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軌道上サービスとスペースデブリ 技術解説

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TECHNOLOGY EXPLAINER

軌道上サービスとスペースデブリ
― 衛星の寿命延長・燃料補給・デブリ除去の考え方と、デブリの現状・低減の指針

使い終えた人工衛星やロケットの破片は、「宇宙ごみ(スペースデブリ)」として軌道に残ります。この記事は、素材技術者が宇宙工学を知らなくても読めるように、①デブリの現状(公的機関の数値を日付つきで)、②小さな破片でもなぜ危ないか(秒速約10 kmのエネルギー)、③破片から衛星を守る遮蔽の材料、④デブリを「作らない」ための指針と標準、⑤寿命延長・燃料補給・除去という「軌道上サービス」の考え方と実証の状況を、図で順に説明します。実証ミッションは、実績と未確定の計画の計画を区別して書きます。法的助言は書きません。

構成:NASA 軌道デブリプログラムオフィスの FAQ、ESA の宇宙環境報告書2026と Clean Space の解説、国連宇宙部の指針、IADC・ISO・ECSS・FCC の文書、NASA の技術報告(遮蔽)、Northrop Grumman・Astroscale・Orbit Fab の公式ページを使用/数値例は本稿で計算/確認日 2026年10月17日

接近・観測・接続を慎重に進める概念です。対象の形や運動、接続部、許可を含めて成立する仕事で、何でも捕獲できる装置ではありません。
図1 概念画像(ImageGen生成)。接近・観測・接続を慎重に進める概念です。対象の形や運動、接続部、許可を含めて成立する仕事で、何でも捕獲できる装置ではありません。実際の製品・施設・測定結果・設計寸法ではありません。実物と拡大模型を区別してください。線・矢印・色は説明用です。
この記事の構成
  1. 3行でわかる/読む前に知っておくこと/シリーズの中での位置
  2. デブリの現状 ― 数と滞留時間(日付つき)
  3. なぜ小さな破片が危ないか ― エネルギー(数値の例)
  4. 守る材料 ― 破片を砕いて受け止める遮蔽
  5. 作らない ― 低減の指針と標準
  6. 軌道上サービスの3つの型
  7. 実証ミッションの状況 ― 実績と計画を分ける
  8. 素材技術者の視点
  9. 評価・標準の読み方/用語集/参考資料/出典対応表
本記事の表記ルール

事実=公表資料に記載のある内容(出典リンクあり)
本稿の計算=明示した前提をもとに本記事が算出した値
未確定/将来=企業の目標・計画、申請中・審議中の事項など、確定していないこと
推測は太字で示します。たとえ話には、必ず「たとえの限界」を書きます。

この記事の数値の読み方

第3章のエネルギーの数値は、本稿が計算した説明用の値です。デブリの数は、NASA・ESA の文書にあるとおりに書き、確認日(2026年10月17日)を付けています。推定(モデル)と、実際に追跡したカタログの数は区別します。ミッションは、確認できた実績と、未確定の計画を分けて書きます。この分野は変化が速いため、状態は確認日時点のものです。

1. 3行でわかる/読む前に知っておくこと/シリーズの中での位置

  • 数は増えている:ESA は、10 cm 超の物体が約6万8千個(運用中の衛星約1万1千3百機を含む。2026年2月1日のモデル推定)、1〜10 cm が約150万個、1 mm〜1 cm が約2.3億個と推定します 事実[参考資料2]
  • 小さくても危ない:衝突は平均で秒速約10 km。直径1 cm のアルミの球で約71 kJ です(本稿の計算)。ISS の遮蔽は、1 cm までの破片に耐える設計です 本稿の計算事実[参考資料1]
  • サービスは実績が出始めた段階:静止衛星の寿命延長(MEV-1・MEV-2)は実運用です。デブリの点検(ADRAS-J)と磁気捕獲の実証(ELSA-d)は終了し、デブリの除去は計画の段階です 事実未確定/将来[参考資料17・20・18・21]
この記事を読む前に知っておくこと

宇宙工学の知識は要りません。「軌道」は落ち続けながら、横に十分速く進むので地面に当たらない状態です。低軌道(LEO)は高度数百〜約2,000 km、静止軌道(GEO)は約36,000 kmです。「デブリ」は、役目を終えた衛星・ロケットや、その破片です。NASA はこれを「人工の物で、もう有用な目的を果たしていないもの」と定義しています 事実[参考資料1]。「不活性化(パッシベーション)」は、使い終えた機体に残る燃料・圧力・電気のエネルギーを取り除いて、爆発を防ぐ処置です。

シリーズの中での位置

低軌道の衛星の数・許可・再突入は「低軌道コンステレーション」編、宇宙環境と材料は「宇宙環境と材料への影響」編、複合材料は「宇宙用CFRPと複合材料」編で扱います。この記事は、その延長で、デブリの現状と、衛星を守る・作らない・片づける、の3つに絞ります。

2. デブリの現状 ― 数と滞留時間(日付つき)

まず数を整理します。デブリは大きさで性質が違うので、大きさごとに見ます。NASA は、追跡できる大型の物体が約5万個、1 mmほどの小さな破片が約1億個と推定し、2026年8月時点で、米国の宇宙監視網が3万4千個超をカタログに登録している、と述べます 事実[参考資料1]。ESA の2026年の報告書(2025年末までのデータ)は、モデルで、10 cm 超が68,450個(うち運用中の衛星が約11,300機)、1〜10 cm が約150万個、1 mm〜1 cm が約2.3億個と推定します 事実[参考資料2]。

宇宙ごみの数:大きさごと(公的機関の数値。推定とカタログは別) 10⁴ 10⁵ 10⁶ 10⁷ 10⁸ 個数 1 mm〜1 cm(ESA の推定) 約2.3億個 1 mm 以上(NASA の推定) 約1億個 1〜10 cm(ESA の推定) 約150万個 10 cm 超(ESA の推定) 68,450個 追跡できる大型(NASA の概数) 約5万個 NASA のカタログ(2026年8月) 3.4万個超 運用中の衛星(ESA の推定) 約11,300機 推定(モデル)と、実際に追跡して登録したカタログの数は別のもの。ESA と NASA の推定は方法が違い、一致しない
図2 本稿の計算を含む作図(ベクター作図)。数値は NASA・ESA の文書にあるとおりで、グラフに描き直したものです。推定(橙)、カタログ(青)、運用中の衛星(緑)は別の種類の数です。

