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クロマトグラフィー|細胞培養技術 技術解説

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TECHNOLOGY EXPLAINER

クロマトグラフィー(バイオ医薬の精製工程)
― 抗体を選び出すのは、多孔質ビーズの材料設計

培養でつくった抗体は、細胞のタンパク質や DNA、ウイルスなどと混ざった液の中にあります。 それを医薬品の純度まで引き上げるのが、ダウンストリーム(精製工程)のクロマトグラフィーです。 主役は、カラムに詰めた直径数十マイクロメートルの多孔質ビーズ(担体・樹脂)。 基材、粒子径、細孔、リガンドの固定化、アルカリ洗浄への耐性——性能のほとんどが材料で決まります。

構成:査読付き論文・総説(J Chromatogr、mAbs、Biotechnol Bioeng ほか)を一次情報として使用/最終更新 2026年9月

ヒーロー画像:透明な円筒の中に詰まった、白い微小な球の層
概念図(AI生成イメージ)。「多孔質の球を詰めた筒の中を液が流れる」という題材を雰囲気として表現したものです。実在の製品・カラム・担体の粒径や色を示すものではありません。
この記事の構成
  1. クロマトグラフィー精製とは(3行でつかむ)
  2. 精製工程の全体像 ― 抗体のプラットフォーム
  3. 5つの分離モード ― アフィニティ、イオン交換、疎水性、サイズ排除、ミックスモード
  4. 担体の材料設計 ― 基材・粒子径・細孔
  5. 本稿の計算:ビーズの中の拡散にかかる時間
  6. 素材技術者の視点①:粒子径・細孔・圧力の三すくみ
  7. リガンド ― プロテインAの分子設計、固定化、動的結合容量、アルカリ耐性
  8. 素材技術者の視点②:リガンドは「消耗する機能材料」
  9. 膜クロマトグラフィーとモノリス ― 拡散から対流へ
  10. 素材技術者の視点③:表面積と物質移動のトレードオフ
  11. 課題と、本稿で確認できなかったこと
  12. 用語集/参考資料/出典対応表
本記事の表記ルール

事実=公表資料・論文に記載のある内容(出典リンクあり)
本稿の計算=明示した前提をもとに本記事が算出した値
未確定/将来=計画・見通し・研究段階であり、実用上の実績が確認できていない事項
このほか、構造の整理や材料設計上の読み取りは「解説」として区別しています。 製品名は、論文中で比較対象として挙げられたものを事実として記載しており、特定の製品の推奨ではありません。

1. クロマトグラフィー精製とは(3行でつかむ)

  • 何をするか:多孔質のビーズを詰めた筒(カラム)に液を流し、目的の分子と不純物の「くっつきやすさ」や「大きさ」の差で分ける操作です(本記事による解説)
  • 抗体では:培養液から抗体だけを強く捕まえるプロテインAアフィニティで最初に大きく精製し、その後1〜2段のクロマトグラフィーで残りの不純物を取るのが一般的です事実
  • 材料の話:担体の基材は、ガラス・シリカ系、アガロース系、有機ポリマー系に大別されます。基材や粒子径の違いで、同じ流速でも捕まえられる量(動的結合容量)が変わります事実
この記事でいちばん大事な一行

ビーズの内部では、抗体は「拡散」でしか奥へ進めません。 そのため、15種類のプロテインA担体を比べた研究では、動的結合容量が滞留時間に強く依存し、アガロース系は滞留時間3分超で容量が高い一方、粒子径の小さいポリマー系やガラス系は流速への依存が小さかったと報告されています事実。 精製の生産性は、多孔体の拡散距離という材料の寸法で決まっているのです(本記事による解説)。

2. 精製工程の全体像 ― 抗体のプラットフォーム

Liu らの総説は、抗体の精製工程をこう説明しています。 「プロテインAクロマトグラフィーは収穫(ハーベスト)の後に置かれ、比較的純度の高い製品を与える。残る工程関連・製品関連の不純物はわずかで、1〜2段のクロマトグラフィーが仕上げ(ポリッシング)として使われる。プロテインAの後の低 pH 保持と、ウイルスろ過の工程も一般に含まれる」事実。 Amgen の Shukla らは、抗体と Fc 融合タンパク質の生化学的な類似性を生かした「柔軟で汎用的な精製プラットフォーム」を14品目のデータとともに報告し、その要がプロテインAを使った選択性の高い捕捉工程だとしています事実。

抗体精製の典型的な流れ(本記事による整理) 濃い枠=クロマトグラフィー工程。順序や段数は品目ごとに変わる ① 収穫 細胞と残渣を 遠心・ろ過で除く ② プロテインA 抗体だけを捕まえ 低 pH で溶出 捕捉(キャプチャー) ③ 低 pH 保持 エンベロープを持つ ウイルスを不活化 ④ 陽イオン交換 変異体・凝集体を 減らす(結合・溶出) 仕上げ ⑤ 陰イオン交換 DNA・HCP・ウイルス を吸着(素通り) 仕上げ ⑥ ろ過・濃縮 ウイルスろ過 限外ろ過で製剤へ 仕上げには疎水性相互作用・ミックスモード・ヒドロキシアパタイトなども使われる HCP=宿主細胞タンパク質(培養した細胞自身のタンパク質) ※ 工程の構成は Liu ら(2010)[参考資料1]、Shukla ら(2007)[参考資料2]の記述によります。 ※ ④と⑤の順序、仕上げの段数は品目によって変わります。6段に並べたのは本記事による整理です。 ※ 「限外ろ過で製剤へ」は本記事による補足で、本稿で詳細を扱っていない工程です。
図1 概念図(ベクター作図)。各工程の役割は Liu ら[参考資料1]、Shukla ら[参考資料2]の記述によります。6段の区切りと順序は本記事の整理で、特定企業・特定品目の工程を示すものではありません。
  • 低 pH での溶出がウイルス対策を兼ねる:Liu らは、プロテインAからの溶出にはpH 2.5〜4の低 pH が必要で、この条件でマウスレトロウイルスのようなエンベロープを持つウイルスを効果的に不活化できるとしています事実
  • 陰イオン交換は「素通り」で使う:運転 pH は通常 8〜8.2、導電率は最大 10 mS/cm 程度で、製品は結合させず、核酸や宿主細胞タンパク質のような酸性の不純物を結合させる条件を選びます事実

