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MR-MUF 技術解説

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TECHNOLOGY EXPLAINER

MR-MUF
― 積んだチップを「先に接合し、あとから樹脂で埋める」方式

HBM(広帯域メモリ)は、薄いDRAMチップを何段も重ね、段と段の隙間を樹脂で埋めた部品です。 SK hynixはその隙間を、チップを積んで一括でバンプを接合したあとに液状の封止材を流し込む MR-MUF(Mass Reflow Molded Underfill)で埋めています。 1段ごとにフィルムを置いて熱圧着する方式と何が違い、樹脂にどんな材料上の要求が生まれるのかを、公式発表の範囲で整理します。

構成:SK hynix・Samsung Electronicsの公式発表と、学会論文の公開情報を一次情報として使用/最終更新 2026年10月

ヒーロー画像:薄いチップの積層体と、隙間を満たす琥珀色の樹脂の切り欠き断面
概念図(AI生成イメージ)。薄いチップを何段も重ねた積層体で、段と段の隙間を樹脂が満たしている様子を、切り欠き断面の場面として表現したものです。実際の製品・段数・チップや樹脂の色・寸法を示すものではありません。
この記事の構成
  1. MR-MUFとは何か(3行でつかむ)
  2. 工程の流れ ― 接合してから、埋める
  3. TC-NCFとの違い ― 樹脂が入るタイミング
  4. 素材技術者の視点①:樹脂は「熱の通り道」でもある
  5. 本稿の計算:12段にしても、隙間の樹脂は減らない
  6. Advanced MR-MUF ― 何が変わったのか
  7. 素材技術者の視点②:放熱の数字は、基準がそろっていない
  8. 材料側の課題:流動・ボイド・反り・熱抵抗
  9. 世代ごとの歩みと、確認できなかったこと
  10. 用語集/参考資料/出典対応表
本記事の表記ルール

事実=公式発表・論文の記載にある内容(出典リンクあり。英語の原文を本稿が日本語に要約したもので、逐語の引用ではありません)
本稿の計算=明示した前提をもとに本記事が算出した値
未確定/将来=計画・サンプル出荷など、量産実績が確認できていない事項
このほか、材料設計上の読み取りは「解説」として区別しています。 企業の発表にある「業界初」「最高水準」などの表現は、その企業の主張として扱います。

1. MR-MUFとは何か(3行でつかむ)

HBMは、DRAMチップをTSV(シリコン貫通電極)でつなぎながら縦に重ねた構造です。 全体像は本シリーズ「HBM」編、チップを重ねる工程は「スタッキング」編、 隙間を埋める樹脂の一般論は「アンダーフィル」編と「モールディング」編で扱っています。 この記事は、その隙間の埋め方のひとつであるMR-MUFに絞ります。

  • 名前の意味:SK hynixは、MR(マスリフロー)を「積んだチップのあいだのバンプを溶かしてチップ同士をつなぐ技術」、 MUF(モールドアンダーフィル)を「チップ間の隙間を保護材で埋め、耐久性と放熱性を高める技術」と説明し、 両者を組み合わせて液状のEMC(エポキシ封止材)で隙間を埋めるのがMR-MUFだとしています事実
  • 使われ方:同社はMR-MUFを2019年に公表し、HBM製品に2019年から適用してきたとしています事実。 HBM2Eで採用し、その後のHBM3、HBM3E、HBM4、HBM4Eでも改良版(Advanced MR-MUF)を使うと発表しています事実
  • 狙い:薄いチップを多段に積むと発熱が増えるうえ、チップが反りやすくなります。 SK hynixは、チップ間の材料の熱の通りやすさと、積層時のチップへの圧力の小ささが、この方式を選んだ理由だと説明しています事実
この記事でいちばん大事な一行

MR-MUFでは、樹脂が「接合のあとに入る」ので、樹脂は接合の道具ではなく、完成した積層体の熱と力の通り道になります。 だから材料に求められるのは、接着の強さよりも、狭い隙間を埋め切る流れやすさ、熱の通りやすさ、反りを抑える物性です (本記事による解説)。

2. 工程の流れ ― 接合してから、埋める

SK hynixの説明を並べると、MR-MUFの基本の流れは次の4段階になります。

MR-MUFの基本の流れ(本記事による整理・概念図) 灰=DRAMチップ/橙=バンプ/琥珀=液状EMC(硬化後の樹脂) ① 積む ② 一括で接合 ③ 液状EMCで充填 ④ 硬化 熱でバンプが溶けて接合 真空下で樹脂を押し込む 樹脂が固まり、全体を固定 チップを順に重ねる (下はベースダイ) 全段を同時に加熱 隙間と周囲を満たす 熱と力を伝える部材に ※ 「複数のチップを積んで一括でリフロー接合し、続いて隙間を液状のモールド材で同時に埋める」というSK hynixの説明[参考資料1・2]によります。 ※ 真空下での充填はSK hynixの12段HBM3の説明[参考資料3]によります。Advanced MR-MUFでは、積層時に各チップへ一瞬の高熱を与える  工程が加わるとされています(第6章)。 ※ 段数・寸法・バンプの数と形は模式的なもので、実際の構造や条件を示すものではありません。
図1 概念図(ベクター作図)。工程の骨格はSK hynixの説明[参考資料1・2・3]によります。4段階に分けた描き方、段数、寸法、バンプの形は本記事による模式的な整理で、実際の装置条件・構造を示すものではありません。

