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京セラ 企業解説

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COMPANY PROFILE / 機能性材料

京セラ
― ファインセラミックスを原点に、材料から部品までを自社でつなぐ「部品・デバイスメーカー」

京セラは1959年にセラミックス絶縁部品の工房として始まり、いまはプリンターや工具、電子部品まで手がける総合メーカーです。 本稿は会社全体ではなく、機能性材料にあたる部分、つまりファインセラミック部品と積層圧電素子(PZT)に絞ります。 2026年3月期の有価証券報告書の英訳を一次情報にすると、この部分を含む「コア部品事業」の売上収益は6,534億円で、全社の31.6%です。 ただしファインセラミック部品や圧電素子の売上は単独では開示されていません。 何が分かり、何が分からないかを分けて整理します。

構成:京セラの2026年3月期 Annual Report(有価証券報告書の英訳、2026年6月19日提出)と決算資料、京セラの公式製品サイトを一次情報として使用/最終更新 2026年10月

この記事でわかること
  1. 30秒でわかる京セラと、機能性材料での立ち位置
  2. ロゴと社名の表記について
  3. 機能性材料の世界で、この会社はどこにいるか
  4. 会社の規模(全社は簡潔に)
  5. 機能性材料にかけているリソース
  6. これまでの取り組み
  7. 今後の計画
  8. この会社は機能性材料で何を目指しているか
  9. 機能性材料分野の提携マッピング
  10. 提供している技術・製品・サービス
  11. この企業が抱えるリスク
  12. 用語集/出典/主張と出典の対応表

1. 30秒でわかる京セラと、機能性材料での立ち位置

正式名称京セラ株式会社英文名 Kyocera Corporation
本社日本・京都市伏見区竹田鳥羽殿町6
上場東証プライム 69712026年3月31日現在
この分野での類型部品・デバイス(主)
素材・原料(従)
セラミックス材料を自社で持つ
中心の材料・機能ファインセラミック部品
積層圧電素子(PZT)
本稿で扱う範囲
全社の売上収益2兆702億円2026年3月期・連結(IFRS)
コア部品事業の売上収益6,534億円全社の31.6%。ファインセラミック部品以外も含む
従業員73,856人2026年3月31日・連結
まず押さえるべき1点

京セラの機能性材料は、「材料そのもの」ではなく、セラミックス材料を焼き固めて作る「部品」として売られています 事実。 有価証券報告書の事業区分では、半導体製造装置向けのファインセラミック部品、車載カメラモジュール、セラミックパッケージ、有機パッケージ・基板が 1つの「コア部品事業」にまとめられています。 したがって、ファインセラミック部品や圧電素子だけの売上・利益は読み取れません 未確定/将来。 さらに、有価証券報告書の英訳(192ページ)には「piezo(圧電)」という語自体が出てきません。 圧電素子は公式製品サイトで確認できる事実を中心に書き、会社の業績への寄与は確認できなかったと明記します。

2. ロゴと社名の表記について

表記の注意:法人名は「京セラ株式会社」、英文では Kyocera Corporation(社名は創業時の「京都セラミック」に由来します)。 本稿で「京セラ」と書くときは、京セラ株式会社とその連結子会社を指します。 医療機器は2025年10月に別会社の京セラメディカル株式会社(Kyocera Medical Corporation)に承継されています。 本稿は医療機器には立ち入りません。

公式サイト:https://global.kyocera.com/

3. 機能性材料の世界で、この会社はどこにいるか

機能性材料に関わる企業の4つの類型 同じ「材料の会社」でも、原料・部品・表面・新方式で、強みと売り先が違う 素材・原料 部品・デバイス コーティング・表面 新方式・新興 原料と材料をつくる 機能を部品に仕立てる 表面に機能を付ける 新しい材料や原理を事業化 MP Materials/信越化学 Croda/Aspen Aerogels 村田製作所/TDK 京セラ/Gentex PPG/AkzoNobel ほか Niron/Metalenz Lumotive/Phononic 資源と量産規模 設計・品質・顧客網 配合技術と施工網 独自技術と成長余地 資源価格と規制に左右 需要と認定に左右 用途ごとの認定が必要 量産と資金が不確実 京セラは「部品・デバイス」が主で、材料(セラミックスの粉末から焼結体まで)を自社で持つ ファインセラミック部品と積層圧電素子が中心。材料単位の売上は開示されていない
図1 機能性材料に関わる企業の4類型と、京セラの位置づけ。区分は本稿によるもので、企業名は本シリーズで扱う企業から例示しています 本稿の計算。京セラは部品・デバイスメーカーを主、素材(セラミックス材料)を従とする本稿の整理です。

