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チップレット|半導体後工程 技術解説

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TECHNOLOGY EXPLAINER

チップレットとは何か
― なぜ「1枚の大きなチップ」をやめて、分けて繋ぐことにしたのか

半導体は長いあいだ「1枚のシリコンにすべてを載せる」方向へ進んできました。 その前提がいま崩れつつあります。分割と再接続という発想の転換を、初めての方にも、素材・材料の技術者にも分かる形で解説します。

構成:UCIe仕様・メーカー公表資料を一次情報として使用/最終更新 2026年9月

ひとつのパッケージの上に、大きさも役割も異なる複数のシリコンダイが並び、密な配線で結ばれているチップレットパッケージの概念イメージ
概念図(AI生成イメージ)。1つのパッケージに複数のダイを搭載するチップレット構成を表現したものです。実際の製品の形状・個数・配置を正確に示すものではありません。
この記事の構成
  1. チップレットとは何か(3行でつかむ)
  2. なぜ必要になったのか
  3. 歩留まりの数字で見る「分けたほうが得」な理由
  4. つなぎ方の4段階:基板・ブリッジ・インターポーザ・3D積層
  5. UCIe ― チップレットの「共通規格」
  6. 素材技術者の視点:ABF・アンダーフィル・反り・熱
  7. 実際の製品例
  8. 課題:テスト・設計・熱
  9. これから(ガラス基板・UCIe-3D)
  10. 用語集/参考資料/出典対応表
本記事の表記ルール

事実=規格文書またはメーカーの公表資料に記載のある値(出典リンクあり)
本稿の計算=明示した仮定をもとに本記事が算出した値
未確定/将来=開発中・検討段階であり、確定仕様や量産実績ではない事項

1. チップレットとは何か(3行でつかむ)

チップレット(chiplet)とは、 「本来1枚のチップに作り込むはずだった機能を、複数の小さなダイに分けて作り、1つのパッケージの中で繋ぎ直したもの」です。

  • 分ける:演算・入出力・メモリなど、役割ごとに別々のダイとして製造する
  • 選ぶ:ダイごとに最適な製造プロセスを選べる。すべてを最先端ノードで作る必要がなくなる
  • 繋ぐ:パッケージの中で、数µm〜数百µmという極めて短い距離で高密度に接続する

似た言葉に「SoC(System-on-Chip)」があります。SoCが1枚のシリコンにすべてを載せる思想であるのに対し、 チップレットはあえて分けて、パッケージで統合する思想です。両者は対立する概念というより、 統合の場所がシリコン上からパッケージ上へ移った、と理解するのが正確です。

左は一枚の大きなダイ、右は役割と大きさの異なる複数ダイを一つのパッケージで接続した構成の比較概念図
モノリシックSoC機能を1枚の大きなダイへ集積。設計は一体だが、全体が同じ製造プロセスになる。
チップレット機能ごとにダイを分割し、パッケージ内の短距離・高密度配線で再接続する。
図1 AI生成概念図。構成思想の違いを示す模式表現です。ダイの個数・比率・配置・配線本数は実製品を示しません。

2. なぜ必要になったのか

理由1:チップを大きくできない ― レチクル限界

半導体は、露光装置でマスクの像をウェハに転写して作ります。この一度に転写できる面積には上限があり、 これをレチクル限界と呼びます。TSMCはCoWoSの説明で、インターポーザ面積の基準を 「1レチクル(約830 mm²)」と表記しています事実 (TSMC)。

つまり、どれだけ設計を工夫しても、1枚のダイは概ね800〜860 mm²程度より大きく作れません。 AIアクセラレータが要求する演算能力は、この面積の中にはもう収まらなくなりました。

理由2:大きいほど歩留まりが落ちる

ウェハ上の欠陥はランダムに発生します。ダイが大きいほど、そのダイが欠陥を踏む確率は高くなります。 面積が2倍になれば不良率はおおむね2倍以上に悪化し、1つの微小な欠陥のために800 mm²のシリコンを丸ごと捨てることになります。 これは次章で数字にして確かめます。

同じウェハを大きな区画に分けた場合と小さな区画に分けた場合で、同じ数の欠陥が与える損失の違いを示す概念イメージ
図2 概念図(AI生成イメージ)。同じ数の欠陥でも、区画が大きいほど失われる面積が増えるという関係を表現したものです。実際の欠陥密度・分布・ウェハ寸法を示すものではありません。