3. 5つの分離モード ― アフィニティ、イオン交換、疎水性、サイズ排除、ミックスモード

何の違いで分けるか ― 5つの分離モード(概念図) 灰色の帯=担体の表面/丸=タンパク質。リガンドや電荷の描き方は模式です アフィニティ イオン交換 疎水性相互作用 サイズ排除 ミックスモード + + + 特定の分子だけを リガンドが認識 例:プロテインA 低 pH で外す 表面の電荷と 分子の電荷で結合 塩や pH を変えて 外す 塩で水和を弱め 疎水部を表面へ 塩を下げて外す 凝集体の除去 小さい分子ほど 細孔に入り遅れる 理想は吸着なし 主に分析で使う イオン・水素結合・ 疎水性を組み合わせる 仕上げ工程で 使われる ※ 各モードの原理は Liu ら[参考資料1]、Hong ら[参考資料13]、Kallberg ら[参考資料12]の記述によります。 ※ サイズ排除の「主に分析で使う」は、本稿で工程での使用例を一次情報で確認できなかったことによる本記事の書き方です。 ※ 青い丸=目的の抗体、灰色の丸=不純物として描いています(模式)。
図2 概念図(ベクター作図)。各モードの原理は Liu ら[参考資料1]、Hong ら[参考資料13]、Kallberg ら[参考資料12]によります。表面・リガンド・分子の描き方は模式で、実際の分子の大きさや配置を示すものではありません。
モード何の違いで分けるか文献に書かれた使われ方・特徴
アフィニティ(プロテインA)リガンドが抗体の Fc 部分を特異的に認識黄色ブドウ球菌の細胞表面タンパク質。5つの反復ドメインがそれぞれ IgG の Fc と相互作用する。溶出は pH 2.5〜4。樹脂が高価で、極端な条件への耐性がやや低いことから代替も提案されてきた
陽イオン交換(CEX)負に帯電した表面に、正に帯電した分子が結合脱アミド体・酸化体・N末端切断体などの抗体の変異体や高分子量種(凝集体)を減らす分離能がある
陰イオン交換(AEX)正に帯電した表面に、負に帯電した分子が結合宿主細胞タンパク質、DNA、エンドトキシン、漏出したプロテインA、二量体・凝集体、内在性レトロウイルスやパルボウイルスなどの除去に強力。素通り(フロースルー)で使う
疎水性相互作用(HIC)塩で水和を弱めて露出させた疎水部の結合緩衝液中の塩が水分子と相互作用してタンパク質の水和を減らし、疎水性の領域を露出させる。塩濃度を下げる勾配で溶出。素通りで使うと凝集体の大部分を高い収率で除ける
サイズ排除(SEC)分子の大きさ(細孔に入れるかどうか)他のモードと違い、理想的には吸着がなく(ΔH=0)、分配はエントロピーだけで決まる。凝集体の定量に広く使われる。試料量はカラム体積の5〜10%が理想とされ、超えると分離が落ちる
ミックスモード(多機能)イオン性・水素結合・疎水性などの組み合わせ多機能リガンドをもつ樹脂は抗体の仕上げ工程に使える。2つ以上の物理化学的性質を使ってタンパク質とリガンドの相互作用の特異性を高める
ヒドロキシアパタイトカルシウムへの金属親和性と、リン酸基による陽イオン交換1950年代から IgG 精製に使われ、1980年代にセラミック製の媒体が開発された。抗体の凝集体を60%超から0.1%未満に減らせた溶出戦略が報告されている

すべて事実(プロテインA:Liu ら[参考資料1]、Linhult ら[参考資料6]/CEX・AEX・HIC:Liu ら[参考資料1]/SEC:Hong ら[参考資料13]/ミックスモード:Liu ら[参考資料1]、Kallberg ら[参考資料12]/ヒドロキシアパタイト:Gagnon[参考資料14])。

4. 担体の材料設計 ― 基材・粒子径・細孔

クロマトグラフィーの担体(樹脂、メディア)は、多孔質のビーズの内部表面にリガンドを固定したものです。 その性能は、基材の種類、粒子径、細孔の大きさ、リガンドの密度と付け方で決まります(本記事による解説)。

担体ビーズの中身 ― 3つの長さの階層(概念図) 左から右へ拡大していく。各段の大きさは模式で、縮尺は一致しません ① カラム(充填層) ② ビーズ(粒子) ③ 細孔の壁とリガンド ビーズの間を液が流れる(対流) 内部の細孔へは拡散で入る 壁にスペーサーとリガンド 粒子径で圧力損失が決まる 粒子径・細孔径で速さが決まる 密度・付け方で容量が決まる ※ 階層の分け方は本記事による整理です。拡散・対流の区別は Liu ら[参考資料1]、Hahn ら[参考資料4・5]の記述によります。
図3 概念図(ベクター作図)。ビーズ内の拡散とビーズ間の対流の区別は Liu ら[参考資料1]、Hahn ら[参考資料4・5]によります。3階層の分け方と各段の「決まるもの」の書き方は本記事の整理で、大きさの縮尺は一致しません。「粒子径で圧力損失が決まる」はコゼニー・カルマン式にもとづく一般的な関係としての本記事の補足です。