ここで押さえておきたいのは、樹脂が入るのが、接合が終わったあとだという点です。 接合の段階では、隙間は空っぽ(空気)のままです。 SK hynixが「複数のチップを下の基板に載せて一括でリフロー接合し、続いてチップ間やチップと基板の間の隙間をモールド材で同時に埋める」と説明している順序です事実。

図2用画像:積層体の接合と樹脂充填の作業場面(トレイ・真空金型・取り出した成形品)
図2 概念図(AI生成イメージ)。左から右へ、積層体を並べたトレイ、真空の金型で琥珀色の液状樹脂を押し込む場面、硬化して取り出された積層体、という作業の流れを表現したものです。実際の装置・金型・樹脂の色・個数を示すものではありません。

3. TC-NCFとの違い ― 樹脂が入るタイミング

HBMの積層には、もうひとつの代表的な方式があります。TC-NCF(Thermal Compression Non-Conductive Film、熱圧着+非導電性フィルム)です。 SK hynixは、HBM2までは業界標準のTC-NCFを使っていたと述べています事実[参考資料1]。 Samsung Electronicsは、HBM3Eの12段品に改良したTC NCFを使うと発表しています事実[参考資料10]。

樹脂が入るタイミングの違い(本記事による整理・概念図) TC-NCF:チップを1段載せるたびに、フィルムを挟んで熱と圧力で接合する ① フィルムを置く 下のチップの上に ② チップを載せる 位置を合わせる ③ 熱と圧力で接合 フィルムが溶けて固定 ①〜③を 段数ぶん繰り返す MR-MUF:先に全段をまとめて接合し、そのあとで液状の樹脂を流し込む ① チップを積む 隙間は空のまま ② 一括でリフロー接合 全段のバンプを同時に加熱 ③ 液状EMCを充填・硬化 隙間を後から埋める 違いの核心:樹脂は、接合の前に置く(フィルム)か、接合のあとで流す(液状)か ※ 「1段ごとにフィルム状の材料を置き、熱と圧力で接合する」「全チップを一括で加熱して接合する」というSK hynixの説明[参考資料1]によります。 ※ 各工程の細部(温度・圧力・時間)は、公式資料に示されていないため描いていません。
図3 概念図(ベクター作図)。2方式の違いはSK hynixの説明[参考資料1]によります。工程の分け方と描き方は本記事による整理で、各社の実際の工程条件を示すものではありません。Samsungの説明は表1を参照してください[参考資料10]。

両社の公式発表で確認できる内容を、並べて整理します(それぞれ自社の方式についての自社の説明です)。

観点MR-MUF(SK hynixの説明)TC-NCF(Samsungの説明)
積層・接合複数のチップを積んでから、バンプを一括でリフロー接合する事実チップ接合のたびに、NCF(フィルム状の材料)を介して熱圧着する。チップを積む工程の中で樹脂が入る事実
隙間の樹脂液状の保護材(EMC)を流し込んで硬化させる事実NCFの厚みを薄くしてきた結果、チップ間の隙間は業界最小の7 µmに達し、層間のボイドも解消したとする事実(同社の主張)
放熱の工夫熱を散らすサーマルダミーバンプを、TC-NCFより最大4倍まで多く置けるとする事実(同社の主張)大きさの違うバンプを使い分け、信号用の場所には小さいバンプ、放熱が必要な場所には大きいバンプを置くとする事実
反り・薄いチップへの対応積層時のチップへの圧力を小さくでき、反りも制御しやすいとする事実段数が増えてチップが薄くなるほど、反りを抑える利点が大きくなると見込む事実
12段品のパッケージ高さチップを40%薄くし、8段品と同じ厚みで12段を実現(HBM3E)事実12段品を8段品と同じ高さの規格に収める(HBM3E)。HBM3の8段品比で縦方向の密度が20%超向上するとする事実

表1 各社の自社方式に関する公式発表の整理。SK hynix[参考資料1・4・5]、Samsung Electronics[参考資料10]。数値は各社の主張で、同じ条件で比べた値ではありません。

素材技術者の読みどころ:同じ「樹脂で埋める」でも、材料に求める性質が逆になる

TC-NCFのフィルムは、接合の最中に溶けて、バンプの接合を邪魔せずに隙間へ広がることが求められます。 接合工程の中で働く材料です。 一方、MR-MUFの液状樹脂は、接合が終わった狭い隙間を、あとから最後まで埋めることが求められます。 接合に関与しない代わりに、「どれだけ流れて、どれだけ熱を通し、どれだけ反らさないか」が仕事の中心になります。 SK hynixが、MR-MUFの特長の中心に「EMC(エポキシ封止材)の材料特性」を置いて語っているのは、この違いのためと読めます(本記事による解説)。