理由3:全部を最先端ノードで作る意味がない

最先端プロセスへの微細化で大きく得をするのは、主に演算回路です。 一方、外部とやりとりする入出力回路やアナログ回路は、微細化しても比例して小さくならず、性能も伸びにくい。 それでも1枚もののSoCでは、恩恵の小さい回路まで最先端ノードの高い単価を払って作ることになります。

AMDは、EPYCプロセッサについて「演算ダイと入出力ダイを分離するモジュラー構成」を採用していると説明しています事実 (AMD)。 役割ごとにプロセスを選べることが、チップレットの実利です。

3つの理由は独立していません

レチクル限界で「これ以上大きくできない」、歩留まりで「大きくすると捨てる量が増える」、 経済性で「全部を最先端で作る必要がない」。この3つが同時に効いてきたために、 分割という選択が、妥協ではなく合理的な設計解になった——これがチップレットの背景です。

3. 歩留まりの数字で見る「分けたほうが得」な理由

感覚的な説明にとどめず、計算してみます。ここでは最も基本的なポアソンモデルを使います。

歩留まり Y = exp( − D × A ) D=欠陥密度[個/cm²] A=ダイ面積[cm²]
この計算の前提(必ずお読みください)

以下はすべて本稿の計算です。欠陥密度 D=0.1個/cm² は本稿が置いた仮定値であり、 特定のファウンドリの実績値ではありません。実際の歩留まりモデルはポアソンより複雑で(Murphyモデル等)、 各社は欠陥密度を公表していません。絶対値ではなく、面積による傾向を読み取るための計算として扱ってください。

ダイ面積と歩留まりの関係(ポアソンモデル・D=0.1個/cm²の仮定) 100%75% 50%25% 0% 0200 400600 800 ダイ面積 [mm²] レチクル限界の目安 (約830〜860 mm²) 200 mm² → 約82% 800 mm² → 約45%
図3 本稿の計算による作図。仮定値にもとづく傾向を示すグラフであり、実際の製品歩留まりを示すものではありません。

「良品1個あたりに投入するシリコン面積」で比べる

よくある誤解は「分割すれば歩留まりが上がって得になる」という説明です。これは半分しか正しくありません。 800 mm²を200 mm²×4個に分けても、4個すべてが良品である確率は 0.82⁴ ≒ 0.45 で、1枚ものと変わりません。

本当の違いは、不良が出たときに捨てる量です。チップレットなら、良品のダイだけを集めて組み立てられます。

方式ダイ面積歩留まり良品1個を得るための投入面積
モノリシック(1枚もの)800 mm²44.9%17.8 cm²
チップレット(200 mm² × 4個)200 mm² × 481.9%(1個あたり)9.8 cm²

いずれも本稿の計算。投入面積=面積÷歩留まり。チップレット側は 2 cm² ÷ 0.819 × 4個 で算出。

同じ製品を1つ作るために必要なシリコンが、17.8 cm²から9.8 cm²へ、およそ45%減る計算になります。 これがチップレットの経済的な根拠です。

ただし、シリコン面積だけで損得は決まりません

チップレット化によって新たに発生するコストがあります。ダイ間をつなぐ配線層やインターポーザの費用、 組み立て前に各ダイを検査するテスト費用(KGD)、ダイ間通信に使う回路と消費電力、 そしてパッケージ全体が大きくなることによる歩留まり低下です。 上の45%は、あくまでシリコン面積だけを見たときの数字であることを明確にしておきます。

4. つなぎ方の4段階:基板・ブリッジ・インターポーザ・3D積層

チップレットの技術的な中身は、実のところ「ダイとダイをどれだけ細かく繋げるか」に集約されます。 接続の細かさは、バンプピッチ(接続点の間隔)で表されます。

複数のシリコンダイが隣接して配置され、その境界部分を非常に密な配線が結んでいるパッケージ内部の立体イメージ
図4 概念図(AI生成イメージ)。ダイ間の接続密度の高さを表現したものです。配線本数・バンプ寸法・ピッチは実際の製品仕様とは異なります。
有機基板直結、シリコンブリッジ、全面インターポーザ、3D積層の4方式を同じ縮尺感で並べた断面概念図
① 有機基板直結作りやすく低コスト。配線密度は比較的低い。
② Siブリッジ必要な部分だけ微細なシリコン配線を使う。
③ インターポーザ全面を微細配線層として使い、多数の信号を運ぶ。
④ 3D積層ダイを上下に重ね、最短距離で高密度接続する。
図5 AI生成概念図。4方式の構造的な違いを示します。代表ピッチなどの正確な数値は直後の比較表と図6を参照してください。
方式代表例バンプピッチ特徴出典
(a) 有機基板に直付けUCIe Standard Package想定100〜130 µm到達距離10〜25 mm。安価だが本数が稼げないUCIe
(b) シリコンブリッジIntel EMIB(第2世代)55 µm → 45 µm基板の必要箇所にだけシリコン片を埋め込むIntel
(c) インターポーザTSMC CoWoS/UCIe Advanced Package想定25〜55 µm到達距離2 mm未満。全面シリコンで面積コストが大きいUCIe/TSMC
(d) 3D積層(ハイブリッドボンディング)Intel Foveros Direct 3D/TSMC SoIC10 µm以下はんだを介さず銅を直接接合。密度は従来比最大10倍Intel/TSMC

