TECHNOLOGY EXPLAINER
ポリウレタンとエラストマー
― 一つの反応が、フォームから塗料、ゴムの代わりまでを作り分ける
ポリウレタンは、イソシアネートとポリオールを反応させて作る材料の総称です。同じ反応から、座席のクッション、冷蔵庫の断熱材、塗料、接着剤、靴底やホースが生まれます。 この記事では、反応の仕組み、熱可塑性ポリウレタン(TPU)とゴム・熱可塑性エラストマー(TPE)の違い、ゴムの加硫、「戻しにくさ」というリサイクルの難しさ、そしてイソシアネートの安全規制を、公表資料にもとづいて整理します。
- ポリウレタンとエラストマーとは何か(3行でつかむ)
- 反応の仕組み ― イソシアネートとポリオール
- 同じ反応から作り分ける5つの姿
- 素材技術者の視点①:TPU は「硬い部分」と「柔らかい部分」の設計
- ゴムと熱可塑性エラストマー(TPE)の区別
- ゴムの加硫と、熱硬化性という性質
- 素材技術者の視点②:リサイクルの難しさは「溶けない」ことから来る
- 素材技術者の視点③:イソシアネートの安全と規制
- 未確定の点と、この記事が扱わなかったこと
- 用語集/参考資料/出典対応表
事実=公表資料・規格・規則・論文に記載のある内容(出典リンクあり)
本稿の計算=明示した前提をもとに本記事が算出した値
未確定/将来=計画・見通しであり、実績が確認できていない事項
このほか、構造の整理や材料設計上の読み取りは「解説」として区別しています。
物性値はメーカー公称値や総説の記載であり、グレード・試験法・条件が異なるものを並べて優劣をつけることはしません。
1. ポリウレタンとエラストマーとは何か(3行でつかむ)
- ポリウレタンは、ウレタン結合(–NH–COO–)を持つ高分子の総称です。OSHA は、イソシアネート(–NCO)が水酸基を持つ化合物と反応してポリウレタンを作り、フォーム、熱可塑性エラストマー、スパンデックス繊維、塗料などの成分になる、と説明しています事実[参考資料13]。
- 柔らかい部分と硬い部分の組み合わせで、性質を作り分けます。総説は、イソシアネート由来の硬いセグメントとポリオール由来の柔らかいセグメントが交互に並ぶことが特徴だと述べています事実[参考資料2]。
- 「ゴムのような材料」には2つの作り方があります。化学的に架橋して溶けなくする加硫ゴムと、物理的な架橋で溶かして成形できる熱可塑性エラストマー(TPE)です。TPU は後者に含まれます(本記事による整理)。
この材料には、他の樹脂にない2つの制約がついてまわります。 ひとつは原料のイソシアネートの安全性で、EU は2020年の規則でジイソシアネートの使用に訓練を条件づけました事実[参考資料12]。 もうひとつは戻しにくさで、加硫ゴムは溶かして成形し直すことができず事実[参考資料9]、ポリウレタンフォームの機械的リサイクルも粉砕・接着・加圧成形などが中心です事実[参考資料1・2]。 この2つが、設計・評価・リサイクルのどこに現れるのかを追うのが、この記事の主題です。
本シリーズの「熱可塑性と熱硬化性」「ポリマーの基礎」編で、架橋と熱可塑性・熱硬化性の基本を扱います。 ポリアミドとの関係(PEBA など)は「ポリアミド」編、リサイクル全般は「プラスチックリサイクル」「ケミカルリサイクル」編で詳しく扱います。
2. 反応の仕組み ― イソシアネートとポリオール
ISOPA(欧州イソシアネート製造者協会)は、ジイソシアネートと、2つ以上の水酸基を持つ化合物(ポリオール)が反応して長い高分子鎖ができたものがポリウレタンだと説明しています事実[参考資料1]。 Covestro は、イソシアネートが室温で多くは液体であり、アルコール、アミン、酸、そして水とも反応するため、保管・使用の条件に厳しい制約があると述べています事実[参考資料3]。
総説(Kemona と Piotrowska, 2020)によれば、原料のポリオールのうち70%超はポリエーテルポリオール(プロピレンオキシドやエチレンオキシドの重合物)です。ポリオールの性質は、水酸基の数、分子量、エチレンオキシド由来の基の割合で変わります事実[参考資料2]。 同じ総説は、水を発泡剤に使うフォームでは、イソシアネートと水の反応で二酸化炭素が生じ、そこで生じたアミンがさらにイソシアネートと反応して尿素結合ができるため、水発泡のフォームは尿素結合を多く含む、とも述べています事実[参考資料2]。
イソシアネートの作り方にも触れておきます。ISOPA によれば、TDI はトルエンをニトロ化してジニトロトルエンを作り、還元してジアミノトルエン(TDA)にしたうえでホスゲンと反応させて作ります。MDI はアニリンとホルムアルデヒドからメチレンジアニリン(MDA)を作り、ホスゲンと反応させて粗 MDI とし、精製します事実[参考資料1]。 同じ資料は、TDI が主に軟質フォームの製造に、MDI が硬質・軟質・エラストマー状のフォームの製造に使われる、としています[参考資料1]。
なお、この反応の分類は資料により異なります。総説[2]は縮合系のポリマーに分類し、Kraiburg[7]は重付加物(polyadduct)と呼んでいます。この記事では、低分子を出さずに結合を作る点を重く見て、反応の性質としては付加反応が基本、と整理します(本記事による解説)。
イソシアネートのNCO含有率を比べる
配合設計では、ポリオール側の水酸基の量に対して、イソシアネート側のNCO基の量を合わせます。そこで、主なジイソシアネートについて、純粋な単量体の式量から「NCO基の質量割合」と「NCO当量(NCO基1 molあたりの質量)」を計算してみます。
