主要成果
キヤノンは、NTTが推進するIOWNオールフォトニクスネットワーク(APN)の超高速・低遅延通信インフラを活用し、自社の体積ビデオ技術とMREAL複合現実(MR)システムを統合した、遠隔地でのリアルタイムスポーツ観戦デモンストレーションを世界で初めて成功させた。この画期的な実験は、2026年アジア大会のバスケットボールの試合を対象に行われ、競技会場の3D空間データをリアルタイムで遠隔地に再現し、MRデバイスを装着したユーザーが自由に視点を変えてライブ観戦できるという新たな体験を提供した。
技術・臨床詳細
デモンストレーションでは、競技会場に約100台のカメラを設置し、試合のあらゆる角度から体積ビデオデータを取得した。これらの膨大な3D空間データは、NTTのIOWN APNを通じて、超低遅延かつ大容量で遠隔地の視聴環境へと伝送された。IOWN APNは、エンド・ツー・エンドで光信号を直接伝送することで、従来の電気信号変換に伴う遅延や損失を排除する。遠隔地のユーザーは、キヤノンのMREAL MRヘッドセットを装着し、再現された3D空間内で仮想の視点から試合を視聴した。これにより、まるでその場にいるかのような臨場感と、自身の好きなアングルで試合を追体験できる柔軟性を両立させた。従来の2D映像配信とは一線を画す、真に没入型の体験が提供された。
背景・業界文脈
スポーツ観戦のデジタル化は進むものの、遠隔地からの視聴では現場の臨場感を完全に再現することが課題だった。また、AR/VR/MR技術は急速に発展しているものの、そのポテンシャルを最大限に引き出すためには、データ伝送における超低遅延と大容量が不可欠である。NTTのIOWN構想は、この情報通信インフラの課題を解決するものであり、キヤノンの体積ビデオとMR技術は、その上で新たなエンターテイメント体験を創出するアプリケーションとして位置づけられる。今回のデモンストレーションは、両社の技術が融合することで、未来のスポーツ観戦だけでなく、遠隔医療やリモートワークなど多岐にわたる分野に応用される可能性を示唆している。
今後の展望
今回の成功は、IOWN APNが提供する高容量・低遅延の光通信インフラが、MR技術を用いた次世代のリアルタイム体験を可能にする強力な基盤であることを実証した。キヤノンとNTTは、今後もこの技術連携を深め、より高度な体積映像技術とMRシステム、そしてIOWN APNの発展を通じて、スポーツエンターテイメントだけでなく、様々な産業分野での革新を目指すだろう。特に、XR技術の普及が本格化する中で、このようなリアルタイムでの高精細な空間情報共有は、新たなビジネスモデルの創出に繋がり、Society 5.0の実現に向けた重要なマイルストーンとなる。
元記事: https://global.canon/en/news/2026/20260925.html
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