TECHNOLOGY EXPLAINER
バイオマーカーと臨床評価指標
― 「早く測れるもの」で「本当に知りたいこと」を代用する技術
新しい薬が本当に役に立つかは、最終的には「患者がどう感じ、どう機能し、生き延びるか」で決まります。 しかしそれを確かめるには長い時間がかかります。そこで血液の値や画像上の腫瘍の縮小のような、 早く測れる指標で代用する——この「代用」が、どこまで許され、どこで外れるのかを整理します。
- バイオマーカーと臨床評価指標(3行でつかむ)
- BESTの定義 ― バイオマーカーの種類
- 「測るもの」と「確かめたいもの」 ― 代替エンドポイントの3段階
- がん領域の評価指標 ― OS・PFS・奏効率
- 本稿の計算:効果が小さいほど、必要な「イベント数」は急に増える
- 代替エンドポイントが外れたとき ― CASTの教訓
- 素材技術者の視点①:代替エンドポイントは「加速試験」に似ている
- 迅速承認と代替エンドポイント
- コンパニオン診断 ― 薬と検査をセットで承認する
- 素材技術者の視点②:測定は「材料の系」である
- 課題と、まだ決まっていないこと
- 用語集/参考資料/出典対応表
事実=公表資料に記載のある内容(出典リンクあり)
本稿の計算=明示した前提をもとに本記事が算出した値
未確定/将来=計画・目標であり、実績が確認できていない事項
このほか、構造の整理や材料・計測設計上の読み取りは「解説」として区別しています。
本記事は臨床開発の「測り方」と規制の仕組みの解説です。個々の薬や検査の効果・安全性を評価するものではなく、 医療上の助言でもありません。薬どうし、検査どうしの優劣も論じません。 本文に出てくる試験や製品は、評価指標の考え方を説明するための例としてのみ扱います。 治療や検査についての判断は、必ず医療従事者にご相談ください。
1. バイオマーカーと臨床評価指標(3行でつかむ)
- バイオマーカーとは:FDAとNIHの共同作業部会がまとめた用語集(BEST)は、「正常な生物学的過程、病的過程、または治療的介入を含む曝露や介入に対する生物学的反応の指標として測定される、定義された特性」としています事実。分子・組織・画像・生理学的な特性を含みます
- 何ではないか:同じ定義は、バイオマーカーは「個人がどう感じ、どう機能し、どう生存するかの尺度ではない」とはっきり書いています事実。これを測るのが臨床アウトカムです
- なぜ重要か:臨床アウトカムは確かめるのに時間がかかります。そこで臨床的有益性を予測すると期待されるバイオマーカーを、試験の評価項目(代替エンドポイント)として使うことがあります。ここに「速さ」と「確かさ」の交換が生まれます
代替エンドポイントは「本物の答え」ではなく、「本物の答えを予測する測定値」です。 BESTは代替エンドポイントについて「それ自体では主たる関心である臨床的有益性を測定しない」と定義しています事実。 だから米国の制度では、代替エンドポイントをどこまで検証済みかによって段階に分け、 検証が十分でないものに頼って承認した場合には、承認後に本物の有益性を確かめる試験を求めています事実。
2. BESTの定義 ― バイオマーカーの種類
BEST(Biomarkers, EndpointS, and other Tools)は、FDAとNIHの作業部会が2016年1月28日に公開し、 2025年1月16日に最終改訂された用語集です事実。 用語の意味が研究者・企業・規制当局でずれないようにするための「共通辞書」の役割を持ちます(本記事による解説)。 現行の用語集は、バイオマーカーの種類として次の8つを挙げています事実。
| 種類 | BESTの定義(要旨) |
|---|---|
| 感受性/リスク | 現時点で臨床的に明らかな疾患がない人について、疾患を発症する可能性を示す |
| 診断 | 疾患の存在を検出・確認する、または疾患の亜型をもつ人を特定する |
| モニタリング | 疾患の状態、あるいは医薬品や環境因子への曝露(またはその影響)を評価するために繰り返し測定する |
| 予後 | 疾患をもつ患者で、臨床イベント・再発・進行の起こりやすさを特定する |
| 予測 | そのバイオマーカーをもたない似た人に比べて、医薬品などへの曝露で好ましい(または好ましくない)効果を経験しやすい人を特定する |
| 反応 | 医薬品などに曝露された人で、生物学的反応が起きたことを示す。薬力学的バイオマーカーと代替エンドポイントとしてのバイオマーカーを含む |
| 安全性 | 曝露の前後に測定し、有害作用としての毒性の可能性・有無・程度を示す |
| 多成分 | 2つ以上の個別のバイオマーカーを定められた方法で組み合わせて解釈するもの |
すべて事実(BEST 用語集[参考資料1])。日本語の表現は本記事による要約です。
薬力学的バイオマーカーについては、BESTは「有効性や疾患の転帰について必ずしも結論を導くことなく、医薬品の生物学的活性を示す」ものとし、 用途として概念実証、用量選択の補助、反応の測定を挙げています事実。 「薬が効いている証拠」ではなく「薬が体に届いて何かを起こしている証拠」——この区別が、以下の話の土台になります(本記事による解説)。
3. 「測るもの」と「確かめたいもの」 ― 代替エンドポイントの3段階
BESTはエンドポイントを「特定の研究課題に答えるために統計的に解析される、関心のある転帰を反映することを意図した、精密に定義された変数」としています事実。 そのうえで、代替エンドポイントを次のように定義しています。
