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ペースト 技術解説

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TECHNOLOGY EXPLAINER

電子実装用ペースト
― 「流れて、止まって、固まる」を設計する材料

電子実装で使うペーストは、金属などの粒子を、樹脂やフラックスの液体に分散させた練り状の材料です。 銀ペーストのような導電ペースト、はんだペースト、焼結ペースト、絶縁ペーストがあり、塗り方も固め方もそれぞれ違います。 共通する難しさは、押されると流れ、止まると形を保ち、最後に固まって機能を出すという、相反する働きを1つの材料で担うことです。 この記事では、粒子と液体の構成、粘度とチキソ性、印刷、リフロー、保管と評価までを、規格とメーカーの公式資料で整理します。

構成:IPC・JISの規格ページ、Henkel・Indium Corporation・レゾナック(旧日立化成)の公式資料、論文を一次情報として使用/最終更新 2026年10月

ヒーロー画像:基板にペーストを塗布・印刷する実装ライン
概念図(AI生成イメージ)。電子基板に、シリンジでペーストを塗布する工程と、ステンシルでペーストを印刷する工程の雰囲気を表現したものです。実際の装置・基板・材料の色や量を示すものではありません。
この記事の構成
  1. ペーストとは何か(3行でつかむ)
  2. 構成 ― 粒子と、粒子を運ぶ液体(ビヒクル)
  3. 粘度とチキソ性 ― 数字は測定条件とセットで読む
  4. 素材技術者の視点①:印刷の1回のなかに、3つの時間スケールがある
  5. 印刷と塗布 ― ステンシル、スクリーン、シリンジ
  6. 導電ペースト(銀・銅)
  7. 素材技術者の視点②:導電は「粒子の接触の網」で決まる
  8. はんだペースト ― 粉末とフラックス
  9. 素材技術者の視点③:微粉化の代償は、表面積と保存性
  10. リフロー ― 温度プロファイルを描く
  11. 絶縁ペーストと焼結ペースト
  12. 保管・解凍・使用期限
  13. 評価の考え方
  14. 課題と、本稿で確認できなかったこと
  15. 用語集/参考資料/出典対応表
本記事の表記ルール

事実=公表資料に記載のある内容(出典リンクあり)
本稿の計算=明示した前提をもとに本記事が算出した値
未確定/将来=計画・目標であり、実績が確認できていない事項
このほか、構造の整理や材料設計上の読み取りは「解説」として区別しています。
データシートの値は「メーカー公称」で、製品グレード・試験条件・改訂日が異なる値を並べて優劣を論じることはしません。

1. ペーストとは何か(3行でつかむ)

ペーストは、「粒子」を「ビヒクル(運ぶ液体)」に分散させた、練り状の材料です(本記事の整理)。 電子実装では、導通・接合・絶縁といった機能を持つ粒子を、塗れる状態にして基板に載せるために使います。

  • 4つの種類:銀や銅を使う導電ペースト、はんだ合金の粉末を使うはんだペースト、微粒子を加熱でつなぐ焼結ペースト、導通しない絶縁ペーストに分けて整理します(本記事の分け方)
  • 共通する課題:ノズルや版を通るときは流れ、基板の上では形を保ち、その後で乾燥・硬化・溶融・焼結のいずれかによって固まり、機能を出します。粘度、チキソ性、印刷性、保存性がすべての種類に共通する設計項目です
  • この記事の範囲:種類、粘度とチキソ性、印刷、リフロー、保管と評価に絞ります。ペーストをチップの接着に使う話は、本シリーズ「ダイアタッチ」編で詳しく扱います
この記事でいちばん大事な一行

ペーストの性能は、粒子の材料だけでは決まりません。 同じ銀でも、同じはんだ合金でも、ビヒクルの設計と、粒子の大きさ・形で、印刷できる細さ、保存できる期間、固まった後の抵抗や信頼性が変わります(本記事による整理)。 数字を読むときは、どの条件で測った値かを必ず確認してください。

樹脂の硬化の基礎は「エポキシ樹脂」編、フィラーと界面の考え方は「ポリマーブレンドとフィラー」編、チップ下の封止は「アンダーフィル」編、熱膨張の考え方は「熱膨張係数」編を参照してください。

