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マイクロソフト 企業解説 企業解説

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COMPANY PROFILE / マテリアルインフォマティクス

マイクロソフト
― 材料の生成AI「MatterGen」とシミュレーションAI「MatterSim」を公開し、研究開発プラットフォームに組み込む

Microsoftは、材料の分野でも研究と製品の両方を持つ会社です。研究部門は、結晶構造を生成するAIMatterGen(2025年1月にNatureで発表)と、原子の動きを速く計算するAIMatterSimをMITライセンスで公開しています。 製品側では、研究開発向けのMicrosoft Discoveryが2026年6月に一般提供(GA)になりました。 一方で、MatterGenの実験での確認は1件で、その合成物は予測した構造そのものではなく「原子が入れ替わった版」だと論文自身が書いており、2026年には「既知の化合物と同一」とする独立の論文も出ています。 本稿では、会社の主張・計算上の予測・実験での確認・批判を分けて、一次資料で確認できた範囲だけを書きます。

構成:Microsoftの10-K(2026年6月期)、Microsoft Researchの公式ブログ・GitHub、Nature掲載論文、arXiv論文、PNNLの発表、独立の批判論文などを一次情報として使用/確認日 2026年10月22日

この記事でわかること
  1. 30秒でわかるMicrosoftと、マテリアルインフォマティクスでの立ち位置
  2. ロゴと社名の表記について
  3. マテリアルインフォマティクスの世界で、この会社はどこにいるか
  4. 会社の規模(会社全体は簡潔に)
  5. マテリアルインフォマティクスにかけているリソース
  6. これまでの取り組み
  7. 今後の計画
  8. この会社はマテリアルインフォマティクスで何を目指しているか
  9. マテリアルインフォマティクス分野の提携マッピング
  10. 提供している技術・製品・サービス(数字の読み方と批判)
  11. この企業が抱えるリスク
  12. 用語集/出典/主張と出典の対応表

1. 30秒でわかるマイクロソフトと、マテリアルインフォマティクスでの立ち位置

マテリアルインフォマティクス(MI)とは、材料のデータと計算・AIを使って、新しい材料を効率よく探す取り組みです。 流れは大きく「データ → 予測・設計 → 実験で確かめる」の3段階です。 Microsoftは、このうち「予測・設計」の段階のAIモデルを公開し、それを使える研究開発プラットフォーム(Microsoft Discovery)も提供しています。

正式名称Microsoft Corporation米国の上場企業(SEC提出書類上の名称は MICROSOFT CORP)
本社・上場Redmond, Washington
Nasdaq:MSFT
米国ワシントン州
この分野での区分基盤モデル・計算基盤
(主たる類型)
従たる類型としてMIソフト・材料AI(Microsoft Discovery)
材料向けのモデルMatterGen(生成)
MatterSim(シミュレーション)
どちらもMITライセンスで公開(GitHubの記載)
会社の主張する数字MatterGenは従来の生成モデルより「新しくて安定」な構造が2倍超計算上の評価(論文)。実験での確認とは別
実験での確認1件(TaCr2O6)4件を合成して1件成功。合成物は「乱れた版」と論文が記載
プラットフォームMicrosoft Discovery
2026年6月に一般提供
公式ブログ。料金・導入社数は確認できなかった
独立の批判2026年に1件TaCr2O6は新規でなく既知の化合物と同一と主張(査読論文)
まず押さえるべき1点

MicrosoftのMI関連の数字は、計算上の評価と実験での確認で大きく差があります 事実。 MatterGenの論文では、生成した1,024構造のDFT計算で78%が「ほぼ安定」でしたが、実際に作って測ったのは4件を選んで1件が成功という確認です。 さらにその合成物は、予測した「原子の位置が決まった構造」ではなく「原子が入れ替わった版」であると、論文が自ら書いています。 この記事では、会社・研究グループの主張、計算上の予測、実験での確認、独立の批判を常に分けて書きます。

2. ロゴと社名の表記について

表記の注意:本稿の「Microsoft」は、米国上場のMicrosoft Corporation(法人)を指します。 材料のAIを開発しているのは、その中のMicrosoft Research AI for Science(研究部門)です。 製品名のMicrosoft Discoveryと、以前のAzure Quantum Elementsは別の名前なので、区別して書きます。 10-Kに書かれているのは会社全体の数字で、研究部門単独の数字ではありません。

公式サイト:https://www.microsoft.com/(ロゴはMicrosoft公式のAzureブログに掲載された、4色の正方形のマーク)

