COMPANY PROFILE / 機能性材料
クローダ
― 化粧品原料の会社が売る、植物由来の相変化材料「CrodaTherm」
Crodaは英国の特殊化学品メーカーで、化粧品・医薬・農業向けの原料が事業の大半を占めます。 本稿が扱うのは、その中の産業特殊品(Industrial Specialties)事業にある相変化材料(PCM)だけです。 PCMは、融けるときに熱を吸い、固まるときに熱を放す材料で、冷蔵輸送の保冷材や建材、熱の貯蔵に使われます。 Crodaの製品は植物由来の原料から作った「ワックス」と、それを樹脂の殻に包んだマイクロカプセルです。 2026年7月の中間決算の文書には、この事業の増収要因として「熱管理向けのPCM」が明記されました。 ただしPCMの売上そのものは、どの開示文書にも載っていません。本稿はそこを推計せず、確認できたことと、できなかったことを分けて書きます。
- 30秒でわかるCrodaと、機能性材料での立ち位置
- ロゴと社名の表記について
- 機能性材料の世界で、この会社はどこにいるか
- 会社の規模(全社は簡潔に)
- 機能性材料にかけているリソース
- これまでの取り組み
- 今後の計画
- この会社は機能性材料で何を目指しているか
- 機能性材料分野の提携マッピング
- 提供している技術・製品・サービス
- この企業が抱えるリスク
- 用語集/出典/主張と出典の対応表
1. 30秒でわかるクローダと、機能性材料での立ち位置
スネイス登記上の事務所は Cowick Hall
(CrodaTherm)融点5〜75℃のワックス13品種ほか
2025年売上 194.5百万ポンド全社売上の約11%
PCMの販売が増加2026年7月の中間決算文書の記述
CrodaにとってPCMは主力事業ではなく、産業特殊品という小さな事業の中の一製品群です 事実。 同社の年次報告書は、産業特殊品を「共有の製造拠点の空き能力と中核の化学を、狙った市場に振り向けることで、製造モデルの効率に貢献する事業」と説明しています。 2025年の産業特殊品の売上は194.5百万ポンドで、全社売上1,699.4百万ポンドの約11%、調整後営業利益は9.0百万ポンドでした。 一方で2026年7月の中間決算文書は、この事業で「中核の売上が増えた。特に熱管理向けのPCM」と書いています。 PCMの規模は分かりませんが、会社が成長の例として名指しする製品群であることは確認できます。
2. ロゴと社名の表記について

表記の注意:法人名は Croda International Plc、通称は Croda。 PCMの製品ブランドは CrodaTherm です。PCMを紹介する公式サイトは、Crodaの産業特殊品向けサイト(Croda Industrial Specialties)にあります。 ロゴは同社の公式サイトの画像(ベクター)を取得して設置しています。
公式サイト:https://www.croda.com/en-gb3. 機能性材料の世界で、この会社はどこにいるか
本稿では、Crodaを素材・原料メーカーに分類します 本稿の計算。 中心にある材料は相変化材料(PCM)で、機能は「一定の温度で大量の熱を吸収・放出すること」です。 同社の公式ページは、PCMのワックスを実際に使うには容器に密封する「マクロカプセル化」が必要だと説明しています。 その容器や蓄熱槽、保冷パックは顧客側(または提携先)が作り、Crodaは材料を供給する立場です。 本シリーズの技術解説「相変化材料と蓄熱」で扱うPCMの種類や評価の読み方は、そちらに任せ、本稿はCrodaの位置づけに絞ります。
4. 会社の規模(全社は簡潔に)
全社の事業(化粧品・医薬・農業・香料など)は本稿の主題ではないので、規模だけを押さえます 事実。
| 指標(2025年12月期) | 2024年 | 2025年 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 全社売上(百万ポンド) | 1,628.1 | 1,699.4 | 消費者ケア972.7/ライフサイエンス532.2/産業特殊品194.5 |
| 産業特殊品の売上(百万ポンド) | 203.8 | 194.5 | 前年比 4.6%減(為替一定で2.4%減) |
| 産業特殊品の調整後営業利益(百万ポンド) | 15.5 | 9.0 | IFRS基準では2025年は1.7百万ポンドの損失(2024年は13.6百万ポンドの利益) |
| 全社の研究開発費(損益計算書の計上額・百万ポンド) | 63.6 | 60.2 | 事業別の内訳は開示されていない |
| 全社の設備投資(純額・百万ポンド) | 137.9 | 108.2 | 事業別の内訳は開示されていない |