2. 構成 ― 粒子と、粒子を運ぶ液体(ビヒクル)

図1:スパチュラの上の3種類のペーストと、拡大窓の粒子
図1 概念図(AI生成イメージ)。はんだペースト、銀ペースト、銅ペーストという、見た目の違う3つのペーストと、粒子の形の違いを表現したものです。実際の製品の色・粒子の形・粒径を示すものではありません。
電子実装で使うペーストの4つの種類(概念図) 粒子をビヒクル(液体)に分散させた練り状の材料。固めるしくみが種類ごとに違う 導電ペースト(銀) 粒子:銀のフレーク ビヒクル:樹脂と溶剤 固定:乾燥または加熱硬化 はんだペースト 粒子:はんだ合金の球 ビヒクル:フラックス 固定:リフローで溶融 焼結ペースト 粒子:銀・銅などの微粒子 ビヒクル:有機成分 固定:加熱で焼結 絶縁ペースト 粒子:なし(樹脂が主体) ビヒクル:アクリレート樹脂 固定:紫外線で硬化 ※ 構成の説明用の概念図です。実際の粒子の形・大きさ・配合は、製品によって異なります。 ※ 4つに分けたのは本記事の整理です。各材料の例は、Henkel・Indium Corporation・レゾナックの公表資料[参考資料]によります。
図2 概念図(ベクター作図)。電子実装で使うペーストを4つの種類に分け、粒子・ビヒクル・固めるしくみを比べた説明用の図です。粒子の形・大きさ・配合は実際の製品を示すものではなく、4つの分類は本記事の整理です。
種類粒子(機能の担い手)ビヒクル固まるしくみ本稿で取り上げる公表資料の例
導電ペースト銀(フレーク)、銅樹脂(熱可塑性または熱硬化性)と溶剤乾燥、または加熱硬化Henkel LOCTITE ECI 1010(乾燥型)、ABLESTIK 2815A(加熱硬化型)[参考資料9・10]
はんだペーストはんだ合金の球状粉末(例:SAC305)フラックス(樹脂・活性剤・溶剤・チキソ剤)リフローで粉末が溶けて合体Indium10.1、IPC・JISの規格[参考資料1〜5]
焼結ペースト銀・銅などの微粒子、または銅とスズ合金有機成分(樹脂など)加熱で粒子どうしが焼結するレゾナックの焼結銅ペースト、HT-610S[参考資料13・14]
絶縁ペーストなし(樹脂が主体)の例があるアクリレート樹脂など紫外線(UV)で硬化Henkel LOCTITE EDAG PF 455B[参考資料11]

各社の公表資料にもとづく整理です。種類の分け方は本記事によるもので、業界で定まった分類ではありません。事実(資料に記載の構成)

はんだペーストについては、Henkelの特許(US9511453B2)が、フラックスは一般に、樹脂、チキソ剤、活性剤、溶剤からなると説明しています事実[参考資料8]。 同じ特許は、活性剤が保管中にはんだ合金の粉末と相互作用して、ペーストのレオロジー(流動の性質)などに影響を与え、保存安定性を大きく下げることがある、とも述べています[参考資料8]。 特許の権利範囲の解釈は、本稿では扱いません。

3. 粘度とチキソ性 ― 数字は測定条件とセットで読む

ペーストは、止まっているときと、動かされているときで、粘度が違います(本記事による解説)。 せん断(こすり合わせるような変形)の速さが上がると粘度が下がる性質を「せん断減粘性」、 動かしたあとに粘度がゆっくり元に戻る性質を「チキソトロピー(チキソ性)」と呼びます。 ペーストの粘度の数字は、どのせん断速度(または回転数)で、どの装置で測ったかを抜きにして比べることができません。

製品(メーカー公称)種類粘度測定条件(データシートの記載)チキソ指数出所
LOCTITE ECI 1010(2025年4月版)銀の導電インク(乾燥型)6,400 mPa·sレオメーター、25℃、せん断速度 1.5 1/s1.6(15/1.5 1/s)[参考資料9]
LOCTITE ABLESTIK 2815A(2014年4月版)銀の接着ペースト(加熱硬化型)8,000 mPa·sブルックフィールドCP51、25℃、5 rpm5.6(0.5/5 rpm)[参考資料10]
LOCTITE EDAG PF 455B(2025年11月版)UV硬化の絶縁ペースト14,000 mPa·sブルックフィールド #6SP、25℃、20 rpm記載なし[参考資料11]
Indium10.1はんだペースト(SAC305、Type 4.5)1,450 ポアズ粘度の測定条件は、データシートの記載から確認できなかった記載なし[参考資料5]