ESA の2026年の報告書は、2025年に300回超の打ち上げと4,000機超の新しい衛星があり、毎日約10機が打ち上げられる一方、毎日3機超が再突入している、と述べます。報告書は、過去20年の平均で、年に約9.8回の「意図しない破砕(爆発など)」が起きていると記します 事実[参考資料2・3]。ESA はまた、1961年以降に650回超の軌道上の破砕が記録され、衝突を除けば、多くは宇宙機・ロケット上段の爆発(残燃料、材料の疲労、電池の圧力上昇による)だったと述べます 事実[参考資料4]。

いったん軌道に残ると、どれだけ長くいるかは高度で決まります。NASA は、高度600 km未満のデブリは通常、数年で落ちてくる、800 kmでは数百年かかることが多い、1,000 kmを超えると1,000年以上周回し続けることが多い、と説明します。また、デブリは均一に分布せず、最も多いのは高度約1,000 km付近だとしています 事実[参考資料1]。

高度と「自然に落ちるまでの時間」(NASA の説明) 0 400 800 1,200 高度 km 数年以内に落ちる 600 km 未満 800 km では数百年 600〜1,000 km 1,000年以上 1,000 km 超 ◀ デブリが最も多いのは高度約1,000 km 付近 前の記事「低軌道コンステレーション」の殻の多くは、60 0 km 未満にあります。高度が高いほど、運用が終わった 機体は長く残ります。 目安であり、衛星の面積・質量や太陽活動で大きく変わる(寿命の推定は ISO 27852 の対象)
図3 概念図(ベクター作図)。NASA の説明を、高度の軸に帯で示した概念図です。境界は目安で、実際の寿命は衛星ごとに違います。
よくある誤解:「宇宙ごみは、そのうち地球に落ちて燃え尽きる」

落ちるまでの時間は、高度で桁が違います。低い軌道(600 km未満)では数年でも、800 kmでは数百年、1,000 kmを超えると1,000年以上です。低軌道の衛星でも、運用を終えた後に自力で下げなければ、長く残りえます(NASA)事実[参考資料1]。また、燃え尽きた後の物質が大気に何を残すかは、前の記事「低軌道コンステレーション」で触れたとおり、研究の途上です。

よくある誤解:「宇宙ごみは誰かが拾ってよい」

宇宙条約の第8条は、宇宙空間に打ち上げられた物体の所有権は、宇宙空間にあることによって影響を受けない、と定めます 事実[参考資料16]。つまり、役目を終えたデブリにも、登録した国の管轄と所有権が残りえます。除去の技術の問題に加えて、他国・他社の物体に近づいて取り除く際の権限・合意の問題が、別にあります(法的助言ではなく、条文の紹介にとどめます)。国際的なデブリの条約は、ありません(NASA)事実[参考資料1]。

3. なぜ小さな破片が危ないか ― エネルギー(数値の例)

NASA は、低軌道のデブリが秒速7〜8 kmで周回し、物体どうしが衝突するときの平均の相対速度は約10 km/s、最大で約15 km/s に達する、と説明します。弾丸の速度の10倍以上です 事実[参考資料1]。運動エネルギーは、質量の半分に速度の2乗をかけたものです(½mv²)。速度が10倍になるとエネルギーは100倍、質量が1,000倍になるとエネルギーも1,000倍です。数値で確かめます。

小さな破片の運動エネルギー(本稿の計算) 10 J 1 kJ 100 kJ 10 MJ 直径 1 mm 質量 約1.4 mg 約71 J 直径 1 cm 質量 約1.4 g 約71 kJ 直径 10 cm 質量 約1.4 kg 約71 MJ 計算:密度2.7 g/cm³ の球が相対速度10 km/s(NASA が示す平均)で衝突するとして、運動エネルギー=½×質量×速度²。1 cm で約71 kJ は、TNT火 薬に換算すると約17 g(1 kg ≒ 4.184 MJ の慣用値)。 ESA は、1 cm の物体の衝突を「手榴弾の爆発に相当するエネルギー」と表現する。衝突の相手と角度で実際の被害は変わる
図4 本稿の計算を含む作図(ベクター作図)。アルミの球が秒速10 kmで衝突するときの運動エネルギーです。実際の破片は形・材質・衝突角が違い、被害の大きさは、相手の構造でも変わります。

直径1 mmの球で約71 J、直径1 cmで約71 kJ、直径10 cmで約71 MJです 本稿の計算。直径が10倍になると、体積が1,000倍になり、エネルギーも1,000倍になります。ESA は、1 cmの物体が衛星に衝突したときのエネルギーは、爆発する手榴弾に相当する、と表現しています 事実[参考資料4]。NASA は、1 mm程度の破片が、多くのロボット衛星にとって、任務を終わらせる貫通のリスクが最も大きい、と説明します。燃料タンクや圧力容器を傷つけうるからです。サブミリの破片や微小隕石は、ふつうほとんど影響なく衝突しています 事実[参考資料1]。

つまずきやすいところ:なぜ「連鎖」が怖いのか(ケスラーシンドローム)

衝突が起きると、破片が増え、その破片がさらに衝突を起こす、という連鎖が考えられます。Kessler と Cour-Palais は1978年の論文で、衛星どうしの衝突頻度から、デブリの帯が作られる可能性を論じました 事実[参考資料15]。ESA は、打ち上げをすべて止めても、衝突によってデブリは増え続ける、とし、2026年の報告書は、低軌道の物体と衝突の将来の推定が、暴走的に増える方向にあると述べます 事実[参考資料3]。これは予測(モデル)で、確定した未来ではありません。ESA の環境指標は、2025年の活動の長期の影響が、1年で桁違いに悪化した、と示します 事実[参考資料3]。

