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コアウィーブ 企業解説

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COMPANY PROFILE / AI・機械学習

コアウィーブ
― AI専用のGPUクラウドを、顧客との長期契約と借入で急拡大させている

2026年6月末のRPO(受注残)は1,037億ドル、稼働電力は1.5GW、契約電力は約3.7GWです。一方で、2025年は売上の67%が最大顧客のMicrosoftで、債務は2026年6月末に約351億ドル(本稿の計算)に増えています。本稿は、AI向けGPUクラウドに特化した会社として、何を投じ、誰と組み、何を目指しているかを一次情報から整理します。契約・投資・データセンターの計画は確認日(2026年10月15日)時点の公表内容で、未確定/将来として扱います。債務・契約の開示は中立に書き、特定の評価は示しません。

構成:CoreWeave, Inc.が米国SECに提出した2025年12月期 Form 10-K・2026年6月期 Form 10-Q・Form 8-Kを一次情報として使用/確認日 2026年10月15日

この記事でわかること
  1. 30秒でわかるCoreWeaveと、AI・機械学習での立ち位置
  2. ロゴと社名の表記について
  3. AI・機械学習の世界で、この会社はどこにいるか
  4. 会社の規模
  5. AI・機械学習にかけているリソース
  6. これまでの取り組み
  7. 今後の計画
  8. この会社はAI・機械学習で何を目指しているか
  9. AI・機械学習分野の提携マッピング
  10. 提供している技術・製品・サービス
  11. この企業が抱えるリスク
  12. 用語集/出典/主張と出典の対応表

1. 30秒でわかるコアウィーブと、AI・機械学習での立ち位置

正式名称CoreWeave, Inc.2017年にデラウェア州の有限責任会社として設立(10-K)
本社・上場米国ニュージャージー州リビングストン
Nasdaq: CRWV
2025年に新規株式公開(10-K)。会計年度は12月31日
この分野での区分クラウド・インフラ(主)
プラットフォーム・導入(従)
AI専用のGPUクラウド。ソフトウェアも自社で提供
中心となるサービスCoreWeave Cloud
(GPUクラウド)
NVIDIA GB200・GB300 NVL72などを提供
売上(2025年12月期)51.3億ドル(前年比 168%増)純損失は11.7億ドル。2024年は19.2億ドル、2023年は2.3億ドル
RPO(2026年6月30日)1,037億ドル2025年12月末は607億ドル。会社の定義で、10-Qの記載
稼働電力と契約電力1.5GW/約3.7GW2026年6月末。「稼働電力」は会社の用語で、IT負荷か受電容量かの定義は記載なし
最大顧客Microsoft(2025年売上の67%)10-Kの記載。2026年第2四半期は上位3顧客が36%・26%・10%(顧客名は10-Qに記載なし)
まず押さえるべき1点

CoreWeaveは、AIの学習・推論に特化したGPUクラウドを、顧客との複数年の「テイク・オア・ペイ」契約を土台に、借入で急拡大して提供する会社です。10-Kによると、顧客は計算容量を一定量、契約期間にわたって購入する約束をします。2025年12月期の売上は51.3億ドル、営業利益はほぼゼロ(マイナス約0.5億ドル)、純損失は11.7億ドルでした 事実。

特徴は、顧客の集中度と債務の大きさです。2025年は売上の67%が最大顧客のMicrosoftで、債務は2025年末の約214億ドルから2026年6月末の約351億ドル(本稿の計算 本稿の計算)に増えました 事実。2025年12月期の純利息費用は売上の約24%(本稿の計算 本稿の計算)にあたります。契約が継続して履行されることが、事業の前提になっています。

2. ロゴと社名の表記について

表記の注意:法人名は CoreWeave, Inc.。社名は「CoreWeave」と1語で、間に空白は入りません。社名と同じ名前の製品名「CoreWeave Cloud」(サービス全体)、「CoreWeave Mission Control」(運用ソフト)、「SUNK」(Slurm on Kubernetes)があります 事実。