4. 素材技術者の視点①:樹脂は「熱の通り道」でもある

HBMは、積むほど内部に熱がこもります。SK hynixは、この問題の背景を次のように説明しています事実[参考資料1]。

  • 半導体の微細化で、表面積あたりの電力密度が上がり、放熱が不利になる
  • HBMのような積層DRAMでは、熱が伝わる経路が長くなって熱抵抗が増え、さらにチップ間にある材料の熱伝導性が上限を決める
  • 速度や容量が上がるほど、発熱も増える
積層体の内部で、熱が通る3つの道(概念図) 断面を模式化したもの。段数・寸法・バンプの数と並びは実物と異なります。 DRAMチップ(上から4段) ベースダイ/下の基板 ① TSVとバンプ(金属の柱) 電気信号の通り道であり、熱も通す。 段ごとに置く位置は設計で決まる。 ② サーマルダミーバンプ 電気信号には使わず、熱を散らすための バンプ。数をどれだけ置けるかが工夫の対象。 ③ 隙間を満たす樹脂(EMC) 金属の柱のあいだの空間を占める材料。 熱の通りやすさは、材料の特性で決まる。 ※ 熱の通り道が「金属の柱」と「チップ間の材料」であること、サーマルダミーバンプの役割はSK hynixの説明[参考資料1]によります。 ※ 青と橙のバンプの数・並び・段数は説明のための模式で、実際の配置を示すものではありません。
図4 概念図(ベクター作図)。熱が伝わる経路についての説明はSK hynixの記載[参考資料1]によります。バンプの数・配置・段数・寸法は模式的なもので、実際の製品の構造を示すものではありません。
素材技術者の読みどころ:金属の柱は「点」、樹脂は「面」

積層体の隙間を断面で見ると、バンプ(金属)は点在する小さな柱で、隙間の大部分は樹脂が占めています。 熱は金属の柱だけでなく、隙間の樹脂も通って逃げるので、樹脂の熱の通りやすさが、積層体全体の熱抵抗を左右します。 SK hynixが、初代のMR-MUFのあとにEMCそのものを改良した新しい材料を導入したと説明している事実のは、このためと読めます。

ただし、樹脂の熱の通りやすさを上げるには、一般に熱を通す無機粉(フィラー)を多く入れる必要があり、 そうすると液状樹脂は流れにくくなります。狭くなる隙間に最後まで入らなければ、ボイド(空洞)が残ります。 熱を通す要求と、狭い隙間へ流れる要求は、同じ樹脂の中で綱引きになります(本記事による解説)。 SK hynixはEMCの配合(フィラーの種類・量・粒径)を公表していないため、 MR-MUFの樹脂が具体的にどう設計されているかは、公開情報からは確認できません。 フィラーと流動の一般論は、本シリーズ「アンダーフィル」編と「ポリマーブレンドとフィラー」編を参照してください。

5. 本稿の計算:12段にしても、隙間の樹脂は減らない

SK hynixは、12段のHBM3とHBM3E(36 GB、3 GBのDRAMチップ12枚)で、 DRAMチップを8段品より40%薄くして、8段品と同じ厚みに収めたと発表しています事実[参考資料2・5]。 さらに12段のHBM3の開発では、チップの間の隙間(ギャップ)が従来より13%狭くなったと、開発担当者が述べています事実[参考資料3]。 この2つの割合から、隙間の樹脂の量の変化を見積もります。

本稿の計算

次の前提を置きます本稿の計算。

  • 8段品の1枚あたりのチップ厚みを t、隙間(ギャップ)を g とする
  • 12段品は、チップ厚みが 0.6 t、隙間が 0.87 g(40%薄く、13%狭く)
  • 隙間の数は段数と同じとする(最下段のチップの下の隙間を含む)
  • ベースダイ、最上段のチップ、上面の樹脂の厚みは、両者で同じとみなして除く
  • チップ(シリコン)の厚みの合計:8 t → 12 × 0.6 t = 7.2 t(約90%)
  • 隙間の合計:8 g → 12 × 0.87 g = 10.44 g(約130%)
  • 同じ高さに収まる条件:8 t + 8 g = 7.2 t + 10.44 g とすると、g ≒ 0.33 t。 つまり、この単純な見積もりが公表値と矛盾しないためには、8段品の隙間は、チップ1枚の厚みの約3分の1程度だったことになる

前提と限界:実際の積層体にはベースダイや最上段、封止樹脂の上面があり、各層の厚みも一様ではありません。 上の逆算値(g ≒ 0.33 t)は、2つの公表割合を単純に組み合わせた粗い見積もりで、実際の寸法を示すものではありません。 実際の隙間の値は、SK hynixの公表資料では確認できませんでした。

8段品を100としたときの、厚みの合計(本稿の計算) チップ40%薄く・隙間13%狭く(SK hynix公表)、隙間の数は段数と同じと仮定 チップ(シリコン) 厚みの合計 隙間を満たす樹脂 厚みの合計 8段品 12段品 8段品 12段品 100 90(7.2 t ÷ 8 t) 100 約130 チップは薄くなったが、樹脂で埋めるべき隙間の総厚は約3割増える(この仮定の下で) ※ 40%・13%の数値はSK hynixの発表と開発担当者の説明[参考資料2・3・5]によります。100に対する割合は本記事の計算です。 ※ ベースダイや最上段などは含めない粗い見積もりで、実際の製品の寸法を示すものではありません。
図5 本稿の計算を含む作図(ベクター作図)。40%と13%はSK hynixの公表値[参考資料2・3・5]、棒の長さは本記事の計算です。隙間の数を段数と同じとみなす仮定のもとでの見積もりで、実際の製品の寸法や樹脂の体積を示すものではありません。
素材技術者の読みどころ:「薄いチップ」の裏で、樹脂の仕事は増えている