4. 守る材料 ― 破片を砕いて受け止める遮蔽

小さな破片を完全に避けることはできないので、衛星の重要な部分には「遮蔽(シールド)」をつけます。素朴には、厚い壁で受け止める方法ですが、重くなります。そこで、薄い板で先に砕いて、すき間を飛ばして広げ、勢いを後ろの層で受け止めるという考え方(ホイップル遮蔽)が使われます。NASA の資料によれば、ISS の遮蔽は、人の乗る部分や高圧のタンクが、直径1 cmまでの破片の衝突に通常は耐えられるようにします 事実[参考資料1]。ISS の米国モジュールには、金属板にセラミックとケブラーの布を組み合わせた「スタッフド・ホイップル遮蔽」が使われています 事実[参考資料13]。

①外板で破片を砕き、②間隔と中間層で広がったものを受け、③後ろの壁を守る概念です。どんな破片も防ぐ万能な盾ではありません。
図5 概念画像(ImageGen生成)。①外板で破片を砕き、②間隔と中間層で広がったものを受け、③後ろの壁を守る概念です。どんな破片も防ぐ万能な盾ではありません。実際の製品・施設・測定結果・設計寸法ではありません。実物と拡大模型を区別してください。線・矢印・色は説明用です。
元のSVG・数値・出典を確認する
破片を「砕いて、広げて、受け止める」遮蔽(スタッフド・ホイップル遮蔽の概念図) 破片 バンパー(金属板) 砕けて広がる破片の雲 セラミック(Nextel) ケブラー 後ろの壁 すき間(間隔)が、雲を広げる距離になる NASA の資料で確認できた点 ISS の遮蔽は直径1 cm までの破片 に耐える設計(NASA) 金属板にセラミックとケブラーの布 を組み合わせた構成を、ロボット衛 星の燃料タンク保護に適用 セラミックの繊維は密度が高く、衝 撃の圧力を高める(アルミに比べ) 材料・厚さ・間隔は概念を示す例で、実在の遮蔽の設計ではありません

元SVGの説明:概念図(ベクター作図)。層の数・厚さ・間隔は概念を示す例です。右は、NASA の資料で確認できた点です。

地上の接近・接続試験と軌道上の実証を分けて見ます。試験の成功だけで、運用中の衛星に対する全機能が実証済みとは言えません。
図6 概念画像(ImageGen生成)。地上の接近・接続試験と軌道上の実証を分けて見ます。試験の成功だけで、運用中の衛星に対する全機能が実証済みとは言えません。実際の製品・施設・測定結果・設計寸法ではありません。実物と拡大模型を区別してください。線・矢印・色は説明用です。

NASA は、ロボット衛星の燃料タンクにも同じ考えを使いました。PACE 衛星では、衝突によるタンクの損傷のリスクが、NASA の要件を満たさなかったため、ISS のスタッフド・ホイップル遮蔽を縮小して、ラム方向(進行方向)のタンクの遮蔽にした、と報告されています 事実[参考資料13]。素材の面では、セラミック(Nextel)の繊維は密度が高いので、衝撃で生じる圧力をアルミより高め、破片を細かく砕く、と NASA の別の報告は説明します。その報告は、Nextel の代わりに玄武岩(バサルト)の織物を使う試験を紹介しています。ISS の米国モジュールの遮蔽の25%の縮尺で、アルミの弾を約7 km/s で10回撃ち、結果は「ほぼ同等かやや劣る・やや優れる」と構成で分かれたとされます。縮尺が小さい試験なので、実寸大の追試験を予定している、とも書かれています 事実[参考資料14]。

よくある誤解:「厚くすれば安全」

遮蔽は、単に厚い壁にすると重くなり、打ち上げの費用が増えます。NASA の研究は、「より軽い質量で、より良い防護」を目指す新しい材料と設計の開発を目的にしています 事実[参考資料14]。また、遮蔽は1 cm程度までが対象で、1〜10 cm の破片は、ISS でも重要部品に当たる小さなリスクが残ります(NASA)事実[参考資料1]。大きな物体は、遮蔽ではなく、衝突回避(動いて避ける)で対応します。ISS は、追跡された物体が数マイル以内に近づき、衝突の確率が1万分の1を超えるとき、通常は回避の運用を行い、1999年以来41回行った、と NASA は述べます 事実[参考資料1]。

5. 作らない ― 低減の指針と標準

いちばん効果が大きいのは、新しいデブリを作らないことです。NASA も、最も重要なのは、不要な新しいデブリの発生を防ぐことで、環境の掃除は技術的にも経済的にも難題として残る、と述べます 事実[参考資料1]。国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)の指針は、2010年に刊行された版で7つあります:①通常運用でデブリを出さない、②運用中の破砕の可能性を最小にする、③軌道上の衝突の確率を抑える、④意図的な破壊を避ける、⑤残ったエネルギーによる運用後の破砕を最小にする(不活性化)、⑥低軌道に運用後も長く残らないようにする、⑦静止軌道への長期の干渉を避ける 事実[参考資料6]。

宇宙ごみを「作らない」ための文書の地図(確認できた範囲) 国際的な合意(拘束力のない指針) 国連 COPUOS の7つの指針(2010年刊行版) IADC-02-01(Rev. 1:2007年/Rev. 4:2025年掲載) 国際規格・技術規格 ISO 24113:2023 要求事項(最上位) ISO 27852:2024 軌道寿命の推定 ECSS-U-AS-10C Rev.2(ISO 24113 の採 用通知) 各国・機関の規則(適用範囲が決まっている) FCC:低軌道は運用終了から5年以内(2024 年9月29日の後の打ち上げ) ESA:5年未満+衝突確率10⁻³未満(ESA のプロジェクト) NASA:NASA-STD-8719.14 など 上の層ほど一般的な原則で、下の層ほど、誰に・いつから適用されるかが決まっている。国際条約はない(NASA)。本文は ISO・IADC Rev. 4 とも未確認
図7 概念図(ベクター作図)。国際的な指針は拘束力がなく、各国・機関の規則は適用範囲が決まっています。詳しい内容(規格の本文)は確認していません。

IADC(宇宙デブリ調整委員会)の指針の2007年の第1版は、低軌道で運用を終えた機体は、可能なら大気圏へ再突入させる(直接の再突入が望ましい)か、寿命を短くする軌道へ移すこと、そして、研究や各国の指針から、運用後25年が妥当な寿命の上限とされたことを述べます。静止軌道では、高度35,786 kmの上下200 kmを保護域とし、運用後は保護域の外へ移します 事実[参考資料7]。IADC の最新版は Rev. 4(2025年1月22日掲載)ですが、本稿は本文を確認していません 事実[参考資料8]。ISO 24113:2023 は、無人の宇宙システム(運用中の宇宙機、ロケットの軌道段、運用で放出される物体を含む)に適用される、デブリ低減の最上位の要求規格で、ECSS は ECSS-U-AS-10C Rev.2(2024年2月9日)でその採用を示しています 事実[参考資料9・11]。