「臨床試験において、患者がどう感じ、どう機能し、どう生存するかを直接測る代わりに用いられるエンドポイント。代替エンドポイントは、それ自体では主たる関心である臨床的有益性を測定しないが、疫学的、治療的、病態生理学的、またはその他の科学的根拠にもとづいて、その臨床的有益性または害を予測すると期待される」事実
さらに、米国の規制上の立場からは臨床的な検証の程度によって3段階に分けられるとしています事実。
| 段階 | BESTの定義(要旨) | 承認での使われ方 |
|---|---|---|
| 検証済み (validated) | 明確な機序上の根拠と、臨床データによる強い証拠があり、その指標への効果が特定の臨床的有益性を予測するもの | 定められた文脈で、臨床的有益性を直接示す追加試験なしに承認を支持しうる |
| 合理的に予測しうる (reasonably likely) | 強い機序上・疫学上の根拠はあるが、検証済みと示すだけの臨床データがないもの | 迅速承認に使われうる。承認後の確認試験が求められてきた |
| 候補 (candidate) | 臨床的有益性を予測する能力がまだ評価中のもの | — |
すべて事実(BEST 用語集[参考資料1])。BESTは、検証済み代替エンドポイントは米国の規制上「ほとんどの場合バイオマーカーを指す」としています。
米国の法律(FD&C法507条(e)(9))も、代替エンドポイントを「臨床検査値、画像、身体所見、その他の尺度などのマーカーであって、それ自体は臨床的有益性の直接的な測定ではないもの」とし、 臨床的有益性を予測することが知られていれば通常承認、合理的に予測しうるなら迅速承認を支持しうる、と2つに分けています事実。 FDAはこの条文にもとづき、承認・許可の根拠になった代替エンドポイントの一覧表を公開し、6か月ごとに更新するとしています事実。 表には、たとえば高血圧の「血圧」、2型糖尿病の「血清HbA1c」、高コレステロール血症の「血清LDLコレステロール」が通常承認の根拠として載っています事実。
4. がん領域の評価指標 ― OS・PFS・奏効率
代替エンドポイントがもっとも頻繁に議論されるのが、がんの領域です。 FDAは2018年12月のガイダンスで、がんの薬の承認に使われる評価指標を整理しています事実。
| 指標 | 定義(ガイダンスの記述) | 長所(ガイダンスの表) | 短所(ガイダンスの表) |
|---|---|---|---|
| 全生存期間 (OS) | 無作為割付から、原因を問わない死亡までの時間。ITT集団で測る | 容易かつ精密に測れる。客観的・定量的な評価にもとづく | 対照群から治療群への切り替えや後治療の影響を受けうる。長い追跡が必要。がん以外の死亡も含む |
| 無増悪生存期間 (PFS) | 無作為割付から、客観的な腫瘍の増悪または死亡のいずれか早い方まで | 生存試験より早く、少ない症例数で評価できる。安定の状態も評価に含まれる | 非盲検試験では評価の偏りを受けうる。定義が試験ごとに異なる。頻回の画像評価が要る。生存と相関しない場合がある |
| 奏効率 (ORR) | あらかじめ定めた量の腫瘍縮小が、最低限の期間続いた患者の割合。FDAは一般に部分奏効と完全奏効の和と定義 | 早く、少ない症例数で評価できる。腫瘍への効果を薬に帰属できる(自然経過ではない) | 定義が試験ごとに異なる。頻回の画像評価が要る。生存と相関しない場合がある |
すべて事実(FDA「Clinical Trial Endpoints for the Approval of Cancer Drugs and Biologics」2018年12月[参考資料2])。日本語は本記事による要約です。
ガイダンスは、OSについて「最も信頼性の高いがんのエンドポイントとみなされ、生存を適切に評価できる試験が実施できる場合には、通常は好ましいエンドポイントである」としています事実。 一方で、「大規模試験における長い追跡期間」が難しさとして挙げられています事実。
PFSについては、「一定の症例数のもとでは、PFSへの効果の大きさは全生存期間への効果より大きくなりうる」とし、 同時に「全生存期間とPFSへの効果の相関を頑健に評価できるだけのデータは、通常は不十分である」とも書いています事実。 奏効率は「迅速承認を支持する代替エンドポイントとして最も一般的に用いられてきた」とされています事実。
ガイダンスは、ORRやPFSが迅速承認を支持する代替エンドポイントにも、通常承認を支持する代替エンドポイントにも、 場合によっては臨床的有益性そのものにもなりうるとし、それは疾患・使用の文脈・効果の大きさ・利用可能な治療・リスクとベネフィットの関係などによって決まるとしています事実。 指標の名前だけでは、それが何の証拠になっているかは決まらないということです(本記事による解説)。
5. 本稿の計算:効果が小さいほど、必要な「イベント数」は急に増える
なぜOSの試験は大きく、長くなるのか。生存時間の比較では、必要なのは患者の人数そのものより、観察された「イベント」(死亡や増悪)の数です。 Schoenfeld(1983)は、比例ハザードモデルのもとで2つの生存分布が等しいかを検定するのに必要な観察数を求める式を導いています事実。
1:1割付の2群比較でよく使われる近似式 D = 4 ×(zα/2 + zβ)² ÷(ln HR)² を用いて概算します本稿の計算。
- 前提:両側有意水準5%(z=1.960)、検出力80%(z=0.842)。このとき 4 ×(1.960+0.842)² ≒ 31.4
- 前提:ハザード比(HR)が一定である(比例ハザード)。生存時間が指数分布に従うなら、中央値の比は 1 ÷ HR になる
計算
- HR 0.50(中央値が2倍に延びるのに相当):31.4 ÷(ln 0.50)² = 31.4 ÷ 0.480 ≒ 66イベント