すべて事実。出典は末尾の一覧を参照。IntelはFoveros Direct 3Dについて「従来のマイクロバンプ比で最大10倍の接続密度」と説明しています。

接続ピッチの微細化(対数目盛) ハイブリッドボンディング 10 µm以下(〜1 µm級) インターポーザ 25〜55 µm シリコンブリッジ 45〜55 µm 有機基板に直付け 100〜130 µm 1 µm10 µm100 µm ← 細かい(高密度・高コスト) 粗い(低密度・低コスト)→
図6 概念図。各方式の代表的なピッチ範囲を対数目盛に配置したものです。数値は出典にもとづきますが、製品によって異なります。

5. UCIe ― チップレットの「共通規格」

チップレットには、もうひとつ壁があります。他社製のダイと繋がらないという問題です。 各社が独自方式で繋いでいるかぎり、チップレットは自社製品の中だけの話にとどまります。

これを解決するために策定されたのがUCIe(Universal Chiplet Interconnect Express)です。 ダイ間接続の物理層・プロトコル・ソフトウェアスタックを標準化するもので、 2022年3月2日にUCIe 1.0仕様とともにコンソーシアム設立が発表されました事実。

版公表主な内容
UCIe 1.02022年3月ダイ間接続の物理層・プロトコル・ソフトウェアモデル・適合試験を標準化
UCIe 1.12023年8月新しいバンプマップにより低コストなパッケージに対応
UCIe 2.02024年8月3Dパッケージングに対応。データレート32 GT/s
UCIe 3.02025年8月48/64 GT/sへ倍増。サイドバンド到達距離を最大100 mmへ拡張

すべて事実(UCIe Consortium公表資料)。

3つのパッケージ想定

UCIeは、実装方式に応じて3つのプロファイルを定義しています事実。

プロファイルバンプピッチ到達距離データレーン数
Standard Package(UCIe-S)100〜130 µm10〜25 mm16
Advanced Package(UCIe-A)25〜55 µm2 mm未満64
UCIe-3D10〜25 µm 〜 1 µm以下積層(3D)―
規格が意味すること

UCIeが定着すれば、A社の演算ダイとB社の入出力ダイを同じパッケージに載せることが現実的になります。 基板実装におけるPCI Expressのような役割を、パッケージの内部で果たそうとしている、と考えると分かりやすいと思います。

6. 素材技術者の視点:ABF・アンダーフィル・反り・熱

ここまでの話を材料の側から読み替えると、チップレットは 「基板材料・接合材料・封止材料に、これまでなかった水準を要求する技術」です。

(1) パッケージ基板 ― ABFという日本発の基幹材料

チップレットを載せる有機基板の層間絶縁材料として、事実上の標準になっているのが ABF(味の素ビルドアップフィルム)です。 味の素は、1999年に大手半導体メーカーに採用され、主要なパソコンのほぼ100%で使われていると説明しています事実 (味の素)。

材料としては、エポキシ樹脂・硬化剤・無機フィラーを組み合わせた処方で、 レーザー加工と表面への直接銅めっきによって、マイクロメートル単位の回路を形成できると説明されています事実。

樹脂の絶縁層と銅配線層が交互に積み重なり、レーザー穴あけとめっきで層間が接続されたビルドアップ基板のマクロイメージ
図7 概念図(AI生成イメージ)。樹脂層と銅配線層が交互に積層されるビルドアップ構造を表現したものです。層数・配線幅・フィラー分散などを正確に示すものではありません。
素材技術者が押さえるべきポイント

