Perovskite-Info 中国、韓国、イタリア、ドイツ
概要
世界各地でペロブスカイト太陽電池の量産化に向けた動きが活発化しています。中国建設第二工程局は重慶で3GW規模のモジュール製造拠点を2026年10月までに完成予定であり、韓国Flexell Spaceは宇宙用ペロブスカイト/CIGSタンデム太陽電池のパイロット施設を稼働させました。また、イタリアのNew Time社は中国Huasun社と提携し、イタリアでのペロブスカイトパネル生産ロードマップを策定。これらの進展を支える製造技術として、INFICONの石英水晶振動子マイクロバランス(QCM)モニタリングを用いた熱蒸着法が、歩留まり向上とデバイス安定性に貢献しています。
詳細
中国で3GW級ペロブスカイト工場建設進捗、韓国Flexellは宇宙用タンデム生産を開始、INFICONの精密成膜技術が量産化を加速
ペロブスカイト太陽電池の商業生産に向けた動きが世界的に加速しており、特にアジアとヨーロッパで大規模な投資と技術開発が進んでいます。中国建設第二工程局は、中国南西部における3ギガワット(GW)規模のペロブスカイト太陽電池モジュール製造拠点の建設を精力的に進めており、金属屋根の設置が既に完了し、2026年10月までに完成・引き渡しが予定されています。これは、ペロブスカイト太陽電池の大規模展開に向けた重要なマイルストーンとなります。
技術・ビジネス展開の詳細
- 韓国Flexell Spaceの宇宙用パイロットライン: 韓国のFlexell Spaceは、議旺市にペロブスカイト/CIGSタンデム太陽電池のパイロット製造施設を開設しました。この施設は、特に宇宙用途に特化した、高効率で軽量なタンデムセルを1日あたり20枚(20cm x 20cmサイズ)生産することを目指しており、高付加価値市場への応用を視野に入れています。
- イタリアNew Time社のロードマップ: イタリアのNew Time社は、中国のHuasun社と協力し、ペロブスカイトパネルのイタリアでの生産に向けた詳細な4段階ロードマップを策定しました。このロードマップには、性能と耐久性を向上させるための材料配合の改良、デバイスの安定化、国際認証の取得、そして最終的な本格的な産業製造が含まれています。
- INFICONの精密成膜技術: 大規模生産における鍵となるのは、製造プロセスにおける精密な制御です。INFICONは、熱蒸着法と石英水晶振動子マイクロバランス(QCM)モニタリングを組み合わせることで、ペロブスカイト太陽電池の成膜において非常に高い精度を実現しています。QCMは、蒸着プロセスの間に材料層の厚さと組成をリアルタイムで正確に測定し、安定したデバイス特性と高い生産歩留まりを確保する上で不可欠な役割を果たします。層厚と組成のわずかな変動でもデバイスの劣化を早める可能性があるため、この精密制御技術は長期安定性にとっても極めて重要です。
背景・業界文脈
ペロブスカイト太陽電池は、従来のシリコン太陽電池に比べて製造コストが低く、高い変換効率、そして柔軟な基板への適用可能性といった多くの利点を持つ次世代技術です。これらの特性から、地上設置型の大規模発電所だけでなく、建材一体型太陽光発電(BIPV)、ポータブル電子機器、さらには宇宙用途など、多様な市場での応用が期待されています。量産化への課題は依然として大きいものの、各国の政府支援や企業間の提携が、その商業化を加速させています。
今後の展望
これらの製造拠点の建設とパイロットラインの稼働は、ペロブスカイト太陽電池技術が研究開発段階から量産化段階へと移行しつつある明確な証拠です。精密な製造プロセス制御技術の導入は、製品の信頼性と市場競争力を高める上で不可欠であり、将来的にはペロブスカイト太陽電池が世界のエネルギー市場において主要なプレイヤーとなる可能性を大きく広げます。特に、宇宙用途のようなニッチな高付加価値市場での応用は、技術の信頼性と性能を実証する重要な機会となります。
元記事: https://www.perovskite-info.com/tags/perovskite-solar-production

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