MDI(C15H10N2O2、式量250.26)100 g は 0.3996 mol で、NCO基を 0.7992 mol 持ちます。NCO基2個が水1分子と反応して二酸化炭素1分子(と尿素結合)を生じる、という図1の整理に従うと、100 g の MDI のNCO基がすべて水と反応した場合の二酸化炭素は 0.3996 mol です。 25℃・1気圧で 24.47 L/mol とすると、約 9.8 L になります本稿の計算。
前提と限界:実際のフォームの配合では、水に使われるNCO基は一部です。この値は「すべて水と反応した場合の上限」を示す桁の感覚であり、フォームの密度や発泡倍率を示すものではありません。
ポリエチレンやポリプロピレンのように、決まったモノマーから決まった高分子ができる材料とは違い、ポリウレタンは「どのイソシアネートを、どのポリオールと、どの比率で、何を加えて反応させるか」で性質が決まります。 総説も、ポリウレタンは同じ繰り返し単位を持つ高分子ではなく、異なるセグメントがさまざまな結合でつながったものだと説明しています事実[参考資料2]。
このため、材料の「銘柄」を見ても中身はわからず、配合(レシピ)と反応条件が事実上の仕様になります。評価でも、同じ名前の材料のロット間や、硬化後の経時変化を確認する必要があります(本記事による解説)。 また図2のように、同じ質量のイソシアネートでも、種類によって反応できる水酸基の量が約1.6倍も違うことに注意が必要です。HDI の当量は 84.1 g/eq、H12MDI は 131.2 g/eq です本稿の計算。
3. 同じ反応から作り分ける5つの姿
総説は、ポリウレタンを大きく「フォーム」と、塗料・接着剤・シーリング・エラストマーを合わせた「CASE(Coatings, Adhesives, Sealants, Elastomers)」に分け、フォームは軟質(マットレス、自動車シート)と硬質(建物の断熱、業務用冷蔵庫)に分かれる、としています事実[参考資料2]。 これをさらに、用途ごとの公表内容に沿って5つの姿に分けて整理します。
| 姿 | 原料・特徴として書かれている内容 | 用途例(資料の記載) | 出典 |
|---|---|---|---|
| 軟質フォーム | TDI または MDI とポリエーテルポリオールから作る | 家具・寝具のクッション、自動車シート | ISOPA[1] |
| 硬質フォーム | MDI とポリエーテルポリオールから作る。断熱性が良い | 冷凍庫・冷蔵庫、建築、自動車 | ISOPA[1] |
| 塗料 | 1液(湿気硬化)と2液がある。HDI・IPDI・H12MDI 系は耐光性があり、TDI・MDI 系は光で黄変し、光沢の低下が見られる傾向がある | 自動車補修、航空機・鉄道車両、防食、木工・家具 | Covestro[5] |
| 接着剤・シーリング | Desmodur などのポリイソシアネートとポリオールを組み合わせて配合する | 用途別の具体例は同ページに記載なし | Covestro[4] |
| エラストマー | TPU は押出、射出成形などで加工する。BASF の Elastollan は硬さが Shore 45 A〜83 D の範囲(可塑化品を含む) | ホース、ケーブル被覆、搬送ベルト、フィルム、プロファイル、靴底 | BASF[6] |
すべて各社・団体の公表資料の記載(事実)。硬さの範囲は BASF の Elastollan 全製品群の範囲であり、個別グレードの値ではありません。
フォームは、総説によれば生産量が最も大きく、同時にリサイクルの最大の課題でもあります[参考資料2](第7章で詳しく扱います)。
4. 素材技術者の視点①:TPU は「硬い部分」と「柔らかい部分」の設計
ポリウレタンのエラストマーのなかで、溶かして成形できるのが熱可塑性ポリウレタン(TPU)です。Kraiburg は、TPU は一般にポリイソシアネートとポリオールの重付加物で、多くの場合、重合時の原料の選び方と組み合わせで特性が決まる、と説明しています事実[参考資料7]。
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BASF は Elastollan の製品群を、ポリエーテル系、ポリエステル系、脂肪族系などの「ライン」に分けて公表しています。公表されている説明を並べます。
| ライン(化学系) | 硬さの範囲 | BASF の説明 |
|---|---|---|
| 11(エーテル系) | 50 A〜75 D | 加水分解への耐性、低温での柔軟性、微生物への耐性に優れる |
| C(エステル系) | 80 A〜73 D | 機械特性が優れ、減衰性が非常に良く、反発弾性が良好、耐摩耗性が非常に良い |
| A(脂肪族、エーテル系またはエステル系) | 65 A〜55 D | 変色しにくく黄変しない。エーテル系は加水分解への耐性がある |
| R(エステル系、ガラス繊維強化) | 弾性率 1,000〜14,000 MPa | 剛性が非常に高く、熱膨張係数と収縮が小さい。射出成形のエンジニアリング用途 |
| BMB(バイオマスバランス) | 70 A〜95 A | マスバランス方式で化石原料を節約。製品の品質・特性は同一とされる |
すべて BASF の公表資料の記載(事実)[参考資料6]。硬さの範囲は可塑化品を含み、ショア硬さの試験は ISO 48-4[参考資料18]、引張応力-ひずみ特性は ISO 37[参考資料17]が定めます。