絶縁材料に求められる性質が、同時に3方向へ引っ張られています。 (a) 配線を細くするには、フィラーを微細化し樹脂表面を平滑にしたい。 (b) めっき密着性を得るには、表面を粗化したい——(a)と正面から衝突します。 (c) 高速信号のためには誘電率と誘電正接を下げたいが、低誘電な樹脂ほど密着性と耐熱性で不利になりがちです。

ここに(d) 大面積化に伴う低反り・低熱膨張が加わります。チップレット化でパッケージが大型化するほど、 この連立条件は厳しくなります。チップレットの限界を決めているのは、しばしばシリコンではなく基板材料の側です。

(2) アンダーフィル ― ピッチ微細化が突きつける物理的な壁

ダイと基板の隙間には、応力を緩和しバンプを保護するためにアンダーフィル樹脂を充填します。 ところがバンプピッチを細かくするほど、隙間も狭くなり、樹脂が毛細管現象で流れ込まなくなります。 ボイド(気泡)が残れば、そこが熱の断絶点になり、剥離の起点にもなります。

接続ピッチが100 µm級から10 µm以下へ向かう流れ(図6)は、材料の側から見れば 「流し込む方式が使えなくなっていく過程」でもあります。 ハイブリッドボンディングがはんだバンプを廃して銅を直接接合する方向へ進んでいるのは、 性能上の要求と同時に、この充填の限界が背景にあります。

(3) 反り(warpage)― 大型化がそのまま効いてくる

チップレットは、パッケージを大型化させます。シリコン、銅、エポキシ樹脂、有機基板は それぞれ熱膨張係数が異なるため、加熱と冷却のたびに反りが発生します。 反り量はパッケージ寸法におおむね比例して大きくなるため、大型化は反りの問題を直接悪化させます。

Intelはガラス基板について、「従来の有機基板ソリューションを制限している反りの問題を劇的に低減する」と説明しています事実。 裏を返せば、反りは現行の有機基板における律速要因のひとつだと、メーカー自身が認めていることになります。

大型のパッケージ基板が熱膨張係数の違いによって端部で反り上がり、接合部に応力がかかる様子を強調した概念イメージ
図8 概念図(AI生成イメージ)。反りの発生と接合部への応力集中という定性的な関係を、誇張して表現したものです。実際の反り量・変形解析の結果を示すものではありません。

(4) 熱 ― ダイごとに発熱密度が違う

モノリシックSoCと違い、チップレットでは1つのパッケージの中に発熱密度の異なるダイが同居します。 演算ダイは高温になり、入出力ダイは相対的に低温にとどまる。この温度差が、面内の応力分布をさらに複雑にします。 放熱材(TIM)の厚みばらつきや、ダイ高さの差をどう吸収するかも、実装材料側の課題になります。

7. 実際の製品例

時期製品公表されている構成
2019年8月AMD 第2世代EPYC(7002シリーズ)最大64個の「Zen 2」コアを7nmプロセスで実装したチップレット設計
―AMD EPYC(現行世代)演算ダイ(CCD)と入出力ダイ(IOD)を分離するモジュラー構成。Infinity Fabricで接続
―Intel Data Center GPU Max シリーズEMIBとFoverosを組み合わせたEMIB 3.5D。1,000億個超のトランジスタ、47個のアクティブタイル、5種類のプロセスノード

すべて事実(AMD/Intel公表資料)。

Intelの「47タイル・5ノード」という数字は、チップレットという発想が行き着いた先を端的に示しています。 1つの製品が、5つの異なる製造プロセスで作られた47個の部品からできている—— これはもはや「チップ」ではなく、パッケージという名の基板に載ったシステムです。

8. 課題:テスト・設計・熱

(1) テスト ― 組み立てる前に良品を見分けられるか

チップレットの利点は「良品のダイだけを集められる」ことにありました。 これは裏返すと、組み立て前に各ダイの良否を確実に判定できなければ、利点そのものが成立しないということです。 不良ダイを1つ混ぜて組み立ててしまえば、他の良品ダイもろともパッケージ全体が無駄になります。 段数・個数が増えるほど、この判定精度の要求は厳しくなります。

(2) 設計 ― 分割の線をどこに引くか

どの機能をどのダイに割り当てるかは、性能・コスト・消費電力のすべてに効きます。 ダイをまたぐ通信は、同一ダイ内の配線より遅く、電力も食う。 分割しすぎれば通信のオーバーヘッドが利点を食い潰します。