京セラは部品・デバイスメーカーが主で、セラミックス材料を自社で作る素材メーカーの面も併せ持ちます 本稿の計算。 公式製品サイトには、アルミナ、サファイア(単結晶アルミナ)、ジルコニア、窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、ZTA(ジルコニア強化アルミナ)、サーメットなど 14種類のセラミック材料が並び、用途別の部品として売られています 事実。 本シリーズの技術解説「圧電材料と無鉛化」「強誘電体と誘電材料」が材料の側から説明している分野を、京セラは部品として量産している立場にあたります。

4. 会社の規模(全社は簡潔に)

会社全体の数字は次のとおりです。ファインセラミック部品・圧電素子だけの数字ではありません 事実。

指標(連結・IFRS)2024年3月期2025年3月期2026年3月期
売上収益(百万円)2,004,2212,014,4542,070,203
税引前利益(百万円)136,14363,631168,994
従業員(人・各年度末)79,18577,13673,856

機能性材料に関わるのはコア部品事業です。2026年3月期の内訳は次のとおりです 事実。

コア部品事業の内訳(売上収益・百万円)2025年3月期2026年3月期前期比
コア部品事業 合計591,720653,429+10.4%
産業・車載部品ユニット(ファインセラミック部品、車載システム、光学部品)241,871250,069+3.4%
半導体部品ユニット(セラミックパッケージ、有機パッケージ・基板)327,049379,432+16.0%
その他(医療機器など)22,80023,928+4.9%
ここで注意

ファインセラミック部品は産業・車載部品ユニットの一部で、同ユニットには車載カメラモジュールなども含まれます。 圧電素子がどのユニットに入るのかも、有価証券報告書の英訳では確認できませんでした 未確定/将来。 コア部品事業の増収(+617億円)は、会社の説明では半導体部品ユニット(情報通信向けのセラミックパッケージ、データセンター向けの有機パッケージ)の増加が主因です。 ファインセラミック部品や圧電素子が増えたのか減ったのかは、この資料からは分かりません。

5. 機能性材料にかけているリソース

リソースの種類内容区分
人グループ全体で73,856人(2026年3月31日)。研究開発拠点は鹿児島県の霧島研究開発センター(2022年に研究・生産技術・分析部門を集約)、京都府のけいはんな研究所、神奈川県のみなとみらい研究所。ファインセラミック部品・圧電素子だけの人員は非公表事実
金(研究開発費)全社1,157億円(2026年3月期)のうちコア部品事業は261億円(前期214億円、+22.0%)。2027年3月期の全社の予想は1,200億円事実/予想は未確定/将来
金(設備投資)全社1,491億円のうちコア部品事業は788億円(2026年3月期、有形固定資産ベース)。会社は「半導体関連の需要増に対応するため、コア部品事業の生産能力を増強した」と説明。2027年3月期の全社の予想は2,250億円(+50.9%)で、事業ごとの主な目的は「生産と生産性の向上のための設備導入」事実/予想は未確定/将来
外部への出資・買収・売却2025年10月に日本航空電子工業の株式33.0%を取得(資本業務提携)。2026年1月にシリコンダイオード系パワー半導体事業を新電元工業へ、米国の工具子会社をTL Sapphire Holdings(Truelink Capitalの子会社)へ譲渡。2026年1月22日に、半導体封止材などの化学品事業を引き継ぐ新会社の株式を住友ベークライトへ譲渡する契約を締結(実行は2026年10月末の予定)。セラミックスの素材・部品への出資・買収は確認できなかった事実
大学・研究機関・公的資金研究開発の説明に「アカデミア等の外部資源を活用したオープンイノベーション」とある。医療機器分野では「外部の研究機関と共同研究」。具体的な大学・機関名、NEDOなどの公的資金の記載は確認できなかった確認できず

