🌐 This site is also available in English Visit English Site →
🌐 English

ザナドゥ 企業解説

← 量子コンピューターの解説一覧へ戻る

COMPANY PROFILE / 量子コンピュータ

ザナドゥ
― 「光」で量子コンピュータを作ろうとする、2026年3月に米国とカナダで上場したカナダの会社

量子コンピュータの量子ビット(計算の最小単位)は、ふつう極低温の回路や真空の中の原子で作られます。 Xanadu(ザナドゥ)は、それを光の粒(光子)で作ろうとしている会社です。 光は光ファイバーで運べるので、小さな計算部品を何台もつないで大きくする、という構想を掲げています。 一方で、会社自身が年次報告書に「まだ商用化の前の段階」と書いています。 本稿では、何を作り、いくら使い、誰と組み、何を目指しているかを、 確認できた一次情報だけで、量子コンピュータを知らない方にも分かるように説明します。

構成:Xanadu が米国SECに提出した2025年12月期の年次報告書(Form 20-F、2026年4月9日提出)、2026年第2四半期の決算発表(2026年8月5日)、米国国防高等研究計画局(DARPA)の公開ページなどを一次情報として使用/確認日 2026年10月16日

この記事でわかること
  1. 30秒でわかるXanaduと、量子コンピュータでの立ち位置
  2. ロゴと社名の表記について
  3. 量子コンピュータの世界で、この会社はどこにいるか
  4. 会社の規模
  5. 量子コンピュータにかけているリソース
  6. これまでの取り組み
  7. 今後の計画
  8. この会社は量子コンピュータで何を目指しているか
  9. 量子コンピュータ分野の提携マッピング
  10. 提供している技術・製品・サービス
  11. この企業が抱えるリスク
  12. 用語集/出典/主張と出典の対応表

1. 30秒でわかるザナドゥと、量子コンピュータでの立ち位置

正式名称Xanadu Quantum
Technologies Limited
カナダ・オンタリオ州法人。2025年10月2日設立の持株会社
本社カナダ・トロント777 Bay Street。事業は子会社(2016年設立)が行う
上場Nasdaq・TSX
XNDU
特別買収目的会社(SPAC)との統合を2026年3月26日に完了、翌27日に取引開始
会社の類型光・シリコンほか
(従:ソフト)
量子ビットを光で作る。ソフト(PennyLane)も提供
量子ビットの作り方光の粒(光子)
GKP方式
室温で計算し、検出器だけ冷やす構成と説明
売上(2025年12月期)US$4.6百万前年は US$1.6百万。会社は「商用化前」と説明
現金(2026年6月30日)US$312.8百万2026年第2四半期の決算発表の値
会社の目標物理10万・論理最大500
量子ビット(2029〜2030年)
会社の目標であり、達成済みではない
まず押さえるべき1点

量子コンピュータの会社は、量子ビットの作り方(方式)で大きく分かれます。 回路で作る(超伝導)、原子やイオンを並べる、そして光や半導体で作る、という具合です。 Xanadu は3つ目の「光」の会社で、上場している会社としては光方式の専業であると、自社の発表で説明しています 事実。 つまり、Xanadu の将来は「光で、大規模で誤りに強い量子コンピュータが本当に作れるか」にかかっています。 いま見えているのは実験装置(Aurora)と要素部品の論文までで、 商品としての量子コンピュータの出荷は、まだ始まっていません 事実。

この記事で最初に覚える3つの言葉

量子ビット:量子コンピュータの計算の最小単位です。普通のコンピュータの0か1の「ビット」と違い、0と1が重なった状態を使います。

物理量子ビットと論理量子ビット:物理量子ビットは実際の部品1つ分で、ノイズ(雑音)で間違えやすいものです。 誤りを見つけて直すために、物理量子ビットを何百個もまとめて「間違えにくい1個」に見立てたものが論理量子ビットです。 数字を見るときは、必ず「物理か論理か」を確認してください。

誤り訂正:量子ビットは壊れやすいので、計算しながら間違いを見つけて直す仕組みが必須とされています。 詳しくは本シリーズの技術解説「量子誤り訂正と表面符号」「論理量子ビットと耐故障量子計算」をご覧ください。

2. ロゴと社名の表記について

表記の注意:株式を上場しているのは Xanadu Quantum Technologies Limited(2025年10月設立の持株会社)で、 実際の研究開発を行うのは、2016年12月に設立された子会社 Xanadu Quantum Technologies Inc.(年次報告書では「Old Xanadu」と表記)です。 SPACは Crane Harbor Acquisition Corp. で、統合後は子会社になりました。 本稿では、特に区別が必要な場合を除き「Xanadu」と書きます。

公式サイト:https://www.xanadu.ai/(ロゴは公式サイトのヘッダーに埋め込まれた画像を取得)

3. 量子コンピュータの世界で、この会社はどこにいるか

量子コンピュータを作る会社は、「量子ビットを何で作るか」によって、強みと課題が大きく違います。 下の図は、本シリーズが扱う会社を4つの類型に分けたものです。 Xanadu は、このうち3つ目の「光・シリコンほか」に入ります(ソフトウェアの面では4つ目にもまたがります)。