(3) 熱と機械応力

第6章で述べたとおりです。大型化・高密度化・発熱の不均一という3つが同時に進むため、 材料と構造の側が性能の上限を決める場面が増えています。

9. これから

公表されている方向性

ガラス基板:Intelは2023年9月、次世代の先端パッケージング向けガラス基板を発表しました事実。 配線密度10倍の可能性、パターン歪み50%低減、リソグラフィの焦点深度に有利な超平坦性、 そして反りの大幅低減を挙げ、本ディケードの後半に市場投入する計画としています。

UCIe-3D:ハイブリッドボンディングを前提に、1 µm以下のピッチまでを想定範囲に含めています事実。

左は樹脂層を積み重ねた有機基板、右は平滑なガラス基板に微細な貫通配線が並ぶ様子を対比した概念イメージ
図9 概念図(AI生成イメージ)。有機基板とガラス基板の平坦性・配線密度の違いを対比したイメージです。実際の製品構造・配線寸法・量産仕様を示すものではありません。
確定していないこと

ガラス基板の量産時期、歩留まり、コストは本稿の調査時点で公表されていません未確定/将来。 また、ハイブリッドボンディングが有機基板実装を置き換えるのか、用途ごとに併存するのかも定まっていません。 ロードマップ上の目標値と、量産実績とを混同しないことが重要です。

10. 用語集

チップレット
機能を分割した小さなダイ。複数個を1つのパッケージに統合して使う。
モノリシック
すべての機能を1枚のシリコンダイに作り込む従来の方式。
ダイ
ウェハから切り出した個々のシリコンチップ。
レチクル限界
露光装置が一度に転写できる最大面積。1枚のダイの上限を決める。
歩留まり
製造したうち良品となる割合。ダイ面積が大きいほど低下する。
KGD
Known Good Die。組み立て前に良品と確認済みのダイ。
バンプピッチ
接続点の間隔。小さいほど多くの配線を通せる。
UCIe
Universal Chiplet Interconnect Express。ダイ間接続の業界標準規格。
EMIB
Intelの方式。有機基板の必要箇所にだけシリコン製のブリッジを埋め込む。
Foveros
Intelの3D積層技術。Foveros Direct 3Dはハイブリッドボンディングを用いる。
CoWoS
TSMCの2.5D実装技術。シリコンインターポーザ上にダイを並べる。
SoIC
TSMCの3D積層技術。バンプを介さない接合で、ピッチは10 µm未満から。
インターポーザ
ダイを載せる中間基板。シリコン製では微細配線で多数の接続が可能。
ABF
味の素ビルドアップフィルム。パッケージ基板の層間絶縁材料。
アンダーフィル
ダイと基板の隙間を埋める樹脂。応力緩和とバンプ保護を担う。
ハイブリッドボンディング
はんだバンプを使わず、銅と絶縁膜を直接接合する方式。

11. 参考資料(一次情報)

  1. UCIe Consortium「Specifications」 — uciexpress.org
  2. UCIe Consortium「UCIe Consortium Introduces 3.0 Specification With 64 GT/s Performance and Enhanced Manageability」2025年8月5日 — businesswire.com
  3. UCIe Consortium「UCIe Consortium Releases 2.0 Specification Supporting Manageability System Architecture and 3D Packaging」2024年8月6日 — businesswire.com
  4. UCIe Consortium「UCIe Consortium Releases its 1.1 Specification」2023年8月8日 — businesswire.com
  5. UCIe Consortium「Leaders in Semiconductors, Packaging, IP Suppliers, Foundries, and Cloud Service Providers Join Forces to Standardize Chiplet Ecosystem」2022年3月2日 — businesswire.com
  6. Intel「Advanced Packaging Innovations」 — intel.com
  7. Intel「Foveros Direct 3D Technology Brief」 — intel.com(PDF)
  8. Intel「Intel Unveils Industry-Leading Glass Substrates to Meet Demand for More Powerful Compute」2023年9月 — newsroom.intel.com
  9. Intel「In Glass, a View to the Future of Powerful Chips」2023年11月16日 — newsroom.intel.com
  10. TSMC「CoWoS」技術ページ — 3dfabric.tsmc.com
  11. TSMC「TSMC-SoIC」技術ページ — 3dfabric.tsmc.com
  12. AMD「2nd Gen AMD EPYC Processors Set New Standard for the Modern Datacenter」2019年8月7日 — ir.amd.com
  13. AMD「AMD EPYC Server CPUs Features and Technologies」 — amd.com
  14. 味の素「ABF」イノベーションストーリー — ajinomoto.co.jp

12. 主張と出典の対応表(監査)