段数を増やす話は「チップを薄くする」話として語られがちです。 しかし樹脂の側から見ると、段数が増えれば隙間の数が増えるので、隙間1つが狭くなっても、 積層体の中に占める樹脂の層の合計は増えうる、ということが上の見積もりから読み取れます。 樹脂が熱の通り道の一部である以上、段数が増えるほど、樹脂の熱の通りやすさが全体の熱抵抗へ効く割合が増える方向です。 同時に、隙間は狭くなっているので、フィラーの最大粒径や樹脂の粘度への制約は厳しくなります(本記事による解説)。

6. Advanced MR-MUF ― 何が変わったのか

SK hynixは、12段のHBM3(2023年)の開発で、チップを40%薄くしたことで生じた反りの問題を、Advanced MR-MUFで解いたと説明しています。 同社はAdvanced MR-MUFを「チップを従来より40%薄くしても、反りなく積める反り制御と、放熱を改善する新しい保護材を備えた次世代のMR-MUF」と位置づけています事実[参考資料8]。 開発担当者は、初代からの改良点を3つ挙げています事実[参考資料3]。

改良点公表されている内容関係する物性・課題(解説)
① ウェハの薄化時の反りの制御薄くしたウェハが曲がらないようにする新しい技術を導入した薄化後のチップ自体の反り。樹脂の前の工程の課題
② 積層時に一瞬の高熱を加える12段の積層で、バンプが均一につながるよう、各チップに一瞬だけ強い熱を加える。同社は「チップ制御技術」と呼び、積んだチップのバンプを下のチップの薄いパッドに融着させ、パッドがチップを保持して反りを防ぐと説明する[参考資料1]バンプ接合の均一性と反りの抑制。樹脂が入る前の、チップ位置の保持
③ 新しい放熱EMCを、真空下で加圧して充填新しい放熱EMCを真空の中に置き、70トンの圧力で、チップ間の狭い隙間へ充填する狭い隙間を埋め切る流動性と、ボイドの抑制。樹脂の熱特性(第7章)

表2 Advanced MR-MUFの3つの改良点(SK hynixの開発担当者の説明[参考資料3])。右列は本記事による解説です。

同じ担当者は、Advanced MR-MUFは初代MR-MUFの利点を保ったまま、生産性を約3倍、放熱を約2.5倍に高めたと述べています事実[参考資料3]。 ただし、この「約3倍」「約2.5倍」が何と比べた値か、どの指標(温度、熱抵抗、熱伝導率など)での値かは、記事の記載から読み取れません。 次章でこの種の数字の読み方を整理します。

7. 素材技術者の視点②:放熱の数字は、基準がそろっていない

SK hynixの発表には、放熱に関する数字がいくつも出てきます。 並べてみると、比べている相手も、指標の呼び方も、そろっていません。

公表された数字比べている相手指標の呼び方出典
放熱性能 36% 改善HBM2からHBM2Eへ(MR-MUFの適用による)放熱性能(定義の記載なし)[参考資料1]
10℃以上の改善競合他社(2021年当時のHBM2Eの説明)放熱の性能(温度差と読めるが、条件の記載なし)[参考資料9]
1.6倍初代MR-MUFで使うEMC放熱特性(新しいEMCについて)[参考資料1]
約2.5倍(放熱)・約3倍(生産性)比べる相手の記載なし(初代MR-MUFの利点を保ったうえで、と説明)放熱(定義の記載なし)[参考資料3]
10% 向上前世代(8段のHBM3)放熱性能(HBM3E)[参考資料4・5]
17% 低減前世代のHBM4熱抵抗(12段のHBM4E)[参考資料7]

表3 SK hynixの発表に出てくる放熱関連の数字(すべて事実。同社の主張で、測定条件・段数・指標の定義は各資料に示されていません)。

素材技術者の読みどころ:「放熱が良い」は、ひとつの物性値ではない

放熱に関わる量には、材料の熱伝導率(W/m·K)、構造としての熱抵抗(K/W)、動作時の温度があり、これらは別の量です。 樹脂の熱伝導率が1.6倍になっても、積層体全体の熱抵抗が1.6分の1になるわけではありません(金属の柱、チップ、界面の抵抗も直列・並列に効くため)。 上の表の数字を掛け合わせたり、世代をまたいで足し合わせたりして「累積でこれだけ良くなった」と読むことは、できません。 素材を選ぶ側としては、「何と比べて、どの量が、どの条件で、どれだけ変わったか」を、各社の資料から確認できる範囲で切り分けて読む必要があります(本記事による解説)。