基材の3系統(+無機系)

基材文献の記述
アガロース系Liu らはプロテインA樹脂を基材で3つに分け、その一つをアガロース系(Protein A Sepharose Fast Flow、MabSelect など)としている事実。アガロースの球をクロマトグラフィーに使う方法は1964年に Hjertén が報告している事実。Hahn らの比較では、アガロース系は平衡結合容量が高く、滞留時間3分超で動的結合容量が高い事実
ガラス・シリカ系Liu らの分類の一つ(Prosep vA、Prosep vA Ultra など)事実。Hahn らは、ProSep-vA Ultra を細孔径 70 nm の多孔質ガラスと記述している事実。分析用 SEC では、1970年代に機械的強度が高く、膨潤せず、広い条件で不活性な修飾多孔質シリカが主流になった事実
有機ポリマー系Liu らの分類の一つ(ポリスチレン-ジビニルベンゼン系の Poros A、MabCapture など)事実。Hahn らの比較では、ポリマー系やガラス系は粒子径が小さく、見かけの速度定数が大きい(物質移動が速い)ため、流速や滞留時間への依存が小さかった事実
セラミック(ヒドロキシアパタイト)1980年代にセラミック製のヒドロキシアパタイト媒体が開発された。基材そのものが結合に働く(カルシウムの金属親和性とリン酸基の陽イオン交換)事実

Hong らは SEC について、「やわらかいポリマー樹脂は圧力と流れで圧縮されるため、粒子径をどこまで小さくできるかが制限される」と書いています事実。 基材の機械的強度が、使える粒子径の下限を決めるということです(本記事による解説)。

図4:白くつやのない微小な球がびっしりと並ぶ層のマクロ
図4 概念図(AI生成イメージ)。カラムに詰める多孔質ビーズの層を雰囲気として表現したものです。実在の製品・粒径・細孔構造・電子顕微鏡像を示すものではありません。

5. 本稿の計算:ビーズの中の拡散にかかる時間

Hahn らは2003年、15種類のプロテインA担体を比べ、動的結合容量が滞留時間に強く依存することを示しました事実。 2005年の続報では、改良されたアガロース系2種と多孔質ガラス系1種で、滞留時間が少なくとも4分あれば動的結合容量は変わらなかったとしています。 物質移動は境膜拡散と細孔拡散のモデルでよく記述できたとしています事実。 なぜ「数分」なのかを、桁で確かめます。

本稿の計算:抗体がビーズの中心まで拡散するのにかかる時間の目安
  • 前提1:IgG の流体力学的直径を 10.7 nm とする(Li・Mooney の総説の値事実)
  • 前提2:自由拡散係数をストークス・アインシュタイン式で求める。25℃、水の粘度 0.89 mPa·s として、D0 = kT ÷(6πηr)≈ 4.6 × 10⁻¹¹ m²/s本稿の計算
  • 前提3:細孔の中では、壁や曲がりくねりで拡散が遅くなる。本稿では有効拡散係数を 自由拡散の10分の1(4.6 × 10⁻¹² m²/s)と仮定する(この比は細孔構造で大きく変わる)
  • 前提4:中心まで届く時間の目安を t ≈ R² ÷ De(R=粒子半径)とする
  • 粒子径 30 µm(R=15 µm)→ 約 49 秒
  • 粒子径 50 µm(R=25 µm)→ 約 136 秒(約2.3分)
  • 粒子径 70 µm(R=35 µm)→ 約 267 秒(約4.5分)
  • 粒子径 90 µm(R=45 µm)→ 約 442 秒(約7.4分)

前提と限界:粒子径は説明のために本稿が置いた値で、特定製品の値ではありません。有効拡散係数の比(10分の1)も仮定です。 抗体は細孔の壁に吸着しながら進むため、実際の破過はもっと複雑です。 「粒子径が同じオーダーなら、拡散の時間は分の単位になる」「粒子径を半分にすると時間は4分の1になる」という桁と比例関係を見るための計算です。

粒子径と、ビーズ中心までの拡散時間の目安(本稿の計算) 棒=t≈R²÷De(De=自由拡散の1/10と仮定)/帯=論文で動的結合容量が安定した滞留時間(3〜4分) 0分 2分 4分 6分 約0.8分 約2.3分 約4.5分 約7.4分 3〜4分 粒子径 30 µm 50 µm 70 µm 90 µm 粒子径を半分にすると拡散時間は約4分の1、ただし圧力損失は約4倍 ※ IgG 直径10.7 nm は Li・Mooney[参考資料15]、3〜4分の帯は Hahn ら[参考資料4・5]による。粒子径・De の比・t≈R²÷De は本記事の前提です。 ※ 圧力損失が粒子径の2乗に反比例するのはコゼニー・カルマン式による一般的な関係(本記事の補足)。縦軸は1分=27 px。
図5 本稿の計算を含む作図(ベクター作図)。IgG の大きさは Li・Mooney[参考資料15]、動的結合容量が安定する滞留時間(3〜4分)は Hahn ら[参考資料4・5]によります。拡散時間(約0.8〜7.4分)と「4分の1」「4倍」は本記事が算出・補足したもので、公表値ではありません。粒子径は説明用に置いた値で、特定製品の値ではありません。