上の表で、硬さはショア50 A(柔らかいゴム相当)から、弾性率が1,000〜14,000 MPaのガラス繊維強化品まで広がっています事実[参考資料6]。 Kraiburg は、TPU の硬さは一般に Shore 60〜80 D の間にあると述べていますが[参考資料7]、BASF の製品群は Shore A のライン(50〜95 A)も多く含みます。 2つの資料の違いは、一方が TPE の一類型としての「典型的な範囲」を述べ、他方が自社の全製品群の範囲を示しているためと考えられます(本記事による解説)。数字を読むときは、何の範囲なのかを必ず確認してください。
もうひとつ、「エーテル系」と「エステル系」の使い分けに注意が必要です。BASF は、エーテル系ラインの強みとして加水分解への耐性を挙げています[参考資料6]。Kraiburg も、TPU は水や水溶液に触れると、とくに高温で加水分解により劣化しやすいと注意しています事実[参考資料7]。 ポリエステルのエステル結合は水に弱いので、水と熱を受ける用途では、ポリオールの種類が寿命を左右すると読めます(本記事による解説。BASF はエステル系の耐加水分解性が劣るとは書いていません)。 水との関係は、本シリーズ「ポリアミド」編の吸水・加水分解の章と比べて読むと、考え方がつながります。
加工では、Kraiburg は TPU の成形・押出で入念な予備乾燥が必須であり、温度、せん断、滞留時間が過大だと熱で劣化して粘着性が出たり分解したりする、と注意しています事実[参考資料7]。
5. ゴムと熱可塑性エラストマー(TPE)の区別
「ゴム」と「エラストマー」と「TPE」は、日常では混ざって使われますが、構造と加工の面ではっきり区別できます。 ISO は、ゴムの略号と呼称を ISO 1629(ゴムとラテックスの呼称)で、熱可塑性エラストマーの呼称と略号を ISO 18064 で、それぞれ化学組成にもとづいて定めています事実[参考資料15・16]。 Kraiburg は、ISO 18064 にもとづく TPE の分類として TPU(熱可塑性ポリウレタン)、TPV(熱可塑性加硫物)、TPO(オレフィン系)、TPC(共重合ポリエステル)、TPA(共重合ポリアミド)、TPS(スチレン系ブロック共重合体)を挙げています事実[参考資料7]。
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| 類型 | 構造・加工として書かれている内容 | 硬さ・特徴(資料の記載) | 出典 |
|---|---|---|---|
| 加硫ゴム | 化学的に架橋され、溶融できない(脱硫は硫黄の結合を切る操作) | 溶融して加工できず、リサイクルが難しい | Markl ほか[9] Kraiburg[8] |
| TPU | ポリイソシアネートとポリオールの重付加物。射出成形・押出で加工 | 典型的に Shore 60〜80 D。非極性の油・燃料に強く、水・水溶液で加水分解しやすい。耐摩耗性が高い | Kraiburg[7] |
| TPS | 柔らかい中間ブロックと、ポリスチレンの硬い末端ブロック。ポリマーブレンドの一類として扱う | Shore 00 の約30 から Shore 60 D まで。多様な改質が可能。非極性媒体・摩耗では TPU に劣る | Kraiburg[7] |
| TPV | EPDM とポリプロピレンの組み合わせが一般的。製造中に動的に架橋する | Shore 40 A〜70 D。圧縮永久ひずみが良好。押出に向く | Kraiburg[7] |
| TPA(PEBA) | Evonik の VESTAMID E は PA12 とポリエーテルを組み合わせたポリエーテルブロックアミド | 弾性、軽さ、設計の自由度 | Evonik[11] |
すべて各社の公表資料の記載(事実)。硬さの範囲は各社が述べた「典型的な範囲」であり、個別グレードの値ではなく、TPE 類型間の優劣を示すものでもありません。
Kraiburg は、TPE を「反応器で作るタイプ」(TPA、TPU、TPC など。一つのポリマーに性質を作り込む)と、「TPE コンパウンド」(TPS、TPV など。異なるポリマーを混ぜて作る)に分けて説明しています事実[参考資料8]。 TPU は前者に入るので、配合のレシピが重合の段階で決まります(本記事による解説)。後者は、既存のポリマーを混ぜるため、改質(色、難燃、導電性など)の自由度が高いと Kraiburg は述べています[参考資料7]。
ゴムから TPE へ置き換えるとき、最初に比べるのは硬さと強度ですが、実際に差が出やすい項目は別にあります。
- 圧縮永久ひずみ:シールのように押し続けられる用途では、ISO 815-1[参考資料19]で規定される圧縮永久ひずみが、寿命を左右します。Kraiburg は、TPV が圧縮永久ひずみの良好な選択肢だと述べています事実[参考資料7]。TPE の類型によって差があるので、類型を指定した上で、使用温度と時間の条件で確認する必要があります(本記事による解説)。
- 使用温度:TPE は硬い相が緩む温度を超えると物性が落ちます。物理架橋は加熱で解けるので、加硫ゴムよりも使用温度の上限が低くなる場合があります(本記事による解説。具体的な温度は本稿の調査範囲では確認できませんでした)。
- 媒体:TPU は油・燃料に強く水に弱い、TPS と TPV は水・酸に強いといった、類型ごとの得手不得手があります事実[参考資料7]。
- 工程:Kraiburg は、TPE は射出成形・押出で加工でき、サイクルが短く、複数材料の成形で組立コストを減らせる、と述べています[参考資料8]。加硫工程が要らない分、工程が簡略化される可能性があります(本記事による解説)。
