🌐 This site is also available in English Visit English Site →
🌐 English

プリファードネットワークス 企業解説

← マテリアルインフォマティクスの解説一覧へ戻る

COMPANY PROFILE / マテリアルインフォマティクス

プリファードネットワークス
― 原子シミュレータMatlantisの“頭脳”PFPをつくり、ENEOSと共同で世に出した会社

Preferred Networks(PFN)は2014年に設立された日本のAI企業です。材料の世界では、原子どうしの力を高速に予測するAIモデル「PFP」を開発し、それを核にした原子シミュレータMatlantis(マトランティス)をENEOSと共同で開発しました。Matlantisを売る会社は別法人(Matlantis株式会社)で、株主はPFN・ENEOS・三菱商事です。本稿は、PFNがマテリアルインフォマティクス(MI)の流れのどこを担い、ENEOSとどういう関係にあるかを、公式資料の範囲でやさしく整理します。

構成:Matlantis公式サイト・PFNの公式ニュースと会社概要・ENEOSのニュースリリース・Nature Communications掲載論文などを一次情報として使用/確認日 2026年10月22日

この記事でわかること
  1. 30秒でわかるPFNと、MIでの立ち位置
  2. ロゴと社名の表記について(似た名前の整理)
  3. MIの世界で、この会社はどこにいるか
  4. 会社の規模
  5. MIにかけているリソース
  6. これまでの取り組み
  7. 今後の計画
  8. この会社はMIで何を目指しているか
  9. MI分野の提携マッピング(ENEOSとの関係を含む)
  10. 提供している技術・製品・サービス
  11. この企業が抱えるリスク
  12. 用語集/出典/主張と出典の対応表

1. 30秒でわかるPFNと、マテリアルインフォマティクスでの立ち位置

正式名称株式会社Preferred Networks英文名 Preferred Networks, Inc.(略称 PFN)
本社東京都千代田区大手町ビル(会社概要の記載)
設立・上場2014年3月26日
非上場
株主は事業会社・金融機関(公式の列挙)
この分野での区分MIソフト・材料AI(主)
基盤モデル・計算基盤(従)
本稿の分類。図1を参照
中核の技術機械学習原子間ポテンシャル
「PFP」
Matlantisの“頭脳”にあたるAIモデル
ENEOSとの関係共同開発+合弁会社2019年に提携、2021年に合弁会社を設立(設立時 PFN 51%/ENEOS 49%)
最新のモデルPFP v9
2026年7月16日
Matlantis株式会社の発表。96元素に対応
次の計画MN-Core 2での高速化2026年内に提供予定(会社の計画)
まず押さえるべき1点

PFNは「Matlantisを売る会社」ではなく、「Matlantisの頭脳(PFP)と、それを学習させる計算基盤をつくる会社」です 事実。クラウドサービスとしての販売・サポートは、Matlantis株式会社(2021年に合弁会社として発足。2025年7月に現社名へ変更)が担います。つまり、PFN=モデルと計算基盤、Matlantis株式会社=サービスの提供、ENEOS=化学の知見をもつ共同開発者であり株主、という分担です。

PFNは2026年7月の会社概要資料でMatlantis株式会社を子会社の一つに挙げていますが 事実、三菱商事の資本参加後の出資比率は公式資料では確認できませんでした(設立時は PFN 51%/ENEOS 49%)。

2. ロゴと社名の表記について

Preferred Networks

表記の注意:親会社はPreferred Networks(PFN)。製品名はMatlantis、AIモデル名はPFP(Preferred Potential)です。このあと出てくる似た名前を、下の表で先に整理します。公式ロゴは、利用条件(公式の「Corporate Logo」ページ)で所定の申請が求められているため、本稿では使わず、文字表記にしています。

公式サイト:https://www.preferred.jp/en/company/
名前何か補足
Preferred Networks(PFN)本稿の主役。AIの研究開発会社2014年設立。非上場
Matlantis(製品)原子レベルのシミュレータ(クラウドサービス)2021年7月に提供開始
PFPMatlantisの中核となるAIモデルPreferred Potentialの略。PFNが開発
Matlantis株式会社Matlantisを販売・サポートする会社旧称 Preferred Computational Chemistry(PFCC)。2025年7月に社名変更
PFCIPFNグループの計算基盤会社(Preferred Computing Infrastructure)2025年設立。MN-Coreを使ったクラウドを提供
ENEOS Innovation PartnersENEOSホールディングスの100%子会社(出資管理)PFNの株主として公式に列挙。100%子会社であることはENEOSのリリースの注記による

3. マテリアルインフォマティクスの世界で、この会社はどこにいるか

マテリアルインフォマティクス(MI)とは、データとAIを使って材料開発を速くする取り組みです。大まかには、①データをつくる → ②AIで予測・設計する → ③計算で候補を絞る → ④実験で確かめるという流れで進みます。会社によって、この流れのどこを担当しているかが違います。まず、PFNの担当範囲を示します。

