先進AIチップの熱管理課題が顕著化:TSMCは2028年までに14倍レチクルCoWoSで20層HBMを統合、マイクロチャネル冷却が主要技術に浮上

36氪 中国
概要
先進パッケージングされたAIチップにおいて、熱管理の課題が特に顕著化しており、2.5D、3D IC、CoWoS、HBMといったチップレット間での熱結合が主要な問題となっています。TSMCは2028年までに、14倍レチクルサイズのCoWoSプラットフォームで約10個の大型コンピューティングチップと20層のHBMを統合する計画を発表し、これにより熱密度がさらに上昇すると予測されます。この課題に対応するため、マイクロチャネル冷却が、将来の高性能AIパッケージにおける主要な熱管理技術の方向性として特定されました。
詳細

主要成果

先進パッケージングを用いたAIチップでは、熱管理が喫緊の課題として浮上しており、特に2.5D、3D IC、CoWoS、HBMといったチップレット構造におけるチップ間の熱結合が大きな問題となっています。TSMCは、2028年までに14倍レチクルサイズのCoWoSで約10個の大型コンピューティングチップと20層のHBMを統合するロードマップを提示しており、これにより熱密度が大幅に増加するため、マイクロチャネル冷却が次世代高性能AIパッケージの主要な熱管理技術として特定されました。

技術・臨床詳細

AIチップの性能向上に伴い、単位面積あたりの消費電力と発熱量が飛躍的に増加しています。特に、チップレットアーキテクチャでは、複数のロジックダイとHBMスタックが緊密に統合されるため、チップ間の熱結合(thermal coupling)が顕著になり、ホットスポットの形成や全体的な温度上昇を引き起こします。TSMCのCoWoS(Chip-on-Wafer-on-Substrate)技術の進化は、この課題をさらに深めます。2028年までに計画されている14倍レチクルサイズのCoWoSは、現在の標準的なCoWoSと比較して大幅に面積が拡大し、最大10個の大型コンピューティングチップと20層のHBMを単一パッケージ内に統合することを目指しています。このような高集積度では、従来の空冷やヒートシンクだけでは十分な冷却性能が得られません。そこで、マイクロチャネル冷却技術が注目されています。この技術は、チップまたはその直下に微細な流路(マイクロチャネル)を形成し、冷却液を直接流すことで、非常に高い熱伝達効率を実現します。これにより、チップからの熱を効率的に除去し、安定した動作温度を維持することが可能となります。

背景・業界文脈

AIモデルの複雑化と大規模化は、それを実行する半導体チップの計算能力に大きなプレッシャーをかけています。ムーアの法則の減速が指摘される中、半導体業界は2.5D/3Dパッケージング、チップレット、HBMといった先進パッケージング技術を通じて性能向上を図っています。しかし、これらの技術は、チップを垂直方向や水平方向に高密度に集積するため、必然的に熱密度が上昇し、熱管理がシステム全体のボトルネックとなっています。効果的な熱管理ソリューションなしには、AIチップの潜在能力を最大限に引き出すことはできません。TSMCのようなファウンドリが冷却技術に重点を置くロードマップを示すことは、業界全体の方向性を示唆しています。

今後の展望

マイクロチャネル冷却技術は、今後の高性能AIチップおよびHPCシステムにとって不可欠な要素となるでしょう。この技術の商業的実現は、材料科学、流体力学、精密製造技術におけるさらなるイノベーションを必要とします。冷却液の選定、チャネル設計の最適化、信頼性の高いポンプと配管システムの開発が今後の焦点となります。また、冷却システムのパッケージ内統合や、電力供給との連携も重要な課題です。マイクロチャネル冷却が成功すれば、現在のAIチップの熱設計における限界を打ち破り、AI処理能力の新たなフロンティアを開拓し、データセンターのエネルギー効率改善にも大きく貢献すると期待されます。

元記事: https://eu.36kr.com/en/p/3978316580617224

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