主要な製品・設備の状況

製品工場・設備規模段階日付・出典
ファインセラミック部品、セラミックパッケージ滋賀東近江工場(2024年4月に蒲生・八日市の両工場を統合)、鹿児島薩摩川内工場、鹿児島霧島工場(2026年4月に国分・隼人の両工場を統合)生産能力は非公表稼働中出典1 https://global.kyocera.com/ir/library/pdf/yuho/FY26_4Q_ar.pdf
積層圧電素子どの工場かは確認できなかった「自動車の燃料噴射用の素子を5,000万個超出荷(10年超)」(会社の製品ページの記載。基準日の記載なし)量産(2005年に量産開始)出典7・8 https://global.kyocera.com/prdct/ecd/piezo_d33/index.html https://global.kyocera.com/prdct/ecd/casestudy/piezo01.html
2027年3月期の設備投資全社の予想2,250億円(事業別・案件別の内訳は計画していないと会社が明記)―計画(未確定/将来)出典1・2 https://global.kyocera.com/ir/library/pdf/yuho/FY26_4Q_ar.pdf https://global.kyocera.com/ir/library/pdf/f_results/FY26_4Q_FinancialResults.pdf

6. これまでの取り組み

時期できごと意味
1959年4月京都セラミック株式会社として創業。28人でテレビのブラウン管用セラミック絶縁部品の生産を始める「ファインセラミックスの会社」としての原点
2005年積層型圧電素子の量産を開始(開発は1999年から。単板型の圧電ブザー用素子は創業期から生産)圧電素子をディーゼルエンジンの噴射用に量産した実績(会社のインタビュー記事による)
2008年半導体製造装置向けマスフローコントローラー用の「ケーシング型圧電アクチュエーター」の開発を始める噴射用とは違う使い方(電圧を加え続ける)への展開
2022年9月鹿児島国分工場の研究・生産技術・分析部門を霧島研究開発センターに集約材料・工程の研究拠点の集約
2025年10月医療事業を京セラメディカルに承継。日本航空電子工業の株式33.0%を取得事業ポートフォリオの再編
2026年1月シリコンダイオード系パワー半導体事業と、米国の工具子会社の株式を譲渡。住友ベークライトへの化学品事業の譲渡契約を締結(1月22日)セラミックス以外の事業の整理が進む
2026年4月鹿児島国分工場と隼人工場を統合し、鹿児島霧島工場とする拠点の統合

7. 今後の計画

設備投資(2027年3月期)2,250億円全社の会社予想。前期比+50.9%
研究開発費(2027年3月期)1,200億円全社の会社予想。前期は1,157億円
売上収益(2027年3月期)1兆9,400億円全社の会社予想。工具子会社の譲渡で減収を見込む
設備投資の主な目的生産と生産性の向上コア部品事業も同じ。資金は主に手元資金

いずれも会社の予想・計画であり、達成された事実ではありません 未確定/将来。 会社は研究開発の方向として、半導体製造装置向けの「次世代装置に対応する部品・材料」、 光通信向けの「高速光通信・光電子モジュール用パッケージ」、チップレット向けの「セラミックコア基板」を挙げています 事実。 圧電素子については、ケース事例の中で「小型化と大流量化への対応が必要」と技術者が述べていますが、製品計画や数値目標は示されていません。

確認できなかったこと

次は、本稿の調査範囲の一次資料に記載がありません 未確定/将来。

ファインセラミック部品・圧電素子の単独の売上・利益/生産能力/新工場や増設の個別計画/ 顧客の社名(半導体製造装置メーカー、自動車メーカーなど)/圧電素子の今後の売上目標。 PZTは鉛を含みますが、EUのRoHS指令などでの扱いは、本稿では最終的な条文の状態を確認し切れていないため記載しません。