量子コンピュータに関わる企業の4つの類型 同じ「量子の会社」でも、量子ビットの作り方(方式)で、強みと課題が違う 超伝導 イオン・中性原子 光・シリコンほか 周辺・ソフト 回路で量子ビットを作る 原子やイオンを並べる 光やシリコンで作る クラウド・ソフト・通信 IBM/Google Rigetti/IQM Quantinuum/IonQ QuEra/Pasqal PsiQuantum/Xanadu Diraq/Microsoft NVIDIA/AWS 富士通/東芝 製造技術と研究の蓄積 高い精度と操作性 光の技術と量産の可能性 使いやすさと連携 冷却と配線の難しさ 拡大と速度の課題 方式の実証が途上 自社のデバイスが主力ではない Xanadu は「光・シリコンほか」の枠。量子ビットを光の粒(光子)に載せ、計算を室温で行う構想 ソフト(PennyLane)も自社で持つため、4つ目の「周辺・ソフト」の面も併せ持つ。実機の量産は未達
図1 量子コンピュータに関わる企業の4類型と、Xanaduの位置づけ。区分は本稿によるもので、企業名は本シリーズで扱う企業から例示しています 本稿の計算。Xanadu が光の粒を量子ビットにする方式であることは、年次報告書(出典1)の記載に基づきます。

それぞれの特徴を、一言で言い換えておきます。

類型量子ビットの正体得意なこと難しいこと
超伝導極低温に冷やした電気回路半導体と同じ作り方で回路を作れる冷凍機と大量の配線が要る
イオン・中性原子電気や光で捕まえた原子1個1個が同じ性質で、精度が高い数を増やすことと、動作の速さ
光・シリコンほか光の粒(光子)、半導体の中の電子の向き、など光ファイバーでつなげる、半導体工場で作れる可能性方式の実証がまだ途上。光は「失われやすい」
周辺・ソフト量子ビットは作らないクラウド・ソフト・通信で全体を支える自社の装置の優位は無い

4. 会社の規模

Xanadu は、事業のほぼすべてが量子コンピュータ関連です。年次報告書の数字を、そのまま見ていきます 事実。

指標(US$千)2023年12月期2024年12月期2025年12月期
売上2,4791,5894,617
研究開発費35,71839,22355,237
純損失35,59245,96870,667
期末の現金・現金同等物117,45977,61916,164
2026年(US$百万)第1四半期(1〜3月)第2四半期(4〜6月)
売上2.81.5
研究開発費17.3(本稿の計算:19.7−2.4)19.7
純損失20.642.1
期末の現金・現金同等物―(本稿では未確認)312.8(6月30日)
項目内容(2025年12月31日時点)
従業員264人(うちフルタイム240人、量子技術に携わる物理学者・技術者152人)
本社の施設トロントに約48,000平方フィート(オフィスとナノフォトニクス設備の合計)を賃借。契約は2032年9月30日まで
特許70のパテントファミリー(同じ発明の特許のまとまり)。成立33件、出願中98件
売上の偏り2025年12月期の売上の78%が、3つの顧客に集中
ここで注意

売上の増減は、量子コンピュータが売れたかどうかを示すものではありません。 会社自身が「商用化前の段階であり、販売できる量子コンピュータはまだ提供していない」と書いており、 収入の中心は、アルゴリズム開発・概念実証・委託研究・教育と、クラウド経由の計算利用(QCaaS)です 事実。 会社も、「当面は売上が業績の信頼できる指標にはならない」と述べています。 また、2025年末の現金はUS$16.2百万まで減っており、 年次報告書は「損失の継続と追加資金の必要から、事業継続に重要な疑義が当初生じていたが、2026年3月の事業統合と同時の資金調達(総額約US$302百万)で解消した」と説明しています 事実。 研究開発型の会社で損失が出ること自体は一般的ですが、資金の持続性は、この会社を読むときの重要な観点です。

5. 量子コンピュータにかけているリソース

金額や人数が分かる項目と、分からない項目を、一覧にします。

リソースの種類内容区分
人従業員264人のうち152人が量子技術の物理学者・技術者(2025年12月末)。トロントの本社・研究拠点のほか、パッケージング(光チップの組み立て)施設をトロントに持つ。米国の拠点を拡大中で、2026年第2四半期の発表によれば、米国の人員は2023年比で5倍超(拠点はニューヨーク州アルバニー)事実
金研究開発費は2025年12月期で US$55.2百万。設備投資は同じ年で US$6.2百万。事業統合と同時の資金調達は総額約 US$302百万(PIPE=上場と同時の私募増資 US$275百万と、SPACの信託口座の現金 US$27百万)。2026年5月にYorkville Advisorsとの間で、最大US$300百万の株式発行枠を設定(2026年第2四半期に US$67.2百万を調達)事実
外部への出資・買収・合弁他社への出資・買収・合弁・事業売却は、年次報告書に記載なし(将来の買収の可能性には言及)。SPACのCrane Harborは、統合で子会社になった確認できず
大学・研究機関・公的資金DARPA 量子ベンチマーキング構想(QBI)のStage A(2025年4月)とStage B(2025年11月、最大US$15百万)/米国空軍研究所と4年間の共同研究(2025年4月)/メリーランド大学と3年間の提携(2025年3月)/カナダ政府の「Canadian Quantum Champions Program」で最大C$23百万(2025年12月)/カナダ政府の戦略対応基金からC$195百万(2026年8月28日に最終契約)事実
製造のための投資トロントの光パッケージング施設(C$10百万、2025年6月開設)。さらに、トロントの158,000平方フィートの敷地を「Inception」という製造拠点に改装する計画(会社が2026年8月28日に発表)事実/計画は未確定/将来