| 年次報告書2025の地域別 | 従業員 | 主な製造拠点 | 革新拠点 |
|---|---|---|---|
| 欧州・中東・アフリカ | 2,970 | 18 | 20 |
| アジア | 1,699 | 15 | 18 |
| 北米 | 812 | 5 | 6 |
| 中南米 | 473 | 6 | 6 |
| 合計(本稿の計算) | 5,954 | 44 | 50 |
上の数字は会社全体、または産業特殊品事業全体のものです。 PCMの売上・利益・従業員数・研究開発費は、年次報告書にも中間決算文書にも出てきません 未確定/将来。 年次報告書2025には、「相変化材料」「熱」という語そのものがありません(本稿が全文を検索して確認)。 同社の産業特殊品向けサイトには、PCMのほか、塗料添加剤、繊維用の薬剤、食品用乳化剤、水処理向けの製品などが載っており、売上には副産物・共産物の販売も含まれます。 年次報告書は2025年の売上減の背景として、供給契約による売上の減少と、副産物・共産物の比率が上がったことによる価格・構成の悪化を挙げています。 このため産業特殊品の数字をPCMの規模として読むことはできません。
5. 機能性材料にかけているリソース
PCMに限った金額と人数は非公表です。何が確認でき、何が確認できなかったかを、4点に分けて示します。
| リソースの種類 | 内容 | 区分 |
|---|---|---|
| 人 | PCMの専任人員数・研究開発拠点は非公表。全社の従業員は地域別に合計5,954人(本稿の計算)。2018年の技術資料では、CrodaThermのワックスはオランダで製造と書かれていたが、現在の製造拠点は公式ページで確認できなかった | 事実/確認できず |
| 金 | PCM向けの研究開発費・設備投資額は非公表。全社では研究開発費60.2百万ポンド、設備投資108.2百万ポンド(2025年) | 事実/確認できず |
| 外部への出資・買収・合弁・事業売却 | PCMに関わる出資・買収・合弁・売却は、2025年度年次報告書と2026年中間決算文書に記載なし | 確認できず |
| 大学・研究機関・公的資金との連携 | PCMに関する大学との共同研究や公的助成は、本稿が調べた公式資料に記載なし | 確認できず |
| 企業との連携 | 個人用冷却ベストのINUTEQ、PCM蓄熱槽のAxiotherm(2018年の発表)、PCMの業界団体(Gütegemeinschaft PCM e.V.)への加盟を確認(第9章) | 事実 |
主要な製品・設備の状況は次のとおりです。製造能力と工場の稼働状況は、公式資料で確認できませんでした。
| 製品 | 工場・設備 | 規模 | 段階 | 日付 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|
| CrodaTherm ワックス(13品種) | 確認できなかった(2018年の資料ではオランダ) | 確認できなかった | 販売中(サンプルを請求できる) | 2026年10月10日に確認 | 出典1 |
| CrodaTherm マイクロカプセル(4品種) | 確認できなかった | 確認できなかった | 販売中(分散液。粉末品の記載もある) | 2026年10月10日に確認 | 出典1・3 |
| PCM向けの新工場・増設 | 記載なし | 記載なし | 計画・投資決定ともに確認できなかった | ― | 出典6・7 |
年次報告書によると、産業特殊品は「共有の製造拠点で、空いている能力と中核の化学を使う」事業です 事実。 専用の大型工場を新設して売り上げを伸ばす型ではなく、化粧品や農薬向けに使っている反応設備や精製設備の稼働率を上げる型です。 PCMの原料は植物由来とされていますが、公式の製品ページは化学組成を「非公開(Proprietary)」としており、 どの化合物が主成分かは確認できませんでした 未確定/将来。 共有設備の利点は、投資が小さく済み、品種(融点)を増やしやすいことです。 欠点は、設備の都合でPCMの純度や製造量を自由に決められない可能性があり、PCMの需要が急に増えても専用能力を足す判断は別になる点です。
6. これまでの取り組み
| 時期 | できごと | 意味 |
|---|---|---|
| 2018年(資料名の日付は1月26日) | Croda GmbH と Axiotherm GmbH が、スイスの熱エネルギー貯蔵シンポジウムで、CrodaThermを使った蓄熱槽を紹介。ワックスは「オランダで製造」「平均のバイオ由来度96%」と記載 | PCMの事業と製品ブランドが、少なくとも2018年には存在していたことが分かる |