各国・機関は、この25年を、より短く厳しくする方向です。FCC は2022年9月29日採択の命令(FCC 22-74)で、低軌道の運用終了から5年以内に再突入させる規則とし、2024年9月29日の後に打ち上げる衛星に適用します 事実[参考資料12]。ESA の「ゼロ・デブリ」の要件は、LEO を妨げる宇宙系を運用終了から5年以内に除去すること、不活性化、そして、制御されない再突入の地上被害の期待値が1回あたり0.0001を超える場合は、人のいない海域への制御された再突入を求めます 事実[参考資料4]。ESA の報告書は、この5年は ESA のプロジェクトのみを拘束し、衝突確率10⁻³未満の条件も併せると述べます 事実[参考資料2]。

つまずきやすいところ:指針・標準・規則の違い

「指針」は、国際的な合意ですが、守る義務はありません(COPUOS・IADC)。「標準(規格)」は、設計や試験の共通の書き方です(ISO・ECSS)。標準に従うかどうかは、契約や採用の仕方で決まります。「規則」は、特定の国や機関の許可の条件です(FCC・ESA の要件)。同じ「5年」でも、FCC の5年は米国の許可の条件、ESA の5年は ESA のプロジェクトのみに適用、IADC の指針は25年のまま(確認した版)と、立場が違います。

6. 軌道上サービスの3つの型

「軌道上サービス」は、衛星を地上に戻さずに、宇宙で世話をする技術です。自動車のレッカー車、ガソリンスタンド、整備工場にたとえると分かりやすいでしょう(たとえの限界:宇宙では、相手も自分も秒速数kmで動いているので、近づいて取り付くこと自体が最大の難所です)。ESA は、軌道上サービスは、衛星の寿命を延ばし、使い終えた衛星の安全な除去も支える、と説明します 事実[参考資料5]。

軌道上サービスの3つの型 ① 寿命延長 何をするか サービサー衛星が顧客衛星に取り付き、自分 の推進で姿勢・軌道を保つ 必要な条件 顧客は燃料がほぼ尽きた静止衛星 状況(確認日 2026年10月17日) 実運用:MEV-1・MEV-2(2020・2021年) ② 燃料補給・修理 何をするか 燃料を補給したり、部品を交換したりして、 寿命を延ばす 必要な条件 給油口などの規格化されたインターフェース が前提 状況(確認日 2026年10月17日) 実証・計画の段階(確認できた範囲) ③ 除去・点検 何をするか 故障した衛星や使い終えた機体を捕まえ、軌 道から降ろす。まず近づいて点検する 必要な条件 相手が協力しない(準備のない)物体だと難 しい 状況(確認日 2026年10月17日) 実証の段階:ELSA-d、ADRAS-J。除去は計画 (ADRAS-J2、ELSA-M) どの型でも、相手に安全に近づき(ランデブー・近接運用、RPO)、決まった手順で取り付く技術が土台になる
図8 概念図(ベクター作図)。3つの型は、働きと必要な条件、確認できた実証の状況を並べた概念図です。顧客の条件(準備があるか)が難しさを大きく左右します。
  • 寿命延長(実運用):Northrop Grumman の MEV は、燃料がほぼ尽きた静止衛星に取り付き、自らの推進で寿命を延ばす装置です。MEV-1 は2020年2月25日に Intelsat IS-901 に取り付き、2025年4月に5年の任務を終え、5月に次の顧客へ取り付きました。MEV-2 は2021年4月12日に IS-10-02 に取り付きました(企業の説明)。同社は、運用中の静止衛星に取り付いたのは自社だけだと述べます(企業の主張)事実[参考資料17]
  • 燃料補給・修理(準備の段階):Northrop Grumman の MRV(ロボット衛星)は、受動の給油モジュール(PRM)を備え、同社は、米国宇宙軍が承認した初の給油インターフェース規格だと述べます(企業の主張)。Orbit Fab は、RAFTI という給油インターフェースを提供すると述べます(企業の説明)。ESA は、多目的のサービス衛星の役割に、高価値の衛星への給油や機器の追加を挙げます 事実[参考資料17・23・5]
  • 除去・点検(実証と計画):相手が「協力する(準備のある)」衛星か、「協力しない(準備のない)」物体かで、難しさが違います。ELSA-d は、磁気で取り付く方式を実証し、ADRAS-J は、準備のない大型のロケット上段に15 mまで近づいて観測しました。除去そのものは、ADRAS-J2(JAXA)と ELSA-M(Eutelsat・ESA・英国宇宙庁)が開発中です 事実未確定/将来[参考資料18・20・21・19]
つまずきやすいところ:なぜ「準備のある衛星」と「ない衛星」で違うのか

準備のある衛星には、取り付くための部品(磁気のプレートや、標準の結合部)と、近づくときの目印(反射板など)が、最初から付いています。ESA はこれを「除去のための設計(Design for Removal)」と呼びます 事実[参考資料4]。準備のない物体は、位置や姿勢の情報(GPS や遠隔測定)を出さず、回転していることもあるため、まず近づいて観察し(点検)、動きを把握する必要があります。Astroscale は、ISSA-J1 の目的を、そのような大型の使い終えた衛星の点検とし、2028年3月の完了を目指すと述べます 事実未確定/将来[参考資料22]。