マテリアルインフォマティクスに関わる企業の4つの類型 同じ「MIの会社」でも、データ→設計→実験のどこを担うかで、強みと課題が違う 基盤モデル・計算基盤 MIソフト・材料AI 自動実験・ロボット 応用する側 データと計算でAIを作る 解析ソフトと材料AI ロボットで実験を回す 電池・化学・半導体など Google DeepMind/Microsoft Meta/NVIDIA Citrine/Schrödinger Preferred Networks/CuspAI Chemspeed/Radical AI Periodic Labs/Lila Sciences SES AI/Mitsui Chemicals Applied Materials 大規模な計算と人材 使いやすさとデータ 実験を回す速度 実際の材料と市場 実験での検証は他者頼み 顧客のデータ次第 設備費と再現性 内製の人材とデータ不足 PFNの主たる類型は「MIソフト・材料AI」。従たる類型は、モデルと計算基盤を自前で持つ「基盤モデル・計算基盤」 PFPの学習データを自社の計算基盤で作り、Matlantis株式会社を通じてクラウドで提供している(会社の説明)
図1 マテリアルインフォマティクスに関わる企業の4類型と、PFNの位置づけ。区分は本稿によるもので、企業名は本シリーズで扱う企業から例示しています 本稿の計算。PFNがPFPを開発し、学習データの生成にも自社の計算基盤を使っていることはMatlantis公式の説明に基づきます。

次の図解は、MIの流れの中でPFN・Matlantis株式会社・利用者がそれぞれ何を受け持つかを示したものです。

MIの流れと、PFN・Matlantis株式会社・利用者の担当範囲 公式資料の説明をもとに本稿が整理した図(会社の内部の分担表ではありません) ① データをつくる 量子力学の計算(DFT)で 原子配置のデータを作る ② AIを学習させる PFPが力とエネルギーを 予測できるように学習 ③ 計算で絞り込む Matlantis上で構造・反応・ 物性を計算して候補を選ぶ ④ 実験で確かめる 合成・測定は 利用者の側で行う PFN:データ生成とPFPの学習(自社の計算基盤+産総研ABCI) Matlantis株式会社:PFPをクラウドで提供・サポート 利用企業・大学
図解 MIの流れ(①〜④)と、PFN・Matlantis株式会社・利用者の担当範囲。DFTは「密度汎関数理論」で、原子の振る舞いを量子力学から計算する標準的な方法です(計算は精密ですが時間がかかります)。PFPは、DFTの結果を学習して、同等の予測を桁違いに速く出すためのAIモデルです。

4. 会社の規模

PFNは非上場で、売上・利益・資本金は確認できた範囲では公表されていません。会社概要と2026年7月更新のファクトシートから確認できる項目だけを示します 事実。

項目PFNMatlantis株式会社
設立2014年3月26日2021年6月1日(旧 Preferred Computational Chemistry)
所在地東京都千代田区(大手町ビル)東京都千代田区(大手町ビル)。米国拠点はマサチューセッツ州ケンブリッジ
従業員約450人(2026年7月のファクトシート)非公表(確認できなかった)
資本金確認できなかった3億1,000万円(会社概要)
売上・利益非公表非公表
上場非上場非上場
代表者共同創業者の西川徹(会長)、岡野原大輔(最高経営責任者)岡野原大輔(代表取締役社長・最高経営責任者)
株主・投資家Chugai Pharmaceutical、Development Bank of Japan、ENEOS Innovation Partners、Fanuc、Hitachi、Mitsubishi Corporation、NTT、Toyota Motor ほか(公式の列挙。持株比率は非公表)Preferred Networks、ENEOSホールディングス、三菱商事(持株比率は確認できなかった)
主な顧客数―150超の企業・研究機関(会社公称。2026年7月16日付リリース等)
ここで注意

PFN全体の事業は、生成AI基盤モデル(PLaMo)、AI半導体(MN-Core)、ロボットなど幅広く、材料向け(Matlantis)が全体に占める割合は非公表です。上の人数は会社全体の数字で、MIに従事する人数ではありません。会社の規模と、この分野にかけている規模は別物として読んでください。

5. マテリアルインフォマティクスにかけているリソース

4つの観点で、公式資料から確認できたか/できなかったかを表にします。「確認できなかった」と書くことも、この表の大事な情報です。

観点確認できた内容区分
人PFN全体で約450人(2026年7月)。MI専任の人数は非公表。MITのJu Li教授がPFNの技術顧問(会社概要)で、Matlantis株式会社でも2024年8月に技術顧問に就任(会社概要)。PFP v8の論文の共著者にも名前がある事実
金(研究開発費・設備)MI向けの研究開発費・設備投資額は非公表。計算資源については、PFP v9の学習データ作りに「GPU1台なら3,200年相当」の計算を使ったと会社が説明(会社公称)事実/非公表
金(資金調達)2019年6月にJXTGホールディングス(のちのENEOSホールディングス)から約10億円の出資を受け、MI分野の共同開発も計画(公式リリース)。2024年12月・2025年4月・2025年6月にも資本提携を実施(沿革)。金額は沿革ページに記載なし事実
外部への出資・合弁・買収合弁:Preferred Computational Chemistry(現 Matlantis株式会社、2021年6月、PFN 51%/ENEOS 49%)。2024年6月に三菱商事が資本参加。PFNグループ会社としてPFCI(2025年設立)。MI分野のスタートアップへの出資・買収は確認できなかった事実
大学・研究機関・公的資金産総研のAI橋渡しクラウド(ABCI)2.0・3.0をPFP v9の開発に利用し、「ABCI 3.0開発加速利用」の支援も受けた(Matlantis公式リリース)。MITとの関係は技術顧問・共著。DOE・NSF・NEDOなど公的資金の記載は確認できなかった事実