SK hynixは、新しいEMCを、実際のHBMと同じ仕様の評価用サンプル(UTV:Universal Test Vehicle)に適用し、 ウェハレベルのパッケージ(WLP)にして、ルックアヘッド信頼性(LAR:製品の品質評価の前に欠陥を見つけて対策を決める予備試験)を通してから、 実際のHBMに使うと説明しています事実[参考資料1]。 材料の評価は、物性値だけでなく、実際の構造に作り込んだ状態での信頼性試験で決まる、ということです。

8. 材料側の課題:流動・ボイド・反り・熱抵抗

MR-MUFの樹脂に生まれる材料上の課題を、「公式資料で確認できること」と「確認できなかったこと」に分けて整理します。

課題何が起きるか(解説)確認できること確認できなかったこと
狭い隙間への流動樹脂が奥まで届かないと、未充填や空洞が残る。フィラーが隙間より大きいと入れない12段のHBM3では、40%薄い12枚のチップの、13%狭くなった隙間へ、新しい放熱EMCを真空下・70トンの圧力で充填した[参考資料3]。Samsungは、TC-NCF側で、NCFを薄くしてチップ間の隙間を7 µmにしたと述べる[参考資料10]MR-MUFの実際の隙間の寸法、樹脂の粘度、フィラーの粒径と配合量、硬化条件
ボイド(空洞)流れの先端どうしが合流する場所で空気が閉じ込められる。電気的な短絡やバンプのクラックの原因になるフリップチップのMUFを扱った論文で、閉じ込められた空気がボイドになること、隙間が小さいほど不利で、粘度が低いほど、充填に時間をかけるほど、樹脂の接触角が小さいほど、圧力が高いほど小さくなることが、シミュレーションで示されている[参考資料11]。ファインピッチのMUFで、ボイドが短絡やバンプのクラックの原因になるとする論文もある[参考資料12]。Samsungは、TC-NCFで層間のボイドを解消したとする[参考資料10]HBMのMR-MUFでのボイド率や検査方法の公表は確認できなかった(上の論文はHBMの積層ではなく、フリップチップ基板の一般的な研究)
反り薄いチップは曲がりやすく、樹脂の硬化収縮や、材料間の熱膨張の差が、さらに反りを生む薄いチップは曲がりやすいという問題を、改良したEMCと新しい積層方法で克服したとする[参考資料3]。MR-MUFは積層時のチップへの圧力を小さくでき、反りも制御しやすいとする[参考資料5]樹脂の弾性率、熱膨張係数、ガラス転移温度、硬化収縮率の値
熱抵抗隙間の樹脂の熱伝導率と、金属の柱、界面の抵抗が合わさって決まる前章の表3のとおり、改善の数字が各世代で公表されている熱伝導率の値(W/m·K)、熱抵抗の測定条件
環境信頼性吸湿、熱サイクル、機械的な衝撃に対して、界面が剥がれずに持つことEMCは、機械的強度、電気絶縁、耐熱性に優れる熱硬化性ポリマーで、TC-NCFより環境信頼性が高いとする[参考資料1]試験の種類と条件、合格基準

表4 MR-MUFの樹脂に生じる課題と、公式資料で確認できる範囲。「何が起きるか」の列は本記事による解説です。

注意:論文は「フリップチップのMUF」の話で、HBMの積層の話ではない

表4で引いた2本の論文[参考資料11・12]は、基板上に載せたフリップチップを、モールド材で埋める場合のボイドを扱った研究です。 HBMの積層体は、薄いチップを多段に重ねた別の構造なので、数値や傾向をそのままHBMに当てはめることはできません。 ここでは、狭い隙間を液状の樹脂で埋めるときに、どんな現象が一般に問題になるのかを示す参考として使っています(本記事による解説)。

9. 世代ごとの歩みと、確認できなかったこと

MR-MUFの適用の歩み(SK hynixの公表をもとにした整理) ※ 公表された主な節目だけを抜き出したものです。 2019年 2023年 2024年 2025年9月 2026年6月 初代MR-MUF HBM製品に適用 (HBM2Eで採用) 12段のHBM3 Advanced MR-MUF チップ40%薄く 隙間13%狭く HBM3E 3月:8段を量産 9月:12段(36 GB) 放熱10%向上 HBM4 開発完了を発表 Advanced MR-MUF を採用 HBM4E(12段) サンプルを出荷 熱抵抗17%低減 量産は未確定 サンプル段階の発表(HBM4E)は、量産の実績を示すものではありません ※ 2019年と放熱の数値は[参考資料1・9]、2023年は[参考資料2・3]、2024年は[参考資料4・5]、2025年は[参考資料6]、2026年は[参考資料7]によります。 ※ 各数値の比較相手・指標は、表3のとおり資料により異なり、世代間で通して比べることはできません。
図6 概念図(ベクター作図)。各節目はSK hynixの発表[参考資料1〜7、9]によります。5つの節目に絞ったのは本記事による整理で、すべての発表を網羅した年表ではありません。HBM4Eは2026年6月時点でサンプル出荷の段階です未確定/将来。