3. マテリアルインフォマティクスの世界で、この会社はどこにいるか

マテリアルインフォマティクスに関わる企業の4つの類型 同じ「MIの会社」でも、データ→設計→実験のどこを担うかで、強みと課題が違う 基盤モデル・計算基盤 MIソフト・材料AI 自動実験・ロボット 応用する側 データと計算でAIを作る 解析ソフトと材料AI ロボットで実験を回す 電池・化学・半導体など Google DeepMind/Microsoft Meta/NVIDIA Citrine/Schrödinger Preferred Networks/CuspAI Chemspeed/Radical AI Periodic Labs/Lila Sciences SES AI/Mitsui Chemicals Applied Materials 大規模な計算と人材 使いやすさとデータ 実験を回す速度 実際の材料と市場 実験での検証は他者頼み 顧客のデータ次第 設備費と再現性 内製の人材とデータ不足 Microsoftは「基盤モデル・計算基盤」を主に、「MIソフト・材料AI」にもまたがる 実験での確認は外部(PNNL・中国の研究所)との共同で、自前の実験室は確認できなかった
図1 マテリアルインフォマティクスに関わる企業の4類型と、Microsoftの位置づけ。区分は本稿によるもので、企業名は本シリーズで扱う企業から例示しています 本稿の計算。公開モデル(MatterGen・MatterSim)と商用のMicrosoft Discoveryの両方を持つことは、第5章・第10章の公式資料の記載に基づきます。

図1のとおり、Microsoftは主に「基盤モデル・計算基盤」の類型で、従たる類型として「MIソフト・材料AI」にもまたがります。 MIの流れ(データ → 予測・設計 → 実験)のうち、公開データベースの結晶構造からAIを学習し、予測・生成を出すことが中心です。 MatterGenの学習データは、Materials ProjectとAlexandriaという公開データベース(どちらもCC BY 4.0)の安定な結晶約60.8万件です 事実。 実験で確かめる部分は、PNNL(米国の国立研究所)や中国科学院の研究チームとの共同で行われています。

専門用語をやさしく:生成モデルと機械学習力場とは

生成モデルは、文章を作るAIのように、条件(例えば「この硬さの結晶」)を与えると、新しい結晶構造の案を作るAIです。MatterGenがその例です。 機械学習力場は、原子の間に働く力をAIで素早く計算する方法で、DFTより桁違いに速く動きます。MatterSimがその例です。 生成と評価を組み合わせることで、「案を作る → 安定かを速く調べる」を回せます。 技術の細部は、本シリーズの技術解説『生成AIによる材料設計』『機械学習原子間ポテンシャル』『結晶構造予測と安定性』で説明しています。

4. 会社の規模(会社全体は簡潔に)

Microsoftは、クラウド・ソフトウェア・ゲームなどを手がける大企業です。会社全体の規模だけを示します 事実。 材料AIの事業の売上・人員・予算は開示されていません 未確定/将来。

指標(会社全体・百万米ドル)2024年6月期2025年6月期2026年6月期
売上高(Total revenue)245,122281,724331,839
研究開発費(Research and development)29,51032,48835,562
設備投資(Additions to property and equipment)44,47764,551115,948
項目内容
従業員数(2026年6月30日、フルタイム)約223,000人(うち製品の研究開発 77,000人)
本社Redmond, Washington(米国)
上場NASDAQ Stock Market(MSFT)
材料AIの記載10-K(2026年6月期)に、MatterGen・MatterSim・Microsoft Discovery・Azure Quantum Elementsの記載を確認できなかった
ここで注意

上の数字は会社全体のものです。研究開発費の約356億ドル(2026年6月期)のうち、材料AIがいくらかは開示されていません。 10-Kは、AIの計算資源への投資を大きく取り上げていますが、材料向けの取り組みには触れていません。 会社の規模と、材料AIにかけている規模は別物です。

5. マテリアルインフォマティクスにかけているリソース

金額や人数は非公表ですが、公式資料から確認できたこと・できなかったことを4つの観点で整理します。

観点確認できた内容区分
人MatterGen論文の著者は26人。23人がMicrosoft Research AI for Science(英国ケンブリッジ、ドイツ・ベルリン、米国レドモンド、オランダ・アムステルダム、中国・上海、北京)、3人が中国科学院深圳先進技術研究院。材料AIに携わる人数の総数は非公表事実/非公表
金材料AI向けの研究開発費・設備投資・計算資源の額は開示なし。論文の謝辞は、計算の一部にXbox向けAI部門の計算資源を使ったと記載確認できなかった
外部への出資・買収・合弁・売却材料AIに関する出資・買収・合弁・売却は確認できなかった確認できなかった
大学・研究機関・公的資金との連携(1) PNNL(米国エネルギー省の国立研究所):複数年の協力。電解質候補を合成・試作。(2) 中国科学院深圳先進技術研究院(SIAT):MatterGenの候補の合成。(3) Materials Project・Alexandria:学習データ。(4) NVIDIA・Synopsys:Microsoft Discoveryへの統合を2025年に計画。公的な研究資金の受領は確認できなかった事実/確認できなかった