主要なデバイス・製品の状況

名前方式・規模代表的な性能・内容(会社の公表)段階日付・出典
Borealis光・216個の「圧搾光」モード(ガウシアンボソンサンプリングという、特定の問題だけを解く装置)論文は、厳密な手法で1サンプル出すのに最良のスーパーコンピュータで9,000年超かかる計算を、36マイクロ秒で出したと報告(会社の主張)実証(実験)2022年6月 Nature論文
Aurora光・35個の光チップ、4つのラック、84個の圧搾光源、36個の光子数識別検出器。1クロックごとに物理量子ビットのモード12個86.4十億モードのクラスター状態を作成。距離2の繰り返し符号を、リアルタイムの復号で実演。論文自身が「性能は目標に届かない縮小模型」と表現実証(実験)2025年1月22日 Nature論文
GKP量子ビット光源チップ光・窒化シリコン(300mmウエハー)誤り耐性に必要な特徴の一部を持つGKP状態を、チップ上で生成実証(実験)2025年6月4日 Nature論文
次世代システム光・物理最大10万個、論理最大500個の量子ビット会社の設計目標未確定/将来2029〜2030年を目標。2026年10月16日時点で達成の事実なし
PennyLane/Catalystソフト(量子プログラミングの開発キットとコンパイラ)オープンソース。AWSのBraketにも対応。2026年第2四半期にPennyLane 0.45とCatalyst 0.15を公開提供中2026年8月5日の決算発表
素材技術者の視点:光量子コンピュータは「光の損失」との戦い

光は壊れにくい反面、どこかで少しずつ失われる(損失)のが最大の弱点です。 Aurora の論文も「光の損失が、誤り耐性の基準を超えるうえで支配的で最も難しい課題」と述べています 事実。 そのため、Xanadu が提携先に求めているのは、ほぼ材料と製造の課題です。 たとえば、GKP光源チップは300mmウエハー上に作る窒化シリコン(SiN)の導波路(光の通り道)でできており、 「損失を下げるほど良い状態を作れる」ことが論文で示されています。 ほかにも、薄膜ニオブ酸リチウム(TFLN)という電気で光を高速に切り替えられる材料(HyperLightとの共同開発で、導波路の損失を2 dB/m未満と報告)、 光ファイバーとチップの接続部の損失(2026年第2四半期の発表で、片面あたり平均0.085 dBと報告)、 光子を1個ずつ数える超伝導転移端センサー(TES)を300mmで作る工程(Applied Materialsと共同)などが並びます 事実。 材料の目で見れば、これは「量子の問題」というより、半導体・光部品の損失をどこまで下げられるかという勝負です。

6. これまでの取り組み

時期できごと意味
2016年12月Xanadu Quantum Technologies Inc.(旧Xanadu)をカナダで設立現在の事業を行う会社の出発点
2022年6月Nature誌に、216モードの光プロセッサ Borealis の論文「量子優位性」を示したとする会社の主張。後述の議論あり
2025年1月22日Nature誌に、複数のラックを光ファイバーでつないだ Aurora の論文光方式の部品を1つの機械に組み上げた最初の例と会社が説明
2025年4月・11月DARPA QBI の Stage A、続いて Stage B(最大US$15百万)に選定米国政府が、実用規模の計画を検証する枠組み
2025年6月4日Nature誌に、窒化シリコンチップで作ったGKP量子ビット光源の論文誤りに強い量子ビットの「材料」をチップで作れることの実験的な裏付け
2025年6月23日トロントに C$10百万の光パッケージング施設を開設光チップとファイバーをつなぐ自前の設備
2025年11月3日Crane Harbor Acquisition Corp.(SPAC)との事業統合契約を発表株式上場の手段として、SPACとの統合を選んだ
2026年3月11日カナダ政府・オンタリオ州と、製造拠点計画「Project OPTIMISM」への最大C$390百万の支援について協議に入ったと発表この時点では「検討中」で、確定していない
2026年3月26日・27日統合を完了(26日)。Class B従属議決権株がNasdaqとTSXで「XNDU」として取引開始(27日)上場の事実。総資金は約US$302百万
2026年5月最大US$300百万の株式発行枠(Yorkville Advisors)を設定必要なときに株式を発行して資金を得られる枠
2026年8月28日カナダ政府と C$195百万の支援の最終契約。製造拠点「Inception」(トロント)の計画を発表連邦政府分の全額が確定。オンタリオ州分は本稿では確認できなかった
2026年10月8日DARPAの公開ページ(同日時点)で、Xanadu は Stage B の参加企業Stage C へ進んだ企業の一覧には含まれていない