- HR 2/3(≒0.67。中央値6か月→9か月に相当):31.4 ÷ 0.164 ≒ 191イベント
- HR 0.75:31.4 ÷ 0.0828 ≒ 380イベント
- HR 0.80:31.4 ÷ 0.0498 ≒ 631イベント
前提と限界:これは教科書的な近似で、実際の試験設計では中間解析、脱落、割付比、非比例ハザードなどを考慮します。 HRの値は本稿が置いた仮の数字で、特定の薬や試験の結果ではありません。 「中央値6か月→9か月」は指数分布を仮定した場合の対応で、実際の生存曲線がそうなるとは限りません。
ここから読めるのは、OSで小さな差を示すには、多くの死亡イベントが起きるまで待つ必要があるということです。 しかもOSは、ガイダンスが指摘するように後治療の影響を受けます事実。 代替エンドポイントが求められる背景には、この「待ち時間」と「混ざり物」の問題があります(本記事による解説)。
6. 代替エンドポイントが外れたとき ― CASTの教訓
代替エンドポイントの危うさを示す古典的な例が、Cardiac Arrhythmia Suppression Trial(CAST)です。 1991年のNew England Journal of Medicineの論文要旨によると、この試験は 「心筋梗塞後の心室期外収縮を抑制すれば突然死が減る」という仮説を検証するために計画されました事実。
心室期外収縮を薬で抑制できた患者を、実薬またはプラセボに無作為に割り付けました。 そのうえで、2種類の薬(エンカイニド、フレカイニド)は「過剰な死亡のため」使用が中止されました事実。
1,498人のうち、エンカイニドまたはそのプラセボに857人(実薬432人・プラセボ425人)、フレカイニドまたはそのプラセボに641人(実薬323人・プラセボ318人)。 平均10か月の追跡で89人が死亡し、不整脈による死亡は実薬43人・プラセボ16人、不整脈以外の心臓死は実薬17人・プラセボ5人、心臓以外の死亡は実薬3人・プラセボ5人でした事実。
- 実薬群:432+323 = 755人。死亡 43+17+3 = 63人。63 ÷ 755 ≒ 8.3%本稿の計算
- プラセボ群:425+318 = 743人。死亡 16+5+5 = 26人。26 ÷ 743 ≒ 3.5%本稿の計算
- 比:8.3% ÷ 3.5% ≒ 約2.4倍本稿の計算
前提と限界:要旨の人数を2つの薬で単純に合算した粗い割合で、追跡期間の違いなどを考慮した解析ではありません。 この結果は当該試験の対象(心筋梗塞後で心室期外収縮のある患者)についてのものであり、これらの薬の現在の用途や安全性を評価するものではありません。
7. 素材技術者の視点①:代替エンドポイントは「加速試験」に似ている
材料の信頼性評価では、実使用で10年かかる劣化を見るために、高温・高湿などの加速試験を使います。 加速試験で合格した材料が、実使用でも長持ちする——その対応は、劣化の機構が同じであるという前提の上に成り立っています(本記事による解説)。
代替エンドポイントはこれとよく似た構図です。BESTは代替エンドポイントが臨床的有益性を予測すると期待される根拠として 「疫学的、治療的、病態生理学的、またはその他の科学的根拠」を挙げています事実。 つまり「その指標が動けば、患者の転帰も動く」という因果の道筋を前提にしています。
CASTで起きたのは、測った値(期外収縮)は狙いどおり動いたのに、薬が別の経路で転帰に影響した、という事態だと読めます(本記事による解説)。 加速試験でいえば、加速条件では現れない別の劣化モードが、実使用で支配的になった状況に当たります。
- 相関は「その作用機序の範囲内」でしか保証されない:同じ指標でも、作用の仕方が違う新しい薬では予測力が変わりうる。 FDAのがんガイダンスが、ORRやPFSの位置づけを「疾患・使用の文脈・効果の大きさ」などで判断するとしているのは、この点に対応しています事実
- FDAの一覧表にも「作用機序」の欄がある:FDAの代替エンドポイント一覧表(成人・非がん)には「Drug Mechanism of Action」の欄があり、血圧は「Mechanism agnostic」(多くの作用機序にまたがる)、HbA1cは「Glucose-lowering」、LDLコレステロールは「Lipid-lowering」と記されています事実。 同じページは、受け入れられるかどうかは疾患、対象集団、治療の作用機序、既存治療の有無に依存し、ある開発計画で適切な代替エンドポイントが、別の臨床状況の計画でも適切だと想定すべきではないとしています事実。 さらに、迅速承認に使われたあと確認試験で期待された有益性が示されなかった代替エンドポイントは「もはや受け入れられず、表に含めていない」とも書いています事実
- 検証済みかどうかは「データの量」で決まる:BESTの3段階(候補・合理的に予測しうる・検証済み)は、加速係数が「推定値」から「実測で確認された値」になっていく過程に相当します(本記事による解説)
材料の世界でも、新しい材料系に既存の加速試験をそのまま当てはめてよいかは、いつも議論になります。 「新しいモダリティの薬に、既存の代替エンドポイントがそのまま使えるか」という問いは、それと同じ種類の問いです(本記事による解説)。
8. 迅速承認と代替エンドポイント
米国の迅速承認(Accelerated Approval)は、合理的に予測しうる代替エンドポイントを使って、重い病気の薬を早く承認する仕組みです。 FDAの2024年12月のドラフトガイダンスは、制度の経緯をこう整理しています事実。
| 年 | 出来事(ガイダンスの記述) |
|---|---|