公式サイト:https://www.coreweave.com/

3. AI・機械学習の世界で、この会社はどこにいるか

AI・機械学習に関わる企業の4つの類型 同じ「AIの会社」でも、モデル・チップ・クラウド・導入で、強みと売り先が違う モデル開発 チップ・メモリ クラウド・インフラ プラットフォーム モデルとAIを開発する 計算の部品を供給する 計算資源を貸し出す 開発と導入の土台を提供 OpenAI/Anthropic Google/Meta NVIDIA/AMD TSMC/SK hynix Microsoft/AWS Oracle/CoreWeave Hugging Face ほか 研究力と計算資源 性能と供給の確保 設備投資と顧客基盤 開発者との接点の広さ 計算コストと競争に左右 供給制約と投資に左右 稼働率と契約に左右 収益化の道筋が不確実 CoreWeaveはクラウド・インフラが主で、運用ソフトや開発者向けツールがプラットフォームの従 AI専用のGPUクラウドとして、モデル会社や大手IT企業の計算を長期契約で引き受ける
図1 AI・機械学習に関わる企業の4類型と、CoreWeaveの位置づけ。区分は本稿によるもので、企業名は本シリーズで扱う企業から例示しています 本稿の計算。強調した2枠は、AIの計算資源を貸すクラウド・インフラ(主)と、自社の運用ソフトやWeights & Biasesなどの開発者向けツール(従)です。主従の区分は本稿の整理で、10-Kの事業説明に基づきます。

4. 会社の規模

CoreWeaveはAI向けのGPUクラウドに特化しているため、会社全体がこの分野の事業です。数字は2025年12月期Form 10-Kと2026年6月期Form 10-Qによります 事実。

指標(百万ドル)2023年12月期2024年12月期2025年12月期
売上2291,9155,131
営業利益(損失)(14)324(46)
純利息費用(28)(361)(1,229)
純損失(594)(863)(1,167)
現金で支払った設備投資(有形固定資産)―8,700(約)10,300(約)
2026年6月期(10-Q)第2四半期(4〜6月)上半期(1〜6月)
売上(百万ドル)2,575(前年同期 1,212)4,653(同 2,194)
営業利益(損失、百万ドル)(49)(193)
純利息費用(百万ドル)(640)(1,176)
純損失(百万ドル)(626)(1,366)
現金で支払った設備投資(十億ドル)―14.1(前年同期 3.9)
その他の基本情報内容
従業員(2025年12月31日)2,189人(米国1,967人、19か国で222人)
データセンター(2025年12月31日)43か所、稼働電力850MW超。2024年末は32か所・約360MW、2023年末は10か所・約70MW(10-K)
現金(2026年6月30日)55.2億ドル(2025年12月末は31.3億ドル)。リボルビング・クレジットは借入なしで20億ドルの枠
データセンターの保有既存のデータセンターはすべて賃借。ニュージャージー州ケニルワースで、第三者のインフラ開発事業者との合弁により多段階のデータセンター敷地を開発中(10-K)
ここで注意

上の数字は会社全体のものです。CoreWeaveはAI以外の事業をほとんど持たないため、全社の数字がほぼAIクラウドの数字に当たりますが、顧客の用途(学習・推論)や、AIモデル会社向けか一般企業向けかの内訳は10-Kに記載がありません。また、「稼働電力」「契約電力」は会社の用語で、IT負荷か受電容量かは本稿の出典に記載がありません 事実。