7. 今後の計画

2026年性能の改善と
誤り耐性の要素
会社が20-Fで述べた見通し
〜2028年誤り訂正つき動作の
拡大と初期の実証
会社の見通し
2029〜2030年物理10万個
論理最大500個
会社の設計目標
製造拠点Inception(トロント)158,000平方フィートを改装する計画

これらはすべて会社の目標・計画であり、達成済みの事実ではありません 未確定/将来。 会社は、20-Fで「広い用途で価値を生む水準に達する目標年は2029〜2030年」と述べています 事実。

確認できなかったこと

次はいずれも、本稿で確認した一次資料に記載がありません 未確定/将来。

自社の量子コンピュータの販売価格・出荷時期・納入先/Aurora の次の機械の量子ビット数と誤り率/ オンタリオ州の支援の確定の有無と金額/Inception の完成時期と投資総額。 また、20-Fは「政府の支援には条件(雇用創出、性能目標、対象経費の発生など)が付く場合がある」と注意しています。

8. この会社は量子コンピュータで何を目指しているか

ここは、会社が直接には述べていない部分を含みます。一次情報から読み取れる範囲の推測として、根拠とともに書きます。

読み取れること根拠となる一次情報区分
目指すのは「小さな機械を光ファイバーでつないで大きくする」データセンター型の量子コンピュータ20-Fに「ラックを光ファイバーで接続し、モジュール式で拡張する」「データセンターに設置できる」という記述。Auroraが4つのラックを光ファイバーで接続している事実
当面の収入は、政府・研究契約に偏る状況が続く2025年12月期の売上の78%が3顧客。20-Fは、カナダ・米国政府の契約が「従来、売上の大きな割合を占めてきた」と明記推測
焦点は「損失の削減=製造技術」に移っている20-Fが「残る課題は主に製造の最適化、とくに半導体プラットフォームでの光損失の低減」と述べ、Applied Materials・Corning・Tower Semiconductor・Inception などの製造投資が並ぶ推測
PennyLane は、他社の装置の利用者も呼び込む「入り口」として位置づけられている20-Fが、PennyLaneは「業界のプラットフォームであり戦略的な経路」で、利用者の仕事が「自然に自社の光方式のハードに移る」と期待している事実(会社の説明)
目標の達成には、大幅な桁違いの拡張が必要Auroraの物理量子ビット(モード)は1クロックあたり12個。目標は物理最大10万個、論理最大500個推測
推測の根拠を1つだけ詳しく

目標の「物理10万個で論理最大500個」を割り算すると、論理量子ビット1個に物理量子ビット200個以上を使う計算になります 本稿の計算(100,000÷500=200)。 これは、誤りを直すために必要な「冗長さ」の目安を、会社が200倍以上と見込んでいることを意味します。 一方、Aurora が1クロックで扱える物理量子ビットのモードは12個で、論文は自らを「性能が目標に届かない縮小模型」と呼んでいます 事実。 つまり、現在の実験機と2029〜2030年の目標の間には、規模でも性能でも大きな距離があり、 その距離を埋める主役が光の損失を下げる製造技術だと、本稿は読みます 未確定/将来。

9. 量子コンピュータ分野の提携マッピング

下の図は、年次報告書と公式発表に記載のある関係だけを、種類別に線で分けたものです。

Xanadu を中心とした量子コンピュータ分野の提携関係 2025年12月期 Form 20-F と会社の公式発表に記載のある関係のみ。報道ベースの関係は含まない Xanadu 光・ソフト Applied Materials 300mmのTES検出器の工程 Corning/HyperLight ファイバーと薄膜ニオブ酸リチウム IMEC/SUNY 窒化シリコン・TFLNの工程開発 Tower Semiconductor シリコンフォトニクスの製造 DISCO/Thorlabs ウエハー加工/光ファイバー部品 産業界の共同研究 Volkswagen/Rolls-Royce トヨタ研究所/三菱ケミカル AWS(Braket)/ORNL PennyLaneの提供・連携 DARPA QBI(Stage B) 計画の検証・最大US$15百万 カナダ政府 C$195百万(2026年8月) Crane Harbor(SPAC) 2026年3月に統合・上場 共同開発・共同研究・提供 製造・部材の供給 資金・出資・上場
図2 Xanadu を中心とした提携関係。出典:2025年12月期 Form 20-F、2026年8月の公式発表。図に含めたのは、これらに記載のある関係だけです。線の種類は本稿による整理で 本稿の計算、各社との契約の内容や規模は、本文の出典を参照してください。DARPAとの関係は、2026年10月8日時点で Stage B の参加であり、Stage C へ進んだことを示すものではありません。