8. この会社は機能性材料で何を目指しているか

ここは会社が直接には述べていない部分を含みます。一次情報から読み取れる範囲の推測として、根拠とともに書きます。

読み取れること根拠となる一次情報区分
機能性セラミックスの成長の軸は半導体・情報通信に置かれているコア部品事業の増収の主因は半導体部品ユニット。設備投資の説明も「半導体関連の需要増に対応するための生産能力増強」事実
圧電素子は、会社の成長を牽引する主役ではなく、技術の引き出しの1つとして扱われている可能性が高い有価証券報告書の英訳に「圧電」の記載がない。一方、製品サイトでは半導体製造装置向け用途に力を入れている推測
セラミックス以外の事業を切り出してセラミックスに資源を寄せる方向にある2026年1月に工具子会社・パワー半導体事業を譲渡、化学品事業を住友ベークライトへ譲渡する契約推測
設備投資が2027年3月期に大きく増える全社予想2,250億円(+50.9%)。事業別の内訳は非公表事実(予想は未確定/将来)
推測の根拠を1つだけ詳しく

会社は設備投資の計画を事業単位では書いていますが、案件単位では書いていません 事実。 コア部品事業の2026年3月期の設備投資は788億円と、全社の約53%を占めました。 同じ年、事業の整理(工具子会社の譲渡など)が進んでいます。 ここから、本稿は「2027年3月期の設備投資の増加も、コア部品事業、特に半導体向けに重点が置かれる可能性が高い」と読みます。 ただし、これは会社が述べた内容ではなく、事業別の予想額も公表されていないため、推測にとどまります 未確定/将来。

9. 機能性材料分野の提携マッピング

京セラを中心とした資本関係・事業譲渡の関係 2026年3月期の有価証券報告書の英訳に記載のある関係のみ。セラミックスの顧客名は非公表で、含まない 京セラ ファインセラミックス 日本航空電子工業 株式33.0%取得・資本業務提携(2025年10月) 住友ベークライト 化学品事業の新会社株式を譲渡(予定) 新電元工業 シリコンダイオード事業を譲渡(2026年1月) TL Sapphire Holdings 米国工具子会社の株式を譲渡(2026年1月) 京セラメディカル ― 医療事業を承継(2025年10月) 出資・資本業務提携 事業・子会社の譲渡 グループ内の再編(点線)
図2 京セラを中心とした資本関係・事業譲渡の関係。出典:2026年3月期の有価証券報告書の英訳(Annual Report)。図に含めたのは記載がある関係だけです。いずれもセラミックスの共同開発や供給の関係ではありません。ファインセラミック部品・圧電素子の顧客や共同開発先は一次資料で確認できなかったため、図には載せていません。

10. 提供している技術・製品・サービス

機能性材料に関わる京セラの製品は、公式サイトで次のように説明されています(各製品の性能値はメーカー公称) 事実。

分野内容(公式サイトの記載)
ファインセラミック部品アルミナ、サファイア、ジルコニア、窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、ZTA、サーメットなどの材料から、半導体製造装置、産業機械、分析・計測機器、医療機器、エネルギー・環境、自動車、超高真空、宇宙・天文、民生などの部品を作る
材料・加工・接合の技術高熱伝導の窒化ケイ素(SN241O)、高耐電圧アルミナ、低誘電損失・高強度・高純度のアルミナ(AO479U)、金属化した大型セラミック基板、セラミック積層の拡散接合、同時焼結接合、アルミナとサファイアの直接接合、半導電性セラミックコーティング、セラミック積層造形などを紹介
積層圧電素子(PZT)PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)のセラミックと内部電極を数十〜数百層重ねた構造。垂直変位型(d33)・水平変位型(d31)・単板型の3種。標準品の例(垂直変位型):長さ44mmで150V印加時の変位45〜63μm、長さ64mmで同73〜103μm。寸法は幅・長さ2〜10mm、高さ5〜60mm
圧電素子の用途アンテナ調整、手ぶれ補正、スピーカー、圧力センサー、半導体製造装置のマスフローコントローラー・バルブ・ディスペンサー、ウェハー研磨、精密ステージ、光軸調整、発電素子、自動車の燃料噴射など
その他のエネルギー変換素子1,000℃以上まで数秒で加熱できるセラミックヒーター(アルミナ・窒化ケイ素)、SOFC(固体酸化物形燃料電池)セルスタック
素材技術者の視点:「あえて弱い層を作る」ケーシング型圧電アクチュエーター