主要なモデル・製品・設備の状況

名称種別主要な仕様(会社公表)公開の形・ライセンス段階・日付
PFP v1〜v9機械学習原子間ポテンシャル(グラフニューラルネットワーク)v1:55元素・学習データ約1,000万構造(2021年7月)→ v7:96元素・5,900万構造(2024年9月)→ v9:96元素・6,300万構造超(2026年7月)Matlantisのクラウドで利用。モデルの重みや学習データの公開は確認できなかった提供中。v9は2026年7月16日
Matlantis原子シミュレータ(クラウドサービス)ブラウザで利用。学習済みモデル・物性計算ライブラリ・計算環境を一式で提供。米国提供は2023年4月から商用サービス(プラン・契約による。価格は非公表)。利用規約あり。公開リポジトリは別に存在提供中(2021年7月〜)
LightPFPPFPの予測値で軽量ポテンシャルを作る機能最大で数十万原子規模(高エントロピーCantor合金で約50万原子の例)。データ作成と学習が「数か月→数日」と説明商用機能2025年1月から正式販売
Matlantis CSP結晶構造探索(組成から安定な結晶を探す)機能ランダム探索比で約3〜6倍の探索効率(会社公称)商用機能2026年1月28日提供開始
AIエージェント連携自然言語でシミュレーションコードを作る機能Skills(知識集)をGitHubで公開。Claude CodeやCodexをMatlantisの端末で使うSkills:Apache-2.0(公開)。連携本体は商用環境2026年5月27日発表(連携の導入は「近日」と記載)
MN-Core 2での計算専用AIチップで一部の計算を高速化結晶構造計算などで最大4倍(GPU比、選定した計算での試験結果)利用者が計算資源として選べる形を予定2026年内に提供予定 未確定/将来
素材技術者の視点:「頭脳」と「計算資源」を一つの会社グループが持つ意味

PFPの学習データはDFT(量子力学の計算)の結果で、PFNは自社の計算基盤でこれを大量に作ってきたと説明しています(v9は6,300万構造超)事実。素材技術者にとって重要なのは、学習に使われた原子配置の範囲が、そのまま「このモデルが得意な材料」の範囲になる点です。v9の更新では、表面・吸着構造・錯体・分子結晶などを学習データに加えたと説明されています(Matlantis公式)。

一方、学習データやモデルの重みが公開されていないため、「自分の系は学習範囲に入っているか」を外から確かめる手段は限られます。クラレの導入事例でも、Matlantis単体では工業レベルの固体触媒の性能予測は難しく、Matlantisの計算データでAIを学習させて補っていると語られています(事例は会社が掲載した顧客の発言)。

6. これまでの取り組み

時期できごと意味
2019年6月PFNがJXTGホールディングスから約10億円の出資を受け、石油精製の最適化・自動化の共同研究と、MI技術による新素材の共同開発を計画ENEOSグループとの関係の出発点。ENEOSの社名変更は2020年6月25日
2021年4月〜6月PFNとENEOSが材料探索の合弁会社設立を発表(4月27日)。6月1日にPreferred Computational Chemistry(PFCC)を設立。資本金3.1億円、PFN 51%/ENEOS 49%共同開発した原子シミュレータを事業にするための会社
2021年7月Matlantisをクラウドサービスとして提供開始。PFP v1は55元素に対応提供の開始
2022年5月PFPの技術を説明する論文が Nature Communications に掲載(5月30日)。6月1日にEditor’s Highlightsに選出査読つき論文で技術が公表された
2022年9月PFP v3:72元素、学習データ2,200万構造元素の範囲の拡大
2023年4月米国でMatlantisの提供を開始海外展開の開始
2023年10月MN-CoreをMatlantisの計算基盤に採用。実際の材料探索の計算で汎用GPU比およそ3倍の速度(PFNの評価)。2023年8月からENEOS向けに商用提供自社チップでの計算の最初の実用化
2024年6月PFCCが三菱商事と業務資本提携。海外販売を強化株主が3社に
2024年9月PFP v7:96元素(自然界に存在する元素すべて)、5,900万構造。PFNとENEOSが公開元素の制限がほぼなくなった
2025年1月LightPFPを正式販売10倍以上の大規模計算に対応
2025年3月PFCCとENEOSがNVIDIA ALCHEMIを活用し、データセンター用の潤滑油・液浸冷却液の探索で協業(3月18日にNVIDIA GTCで発表)ENEOSの化学の知見とMatlantisを組み合わせる事例
2025年7月社名をMatlantis株式会社へ変更。PFP v8(r²SCAN計算モードをベータで提供)社名と製品名がそろった
2026年1月Matlantis CSP提供開始(本田技術研究所が採用)結晶構造探索機能
2026年3月PFP v8のプレプリントをarXivに投稿(3月9日)実験値との一致を狙った設計を論文化
2026年7月PFP v9:r²SCANモードを96元素に拡大し、既定の計算モードに変更最新版
2026年8月v9がMLIP Arenaの総合ランキングで同率1位(PFNが自社で評価、2026年3月1日時点のリーダーボードと比較)評価の条件に注意(第10章)

注:Matlantis公式サイトの「PFP Version History」ページは、本文の「最新」がv7のままで、v8以降が反映されていません(確認日 2026年10月22日)。本稿の日付は、ニュースリリースと会社概要の記載を優先しました。また、2024年6月の三菱商事の発表では創業日が「2021年6月11日」、会社概要と2021年のリリースでは「6月1日」で、公式資料の間で食い違いがあります。

7. 今後の計画

MN-Core 2での高速化2026年内に提供選んだ計算で最大4倍。まず一部ユーザーで試験評価 未確定/将来
PFPの今後性能・速度・適用範囲3つの方向を検討中。時期は非公表
評価基盤社内ベンチマークを整備準備ができたものから順次公開と説明
AIエージェント連携Skillsの拡充会社が継続的に拡充するとしている