10. 提供している技術・製品・サービス

Xanadu の技術は、「光の粒に量子ビットを載せる」ところから始まります。次の図で、全体の流れを3つの部品に分けて見ます。

光量子コンピュータの流れ ― 3つの部品 年次報告書の説明にもとづく、本稿の整理。部品どうしは光ファイバーでつなぐ ① 量子ビット工場 光チップで、誤りに強い 光の状態(GKP)をつくる 成功は検出器で確かめる ここだけ極低温(検出器) ② つなぎ合わせ 光ファイバーで光を待たせ 大きな「もつれた列」に 組み上げる 室温(光ファイバー) ③ 計算・読み出し 光を測って計算を進める 電子回路が誤りを判定 (リアルタイムで復号) 室温(FPGA/ASIC) ポイント:計算の部品をチップで作り、光ファイバーで増設できる形にする 最大の課題は光の損失(光がどこかで少しずつ失われること)。目標の誤り耐性に届くには、さらに下げる必要がある Aurora(2025年):チップ35個・ラック4つ・光ファイバー約13km。論文自身は「性能が目標に届かない縮小模型」と説明
図解 Xanadu が説明する光量子コンピュータの3つの部品の流れ(出典:2025年12月期 Form 20-F、Nature論文)。会社の説明を本稿が図にしたもので 本稿の計算、実際の装置の配置や大きさを示すものではありません。

光で量子ビットを作る、とはどういうことか

  1. 光子を使う:量子ビットを運ぶ入れ物として、光の粒を使います。光は光ファイバーで遠くまで運べるので、小さな部品を後からつなげられる、というのが利点です。
  2. GKP方式で情報を埋める:光の波の「山の高さ」と「ずれ」の2つの値の上に、格子状の模様を作って1ビットを埋め込みます。 小さなずれが起きても、どちらの値だったかを後から見分けやすい形です。
  3. 測定で計算する:まず大きな「もつれた光の列」(クラスター状態)を作っておき、それを順番に測っていくことで計算を進めます(測定ベース量子計算)。 列を時間方向に伸ばす(ファイバーで光を待たせる)ことで、計算が長くなっても光の通る長さが増えにくい、と会社は説明しています。
  4. 誤りは検出して直す:測定結果を専用の電子回路(FPGAやASIC)がリアルタイムで読み、誤りを判定します(qLDPC符号という、誤り訂正の方式の1つを使う計画)。
素材技術者の視点:「室温で計算」と「検出器は冷やす」

20-Fには、「光子を1個ずつ数える検出器(TESや超伝導ナノワイヤ検出器)で成功を確かめる短い段階だけは室温ではない」と明記されています 事実。 つまり「冷凍機が要らない量子コンピュータ」ではなく、冷やす部分を検出器に絞る設計です。 このため、検出器を大量に作る工程(Applied Materialsとの300mm TES工程)が重要になります。 また、光チップは窒化シリコンと薄膜ニオブ酸リチウムの2つの材料の上で作られ、 2026年第2四半期には、これらの外部ファウンドリー(半導体の受託製造会社)での試作の回数が、それぞれ約75%、約50%増えたと発表されました(比較の基準は発表に明記なし) 事実。

光の技術が量子以外にも使われている例

20-Fによれば、Xanadu は米国政府の量子センシング事業向けに、主要な防衛関連企業へ光集積回路(PIC)を供給しています。 また、低損失の光パッケージング技術を、通信分野の企業との実証にも使い始めているとのことです 事実。

Borealis の「量子優位性」は、どう読めばいいか

会社の主張:2022年のNature論文は、Borealis が216個のモードでガウシアンボソンサンプリングを行い、 最良の古典アルゴリズムとスーパーコンピュータでは、厳密な手法で1サンプルあたり平均9,000年超かかるところを、36マイクロ秒で出せると報告しました。 2026年の年次報告書は、同じ成果を「2分間の計算が、世界のトップ5のスーパーコンピュータ『富岳』で約700万年かかる」と説明しており、 論文と年次報告書で数字の表し方が異なります(比較の基準や定義の違いによるもので、本稿では優劣を判断しません) 事実。

その後の議論:同じ「ガウシアンボソンサンプリング」の実験については、光の損失が大きいと古典コンピュータでも再現できるという研究が発表されています。 たとえば2024年のNature Physics論文は、「これまでで最大規模の実験」を、比較的小さな計算資源でシミュレーションできるアルゴリズムを示し、量子優位性の主張に疑問を投げかけています 事実。 ただし、この論文が対象とした実験が Borealis そのものかどうかは、本稿では確認できませんでした。 量子優位性の読み方は、本シリーズの技術解説「量子優位性の読み方」をご覧ください。 なお、Borealisは特定の問題を解く装置で、誤り訂正のある汎用の量子コンピュータではありません。

11. この企業が抱えるリスク

リスク内容区分
商用化前の段階会社自身が、販売できる量子コンピュータはまだ無く、持続的な商用売上も得ていないと明記している事実
技術の実証が途上Aurora の論文は、性能が目標に届かない縮小模型で、光の損失を下げることが最も難しい課題と述べている。目標(2029〜2030年)は将来のもの未確定/将来
資金の持続性2025年末の現金は US$16.2百万で、年次報告書は事業継続への重要な疑義が当初生じたと説明。統合と資金調達で解消。純損失は大きく、追加資金が必要になる可能性に会社自身が言及事実
株式の希薄化最大US$300百万の株式発行枠があり、使えば既存株主の持ち分は薄まる。会社は「機会的に」使うと説明事実
顧客・資金源の偏り売上の78%が3顧客。政府契約は、契約の打ち切りや予算の制約を受けうると年次報告書が記載事実
製造を他社に依存光チップの製造は外部のファウンドリーの工程に依存し、その知的財産の一部は他社のもの。供給元が限られる部品もある事実
政府支援の条件支援には、雇用創出や性能目標などの条件が付く可能性がある事実
内部統制の弱点年次報告書は、財務報告に係る内部統制に「重要な不備」を特定したと記載事実
競合する方式との競争超伝導・イオン・中性原子・シリコンなど、他の方式も開発が進む。どの方式が最初に実用規模に届くかは未確定推測
量子優位性の主張Borealis の主張は、古典側の研究から疑問が示されている分野に属する(上記の囲み参照)事実