| 2025年1月 | PCMの業界団体のニュースレターが、融点5℃のCrodaTherm 5を紹介(2〜8℃の冷蔵輸送向け)。Croda社員の談話を含む | 2〜8℃の冷蔵輸送向け。ただし2018年の資料にも同名の品種が載っており、記事の「最近開発」の意味は確認できなかった |
| 2026年7月28日 | 中間決算文書が、産業特殊品の「中核の売上」の増加を熱管理向けPCMが牽引したと記述。一方、供給契約による売上は減少 | 確認できた範囲で、会社の決算文書がPCMを名指しした記述 |
| 2026年10月10日(確認日) | 公式サイトにCrodaThermのワックス13品種(融点5〜75℃)とマイクロカプセル4品種が掲載 | 現在の品揃えの確認 |
INUTEQとの協業の発表(個人用冷却ベスト向け)は、Crodaの公式ニュースにありますが、日付が記載されていません。年表には入れず、第9章で扱います。
7. 今後の計画
年平均 (3)〜3%会社の目標(有機的な伸び率)
2026年中間決算文書は、産業特殊品の売上について「2026〜28年に年平均で(3)〜3%の有機的な増加を目標とする。これには、塗料、電化、熱管理の技術で選んだ成長機会を狙った中核売上の増加を含み、供給契約による売上の減少が相殺する」と述べています 未確定/将来。 下限がマイナスであることから、会社自身がこの事業全体の売上が減る場合もあると見込んでいます。
PCMの売上目標/生産能力/新工場・増設の有無/新しい品種の発売予定/認証の取得計画は、いずれも公式資料に記載がありません 未確定/将来。
8. この会社は機能性材料で何を目指しているか
ここは会社が直接には述べていない部分を含みます。一次情報から読み取れる範囲の推測として、根拠とともに書きます。
| 読み取れること | 根拠となる一次情報 | 区分 |
|---|---|---|
| PCMは全社の成長の柱ではなく、共有拠点の稼働を支える製品群の一つ | 年次報告書は産業特殊品を「製造モデルの効率に貢献する」事業と説明。同事業の調整後営業利益率は2026年上半期で4.1% | 推測 |
| PCMは熱管理・電化という成長分野の中に位置づけられている | 2026年中間決算文書が「熱管理向けのPCM」の増収を明記し、目標の説明で熱管理と電化を挙げている | 事実 |
| 差別化の軸は潜熱の大きさより、植物由来であること、取り扱いやすさ、融点の選択肢の多さ | 公式ページの訴求は、バイオ由来、低可燃性、低い蒸発損失、広い融点域。潜熱は公称で215〜226 J/gの範囲に収まる | 推測 |
| 低温(2〜8℃)の医薬品の冷蔵輸送に力を入れている | 温度管理輸送のページで、2〜8℃向けにCrodaTherm 5と6.5を挙げ、EUの医薬品流通基準を引用。2025年1月のニュースレターでも5℃品を紹介 | 推測 |
差別化の軸が潜熱の大きさではないと読む理由は、数字を並べると見えます。 公式ページのワックス表では、融解時の潜熱は206〜226 J/gの範囲に収まっています(13品種、同社の典型値) 事実。 2018年のCroda自身の資料は、パラフィン系のPCMの潜熱を150〜220 kJ/kg、塩水和物を約190 kJ/kg、CrodaThermを176〜226 kJ/kgと並べ、「他の技術と比べて遜色ない」としています。 つまり潜熱だけで見れば、同社の製品は他の種類のPCMと同じ範囲にいます。 同社が前面に出すのは「バイオ由来」「引火点が高い」「蒸発しにくい」「必要な融点を選べる」であり、 ここから「潜熱以外の取り扱い性と環境面で選ばれる製品」と読むのが自然だと本稿は考えます 未確定/将来。 なお、これは製品の優劣の評価ではなく、同社の訴求点の整理です。
9. 機能性材料分野の提携マッピング
10. 提供している技術・製品・サービス
CrodaのPCMは、大きくワックス(バルク)とマイクロカプセルの2種類です。
| 品種(メーカー公称の典型値) | 融点(℃) | 結晶化温度(℃) | 融解の潜熱(J/g) | 結晶化の潜熱(J/g) |
|---|---|---|---|---|
| CrodaTherm 5 | 5 | 4 | 217 | 219 |
| CrodaTherm 21 | 20 | 20 | 215 | 210 |
| CrodaTherm 29 | 28 | 27 | 223 | 222 |
| CrodaTherm 37 | 36 | 36 | 216 | 217 |
| CrodaTherm 53 | 52 | 52 | 220 | 221 |
| CrodaTherm 60 | 60 | 60 | 215 | 219 |
| CrodaTherm 74 | 75 | 71 | 226 | 224 |