6. ゴムの加硫と、熱硬化性という性質
加硫ゴムの特徴は、ゴムの分子鎖が化学結合で網目状につながっていることです。Markl と Lackner(Materials, 2020)の総説は、加硫ゴムは再び溶かすことができず、新しい用途に使うことが特に難しいと述べ、廃タイヤなどの現在の処理経路は、埋立、セメント工場などでの焼却、微粉への粉砕が中心だとしています事実[参考資料9]。 同じ総説は、脱硫(devulcanization)を、硫黄の結合を化学的・熱物理的・生物的な手段で切り、架橋したポリマーを再び材料として使えるようにする技術と説明しており、50年以上にわたり研究されてきた方法だと述べています事実[参考資料9]。
加硫と架橋の化学は、Akiba の総説「Vulcanization and crosslinking in elastomers」(Prog. Polym. Sci., 1997)にまとめられています事実[参考資料10](題名で確認。本文は未確認のため、内容は引用していません)。
ゴム弾性は、分子鎖が網目で結ばれているから生まれます。引っ張っても網目が鎖をつなぎ止めているので、力を抜けば元に戻ります。 同じ網目が、加熱しても鎖を流れさせないので、再溶融による成形ができなくなります(本記事による解説)。
これは、前の章の TPE の「物理架橋は加熱で解ける」ことの裏返しです。「元に戻る弾性」と「溶かして戻せる加工性」は、架橋が化学結合か物理的な集まりかで分かれます。 ポリウレタンのフォームも、架橋を多く含む熱硬化性の材料で、同じ制約を持ちます(本記事による解説。熱可塑性と熱硬化性の基本は本シリーズ「熱可塑性と熱硬化性」編を参照)。
7. 素材技術者の視点②:リサイクルの難しさは「溶けない」ことから来る
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(1) ポリウレタンフォーム ― 機械的リサイクルと化学的リサイクル
総説(Kemona と Piotrowska, 2020)は、ポリウレタンの廃棄物は、使用済み品と製造時の端材に分かれ、端材は製造量の最大10%に達しうるとしています事実[参考資料2]。使用済み品は汚れや変形があり、再利用に向きにくいとも述べています。 処理の主流については、2020年時点で廃棄物の約半分が埋め立てられていると書いています(同総説の記載)[参考資料2]。
機械的リサイクルは、粉砕して、枕やおもちゃの充填材として使う方法や、フォームの端材を接着剤で固めて密度の高い製品にする「リボンド」があります。微粉にして新しいポリウレタンの充填材に使う方法もありますが、フォームの粘度が制約になり、経済性が低く、得られる品質も限られる、と書かれています[参考資料2]。 ポリウレタン廃棄物の処理方法のうち、現在重要なのは機械的リサイクルとグリコール分解だと総説は述べています[参考資料2]。 ISOPA も、機械的(再粉砕、接着、加圧、成形)と化学的(グリコール分解、加水分解、熱分解)の方法があるとしたうえで、汚染や回収・分解の難しさのために経済的に成り立たない場合(自動車のシュレッダー処理など)は、エネルギー回収が今も選ばれる、と述べています事実[参考資料1]。
(2) TPU・TPE ― 溶かして戻せる
Kraiburg は、TPE は熱で加工でき、冷えれば元の弾性に戻るので、熱可塑性樹脂と同様に再生できる一方、エラストマーは溶融して加工できず、化学架橋されていて再生できない、と説明しています事実[参考資料8](同社の説明)。
(3) 加硫ゴム ― 脱硫が研究の中心
上述のとおり、現状の経路は埋立、焼却、粉砕が中心で、脱硫はそれを変えうる方法として研究が続いています[参考資料9]。
総説が書く「製造時の端材は製造量の最大10%」[参考資料2]は、使用済み品の回収を待たなくても、工程の中で手元に出てくる資源だということです。 熱可塑性なら、工程内で粉砕して再投入できます。熱硬化性のフォームでは、端材の再利用の主な道は、粉砕して充填材にするか、接着剤で固めるリボンドで、元の性能のフォームに戻す道ではありません(本記事による解説)。
したがって、設計の段階で「溶けて戻せる材料」にするか、「溶けない前提で別の価値に変える」かを決めておく必要があります。TPU や TPE を選ぶ理由のひとつに、この戻しやすさがあります。逆に、フォームのように熱硬化性を前提とする用途では、解重合(グリコール分解など)で原料のポリオールに戻す研究が進んでいますが、本稿の調査範囲では商業規模の実施状況を示す一次情報を確認できませんでした。
8. 素材技術者の視点③:イソシアネートの安全と規制
ポリウレタンの原料であるイソシアネートは、安全と規制の面で特別な扱いを受けています。ここでは、公表されている事実に絞って整理します(具体的な作業の安全対策は、各社の安全データシートと所管当局の案内によってください)。
(1) 健康影響の位置づけ
- EU:規則 (EU) 2020/1149 の前文によれば、ジイソシアネートは呼吸器感作性(区分1)および皮膚感作性(区分1)として整合化された分類を受けています。制限の根拠となった文書は、ジイソシアネートによる新たな職業性疾患が年5,000件超と推計され、受け入れがたい水準だとしています。また、感作性に対する閾値が知られていないため、職業ばく露限度だけでは職業性喘息の件数を十分に減らせないと評価されています事実[参考資料12]。