| 1992年 | FDAが迅速承認の規則を制定(21 CFR 314 subpart H、601 subpart E) |
| 1997年 | 議会が FDA近代化法(FDAMA)で制度を法律に位置づけ、FD&C法に506条を追加 |
| 2012年 | FDA安全・革新法(FDASIA)で、疾患の重さ・希少性・有病率、代替治療の有無を考慮すべきと改正 |
| 2023年 | 2023年統合歳出法(3210条)で改正。承認時に確認試験の条件(登録目標・プロトコル・完了目標日などのマイルストーン)を定める。確認試験が承認前に「進行中」であることを求めうる。進捗報告を約180日ごとに提出。迅速な取り消し手続を新設 |
すべて事実(FDA ドラフトガイダンス「Expedited Program for Serious Conditions — Accelerated Approval of Drugs and Biologics」2024年12月[参考資料4])。1992年の規則はがん領域ガイダンス[参考資料2]にも記載があります。ドラフトガイダンスは最終版ではありません未確定/将来。
ガイダンスは、確認試験が有益性を確認できなかった場合や、確認試験を十分な努力で実施しなかった場合などに、 FDAが迅速な手続で承認を取り消しうるとしています事実。 では、実際にはどれくらいが「確認」され、どれくらいが「取り消し」になっているのでしょうか。 FDAは、代替エンドポイントにもとづく迅速承認の一覧を公開しています。
一覧の表題は「CDER Drug and Biologic Accelerated Approvals Based on a Surrogate Endpoint」、総数350件です事実。 各行の「Conversion-Withdrawal Status」を本稿が数えると次のとおりです本稿の計算。
- Converted(通常承認へ転換):210件 = 60.0%
- Not Yet Converted(まだ転換していない):87件 = 24.9%
- Withdrawn(取り下げ):53件 = 15.1%
- 決着したもの(転換+取り下げ=263件)のうち取り下げ:53 ÷ 263 ≒ 20.2%
前提と限界:件数は適応ごとの行を単純に数えたもので、同じ薬の複数の適応は別々に数えています。 「取り下げ」の理由(確認試験の失敗、企業判断など)は区別していません。 「まだ転換していない」87件が今後どうなるかは未確定です未確定/将来。
9. コンパニオン診断 ― 薬と検査をセットで承認する
バイオマーカーのうち予測バイオマーカーは、「この薬が効きやすい人」を選ぶために使われます。 その検査を製品として承認したものがコンパニオン診断です。
FDA:コンパニオン診断は「対応する医薬品または生物学的製剤を安全かつ有効に使うために不可欠な情報を提供する医療機器であり、多くの場合、体外診断用医療機器(IVD)である」事実。 用途として、有益性を得やすい患者の特定、重い副作用のリスクが高い患者の特定、治療反応のモニタリングが挙げられています事実。 FDAは「診断検査が不正確であれば、その検査にもとづく治療判断は最適でないかもしれない」とも書いています事実。
日本:厚生労働省の2013年7月1日の通知は、コンパニオン診断薬等を「特定の医薬品の有効性又は安全性の向上等の目的で使用する」もので、 「当該医薬品の使用に不可欠な体外診断用医薬品又は医療機器(単に疾病の診断等を目的とする体外診断用医薬品又は医療機器を除く。)」としています事実。 さらに、コンパニオン診断薬等が承認されていない医薬品については、原則として医薬品の承認申請と「同時期に」コンパニオン診断薬等の承認申請が行われるべきとしています事実。
米国では、HER2の過剰発現を調べる免疫組織化学検査HercepTestの市販前承認(PMA P980018)の決定日が1998年9月25日、 対応する抗HER2抗体Herceptin(BLA 103792)の初回承認日も1998年9月25日です事実。 承認文書は、この検査を「Herceptinによる治療が検討されている患者の評価の補助」として使うと記しています事実。 薬と検査が同じ日に承認されていたことになります(2つの公表日付を本稿が照合したもの)。 FDAがコンパニオン診断の最終ガイダンス「In Vitro Companion Diagnostic Devices」を出したのは2014年8月6日です事実。
FDAの「List of FDA-Authorized Companion Diagnostic Devices (In Vitro and Imaging Tools)」の第1表(特定の治療薬に対応するもの)は、 本稿が確認した時点(ページの更新日 2026年7月23日)で226行ありました事実。 1行は「検査 × 対応する薬 × 適応」の組み合わせです。各行の「Indication - Sample Type」欄から検体の種類を本稿が分類すると次のとおりです本稿の計算。
- 組織(Tissue):153行 = 67.7%
- 血漿(Plasma):42行 = 18.6%
- 全血・骨髄・血清・唾液など:23行 = 10.2%
- 組織または血漿:6行 = 2.7%/検体の記載なし:2行 = 0.9%
バイオマーカー欄を単純に数えると、多い順に EGFR 30行、HER2 29行、BRAF 19行、KRAS 16行、PD-L1 15行でした本稿の計算。
前提と限界:一覧の表記揺れ(空白や大文字小文字)は分類の際に本稿が統合しました。 同じ検査が複数の薬・適応で別行になっているため、検査製品の数ではありません。一覧は随時更新されます。
10. 素材技術者の視点②:測定は「材料の系」である