7. 実証ミッションの状況 ― 実績と計画を分ける

実証ミッションの年表(確認日 2026年10月17日。実線=実績、破線=予定・開発中) 2020 2021 2022 2023 2024 2025 2026 2027 2028 確認日 MEV-1(寿命延長) 2020-02-25 取り付き → 2025年4月 5年の任務を終え、5月に次の顧客へ MEV-2(寿命延長) 2021-04-12 取り付き ELSA-d(磁気捕獲の実証) 2021-03 打ち上げ。2021-08 磁気捕獲を繰り返し実証。2024-01 軌道離脱 ADRAS-J(デブリの点検) 2024-02-18 打ち上げ。2024-11-30 15 m まで接近。2026-03-25 運用を終え軌道離脱へ MRV と MEP 3機 2026-07-21 打ち上げ。サービスの実績は確認できなかった ADRAS-J2(除去) 開発中。打ち上げ会社を2026-09-01に選定。時期は未確認 ELSA-M(除去) 開発中。設計審査は2025-06完了。時期は未確認 RISE(寿命延長) ESA 初の軌道上サービス。計画。時期は未確認 破線の長さに意味はありません(時期が未確認のものは、棒を置いただけで予定日を示しません)
図9 概念図(ベクター作図)。実績は企業・機関の公式ページの日付にもとづきます。破線の棒は予定または開発中で、期間の長さに意味はありません。
ミッション何を・どの規模で・いつ区分
MEV-1・MEV-2(Northrop Grumman)静止軌道で、MEV-1 は2020-02-25、MEV-2 は2021-04-12に顧客衛星に取り付き、寿命を延長(企業の説明)。MEV-1 は2025年4月に5年の任務を終え、5月に次の顧客へ 事実[参考資料17]事実
ELSA-d(Astroscale)サービサーと顧客の2機を重ねて、2021年3月に打ち上げ(同社のページには3月22日・23日の記載)。2021-08-25に磁気捕獲を繰り返し実証、2022-05-04に複雑なランデブー運用を完了、2024-01-24に軌道離脱を終えて任務を完了。実際のデブリではなく、自分の顧客衛星を使った実証 事実[参考資料18]事実
ADRAS-J(Astroscale・JAXA)JAXA の商業デブリ除去実証(CRD2)の第1段階。2024-02-18に打ち上げ、既存の大型デブリ(ロケット上段)に近づく初の試みとして、2024-11-30に15 mまで接近して観測。2026-03-25に運用を終え、軌道離脱を開始。捕獲・除去は行っていない 事実[参考資料20]事実
MRV と MEP 3機(Northrop Grumman)ロボット衛星 MRV と寿命延長用の小型装置 MEP 3機が、2026-07-21に Falcon 9 で打ち上げ。確認日時点で、サービスの実績は確認できなかった 事実[参考資料17]事実
ADRAS-J2(Astroscale Japan・JAXA)同じロケット上段に近づき、ロボットアームで捕らえて軌道から降ろす計画。JAXA との第2段階の契約は約132億円(税込)。2026-09-01に打ち上げ会社を選定。開発中、時期は確認できなかった 未確定/将来[参考資料21]未確定/将来
ELSA-M(Astroscale)準備のある商用衛星(Eutelsat など)を、磁気で捕獲して除去する商用サービスの実証。顧客は Eutelsat・ESA・英国宇宙庁。2025年6月に設計審査を完了、2026-03-16に打ち上げ会社を選定。開発中、時期は確認できなかった 未確定/将来[参考資料19]未確定/将来
RISE(D-Orbit・ESA)静止軌道の顧客衛星に安全にランデブー・ドッキングして寿命を延ばす商用サービスの実証。ESA 初の軌道上サービスのミッション。D-Orbit が開発し共同出資。時期は確認できなかった 未確定/将来[参考資料5]未確定/将来
ISSA-J1(Astroscale Japan・文部科学省)大型の使い終えた衛星を撮像・診断する点検の実証。完了の目標は2028年3月。開発中 未確定/将来[参考資料22]未確定/将来

表の整理は本稿の計算(整理)。企業の説明は企業の主張で、第三者の検証は確認できていません。

よくある誤解:「デブリ除去はもう実用化している」

確認できた範囲で、実際のデブリを捕まえて軌道から降ろした実績は確認できませんでした。ELSA-d の捕獲は自社の顧客衛星で、ADRAS-J は接近と観測(15 mまで)で、捕獲も除去もしていません。寿命延長(MEV)は実運用ですが、デブリの除去とは別の用途です。除去は、ADRAS-J2 や ELSA-M など、開発中の段階です 事実未確定/将来[参考資料18・20・21・19・17]。ESA も、2026年9月の記事で、軌道上サービスを「実証ミッションから運用サービスへ移る段階」と位置づけています 事実[参考資料5]。

8. 素材技術者の視点

素材技術者の視点①:遮蔽は「材料の密度・組合せ・すき間」の設計

第4章のとおり、スタッフド・ホイップル遮蔽は、金属板、セラミック布、ケブラー布を組み合わせます。NASA の報告は、セラミック(Nextel)の繊維が高密度で、アルミより衝撃の圧力を高めると述べ、バサルト(玄武岩)の織物に置き換える試験では、ケブラーの種類との組合せで性能が逆転することを示しています 事実[参考資料14]。材料の目で見ると、布の繊維の密度・織り方・組合せと、すき間(間隔)が、同じ質量での防護を決めます。縮尺が小さい試験は、すき間が足りずに結果を歪めうる、と報告自身が注意しています。試験の縮尺を、結果の読み方に含める必要があります。

素材技術者の視点②:捕まえる部品は「相手に付く材料」

ELSA-d や ELSA-M は、顧客衛星に付けた磁気のプレート(ドッキングプレート)に、サービサーが磁気で取り付く方式です(Astroscale)事実[参考資料18・19]。衛星側に付ける部品は、軽く、宇宙環境(温度の繰り返し、放射線)で磁性などの性質が変わりにくいことが必要です(解説)。ただし、プレートの材料や磁気の強さは、本稿で確認した資料に数値がなく、確認できませんでした。準備のない物体に使う、ロボットアームでつかむ方式(ADRAS-J2)では、相手の表面や形がわからないため、つかみ具の材料と、衝突・滑りへの余裕が課題になる、と考えられます(推測)。

素材技術者の視点③:「燃え尽きる設計」と「除去のための設計」は、材料選びの両立課題

ESA は、衛星が制御なしで再突入するとき、地上の被害の基準を設計で満たす「設計による消滅(Design for Demise)」と、故障しても除去しやすいよう結合部や航法の目印を付ける「除去のための設計(Design for Removal)」の2つを挙げます 事実[参考資料4]。再突入で確実に溶ける材料を選ぶことと、除去のために壊れにくい取り付け部を持つことは、同じ衛星で両立させる必要があります。さらに、衛星の構造のアルミが再突入で酸化物の粒子になる問題(前の記事)もあり、材料の選択は、3つ(耐久・消滅・粒子)の制約の中で行われます(推測)。