PFNとPFCIは、MN-Core 2の計算資源をPFCIのクラウドサービス経由でMatlantisから選べるようにする計画を2026年9月18日に発表しました。試験では、電池材料の結晶などの計算でGPUより最大4倍速く、精度は保たれたと説明しています。ただし「選定した計算タスク」についての話で、すべての計算が4倍になるわけではありません。提供は2026年内を予定し、その前に一部のMatlantis利用者で実用性を確かめる段階です 事実 未確定/将来。

確認できなかったこと

次はいずれも公式資料で確認できませんでした 未確定/将来。

PFPの次バージョンの時期/モデルの重み・学習データの公開予定/Matlantis株式会社の現在の出資比率/MI向けの売上・契約数の内訳/MN-Core 2での提供の価格・対象範囲。

8. この会社はマテリアルインフォマティクスで何を目指しているか

ここは会社が直接述べていない部分を含みます。一次情報から読み取れる範囲の推測として、根拠とともに書きます。

読み取れること根拠となる一次情報区分
汎用の「頭脳」を自社で持ち続けることを軸にしているv1(2021年)からv9(2026年)まで、元素数・学習データ・機能を更新し続けている。学習データはPFNの計算基盤で生成と説明推測
重心を「計算の速さ」から「実験値との一致」へ移しつつあるv8でr²SCANモードを導入、v9で既定に変更。社内ベンチマークも「DFT汎関数への過度な最適化を避け、実験値との比較を重視」と説明推測
専用チップから材料計算まで一貫して持つ垂直統合を材料分野にも広げようとしている2023年にMN-Coreを採用、2026年にMN-Core 2の提供を計画。PFNは自社を「チップからアプリまで」垂直統合と説明推測
海外販売はパートナーの販売網に頼る方針2024年6月に三菱商事の世界ネットワークを使うと発表推測
ENEOSは共同開発者・株主であり、最初の本格ユーザーでもある2023年8月からMN-Core搭載版がENEOSに商用提供。2025年3月にENEOSとNVIDIA ALCHEMIで協業事実
推測の根拠を1つだけ詳しく

v9のリリースは、r²SCAN計算モードを96元素へ広げ、既定の計算モードにしたことを最初に挙げています 事実。r²SCANは、よく使われるPBEより計算は重い一方で、実験値との一致がよいとされる高精度な方法です(Matlantis公式の説明)。v8のプレプリントも、題名に「実験値とのより良い一致」を掲げています。

これらを並べると、PFNは「DFTと同じ答えを速く出す」段階から、「実験と直接比べられる答えを出す」段階に重心を移していると読むのが自然だと本稿は考えます 推測。ただし、実験値との一致は特定の物性(結晶や表面の安定性・融点・水の粘性)についての会社の検証結果であり、あらゆる材料での保証ではありません。

9. マテリアルインフォマティクス分野の提携マッピング

PFNを中心としたMI分野の提携関係 公式資料に記載のある関係のみ。報道だけの関係は含まない(確認日 2026年10月22日) PFN PFPを開発 Ju Li 教授(MIT) 技術顧問(PFN・Matlantis) ENEOS 共同開発・株主(2019年〜) 三菱商事 株主・海外販売(2024年6月〜) Matlantis株式会社 旧 Preferred Computational Chemistry Matlantisの販売・サポート (2021年設立、2025年7月改称) 利用企業・研究機関 本田技術研究所・クラレなど (公式の導入事例) PFCI(PFNグループ) MN-Core 2の計算資源を 2026年内に提供予定 産総研 ABCI PFP v7・v9の学習に 計算資源を提供 共同開発・導入 データ・計算の提供 出資・株主・グループ会社 技術顧問
図2 PFNを中心としたMI分野の提携関係。出典:Matlantis公式の会社概要・ニュース、PFNの公式ニュースと会社概要。図に含めたのは公式資料に記載がある関係だけです。出資の点線は「現在の出資比率」を示すものではありません(設立時はPFN 51%/ENEOS 49%、現在は非公表)。PFCIからの計算資源の提供は2026年内に提供予定の計画で、提供済みではありません。

ENEOSとMatlantisの関係を時系列で整理する

時期ENEOSとの関係区分
2019年6月JXTGホールディングス(2020年6月25日にENEOSホールディングスへ社名変更)がPFNに約10億円を出資。精製所の自動化に加え、MI技術による新素材の共同開発を計画事実
〜2021年PFNとENEOSがMatlantisを共同開発。「PFNのAI・計算基盤と、ENEOSの化学の知見を集めた」と説明事実
2021年6月合弁会社PFCCを設立(PFN 51%/ENEOS 49%)。販売とコンサルティングを担当事実
2022年PFPの精度と応用を高める際に、ENEOSの化学技術の知見を使ったと説明事実
2023年8月〜MN-Core搭載のMatlantisを、PFCCがENEOSに商用クラウドとして提供事実
2024年6月三菱商事が資本参加。株主はPFN・ENEOS・三菱商事に事実
2025年3月PFCCとENEOSが、NVIDIA ALCHEMIを使ってデータセンター用潤滑油・液浸冷却液を探索する協業を発表(初期の対象。将来は触媒・ポリマーも対象に含める予定と記載)事実/計画は 未確定/将来
現在ENEOSホールディングスはMatlantis株式会社の株主(会社概要)。現在の出資比率は確認できなかった事実

なお、PFNとENEOSは精製所の自律運転でも協力しています(2023年8月・2024年5月、沿革の記載)が、これはMIとは別の事業です 事実。

Matlantisの導入先として、公式の事例一覧には住友電気工業・Atomis・ソウル大学・本田技術研究所・東京大学などが載っています。海外ではHyundai Motor(韓)やVolkswagen(独)への導入が公式リリースに記載されています 事実。