BESTは、検査・ツール・計測器(test, tool, or instrument)を3つの必須要素からなる評価の系として定義しています。 「1)測定のための材料、2)アッセイ(バイオマーカーの場合)、3)測定値を解釈する方法や基準」事実。 材料が、定義の1番目に書かれていることに注目してください(本記事による解説)。
そして検証も2つに分かれています。 分析的妥当性確認は感度・特異度・真度・精度などの性能を、検体の採取・取り扱い・保存の手順を含みうる定められた技術的手順で確かめるもので、 BESTは「その項目の有用性の検証ではない」と念を押しています事実。 有用性のほうは臨床的妥当性確認——その検査が関心のある概念を適切に特定・測定・予測するかの確認です事実。
FDAが2026年4月に出したガイダンス「Bioanalytical Method Validation for Biomarkers」は、確認すべき問いとして、測定の真度・精度や定量範囲に加えて 「検体の採取、取り扱い、保存が、分析法から得られるデータの信頼性にどう影響するか」を挙げ、 輸送中に検体を凍結する必要があるか、保存温度と保存期間、ベンチ上での操作の影響を具体例にしています事実。 承認の判断などに使うデータなら、ICH M10に沿った完全なバリデーションを求めるとしています事実。
ここから、材料・部材の接点が見えてきます(本記事による解説)。
- 検体を「保つ」材料:採血管、保存液、凍結容器。図6のとおり、コンパニオン診断では組織と血漿が主な検体です。血漿中のわずかな核酸を測る検査では、採取から分析までの間に検体が変わらないことが結果を左右します
- 検体を「読む」材料:免疫染色に使う抗体、核酸を増やす酵素や試薬、測定の基準になる標準物質。FDAの一覧には、HER2の染色に使うウサギモノクローナル一次抗体が、それ自体コンパニオン診断として載っています事実
- ばらつきの源:測定値の「ぶれ」は、臨床試験で見たい差(第5章のHR)を埋もれさせます。材料ロット間差を抑えることは、臨床試験の検出力を守ることにもつながります
材料の世界でいえば、分析的妥当性確認は「測定器の校正とゲージR&R」、臨床的妥当性確認は「その特性値が製品寿命を予測するかの検証」に近い区別です。 前者は材料と手順で固められますが、後者は臨床データでしか示せません(本記事による解説)。
11. 課題と、まだ決まっていないこと
(1) 代替エンドポイントの「検証」は、薬の種類が変わるたびに問い直される
FDAのがんガイダンスは、ORRやPFSの扱いを疾患や文脈、効果の大きさで判断するとしており事実、 一律のルールはありません。新しい作用機序の薬に既存の代替エンドポイントがどこまで当てはまるかは、 本稿の調査時点(2026年9月)で、一般的な答えを示す一次情報は確認できませんでした未確定/将来。
(2) 迅速承認の新しいルールは、運用が固まりつつある段階
2023年の法改正を受けたFDAのガイダンスは、2024年12月時点でドラフトです事実。 確認試験の「進行中」の判断基準などが最終的にどう運用されるかは未確定/将来です。
(3) 日本の迅速承認・条件付き承認との関係
本記事は米国の制度を中心に扱いました。日米欧の迅速化制度の比較は、本シリーズ「承認申請とリアルワールドデータ」編で詳しく扱います。
- バイオマーカーは「指標」であって、「感じ方・機能・生存」の尺度ではありません(BESTの定義)事実
- 代替エンドポイントは、検証の程度で「候補・合理的に予測しうる・検証済み」に分かれます事実
- OSは最も信頼できる一方、長い追跡が要ります。HRが0.75から0.80に変わるだけで、必要なイベント数は約1.7倍です本稿の計算
- 代替指標が改善しても、転帰が悪化した例があります(CAST)事実
- FDAの迅速承認350件のうち、通常承認への転換は60.0%、取り下げは15.1%です(2026年6月30日時点の一覧を本稿が集計)本稿の計算
- コンパニオン診断の検体は、組織が約3分の2、血漿が約2割です(FDA一覧を本稿が集計)本稿の計算
12. 用語集
- バイオマーカー
- 生物学的過程や介入への反応の指標として測る、定義された特性。感じ方・機能・生存の尺度ではない。
- BEST
- FDAとNIHの作業部会がまとめた、バイオマーカーやエンドポイントの用語集。
- 予測バイオマーカー
- 特定の薬で好ましい(または好ましくない)効果が出やすい人を見分けるバイオマーカー。
- 予後バイオマーカー
- 疾患をもつ人で、再発や進行などの起こりやすさを示すバイオマーカー。
- 薬力学的バイオマーカー
- 薬の生物学的活性を示す反応バイオマーカー。有効性の結論とは限らない。
- エンドポイント
- 臨床試験で統計的に解析するために精密に定義された評価項目。
- 代替エンドポイント
- 臨床的有益性を直接測る代わりに使う評価項目。有益性を予測すると期待される。
- 臨床アウトカム
- 患者がどう感じ、どう機能し、どう生存するかを表す転帰。
- 全生存期間(OS)
- 無作為割付から原因を問わない死亡までの時間。
- 無増悪生存期間(PFS)
- 無作為割付から腫瘍の増悪または死亡のいずれか早い方までの時間。
- 奏効率(ORR)
- 所定の腫瘍縮小が一定期間続いた患者の割合。部分奏効と完全奏効の和。
- ハザード比(HR)
- 2群のイベントの起こりやすさの比。1より小さいほど治療群でイベントが少ない。
- 迅速承認
- 米国で、合理的に予測しうる代替エンドポイントなどにもとづき早期に承認する仕組み。確認試験が条件。
- 確認試験
- 迅速承認の後に、実際の臨床的有益性を確かめるために行う試験。
- コンパニオン診断