(1) 16段以上では、別の方式も検討されている

SK hynixは、16段以上のHBMでは、Advanced MR-MUFと、バンプなしでチップを直接つなぐハイブリッドボンディングの両方を検討していると述べています事実[参考資料8]。 どちらを使うかは、公表時点(2024年8月)では決まっていません未確定/将来。ハイブリッドボンディングは、本シリーズ「ハイブリッドボンディング」編を参照してください。

(2) 「MR-MUFを使っているのはSK hynixだけ」は、同社の説明

SK hynixは2024年の記事で、MR-MUFを使っているのは同社だけだと述べています事実[参考資料1]。 これは同社の主張で、他社が使っていないことを別の一次情報で確認したものではありません。 本稿では、Samsungの公式発表で確認できるTC NCFとの比較にとどめます。 他のメーカーの方式は、本稿が確認した公式資料の範囲では確認していません。

(3) 公式資料で確認できなかったこと

  • EMCの組成:エポキシ樹脂が主成分の熱硬化性材料であること以外(硬化剤、フィラーの種類・粒径・量、添加剤)は、確認できませんでした
  • EMCの物性値:熱伝導率、粘度、ガラス転移温度、弾性率、熱膨張係数などの値は、確認できませんでした
  • 工程条件:リフローの温度プロファイル、充填の温度・時間・圧力の詳細(70トンという加圧の記載を除く)は、確認できませんでした
  • 歩留まりやボイド率:公式資料からは確認できませんでした。本稿では、報道に基づく歩留まりの数字は扱いません
  • 材料の供給元:本稿では扱っていません
この記事のまとめ
  • MR-MUFは、積んだチップを一括でリフロー接合してから、液状のEMCで隙間を埋める方式です。1段ごとにフィルムを置いて熱圧着するTC-NCFとは、樹脂が入るタイミングが逆です事実
  • 樹脂は、接合の道具ではなく、熱と力の通り道になります。SK hynixは、チップ間の材料の熱伝導性が積層DRAMの放熱の上限を決めると説明しています事実
  • 段数が増えると、隙間の数も増えます。公表の2つの割合から見積もると、チップは薄くなる一方、隙間の総厚は約3割増える計算です本稿の計算
  • Advanced MR-MUFは、反りの制御と、新しい放熱EMCの真空・加圧充填を組み合わせたものです事実
  • 放熱の数字は、比べる相手と指標が資料ごとに違い、累積できません。EMCの組成や物性値は公表されていません事実

10. 用語集

MR-MUF
Mass Reflow Molded Underfill。積んだチップのバンプを一括でリフロー接合したあと、液状の封止材で隙間を埋める方式(SK hynixの呼称)。
Advanced MR-MUF
SK hynixが12段のHBM3で導入した改良版。反りの制御と、放熱を改善した新しいEMCを備える。
MUF
Molded Underfill。チップと基板の隙間の充填と、全体の封止を、モールド材で同時に行う方式。
TC-NCF
Thermal Compression Non-Conductive Film。チップを1段ずつ、フィルム状の樹脂を挟んで熱圧着する方式。
EMC
Epoxy Molding Compound。エポキシ樹脂を主成分とする熱硬化性の封止材。
HBM
High Bandwidth Memory。DRAMを積層し、プロセッサの近くに置く広帯域メモリ。
TSV
Through Silicon Via。チップを上下に貫く電極。
リフロー
はんだ(バンプ)を加熱して溶かし、接合する工程。
サーマルダミーバンプ
電気信号には使わず、熱を逃がすために置くバンプ。
ギャップ
積んだチップとチップの間の隙間。ここを樹脂が埋める。
ボイド
樹脂の中に残る空洞(気泡)。
反り(ワーページ)
チップや基板が曲がること。薄いチップほど起こりやすい。
熱抵抗
熱の伝わりにくさ。小さいほど熱が逃げやすい(単位 K/W)。
熱伝導率
材料が熱を伝える能力。大きいほど熱が通る(単位 W/m·K)。
UTV
Universal Test Vehicle。開発の初期に仕様を確かめるための評価用サンプル。
LAR
Look Ahead Reliability。品質評価の前に欠陥を見つけ、対策を決める予備の信頼性試験。
WLP
Wafer Level Package。ウェハのまま、パッケージ工程と試験を行う技術。
ハイブリッドボンディング
バンプを介さずに、チップの銅電極と絶縁膜を直接接合する技術。

11. 参考資料(一次情報)