京セラのケース事例は、積層圧電素子の信頼性を決めている材料側の工夫を具体的に書いています 事実。 圧電素子は電圧で伸び縮みしますが、素子の中には伸びる部分と伸びない部分があり、その境界に応力が集中して亀裂や短絡が起きます。 ふつうは強度を上げて割れを防ぎますが、京セラはあえて壊れやすい「亀裂制御層」を作り、亀裂の入り方を制御する方法を採りました。 会社は「20層なら短絡しないが、マスフローコントローラー用は900層を超える」と説明しています。

もう1つは表面の保護材です。一般に圧電素子の表面はシリコーン樹脂で覆われますが、 高温では樹脂が分解して絶縁破壊を起こします。そこで特殊な無機材料のコーティングに替え、さらにステンレスのケースに入れて完全に封止し、耐湿性を高めたと説明されています。 ディーゼル噴射用は短時間に何度もオン・オフを繰り返しますが、マスフローコントローラー用は電圧を加え続けるので、劣化の起き方が違います。 この違いを材料の問題として解いた点が、ケース事例の中心です。ここは京セラ自身の説明であり、第三者による検証結果ではありません。 PZTは鉛を含む材料であり、鉛を含まない系の動向は本シリーズの技術解説「圧電材料と無鉛化」を参照してください。

圧電部品と積層セラミックの試料を、評価治具と並べています
図3 概念画像(ImageGenで生成)。圧電部品と積層セラミックの試料を、評価治具と並べています。組成や性能は製品ごとに確認します。 実際の企業の製品・工場・測定結果を示しません。

11. この企業が抱えるリスク

リスク内容区分
材料の実績が見えにくいファインセラミック部品と圧電素子の売上・利益が単独では開示されず、外部から事業の増減を確かめにくい事実
半導体・情報通信への依存コア部品事業の増収は半導体部品ユニットが主因。AI・データセンター向けの需要が変わると影響を受ける。会社自身も、顧客の技術要求が高度になるなか、生産・開発能力の拡大が遅れると期待した成果が出ないリスクを挙げている事実
原材料の価格・調達会社は、原材料価格の上昇を販売価格に転嫁できない可能性、一部の原材料を特定の供給元に頼っていること、輸出入規制のかかる高リスクの材料を使わない代替品の開発に取り組んでいることを挙げている事実
通商・規制の変化関税、輸出入規制、経済安全保障関連の法規制の変化を、国際事業のリスクとして挙げている事実
過去の減損2025年3月期に有機パッケージ・基板事業で約430億円(コア部品事業の一時費用)の減損。2026年3月期にも遊休資産の評価減などで約100億円事実
投資の回収設備投資を2027年3月期に大きく増やす計画で、需要が想定を下回れば償却負担が重くなる推測

12. 用語集

ファインセラミックス
原料の純度や粒子、焼き方を精密に管理して作る、高機能なセラミックス。京セラは「アドバンスト・セラミックス」とも表記する。
PZT
チタン酸ジルコン酸鉛(lead zirconate titanate)。代表的な圧電セラミックス。鉛を含む。
圧電素子
電圧を加えると伸び縮みし、押されると電気を出す素子。アクチュエーター(動かす)にもセンサー(測る)にも使える。
d33/d31
圧電素子の変位の向き。d33は電界と同じ向き(積層方向)に伸び、d31は電界と直角の向きに伸びる。
ZTA
ジルコニア強化アルミナ。アルミナにジルコニアを加えて破壊に強くしたセラミックス。
マスフローコントローラー
半導体製造などでガスの流量を一定に保つ装置。内部で圧電素子を弁の駆動に使う例がある。
セラミックパッケージ
ICなどを収めて保護し、外部と電気的につなぐセラミックス製の容器・基板。
有価証券報告書
日本の上場会社が金融商品取引法に基づき提出する年次報告書。京セラは英訳版(Annual Report)も公開している。