10. 提供している技術・製品・サービス

Matlantisは、ブラウザから使える原子レベルのシミュレータです。従来の物理シミュレータにAIモデル(PFP)を組み込み、「原子の並び方」から「エネルギーと力」を高速に予測します。この予測を使って、構造の安定性、反応の進みやすさ、拡散、融点などを調べます。

会社が示す性能値と、その条件

項目会社が示す値条件・注意(公式の記載)
計算速度r²SCAN水準のDFTの推定時間と比べて約7,000万倍(3,000原子)DFTの時間は推定値。PFPの学習データは別に膨大な計算で作られている(会社公称)
最大原子数約4万4千原子(Pt fcc)実際に計算できる数は契約による。Matlantis側の受付上限で、GPUメモリの限界ではない
対応元素96元素(水素からキュリウムまで)r²SCANモードもv9で96元素(v8は70元素)
学習データ6,300万構造超(v9)1GPUで約3,200年相当の計算(会社公称)。データ自体の公開は確認できなかった
検証:結晶COD(結晶構造データベース)の構造でDFTのエネルギー・力を再現COD構造は学習データに含まれないと説明。図で示された検証で、数値の誤差表は本稿では確認できなかった
検証:外部ベンチMLIP Arenaの総合ランキングで同率1位(MACE-MPAと並ぶ)PFN自身がPBEモードで実行。他モデルの値は2026年3月1日時点の公開リーダーボード。r²SCANモードは公開ベンチマークが未整備のため対象外
導入先150超の企業・研究機関会社公称。2023年から海外展開

注:MLIP Arenaは外部研究者(Chiangら、NeurIPS 2025)が作った公開ベンチマークですが、今回の順位はPFN側が自社で実行した結果との比較です。第三者が同じ条件で再現した結果は、本稿では確認できませんでした。

オープンな機械学習ポテンシャルとの比較(会社の測定条件)

Matlantis公式の比較ページは、Pt(fcc)を拡大していった系で、PFP v9(Matlantis上)と、NVIDIA A100(80GB)上で動かしたオープンなモデルを比べています。数字は会社が自社の条件で測ったもので、モデルの優劣を決めるものではありません 事実。

モデル(実行環境)計算できた最大の原子数(Pt fcc)
PFP v9(Matlantis)42,875
UMA-S(A100)97,336
SevenNet-Omni(A100)19,683
MACE-MPA-0(A100)13,824
MatterSim-v1-5M/Orb-v3 cons-inf-omat(A100)10,648
CHGNet(A100)4,913

注:会社は「PFPの最大原子数はMatlantisの受付上限で決まり、GPUメモリで決まるのではない」と注記しています。同じ表で、UMA-Sはより大きな系を扱える一方、約3万原子では速度がPFPの約6分の1とも書かれています(会社の測定)。

素材技術者の視点:使うときに確かめたいこと

①計算モード:v9は既定がr²SCANで、従来のPBEも指定すれば使えます。PFNは、顧客が求める精度に対してPBEと実験値のずれが許容できなくなってきたことがr²SCAN導入の背景だと説明し(Version Historyの記載)、v9のリリースは結晶・表面の安定性、融点、水の粘性でr²SCANモードの再現性がPBEモードを上回ると述べています(会社の検証)。過去の計算とそろえて比べるときは、どちらのモードかを必ず記録しましょう。

②規模:PFPで足りない大きさの系(粒界、固液界面など)には、PFPの予測で軽量ポテンシャルを作るLightPFPが使えます。公式ページには、PFP相当の精度を保ちながら約20万原子(GaN/AlN薄膜)や約50万原子(Cantor合金)を扱った例が載っています(会社の計算事例)。

③計算と実験の役割分担:Matlantisは実験の代わりではなく、実験する候補を絞るための道具です。たとえばMatlantis CSPが見つけたとする「10を超える未知の安定結晶」は計算上の予測で、合成して確認したという記載は公式発表にはありません 事実。ホンダの事例でも、「計算で有望な候補を探し、その結果を実験で実証する」という使い方が語られています。

11. この企業が抱えるリスク

リスク内容区分
モデルと学習データが外から見えないPFPはクラウド経由で使う形で、重み・学習データの公開は確認できなかった。得意・不得意の範囲を利用者が独自に検証しにくい推測
性能の根拠が会社自身の評価に偏る「同率1位」は、PFNがPBEモードで自社実行し、2026年3月1日時点の公開値と比べたもの。r²SCANモードの外部ベンチは未整備と会社自身が述べている事実
計算上の予測と実験のあいだCSPの新結晶の発見は計算上のもので、実験での確認の記載はない。実験値との一致も「特定の物性」についての会社の検証事実
計画の不確実性MN-Core 2での提供は「2026年内に提供予定」の段階で、試験評価の結果次第。対象は選んだ計算タスクに限られる未確定/将来
公式ページの更新の遅れ・不一致Version Historyが最新をv7と記載、創業日の表記の食い違いなど。読者が古い情報を読むおそれがある事実
株主構成の透明性PFNの出資比率が三菱商事参加後にどうなったか、公式資料では確認できない。「子会社」と「合弁会社」の説明が資料によって異なる事実
オープンな代替の広がり会社自身が比較ページでオープンなモデル(UMA、MACEなど)を比較対象にしている。無償で使える選択肢との差の説明が今後も求められる推測