12. 用語集

量子ビット
量子コンピュータの計算の最小単位。0と1が重なった状態を使う。
光子
光の粒。Xanadu は、光子に載せた情報で量子ビットを作る。
物理量子ビット/論理量子ビット
物理は部品1つ分でノイズに弱い。論理は誤りを直すために多数の物理量子ビットをまとめたもの。
GKP量子ビット
光の波の2つの値の上に格子状の模様で情報を埋め込む方式。小さなずれに強いとされる。
測定ベース量子計算(MBQC)
先に大きな「もつれた状態」を作り、それを順に測ることで計算する方式。
クラスター状態
多数の量子ビットが網のようにもつれた状態。測定ベース量子計算の「材料」になる。
圧搾光(スクイーズド光)
光の波の片方の値のゆらぎを小さく絞った光。光量子コンピュータの基本の材料。
光子数識別検出器(PNR)
光の粒を1個、2個…と数える検出器。TESや超伝導ナノワイヤ検出器がある。
超伝導転移端センサー(TES)
極低温で使う、光子を数える検出器の一種。
qLDPC符号
誤り訂正の符号の一種。少ない冗長さで誤りを直せる可能性があるとされる。
ガウシアンボソンサンプリング
光を使って特定の確率分布を作る実験。汎用の計算はできない。
量子優位性
特定の問題で、量子コンピュータが古典コンピュータより圧倒的に速いとする主張。企業の主張として読む。
光集積回路(PIC)
光の回路を1枚のチップにまとめたもの。窒化シリコンや薄膜ニオブ酸リチウムの上に作る。
SPAC
特別買収目的会社。非上場企業と合併して、上場企業にするための会社。
Form 20-F
外国企業が米国SECに提出する年次報告書。
PennyLane
Xanadu のオープンソースの量子プログラミング開発キット。
Xanadu の光量子コンピュータの取り組みの概念図(AI生成による概念図。実際の設備や製品を写したものではありません)。
図3 概念画像(ImageGen生成)。Xanadu の光量子コンピュータの取り組みの概念図(AI生成による概念図。実際の設備や製品を写したものではありません)。 実際の製品・施設・寸法・測定結果ではありません。拡大模型と実物スケールの場面は区別してください。

13. 出典

  1. Xanadu Quantum Technologies Limited Form 20-F for the fiscal year ended December 31, 2025(米国SEC提出、2026年4月9日)。事業の概要、財務、従業員数、特許、設備、計画、リスク。 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2097163/000121390026042080/ea0285152-20f_xanadu.htm
  2. Xanadu Quantum Technologies Limited Shell Company Report on Form 20-F(米国SEC提出、2026年4月1日。事象日 2026年3月26日)。SPACとの事業統合の完了と上場。 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2097163/000121390026038614/ea0283946-20f_xanadu.htm
  3. Xanadu Quantum Technologies Limited Form 6-K(米国SEC提出、2026年8月5日)。第2四半期(2026年6月30日まで)の決算発表。現金、売上、研究開発費、純損失、Yorkville Advisorsの株式発行枠、第2四半期の成果。 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2097163/000209716326000020/exhibit991pressrelease-aug.htm
  4. Xanadu Quantum Technologies Limited Form 6-K 添付のプレスリリース(2026年8月28日)。カナダ政府のC$195百万の支援の最終契約。 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2097163/000121390026095089/ea030272601ex99-1.htm
  5. Xanadu Quantum Technologies Limited Form 6-K 添付のプレスリリース(2026年8月28日)。製造拠点「Inception」(トロント、158,000平方フィート)の計画。 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2097163/000121390026095089/ea030272601ex99-2.htm
  6. Crane Harbor Acquisition Corp. Form 8-K 添付のプレスリリース(米国SEC提出、2025年11月3日)。Xanadu との事業統合契約の発表、PIPEの規模と投資家。 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2054174/000121390025104918/ea026354401ex99-1_crane.htm
  7. Aghaee Rad ほか(Xanadu) “Scaling and networking a modular photonic quantum computer”, Nature 638, 912–919(2025年1月22日)。Aurora。 https://doi.org/10.1038/s41586-024-08406-9
  8. Larsen ほか(Xanadu) “Integrated photonic source of Gottesman–Kitaev–Preskill qubits”, Nature 642, 587–591(2025年6月4日)。 https://doi.org/10.1038/s41586-025-09044-5
  9. Madsen ほか(Xanadu) “Quantum computational advantage with a programmable photonic processor”, Nature 606, 75–81(2022年6月1日)。Borealis。 https://doi.org/10.1038/s41586-022-04725-x
  10. 米国国防高等研究計画局(DARPA) Quantum Benchmarking Initiative(QBI)の公開ページ。各段階の内容と、参加企業一覧(2026年10月8日時点)。 https://www.darpa.mil/research/programs/quantum-benchmarking-initiative
  11. Oh ほか “Classical algorithm for simulating experimental Gaussian boson sampling”, Nature Physics 20, 1461–1468(2024年6月25日)。ガウシアンボソンサンプリング実験の古典シミュレーション。 https://doi.org/10.1038/s41567-024-02535-8
  12. Xanadu 公式サイト(ロゴの取得、会社概要の確認用)。 https://www.xanadu.ai/