未確定の点:まだ確認できなかったこと

本稿では、①IADC の最新版(Rev. 4)と ISO 24113 の本文の要求、②実際のデブリを捕獲して軌道から降ろした実績(確認できなかった)、③ドッキングプレートの材料・磁気の強さ、ロボットアームのつかみ具の材料、④ESA と NASA のデブリの推定数が異なる理由の詳細、⑤MRV・MEP のサービスの実績(確認日時点)、は一次資料で確認できませんでした。

9. 評価・標準の読み方

デブリと軌道上サービスの「ものさし」は、性能の数字より、どの条件で何を守るかに現れます。①デブリの数(推定かカタログか、大きさはどこからか)、②遮蔽の防護性能(どの大きさ・速度の破片まで、どの縮尺の試験か)、③運用後の処分の期限(何年以内、誰に適用されるか)、④軌道上サービスの成熟度(実運用か、実証か、計画か)を組み合わせて読みます。

評価項目代表的な試験・評価手法(名称・出典)標準・指針・規則読み方の注意
デブリの数NASA:追跡カタログと統計・モデル。ESA:MASTER モデル(2026年2月1日の基準日)事実確認できなかった(数え方の標準は確認していない)[参考資料1・2]推定とカタログは別。大きさの下限(10 cm、1 cm、1 mm)を確認
高速衝突の防護軽ガス銃での高速衝突試験(NASA:アルミの弾を約7 km/s、実寸の25%の縮尺)、リスク解析ツール。ISS は1 cm までの破片に耐える設計 事実確認できなかった(遮蔽の試験方法を定める規格の番号は確認していない)[参考資料14・1]縮尺・弾の速度と大きさ・衝突角を確認。地上試験と軌道上の衝突は別
運用後の処分の期限軌道寿命の推定と、運用終了後の年数の確認。FCC は5年以内、ESA は5年未満+衝突確率10⁻³未満、IADC(第1版)は25年 事実FCC 22-74(2022年9月29日採択)[参考資料12]/ISO 24113:2023[参考資料9]/ISO 27852:2024[参考資料10]/ECSS-U-AS-10C Rev.2(2024年2月9日)[参考資料11]/IADC-02-01 Rev. 1(2007年)・Rev. 4(2025年掲載)[参考資料7・8]/国連 COPUOS 指針(2010年刊行版)[参考資料6]事実誰に適用されるか(米国の許可、ESA のプロジェクト、国際的な指針)を確認。標準の本文は確認していない
不活性化・破砕の防止運用後に残る燃料・圧力・電気のエネルギーを除く処置。破砕の統計(年約9.8回の意図しない破砕)事実国連 COPUOS 指針の指針5[参考資料6]/ESA のゼロ・デブリ要件[参考資料4]事実不活性化の実施率の公的な数値は、本稿では確認していない
再突入の地上リスク地上の被害の期待値。ESA は1回あたり0.0001を超えると制御された再突入を求める 事実ESA のゼロ・デブリ要件[参考資料4]事実ESA のプロジェクトに適用。他の国・機関は別の値を使いうる
軌道上サービスの成熟度実運用(MEV)、実証(ELSA-d、ADRAS-J)、計画(ADRAS-J2、ELSA-M、RISE、ISSA-J1)に分けて確認 事実未確定/将来確認できなかった(軌道上サービスの国際標準の番号は確認していない。MRV の給油インターフェースは、企業が「米国宇宙軍が承認した初の規格」と述べる)[参考資料17]企業の主張と、第三者の検証は別。計画と達成は別
法的な位置づけ宇宙条約第8条:打ち上げた物体の所有権は宇宙空間にあることで影響を受けない 事実宇宙条約(国連宇宙部が条文を掲載)[参考資料16]事実。デブリの国際条約は、ない(NASA)[参考資料1]条文の紹介のみ。法的助言は書かない

表の整理は本稿の計算(整理)。NASA・ESA の数値は各文書、ISO は ISO のページ、ECSS は ECSS の一覧、IADC は IADC と UNOOSA のページで確認しました(確認日 2026年10月17日)。標準・規則の本文は確認していません。

読み方の注意(素材技術者向け)

  • 推定とカタログは別です:NASA の約5万個と ESA の68,450個は、方法・基準日・大きさの下限が違う推定で、そのまま比べられません。
  • 地上試験と軌道上の衝突は別です:遮蔽の試験は縮尺・弾の種類・速度の条件つきです。軌道上の衝突は、角度も大きさもさまざまです。
  • 企業の発表と、第三者の検証は別です:MEV の「唯一」、MRV の「初の規格」は企業の主張です。実証の範囲(自社の顧客衛星か、実際のデブリか)を確認してください。
  • 指針・標準・規則の強さが違います:同じ「5年」でも、誰に適用されるかが違います。計画と達成も別です。

10. 用語集

スペースデブリ(宇宙ごみ)
役目を終えた人工物や、その破片。
カタログ
宇宙監視網が追跡し、登録した物体の一覧。おおよそ10 cm超。
破砕(フラグメンテーション)
爆発や衝突で物体が多数の破片になること。
ケスラーシンドローム
衝突が破片を増やし、その破片がさらに衝突を起こす連鎖。
相対速度
2つの物体どうしの速度の差。低軌道の衝突では平均約10 km/s。
運動エネルギー
動く物体のエネルギー。½×質量×速度²。
MMOD
微小隕石と軌道上のデブリ。
ホイップル遮蔽
薄い板で破片を砕き、すき間で広げて後ろの壁で止める遮蔽。
スタッフド・ホイップル遮蔽
すき間にセラミックとケブラーの布を詰めた改良型。
Nextel
遮蔽に使われるセラミック繊維の布の商品名。
ケブラー
衝撃を吸収する高強度の有機繊維。
衝突回避
接近する物体を避けるため、衛星が動くこと。
不活性化(パッシベーション)
使い終えた機体の燃料・圧力・電気のエネルギーを取り除くこと。
設計による消滅(Design for Demise)
再突入で確実に燃え尽きるように作ること。
除去のための設計(Design for Removal)
故障しても除去しやすいよう、結合部や目印を付けておくこと。
墓場軌道
静止軌道の少し上に、運用後の衛星を移す軌道。
保護域
低軌道(2,000 km未満)と、静止軌道の上下200 kmの領域。
軌道上サービス
宇宙で衛星の寿命延長・給油・修理・除去などを行うこと。
ランデブー・近接運用(RPO)
相手に近づき、相対位置を保って運用すること。
ドッキングプレート
磁気で取り付かせるために、衛星に付ける金属のプレート。
協力する/しない物体
準備(目印や結合部)がある衛星/ない物体。
MEV・MEP・MRV
Northrop Grumman の寿命延長機、小型の寿命延長装置、ロボット衛星。
IADC
宇宙デブリ調整委員会。各国の宇宙機関の国際組織。
COPUOS
国連宇宙空間平和利用委員会。