12. 用語集

機械学習原子間ポテンシャル(MLIP)
原子の並びから、原子にかかる力とエネルギーを予測するAIモデル。物理計算の代わりに使って速度を上げる。
PFP(Preferred Potential)
PFNが開発した汎用のMLIP。Matlantisの中核。
DFT(密度汎関数理論)
電子の状態から物質の性質を計算する標準的な量子力学の方法。精密だが時間がかかる。
PBE/r²SCAN
DFTで使う「近似の種類(汎関数)」。r²SCANはPBEより重い計算で、実験値との一致がよいとされる。
基盤モデル
幅広い用途に使える、大規模に学習済みのAIモデル。PFNはPFPをこの意味で説明している。
MN-Core
PFNと神戸大学が共同開発した、深層学習の計算に特化したAIチップ。
MLIP Arena
汎用MLIPを、実際のシミュレーションに近い課題で比べる公開ベンチマーク。
Matlantis CSP
組成を決めると、安定に存在しそうな結晶構造を探す機能(結晶構造探索)。
ABCI
産総研(AIST)が運営するAI向けの大規模計算基盤。
学習した原子間の力の模型を、材料の運動計算に使う考え方です。学習範囲と、対象の元素・構造・条件を照合する必要があります。
図3 概念画像(ImageGen生成)。学習した原子間の力の模型を、材料の運動計算に使う考え方です。学習範囲と、対象の元素・構造・条件を照合する必要があります。実在の製品・施設・測定結果ではありません。拡大模型、線・矢印・色は説明用です。

13. 出典

  1. Matlantis株式会社 会社概要(英語版)。社名、設立、所在地、資本金、株主、沿革(2019年〜2025年7月)。 https://matlantis.com/en/company/profile/
  2. Matlantis株式会社 「Our Strength」。顧客数・計算速度・サポート元素数・累計原子数などの会社公称値。 https://matlantis.com/en/company/strength/
  3. Matlantis株式会社 「What is our AI Model, PFP?」。PFPの位置づけ、GNN構造、学習データ、推論エンジンPFVM。 https://matlantis.com/en/product/about-pfp/
  4. Matlantis株式会社 PFP Version History。v1〜v7の経緯(元素数・原子数・学習データ数)と今後の方向。ページ本文の「最新」はv7のまま。 https://matlantis.com/en/product/pfp-version-history/
  5. Matlantis株式会社 Comparison with Open Source MLIP。PFP v9とオープンな機械学習ポテンシャルの原子数・速度の比較(条件つき)。 https://matlantis.com/en/product/comparison/
  6. Matlantis株式会社 Verification of Predicted Performance of PFP。COD構造でのエネルギー・力、有機物の密度、エネルギー凸包の検証。 https://matlantis.com/en/product/validation/
  7. Matlantis株式会社 LightPFP。PFPの予測値で軽量ポテンシャルを作る機能の説明。 https://matlantis.com/en/product/lightpfp/
  8. Matlantis株式会社 ニュースリリース「PFP v9へのアップデート」(2026年7月16日)。r²SCAN計算モードの正式化、96元素、既定モードの変更、ABCIの利用。 https://matlantis.com/ja/news/release-260716/
  9. Matlantis株式会社 お知らせ「PFP v9がMLIP Arenaで同率1位」(2026年8月21日)。評価条件(PBEモード、2026年3月1日時点の公開リーダーボード)。 https://matlantis.com/ja/news/pfp-v9-mlip-arena/
  10. Preferred Networks PFN技術ブログ「PFP v9のご紹介」(2026年8月17日)。v8との比較、MLIP Arenaの結果、社内ベンチマークの方針。 https://tech.preferred.jp/ja/blog/introducing-matlantis-pfp-v9/
  11. arXiv Shinagawa et al., “Matlantis-PFP v8: Universal Machine Learning Interatomic Potential with Better Experimental Agreements via r2SCAN Functional”(2026年3月、プレプリント)。 https://arxiv.org/abs/2603.11063
  12. Matlantis株式会社 ニュースリリース「Matlantis CSP提供開始」(2026年1月28日)。探索効率・発見した結晶の数の会社公称値。 https://matlantis.com/ja/news/release-260128/
  13. Matlantis株式会社 ニュースリリース「PFCC、三菱商事と業務資本提携」(2024年6月3日)。 https://matlantis.com/ja/news/business-and-capital-alliance-with-mc/
  14. Matlantis株式会社 ニュースリリース「PFCCとENEOSはNVIDIAソフトウェアを活用したAI駆動の潤滑油・液浸冷却液の探索を加速」(2025年3月31日掲載)。 https://matlantis.com/ja/news/news-20240327/
  15. Matlantis株式会社 ニュースリリース「AIエージェント連携機能を提供開始」(2026年5月27日)。 https://matlantis.com/ja/news/release-260527/
  16. Preferred Networks ニュースリリース「PFNとPFCI、独自AIチップMN-Core 2でMatlantisを高速化」(2026年9月18日)。 https://www.preferred.jp/en/news/pr20260918
