主要成果
カリフォルニア大学サンディエゴ校、成均館大学、プリンストン大学を含む12の機関による共同研究チームが、ペロブスカイト太陽電池のエネルギー変換効率(PCE)を認定値で25.9%(最大26.5%)まで向上させる新手法を開発しました。また、面積が15平方センチメートルを超えるペロブスカイト・ミニモジュールにおいても23.9%の効率を達成しています。さらに、PTAA(ポリ[ビス(4-フェニル)(2,4,6-トリメチルフェニル)アミン])正孔輸送層を用いた小面積セルでは、85°Cの連続動作条件下で1,400時間経過後も、初期効率24.1%の85.8%を維持する安定性を示しました。
技術・詳細
本技術の核心は、ペロブスカイトインクに臭化亜鉛と塩化メチルアンモニウムを添加し、結晶化過程で一時的な「液相(液体ステージ)」を形成させる点にあります。これら2つの塩は、単独の成分よりも低い温度で融解する「共晶(eutectic)」混合物を形成します。
アニール(熱処理)工程において、この共晶混合物が結晶粒界周辺で局所的に融解し、結晶がより秩序ある構造に再配列するための空間を提供します。その後、塩化メチルアンモニウムは蒸発し、亜鉛は粒界や界面に留まって欠陥を不活性化(パッシベーション)させる役割を果たします。また、このプロセスによって膜内のハロゲン化物分布が均一化されることも、ナノプローブX線顕微鏡による観察で確認されました。結果として、得られた薄膜は高い光ルミネッセンス量子収率、長い電荷キャリア減衰時間、および低い表面再結合速度を実現しています。
背景・業界の文脈
ペロブスカイト薄膜は多くの小さな結晶で構成されており、それらの境界(粒界)に存在する欠陥がエネルギー損失の原因となります。この問題は特にデバイスの面積を拡大した際に顕著になり、性能を制限する大きな要因となっていました。今回の研究では、共晶混合物を用いて結晶粒の端にある性能制限的な欠陥を除去することで、大面積デバイスにおける効率低下を抑制することに成功しています。
今後の展望
本手法は、テストしたさまざまなペロブスカイト組成において有効であることが報告されています。また、太陽電池だけでなく、ペロブスカイト発光ダイオード(LED)にも適用可能であり、外部量子効率26.1%を達成しました。研究チームは、今後さらに別の共晶化学組成の探索を進める方針です。
元記事: https://www.perovskite-info.com/perovskite-solar-cells-reach-259-efficiency-short-lived-liquid-stage
毎週の技術動向レポートを無料でお届け
各分野の分析レポートを読む価値があるかどうか一目で判断できるインフォグラフィックをメールで受け取れます。
📢 メールマガジンに無料登録(週刊・技術動向レポート)
ご登録いただくと、Troy-Technical から週刊で技術動向レポート(メールマガジン)をお届けします。
- 取得したメールアドレス・選択分野は配信目的にのみ使用します。
- 第三者へ提供することはありません。
- 配信はいつでも解除できます(各メール下部のリンクから)。
詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。
登録は1分・いつでも解除できます