上の表は、公式ページのワックス表(13品種)から7品種を抜き出したものです 事実。 製品名の数字と表の融点が一致しない品種(例:CrodaTherm 29の融点は28℃、CrodaTherm 74は75℃)があります。 2018年の技術資料では、CrodaTherm 53を示差走査熱量測定(DSC)、昇温・降温速度1 K/分で測り、融点53℃・潜熱226 J/gとしていました。 CrodaTherm 47は製品一覧に載っていますが、この表には入っていません。ワックスの表に測定法の注記は見当たらず、「DSCによる典型値」の注記はマイクロカプセルの表の下にあります。
熱エネルギー貯蔵のページでは、CrodaThermは「総熱容量が典型で最大230 kJ/kg」とされ(メーカー公称)、石油由来のパラフィンPCMに対しては再生可能原料であることを、塩水和物に対しては「長期に不安定になることがある」点を、それぞれ違いとして挙げています。 これは同社の比較であり、他の種類のPCMを評価した第三者の試験結果ではありません。
| マイクロカプセル品(分散液・メーカー公称) | 粒径 d90(µm) | 融点(℃) | 結晶化温度(℃) | 融解の潜熱(J/g) |
|---|---|---|---|---|
| CrodaTherm ME 24XD | 10 | 24 | 19 | 160 |
| CrodaTherm ME 29D | 10 | 29 | 24 | 183 |
| CrodaTherm ME 29XD | 10 | 29 | 22 | 165 |
| CrodaTherm ME 29DS | 3 | 29 | 21 | 175 |
同社の説明では、マイクロカプセルはバイオ由来のワックスの核を、アクリル系ポリマーの殻で包んだ粒子で、ホルムアルデヒドを使わず、粉末と水系の分散液で供給します 事実。 熱の値はDSCによる典型値で、分散液は水を蒸発させたあとの重量で測った値と注記されています。 用途として、繊維・寝具・フォーム・建材が挙げられています。
(1) 潜熱は水の氷の約3分の2です。 同社のページは、氷の融解潜熱を334 kJ/kgとしています。ワックス表の最大値226 J/g、最小値206 J/gは、それぞれ氷の約68%、約62%にあたります 本稿の計算。 水は0℃でしか融けないため、PCMは「大きな潜熱を、必要な温度帯に置く」ための選択肢だと同社は説明しています。 温度帯を選べる点が、潜熱の大きさより設計上の価値になります。
(2) 融点と結晶化温度の差が過冷却の目安です。 13品種で、融点と結晶化温度の差は0〜4℃です(本稿が表の値から計算) 本稿の計算。 最も差が大きいのはCrodaTherm 74の4℃で、11品種は0〜1℃です。 差が小さいほど、冷蔵輸送のように「狭い温度帯で融けて固まる」使い方に向きます。ただし測定法の注記がワックス表にないため、この差は条件を確認するまで他社の値と比べられません。
(3) カプセル化すると、重量あたりの潜熱は下がります。 29℃帯のワックス(CrodaTherm 29、融解223 J/g)に対し、29℃のマイクロカプセル分散液は165〜183 J/gです。 比にすると約74〜82%です 本稿の計算。 殻が熱を貯めない分が効いている可能性がありますが、カプセルの核がCrodaTherm 29と同じ物質かどうかは、公式ページに書かれていません 未確定/将来。
(4) 繰り返しの耐久性は、資料によって書き方が違います。 現在の公式ページは「最低7,000回のサイクルで安定」、2018年の資料は「RAL(ドイツの品質協会)の規格で区分A、10,000サイクル」と書いています。 回数も試験条件も同じではなく、どちらもメーカー公称です。熱伝導率・密度・比熱は公開ページの表になく、データシート(会員登録が必要)で確認する項目です 未確定/将来。
PCMの品質を第三者が確認する仕組みとして、ドイツの業界団体 Gütegemeinschaft PCM e.V.(RAL品質協会PCM) の「RAL品質マーク PCM」があります。 Croda Europe Ltd. は会員として公式ページに載っています。 一方、2026年10月10日に取得した同団体の「認証済み製品」の一覧(8社16製品)に、CrodaThermの製品は載っていません 事実。 同団体のページ自身が「認証は手間と費用がかかり、会員の製品がすべて認証されているわけではない」と書いているため、これは品質が劣るという意味ではありません。 Crodaの取得状況は、公式資料で確認できなかった(取得していない、とも断定しない)という扱いにします。