本文の主張根拠区分
インターポーザ面積の基準は「1レチクル(約830 mm²)」TSMC CoWoS技術ページ[参考資料 10]https://3dfabric.tsmc.com/english/dedicatedFoundry/technology/cowos.htm事実
歩留まり曲線、200 mm²=約82%/800 mm²=約45%、投入面積17.8→9.8 cm²Y=exp(−D×A)、D=0.1個/cm²の仮定による算出。実績値ではない本稿の計算
AMD EPYCは演算ダイと入出力ダイを分離するモジュラー構成AMD 技術ページ[参考資料 13]https://www.amd.com/en/products/processors/server/epyc/technology-leadership.html事実
AMD 第2世代EPYC(2019/8/7)は最大64コアZen 2を7nmで実装AMD プレスリリース[参考資料 12]https://ir.amd.com/news-events/press-releases/detail/904/2nd-gen-amd-epyc-processors-set-new-standard-for-the-modern-datacenter-with-record-breaking-performance-and-significant-tco-savings事実
UCIe Standard Package=100〜130 µm・10〜25 mm・16レーン/Advanced=25〜55 µm・2 mm未満・64レーン/UCIe-3D=10〜25 µm〜1 µm以下UCIe Consortium 仕様ページ[参考資料 1]https://www.uciexpress.org/specifications事実
UCIe 1.0(2022/3)、1.1(2023/8)、2.0(2024/8・32 GT/s)、3.0(2025/8・48/64 GT/s、サイドバンド最大100 mm)UCIe Consortium 各プレスリリース[参考資料 2]https://www.businesswire.com/news/home/20250805909613/en/UCIe-Consortium-Introduces-3.0-Specification-With-64-GTs-Performance-and-Enhanced-Manageability[参考資料 3]https://www.businesswire.com/news/home/20240806155624/en/UCIe-Consortium-Releases-2.0-Specification-Supporting-Manageability-System-Architecture-and-3D-Packaging[参考資料 4]https://www.businesswire.com/news/home/20230808798613/en/UCIe-Universal-Chiplet-Interconnect-Express-Consortium-Releases-its-1.1-Specification[参考資料 5]https://www.businesswire.com/news/home/20220302005254/en事実
Intel EMIB 第2世代はバンプピッチ55 µmから45 µmへIntel 公表資料[参考資料 6]https://www.intel.com/content/www/us/en/foundry/packaging.html事実
Foveros Direct 3Dは10 µm未満のピッチ、従来マイクロバンプ比で最大10倍の接続密度Intel Foveros Direct 3D技術資料[参考資料 7]https://www.intel.com/content/dam/www/central-libraries/us/en/documents/2025-11/foveros-direct-3d-tech-brief.pdf事実
Intel Data Center GPU Max:1,000億超トランジスタ、47アクティブタイル、5プロセスノード、EMIB 3.5DIntel 公表資料[参考資料 6]https://www.intel.com/content/www/us/en/foundry/packaging.html事実
TSMC SoICの接合ピッチは10 µm未満からTSMC SoIC技術ページ[参考資料 11]https://3dfabric.tsmc.com/english/dedicatedFoundry/technology/SoIC.htm事実
ABFは1999年に採用、主要パソコンのほぼ100%で使用、エポキシ樹脂・硬化剤・無機フィラー、レーザー加工と直接銅めっきでµm単位の回路形成味の素 公表ページ[参考資料 14]https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/rd/our_innovation/abf/事実
ガラス基板:配線密度10倍の可能性、パターン歪み50%低減、反りの大幅低減、本ディケード後半に投入Intel 2023年9月発表および関連記事[参考資料 8]https://newsroom.intel.com/artificial-intelligence/intel-unveils-industry-leading-glass-substrates[参考資料 9]https://newsroom.intel.com/new-technologies/in-glass-view-future-of-powerful-chips事実
絶縁材料の平滑性と密着性が衝突すること、アンダーフィルの充填限界、反りがパッケージ寸法に比例して悪化すること材料工学上の一般的な関係にもとづく解説。特定の数値主張は行っていない解説
ガラス基板の量産時期・歩留まり・コスト、ハイブリッドボンディングの普及範囲本稿調査時点で公表を確認できず未確定/将来

最終更新:2026年9月20日/出典は一次情報(規格団体の公表資料、メーカー公式発表・技術ページ)に限定しています。 図はすべて説明用の概念図です。図3・図6は数値を正確に保つためのベクター作図、その他はAI生成イメージです。AI生成図は実際の製品写真・断面写真・寸法比・解析結果を示すものではありません。