すべて事実(メーカー公称の代表値。いずれも「製品仕様ではなく参考値」とデータシートに書かれています)。測定装置・条件が違うため、数値の大小で優劣は言えません。

本稿の計算:データシートの数字を読み替える

いくつかの数字を、換算や推定で読み替えてみます本稿の計算。

  • ポアズからmPa·sへ:1ポアズ=0.1 Pa·s。Indium10.1の1,450ポアズ=145 Pa·s=145,000 mPa·s(上の3製品より1〜2桁高いが、測定条件が不明なため比較はしない)
  • チキソ指数から低速側の粘度を推定:ABLESTIK 2815Aの「チキソ指数(0.5/5 rpm)5.6」を、0.5 rpmと5 rpmの粘度の比と仮定すると、0.5 rpmでの粘度は 5.6 × 8,000 = 約44,800 mPa·s(5 rpmの粘度の約5.6倍)
  • スキージ付近のせん断速度の目安:せん断速度 ≈ 速度 ÷ すき間とみなし、印刷速度50〜100 mm/s[参考資料5]を、版の厚さ0.127 mm[参考資料4]で割ると、約390〜790 1/s

前提と限界:チキソ指数の定義(どちらの粘度を分子にするか)は同データシートに書かれていないため、「回転数の低いほう÷高いほう」という一般的な使い方を仮定しました。ECI 1010の「15/1.5 1/s」は表記の順序が逆で、定義が確認できないため、ここでは換算していません。 スキージ付近のせん断速度は、すき間を版の厚さとみなした桁数を知るための粗い推定で、実測値ではありません。

本稿の計算を含む作図:粘度はせん断速度で変わる 同じペーストでも、止まっているときと、スキージで押されているときでは粘度が大きく違う 0.01 0.1 1 10 100 1,000 せん断速度(1/s、対数目盛り) 粘度(対数。目盛りの数値は概念) データシートの測定点:1.5 1/s で 6,400 mPa·s (LOCTITE ECI 1010、メーカー公称) スキージの近く 約390〜790 1/s(本稿の推定) ステンシルの上で静置: 低せん断では粘度が高く、形を保つ 高せん断では粘度が下がり、開口に流れ込む 曲線の形は説明用です。実際の粘度曲線は製品ごとに違い、本稿は高せん断側の実測値を確認できていません。 ※ 1.5 1/s の点だけがデータシートの値[参考資料9]です。390〜790 1/s は、印刷速度を版の厚さで割った本稿の推定値です。
図3 本稿の計算を含む作図(ベクター作図)。粘度とせん断速度の関係を示す説明用の図です。曲線の形は説明用で、データシートの値は1.5 1/sの1点だけ。スキージ付近のせん断速度は本稿の推定です。

規格の側でも、粘度は単独の項目として扱われています。 IPC J-STD-005B(はんだペーストの要求事項、2024年3月版)は、粘度、スランプ(だれ)、ソルダボール、タック(粘着性)、ぬれなどの試験項目を定めています事実[参考資料1]。 日本のJIS Z 3284-3:2024(ソルダペースト―第3部:印刷性、粘度特性、だれ及び粘着性試験)は、IEC 61189-5-3:2015を基に修正して作られ、印刷性試験、粘度特性試験、印刷時のだれ試験、加熱時のだれ試験、粘着性試験を規定します事実[参考資料2]。 IPC規格は、材料の品質管理のための文書であり、組立工程での性能に直接関係づけることを意図していないと、自身の適用範囲に書いています[参考資料1]。

