LONGiのタンデム太陽電池|効率35.5%達成と2028-30年の量産時期

Medium (by Yury Erofeev) 中国
概要
中国の太陽光発電大手LONGiは、ペロブスカイト-シリコンタンデム太陽電池において、世界最高となる35.5%の電力変換効率を達成し、単接合太陽電池のShockley-Queisser限界(33.7%)を実質的に打ち破りました。この成果は、ペロブスカイト層とシリコン層を組み合わせることで、より広範囲の太陽光スペクトルを効率的に利用できることを示しています。この記録達成からわずか2日後にはQcellsもタンデムモジュールのIEC 61215認証を発表し、タンデム技術の商業化が加速する兆候を示しており、2028年から2030年の間に大量生産が予定されています。
詳細

主要成果

中国の太陽光発電大手LONGiは、ペロブスカイト-シリコンタンデム太陽電池において、驚異的な35.5%の電力変換効率を達成し、従来の単接合太陽電池におけるShockley-Queisser限界(約33.7%)を打ち破る快挙を成し遂げました。これは、太陽電池技術の歴史における画期的なマイルストーンであり、次世代太陽電池の商業化に大きな弾みをつけるものです。

技術・臨床詳細

ペロブスカイト-シリコンタンデム太陽電池は、高バンドギャップのペロブスカイト層が可視光スペクトルを吸収し、低バンドギャップのシリコン層が近赤外スペクトルを吸収することで、単一材料では実現不可能な広範囲の太陽光エネルギーを変換できます。LONGiの35.5%という効率は、このタンデム構造が持つ理論的ポテンシャルを実証したものであり、材料科学、界面工学、およびデバイス設計における高度な最適化によって達成されました。この成果は、特にキャリアの再結合損失を最小限に抑え、各層からの電荷抽出効率を最大化する技術革新が寄与したと考えられます。この記録は、タンデム太陽電池の新しいShockley-Queisser限界(約43%)に向けて、さらなる効率向上への道を開くものです。

背景・業界文脈

太陽光発電の効率向上は、地球温暖化対策とエネルギーコスト削減の両面で極めて重要です。従来のシリコン太陽電池は既に成熟技術であり、その効率向上は緩やかになっています。しかし、ペロブスカイト-シリコンタンデム技術は、既存のインフラを活用しながらも大幅な効率向上を可能にするため、業界の注目を集めてきました。LONGiのこの記録は、世界的な研究競争が激化する中で、中国企業が最先端技術開発においてリーダーシップを発揮していることを示しています。また、この発表のわずか2日後にはQcellsがペロブスカイト-シリコンタンデムモジュールのIEC 61215およびUL安全試験認証をパスしたことを明らかにしており、技術の信頼性と実用化への期待が高まっています。

今後の展望

LONGiが達成した35.5%の効率は、ペロブスカイト-シリコンタンデム太陽電池が、今後数年で太陽光発電市場の主流となる可能性を強く示唆しています。Qcellsの認証取得と合わせた動きは、研究室レベルの成果が商業製品へと着実に移行していることを意味します。大量生産は2028年から2030年の間に予定されており、これにより、太陽光発電の設置面積あたりの発電量が大幅に増加し、土地利用効率の向上や、より低コストでの電力供給が可能となるでしょう。この技術は、特に設置面積が限られる都市部や、再生可能エネルギー導入目標の達成を目指す国々にとって、ゲームチェンジャーとなることが期待されます。

元記事: https://techvogue.blog/blog/longi-shatters-shockley-queisser-limit-355

毎週の技術動向レポートを無料でお届け

各分野の分析レポートを読む価値があるかどうか一目で判断できるインフォグラフィックをメールで受け取れます。

📢 メールマガジンに無料登録(週刊・技術動向レポート)

ご登録いただくと、Troy-Technical から週刊で技術動向レポート(メールマガジン)をお届けします。

  • 取得したメールアドレス・選択分野は配信目的にのみ使用します。
  • 第三者へ提供することはありません。
  • 配信はいつでも解除できます(各メール下部のリンクから)。

詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。

登録は1分・いつでも解除できます

この記事は Troy-Technical が公開しています。素材メーカーで技術開発に携わってきた技術者が、個人で運営しているサイトです。
運営者について / お問い合わせ info@troy-technical.jp
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次