DICのアクティブエステル系硬化剤|5G/AI通信の信号損失低減

DIC Corporation (Vision Watch) 日本
概要
DIC株式会社は、高周波通信電子デバイスにおける信号損失の課題に対応するため、エポキシ樹脂の帯電蓄積を低減するアクティブエステル系エポキシ硬化剤を開発しました。この技術は、エポキシ樹脂本来の加工性や接着性能を維持しつつ、優れた耐熱性を実現します。現在、5G通信機器や生成AIシステム向けの回路基板に採用されており、高速・大容量データ通信の安定性に寄与します。
詳細

主要成果

DIC株式会社は、高周波通信電子デバイスの性能向上に不可欠な、エポキシ樹脂の帯電蓄積を抑制するアクティブエステル系エポキシ硬化剤を開発しました。この新技術は、高速通信における信号損失を効果的に低減し、エポキシ樹脂の優れた加工性と接着性能を維持しつつ、高い耐熱性を兼ね備えています。

技術・臨床詳細

  • 開発されたアクティブエステル系硬化剤は、エポキシ樹脂内部での電荷蓄積を大幅に抑制するメカニズムを有しています。これにより、高周波信号が通過する際に発生する誘電損失(信号のエネルギー損失)が最小限に抑えられます。
  • この硬化剤を用いることで、エポキシ樹脂は従来からの特性である優れたプロセス性、すなわち加工のしやすさや、基材への強力な接着力を失うことなく、高性能化が図れます。
  • また、高い耐熱性を確保できるため、AIプロセッサのような発熱量の大きい高性能デバイスのパッケージングや、高温環境下での使用にも適しています。
  • 本技術はすでに、5G通信インフラ機器や、高性能な演算能力を要求される生成AIシステム向けの回路基板に導入されており、実用化段階にあります。

背景・業界文脈

5G通信や生成AIといった先進技術の普及に伴い、データ通信速度と処理能力は飛躍的に向上しています。これに伴い、電子デバイスの回路基板には、より高い周波数での信号伝送に対応するための、低誘電損失かつ高耐熱性な材料が求められています。従来のエポキシ樹脂は多用途ですが、高周波領域での信号損失が課題となることがありました。DICのこの新硬化剤は、まさにこの技術的ギャップを埋めるものです。

今後の展望

DICのこのアクティブエステル系硬化剤は、5G基地局、データセンター、自動運転車載システム、AIアクセラレーターなど、次世代の高速・大容量通信およびコンピューティングを支えるエレクトロニクス分野で、その重要性を増していくでしょう。この技術により、より信頼性が高く、高性能な電子機器の実現が期待され、デジタルインフラのさらなる進化に貢献すると考えられます。

元記事: https://www.dic-global.com/en/contents/column/39.html

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