計算の拡散時間(数分)が、論文で容量が安定した滞留時間(3〜4分)と同じ桁になりました本稿の計算。 Hahn らが「粒子径の小さい媒体では物質移動が速い」と説明している事実ことと、方向も一致します。

6. 素材技術者の視点①:粒子径・細孔・圧力の三すくみ

素材技術者の読みどころ:「小さく、硬く、大きな孔」を同時に満たすのが難しい

図5の計算から、担体設計のトレードオフが見えてきます(本記事による解説)。

  • 粒子を小さくすれば:拡散距離が縮み、速く流しても容量が落ちにくい。しかし充填層の圧力損失は粒子径の2乗に反比例して増える(コゼニー・カルマン式による一般的な関係)
  • 圧力に耐えるには:基材が硬くなければならない。Hong らが書くように、やわらかいポリマー樹脂は圧縮されるため、粒子径の縮小に限界がある事実
  • 細孔を大きくすれば:抗体が入りやすく、拡散も速い。しかし内部表面積が減り、容量が下がる(本記事による解説)

つまり担体は、「粒子径分布」「細孔径分布」「機械的強度」「比表面積」を同時に最適化する多孔体です。 これは、触媒担体、吸着剤、分離膜の設計でおなじみの問題そのものです。

Hahn らの比較では、アガロース系は平衡結合容量は高いが、滞留時間を長くとる必要がある一方、 ポリマー系・ガラス系は粒子径が小さく、速く流しても容量が落ちにくいという対照が見られました事実。 「たくさん載るが遅い」か「速いが少ない」か——基材の選択は、工程の生産性(1時間あたりに処理できる量)の選択でもあります(本記事による解説)。

多孔質の球を、粒径をそろえて、細孔を制御して、壊れない強さで、大量に作る技術は、 懸濁重合、乳化、ゾル-ゲル、多孔質ガラスの製造など、化学メーカーがすでに持っている技術の延長にあります。

7. リガンド ― プロテインAの分子設計、固定化、動的結合容量、アルカリ耐性

プロテインA リガンドの改良(本記事による整理) 四角=IgG に結合するドメイン。数と並びは模式です 天然のプロテインA 合成ドメイン Z 耐アルカリ化 多量体化 黄色ブドウ球菌の 表面タンパク質 5つの反復ドメインが それぞれ Fc に結合 1987年に設計された IgG 結合ドメイン Asn-Gly 配列と Met を 除いて化学的に安定化 アスパラギン残基を 置き換える設計 繰り返しの NaOH 洗浄に耐えるように ドメインをつなげる (イオン交換の 触手型に似た発想) 6量体は4量体の 約2倍の容量 リガンドはタンパク質。だから「分子設計」で耐久性と容量を上げる ※ 天然型と耐アルカリ化は参考資料6、Z は参考資料7、多量体化は参考資料9による。 ※ 4段階に並べたのは本記事による整理で、個々の市販樹脂のリガンド構造を示すものではありません。
図6 概念図(ベクター作図)。各段階の内容は Linhult ら[参考資料6]、Nilsson ら[参考資料7]、Müller・Vajda[参考資料9]の記述によります。ドメインの数・並びは模式で、4段階の整理は本記事によるものです。個々の市販樹脂のリガンド構造を示すものではありません。

(1) リガンドの分子設計

Linhult らによれば、プロテインAは黄色ブドウ球菌の細胞表面タンパク質で、5つの反復ドメインがそれぞれ IgG の Fc 断片(と一部の Fab 断片)と相互作用します。 タンパク質のリガンドはアルカリ条件に弱いことが大規模精製での問題の一つで、プロテインAは比較的アルカリに強いものの、 定置洗浄(CIP)の過酷な条件により長く耐えられるように、アスパラギン残基を置き換えるタンパク質工学の戦略が使われました事実。 その土台となった合成ドメイン Z は、1987年に Nilsson らが設計したもので、アスパラギン-グリシンの配列とメチオニンを持たないため、天然のプロテインAと違ってヒドロキシルアミンや臭化シアンの処理に耐えます事実。

(2) アルカリ洗浄への耐性

Liu らは、アガロース系・ポリマー系の樹脂は、毎サイクル後に 0.05〜0.2 N の水酸化ナトリウムで30分接触させて洗浄できること、 そして0.1〜0.5 N の水酸化ナトリウムという過酷な洗浄液に耐える、アルカリ安定化したプロテインA由来リガンドがアガロース系の MabSelect SuRe で開発されたことを記しています事実。 Hahn らの2005年の論文も、MabSelect SuRe を「アルカリ安定化したプロテインAで官能化した」媒体として扱っています事実。

(3) 固定化とスペーサー

リガンドを多糖の担体に化学的に結合する古典的な方法として、Axén・Porath・Ernback が1967年にハロゲン化シアン(臭化シアン)による固定化を報告しています事実。 Müller・Vajda は2016年、アフィニティ樹脂の結合容量は、現代のイオン交換媒体より約50%低く、イオン交換の高い容量はスペーサー技術に支えられているとしました。 そのうえで、プロテインAのドメインをオリゴマー化(多量体化)することが、イオン交換の「触手(テンタクル)」技術に似た、容量を上げる効果的な方法だとしています。 6量体のリガンドの動的結合容量は4量体の約2倍で、リン酸ナトリウム緩衝液を 20 mM から 100 mM に上げると最大 130 mg/mLまで高まったと報告しています事実。

(4) 動的結合容量(DBC)