  17. Preferred Networks ニュースリリース「PFNとENEOS、PFP v7を公開」(2024年9月17日付)。96元素、学習データ5,900万構造。 https://www.preferred.jp/en/news/pr20240917
  18. Preferred Networks ニュースリリース「MN-CoreがMatlantisの計算基盤に」(掲載日2023年10月16日)。 https://www.preferred.jp/en/news/pr20231016
  19. Preferred Networks ニュースリリース「PFNとENEOS、材料探索の合弁会社を設立」(2021年4月27日)。出資比率51%/49%。 https://www.preferred.jp/en/news/pr20210427
  20. ENEOS/PFN/PFCC ニュースリリース「PFCC、汎用原子レベルシミュレータMatlantisをクラウドサービスとして提供開始」(2021年7月6日、PDF)。 https://www.ENEOS.co.jp/newsrelease/20210706_01_01_1170836.pdf
  21. Preferred Networks ニュースリリース「PFNとENEOS、PFP v3を公開」(2022年9月16日)。72元素、学習データ2,200万構造。 https://www.preferred.jp/en/news/pr20220916
  22. Preferred Networks ニュースリリース「JXTGホールディングスから約10億円の出資」(2019年6月25日)。 https://www.preferred.jp/en/news/pr20190625
  23. Preferred Networks 会社概要(英語版)。設立、所在地、役員、技術顧問、株主。 https://www.preferred.jp/en/company/
  24. Preferred Networks Company Factsheet(2026年7月更新、PDF)。従業員数、子会社、投資家。 https://www.preferred.jp/downloads/PFN_Company_Factsheet_en.pdf
  25. Preferred Networks Milestones and Awards(沿革)。資本提携、ENEOSとの精製所での自律運転、Matlantis提供開始。 https://www.preferred.jp/en/company/milestones
  26. Nature Communications Takamoto et al., “Towards universal neural network potential for material discovery applicable to arbitrary combination of 45 elements”, Nat. Commun. 13, 2991(2022年)。 https://www.nature.com/articles/s41467-022-30687-9
  27. NeurIPS 2025 Chiang et al., MLIP Arena(Datasets and Benchmarks Track)。 https://papers.nips.cc/paper_files/paper/2025/hash/bfa45223cc236855dbaa5c468c809896-Abstract-Datasets_and_Benchmarks_Track.html
  28. GitHub Matlantis公式のGitHub組織。matlantis-contrib(Apache-2.0)、チュートリアル(CC-BY-4.0)、matlantis-agent-skills(Apache-2.0)。 https://github.com/matlantis
  29. Preferred Networks 業界別ページ「素材・化学品」(英語版)。Matlantisの位置づけと関連ニュース。 https://www.preferred.jp/en/industries/materials
  30. Matlantis株式会社 導入事例:株式会社クラレ(2025年5月29日)。 https://matlantis.com/ja/case-study/kuraray/
  31. Matlantis株式会社 導入事例:株式会社本田技術研究所(2026年1月28日)。 https://matlantis.com/ja/case-study/honda-rd/
  32. Preferred Networks ニュースリリース「PFPの論文がNature Communications Editor’s Highlightsに選出」(2022年6月1日)。 https://www.preferred.jp/en/news/pr20220601
  33. Preferred Networks ニュースリリース「PFCC、Matlantisを米国で提供開始」(2023年4月28日)。 https://www.preferred.jp/en/news/pr20230428
  34. ENEOS JXTGホールディングス等のリリース(2020年5月20日、PDF)。2020年6月25日に社名をENEOSホールディングス等へ変更する旨の注記。 https://www.eneos.co.jp/english/newsrelease/2020/pdf/20200520_01.pdf
  35. Preferred Networks Corporate Logo(ロゴの利用条件とガイドライン)。 https://www.preferred.jp/en/company/logo
  36. ENEOS ニュースリリース「CES 2024に出展」(2024年1月5日、PDF)。ENEOSイノベーションパートナーズがENEOSホールディングス100%子会社である旨の注記。 https://www.eneos.co.jp/information/upload_pdf/20240105_01_01_0906370.pdf
  37. Matlantis株式会社 導入事例の一覧(英語版)。住友電気工業、Atomis、ソウル大学、本田技術研究所、東京大学などの事例。 https://matlantis.com/en/case-study/