4. 素材技術者の視点①:印刷の1回のなかに、3つの時間スケールがある

素材技術者の読みどころ:ペーストは「止まる力」「流れる力」「戻る力」の3つを同時に持つ

ステンシル印刷を1回ぶんに分けると、ペーストには時間の長さの違う3つの要求がかかります(本記事による解説)。

  • ゆっくり(秒〜時間):止まる。版の上で放置されても、基板に印刷したあとでも、形が崩れない。これは低せん断での高い粘度(降伏応力)に頼ります。IPC J-STD-005の「だれ(スランプ)」試験は、25℃の「常温だれ」と、180℃の「加熱だれ」で、この力を確かめます事実[参考資料4]。
  • 一瞬(ミリ秒〜秒):流れる。スキージで押されて開口に入り込む。ここでは高せん断で粘度が下がる必要があります。
  • その直後(秒):戻る。版を離した直後に、開口の形のまま立っている。チキソ性(粘度の回復の速さ)の出番です。

データシートにある1つの粘度の数字は、この3つのうちのほんの1点にすぎません。 上の表のように、測定のせん断速度が1.5 1/sなのか、数百 1/sなのかで、同じペーストでも数字は何倍も違います。 粘度の数字だけで「印刷しやすい」とは言えないというのが、ペーストを扱ううえでの基本です。

5. 印刷と塗布 ― ステンシル、スクリーン、シリンジ

(1) ステンシル印刷(はんだペースト)

はんだペーストは、薄い金属板(ステンシル)に開けた穴(開口)から、スキージで押し出して基板のパッドに載せます事実[参考資料5]。

ステンシル印刷の流れと、面積比(概念図・本稿の計算を含む) スキージで版の開口にペーストを押し込み、基板を離して、開口と同じ形のペーストを残す 1. スキージで開口に充填 2. 基板を引き離す 3. 開口の形のペーストが残る 面積比=開口の面積 ÷ 開口の壁の面積。正方形の開口では「一辺 ÷(4 × 版の厚さ)」になります(本稿の計算)。 例:一辺0.254 mm(10 mil)、版の厚さ0.127 mm(5 mil)なら 0.254 ÷(4×0.127)=0.50。 IPC-7525の目安(面積比0.66超)を満たすには、同じ開口で版の厚さを約0.096 mm以下にします。 ※ 版の厚さ・ペーストの量は強調した概念図です。面積比の目安はLentzの論文[参考資料4]が示すIPC-7525の値によります。
図4 概念図(ベクター作図)。ステンシル印刷の3つの段階と、面積比の計算の例です。版の厚さ・ペーストの量は強調しており、縮尺は実際と異なります。面積比の目安はLentzの論文[参考資料4]によります。

Indium Corporationのデータシート(Indium10.1)は、推奨する印刷条件として次の値を挙げています事実(メーカー公称、参考値)[参考資料5]。

項目値
ステンシル電鋳(エレクトロフォーム)またはレーザー加工+電解研磨のものが、最良の印刷特性
ペーストの玉の大きさ直径約20〜25 mm
印刷速度50〜100 mm/秒
スキージ圧力刃の長さ1 mmあたり 0.018〜0.027 kg
版離れ速度5〜20 mm/秒(または装置メーカーの仕様)
版の裏面の拭き取り5回の印刷に1回から始め、最適値が見つかるまで頻度を下げる
ステンシル寿命18時間(相対湿度30〜60%、22〜28℃)
開口の設計小さな部品は開口面積を10〜20%小さく。20 mil(約0.5 mm)ピッチ以下の部品は5〜15%小さくするのが一般的

Indium10.1のデータシート[参考資料5]。事実(メーカー公称)。

(2) 開口の大きさと粉末の大きさ

Lentz(FCT Assembly)の論文によると、IPC-7525(ステンシル設計ガイドライン)は、良好な印刷のためにアスペクト比1.5超、面積比0.66超を目安としています事実[参考資料4]。 面積比は「開口の面積 ÷ 開口の壁の面積」で、小さな開口ほど、また版が厚いほど小さくなります。 同論文は、Type 4〜5の粉末は、面積比が0.66を下回る設計で使うのが一般的だとも述べています[参考資料4]。