Liu らは、プロテインAの動的結合容量を樹脂1リットルあたり抗体15〜50 gとし、流速、精製する抗体、樹脂によって変わると書いています。 流速を下げると滞留時間が延び、結合容量が上がるとしています事実。 Ghose らは、抗体や Fc 融合タンパク質で容量が違う理由を調べ、容量の傾向は細孔拡散係数ではなく、分子の見かけの大きさと静的結合容量に従うこと、 そして固定化したプロテインAどうしの立体障害があり、リガンド密度を上げても容量の伸びは頭打ちになることを示しました事実。

本稿の計算:動的結合容量の差は、樹脂の量の差になる
  • 前提:培養液 2,000 L、抗体濃度 5 g/L と仮定 → 抗体 10 kg(仮定の値で、特定の工程の値ではない)
  • DBC 15 g/L の場合:10,000 g ÷ 15 g/L = 約667 L の樹脂(1サイクルで処理する場合)本稿の計算
  • DBC 50 g/L の場合:10,000 g ÷ 50 g/L = 200 L本稿の計算
  • 樹脂を 50 L に固定すると、必要なサイクル数は DBC 15 g/L で 約14回、50 g/L で 4回本稿の計算(10,000 ÷(15 × 50)= 13.3 → 14回、10,000 ÷(50 × 50)= 4回)

前提と限界:実際には DBC の100%までは負荷せず、安全率をとります。培養液量と抗体濃度は本稿の仮定です。 DBC が3倍違えば、樹脂の量かサイクル数が約3倍違うという関係を示すための計算です。 Liu らが指摘するプロテインA樹脂の高コスト事実を考えると、容量の差はそのまま費用の差になります(本記事による解説)。

(5) プロテインAの漏出

Liu らは、Carter-Franklin らの研究として、精製した抗体を負荷しても未精製の培養液を負荷しても、無傷のプロテインAが漏れ出し、未精製の培養液ではさらにプロテインAの断片も漏れ出すことを紹介しています。 培養液に EDTA を加えてプロテアーゼを阻害すると、漏出量を減らせるとしています事実。 漏れたプロテインAは、陰イオン交換などの後工程で除く対象になります事実。

8. 素材技術者の視点②:リガンドは「消耗する機能材料」

素材技術者の読みどころ:高価な樹脂を何回使えるかは、リガンドの化学的耐久性で決まる

プロテインA樹脂は、1回使って捨てる材料ではありません。 負荷、洗浄、溶出、アルカリでの定置洗浄を繰り返し、何サイクルも使います。 そのたびにリガンドは、低 pH(溶出、pH 2.5〜4)と高 pH(NaOH 洗浄)の両方にさらされます事実。

ここで材料として面白いのは、耐アルカリ化の手段が「アスパラギンを減らす」という、分子レベルの弱点つぶしだったことです事実。 高分子材料で、加水分解しやすい結合(エステルなど)を減らして耐久性を上げるのと同じ発想です(本記事による解説)。

さらに Ghose らの結果は、リガンドを密に付ければ付けるほど良い、わけではないことを示しています。 固定化したリガンドどうしの立体障害で、密度を上げても容量は頭打ちになります事実。 一方 Müller・Vajda は、ドメインをつなげて表面から伸ばす(多量体化)ことで容量を約2倍にできたと報告しています事実。

これは、「表面にどれだけ付けるか」より「どう配置して、どこまで届かせるか」が効くということです。 高分子ブラシ、グラフト重合、スペーサー長の設計——表面修飾の技術を持つ素材メーカーにとって、そのまま接点になる領域です(本記事による解説)。

9. 膜クロマトグラフィーとモノリス ― 拡散から対流へ

ビーズの弱点が「内部の拡散」なら、拡散しなくてよい構造にすればよい——それが膜クロマトグラフィーとモノリスの発想です。

結合部位までの届き方 ― ビーズ・膜・モノリス(概念図) 青い矢印=液の流れ(対流)/茶の点線=拡散。孔の形や数は模式です 充填ビーズ 結合部位は細孔の奥 拡散で届く→流速で容量が変わる 膜クロマトグラフィー 結合部位は貫通孔の壁 対流で届く→流速にほぼ無関係 モノリス 一体の多孔体、流路は1000 nm超 容量も分離効率も流速で不変 ※ ビーズと膜の比較は参考資料1、モノリスは参考資料10、膜の利点は参考資料11の記述によります。 ※ 膜の弱点(流れの偏り、膜厚・孔径のばらつき、低い結合容量)とモノリスの低い比表面積は本文を参照してください。 ※ 3つを並べた図は本記事による整理です。
図7 概念図(ベクター作図)。各構造の特徴は Liu ら[参考資料1]、Jungbauer・Hahn[参考資料10]、Orr ら[参考資料11]によります。孔の形・数・大きさは模式で、実際の構造を示すものではありません。
形態利点(文献の記述)弱点(文献の記述)
充填ビーズアガロース系は平衡結合容量が高い。改良品では滞留時間4分以上で容量が安定事実動的結合容量が滞留時間に強く依存する事実
膜クロマトグラフィー拡散のための細孔をなくし、結合部位を貫通孔に沿って配置。物質移動が拡散ではなく対流に依存するため、結合容量が流速にほとんど依存しない(Liu ら)事実。使い捨てできる、緩衝液の消費が少ない、装置費が小さいため、精製のコストを大きく下げうる(Orr ら)事実流れの分布の偏り、膜の孔径分布や厚さの不均一、適切な縮小モデルの入手性、低い結合容量。低容量は比表面積の小ささと流れの偏りによる(Liu ら)事実。ビーズ充填と比べて比較的新しく未成熟な技術(Orr ら)事実
モノリス「第4世代のクロマトグラフィー材料」とされる。理論段高さと動的結合容量が流速で変わらない。直径1000 nm 超の流路による対流輸送のため。最大 8 L のカラムが市販され、タンパク質、凝集体、プラスミド DNA、ウイルスの分離に使われる。主にポリメタクリレートやポリアクリルアミドのブロックとして成形(Jungbauer・Hahn)事実比表面積の絶対値は低い。ただし大きな流路は、通常の担体の細孔に入れない大きな生体分子の吸着には十分な面積を与える(Jungbauer・Hahn)事実