- 米国:OSHA は、イソシアネートへのばく露による健康影響として、皮膚と粘膜の刺激、胸の締めつけ、呼吸困難を挙げ、主な影響は職業性喘息などの肺の問題だとしています。潜在的なヒト発がん物質に分類される化合物を含む、とも書いています事実[参考資料13]。
- 日本:厚生労働省「職場のあんぜんサイト」のモデル安全データシート(モデルSDS)(2,4-トリレンジイソシアネート、2018年改訂)は、GHS分類で呼吸器感作性と皮膚感作性を区分1、発がん性を区分2とし、管理濃度を 0.005 ppm としています事実[参考資料14]。
(2) EU の制限の中身
規則 (EU) 2020/1149 は、REACH 規則の附属書 XVII に第74項を追加し、ジイソシアネート(O=C=N–R–N=C=O、R は脂肪族または芳香族の炭化水素基)について、次を定めています事実[参考資料12]。
- 単独、他の物質の成分、混合物として、産業用・業務用で2023年8月24日以降に使用してはならない。ただし、ジイソシアネートの濃度が個別・合計で0.1重量%未満の場合、または、使用者がジイソシアネートの安全使用に関する訓練を事前に修了していることを雇用者などが確保している場合を除く。
- 産業用・業務用として2022年2月24日以降に上市する場合も、同様の濃度の例外を除き、供給者が受領者に訓練要件の情報を提供し、包装に所定の文言を目立つように表示しなければならない。
- 訓練には、皮膚と吸入のばく露を管理するための指示を含め、労働安全衛生の専門家が実施する。用途ごとに必要な訓練内容が段階的に定められている。
この制限が求めているのは、ジイソシアネートを扱う人の訓練であり、硬化後のポリウレタン製品の使用を禁じるものではありません。規則の本文も、産業用・業務用の使用者(取り扱う作業者と、その監督者)を対象に定義しています[参考資料12]。 素材メーカーや加工会社にとっては、0.1重量%という閾値が配合設計の現実的な境界になります。ジイソシアネートの濃度が閾値を下回る物質・混合物は、この制限の対象外になるからです。 ただし、これは規則の適用範囲の話であり、濃度が低ければ安全だという意味ではありません(本記事による解説)。
性質の面では、Covestro は、イソシアネートは多くが室温で液体で、においがほとんどなく、警告となる性質が弱いと述べています。揮発性は HDI と TDI が MDI などより高く、HDI や TDI のポリイソシアネートは、もともと蒸発を減らして吸入の危険を下げるために開発された、とも説明しています事実[参考資料3]。 OSHA は、ばく露の起こりうる作業として、塗装、フォームの発泡、ポリウレタン製品の製造のほか、ポリウレタン製品の熱分解の際を挙げています[参考資料13]。 Covestro は、窒素を含む材料が燃焼すると、イソシアネート由来のポリウレタン製品に限らず、シアン化水素が発生しうると注意しています[参考資料3]。
9. 未確定の点と、この記事が扱わなかったこと
- TPE の使用温度の上限:具体的な温度は、類型ごとにばらつきが大きく、本稿が開いた資料では確認できませんでした。
- ポリウレタンの化学的リサイクルの商業規模:グリコール分解などの手法は総説に記載がありますが、商業規模での実施状況を示す一次情報を確認できませんでした。
- 非イソシアネート系ポリウレタンの実用化:本稿では扱っていません。
- 生産量・市場規模・リサイクル率:調査会社の推計は使わない方針のため扱っていません。総説に引用されている業界団体の数値も、定義と年を確認できなかったため記載していません。
- Akiba の総説の内容:題名で存在を確認しましたが、本文は未確認のため内容は引用していません。
- 各国の追加規制(日本の特定化学物質などの法的区分):日本については、厚生労働省のモデル安全データシートにある管理濃度と GHS 分類の記載にとどめ、法令上の区分は確認できていません。
- ポリウレタンは配合の材料です。ジイソシアネートのNCO当量は、HDI の 84.1 から H12MDI の 131.2 g/eq まで約1.6倍開きます本稿の計算。
- TPU は「ゴムからエンプラまで」を一つの系列で覆います。BASF の Elastollan は Shore 45 A〜83 D、ガラス繊維強化品は弾性率 1,000〜14,000 MPa です事実。
- ゴムと TPE の違いは、架橋が化学結合か物理的な集まりかにあります(本記事による解説)。
- 「戻しにくさ」は溶けないことに由来します。加硫ゴムは再溶融できず、ポリウレタン廃棄物の約半分が埋立(2020年の総説の記載)です事実。
- EU はジイソシアネートに、0.1重量%未満を除く訓練要件を課しています。産業・業務用の使用は2023年8月24日以降事実。
10. 用語集
- ポリウレタン(PU)
- ウレタン結合(–NH–COO–)を持つ高分子の総称。イソシアネートとポリオールの反応で作る。
- イソシアネート
- –N=C=O(NCO基)を持つ化合物。水酸基やアミン、水と反応する。ジイソシアネートが原料。
- ポリオール
- 水酸基を2つ以上持つ化合物。ポリエーテル系とポリエステル系が代表。
- TDI・MDI・HDI
- トルエン・ジフェニルメタン・ヘキサメチレンのジイソシアネート。前二者は芳香族、HDIは脂肪族。
- NCO当量
- NCO基1 molあたりの樹脂(原料)の質量。配合で水酸基当量とあわせる。
- ハード/ソフトセグメント
- ポリウレタン鎖の硬い部分(イソシアネート由来)と柔らかい部分(ポリオール由来)。
- TPU
- 熱可塑性ポリウレタン。溶融して成形できるポリウレタン系エラストマー。
- TPE