13. 出典

  1. 京セラ Annual Report(有価証券報告書の英訳)第72期(2025年4月1日〜2026年3月31日、2026年6月19日提出)。事業セグメント・売上収益・研究開発費・設備投資・沿革・重要な契約・リスク要因・従業員数。 https://global.kyocera.com/ir/library/pdf/yuho/FY26_4Q_ar.pdf
  2. 京セラ Consolidated Financial Results for the year ended March 31, 2026(決算短信の英訳)。2027年3月期の設備投資・研究開発費の予想、セグメント別設備投資。 https://global.kyocera.com/ir/library/pdf/f_results/FY26_4Q_FinancialResults.pdf
  3. 京セラ IR「Basic Information」(証券コード・上場市場・株主数、2026年3月31日現在)。 https://global.kyocera.com/ir/s_info/basic.html
  4. 京セラ Kyocera Fine Ceramics(Advanced Ceramics)公式製品サイト。セラミック材料の一覧と用途分野。 https://global.kyocera.com/prdct/fc/
  5. 京セラ Kyocera Fine Ceramics「About Us」。創業の経緯、売上・従業員数・グループ会社数(2026年3月31日現在)。 https://global.kyocera.com/prdct/fc/about-us/index.html
  6. 京セラ Energy Conversion Devices(セラミックヒーター、圧電素子、SOFCセルスタック)公式製品サイト。 https://global.kyocera.com/prdct/ecd/index.html
  7. 京セラ Piezoelectric devices「Multi-layer Vertical displacement type(d33 mode)」。構造・用途・標準品の仕様(メーカー公称)。 https://global.kyocera.com/prdct/ecd/piezo_d33/index.html
  8. 京セラ Case Study「High-Reliability Piezoelectric Actuator Casing Brings Added Value to the Semiconductor Processing Equipment (SPE) Industry」。開発の経緯・無機コーティング・亀裂制御層。 https://global.kyocera.com/prdct/ecd/casestudy/piezo01.html
  9. 京セラ Solution Technologies(窒化ケイ素・アルミナ・接合などの材料・加工技術の一覧)。 https://global.kyocera.com/prdct/fc/technologies/index.html