10. 素材技術者の視点③:表面積と物質移動のトレードオフ

素材技術者の読みどころ:「孔の大きさ」を、運びたい分子の大きさで決める

ビーズ、膜、モノリスの違いは、突き詰めると「孔の大きさ」と「表面積」の取り合いです。

  • 多孔質ガラス担体の細孔径は 70 nm(Hahn らが記述した ProSep-vA Ultra)事実。IgG の直径 10.7 nm事実と比べると約6.5倍本稿の計算
  • モノリスの流路は 1000 nm 超事実。IgG の約90倍以上、ガラス担体の細孔の約14倍以上本稿の計算

孔が大きいほど、分子は対流で速く届きますが、体積あたりの表面積は小さくなり、抗体のような中くらいの分子では容量が足りなくなります。 逆に Jungbauer・Hahn が書くように、ウイルスやプラスミド DNA のような大きな分子は、通常の担体の細孔に入れないため、 モノリスの大きな流路のほうが「使える表面積」はむしろ大きくなります事実。

つまり、「どの形態が優れているか」ではなく、「運びたい分子の大きさに孔を合わせる」のが設計の基本です(本記事による解説)。 抗体ではビーズ、ウイルスベクターやプラスミドのような巨大分子ではモノリスや膜——という使い分けは、この原理から自然に出てきます。

膜クロマトグラフィーの弱点として挙げられた「流れの偏り、膜厚や孔径のばらつき」事実は、 まさに膜の製造品質の問題です。孔径分布を狭く、厚みを均一にする製膜技術は、水処理膜や電池セパレーターの世界で磨かれてきました。 分離膜メーカーにとって、バイオ精製は「同じ技術で、より高い付加価値」の出口になりうる領域です未確定/将来。

11. 課題と、本稿で確認できなかったこと

(1) 市販担体の具体的な仕様

個々の市販担体の粒子径、細孔径、動的結合容量、耐アルカリ性(何サイクル使えるか)は、各社の技術資料に記載されていますが、 本稿では企業資料を一つずつ確認していないため、論文に記載された値(ガラス担体の細孔70 nm など)に限って記載しています。 第5章の粒子径(30〜90 µm)は説明用の仮定です。

(2) プロテインA樹脂の価格

Liu らは「プロテインA樹脂は高価」と書いていますが事実、具体的な価格は本稿の一次情報では確認できなかったため記載していません。市場調査会社の推計は使用していません。

(3) サイズ排除クロマトグラフィーの工程での使用

SEC は凝集体の分析に広く使われます事実が、商業製造の精製工程でどの程度使われているかを示す一次情報は、本稿の調査範囲で確認できませんでした。

(4) 連続クロマトグラフィーなどの新しい方式

複数カラムを切り替えて連続的に運転する方式などの動向は、本シリーズ「バッチ培養と連続培養」編などで扱います。本稿では扱っていません。

この記事のまとめ
  • 抗体の精製は、プロテインAで大きく捕まえ、1〜2段の仕上げで不純物を取る流れが一般的です事実
  • 担体の基材は、アガロース系・ガラス/シリカ系・有機ポリマー系に大別されます事実
  • 動的結合容量は滞留時間に強く依存し、改良品でも約4分が目安です。ビーズ内の拡散時間を計算すると同じ「分」の桁になります本稿の計算
  • プロテインAは、アスパラギン残基を置き換える分子設計で、繰り返しのアルカリ洗浄に耐えるようになりました事実
  • リガンドを密にしても容量は頭打ち。多量体化で約2倍になった例があります事実
  • 膜とモノリスは対流で届くため、流速に容量が依存しません。代わりに表面積が小さくなります事実
  • 粒子径・細孔・強度・表面修飾——担体の性能はほぼ多孔体の材料設計で決まります(本記事による解説)

12. 用語集

ダウンストリーム
培養(アップストリーム)の後の、分離・精製・製剤化の工程。
担体(樹脂・メディア)
カラムに詰める多孔質のビーズ。内部表面にリガンドを固定している。
リガンド
担体の表面に固定され、目的の分子と結合する分子や官能基。
プロテインA
黄色ブドウ球菌の表面タンパク質。抗体の Fc 部分に結合し、抗体の捕捉に使われる。
動的結合容量(DBC)
実際に液を流しながら、目的物が漏れ出すまでに担体が捕まえられる量。g/L で表す。
滞留時間
液がカラムの中にとどまる時間。流速を下げると長くなる。
定置洗浄(CIP)
装置を分解せずに洗浄・消毒すること。担体には水酸化ナトリウムがよく使われる。
宿主細胞タンパク質(HCP)
抗体を作らせた細胞自身のタンパク質。除くべき不純物。
フロースルー(素通り)
目的物は結合させず、不純物だけを担体に捕まえる運転方法。
ポリッシング(仕上げ)
捕捉工程の後で、残った微量の不純物を除く工程。
膜クロマトグラフィー
膜の貫通孔の壁にリガンドを付け、液を膜に通して分離する方式。
モノリス
一体成形された多孔質のブロック。大きな流路を液が流れる。
ミックスモード
イオン性・疎水性・水素結合など複数の相互作用を組み合わせたリガンド。
ヒドロキシアパタイト
リン酸カルシウムの一種。セラミック媒体として抗体の凝集体除去に使われる。