  1. SK hynix「[Rulebreakers' Revolutions] How MR-MUF's Heat Control Breakthrough Elevated HBM to New Heights」2024年7月30日 — news.skhynix.com
  2. SK hynix「SK hynix Develops Industry's First 12-Layer HBM3, Provides Samples to Customers」2023年4月20日 — news.skhynix.com
  3. SK hynix「Meet the SK hynix Team Behind the World's First 12-Layer HBM3」2023年5月19日 — news.skhynix.com
  4. SK hynix「SK hynix Begins Volume Production of Industry's First HBM3E」2024年3月19日 — news.skhynix.com
  5. SK hynix「SK hynix Begins Volume Production of the World's First 12-Layer HBM3E」2024年9月26日 — news.skhynix.com
  6. SK hynix「SK hynix Completes World's First HBM4 Development and Readies Mass Production」2025年9月12日 — news.skhynix.com
  7. SK hynix「SK hynix Ships Samples of 12-Layer Next-Gen 'HBM4E'」2026年6月18日 — news.skhynix.com
  8. SK hynix「Gyujei Lee: Next-Gen Packaging Tech Key to HBM Success」2024年8月5日 — news.skhynix.com
  9. SK hynix「Packaging Technology, a Key to Next-Generation Semiconductor Competitiveness, How Far Has SK hynix Come?」2021年6月3日 — news.skhynix.com
  10. Samsung Electronics「Samsung Develops Industry-First 36GB HBM3E 12H DRAM」2024年2月27日 — news.samsung.com
  11. Hu ほか「Void Formation Analysis in the Molded Underfill Process for Flip-Chip Packaging」Computers, Materials & Continua 84(1), 2025(DOI: 10.32604/cmc.2025.065330) — doi.org
  12. Chae ほか「Simulation and Experiment of Molded Underfill Voids」IMAPS International Symposium on Microelectronics, 2012(DOI: 10.4071/isom-2012-tp33) — doi.org

12. 主張と出典の対応表(監査)

