA3のFAQ
出典13 https://www.automate.org/robotics/blogs/updated-iso-10218-faq
事実
ISO/TS 15066:2016は2016年2月発行、33ページ、2022年に見直して継続、段階90.92「改訂予定」。協働の産業用ロボットシステムを対象ISOのページ
出典3 https://www.iso.org/standard/62996.html
事実
ISO/AWI 15066-1「Physical contact with robots — Part 1: Biomechanical thresholds and data」は登録段階(20.00)で、ISO/TS 15066:2016を置き換える予定ISOのページ
出典4 https://www.iso.org/standard/91522.html
事実未確定/将来
ISO 13482:2014の対象(3種類)、対象外、衝撃の限度について発行時点で網羅的な国際データがなかったという注記。2014年2月、79ページ、2020年に継続、段階90.92ISOのページ
出典5 https://www.iso.org/standard/53820.html
事実
ISO/FDIS 13482(題名はRobotics — Safety requirements for service robots)が第2版・160ページ・段階50.20で、2014年版を置き換える予定ISOのページ
出典6 https://www.iso.org/standard/83498.html
事実未確定/将来
ISO 3691-4:2023は第2版(2023年6月、74ページ、ISO/TC 110/SC 2)。AGV・AMRなどを例示し、レール誘導のみと遠隔操縦は対象外。附属書Aで走行場所の準備を規定。次の版(ISO/DIS)が開発中ISOのページ
出典7 https://www.iso.org/standard/83545.html
事実
ISO/CD 25785-1の題名・適用範囲(能動的に制御された安定、産業環境、第2部は別に策定、対象外の一覧)。段階30.60(コメント期間の終了)、策定中ISOのページ(2026年10月25日確認)
出典8 https://www.iso.org/standard/91469.html
事実未確定/将来
ISO 13849-1:2023は第4版(2023年4月、152ページ、ISO/TC 199)で、安全機能や必要な性能レベルは指定しない。セキュリティの措置は扱わないISOのページ
出典9 https://www.iso.org/standard/73481.html
事実
PLをカテゴリー・MTTFd・DCなどから求める枠組み。PLはa〜e、カテゴリーはB〜4(例を載せる報告書)IFAの資料、BGIAの報告書の紹介
出典15 https://www.dguv.de/medien/ifa/en/pra/drehscheibe/instruction.pdf
出典16 https://www.dguv.de/ifa/publikationen/reports-download/bgia-reports-2007-bis-2008/bgia-report-2-2008/index-2.jsp
事実
ISO 12100:2010(77ページ、次の版が開発中)が危険源の特定、リスクの見積り・評価、リスク低減の手順を扱い、タイプB・Cの規格の基礎として使う意図であることISOのページ
出典10 https://www.iso.org/standard/51528.html
事実
ISO 8373:2021(第3版、2021年11月)は用語。ISO/TC 299は2015年設置、玩具と軍事を除くロボット分野、WG2・WG3・WG8ISOのページ
出典11 https://www.iso.org/standard/75539.html
出典12 https://www.iso.org/committee/5915511.html
事実
IFAが、協働ロボットでは保護柵のない場所で別の技術的保護方策が要り、残留リスクが残ると書くことIFAの技術情報ページ
出典17 https://www.dguv.de/ifa/fachinfos/kollaborierende-roboter/index-2.jsp
事実
労働安全衛生規則第150条の4(定格出力80 W超)、2013年12月24日の通達(基発1224第2号)、リスクアセスメントまたはISO 10218(2011年版)に従う設計・設置+技術ファイルと適合宣言書、リスクアセスメントで注意する点(力と運動エネルギー、拘束、形状)、最接近距離500 mm以上の例厚生労働省のリーフレット(2013年12月)
出典18 https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/dl/pamphlet_140115.pdf
事実
JIS B 8433-1・-2:2015、JIS TS B 0033:2017、JIS B 8445:2016、JIS B 0134:2024と対応するISOの組合せ日本ロボット工業会の一覧(2024年11月30日現在)
出典19 https://www.jara.jp/various/standard/img/irsr-jis_241130.pdf
事実
機械規則(EU) 2023/1230が機械指令2006/42/ECに代わり、2027年1月20日から適用(認証機関の要求は2024年1月20日から)。整合規格が技術の詳細を担い、CEマーキングは要件適合を示す。自律移動機械やAIも射程EU-OSHAのページ
出典20 https://osha.europa.eu/en/legislation/directive/regulation-20231230eu-machinery
事実
停止時間0.2〜2.0秒と人の速さ毎秒1.0 mから距離0.2〜2.0 mを求めた計算、質量10 kg・5 kgと速さ1・2 m/sの運動エネルギー(5 J、20 J、2.5 J)本稿の計算(仮定の例。規格の値ではない)本稿の計算
規格本文の要求事項、ISO/TS 15066の取り込みの範囲、2025年版に対応するJIS、通達のその後の改正、EU整合規格の引用状況本稿の調査範囲では確認できなかったため記載していない(解説)解説
「リスクは危険源の重さと起きやすさの組合せ」「3段階の優先順位」「ヒューマノイドは規格が追いついていない領域」「軽さ・当たり方の材料設計」「安全機能の寿命と材料の劣化」「7つの問い」という読み取り公表内容にもとづく本記事の整理・解説。各機関が表明した見解ではない解説
図2〜図8が実データの観察ではなく説明のための作図であること。図1と図9がImageGen生成の概念画像であること本記事による注記解説

最終更新:2026年10月25日/出典はISOの公式ページ、団体(A3、日本ロボット工業会)・当局(厚生労働省、EU-OSHA)・研究機関(IFA)の公表資料に限定しています。規格の本文は有料のため確認していません。 計算は本稿が仮定のもとに行った例で、規格の値や実在のロボットの値ではありません。 規格本文の要求事項、ISO/TS 15066 の取り込みの範囲、2025年版 ISO 10218 に対応する JIS、日本の通達のその後の改正、EU の整合規格の引用状況については、確認できなかったため記載していません。 図は説明用の概念図または本稿の計算を含む作図で、図1と図9はImageGen生成の概念画像です。