- 熱可塑性エラストマー。ゴムの弾性と熱可塑性樹脂の加工性を併せ持つ材料の総称。
- TPS・TPV
- スチレン系ブロック共重合体を基にしたTPE、および動的架橋したゴムを樹脂中に分散したTPE。
- 加硫
- ゴムの分子鎖を化学結合で網目状に架橋し、弾性と強度を与える工程。
- 脱硫(デバルカナイゼーション)
- 加硫ゴムの硫黄結合を切り、再利用できる状態に戻す技術。
- ショア硬さ
- デュロメータの押込みによる硬さ。AスケールとDスケールなどがある(ISO 48-4)。
- 圧縮永久ひずみ
- 圧縮して放した後に残る変形。シール材の寿命の目安(ISO 815-1)。
- CASE
- Coatings, Adhesives, Sealants, Elastomers の略。ポリウレタンのフォーム以外の用途群。
- 呼吸器感作性
- 吸入により免疫反応が起き、再ばく露で喘息などを引き起こす性質。ジイソシアネートは区分1。
11. 参考資料(一次情報)
- ISOPA Eco-profile of toluene diisocyanate (TDI) and methylene diphenyl diisocyanate (MDI), April 2021(PDF) — www.isopa.org
- Kemona, Piotrowska“Polyurethane Recycling and Disposal: Methods and Prospects”, Polymers 2020, 12, 1752 — doi.org
- Covestro“Questions and Answers About Safe Use and Handling — Isocyanates”(PDF) — solutions.covestro.com
- Covestro「Desmodur®」ブランドページ — solutions.covestro.com
- Covestro「Solventborne coatings & paints」 — solutions.covestro.com
- BASF「Think, create, Elastollan® Thermoplastic Polyurethane Elastomers (TPU)」ブローシャ(PDF) — download.basf.com
- KRAIBURG TPE「What are TPEs? Possibilities and limits of TPE classes」 — www.kraiburg-tpe.com
- KRAIBURG TPE「What is TPE?」 — www.kraiburg-tpe.com
- Markl, Lackner“Devulcanization Technologies for Recycling of Tire-Derived Rubber: A Review”, Materials 2020, 13, 1246 — doi.org
- Akiba“Vulcanization and crosslinking in elastomers”, Progress in Polymer Science 1997, 22, 475 — doi.org
- Evonik「VESTAMID®」製品ページ(PA12・PA612・PEBA) — www.evonik.com
- 欧州委員会 Commission Regulation (EU) 2020/1149 of 3 August 2020(REACH 附属書XVII、ジイソシアネート) — eur-lex.europa.eu
- OSHA「Isocyanates — Overview」 — www.osha.gov
- 厚生労働省 職場のあんぜんサイト「安全データシート 2,4-トリレンジイソシアネート」(モデルSDS) — anzeninfo.mhlw.go.jp
- ISO ISO 18064:2022 Thermoplastic elastomers — Nomenclature and abbreviated terms — www.iso.org
- ISO ISO 1629:2025 Rubber and latices — Nomenclature — www.iso.org
- ISO ISO 37:2024 Rubber, vulcanized or thermoplastic — Determination of tensile stress-strain properties — www.iso.org
- ISO ISO 48-4:2018 Rubber, vulcanized or thermoplastic — Determination of hardness — Part 4: Indentation hardness by durometer method (Shore hardness) — www.iso.org
- ISO ISO 815-1:2019 Rubber, vulcanized or thermoplastic — Determination of compression set — Part 1: At ambient or elevated temperatures — www.iso.org
12. 主張と出典の対応表(監査)
| 本文の主張 | 根拠 | 区分 |
|---|---|---|