- 特定の薬を安全かつ有効に使うために不可欠な情報を与える検査。多くは体外診断用。
- 分析的妥当性確認
- 検査の技術的性能(感度・特異度・真度・精度など)の確認。有用性の検証ではない。
- 臨床的妥当性確認
- 検査が関心のある概念を適切に特定・測定・予測するかの確認。
- fit-for-purpose
- バリデーションの程度が、提案された用途を支えるのに十分であるという考え方。
13. 参考資料(一次情報)
- FDA-NIH Biomarker Working Group「BEST (Biomarkers, EndpointS, and other Tools) Resource — Glossary」2016年1月28日公開、2025年1月16日改訂(NCBI Bookshelf) — ncbi.nlm.nih.gov
- FDA「Clinical Trial Endpoints for the Approval of Cancer Drugs and Biologics — Guidance for Industry」2018年12月(PDF) — fda.gov
- FDA「Table of Surrogate Endpoints That Were the Basis of Drug Approval or Licensure」(ページ更新日 2026年4月29日) — fda.gov
- FDA「Expedited Program for Serious Conditions — Accelerated Approval of Drugs and Biologics — Guidance for Industry(Draft)」2024年12月(PDF) — fda.gov
- FDA(CDER)「NDA and BLA Accelerated Approvals — CDER Drug and Biologic Accelerated Approvals Based on a Surrogate Endpoint」As of June 30, 2026(PDF) — fda.gov
- Echt, D.S. ほか(CAST)「Mortality and morbidity in patients receiving encainide, flecainide, or placebo. The Cardiac Arrhythmia Suppression Trial」New England Journal of Medicine 324(12), 781–788 (1991). doi:10.1056/NEJM199103213241201 — pubmed.ncbi.nlm.nih.gov
- Schoenfeld, D.A.「Sample-size formula for the proportional-hazards regression model」Biometrics 39(2), 499–503 (1983). doi:10.2307/2531021 — pubmed.ncbi.nlm.nih.gov
- FDA「Companion Diagnostics」(ページ更新日 2023年6月20日) — fda.gov
- FDA「List of FDA-Authorized Companion Diagnostic Devices (In Vitro and Imaging Tools)」(ページ更新日 2026年7月23日) — fda.gov
- FDA「Premarket Approval (PMA) — DAKO HERCEPTEST, P980018」 — accessdata.fda.gov
- FDA「Drugs@FDA — BLA 103792(HERCEPTIN)」 — accessdata.fda.gov
- 厚生労働省 医薬食品局審査管理課長「コンパニオン診断薬等及び関連する医薬品の承認申請に係る留意事項について」薬食審査発0701第10号、平成25年(2013年)7月1日(PDF) — pmda.go.jp
- FDA「Bioanalytical Method Validation for Biomarkers — Guidance for Industry」2026年4月(PDF) — fda.gov
14. 主張と出典の対応表(監査)
| 本文の主張 | 根拠 | 区分 |
|---|---|---|
| バイオマーカーの定義(正常な生物学的過程・病的過程・介入への反応の指標として測る定義された特性、分子・組織・画像・生理学的特性を含む、感じ方・機能・生存の尺度ではない)。8つの種類(感受性/リスク・診断・モニタリング・予後・予測・多成分・反応・安全性)とそれぞれの定義。薬力学的バイオマーカーの定義と用途(概念実証・用量選択・反応の測定)。エンドポイント・臨床アウトカム・代替エンドポイントの定義、代替エンドポイントが臨床的有益性を「それ自体では測定しない」こと、疫学的・治療的・病態生理学的根拠にもとづき予測すると期待されること。検証済み・合理的に予測しうる・候補の3段階と、迅速承認で確認試験が求められてきたこと、検証済み代替エンドポイントがほとんどの場合バイオマーカーを指すこと。コンパニオン診断の定義。検査・ツール・計測器が「測定のための材料・アッセイ・解釈の方法や基準」の3要素からなること。分析的妥当性確認(感度・特異度・真度・精度、検体の採取・取り扱い・保存手順を含みうる、有用性の検証ではない)と臨床的妥当性確認の定義。fit-for-purposeの定義。公開日2016年1月28日、最終改訂2025年1月16日 | BEST 用語集(NCBI Bookshelf)[参考資料 1]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK338448/ | 事実 |