主要なモデル・製品の状況

名称種別主要な仕様・条件公開の形とライセンス段階・日付
MatterGen拡散モデル(結晶構造の生成)学習は安定な結晶約60.8万件(Materials Project・Alexandria、原子20個以内)。論文では、生成した1,024構造のDFT計算で78%が凸包から0.1 eV/atom以内コードとモデルはMITライセンスで、学習データは元のライセンス(CC BY 4.0)で公開(GitHub、Hugging Face)。公開版のチェックポイントは再学習したもので、論文のものとは同一でない公開(2025年1月)
MatterSim機械学習力場(原子の動きの計算)温度0〜5000 K、圧力1000 GPaまでの元素を対象とする論文の記載。公開版は1M・5Mの2種。固体(バルク)向けで、表面・界面は定量解析に不向き(README)MITライセンスで公開。より高度な版はAzure Quantum Elementsにあるとの記載公開(論文は2024年5月)
Skala深層学習型のDFT汎関数主族の化学のベンチマークGMTKN55で誤差2.8 kcal/molと主張(論文)。固体材料での性能は本稿では確認していないモデル・推論コードをMITライセンスで公開と論文が記載公開(2025年6月)
Azure Quantum Elements化学・材料向けのクラウド(AI+HPC)2023年6月に提供開始(2024年1月のブログ)商用クラウド旧製品ページのURLは、確認日にMicrosoft Discoveryのブログへ転送された。単独の製品として現在も提供されているかは確認できなかった
Microsoft Discovery研究開発向けのエージェント型AIプラットフォーム仮説の生成・シミュレーション・分析を繰り返す「Discovery Engine」。物理ラボ・ロボットとの接続も「可能」と製品文書が記載商用クラウド+ローカルのアプリ(プレビュー)。料金は確認できなかった提供(2025年5月に限定プレビュー、2026年6月2日にGA)
素材技術者の視点:公開モデルを自分の研究に使うとき

MatterGenとMatterSimは、MITライセンスで企業も使えるのが特徴です 事実。 ただし使う前に確認したいことがあります。(1) MatterGenの公開版チェックポイントは再学習版で、論文の数字と少しずれることがある。 (2) 付属の評価スクリプトは、DFTではなくMatterSimで安定性を評価する(速いが、DFTと同じ精度とは限らない)と注記されている。 (3) MatterGenは原子20個以内の結晶が対象で、有機結晶・非晶質・希ガスや放射性元素、原子番号の大きな元素は対象外(モデルカードの記載)。 (4) MatterSimは固体のバルク向けで、表面・界面・長距離の力が効く性質は定量的な解析に向かない。 自社の材料系がこの範囲に入るかを、先に確かめるのが現実的です。

6. これまでの取り組み

時期できごと意味
2023年6月Azure Quantum Elements(化学・材料向けのクラウド)を提供開始(2024年1月の公式ブログ)材料向けの商用クラウドの開始
2023年12月MatterGenをarXivで公開(査読前)のちにNature論文になる
2024年1月PNNLとの電解質探索を発表。約3,260万の候補から安定と予測された約50万を経て18候補に絞り、PNNLが上位候補を合成・電池を試作。論文(査読前)は「1,000台ほどの仮想マシンで80時間未満」と記載会社・共同研究者の主張。性能の独立検証は確認できなかった
2024年5月MatterSimをarXivで公開シミュレーションAIの公開
2025年1月16日MatterGenをNature誌で発表。コードとモデルをMITライセンスで、学習データを公開。SIATと共同でTaCr2O6を合成生成モデルの公開と、実験での確認(1件)
2025年5月19日Microsoft Discoveryを発表(Build 2025、限定プレビュー)。非PFAS冷却剤の試作を約200時間で見つけ、4か月以内に合成したと紹介会社の主張。「ひとつの実験」と会社自身が記載
2025年6月深層学習型DFT汎関数Skalaを公開(MITライセンス)DFTの精度を上げる研究
2026年4月20日独立の研究者が、MatterGenの実験例TaCr2O6は新規でないとする論文をMaterials Horizons誌に発表第10章で詳しく説明
2026年6月2日Microsoft Discoveryを一般提供(GA)、ローカルのMicrosoft Discovery appをプレビュー公開研究開発向けの商用プラットフォームとして提供開始

7. 今後の計画

NVIDIA ALCHEMIとの統合2025年に「統合する計画」と発表実現したかは確認できなかった
Synopsysとの統合半導体設計向け。
2025年に計画と発表
実現したかは確認できなかった
MatterGenの今後外部の協力者と開発・検証を続ける公式ブログの記載。具体的な計画は未公表
量子計算との連携「将来の統合の可能性」製品文書の記載。時期は未公表

これらはすべて会社の計画・目標であり、達成された事実ではありません 未確定/将来。 NVIDIAとの統合は、2025年5月の発表で「計画している」とされました。確認日(2026年10月22日)に、公式資料で統合の完了を確認することはできませんでした。

確認できなかったこと

次はいずれも公式資料に記載がありませんでした 未確定/将来。

MatterGenの後継モデルの時期/Microsoft Discoveryの料金・導入企業数/自前の自動実験室の有無/材料AIへの投資額・人員/Azure Quantum Elementsと Microsoft Discoveryの製品としての関係。