14. 主張と出典の対応表

本文の主張区分出典
法人名、本社所在地、持株会社の設立日(2025年10月2日)、子会社(旧Xanadu、2016年12月設立)事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2097163/000121390026042080/ea0285152-20f_xanadu.htm
SPAC(Crane Harbor)との統合の完了(2026年3月26日)、Nasdaq・TSXでの取引開始(2026年3月27日)、ティッカーXNDU事実出典1・2 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2097163/000121390026042080/ea0285152-20f_xanadu.htm https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2097163/000121390026038614/ea0283946-20f_xanadu.htm
事業統合契約の発表(2025年11月3日)とPIPE(US$275百万)の枠組み事実出典6・1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2054174/000121390025104918/ea026354401ex99-1_crane.htm https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2097163/000121390026042080/ea0285152-20f_xanadu.htm
統合と同時の資金調達が総額約US$302百万(PIPE US$275百万、信託口座US$27百万)事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2097163/000121390026042080/ea0285152-20f_xanadu.htm
売上・研究開発費・純損失・期末現金(2023〜2025年12月期)事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2097163/000121390026042080/ea0285152-20f_xanadu.htm
従業員264人(フルタイム240人、物理学者・技術者152人)、特許70ファミリー(成立33・出願中98)、トロントの施設約48,000平方フィート事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2097163/000121390026042080/ea0285152-20f_xanadu.htm
2025年12月期の売上の78%が3顧客に集中事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2097163/000121390026042080/ea0285152-20f_xanadu.htm
事業継続への重要な疑義が当初生じ、事業統合と資金調達で解消したとの説明事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2097163/000121390026042080/ea0285152-20f_xanadu.htm
財務報告に係る内部統制に重要な不備を特定したとの記載事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2097163/000121390026042080/ea0285152-20f_xanadu.htm
2026年第2四半期の売上US$1.5百万、研究開発費US$19.7百万、純損失US$42.1百万、現金US$312.8百万事実出典3 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2097163/000209716326000020/exhibit991pressrelease-aug.htm
2026年第1四半期の売上US$2.8百万、純損失US$20.6百万事実出典3 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2097163/000209716326000020/exhibit991pressrelease-aug.htm
2026年第1四半期の研究開発費US$17.3百万(第2四半期US$19.7百万、増加額US$2.4百万から逆算)本稿の計算本稿の計算(19.7−2.4=17.3)。元の値は出典3の「US$2.4百万の増加」の記載
Yorkville Advisorsとの最大US$300百万の株式発行枠、第2四半期にUS$67.2百万を調達事実出典3 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2097163/000209716326000020/exhibit991pressrelease-aug.htm
米国の人員が2023年比で5倍超、拠点はニューヨーク州アルバニー、ファウンドリー試作回数の増加(TFLN約75%、SiN約50%)、片面0.085 dBの結合損失事実出典3 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2097163/000209716326000020/exhibit991pressrelease-aug.htm
DARPA QBIのStage A(2025年4月)・Stage B(2025年11月、最大US$15百万)への選定事実出典1・10 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2097163/000121390026042080/ea0285152-20f_xanadu.htm https://www.darpa.mil/research/programs/quantum-benchmarking-initiative
2026年10月8日時点のDARPAのページでXanaduがStage Bの参加企業であり、Stage Cの一覧に含まれないこと事実出典10 https://www.darpa.mil/research/programs/quantum-benchmarking-initiative
米国空軍研究所との4年間の共同研究、メリーランド大学との3年間の提携、Canadian Quantum Champions Program(最大C$23百万)、ASTAR(シンガポール)との覚書事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2097163/000121390026042080/ea0285152-20f_xanadu.htm
カナダ政府の戦略対応基金によるC$195百万の最終契約(2026年8月28日)。2026年3月11日時点の最大C$390百万は「検討中」事実出典4・1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2097163/000121390026095089/ea030272601ex99-1.htm https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2097163/000121390026042080/ea0285152-20f_xanadu.htm
製造拠点「Inception」の計画(トロント、158,000平方フィート、導入予定の装置メーカー)事実出典5 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2097163/000121390026095089/ea030272601ex99-2.htm