14. 主張と出典の対応表

本文の主張区分出典
正式名称、本社所在地、上場市場・証券コード事実出典1・3 https://global.kyocera.com/ir/library/pdf/yuho/FY26_4Q_ar.pdf https://global.kyocera.com/ir/s_info/basic.html
売上収益・税引前利益・従業員数(2024〜2026年3月期)、全社の規模事実出典1 https://global.kyocera.com/ir/library/pdf/yuho/FY26_4Q_ar.pdf
コア部品事業の売上収益653,429百万円、各ユニットの内訳、増収の主因事実出典1 https://global.kyocera.com/ir/library/pdf/yuho/FY26_4Q_ar.pdf
コア部品事業の定義(半導体製造装置用ファインセラミック部品、車載カメラモジュール、セラミックパッケージ、有機パッケージ・基板)事実出典1 https://global.kyocera.com/ir/library/pdf/yuho/FY26_4Q_ar.pdf
研究開発費(全社115,701百万円、コア部品事業26,120百万円)、2027年3月期の予想120,000百万円事実出典1・2 https://global.kyocera.com/ir/library/pdf/yuho/FY26_4Q_ar.pdf https://global.kyocera.com/ir/library/pdf/f_results/FY26_4Q_FinancialResults.pdf
設備投資(全社149,099百万円、コア部品事業78,759百万円)、2027年3月期の予想225,000百万円と主な目的事実出典1・2 https://global.kyocera.com/ir/library/pdf/yuho/FY26_4Q_ar.pdf https://global.kyocera.com/ir/library/pdf/f_results/FY26_4Q_FinancialResults.pdf
日本航空電子工業の株式33.0%取得、シリコンダイオード事業・工具子会社の譲渡、医療事業の承継事実出典1 https://global.kyocera.com/ir/library/pdf/yuho/FY26_4Q_ar.pdf
住友ベークライトとの株式譲渡契約(2026年1月22日締結、実行は2026年10月末の予定)事実出典1 https://global.kyocera.com/ir/library/pdf/yuho/FY26_4Q_ar.pdf
研究開発拠点、工場の統合(滋賀東近江、鹿児島霧島)事実出典1 https://global.kyocera.com/ir/library/pdf/yuho/FY26_4Q_ar.pdf
研究開発の方向(次世代装置向け部品・材料、光通信用パッケージ、セラミックコア基板)事実出典1 https://global.kyocera.com/ir/library/pdf/yuho/FY26_4Q_ar.pdf
14種のセラミック材料と用途分野、材料・加工・接合技術の一覧事実出典4・9 https://global.kyocera.com/prdct/fc/ https://global.kyocera.com/prdct/fc/technologies/index.html
創業の経緯(1959年、28人)、グループ会社279社、従業員73,856人事実出典5 https://global.kyocera.com/prdct/fc/about-us/index.html
圧電素子の構造(PZT、積層、d33・d31・単板)、標準品の仕様、用途、自動車の燃料噴射用素子の出荷実績事実(メーカー公称)出典6・7 https://global.kyocera.com/prdct/ecd/index.html https://global.kyocera.com/prdct/ecd/piezo_d33/index.html
積層型の開発開始(1999年)と量産開始(2005年)、ケーシング型の開発開始(2008年)、無機コーティング、亀裂制御層、900層超事実(メーカーの説明)出典8 https://global.kyocera.com/prdct/ecd/casestudy/piezo01.html
セラミックヒーター、SOFCセルスタックの製品化事実出典6 https://global.kyocera.com/prdct/ecd/index.html
原材料価格、供給元への依存、通商規制、減損、能力拡大の遅れなどのリスク事実出典1 https://global.kyocera.com/ir/library/pdf/yuho/FY26_4Q_ar.pdf
京セラの類型(部品・デバイス主、素材従)本稿の計算本稿による整理
ファインセラミック部品・圧電素子だけの売上・利益・生産能力・顧客名未確定/将来一次資料に記載なし。本稿では推計もしない 出典1 https://global.kyocera.com/ir/library/pdf/yuho/FY26_4Q_ar.pdf
圧電素子が有価証券報告書の英訳に記載されていないこと事実本稿が全文を確認した結果。 出典1 https://global.kyocera.com/ir/library/pdf/yuho/FY26_4Q_ar.pdf
セラミックス関連の大学・公的資金との連携、出資・買収未確定/将来確認できず。存在しないとも断定しない 出典1 https://global.kyocera.com/ir/library/pdf/yuho/FY26_4Q_ar.pdf
2027年3月期の設備投資・研究開発費・売上収益の予想未確定/将来会社の予想であり、達成された事実ではない 出典2 https://global.kyocera.com/ir/library/pdf/f_results/FY26_4Q_FinancialResults.pdf
成長の軸は半導体・情報通信にあるという読み推測コア部品事業の増収の主因と設備投資の説明からの本稿の解釈
圧電素子は技術の引き出しの1つという読み推測有価証券報告書の英訳に記載がないことからの本稿の解釈
セラミックスに資源を寄せる方向にあるという読み推測事業の譲渡・整理の動きからの本稿の解釈
設備投資の回収リスク推測2027年3月期の設備投資計画からの本稿の解釈

最終更新:2026年10月10日/Troy Technical
本稿の数値は、京セラが関東財務局へ提出した2026年3月期の有価証券報告書の英訳、同社の決算資料、公式製品サイトに基づきます。調査会社の推計値・報道ベースの数値は使用していません。製品の仕様値はメーカー公称で、標準品の変位は印加電圧150Vの条件の値です(そのほかの測定条件は公式ページに記載がありません)。「推測」と記した箇所は、一次情報から本稿が読み取った解釈であり、会社の公表内容ではありません。