8. この会社はマテリアルインフォマティクスで何を目指しているか

ここは会社が直接には述べていない部分を含みます。一次情報から読み取れる範囲の推測として、根拠とともに書きます。

読み取れること根拠となる一次情報区分
材料AIを、クラウド上の研究開発プラットフォームの中核機能にしたいMicrosoft Discoveryが、HPC・特化モデル・ラボ機器との接続を一つにまとめると説明。MatterSimの README が高度な版はAzure Quantum Elementsにあると案内推測
モデルをオープンに公開して利用者を増やし、有償の計算・プラットフォームにつなげたいMatterGen・MatterSim・SkalaをMITライセンスで公開しつつ、より高度な版・計算基盤は商用クラウドで提供推測
実験は自社で持たず、外部の研究機関と組む方針とみられる合成はSIATとPNNLが担当。自前の実験室に関する記載は確認できなかった推測
生成した結晶の新規性の定義(乱れを考慮した比較)を自社の強みに位置づけている公式ブログが、乱れを考慮した構造照合アルゴリズムを「新規性と一意性の新しい定義」として紹介推測
推測の根拠を1つだけ詳しく

Microsoft Discoveryの製品文書は、プラットフォームがHPC、特化した大規模な定量モデル、実験室の機器やロボットと接続できると説明しています 事実。 一方、MatterSimのREADMEは「より高度な事前学習済み版と追加の材料向け機能はAzure Quantum Elementsにある」と案内しています。 オープンな版を研究者に公開し、有償の高度な版とクラウド計算を企業向けに提供する、という二段構えが読み取れます。 ただし、Azure Quantum Elementsの旧ページが確認日にMicrosoft Discoveryのブログへ転送されたため、この二段構えが現在どの製品で提供されているかは確認できていません 未確定/将来。

9. マテリアルインフォマティクス分野の提携マッピング

Microsoftを中心としたマテリアルインフォマティクスの関係 公式資料・論文に記載のある関係のみ。報道ベースの関係は含まない Microsoft AI for Science PNNL(米国DOEの研究所) 電解質候補の合成・電池試作(2024年) 中国科学院 SIAT MatterGenの候補を合成(2025年) Materials Project等 学習データの出どころ(CC BY 4.0) NVIDIA ALCHEMIの統合を計画(2025年) Synopsys:半導体設計の統合を計画 共同研究・協力の相手 データの提供元 将来の計画(点線)
図2 Microsoftを中心としたマテリアルインフォマティクス分野の関係。出典:Nature掲載論文、公式ブログ、PNNLの発表、arXiv論文。図に含めたのは公式資料に記載のある関係だけです。NVIDIA・Synopsysとの統合は2025年5月の「計画」の記載で、実現は確認できませんでした 未確定/将来。

10. 提供している技術・製品・サービス

Microsoftが材料向けに提供しているのは、オープンなモデル(MatterGen、MatterSim、Skala)と、商用のクラウド・プラットフォーム(Microsoft Discovery)です。 ここでは、MatterGenの仕組み、数字の条件、実験での確認と批判、そしてPNNLとの電解質探索・冷却剤の例を順に説明します。

MatterGenの流れ(図解)

MatterGenが結晶構造を作って評価する流れ ①〜③は計算機の中の作業。④の実験は件数が少なく、別の段階 ①学習データ Materials Project とAlexandriaの安定な 結晶 約60.8万件 ②AIが生成 拡散モデルが原子の 種類・位置・格子を 少しずつ整えて作る (性質を指定も可) ③計算で評価 DFTやMatterSimで 安定・重複なし・新規 かを調べる(SUN) ④実験で確認 75件から4件を選び 合成して1件が成功 (乱れた版だった) 計算での評価(②③)と、実験での確認(④)の件数には大きな差がある 論文の評価:1,024構造をDFTで評価(78%が凸包から0.1 eV/atom以内)。実験:合成した候補は1件(TaCr2O6)
図解 MatterGenが結晶構造を作って評価する流れ(論文の記載に基づく概念図)。実験で確認できた件数は、計算で評価した件数よりはるかに少なく、その1件も予測した秩序構造の「乱れた版」でした。

論文によれば、MatterGenは拡散モデルです。ノイズから絵を作る画像AIの考え方を結晶に応用し、原子の種類・位置・結晶の大きさ(格子)を少しずつ整えながら結晶構造を作ります。 作った後に、目的の性質(例:硬さ、化学組成、空間群)を指定して微調整する仕組みも持っています 事実。

