太陽面マッピングモデル|SwRIが開発した太陽裏側の活動予測と精度向上策

Southwest Research Institute (SwRI) / Innovation News Network アメリカ
概要
Southwest Research Institute (SwRI) 率いる研究チームが、太陽の裏側の活動を取り入れた、より精度の高い太陽イベント予測モデルを開発した。2010年から2014年にかけての地球からの観測データと宇宙資産による太陽裏側のデータを組み合わせ、表面磁束輸送(SFT)モデルを構築している。これにより、太陽活動の変動や宇宙天気の予測精度が向上し、地球への影響をより正確に把握することが可能になる。
詳細

主要成果

Southwest Research Institute (SwRI) が主導するチームは、太陽の裏側(地球から見えない側)の活動を組み込むことで、太陽イベントの予測精度を向上させた新しいモデルを開発した。この研究チームは、2010年から2014年までの太陽表面全体のほぼ同時期のマップを分析し、地球からの観測データと宇宙空間の資産から得られた太陽裏側のデータを統合した。その結果、従来のどのモデルよりも完全で正確な表面磁束輸送(SFT)モデルの構築に成功した。

技術・詳細

SFTモデルは、太陽の活動を監視・予測し、地球に影響を及ぼす宇宙天気を予測するために使用される。今回のモデルでは、太陽の磁場がどのように振る舞っているかをモデル化することで、太陽周期に伴う活動の変化を理解することを目指している。特に、太陽の裏側のデータをどのように処理するかが技術的な鍵となった。

太陽は約27日周期で自転しているため、どの領域も最終的には地球から見えるようになるが、常に半分は隠れている。これまで、太陽裏側のデータ不足がSFTモデルの妨げとなっており、太陽が自転して突然黒点などの活動領域が現れた際に、急いで再計算を行う必要があった。1970年代からは、地質学者が地球内部を調査する手法と同様に、音波を用いて太陽内部や裏側の活動を把握する「日震学(helioseismology)」が導入され、予測精度は向上していた。

しかし、日震学的なデータには、裏側に活動領域があると示しながら、実際にその領域が地球から見える位置に来たときには何も存在しないという「偽陽性」の問題があった。研究チームはこれを「ゴースト活動領域」と呼んでいる。今回の新モデルでは、裏側の活動領域の特性に基づき、それぞれの領域に確率を割り当てて系統的に精度を評価することで、これらのゴースト活動領域を排除し、より正確な太陽表面マップを提供することを実現した。

背景・業界の文脈

太陽活動の予測は、地球上の通信インフラや電力網に影響を与える宇宙天気の予報に直結するため、極めて重要である。日震学の導入によって大きな進歩はあったものの、不正確なデータによる誤検知が依然として課題となっていた。今回の確率論的なフレームワークによるアプローチは、日震学データをSFTモデルに組み込むための実用的な経路を提示したことになる。

今後の展望

本研究のリードオーサーであるBibhuti Jha博士は、この成果が、可視領域と不可視領域の両方における太陽磁場のより現実的なモデリングに向けた一歩であると述べている。次回の太陽周期をプロットできるようになれば、今後数年間にわたる太陽の挙動をより正確に把握できる見込みである。なお、本研究の詳細は「A Probabilistic Framework for Incorporating Helioseismic Far-Side Active Regions into SFT Models」として、The Astrophysical Journal Supplement Series誌に掲載された。

元記事: https://www.swri.org/newsroom/press-releases/swri-led-team-develops-improved-model-mapping-the-sun

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