13. 参考資料(一次情報)

  1. Liu HF, Ma J, Winter C, Bayer R.「Recovery and purification process development for monoclonal antibody production」mAbs 2:480 (2010)(PMC) — pmc.ncbi.nlm.nih.gov
  2. Shukla AA ほか(Amgen)「Downstream processing of monoclonal antibodies — application of platform approaches」J Chromatogr B 848:28 (2007) — doi.org
  3. Hober S, Nord K, Linhult M.「Protein A chromatography for antibody purification」J Chromatogr B 848:40 (2007) — doi.org
  4. Hahn R, Schlegel R, Jungbauer A.「Comparison of protein A affinity sorbents」J Chromatogr B 790:35 (2003) — doi.org
  5. Hahn R ほか「Comparison of protein A affinity sorbents II. Mass transfer properties」J Chromatogr A 1093:98 (2005) — doi.org
  6. Linhult M ほか「Improving the tolerance of a protein A analogue to repeated alkaline exposures using a bypass mutagenesis approach」Proteins 55:407 (2004) — doi.org
  7. Nilsson B ほか「A synthetic IgG-binding domain based on staphylococcal protein A」Protein Eng 1:107 (1987) — doi.org
  8. Axén R, Porath J, Ernback S.「Chemical coupling of peptides and proteins to polysaccharides by means of cyanogen halides」Nature 214:1302 (1967) — doi.org
  9. Müller E, Vajda J.「Routes to improve binding capacities of affinity resins demonstrated for Protein A chromatography」J Chromatogr B 1021:159 (2016) — doi.org
  10. Jungbauer A, Hahn R.「Polymethacrylate monoliths for preparative and industrial separation of biomolecular assemblies」J Chromatogr A 1184:62 (2008) — doi.org
  11. Orr V ほか「Recent advances in bioprocessing application of membrane chromatography」Biotechnol Adv 31:450 (2013) — doi.org
  12. Kallberg K, Johansson HO, Bulow L.「Multimodal chromatography: an efficient tool in downstream processing of proteins」Biotechnol J 7:1485 (2012) — doi.org
  13. Hong P, Koza S, Bouvier ES.「Size-exclusion chromatography for the analysis of protein biotherapeutics and their aggregates」J Liq Chromatogr Relat Technol 35:2923 (2012)(PMC) — pmc.ncbi.nlm.nih.gov
  14. Gagnon P.「Monoclonal antibody purification with hydroxyapatite」N Biotechnol 25:287 (2009) — doi.org
  15. Li J, Mooney DJ.「Designing hydrogels for controlled drug delivery」Nat Rev Mater 1:16071 (2016)(PMC) — pmc.ncbi.nlm.nih.gov
  16. Ghose S, Hubbard B, Cramer SM.「Binding capacity differences for antibodies and Fc-fusion proteins on protein A chromatographic materials」Biotechnol Bioeng 96:768 (2007) — doi.org
  17. Hjertén S.「The preparation of agarose spheres for chromatography of molecules and particles」Biochim Biophys Acta 79:393 (1964)(PubMed) — pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

14. 主張と出典の対応表(監査)