5. AI・機械学習にかけているリソース

リソース確認できた内容区分
人2,189人(2025年12月末)。「見習い制度(CoreWeave Apprenticeship)」で若手の人材を育成(10-K)事実
金(設備投資)現金で支払った設備投資は2024年に約87億ドル、2025年に約103億ドル、2026年上半期に141億ドル。10-Kは「2025年より投資を増やす見込み」と述べる。資金は債務・証券の発行、遅延引出型タームローン(DDTL)、OEMの分割払い、手元資金で賄う事実
外部への出資・買収・合弁Weights & Biases(AI開発者向けプラットフォーム)を2025年5月5日に買収、取得対価10.3億ドル(大半は株式)。ほかにOpenPipe、Marimo、Monolith AIを買収。Core Scientificとの合併契約(2025年7月)は、同社の株主が承認せず2025年10月30日に終了。ケニルワースで合弁による敷地開発。NVIDIAは2026年1月にCoreWeaveの株式を20億ドルで取得(出資を受ける側)事実
大学・研究機関・公的資金との連携AIに関する大学との共同研究、NAIRRなど公的資金は、10-K・10-Qに記載なし確認できず
データセンターの電力規模(MW・GW)稼働電力は2025年12月末に850MW超、2026年6月末に1.5GW(約500MW増)。契約電力は約3.1GW→約3.7GW(これから展開する分を含む)。いずれも「IT負荷か受電容量か」の定義は記載なし。NVIDIAとの協業で「2030年までに5GW超のAIファクトリー」を目指す(未確定/将来)未確定/将来

債務・リースの開示(会社の定義のまま)

項目(百万ドル)2025年12月31日2026年6月30日
債務の総額(正味。本稿の計算:償還請求権のある債務と、ない債務の合計)21,37335,068
 うち償還請求権のない債務(non-recourse)6473,663
運営リース負債―16,319
まだ開始していないリース(会社の見積り、割引前の将来支払い)―35,500

10-Qは、まだ開始していないリース(2026〜2029年に開始、期間7〜16年)のほかに、建設費に連動して支払いが決まるリースがあると記載しています。1つの拠点では、393MWの電力が未引き渡しで(2026〜2028年に段階的に引き渡し)、賃料の上限は16年で147億ドル。別の複数拠点でも355MWが未引き渡しです 事実。2026年6月30日の残高(10-Q)は、2031年満期の9.75%優先社債が27.5億ドル、2032年満期の9.625%優先社債が12.5億ドル、2032年満期のユーロ建て優先社債(20億ユーロ)が22.8億ドル、2032年満期の転換社債が40億ドル、遅延引出型タームローン(DDTL)が複数、などです。その後の2026年9月には、2.875%・2033年満期の転換社債(手取り約41.4億ドル)も発行しました。開示された義務の金額であって、CoreWeaveの評価や財務の健全性を示すものではありません。

受注残(RPO)の読み方

CoreWeaveのRPOは、10-Qの定義で「引き渡しが済んでいない(または一部のみ済んだ)履行義務に配分された取引価格の総額。割引など変動対価の見積りを差し引いた額」で、請求済みと未請求の両方を含みます。2025年12月31日は607億ドル(契約の加重平均期間は約5年)、2026年6月30日は1,037億ドルで、41%が最初の24か月(2028年6月まで)、39%が25〜48か月、残り(約20%、本稿の計算)が49〜78か月に収益になる見込みです 事実。

2026年8月11日の決算発表は「収益バックログ」を約1,040億ドルと述べ、「RPOに加えて、契約済みの顧客との契約から将来収益になると見込む金額を含む」と定義しています(10-QのRPOとは範囲が異なる)。また「第3四半期の初めに加わった250億ドル超の新規契約はこれに含まれない」と注記しています 事実。契約は「引き渡しとサービスの可用性の要件を満たすこと」に左右されるため、金額が大きくても、その通りに収益になるとは限りません 未確定/将来。