| ジイソシアネートとポリオール(2つ以上の水酸基を持つ化合物)の反応でポリウレタンができること。TDI が主に軟質フォーム、MDI が硬質・軟質・エラストマー状のフォームに使われること。軟質フォームの用途(家具・寝具・自動車シート)、硬質フォームの用途(冷凍庫・冷蔵庫、建築、自動車)。TDI の製法(トルエン→ジニトロトルエン→TDA→ホスゲン)、MDI の製法(アニリンとホルムアルデヒド→MDA→ホスゲン→粗MDI→精製)。機械的(再粉砕・接着・加圧・成形)と化学的(グリコール分解・加水分解・熱分解)のリサイクル方法があること。汚染や分解の難しさで経済的に成り立たない場合はエネルギー回収が選ばれること | [参考資料 1]https://www.isopa.org/wp-content/uploads/2022/09/ISOPA_Eco-profile_TDI_MDI_2021.pdf | 事実 |
| ポリウレタンが多価イソシアネートと多価アルコールの縮合に由来する高分子であること。フォームとCASE(塗料・接着剤・シーリング・エラストマー)の分類、軟質・硬質フォームの用途。ポリオールの70%超がポリエーテルポリオールであること。水を発泡剤とするフォームの二酸化炭素と尿素結合。硬いセグメント(イソシアネート)と柔らかいセグメント(ポリオール)が交互に並ぶこと。廃棄物の端材は製造量の最大10%に達しうること、使用済み品の汚染・変形、埋立が約50%(2020年時点)、機械的リサイクル(粉砕、充填材、リボンド)とグリコール分解が現在重要であること。フォームの粘度が微粉化の制約となること | [参考資料 2]https://doi.org/10.3390/polym12081752 | 事実 |
| イソシアネートが室温で多くは液体で、においが少なく警告性に乏しいこと。アルコール・アミン・酸・水と反応すること。燃焼時に窒素含有材料全般からシアン化水素が出うること。HDI・TDI の揮発が他より速く、HDI・TDI のポリイソシアネートは蒸発を減らすために開発されたこと | [参考資料 3]https://solutions.covestro.com/-/media/covestro/corporate/productsafetyfirst/resources/isocyanates-qa-en.pdf | 事実 |
| Desmodur が軟質・硬質フォーム、バインダー、塗料、接着剤、シーリング向けのポリイソシアネートであること | [参考資料 4]https://solutions.covestro.com/en/brands/desmodur | 事実 |
| 溶剤系の1液・2液のポリウレタン塗料の用途(自動車補修、航空機・鉄道車両、プラスチック、防食、木工・家具)。TDI・MDI 系は光で黄変し光沢低下の傾向があり、HDI・IPDI・H12MDI 系は耐光性があること | [参考資料 5]https://solutions.covestro.com/en/highlights/articles/theme/product-technology/solventborne-coatings-and-paints | 事実 |
| Elastollan の製品群(ライン11・C・A・R・BMB ほか)の化学系(エーテル系・エステル系・脂肪族)、硬さの範囲(全体で Shore 45 A〜83 D、可塑化品を含む)、説明(加水分解への耐性、減衰性、耐光性、ガラス繊維強化品の弾性率 1,000〜14,000 MPa など)、用途(ホース、ケーブル被覆、ベルト、フィルム、靴底)、加工法 | [参考資料 6]https://download.basf.com/p1/8a8082587fd4b608017fd63b8e444a55/en/Elastollan%3Csup%3E%C2%AE%3Csup%3E_%E2%80%93_Thermoplastic_Polyurethane_Elastomers_(TPU)_Brochure_English.pdf | 事実 |
| TPU が一般にポリイソシアネートとポリオールの重付加物で、重合時の原料選択で特性が決まること。TPU の硬さが典型的に Shore 60〜80 D、水・水溶液で加水分解しやすい、入念な予備乾燥が必要、熱劣化に注意。TPS(Shore 00 の約30〜60 D)・TPV(40 A〜70 D、EPDM+PP、動的架橋、圧縮永久ひずみが良好)の特徴。TPE の分類(TPU・TPV・TPO・TPC・TPA・TPS) | [参考資料 7]https://www.kraiburg-tpe.com/vi/node/1230 | 事実 |
| TPE を反応器型(TPA・TPU・TPC)とコンパウンド型(TPS・TPV)に分けること。TPE は熱で加工でき再生できる一方、エラストマーは溶融できず再生できないこと。TPE の利点(加工の容易さ、短サイクル、多材成形による組立コスト低減) | [参考資料 8]https://www.kraiburg-tpe.com/en/thermoplastic-elastomers(同社の説明) | 事実 |
| 加硫ゴムは再溶融できず、処理経路は埋立・焼却・粉砕が中心であること。脱硫(硫黄結合を化学的・熱物理的・生物的に切る)が50年以上研究されてきたこと | [参考資料 9]https://doi.org/10.3390/ma13051246 | 事実 |
| 加硫と架橋の化学を扱う総説が存在すること(題名のみ確認。本文は未確認) | [参考資料 10]https://doi.org/10.1016/s0079-6700(96)00015-9 | 事実 |
