キラルスズペロブスカイト|室温バレー分極14.9%の世界記録と性能

City University of Hong Kong 香港
概要
香港城市大学と復旦大学の共同チームが、鉛フリーのキラルスズペロブスカイトヘテロ構造を用いて、室温でのバレー分極において世界記録となる14.9%を達成しました。この成果は、キラル分子シード層が界面でのキラル誘起スピン選択性(CISS)効果を増幅し、外部磁場や極低温冷却なしでこの高い分極度を実現したものです。スピントロニクス応用の新たな道を開く可能性を秘めています。
詳細

主要成果

香港城市大学と復旦大学の共同研究チームは、鉛フリーのキラルスズペロブスカイトヘテロ構造を利用して、室温におけるバレー分極の世界記録となるピークバレー分極度14.9%を達成しました。これは、外部磁場や極低温冷却といった特別な条件を必要としない全固体システムでの画期的な成果です。

技術・製品詳細

研究では、キラル分子シード層を導入することで、ヘテロ構造界面におけるキラル誘起スピン選択性(CISS)効果を増幅させることに成功しました。CISS効果は、キラルな媒質中を通過する電子のスピンが選択的に偏る現象であり、この研究ではこれを効率的に利用して、非磁性材料でありながらも室温で高いバレー分極を実現しました。この鉛フリーの2Dヘテロ構造は、環境負荷を低減しつつ、次世代のスピントロニクスデバイスへの応用可能性を広げるものです。

背景・業界文脈

バレー分極は、電子が持つ「バレー」と呼ばれる量子自由度を利用して情報を符号化するスピントロニクスの基盤技術の一つです。従来のバレー分極技術は、外部磁場や極低温環境が必要となるため、実用化が困難でした。室温で、かつ鉛フリーの材料で高いバレー分極を達成することは、環境に優しく、より広範なデバイス応用に向けた大きなブレークスルーとなります。

今後の展望

この世界記録的な室温バレー分極の達成は、次世代の低消費電力かつ高速な情報処理デバイスや量子コンピュータの開発に新たな道を開く可能性があります。特に、鉛フリーであることは、環境規制が厳しくなる現代において、持続可能な技術開発の観点からも重要です。今後、この技術を基盤とした新しいスピントロニクスデバイスの実用化に向けた研究開発が加速すると期待されます。

元記事: https://www.cityu.edu.hk/en/mne/news-publications-seminars/2026-10-09-chiral-seeds-break-room-temperature

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