6. これまでの取り組み

時期できごと意味
2017年デラウェア州の有限責任会社として設立(10-K)設立年のみ確認。創業の経緯は本稿の出典に詳細なし
2025年3月OpenAIと基本サービス契約。OpenAIは最大約119億ドル(2030年10月まで)を支払うと約束(10-K)。この年に新規株式公開も実施(10-Kの記載。月は本稿の出典に記載なし)AIモデル会社との大型契約と上場が同じ年に重なった
2025年5月5日Weights & Biasesを買収(取得対価10.3億ドル、大半は株式)計算資源に加えて、開発者向けのソフトウェアを持った
2025年7月〜10月Core Scientificとの合併契約を結んだが、同社の株主の承認が得られず、2025年10月30日に終了データセンター事業者の取り込みは実現せず
2025年9月OpenAIと追加の発注書(最大約65億ドル、2031年5月まで)。Metaと発注書(当初最大約142億ドル、2031年12月まで)顧客の多様化が進んだ
2026年1月26日NVIDIAが20億ドルを出資(1株87.20ドル)し、「2030年までに5GW超のAIファクトリー」の構築を加速する協業の枠組みを発表主要なGPU供給元が株主になった
2026年3月31日Metaと新しい発注書。Metaは約210億ドル(2032年までの新しい計算容量と、既存オプションの行使を含む)を支払うと約束(8-K)最大顧客の構成が変わった
2026年8月11日2026年第2四半期の決算。稼働電力を約500MW増やして1.5GW、契約電力は約3.7GW、収益バックログは約1,040億ドル電力の稼働が加速している
2026年9月17〜22日転換社債(2.875%、2033年満期)の発行と、最大3,500万株の株式売出契約(ATM)を発表資金調達を続けている

7. 今後の計画

AIファクトリーの構築2030年までに5GW超NVIDIAとの協業の枠組み。追加の契約と条件の達成が前提
契約電力約3.7GWを順次展開2026年6月末。展開の時期は記載なし
NVIDIA Rubin2026年下半期に導入予定10-Kの記載。Vera Rubin NVL72の立ち上げと検証は第2四半期に完了と発表
開始前リース355億ドル2026〜2029年に開始。ほかに建設費連動のリースあり

上の項目はすべて会社の目標・計画で、実現を保証するものではありません 未確定/将来。10-Qは「2025年より技術・インフラへの投資を増やす見込み」と述べ、2026年9月17日には最大3,500万株を売り出せる契約を結んでいます 事実。

確認できなかったこと

次はいずれも、本稿の出典に記載がありません 未確定/将来。

稼働電力・契約電力がIT負荷か受電容量か/GPUの保有台数/契約の用途(学習・推論)の内訳/各拠点の稼働開始日/Microsoft・OpenAI・Metaとの契約の解約条件。報道や決算説明会の発言にある数字は、本稿では採用しません。

8. この会社はAI・機械学習で何を目指しているか

ここには、会社が直接述べていない部分を含みます。一次情報から読み取れる範囲の推測として、根拠とともに書きます。

読み取れること根拠となる一次情報区分
顧客を分散させ、Microsoft依存を下げようとしている最大顧客の売上比率は2025年に67%。OpenAIとMetaの大型契約が加わり、2026年第2四半期は上位3顧客が36%・26%・10%に推測
GPUの最新世代を最初に導入することが競争力の中心10-Kが「最新の世代を最初に提供する」ことを強調し、NVIDIAとはRubin・Vera CPUの早期導入で協業推測
ソフトウェアで収益の質を高めたいWeights & Biases、Mission Control、SUNKなどを「単一のスタック」として提供すると10-Kが説明推測
設備投資を債務で先行させ、顧客契約で回収する資産単位の債務(DDTL)を「テイク・オア・ペイ」の顧客契約で支える、と10-Kが説明事実
自社でデータセンターを開発する方向にも踏み出しているケニルワースの合弁。10-Kは「第三者に頼らず自社で開発し始めている」と述べ、経験の少なさをリスクに挙げる事実
推測の根拠を1つだけ詳しく

10-Kは、顧客が「計算容量を一定量、契約期間にわたって購入するテイク・オア・ペイ」で契約し、インフラ開発の資金を「資産単位の債務(顧客契約が裏付け)で調達し、会社全体の株式・債務で補う」と説明しています 事実。

この構造から、本稿は「顧客との契約が、そのまま借入の担保・返済原資になっている」と読み、顧客の入れ替わりが少ないほど資金調達が安定すると考えます 未確定/将来。ただし、各契約の解約条件や、DDTLの返済条件が顧客の履行にどこまで連動するかは10-Kに全文が書かれておらず、確認できません。