数字の読み方:何を、どの条件で測った数字か

数字(会社・論文の主張)条件・定義性格
生成構造の78%が凸包から0.1 eV/atom以内生成した1,024構造をDFTで評価。Materials Projectの凸包が基準で、0 eV/atom以下のものは13%。Alexandria・Materials Project・ICSDを合わせた凸包では75%(0以下は3%)計算上の予測
生成構造の95%でRMSDが0.076 Å未満生成直後の構造とDFTで緩和した構造のずれ。論文は「水素原子の半径(0.53 Å)より1桁近く小さい」と説明計算上の予測
「新しくて安定」な構造の割合が従来の生成モデルの2倍超安定・一意・新規(SUN)の割合を、各手法1,000サンプルで平均して比較。「新規」の判定には、原子の入れ替わりを考慮する照合法を使用計算上の評価(モデル同士の比較)
1,000構造で一意100%、1,000万構造で52%。新規は61%多く作っても重複が増えにくいことを示す指標計算上の評価
合成は4件を選んで1件が成功体積弾性率の目標4値(50・100・150・200 GPa)で各8,192件を生成し、複数段のフィルタで75件に絞り、専門家が4件を選んで合成実験での確認(件数は1件)
実測の体積弾性率は目標200 GPaの20%以内ナノインデンテーションのヤング率とDFTのポアソン比から推定。推定値は最大169 GPa(4回の測定の最大値。158±11 GPa)。試料が緻密でない可能性が高いため最大値を採用したと論文が記載。DFTでの予測値は222 GPa実験値(推定値)
訓練データにないICSD化合物を101件再発見生成した候補の中に、実験で確認済みの既知化合物が含まれていた件数計算上の評価
「新規」の落とし穴:乱れた構造(無秩序)とは

結晶の中で、2種類の原子が同じ位置をランダムに分け合うことがあります。これを「乱れた(無秩序な)構造」と言います。 AIが出す構造は、原子の位置が1つずつ決まった「秩序構造」であることが多く、実際に作ると無秩序版になることがあります。 MatterGenの論文は、合成物が予測した秩序構造の「組成が乱れた版」だったと自ら書いています 事実。 「新しい物質かどうか」は、この乱れを考えに入れるかで答えが変わります。

批判と再評価(中立に併記)

資料対象内容の要点(各資料の記載)
MatterGen論文(Nature、2025年1月)TaCr2O6の合成合成物は、予測した秩序構造の「組成が乱れた版」と記載。4件のうち1件の成功で、目標値の20%以内と記載。「概念実証」と位置づけ
Juelsholt(Materials Horizons、2026年4月)MatterGenの実験例詳しい結晶学的な解析により、合成物は新規の化合物ではなく、1971年に報告された既知の化合物と同一で、MatterGenの学習データにも含まれていたと主張。乱れの扱いとデータの検証に未解決の問題があり、人間の検証が欠かせないと結論
Microsoft側の対応上記の批判本稿の確認範囲では、公式な反論や、MatterGen論文の訂正は確認できなかった
PNNLとの電解質探索固体電解質の候補公式ブログは「約70%少ないリチウム」の新しい電解質候補と説明し、PNNLは電池を試作して室温と約80 ℃で試験。さらなる検証と最適化は継続中と記載。新規性や性能の独立した検証は確認できなかった

これらは評価の分かれる問題であり、本稿はどちらが正しいかを決めません。確認できる事実は次のとおりです。 (1) MatterGenの論文自身が、合成物は予測した構造の「乱れた版」と書いている。 (2) 独立の査読論文(2026年)が、その合成物は既知の化合物と同一と主張している。 (3) 確認日時点で、論文の訂正や公式な反論は見つからなかった。

製品としてのマイクロソフト Discoveryと、会社が紹介した事例

公式ブログによれば、Microsoft Discoveryは、AIモデルとHPCのシミュレーションを使い、非PFASの冷却剤(データセンターの浸漬冷却用)の試作を約200時間で見つけ、デジタルでの探索後に4か月以内に合成したと紹介されています。 会社は、主要な性質のいくつかを試験して、AIの予測と合っていたと書く一方、「このプロジェクトはひとつの実験にすぎない」とも書いています 事実。 これは会社の紹介であり、独立の検証は確認できませんでした。

素材技術者の視点:生成AIの候補を実験に回す前に

この取り組みで、素材技術者に直接関わるのは次の3点です 事実。

(1) 生成された構造は「秩序構造」。実際の試料は乱れることがあるため、X線回折の解析で、既知の乱れた化合物と照合してから「新材料」と呼ぶ必要があります。MatterGenの論文も、乱れた構造に対応する複数の秩序近似で体積弾性率を計算しています(219〜222 GPa)。

(2) 物性の目標と実測の差。体積弾性率は、目標200 GPaに対してDFTでは222 GPa、実測推定は最大169 GPaと、手法で値が変わります。粉体試料の測定値は、緻密でないと低く出る可能性が論文に書かれています。

(3) 自社データで微調整できる。MatterGenには、自社の「性質つきデータ」で微調整する手順があります。ただし、論文の微調整は原子20個以内の結晶が対象で、実用材料の複雑な組織(粒界・欠陥)までは扱いません。

11. この企業が抱えるリスク

リスク内容区分
実験での確認が少ないMatterGenの実験は4件選んで1件。しかも合成物は予測そのものでなく乱れた版。独立の論文が「新規でない」と主張事実
「新規」の定義をめぐる議論乱れを含めた新規性の判定が、研究コミュニティで議論になっている。Microsoftの公式な反論は確認できなかった事実
公開モデルの適用範囲MatterGenは原子20個以内の結晶で、有機結晶・非晶質などは対象外。MatterSimは固体のバルク向けで、表面・界面は定量解析に不向き事実
製品の関係が外から見えにくいAzure Quantum Elementsの旧ページがMicrosoft Discoveryのブログへ転送されており、現在の提供形態が確認できない未確定/将来
統合計画の実現が未確認NVIDIA ALCHEMI・Synopsysとの統合は2025年の計画。完了を公式資料で確認できなかった未確定/将来
材料AIの継続投資が外から見えない10-Kに材料AIの記載がなく、投資額・人員は非公表推測
計算の前提による限界評価はDFTや機械学習力場に基づく。付属の評価スクリプトは速度のためMatterSimを使うが、DFTとの差に注意が必要と注記されている事実