トロントの光パッケージング施設(C$10百万、2025年6月23日開設)事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2097163/000121390026042080/ea0285152-20f_xanadu.htm
Borealis:216モード、論文の報告(厳密な手法で1サンプル9,000年超 対 36マイクロ秒)事実出典9 https://doi.org/10.1038/s41586-022-04725-x
年次報告書のBorealisの説明(2分、『富岳』で約700万年)と、論文の数字の表し方が異なること事実出典1・9 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2097163/000121390026042080/ea0285152-20f_xanadu.htm https://doi.org/10.1038/s41586-022-04725-x
Aurora:35チップ、84個の圧搾光源、36個の光子数識別検出器、物理量子ビットのモード12個/クロック、86.4十億モードのクラスター状態、距離2の繰り返し符号、『性能は縮小模型』事実出典7 https://doi.org/10.1038/s41586-024-08406-9
Aurora:4つのラック、約13kmの光ファイバー、室温で動作(会社の説明)事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2097163/000121390026042080/ea0285152-20f_xanadu.htm
光の損失が誤り耐性の達成に向けて支配的で最も難しい課題であるという論文の記述事実出典7 https://doi.org/10.1038/s41586-024-08406-9
GKP光源チップ:窒化シリコン300mmウエハー上、光子数識別検出器と接続、少なくとも4つのピーク、3×3の格子のウィグナー関数の負の領域事実出典8 https://doi.org/10.1038/s41586-025-09044-5
GKP方式・測定ベース量子計算・qLDPC符号・3つの部品(量子ビット工場、つなぎ合わせ、QPUとデコーダー)の説明事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2097163/000121390026042080/ea0285152-20f_xanadu.htm
検出の段階だけは室温ではないという記述(TES、超伝導ナノワイヤ検出器)事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2097163/000121390026042080/ea0285152-20f_xanadu.htm
Applied Materials(300mm TES工程)・Corning・IMEC・SUNY・HyperLight・Tower Semiconductor・DISCO・Thorlabsとの協力事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2097163/000121390026042080/ea0285152-20f_xanadu.htm
HyperLightとの薄膜ニオブ酸リチウム導波路の損失2 dB/m未満(2025年7月の発表。年次報告書の記載)事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2097163/000121390026042080/ea0285152-20f_xanadu.htm
Volkswagen・Toyota Research Institute of North America・Mitsubishi Chemical・Rolls-Royceとのアルゴリズム共同開発事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2097163/000121390026042080/ea0285152-20f_xanadu.htm
PennyLaneのAWS Braket連携、Oak Ridge National Laboratoryとの連携、PennyLane 0.45・Catalyst 0.15の公開事実出典1・3 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2097163/000121390026042080/ea0285152-20f_xanadu.htm https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2097163/000209716326000020/exhibit991pressrelease-aug.htm
米国政府の量子センシング事業向けに防衛関連企業へ光集積回路を供給事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2097163/000121390026042080/ea0285152-20f_xanadu.htm
目標:物理最大10万個・論理最大500量子ビットを2029〜2030年に。2026年は性能改善、2028年までは誤り訂正つき動作の拡大未確定/将来計画であり確定していない。目標の記載は出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/2097163/000121390026042080/ea0285152-20f_xanadu.htm
Borealis以外のガウシアンボソンサンプリング実験に対する古典シミュレーションの研究の存在(Borealis自体への反論かは未確認)事実出典11 https://doi.org/10.1038/s41567-024-02535-8
論理量子ビット1個あたり物理量子ビット200個以上という比率(100,000÷500)本稿の計算本稿の計算。元の数値は出典1の目標値
量子ビットの作り方の類型(4類型)の区分本稿の計算本稿による整理。企業名は本シリーズの例示
自社の量子コンピュータの販売価格・出荷時期・納入先、次の機械の量子ビット数・誤り率未確定/将来本稿で確認した一次資料に記載なし。本稿では推測しない
オンタリオ州の支援の確定の有無と金額、Inceptionの完成時期と投資総額未確定/将来本稿で確認した一次資料に記載なし。本稿では推測しない
他社への出資・買収・合弁・事業売却未確定/将来年次報告書に記載なし。本稿では存在しないとも断定しない(出典1の確認範囲)
売上は政府・研究契約に偏る状況が続くという読み推測売上の集中と政府契約への依存の記載からの本稿の解釈
焦点が光損失の削減=製造技術に移っているという読み推測20-Fの『残る課題は主に製造の最適化』という記述と製造投資の並びからの本稿の解釈
目標の達成には桁違いの拡張が必要という読み推測Auroraの規模(12モード)と目標の比較からの本稿の解釈
競合する方式との競争のリスク推測他の方式の開発状況からの本稿の解釈

最終更新:2026年10月16日/Troy Technical
本稿の数値はすべて、Xanadu が米国証券取引委員会(SEC)に提出した書類、同社の公式発表、DARPAの公開ページ、査読つき論文に基づきます。調査会社の市場推計(年次報告書に引用されているIDCなどの推計)、株価・評価額、報道ベースの数値は使用していません。機器名・ロードマップ・契約・企業構造は2026年10月16日時点の確認で、この分野は変化が速いため、最新の情報は各社の開示で確認してください。「推測」と記した箇所は、一次情報から本稿が読み取った解釈であり、会社の公表内容ではありません。

図版更新:2026年10月17日。本文・出典整理表のベクター作図という表記は、保存した元SVGの由来を示します。現在の主図の形式と読み方は各図下の説明を参照してください。ImageGen画像は実測や実在製品の写真ではなく、元SVG・数値・出典は展開して確認できます。