9. AI・機械学習分野の提携マッピング

CoreWeaveを中心としたAI・機械学習の提携関係 会社の提出書類(10-K、10-Q、8-K)に記載のある関係のみ。確認日 2026年10月15日 CoreWeave GPUクラウド Microsoft 最大顧客(2025年売上の67%) OpenAI 最大約119億+65億ドル Meta 約210億ドルの発注 NVIDIA GPU供給・20億ドルの出資 Core Scientific 合併契約は2025年10月に終了 Weights & Biases 2025年5月に買収 顧客契約 GPU・設備の供給 買収・出資
図2 CoreWeaveを中心としたAI・機械学習の提携関係。出典:2025年12月期Form 10-K、2026年6月期Form 10-Q、Form 8-K。図に含めたのは提出書類に記載のある関係だけです。契約金額は「最大」や「当初」の約束額で、実際の支払い額ではありません。NVIDIAは供給元であり、2026年1月から株主でもあります。Core Scientificとの合併契約は成立せず終了しており、点線で示しました。

10. 提供している技術・製品・サービス

製品・設備規模・仕様(開発元公称)段階日付・出典
CoreWeave Cloud(インフラ)NVIDIA GB200・GB300 NVL72を含むGPUクラスター。ネットワークにNVIDIA Quantum-X800(800Gbps)、Quantum-2 InfiniBand、Spectrum-Xを使用。CPUはAMDとIntel提供中10-K(2026年3月2日)
ネットワークデータセンターを結ぶ自社の広域ネットワーク(北米と欧州)。顧客は10・100・400Gbpsで接続。「Zero Egress Migration」でデータ転送の費用を減らす/なくすプログラム提供中10-K
運用ソフトMission Control(配備・スケジューリング・監視)、SUNK(Slurm on Kubernetes)、独自のストレージ提供中10-K
Weights & BiasesAI研究者・開発者向けのモデル学習の追跡とアプリ開発のツール。2025年5月に買収提供中10-K
NVIDIA Vera Rubin NVL722026年第2四半期に「業界で初めて」立ち上げと検証を完了したと会社が発表。顧客への提供開始は2026年下半期を予定(10-K)立ち上げ検証済み(提供は未確定/将来)決算発表(2026年8月11日)
素材技術者の視点:高密度化は「冷却」と「配線距離」の勝負

10-Kは、業界のデータセンターがラックあたりの密度と電力の増加に向かい、冷却の要求が大きく上がっていると述べます 事実。CoreWeaveは閉ループ式の液冷で、より高い電力密度とラックの近接配置を可能にし、水の使用量を大きく減らす設計だと説明しています。

10-Kは、提供する製品として「GB200・GB300 NVL72」を挙げ、ネットワークにはNVIDIA Quantum-X800(800Gbps接続)などを使い、低遅延のネットワークを構成すると説明します。また10-Kは、チップの供給網(NVIDIAがTSMCなどに依存すること)や、データセンターの電力・設備の調達の長いリードタイムをリスクとして挙げています。本シリーズの技術解説「AIデータセンターの電力と冷却」「学習クラスターとインターコネクト」も併せて参照してください。