12. 用語集

マテリアルインフォマティクス(MI)
材料のデータと計算・AIで、新しい材料を効率よく探す取り組み。
MatterGen
条件を指定して新しい結晶構造を生成するMicrosoftの拡散モデル。
MatterSim
原子の間に働く力をAIで速く計算するMicrosoftの機械学習力場。
拡散モデル
ノイズを少しずつ取り除いて、絵や構造を作るAIの方式。
SUN
Stable(安定)・Unique(重複なし)・New(既知でない)の頭文字。生成した構造の良さを測る指標。
DFT(密度汎関数理論)
電子の振る舞いから原子の並びのエネルギーを計算する方法。正確だが時間がかかる。
凸包(convex hull)
ある元素の組合せで最も安定な組み合わせを結んだ線。これより上の物質は分解したほうが安定とみなされる。
無秩序(乱れた)構造
複数の原子が同じ位置をランダムに分け合う構造。AIの予測する秩序構造と食い違うことがある。
体積弾性率
材料を均等に圧縮したときの縮みにくさ。大きいほど硬い。単位はGPa。
Microsoft Discovery
研究開発向けのエージェント型AIプラットフォーム。2026年6月に一般提供。
PFAS
有機フッ素化合物の総称。分解されにくく、規制が議論されている。
MITライセンス
著作権表示を残せば、商用を含めて自由に使える、緩やかなライセンス。
10-K
米国上場企業がSECに提出する年次報告書。
生成モデルによる構造候補の提案と、その後の計算・実験の確認を示しています。候補の生成だけで材料の実用性は決まりません。
図3 概念画像(ImageGen生成)。生成モデルによる構造候補の提案と、その後の計算・実験の確認を示しています。候補の生成だけで材料の実用性は決まりません。実在の製品・施設・測定結果ではありません。拡大模型、線・矢印・色は説明用です。

13. 出典

  1. Microsoft Form 10-K for the fiscal year ended June 30, 2026(米国SEC提出、2026年7月29日)。会社全体の売上・研究開発費・設備投資・従業員数・本社・上場。材料AI・MatterGen・Microsoft Discoveryの記載がないことの確認にも使用。 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/789019/000119312526323660/msft-20260630.htm
  2. Nature Zeni, C. et al. “A generative model for inorganic materials design”, Nature 639, 624–632(2025年1月16日、DOI 10.1038/s41586-025-08628-5、CC BY 4.0)。MatterGenの手法・評価条件・実験(TaCr2O6)・データの公開。 https://www.nature.com/articles/s41586-025-08628-5
  3. Microsoft Research MatterGen: A new paradigm of materials design with generative AI(公式ブログ、2025年1月16日)。MatterGenの概要、学習データ、MITライセンスでの公開、SIATとの合成。 https://www.microsoft.com/en-us/research/blog/mattergen-a-new-paradigm-of-materials-design-with-generative-ai/
  4. Microsoft(GitHub) microsoft/mattergen のREADME・MODEL_CARD・data-release。チェックポイントとデータの公開、MITライセンス、再学習版の注記、評価スクリプトの注意。 https://github.com/microsoft/mattergen
  5. Microsoft(Hugging Face) microsoft/mattergen のモデルページ。チェックポイントの公開とライセンス(MIT)。 https://huggingface.co/microsoft/mattergen
  6. Microsoft(GitHub) microsoft/mattersim のREADME。事前学習済みモデル(v1.0.0-1M・5M)、MITライセンス、限界の記載、より高度な版がAzure Quantum Elementsにあるとの記載。 https://github.com/microsoft/mattersim
  7. arXiv Yang, H. et al. “MatterSim: A Deep Learning Atomistic Model Across Elements, Temperatures and Pressures”(arXiv:2405.04967、2024年5月8日)。 https://arxiv.org/abs/2405.04967
  8. arXiv Chen, C. et al. “Accelerating computational materials discovery with artificial intelligence and cloud high-performance computing”(arXiv:2401.04070、2024年1月8日。査読前の論文)。固体電解質の探索。 https://arxiv.org/abs/2401.04070
  9. Microsoft Azure Quantum Blog Unlocking a new era for scientific discovery with AI: How Microsoft’s AI screened over 32 million candidates to find a better battery(公式ブログ、2024年1月9日)。PNNLとの電解質探索、Azure Quantum Elementsの発売時期の記述。 https://azure.microsoft.com/en-us/blog/quantum/2024/01/09/unlocking-a-new-era-for-scientific-discovery-with-ai-how-microsofts-ai-screened-over-32-million-candidates-to-find-a-better-battery/
  10. Pacific Northwest National Laboratory PNNL Kicks Off Multi-Year Energy Storage, Scientific Discovery Collaboration with Microsoft(PNNLのニュースリリース)。複数年の協力、9か月以内の検証。 https://www.pnnl.gov/news-media/pnnl-kicks-multi-year-energy-storage-scientific-discovery-collaboration-microsoft
  11. Microsoft Azure Blog Transforming R&D with agentic AI: Introducing Microsoft Discovery(公式ブログ、2025年5月19日)。Microsoft Discoveryの発表、非PFAS冷却剤の試作、NVIDIA ALCHEMI・Synopsysとの統合計画。 https://azure.microsoft.com/en-us/blog/transforming-rd-with-agentic-ai-introducing-microsoft-discovery/
  12. Microsoft Azure Blog Announcing Microsoft Discovery general availability and Microsoft Discovery app preview(公式ブログ、6月2日・Microsoft Build。本文に「昨年のBuildで限定プレビュー」とあり2026年と判断)。 https://azure.microsoft.com/en-us/blog/announcing-microsoft-discovery-general-availability-and-microsoft-discovery-app-preview/
  13. Microsoft Learn What is Microsoft Discovery?(製品ドキュメント)。製品の構成、物理ラボ・ロボットとの接続が「可能」とされる点。 https://learn.microsoft.com/en-us/azure/microsoft-discovery/overview-what-is-microsoft-discovery
  14. arXiv Luise, G. et al. “Accurate and scalable exchange-correlation with deep learning”(arXiv:2506.14665、2025年6月17日初版)。深層学習型の交換相関汎関数Skala、MITライセンスでの公開の記載。 https://arxiv.org/abs/2506.14665
  15. Materials Horizons(RSC)/Humboldt大学リポジトリ Juelsholt, M. “Continued challenges in high-throughput materials predictions: MatterGen predicts compounds from the training dataset”, Materials Horizons 13, 5672–5679(2026年4月20日、DOI 10.1039/d6mh00268d)。大学リポジトリ掲載の論文ページを参照。 https://edoc.hu-berlin.de/items/2081bca4-f044-43d3-a5f5-1d7c39f9e3e7/full
  16. Microsoft 公式サイト(ロゴの取得元)。 https://www.microsoft.com/