温度管理輸送のページは、EUの医薬品流通基準(Guidelines of 5 November 2013 on Good Distribution Practice of medicinal products for human use、2013/C 343/01)を引用し、 「輸送中の温度逸脱を避けることが求められる」と説明しています。 これは規格の提案や採択の話ではなく、2013年に公表された既存のガイドラインです。 本稿は医療上の助言をせず、PCMの保冷パックが個別の医薬品の輸送条件を満たすかどうかは、利用者の検証に委ねられるという位置づけにとどめます。
11. この企業が抱えるリスク
| リスク | 内容 | 区分 |
|---|---|---|
| PCMの規模が外から見えない | PCMの売上・利益・生産能力が非開示で、成長の大きさを検証できない。会社文書の「PCMの増収」も、絶対額は不明 | 事実 |
| 事業の収益性が低い | 産業特殊品の調整後営業利益は2025年に9.0百万ポンド(2024年は15.5百万ポンド)、2026年上半期は4.0百万ポンド(利益率4.1%)。2025年のIFRS基準では損失 | 事実 |
| 事業全体の売上目標が下振れを含む | 2026〜28年の目標が(3)〜3%で、供給契約による売上の減少が続く見込み | 事実 |
| 顧客・提携先の容器技術への依存 | PCMのワックスは容器への密封(マクロカプセル化)が前提で、容器の材質との相性や漏れの管理は顧客側の設計に依存する | 事実 |
| 認証の不在が採用の障壁になる可能性 | RAL品質マークの認証済み一覧にCrodaThermの名前がない。認証を求める調達先では追加の試験が必要になるかもしれない | 推測 |
| 他のPCMとの競合 | 同社自身が、パラフィン系や塩水和物を代替の選択肢として比較している。種類ごとに一長一短があり、用途で選ばれ方が変わる | 事実 |
12. 用語集
- PCM(相変化材料)
- 固体と液体の間で変わるときに、大量の熱を吸収・放出する材料。熱を貯めたり、温度を一定に保ったりするのに使う。
- 潜熱
- 温度を変えずに、状態(固体⇄液体)を変えるときに出入りする熱。
- 融点・結晶化温度
- 融けて液体になる温度と、冷えて固体に戻る温度。その差が大きいと「過冷却」が起きている。
- DSC(示差走査熱量測定)
- 温度を一定の速さで上げ下げし、熱の出入りを測る方法。融点と潜熱の測定に使う。
- マクロカプセル化
- PCMを容器(板、袋、ボールなど)に密封すること。
- マイクロカプセル
- 髪の毛の太さより小さい殻でPCMを包んだ粒子。繊維や塗料に混ぜて使える。
- RAL品質マーク PCM
- ドイツの業界団体が出すPCMの品質認証。性能と耐久性を試験で確認する。
- GDP(医薬品の適正流通基準)
- 医薬品の輸送・保管で品質を保つための欧州のガイドライン。

13. 出典
- Croda Industrial Specialties Phase change materials(CrodaThermのワックス表・マイクロカプセル表・製品一覧)。2026年10月10日に取得。 https://www.crodaindustrialspecialties.com/en-gb/functions/phase-change-materials
- Croda Industrial Specialties About phase change materials(潜熱の説明、製品の特長、サイクル安定性の記述)。2026年10月10日に取得。 https://www.crodaindustrialspecialties.com/en-gb/functions/phase-change-materials/about-phase-change-materials
- Croda Industrial Specialties Microencapsulated PCMs(アクリル殻のマイクロカプセル、用途)。2026年10月10日に取得。 https://www.crodaindustrialspecialties.com/en-gb/functions/phase-change-materials/microencapsulated-pcms-2
- Croda Industrial Specialties Thermal energy storage(PCMを使った熱貯蔵の説明、総熱容量の公称)。2026年10月10日に取得。 https://www.crodaindustrialspecialties.com/en-gb/applications/thermal-energy-storage