11. 参考資料(一次情報)

  1. NASA Orbital Debris Program Office "Frequently Asked Questions"(確認日 2026年10月17日。2026年8月時点の数値を含む) — orbitaldebris.jsc.nasa.gov/faq/
  2. ESA Space Debris Office "ESA's Annual Space Environment Report", Issue 10.1(2026年9月8日。2025年末までのデータ) — sdo.esoc.esa.int/environment_report/Space_Environment_Report_latest.pdf
  3. ESA "ESA Space Environment Report 2026"(要約ページ) — esa.int/Space_Safety/Space_Debris/ESA_Space_Environment_Report_2026
  4. ESA Clean Space "Zero Debris Technologies"(要件・不活性化・設計による消滅・除去のための設計の解説。数値は報告書より古い) — esa.int/Space_Safety/Clean_Space/Zero_Debris_Technologies
  5. ESA Clean Space "Unlocking the commercial potential of in-orbit servicing"(2026年9月23日。RISE ミッションの紹介) — esa.int/…/Unlocking_the_commercial_potential_of_in-orbit_servicing
  6. UNOOSA "Space Debris Mitigation Guidelines of the Committee on the Peaceful Uses of Outer Space"(2010年刊行。7つの指針) — unoosa.org/pdf/publications/st_space_49E.pdf
  7. IADC IADC-02-01 "Space Debris Mitigation Guidelines" Revision 1(2007年9月。UNOOSA が掲載) — unoosa.org/documents/pdf/spacelaw/sd/IADC-2002-01-…-Revision1.pdf
  8. IADC IADC 公開文書一覧:IADC-02-01 "Space Debris Mitigation Guidelines" Rev. 4(2025年1月22日掲載。本文は未確認) — iadc-home.org/documents_public/view/id/318
  9. ISO ISO 24113:2023 "Space systems — Space debris mitigation requirements"(第4版、2023年5月。改訂中) — iso.org/standard/83494.html
  10. ISO ISO 27852:2024 "Space systems — Estimation of orbit lifetime"(第3版、2024年2月) — iso.org/standard/85364.html
  11. ECSS "List of published ECSS Standards (long)"(ECSS-U-AS-10C Rev.2 など。確認日 2026年10月17日) — ecss.nl/list-of-published-ecss-standards-long
  12. FCC FCC 22-74 "Second Report and Order"(低軌道の処分を5年以内に。2022年9月29日採択) — docs.fcc.gov/public/attachments/FCC-22-74A1.pdf
  13. NASA (Technical Reports Server) "Application of Stuffed Whipple Shield to Robotic Spacecraft"(NTRS 20230015317。2023年10月) — ntrs.nasa.gov/citations/20230015317
  14. Cline C. J. et al. (NASA) "Evaluating Basalt Fabric in Stuffed Whipple and Multishock Shields Through Comparative Hypervelocity Tests"(NTRS 20240012941。2024年10月) — ntrs.nasa.gov/citations/20240012941
  15. Kessler D. J., Cour-Palais B. G. "Collision frequency of artificial satellites: The creation of a debris belt", J. Geophys. Res. 83, 2637-2646 (1978), DOI 10.1029/JA083iA06p02637 — doi.org/10.1029/JA083iA06p02637
  16. UNOOSA "Treaty on Principles Governing the Activities of States in the Exploration and Use of Outer Space, including the Moon and Other Celestial Bodies"(宇宙条約。第8条) — unoosa.org/oosa/en/ourwork/spacelaw/treaties/outerspacetreaty.html
  17. Northrop Grumman (SpaceLogistics) "SpaceLogistics"(MEV、MRV・MEP の紹介。企業の公式ページ。確認日 2026年10月17日) — northropgrumman.com/space/space-logistics-services
  18. Astroscale "ELSA-d"(ミッションページ。企業の公式ページ) — astroscale.com/missions/elsa-d/
  19. Astroscale "ELSA-M"(ミッションページ。開発中) — astroscale.com/missions/elsa-m/
  20. Astroscale "ADRAS-J"(ミッションページ。JAXA の CRD2 第1段階) — astroscale.com/missions/adras-j/
  21. Astroscale "ADRAS-J2"(ミッションページ。開発中。確認日 2026年10月17日) — astroscale.com/missions/adras-j2/
  22. Astroscale "ISSA-J1"(ミッションページ。開発中。確認日 2026年10月17日) — astroscale.com/missions/issa-j1/
  23. Orbit Fab "Refueling Services"(企業の公式ページ。給油インターフェース RAFTI の記述) — orbitfab.com

12. 主張と出典の対応表(監査)