14. 主張と出典の対応表

本文の主張区分出典
MicrosoftのFY2024〜2026の売上高・研究開発費・設備投資、従業員約223,000人(うち研究開発77,000人)、本社、上場事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/789019/000119312526323660/msft-20260630.htm
10-Kにマテリアル・MatterGen・MatterSim・Microsoft Discovery・Azure Quantum Elementsの記載がないこと事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/789019/000119312526323660/msft-20260630.htm
材料AI事業の売上・人員・予算が開示されていないこと未確定/将来10-Kに記載なし 出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/789019/000119312526323660/msft-20260630.htm
MatterGenは拡散モデルで、原子の種類・座標・格子を段階的に整える。性質指定の微調整(アダプター)を持つ事実出典2 https://www.nature.com/articles/s41586-025-08628-5
生成した1,024構造のDFT評価:78%が凸包から0.1 eV/atom以内(13%が0以下)、Alex-MP-ICSD基準では75%(3%)事実出典2 https://www.nature.com/articles/s41586-025-08628-5
生成構造の95%でRMSDが0.076 Å未満事実出典2 https://www.nature.com/articles/s41586-025-08628-5
従来の生成モデルより「新規かつ安定」な構造が2倍超、局所最小に10倍以上近い(論文の記載)事実出典2 https://www.nature.com/articles/s41586-025-08628-5
一意性100%(1,000構造)・52%(1,000万構造)、新規61%事実出典2 https://www.nature.com/articles/s41586-025-08628-5
8,192件×4目標→75件→4件を合成して1件成功。合成物TaCr2O6は秩序構造の組成が乱れた版事実出典2 https://www.nature.com/articles/s41586-025-08628-5
体積弾性率:目標200 GPa、DFT予測222 GPa、実測推定は最大169 GPa(158±11 GPa)、相対誤差20%以内事実出典2 https://www.nature.com/articles/s41586-025-08628-5
訓練データにないICSD化合物101件を再発見事実出典2 https://www.nature.com/articles/s41586-025-08628-5
MatterGen論文の著者26人の所属(Microsoft Research AI for Science 23人、SIAT 3人)事実出典2 https://www.nature.com/articles/s41586-025-08628-5
MatterGenの学習データは約60.8万件の安定な結晶(Materials ProjectとAlexandria)、MITライセンスでの公開、SIATとの合成事実出典3 https://www.microsoft.com/en-us/research/blog/mattergen-a-new-paradigm-of-materials-design-with-generative-ai/
チェックポイントとデータの公開、MITライセンス、再学習版の注記、原子20個以内などの対象外の範囲、評価スクリプトがMatterSimを使う旨の注意事実出典4 https://github.com/microsoft/mattergen
Hugging FaceでのMatterGenチェックポイントの公開(MIT)事実出典5 https://huggingface.co/microsoft/mattergen
MatterSimの事前学習済みモデル(1M・5M)、MITライセンス、固体バルク向けで表面・界面は定量解析に不向き、高度な版はAzure Quantum Elementsにある旨事実出典6 https://github.com/microsoft/mattersim
MatterSim論文:温度0〜5000 K・圧力1000 GPaまでを対象、2024年5月公開事実出典7 https://arxiv.org/abs/2405.04967
固体電解質探索:3,200万超の候補から約50万を安定と予測し18候補に絞り、1,000台ほどのVMで80時間未満(査読前の論文)事実出典8 https://arxiv.org/abs/2401.04070
PNNLが上位候補を合成し、約70%少ないリチウムの電解質候補と説明。全固体電池を試作し、室温と約80 ℃で試験。9か月以内、検証と最適化は継続中。Azure Quantum Elementsは2023年6月に提供開始事実出典9 https://azure.microsoft.com/en-us/blog/quantum/2024/01/09/unlocking-a-new-era-for-scientific-discovery-with-ai-how-microsofts-ai-screened-over-32-million-candidates-to-find-a-better-battery/