| OS・PFS・ORRの定義と、表2に記載された長所・短所。OSが最も信頼性の高いがんのエンドポイントで、適切に評価できる場合は通常好ましいこと、大規模試験の長い追跡が難しさであること、後治療の影響。PFSへの効果がOSへの効果より大きくなりうること、相関の頑健な評価に足るデータが通常不十分であること。ORRが迅速承認で最も一般的に用いられた代替エンドポイントであること。ORR・PFSが文脈等によって迅速承認・通常承認の代替エンドポイントにも臨床的有益性そのものにもなりうること。迅速承認の規則が1992年に制定されたこと。発行が2018年12月であること | FDA がん領域エンドポイントのガイダンス[参考資料 2]https://www.fda.gov/media/71195/download | 事実 |
| 21st Century Cures Act 3011条がFD&C法507条を設けたこと、507条(e)(9)の代替エンドポイントの定義(通常承認と迅速承認の2区分)。表が6か月ごとに更新されること。高血圧の血圧、2型糖尿病の血清HbA1c、高コレステロール血症の血清LDLコレステロールが「Type of Approval Appropriate for」欄で Traditional として掲載され、「Drug Mechanism of Action」欄がそれぞれ Mechanism agnostic・Glucose-lowering・Lipid-lowering であること。受け入れ可否が疾患・対象集団・作用機序・既存治療に依存し、別の臨床状況で適切と想定すべきでないこと。確認試験で有益性が示されなかった代替エンドポイントは表に含めないこと | FDA 代替エンドポイント一覧表のページ[参考資料 3]https://www.fda.gov/drugs/development-resources/table-surrogate-endpoints-were-basis-drug-approval-or-licensure | 事実 |
| 迅速承認の経緯(1992年の規則、1997年FDAMAによる506条の追加、2012年FDASIAによる改正、2023年統合歳出法3210条による改正)。確認試験の条件(登録目標・プロトコル・完了目標日を含むマイルストーン)の指定、承認前に確認試験が進行中であることを求めうる権限、約180日ごとの進捗報告、迅速な取り消し手続とその要件。ガイダンスが2024年12月のドラフトであること | FDA 迅速承認ドラフトガイダンス[参考資料 4]https://www.fda.gov/media/184120/download | 事実 |
| 代替エンドポイントにもとづくCDERの迅速承認一覧が2026年6月30日時点で総数350件であること、各行に「Conversion-Withdrawal Status」が記載されていること | FDA(CDER)迅速承認一覧[参考資料 5]https://www.fda.gov/media/151146/download | 事実 |
| CASTが心筋梗塞後の心室期外収縮の抑制で突然死が減るという仮説を検証するために計画されたこと、期外収縮を抑制できた患者を無作為割付したこと、エンカイニドとフレカイニドが過剰な死亡のため中止されたこと、群ごとの人数(857人=432+425、641人=323+318、計1,498人)、平均10か月の追跡、死因別の死亡数(不整脈43対16、不整脈以外の心臓死17対5、心臓以外3対5) | Echt ら(1991)要旨[参考資料 6]https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/1900101/ | 事実 |
| Schoenfeld(1983)が比例ハザードモデルのもとで2つの生存分布の同等性検定に必要な観察数の式を導いたこと | Schoenfeld(1983)要旨[参考資料 7]https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/6354290/ | 事実 |
| FDAによるコンパニオン診断の定義と3つの用途、診断検査が不正確なら治療判断が最適でないかもしれないこと、最終ガイダンス「In Vitro Companion Diagnostic Devices」が2014年8月6日に出されたこと | FDA コンパニオン診断のページ[参考資料 8]https://www.fda.gov/medical-devices/in-vitro-diagnostics/companion-diagnostics | 事実 |
| 第1表が226行であること、各行の「Indication - Sample Type」とバイオマーカー欄の記載、HER2のウサギモノクローナル一次抗体(PATHWAY anti-Her2/neu (4B5) Rabbit Monoclonal Primary Antibody)がコンパニオン診断として掲載されていること、ページ更新日が2026年7月23日であること | FDA コンパニオン診断一覧[参考資料 9]https://www.fda.gov/medical-devices/in-vitro-diagnostics/list-fda-authorized-companion-diagnostic-devices-in-vitro-and-imaging-tools | 事実 |