本文の主張根拠区分
NASA:追跡できる大型約5万個・mm級約1億個・カタログ3.4万個超(2026年8月)、デブリの定義、速度7〜8 km/s・平均相対約10 km/s・最大約15 km/s、ISS は1 cm まで耐える・回避41回(1999年以降)・確率1万分の1、mm級が最大の貫通リスク、600 km未満は数年・800 kmで数百年・1,000 km超は1,000年以上、最多は約1,000 km、国際条約はない、NASA-STD-8719.14NASA の FAQ
出典1 https://orbitaldebris.jsc.nasa.gov/faq/
事実
ESA 2026:68,450個(10 cm 超)、約11,300機の運用中、1〜10 cm 約150万個、1 mm〜1 cm 約2.3億個、2025年に300回超の打ち上げ・4,000機超の新衛星、毎日約10機の打ち上げ・3機超の再突入、年約9.8回の意図しない破砕、ESA の標準(5年未満・衝突確率10⁻³未満)、打ち上げを止めても増える、暴走的な将来推定、環境指標が1年で桁違いに悪化ESA の報告書と要約ページ
出典2 https://www.sdo.esoc.esa.int/environment_report/Space_Environment_Report_latest.pdf
出典3 https://www.esa.int/Space_Safety/Space_Debris/ESA_Space_Environment_Report_2026
事実
ESA Clean Space:650回超の破砕、1 cm で手榴弾の爆発に相当、LEO は運用終了から5年以内、地上被害の期待値0.0001・制御再突入、不活性化、設計による消滅・除去のための設計ESA の解説ページ
出典4 https://www.esa.int/Space_Safety/Clean_Space/Zero_Debris_Technologies
事実
国連 COPUOS の7つの指針(2010年刊行版)、IADC 第1版(2007年):低軌道は直接再突入が望ましい・25年が妥当、静止軌道の保護域は35,786 km±200 km、IADC Rev. 4(2025年1月22日掲載)、ISO 24113:2023(第4版、改訂中)、ISO 27852:2024、ECSS-U-AS-10C Rev.2(2024年2月9日)国連宇宙部・IADC・ISO・ECSS の公式資料
出典6 https://www.unoosa.org/pdf/publications/st_space_49E.pdf
出典7 https://www.unoosa.org/documents/pdf/spacelaw/sd/IADC-2002-01-IADC-Space_Debris-Guidelines-Revision1.pdf
出典8 https://iadc-home.org/documents_public/view/id/318
出典9 https://www.iso.org/standard/83494.html
出典10 https://www.iso.org/standard/85364.html
出典11 https://ecss.nl/list-of-published-ecss-standards-long/
事実
FCC 22-74:低軌道の運用終了から5年以内、2024年9月29日の後に打ち上げる衛星に適用FCC の命令の本文
出典12 https://docs.fcc.gov/public/attachments/FCC-22-74A1.pdf
事実
スタッフド・ホイップル遮蔽(金属板+セラミック+ケブラー)、PACE の燃料タンクの遮蔽、Nextel の高密度・衝撃圧、玄武岩の置換試験(実寸の25%・約7 km/s・10回、結果は構成で分かれる、実寸の追試験を予定)NASA の技術報告(NTRS)
出典13 https://ntrs.nasa.gov/citations/20230015317
出典14 https://ntrs.nasa.gov/citations/20240012941
事実
Kessler と Cour-Palais(1978):衝突頻度とデブリ帯の形成、宇宙条約第8条:所有権は宇宙空間にあることで影響を受けない論文の書誌、条約の条文
出典15 https://doi.org/10.1029/JA083iA06p02637
出典16 https://www.unoosa.org/oosa/en/ourwork/spacelaw/treaties/outerspacetreaty.html
事実
Northrop Grumman:MEV-1 は2020-02-25に IS-901、2025年4月に任務完了・5月に次の顧客、MEV-2 は2021-04-12に IS-10-02、MRV と MEP 3機は2026-07-21打ち上げ、受動の給油モジュール(企業の主張)、「唯一」(企業の主張)。Orbit Fab:RAFTI(企業の説明)企業の公式ページ
出典17 https://www.northropgrumman.com/space/space-logistics-services
出典23 https://www.orbitfab.com/
事実
Astroscale:ELSA-d(2021年3月打ち上げ、2021-08-25磁気捕獲、2022-05-04、2024-01-24 軌道離脱)、ADRAS-J(2024-02-18、2024-11-30に15 m、2026-03-25 軌道離脱開始)、ADRAS-J2(約132億円、2026-09-01 打ち上げ会社選定、開発中)、ELSA-M(2025-06 設計審査、2026-03-16 打ち上げ会社選定、開発中)、ISSA-J1(2028年3月の完了を目標)Astroscale の公式ページ(企業の説明)
出典18 https://astroscale.com/missions/elsa-d/
出典20 https://astroscale.com/missions/adras-j/
出典21 https://astroscale.com/missions/adras-j2/
出典19 https://astroscale.com/missions/elsa-m/
出典22 https://astroscale.com/missions/issa-j1/
未確定/将来
ESA の RISE(D-Orbit 開発、静止軌道の寿命延長、ESA 初の軌道上サービス)、軌道上サービスは実証から運用へ移る段階ESA の記事(2026年9月23日)
出典5 https://www.esa.int/Space_Safety/Clean_Space/Unlocking_the_commercial_potential_of_in-orbit_servicing
未確定/将来
直径1 mm・1 cm・10 cmのアルミ球の運動エネルギー(約71 J・71 kJ・71 MJ)と、1 cm の TNT換算(約17 g)本稿の計算(Python。密度2.7 g/cm³、相対速度10 km/s、TNT 4.184 MJ/kg の仮定)本稿の計算
IADC Rev. 4 と ISO 24113 の本文の要求、実際のデブリを捕獲して降ろした実績、ドッキングプレートの材料・磁気の強さ、ロボットアームのつかみ具の材料、ESA と NASA の推定数の違いの詳細、MRV・MEP のサービスの実績本稿の調査範囲では確認できなかったため記載していない(解説)解説
「宇宙ごみはそのうち落ちるわけではない」「小さな破片も危ない」「遮蔽は密度・組合せ・すき間の設計」「燃え尽きる設計と除去のための設計の両立」「ドッキングプレートは相手に付く材料」という読み取り・説明公表内容にもとづく本記事の整理・解説解説

最終更新:2026年10月17日/出典は一次情報(NASA・ESA・国連宇宙部・IADC・ISO・ECSS・FCC の公式資料、NASA の技術報告、論文、企業の公式ページ)に限定しています。企業の説明は企業の主張として扱い、優劣は論じていません。数値の計算例は本稿の説明用で、実在の破片や遮蔽の設計値ではありません。実際のデブリを捕獲して軌道から降ろした実績、IADC Rev. 4 と ISO 24113 の本文、ドッキングプレートの材料・磁気の強さ、MRV・MEP のサービスの実績は、確認できなかったため記載していません。図は説明用の概念図または本稿の計算を含む作図で、図1と図9はAI画像の枠(画像は未設置)です。法的助言は書いていません。