11. この企業が抱えるリスク

リスク内容区分
顧客の集中2025年は売上の約67%が最大顧客のMicrosoft。2026年第2四半期は上位3顧客が36%・26%・10%。10-Kは、少数の顧客の支出や履行が減ると業績に大きな悪影響があると記載事実
顧客の信用・履行OpenAIは未上場企業で、10-Kは「顧客が破綻などで支払えない場合、余剰の容量と、部品・設備・データセンターのリース費用を抱える可能性」を挙げる事実
債務の大きさ債務は約351億ドル(2026年6月末、本稿の計算)。2025年12月期の純利息費用は12.3億ドルで売上の約24%(本稿の計算)。10-Qは「多額の債務が事業に重大な悪影響を及ぼし得る」と記載。開示された義務であって、CoreWeaveの財務健全性への評価ではありません事実
営業損益と純損失2025年12月期は営業損失0.46億ドル、純損失11.7億ドル。2026年上半期も純損失13.7億ドル事実
データセンターは賃借、遅延のリスクすべて賃借で、第三者の施設の障害や、自社開発の遅れで引き渡しが遅れる可能性を10-Kが記載事実
供給元への依存限られた供給元に部品を依存し、NVIDIAの供給網(TSMCなど)にも依存する、と10-Kが記載事実
受注残の収益化RPOは「引き渡しと可用性の要件を満たすこと」に左右され、変動対価の見積りを含む。四半期ごとに増減する可能性を10-Kが記載事実
訴訟2026年1月12日に証券集団訴訟、2月10日に株主代表訴訟が提起されたと10-Kが記載。係属中であり、本稿は結論を推測しません事実
M&Aの不成立Core Scientificとの合併契約は、同社の株主の承認が得られず終了事実

12. 用語集

テイク・オア・ペイ
顧客が使っても使わなくても、約束した量の対価を支払う契約の方式。
RPO(CoreWeaveの定義)
引き渡しが済んでいない履行義務に配分された取引価格の総額。変動対価の見積りを差し引く。
収益バックログ
会社が決算発表で使う指標。RPOに加え、契約済みの顧客との契約から将来収益になると見込む金額を含む。
DDTL
Delayed Draw Term Loan。遅延引出型のタームローン。設備の調達に合わせて、複数回に分けて借りる。
非遡及(non-recourse)債務
返済の請求先が特定の子会社の資産に限られ、親会社には及ばない債務。
稼働電力/契約電力
会社の用語。稼働しているデータセンターの電力/契約済みでこれから展開する電力。IT負荷か受電容量かは記載なし。
SUNK
Slurm on Kubernetes。大規模なAIの学習ジョブを管理するCoreWeaveの運用ソフト。
AIファクトリー
NVIDIAが使う、AIの学習・推論を大規模に行うデータセンターの呼び方。
GPUラックを貸し出すサービスの裏側にある、通信・電力・冷却設備の例です。台数は事業規模を表しません。
図3 概念画像(ImageGenで生成)。GPUラックを貸し出すサービスの裏側にある、通信・電力・冷却設備の例です。台数は事業規模を表しません。 実際の施設・製品・測定結果ではありません。

13. 出典

  1. CoreWeave Form 10-K for the fiscal year ended December 31, 2025(米国SEC提出、2026年3月2日)。事業内容、売上・損益、稼働電力・契約電力、RPO、顧客集中、債務、リスク要因、買収。 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1769628/000176962826000104/crwv-20251231.htm
  2. CoreWeave Form 10-Q for the quarterly period ended June 30, 2026(米国SEC提出、2026年8月12日)。2026年上半期の実績、RPO 1,037億ドル、債務、リース、顧客集中。 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1769628/000176962826000366/crwv-20260630.htm
  3. CoreWeave Form 8-K(2026年8月11日提出)のExhibit 99.1「CoreWeave Reports Strong Second Quarter 2026 Results」。収益バックログ、稼働電力、契約電力。 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1769628/000176962826000362/coreweave2q26earningspress.htm
  4. CoreWeave Form 8-K(2026年1月26日提出)のExhibit 99.1「NVIDIA and CoreWeave Strengthen Collaboration to Accelerate Buildout of AI Factories」。NVIDIAの20億ドルの出資と協業の枠組み。 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1769628/000176962826000044/ex991pressrelease_final.htm
  5. CoreWeave Form 8-K(2026年4月9日提出、Item 8.01)。Metaとの新しい発注書(約210億ドル)。 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1769628/000176962826000154/crwv-20260331.htm
  6. CoreWeave Form 8-K(2025年10月31日提出、Item 1.02)。Core Scientificとの合併契約の終了。 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1769628/000095010325014006/dp236631_8k.htm
  7. CoreWeave Form 8-K(2026年9月22日提出、Item 1.01・3.02)。転換社債の発行条件。 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1769628/000176962826000432/crwv-20260917.htm
  8. CoreWeave Form 8-K(2026年9月17日提出)。転換社債の募集開始と、最大3,500万株の株式売出契約(ATM)。 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1769628/000176962826000429/crwv-20260917.htm
  9. CoreWeave 公式サイト(会社の確認用。ロゴは同サイトの配信元から取得)。 https://www.coreweave.com/