本稿の計算:面積比と、開口の最小の目安

面積比:正方形の開口(一辺 a、版の厚さ T)では、面積 a²、壁の面積 4aT なので、面積比=a ÷ 4T です本稿の計算。 論文の試験パターン(開口0.254 mm=10 mil、版厚0.127 mm=5 mil)では 0.254 ÷(4 × 0.127)=0.50で、論文が示す面積比と一致します[参考資料4]。 同じ開口で面積比0.66を超えるには、T ≤ 0.254 ÷(4 × 0.66)=約0.096 mmが必要です。

開口の最小の目安:論文は、IPC-7525の「5ボールルール」(開口の一辺は、最大粒子径の5倍以上)を使い、粉末のType別の最小開口を、Type 3で9 mil、Type 4で7.5 mil、Type 5で5 mil、Type 6で3 milと示しています[参考資料4]。 主な粒径範囲の上限(45、38、25、15 μm)を5倍すると、225、190、125、75 μm(8.9、7.5、4.9、3.0 mil)となり、論文の値とほぼ一致します本稿の計算。

前提と限界:面積比は正方形の開口を仮定した式です。丸い開口や長方形では係数が変わります。5ボールルールは「粉末が開口に詰まらず通れる」ための最低条件で、印刷の品質を保証するものではありません。

論文は、Type 3は0402(インチ表記)の部品まで、Type 4は0201や微細なBGAに、Type 5は01005の部品などに、またType 5・6はジェット式のディスペンスにも使われると述べています[参考資料4]。 同論文の試験(開口の面積比0.30〜0.50、版厚127 μm)では、転写効率(開口のペーストのうち、基板に移った割合)は5〜60%程度で、おおむね粉末が細かいほど高くなりましたが、例外もありました[参考資料4]。

(3) スクリーン印刷(導電ペースト・絶縁ペースト)

導電インクや絶縁ペーストは、メッシュのスクリーンを通して印刷します。 ECI 1010のデータシートは、ポリエステルのスクリーン(68〜90メッシュ/cm)、乳剤の厚さ10〜40 μm、スキージの硬さ70〜80を推奨しています[参考資料9]。 PF 455Bのデータシートは、スクリーンのメッシュで乾燥後の膜厚が決まるとして、61本/cmで25 μm、77本/cmで18 μm、120本/cmで10 μmを示しています[参考資料11]。

(4) シリンジ塗布(接着ペースト)

ABLESTIK 2815Aは、ディスペンサーで塗布する銀の接着ペーストです。 データシートは、ぬれた状態の接着層の厚さ25〜50 μm、チップの周囲に25〜50%のフィレットが出る量を勧め、星形や十字形の塗布パターンは、格子(マトリクス)状よりボイドが少ないと記しています事実[参考資料10]。 また、作業可能時間(25℃で24時間)を超えて室温に置くと、銀と樹脂が分離することがある、とも書かれています[参考資料10]。

6. 導電ペースト(銀・銅)

導電ペーストは、金属の粒子(銀のフレークなど)を、樹脂のバインダーに分散させたペーストです。 固まる方式によって、大きく2つに分けて読むと整理しやすくなります(本記事の整理)。

項目(メーカー公称)LOCTITE ECI 1010(2025年4月)LOCTITE ABLESTIK 2815A(2014年4月)
位置づけ導電インク。フレキシブル回路、RFIDなどの導電回路。スクリーン印刷ダイアタッチ用の接着ペースト。ディスペンサーで塗布
樹脂の種類熱可塑性(加熱して「乾燥」させる)アクリレート(加熱して「硬化」させる)
固め方120℃で15分(強制通風または赤外線)30分で200℃まで昇温+200℃で30分
固形分/フィラー固形分62 wt%、密度2.1 g/mL。フィラーは銀フィラーは銀
電気的特性シート抵抗 0.0057 Ω/sq(25 μmあたり、120℃で15分)。二重折り曲げ試験後の抵抗上昇14%体積抵抗率 0.00004 Ω·cm
その他の特性使用温度の上限100℃。基材はPET、PI、PEN、紙熱伝導率 20 W/(m·K)、ガラス転移点63℃(TMA)、ダイシェア強度 25℃で5.8 kgf(2×2 mmのSiチップ)
保管2〜8℃で製造日から365日−40℃で製造日から365日。作業可能時間は25℃で24時間