- Croda Industrial Specialties Temperature controlled packaging(温度管理輸送、2〜8℃向け品種、EUのGDP引用)。2026年10月10日に取得。 https://www.crodaindustrialspecialties.com/en-gb/applications/temperature-controlled-packaging
- Croda International Plc Annual Report & Accounts 2025(産業特殊品の売上・利益、全社売上、地域別の従業員・拠点、研究開発費、設備投資、上場市場)。 https://www.croda.com/mediaassets/files/corporate/annual-report-2025/croda-annual-report-2025.pdf?la=en-GB&hash=49A5CFC09C17CE953B5D58AF6F8F6F24
- Croda International Plc 2026 Half Year Results statement(2026年7月28日。産業特殊品の売上、PCMの増収、2026〜28年の目標)。 https://www.croda.com/mediaassets/files/corporate/investors/2026-half-year-results/croda-h1-2026-results-statement-28-july-2026-final.pdf?la=en-GB&hash=4999898F199BBD6B73E50E637A1A56C1
- Croda International Plc Croda and INUTEQ(個人用冷却ベストでのCrodaTherm 15・21・29の利用。日付の記載なし)。 https://www.croda.com/en-gb/media-hub/news/general/croda-and-inuteq
- Croda GmbH/Axiotherm GmbH Thermal Recuperation using CrodaTherm PCMs and Axiotherm Heat Storage Technology(Swiss Symposium on Thermal Energy Storage、2018年。CrodaThermの技術資料)。 https://www.hslu.ch/-/media/campus/common/files/dokumente/ta/ta-forschung/tes/sstes18-referats/2018-01-26swiss-symposium-on-thermal-energy-storagecroda-axiotherm-neu.pdf/?la=de-ch
- Gütegemeinschaft PCM e.V.(RAL品質協会PCM) Members および Certified products。2026年10月10日に取得。 https://pcm-ral.org/certified-products/
- Gütegemeinschaft PCM e.V. Phase Change Matters newsletter, January 2025(CrodaTherm 5の紹介)。 https://pcm-ral.org/phase-change-matters-newsletter-january-2025/
- 欧州連合 Guidelines of 5 November 2013 on Good Distribution Practice of medicinal products for human use(OJ C 343, 23.11.2013)。EUR-Lex。 https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=CELEX:52013XC1123(01)
- Croda International Plc 公式サイト(ロゴの取得、会社概要の確認)。 https://www.croda.com/en-gb
14. 主張と出典の対応表
最終更新:2026年10月10日/Troy Technical
本稿の数値は、Croda International Plc の年次報告書・中間決算文書・公式製品ページ・技術資料に基づきます。製品の性能値はすべてメーカー公称であり、測定条件が異なる値を比べて製品の優劣を判断していません。調査会社の推計値・報道ベースの数値は使用していません。「推測」と記した箇所は、一次情報から本稿が読み取った解釈であり、会社の公表内容ではありません。