14. 主張と出典の対応表

本文の主張区分出典
正式名称・設立・本社・Nasdaq上場、従業員数、データセンターと電力の推移(2023〜2025年)事実出典1・9 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1769628/000176962826000104/crwv-20251231.htm https://www.coreweave.com/
売上・営業損益・純利息費用・純損失・設備投資(2023〜2025年12月期)、RPO 607億ドルと加重平均期間、顧客集中(Microsoft 67%)、OpenAI・Metaの契約額、債務の内訳事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1769628/000176962826000104/crwv-20251231.htm
2026年上半期の売上・損益・設備投資、RPO 1,037億ドルと内訳、債務の内訳、リース、顧客集中、OpenAI・Metaの契約額事実出典2 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1769628/000176962826000366/crwv-20260630.htm
収益バックログ約1,040億ドル、稼働電力1.5GW、契約電力約3.7GW、Vera Rubin NVL72の検証事実出典3 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1769628/000176962826000362/coreweave2q26earningspress.htm
NVIDIAの20億ドルの出資と5GW超の協業の枠組み事実出典4 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1769628/000176962826000044/ex991pressrelease_final.htm
Metaとの新しい発注書(約210億ドル)事実出典5 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1769628/000176962826000154/crwv-20260331.htm
Core Scientificとの合併契約の終了事実出典6 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1769628/000095010325014006/dp236631_8k.htm
転換社債(2.875%、手取り約41.4億ドル)事実出典7 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1769628/000176962826000432/crwv-20260917.htm
最大3,500万株の株式売出契約(ATM)事実出典8 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1769628/000176962826000429/crwv-20260917.htm
債務の総額約351億ドル、純利息費用が売上の約24%、RPOの「残り約20%」本稿の計算本稿の計算(出典1・2の数字から算出)
4類型の区分(クラウド・インフラが主、プラットフォーム・導入が従)本稿の計算本稿による整理。出典1の事業説明に基づく
稼働電力・契約電力がIT負荷か受電容量か、GPUの保有台数、契約の用途の内訳未確定/将来出典1〜3に記載なし。報道の数字は採用しない https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1769628/000176962826000104/crwv-20251231.htm
大学・公的資金との連携未確定/将来出典1・2に記載なし。存在しないとも断定しない https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1769628/000176962826000366/crwv-20260630.htm
2030年までに5GW超、契約電力3.7GWの展開、Rubinの導入、開始前リースの開始未確定/将来出典1・2・4 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1769628/000176962826000104/crwv-20251231.htm https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1769628/000176962826000366/crwv-20260630.htm https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1769628/000176962826000044/ex991pressrelease_final.htm
顧客を分散させようとしているという読み推測顧客比率の変化と新しい大型契約からの本稿の解釈
最新世代のGPUを最初に導入することが競争力の中心という読み推測10-Kの説明とNVIDIAとの協業からの本稿の解釈
ソフトウェアで収益の質を高めたいという読み推測10-Kの製品説明からの本稿の解釈
顧客契約が借入の返済原資になっているという読み推測10-Kの資金調達の説明からの本稿の解釈

最終更新:2026年10月15日(確認日)/Troy Technical
本稿の数値は、CoreWeave, Inc.が米国証券取引委員会(SEC)に提出した書類に基づきます。調査会社の推計値・報道ベースの数値は使用していません。サービスの性能値は開発元の公称で、第三者の測定ではありません。「推測」と記した箇所は、一次情報から本稿が読み取った解釈であり、会社の公表内容ではありません。契約・投資・データセンターの計画は2026年10月15日時点の公表内容です。係属中の訴訟について本稿は結論を示しません。