| VESTAMID E が PA12 とポリエーテルを組み合わせた PEBA であること、弾性・軽さ・設計の自由度 | [参考資料 11]https://www.evonik.com/en/company/businesslines/hp/polyamides/vestamid.html | 事実 |
| 規則 (EU) 2020/1149 の前文と附属書:ジイソシアネートの呼吸器感作性・皮膚感作性(区分1)、職業性疾患が年5,000件超と推計、感作性の閾値が知られていないこと、0.1重量%の閾値、官報掲載日 2020年8月4日、第74項(産業・業務用途で2023年8月24日以降、濃度0.1重量%未満または訓練修了を条件)、市場供給時の2022年2月24日以降の情報提供と包装表示、訓練の内容と用途別の段階 | [参考資料 12]https://eur-lex.europa.eu/eli/reg/2020/1149/oj/eng | 事実 |
| OSHA の説明:イソシアネート(–NCO)が水酸基と反応してポリウレタンを作ること。健康影響(皮膚・粘膜の刺激、胸の締めつけ、呼吸困難、職業性喘息)、潜在的なヒト発がん物質に分類される化合物を含むこと。ばく露の起こりうる作業(塗装、フォームの発泡、ポリウレタン製品の製造、熱分解) | [参考資料 13]https://www.osha.gov/isocyanates | 事実 |
| 2,4-トリレンジイソシアネートのモデルSDS(2018年改訂)の GHS 分類(呼吸器感作性・皮膚感作性 区分1、発がん性 区分2)と管理濃度 0.005 ppm | [参考資料 14]https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/584-84-9.html | 事実 |
| ISO 18064 が熱可塑性エラストマーの呼称・略号を、ISO 1629 がゴムとラテックスの呼称・略号を、ISO 37 がゴムの引張応力-ひずみ特性を、ISO 48-4 が硬さ(ショア硬さ)を、ISO 815-1 が圧縮永久ひずみを規定していること(題名と適用範囲にとどめる。本文は有料) | [参考資料 15]https://www.iso.org/standard/80849.html[参考資料 16]https://www.iso.org/standard/88692.html[参考資料 17]https://www.iso.org/standard/86892.html[参考資料 18]https://www.iso.org/standard/74969.html[参考資料 19]https://www.iso.org/standard/74943.html | 事実 |
| イソシアネートのNCO含有率(HDI 50.0%、TDI 48.3%、IPDI 37.8%、MDI 33.6%、H12MDI 32.0%)とNCO当量(84.1、87.1、111.1、125.1、131.2 g/eq)、当量の差約1.6倍 | 本稿の計算。純粋な単量体の式量(C 12.011、H 1.008、N 14.007、O 15.999)から求めた値。商用のポリメリックMDI・プレポリマーとは異なる | 本稿の計算 |
| 100 g の MDI のNCO基がすべて水と反応した場合の二酸化炭素量(0.3996 mol、25℃・1気圧で約9.8 L) | 本稿の計算。NCO基2個に水1分子の対応(図1の整理)と、25℃・1気圧のモル体積24.47 L/mol を仮定。実際のフォーム配合の値ではなく上限の桁を示すもの | 本稿の計算 |
| ポリウレタンが「配合の材料」であるという整理。反応の分類(総説は縮合系、Kraiburg は重付加物)を付加反応が基本と整理したこと。5つの姿への分け方。TPU が「ゴムからエンプラまで」を覆うという整理と、2つの資料の硬さの数字が範囲の定義の違いによるという読み取り。エステル結合が水に弱く、ポリオールの種類が寿命を左右するという解釈。TPE の物理架橋・使用温度の考え方。ゴムの架橋と再溶融できない性質の関係。製造端材の価値の読み取り。0.1重量%閾値の読み取り | 公表内容にもとづく本記事の整理・解説。各社・各機関が表明した見解ではない | 解説 |
| TPE の使用温度の上限の数値、ポリウレタンの化学的リサイクルの商業規模、日本の法令上の区分、Akiba の総説の内容 | 本稿の調査範囲で一次情報を確認できなかったため記載していない | 解説 |
| 図1・図2・図3・図5・図6・図7・図8が説明のための作図であること。ヒーロー画像と図4がAI生成イメージであること | 本記事による注記 | 解説 |
最終更新:2026年10月2日/出典は一次情報(業界団体・メーカーの公式資料、EU規則、公的機関の情報、規格団体の公式ページ、査読された総説)に限定しています。 物性値は各社・総説の記載であり、グレード・試験法・条件が異なるため、数値の優劣を比べるものではありません。 構造の整理や材料設計上の読み取りを含むため、それらは「解説」として出典付きの事実と区別しています。 TPE の使用温度の上限、ポリウレタンの化学的リサイクルの商業規模、日本の法令上の区分、Akiba の総説の内容、生産量・市場規模・リサイクル率については、公開された一次情報で確認できなかった、あるいは扱わない方針のため記載していません。 図1・図2・図3・図5・図6・図7・図8はベクター作図、ヒーロー画像と図4はAI生成イメージであり、いずれも実際の分子配置・製品の実物を示すものではありません。 イソシアネートの取り扱いに関する具体的な対策は、各社の安全データシートと所管当局の案内によってください。