| HercepTest(PMA P980018)の決定日が1998年9月25日であること、HER2過剰発現を判定する半定量的な免疫組織化学アッセイで、Herceptinによる治療が検討されている患者の評価の補助として用いられること | FDA PMA データベース[参考資料 10]https://www.accessdata.fda.gov/scripts/cdrh/cfdocs/cfpma/pma.cfm?id=P980018 | 事実 |
| Herceptin(BLA 103792)の初回承認(ORIG-1)が1998年9月25日であること | Drugs@FDA[参考資料 11]https://www.accessdata.fda.gov/scripts/cder/daf/index.cfm?event=overview.process&ApplNo=103792 | 事実 |
| 日本におけるコンパニオン診断薬等の範囲(特定の医薬品の有効性又は安全性の向上等の目的で使用し、当該医薬品の使用に不可欠な体外診断用医薬品又は医療機器)と、医薬品の承認申請と同時期にコンパニオン診断薬等の承認申請が行われるべきこと。通知番号と日付 | 厚生労働省 通知(薬食審査発0701第10号)[参考資料 12]https://www.pmda.go.jp/files/000213148.pdf | 事実 |
| バイオマーカー分析法のバリデーションに fit-for-purpose で臨むこと、承認などの規制判断に使う場合はICH M10に沿って完全にバリデーションすること、確認すべき問い(真度・精度、定量範囲、検体の採取・取り扱い・保存の影響、輸送中の凍結の要否、保存温度と期間、ベンチ上の操作の影響)。発行が2026年4月であること | FDA バイオマーカーの分析法バリデーションのガイダンス[参考資料 13]https://www.fda.gov/media/185276/download | 事実 |
| 必要イベント数(HR 0.50で66、2/3(≒0.67)で191、0.75で380、0.80で631)と約1.7倍。CASTの死亡割合(実薬8.3%、プラセボ3.5%、約2.4倍)。迅速承認350件の内訳(転換210件60.0%、未転換87件24.9%、取り下げ53件15.1%、決着分のうち取り下げ20.2%)。コンパニオン診断一覧226行の検体別内訳(組織153行67.7%、血漿42行18.6%、血液など23行10.2%、組織または血漿6行2.7%、記載なし2行0.9%)とバイオマーカー欄の集計(EGFR 30、HER2 29、BRAF 19、KRAS 16、PD-L1 15)。HercepTestとHerceptinが同じ日に承認されていたという照合 | 本稿の計算。両側5%・検出力80%・1:1割付・比例ハザード・指数分布は本稿が置いた前提で、HRは仮の値である。CASTは要旨の人数を単純合算した粗い割合である。一覧の集計は行の単純な数え上げで、表記揺れを本稿が統合した。いずれも個々の薬や検査の有効性・安全性を評価するものではない | 本稿の計算 |
| 迅速承認で「未転換」の87件の今後。迅速承認ドラフトガイダンスの最終化と運用 | 本稿の調査時点(2026年9月)で結果は確定していない。ドラフトガイダンスは最終版ではない[参考資料 4]https://www.fda.gov/media/184120/download | 未確定/将来 |
| 新しい作用機序の薬に既存の代替エンドポイントがどこまで当てはまるかの一般的な答え | 本稿の調査時点(2026年9月)で、一般的な答えを示す一次情報は確認できなかった(解説) | 未確定/将来 |
| 個々の薬・検査の効能・効果、臨床成績の評価、製品どうしの優劣 | 本記事は評価指標と規制の仕組みの解説であり、治療効果や安全性の評価は行っていない。CASTは代替エンドポイントの考え方を説明する歴史的な例として、論文要旨の記載のみを引用した(解説) | 解説 |
| バイオマーカーを場面ごとに並べた整理。代替エンドポイントを材料の加速試験になぞらえた読み取り(相関が機序の範囲内でしか保証されないこと、3段階を加速係数の推定から実測確認への過程になぞらえたこと)。CASTを「別の劣化モードが実使用で支配的になった状況」に当たると読んだこと。測定を「材料の系」と捉え、検体を保つ材料・読む材料・ばらつきの源に整理したこと。分析的妥当性確認と臨床的妥当性確認をゲージR&Rと寿命予測の検証になぞらえたこと。OSの「待ち時間と混ざり物」という整理 | 公表内容にもとづく本記事の整理・解説。FDA・NIH・厚生労働省や論文の著者が表明した見解ではない | 解説 |
| 図1〜図6が実際のデータ画面や試験記録ではなく説明のための作図であること。ヒーロー画像がAI生成イメージであること | 本記事による注記 | 解説 |
最終更新:2026年9月26日/出典は一次情報(FDA-NIH作業部会の用語集、FDAのガイダンス・公表一覧・承認データベース、厚生労働省通知、査読論文)に限定しています。 評価指標の設計や計測の読み取りを含むため、それらは「解説」として出典付きの事実と区別しています。 新しい作用機序の薬に既存の代替エンドポイントがどこまで当てはまるか、迅速承認のドラフトガイダンスの最終的な運用、未転換の迅速承認の行方については、確定した一次情報がないため「未確定/将来」としています。 本記事は評価指標と規制の仕組みの解説であり、個々の薬や検査の効果・安全性を評価するものではなく、医療上の助言でもありません。 図はすべて説明用の概念図です。図1〜図6はベクター作図、ヒーロー画像はAI生成イメージであり、いずれも実際の試験データの画面や製品を示すものではありません。