PNNLとMicrosoftの複数年の協力、9か月以内の検証事実出典10 https://www.pnnl.gov/news-media/pnnl-kicks-multi-year-energy-storage-scientific-discovery-collaboration-microsoft
Microsoft Discovery発表(2025年5月19日)、非PFAS冷却剤の試作を約200時間で見つけ4か月以内に合成、「ひとつの実験」との記載事実出典11 https://azure.microsoft.com/en-us/blog/transforming-rd-with-agentic-ai-introducing-microsoft-discovery/
NVIDIA ALCHEMI・Synopsysとの統合の計画(2025年5月時点)未確定/将来出典11 https://azure.microsoft.com/en-us/blog/transforming-rd-with-agentic-ai-introducing-microsoft-discovery/
Microsoft Discoveryの一般提供(GA)とアプリのプレビュー(2026年6月2日)事実出典12 https://azure.microsoft.com/en-us/blog/announcing-microsoft-discovery-general-availability-and-microsoft-discovery-app-preview/
Microsoft Discoveryの構成、HPC・特化モデル・物理ラボやロボットとの接続が可能との記載、量子計算との将来の統合事実出典13 https://learn.microsoft.com/en-us/azure/microsoft-discovery/overview-what-is-microsoft-discovery
Skala:GMTKN55で誤差2.8 kcal/mol、MITライセンスでの公開の記載事実出典14 https://arxiv.org/abs/2506.14665
Juelsholtによる、TaCr2O6は既知の化合物と同一で学習データに含まれていたとの主張事実出典15 https://edoc.hu-berlin.de/items/2081bca4-f044-43d3-a5f5-1d7c39f9e3e7/full
Azure Quantum Elementsの旧ページが確認日にMicrosoft Discoveryのブログへ転送されたこと(本稿の確認)本稿の計算本稿が2026年10月22日に旧ページのURLを取得して確認。現在の提供形態は確認できなかった
MatterGenの後継、Discoveryの料金・導入数、自前の実験室、材料AIの投資額・人員、公式な反論の有無未確定/将来公式資料に記載なし。本稿では推定しない 出典3 https://www.microsoft.com/en-us/research/blog/mattergen-a-new-paradigm-of-materials-design-with-generative-ai/
材料AIへの出資・買収・合弁・売却、公的な研究資金の受領未確定/将来確認できなかった。存在しないとも断定しない 出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/789019/000119312526323660/msft-20260630.htm
ロゴ画像(Microsoft公式のAzureブログに掲載された4色の正方形のマーク)事実出典16 https://www.microsoft.com/
基盤モデル・計算基盤(主)とMIソフト・材料AI(従)という類型の区分と、図1・図2の整理本稿の計算本稿による整理。企業名は本シリーズで扱う企業から例示
材料AIをプラットフォームの中核機能にしたいという読み推測Microsoft DiscoveryとMatterSimのREADMEの記載からの本稿の解釈
オープンなモデルから有償の高度な版へつなげたいという読み推測ライセンスと製品の記載からの本稿の解釈
実験は外部の機関と組む方針という読み推測合成がSIATとPNNLで行われている事実からの本稿の解釈
乱れを考慮した新規性の定義を強みに位置づけているという読み推測公式ブログの記述からの本稿の解釈
材料AIの継続投資が外から見えないというリスク推測10-Kに材料AIの記載がないことからの本稿の解釈

最終更新:2026年10月22日/Troy Technical
本稿の数値は、MicrosoftがSEC(米国証券取引委員会)に提出した10-K、Microsoft Researchの公式ブログ・GitHub、Nature等の論文、公的機関の公表資料に基づきます。調査会社の推計値・報道ベースの数値は使用していません。「推測」と記した箇所は、一次情報から本稿が読み取った解釈であり、会社の公表内容ではありません。「新材料」「新規」などの主張は会社・研究グループの主張として書いており、計算上の予測と実験での確認を区別しています。株価・評価額・投資判断には触れていません。