14. 主張と出典の対応表

本文の主張区分出典
正式名称、設立日、所在地、役員、技術顧問、株主(列挙)事実出典23・24 https://www.preferred.jp/en/company/ https://www.preferred.jp/downloads/PFN_Company_Factsheet_en.pdf
従業員 約450人、子会社にMatlantis株式会社を含むこと(2026年7月)事実出典24 https://www.preferred.jp/downloads/PFN_Company_Factsheet_en.pdf
PFNの売上・利益・資本金、MI向けの研究開発費・専任人員未確定/将来非公表または確認できなかった。本稿では推計しない 出典23・24 https://www.preferred.jp/en/company/ https://www.preferred.jp/downloads/PFN_Company_Factsheet_en.pdf
Matlantis株式会社の設立、資本金、株主、沿革、社名変更事実出典1 https://matlantis.com/en/company/profile/
2019年6月のJXTGホールディングスによる約10億円の出資と共同研究計画事実出典22 https://www.preferred.jp/en/news/pr20190625
JXTGホールディングスの社名変更(2020年6月25日付でENEOSホールディングスへ)事実出典34 https://www.eneos.co.jp/english/newsrelease/2020/pdf/20200520_01.pdf
合弁会社の設立計画(2021年4月27日、PFN 51%/ENEOS 49%)と設立事実出典19・20 https://www.preferred.jp/en/news/pr20210427 https://www.ENEOS.co.jp/newsrelease/20210706_01_01_1170836.pdf
Matlantisの提供開始(2021年7月、55元素)事実出典20 https://www.ENEOS.co.jp/newsrelease/20210706_01_01_1170836.pdf
PFPの論文(Nature Communications 2022)とEditor’s Highlights選出事実出典26・32 https://www.nature.com/articles/s41467-022-30687-9 https://www.preferred.jp/en/news/pr20220601
PFP v3(72元素・2,200万構造)事実出典21 https://www.preferred.jp/en/news/pr20220916
PFP v7(96元素・5,900万構造)、ABCI利用事実出典17 https://www.preferred.jp/en/news/pr20240917
PFP v1〜v7の元素数・原子数・学習データ数の推移事実出典4 https://matlantis.com/en/product/pfp-version-history/
PFP v8でr²SCANモードをベータ導入、v8プレプリント事実出典8・10・11 https://matlantis.com/ja/news/release-260716/ https://tech.preferred.jp/ja/blog/introducing-matlantis-pfp-v9/ https://arxiv.org/abs/2603.11063
PFP v9(2026年7月16日)の内容:r²SCANの96元素対応、既定モード変更、実験値再現性の向上事実出典8・10 https://matlantis.com/ja/news/release-260716/ https://tech.preferred.jp/ja/blog/introducing-matlantis-pfp-v9/
PFP v9の学習データ6,300万構造超、1GPU約3,200年相当、GNN構造事実会社公称。 出典2・3 https://matlantis.com/en/company/strength/ https://matlantis.com/en/product/about-pfp/
MLIP Arenaでの同率1位(PBEモード、2026年3月1日時点の公開値との比較、PFNによる実行)事実会社の評価。 出典9・10・27 https://matlantis.com/ja/news/pfp-v9-mlip-arena/ https://tech.preferred.jp/ja/blog/introducing-matlantis-pfp-v9/ https://papers.nips.cc/paper_files/paper/2025/hash/bfa45223cc236855dbaa5c468c809896-Abstract-Datasets_and_Benchmarks_Track.html
オープンなMLIPとの原子数・速度の比較(A100、Pt fcc)事実会社の測定条件。 出典5 https://matlantis.com/en/product/comparison/
COD構造・液体密度・エネルギー凸包の検証事実会社の検証。 出典6 https://matlantis.com/en/product/validation/
「約7,000万倍」「約4万4千原子」「150超の顧客」「累計125兆原子」事実会社公称値。DFTの時間は推定。 出典2・3 https://matlantis.com/en/company/strength/ https://matlantis.com/en/product/about-pfp/
LightPFPの機能と、データ作成・学習の所要時間の比較事実会社公称。 出典7 https://matlantis.com/en/product/lightpfp/
Matlantis CSPの提供開始、探索効率3〜6倍、10を超える新結晶(計算上の予測)事実会社公称。実験確認の記載なし。 出典12 https://matlantis.com/ja/news/release-260128/
三菱商事との業務資本提携(2024年6月3日)事実出典13 https://matlantis.com/ja/news/business-and-capital-alliance-with-mc/
ENEOS×PFCC×NVIDIA ALCHEMIの協業(2025年)事実出典14 https://matlantis.com/ja/news/news-20240327/
MN-Coreの採用(2023年)と約3倍の速度、ENEOS向け商用提供事実会社の評価。 出典18 https://www.preferred.jp/en/news/pr20231016
MN-Core 2での提供計画(2026年内、最大4倍)未確定/将来会社の計画。 出典16 https://www.preferred.jp/en/news/pr20260918
AIエージェント連携機能とSkills(Apache-2.0)事実出典15・28 https://matlantis.com/ja/news/release-260527/ https://github.com/matlantis
ENEOSとの精製所での自律運転(MIとは別事業)事実出典25 https://www.preferred.jp/en/company/milestones
本田技術研究所・クラレの導入事例(会社が掲載した顧客の発言)事実顧客の発言。 出典30・31 https://matlantis.com/ja/case-study/kuraray/ https://matlantis.com/ja/case-study/honda-rd/
ENEOSイノベーションパートナーズがENEOSホールディングス100%子会社であること、導入事例の一覧事実出典36・37 https://www.eneos.co.jp/information/upload_pdf/20240105_01_01_0906370.pdf https://matlantis.com/en/case-study/
MI分野でのスタートアップ出資・公的資金(DOE・NSF・NEDOなど)未確定/将来公式資料では確認できなかった。存在しないとも断定しない 出典23・25 https://www.preferred.jp/en/company/ https://www.preferred.jp/en/company/milestones
PFPの重み・学習データの公開、Matlantis株式会社の現在の出資比率、MI向け売上未確定/将来公式資料に記載なし。本稿では推定しない 出典1・3・24 https://matlantis.com/en/company/profile/ https://matlantis.com/en/product/about-pfp/ https://www.preferred.jp/downloads/PFN_Company_Factsheet_en.pdf
MIの4類型の区分(基盤モデル/MIソフト/自動実験/応用する側)とPFNの位置づけ本稿の計算本稿による整理。企業名は本シリーズの企業から例示
MIの流れ(①〜④)と担当範囲を示す図解本稿の計算公式資料の説明をもとにした本稿の整理
「頭脳を自社で持ち続ける」「実験値との一致へ重心を移している」「垂直統合を材料分野に広げる」「海外販売はパートナー網に頼る」推測本稿の解釈。根拠は第8章に記載
モデルの非公開、評価が自社中心、オープンな代替の広がりというリスク推測本稿の解釈。第11章に根拠を記載

最終更新:2026年10月22日/Troy Technical
本稿の数値と事実は、PFN・Matlantis株式会社・ENEOSの公式発表、公開論文に基づきます。調査会社の市場推計や報道だけの数字は使用していません。性能値・導入数は会社公称で、独立した第三者による検証ではありません。「推測」と記した箇所は、一次情報から本稿が読み取った解釈であり、会社の公表内容ではありません。株価・評価額・投資判断には触れていません。