本文の主張根拠区分
MR(マスリフロー)は積んだチップのバンプを溶かして接合する技術、MUFはチップ間を保護材で埋めて耐久性・放熱性を高める技術で、両者を組み合わせて液状EMCで隙間を埋めること。HBM製品にMR-MUFを2019年から適用していること。HBM2まではTC-NCFを使っていたこと。MR-MUFは全チップを一括で加熱して接合し、TC-NCFは1段ごとにフィルム状の材料を置くこと。サーマルダミーバンプをTC-NCFより最大4倍まで多く置けること。EMCは機械的強度・電気絶縁・耐熱性に優れる熱硬化性ポリマーであること。HBM2Eで放熱性能が36%、新EMCが初代のEMCに対し放熱特性1.6倍、HBM3Eが前世代比10%。「MR-MUFを使っているのは同社のみ」とする記述。積層DRAMで熱抵抗が増え、チップ間の材料の熱伝導性が上限になること。新EMCをUTV・WLP・LARで評価すること。TC-NCFより環境信頼性が高いとする開発担当者の説明。チップ制御技術(積層時に各チップへ一瞬の高熱を与え、バンプを下のチップの薄いパッドに融着させる)SK hynix ニュースルーム(2024年7月30日)[参考資料 1]https://news.skhynix.com/rulebreaker-revolutions-mr-muf-unlocks-hbm-heat-control/事実
12段のHBM3(24 GB)の発表(2023年4月20日)。Advanced MR-MUFの適用と、TSVによる1枚あたり40%の薄化で、16 GB品と同じ高さを実現したこと。MR-MUFが「複数のチップを下の基板に載せて一括でリフロー接合し、続いて隙間をモールド材で同時に埋める」方法であることSK hynix プレスリリース(2023年4月20日)[参考資料 2]https://news.skhynix.com/en/sk-hynix-develops-industrys-first-12-layer-hbm3/事実
12段のHBM3で、チップが40%薄く、隙間が従来より13%狭くなったこと。Advanced MR-MUFの3つの改良(ウェハ薄化時の反り制御、積層時に一瞬の高熱を加える、新しい放熱EMCを真空下・70トンの圧力で充填)。初代の利点を保ち、生産性が約3倍、放熱が約2.5倍になったとする説明。薄いチップが曲がりやすい問題を改良EMCと新しい積層方法で克服したことSK hynix ニュースルーム(2023年5月19日)[参考資料 3]https://news.skhynix.com/en/meet-the-sk-hynix-team-behind-the-worlds-first-12-layer-hbm3/事実
HBM3E(8段)の量産開始(2024年3月19日)。Advanced MR-MUFにより前世代(8段のHBM3)比で放熱性能が10%向上したこと。Advanced MR-MUFが、積層するチップへの圧力を小さくでき、反りの制御も良いと説明されていることSK hynix プレスリリース(2024年3月19日)[参考資料 4]https://news.skhynix.com/en/sk-hynix-begins-volume-production-of-industry-first-hbm3e/事実
12段のHBM3E(36 GB、3 GBのチップ12枚)の量産開始(2024年9月26日)。DRAMチップを40%薄くして、8段品と同じ厚みで容量を50%増やしたこと。Advanced MR-MUFにより前世代比で放熱性能が10%向上し、反りの制御が強化されたことSK hynix プレスリリース(2024年9月26日)[参考資料 5]https://news.skhynix.com/en/sk-hynix-begins-volume-production-of-the-world-first-12-layer-hbm3e/事実
HBM4の開発完了と量産準備完了の発表(2025年9月12日)。HBM4にAdvanced MR-MUFを採用したことSK hynix プレスリリース(2025年9月12日)[参考資料 6]https://news.skhynix.com/en/sk-hynix-completes-worlds-first-hbm4-development-and-readies-mass-production/事実
12段のHBM4Eのサンプルを主要顧客へ出荷したこと(2026年6月18日)。Advanced MR-MUFで48 GBの12段を実現し、前世代のHBM4比で熱抵抗を17%改善したことSK hynix プレスリリース(2026年6月18日)[参考資料 7]https://news.skhynix.com/en/sk-hynix-ships-samples-of-12-layer-next-gen-hbm4e-2/事実
HBM4Eの量産時期。16段以上でのAdvanced MR-MUFとハイブリッドボンディングの採否HBM4Eは、パートナーと協力して適時に量産するという意向を述べるにとどまる[参考資料 7]https://news.skhynix.com/en/sk-hynix-ships-samples-of-12-layer-next-gen-hbm4e-2/。16段以上の方式は両方を検討中とされる[参考資料 8]https://news.skhynix.com/gyujei-lee-next-gen-packaging-tech-key-to-hbm-success/。いずれも計画・検討の段階であり、実績ではない未確定/将来
Advanced MR-MUFが、チップを40%薄くしても反りなく積める反り制御と、放熱を改善する新しい保護材を備えた次世代のMR-MUFであること。16段以上でAdvanced MR-MUFとハイブリッドボンディングの両方を検討していること(2024年8月時点)SK hynix ニュースルーム(2024年8月5日)[参考資料 8]https://news.skhynix.com/gyujei-lee-next-gen-packaging-tech-key-to-hbm-success/事実
MR-MUFによりHBM2Eの熱の逃げ方が、競合比で10℃以上改善したとする2021年時点の説明SK hynix ニュースルーム(2021年6月3日)[参考資料 9]https://news.skhynix.com/packaging-technology-a-key-to-next-generation-semiconductor-competitiveness-how-far-has-sk-hynix-come/事実
Samsungが12段のHBM3EにTC NCFを使い、8段品と同じ高さの規格に収めたこと。NCFの薄化でチップ間の隙間を7 µmにし、層間のボイドを解消したとすること。HBM3の8段品比で縦方向の密度が20%超向上すること。大きさの違うバンプを使い分けることSamsung Electronics ニュースルーム(2024年2月27日)[参考資料 10]https://news.samsung.com/global/samsung-develops-industry-first-36gb-hbm3e-12h-dram事実
フリップチップのMUFで、流れの先端が合流する所で空気が閉じ込められてボイドになること。隙間が小さいほど不利で、粘度が低いほど、移送時間が長いほど、接触角が小さいほど、移送圧が高いほどボイドが小さくなるとするシミュレーションの結論Hu ほか, Computers, Materials & Continua(2025)[参考資料 11]https://doi.org/10.32604/cmc.2025.065330事実
ファインピッチのフリップチップでMUFのボイドが電気的短絡とバンプのクラックの原因になるとされることChae ほか, IMAPS ISOM(2012)[参考資料 12]https://doi.org/10.4071/isom-2012-tp33事実
第5章の計算:チップ40%薄く、隙間13%狭く、隙間の数は段数と同じ、ベースダイ等は除外という前提で、チップ厚みの合計が8 t→7.2 t(約90%)、隙間の合計が8 g→10.44 g(約130%)。同じ高さの条件から g ≒ 0.33 t と逆算したこと。実際の隙間の寸法ではない本稿の計算。40%は[参考資料 2・5]、13%は[参考資料 3]の公表値。隙間の数、ベースダイ等を除くことは本稿の仮定本稿の計算
樹脂が接合のあとに入るため、材料に求められるものが接着の強さよりも、流動、熱の通りやすさ、反りの抑制に寄る、という読み取り。バンプは点在し隙間の大部分を樹脂が占めるため、樹脂の熱の通りやすさが全体の熱抵抗に効くという説明。熱を通すフィラーを増やすと流れにくくなるという綱引き。段数が増えるほど樹脂の寄与が増える方向だという読み取り。放熱の数字が累積できないという読み方。表2の右列、表4の「何が起きるか」の列公表内容にもとづく本記事の整理・解説。各社・各機関が表明した見解ではない解説
EMCの組成(フィラー、硬化剤)、物性値(熱伝導率・粘度・Tg・弾性率・CTE)、リフロー・充填の工程条件(70トンを除く)、ボイド率、歩留まり、材料の供給元公式資料では確認できなかったため記載していない。報道による歩留まりの数字、材料メーカー名、顧客名は本稿では扱わない解説
図1・図3・図4・図5・図6が実際の装置・構造を示す図ではなく、説明のための作図であること。ヒーロー画像と図2がAI生成イメージであること本記事による注記解説

最終更新:2026年10月3日/出典は一次情報(SK hynixとSamsung Electronicsの公式発表、学会・学術誌の論文)に限定しています。 英語の原文を本稿が日本語に要約・言い換えたもので、逐語の引用ではありません。 構造の整理や材料設計上の読み取りを含むため、それらは「解説」として出典付きの事実と区別しています。 MR-MUFのEMCの組成と物性値、工程条件の詳細、ボイド率、歩留まり、他社の方式の詳細は、公式資料で確認できなかったため記載していません。 図はすべて説明用の概念図です。図1・図3・図4・図5・図6はベクター作図、ヒーロー画像と図2はAI生成イメージであり、いずれも実際の断面写真・顕微鏡像・製品の実物を示すものではありません。