本文の主張根拠区分
プロテインAが収穫の後に置かれ、1〜2段の仕上げ、低 pH 保持、ウイルスろ過が一般に含まれること。溶出 pH 2.5〜4 でエンベロープウイルスを不活化できること。AEX 素通りの pH 8〜8.2・導電率最大10 mS/cm、酸性不純物を結合させること。CEX が変異体・高分子量種を減らすこと。AEX が HCP・DNA・エンドトキシン・漏出プロテインA・凝集体・ウイルスの除去に強力なこと。HIC の原理と塩濃度を下げる溶出、素通りで凝集体を除けること。ミックスモード樹脂が仕上げに使えること。プロテインA樹脂の基材3分類と例。DBC 15〜50 g/L、流速・抗体・樹脂で変わり、流速を下げると容量が上がること。NaOH 0.05〜0.2 N・30分、0.1〜0.5 N に耐える MabSelect SuRe。プロテインAの漏出と EDTA による低減。膜クロマトの利点(拡散細孔がなく対流、容量が流速にほぼ非依存)と弱点。プロテインA樹脂が高価であること出典1 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2958570/事実
Amgen の柔軟で汎用的な精製プラットフォームが14品目のデータで示され、プロテインAの選択性の高い捕捉工程が要であること出典2 https://doi.org/10.1016/j.jchromb.2006.09.026事実
プロテインAが最初期に発見された免疫グロブリン結合分子で、最も使われるアフィニティ精製系の一つになり、過酷な工業条件に耐えるよう改良されたこと出典3 https://doi.org/10.1016/j.jchromb.2006.09.030事実
15種類のプロテインA担体の比較で DBC が滞留時間に強く依存し、アガロース系は3分超で容量が高く、ポリマー系・ガラス系は流速依存が小さいこと。アガロース系の平衡結合容量が高いこと。他の媒体は粒子径が小さく物質移動が速いこと出典4 https://doi.org/10.1016/s1570-0232(03)00092-8事実
MabSelect Xtra・MabSelect SuRe(アルカリ安定化プロテインA)・ProSep-vA Ultra(細孔径70 nm の多孔質ガラス)。境膜・細孔拡散モデルで記述できたこと。滞留時間4分以上で DBC が変わらなかったこと出典5 https://doi.org/10.1016/j.chroma.2005.07.050事実
プロテインAが黄色ブドウ球菌の表面タンパク質で5つの反復ドメインが Fc(と一部 Fab)と相互作用すること。タンパク質リガンドのアルカリ感受性が問題であること。アスパラギン残基を置き換える戦略で CIP への耐性を高めたこと出典6 https://doi.org/10.1002/prot.10616事実
1987年の合成 IgG 結合ドメインが Asn-Gly 配列とメチオニンを持たず、ヒドロキシルアミン・臭化シアンに耐えること出典7 https://doi.org/10.1093/protein/1.2.107事実
ハロゲン化シアンによるペプチド・タンパク質の多糖への化学結合の報告(1967)出典8 https://doi.org/10.1038/2141302a0事実
アフィニティ樹脂の容量がイオン交換より約50%低く、イオン交換はスペーサー技術に支えられること。多量体化が触手技術に似ていること。6量体が4量体の約2倍、リン酸緩衝液100 mM で最大130 mg/mL出典9 https://doi.org/10.1016/j.jchromb.2016.01.036事実
モノリスが第4世代の材料とされること、HETP と DBC が流速で変わらないこと、1000 nm 超の流路、最大8 L のカラム、ポリメタクリレート・ポリアクリルアミド、比表面積が低いが大きな生体分子には十分な面積を与えること出典10 https://doi.org/10.1016/j.chroma.2007.12.087事実
膜クロマトが比較的新しく未成熟な技術であること。使い捨て・緩衝液消費が少ない・装置費が小さく、精製コストを下げうること出典11 https://doi.org/10.1016/j.biotechadv.2013.01.007事実
ミックスモードが2つ以上の物理化学的性質で相互作用の特異性を高めること出典12 https://doi.org/10.1002/biot.201200074事実
SEC が理想的には吸着なしでエントロピーのみで分配すること。凝集体の定量。試料量はカラム体積の5〜10%が理想。やわらかいポリマー樹脂は圧縮され粒子径の縮小に限界があること。1970年代に修飾多孔質シリカが主流になったこと出典13 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3556795/事実
ヒドロキシアパタイトが1950年代から IgG 精製に使われ、1980年代にセラミック媒体が開発されたこと。カルシウム金属親和性とリン酸基陽イオン交換。凝集体を60%超から0.1%未満に減らした溶出戦略出典14 https://doi.org/10.1016/j.nbt.2009.03.017事実
IgG の流体力学的直径が10.7 nm であること出典15 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5898614/事実
容量の傾向が細孔拡散係数ではなく分子の見かけの大きさと静的結合容量に従うこと。固定化プロテインAどうしの立体障害、リガンド密度を上げても容量が頭打ちになること出典16 https://doi.org/10.1002/bit.21044事実
アガロースの球をクロマトグラフィーに使う方法の報告(1964)出典17 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/14163524/事実
IgG の自由拡散係数約4.6 × 10⁻¹¹ m²/s、有効拡散係数4.6 × 10⁻¹² m²/s、粒子径30・50・70・90 µm での拡散時間(約0.8・2.3・4.5・7.4分)、粒子径半分で時間4分の1。樹脂量約667 L/200 L、サイクル数約14回/4回。細孔70 nm が IgG の約6.5倍、1000 nm が IgG の約90倍以上・ガラス細孔の約14倍以上本稿の計算。25℃・粘度0.89 mPa·s、有効拡散係数を自由拡散の1/10、t≈R²÷De、粒子径の値、培養液2,000 L・抗体濃度5 g/L・樹脂50 L は本稿が置いた前提で、特定製品・工程の値ではない本稿の計算
圧力損失が粒子径の2乗に反比例する(粒子径半分で約4倍)という関係コゼニー・カルマン式による一般的な関係として本記事が補足した。本稿で個別の一次情報は引用していない解説
分離膜メーカーにとってバイオ精製が高付加価値の出口になりうること本記事の見通しであり、実績は確認していない未確定/将来
市販担体の具体的仕様、プロテインA樹脂の価格、商業製造での SEC の使用程度本稿の調査範囲で一次情報を確認できなかったため記載していない解説
工程の6段の整理、分離モードの図、担体の3階層、三すくみの整理、アスパラギン置換を高分子の加水分解対策に重ねる見方、表面修飾・製膜技術との接点、孔を分子の大きさに合わせるという原則、「限外ろ過で製剤へ」「サイズ排除は主に分析」の書き方公表内容にもとづく本記事の整理・解説。各著者が表明した見解ではない解説
図1・図2・図3・図6・図7が説明のための作図であること。図5が本稿の計算を含む作図であること。ヒーロー画像と図4が AI 生成イメージであること本記事による注記解説

最終更新:2026年9月23日/出典は一次情報(査読付き原著論文・総説)に限定しています。市場規模やシェア、価格の推計は使用していません。 構造の整理や材料設計上の読み取りを含むため、それらは「解説」として出典付きの事実と区別しています。 市販担体の具体的な仕様、プロテインA樹脂の価格、商業製造での SEC の使用程度については、公開された一次情報で確認できなかったため記載していません。 製品名は論文中で比較対象として挙げられたものであり、特定製品の推奨ではありません。 図はすべて説明用です。図1・図2・図3・図6・図7は概念図、図5は本稿の計算を含む作図、ヒーロー画像と図4はAI生成イメージであり、いずれも実際の製品・電子顕微鏡像・工程を写したものではありません。