Henkelのデータシート[参考資料9・10]。事実(メーカー公称の代表値)。2815Aのデータシートは2014年版と古く、現行品の仕様とは限りません。測定条件が異なるため、両者の優劣は比べられません。

本稿の計算:シート抵抗から体積抵抗率へ

ECI 1010の「シート抵抗 0.0057 Ω/sq/25 μm」を、体積抵抗率に直してみます本稿の計算。 体積抵抗率 = シート抵抗 × 膜厚 = 0.0057 Ω × 25 μm = 0.0057 × 25×10⁻⁴ cm = 1.4×10⁻⁵ Ω·cm = 約14 μΩ·cm。 同じ単位で並べると、2815Aの体積抵抗率0.00004 Ω·cmは40 μΩ·cmです。

参考に、レゾナック(旧日立化成)の技術報告に載る焼結銀ペーストの電気抵抗率は2.0×10⁻⁸ Ω·m=2.0 μΩ·cm(メーカー公称)です[参考資料13]。 樹脂を含む導電ペーストの値は、これの数倍〜20倍ほどの桁にあります。

前提と限界:ECI 1010は膜厚25 μmに規格化したシート抵抗の換算で、実際の膜厚が違えば値は変わります。3つの値は、製品、固め方、測定方法が違う公称値の並置で、優劣を示すものではなく、桁の目安にとどまります。

銅ペースト ― 低温で導体にする試み

レゾナックの前身である日立化成の技術報告(2015年12月)は、樹脂フィルム上に配線を形成できる、低温導体化銅ペーストの開発を報告しています。 背景として、導電ペーストは銀が主流だが、地金価格の高さと、微細配線でのイオンマイグレーションの懸念から、一部のデバイスへの適用にとどまっているとし、安価で信頼性の高い銅への置き換えが期待される、と書いています事実[参考資料12]。

  • 導体化の条件と抵抗:140℃で1時間、窒素雰囲気、減圧で導体化し、体積抵抗率17 μΩ·cm、スクリーン印刷で導体化後の膜厚1〜5 μm[参考資料12]。
  • 粒子の大きさ:銅粒子の径は約100〜200 nmのサブミクロンです。報告は、小径の銅粒子で導体化した膜は体積抵抗率が約1000 μΩ·cmと高く、大径の粒子の膜は17 μΩ·cmだったと図で示しています[参考資料12]。
  • 理由についての記述:粒子を小さくすると融点が下がる一方、表面積が増えて酸化しやすくなり、導体化が妨げられると考えられる、と報告は述べています[参考資料12]。

この報告は開発品の紹介で、量産品の仕様や市販の状況は、本稿が参照した範囲では確認できませんでした未確定/将来。

7. 素材技術者の視点②:導電は「粒子の接触の網」で決まる

素材技術者の読みどころ:樹脂は絶縁体。それでも電気が流れるのは、粒子がつながっているから

導電ペーストの導電性は、金属そのものの抵抗ではなく、粒子どうしの接触が網目状につながっているかで決まります(本記事による解説)。 公表資料からは、この考え方を裏づける3つの観察が読み取れます。

  • 焼結が進まないと抵抗が高い:日立化成の銅ペーストでは、小径の粒子の膜が約1000 μΩ·cm、大径の粒子の膜が17 μΩ·cmと、約60倍の差がありました(1000 ÷ 17 = 約59)本稿の計算。粒子の融着が進まず、酸化膜が接触の邪魔をしているためと報告されています[参考資料12]。
  • 曲げると接触が減る:ECI 1010のデータシートでは、二重折り曲げ試験の後で抵抗が14%増えたと書かれています[参考資料9]。折り曲げで粒子の網がわずかに切れた結果と読めます(本記事の解釈)。
  • バインダーの種類で固め方が変わる:ECI 1010は熱可塑性の樹脂を「乾かす」だけ、2815Aはアクリレートを「硬化」させます。硬化型では、樹脂の収縮が粒子を押し付けて接触を強めるはたらきがあります(本記事の解説。本シリーズ「ACF実装」編と同じ考え方です)。

素材の側でできる調整は、粒子の形(フレーク状は接触面積が大きい)、大きさの組み合わせ、バインダーの量と収縮、固めるときの温度と雰囲気です。 そして銀を銅に置き換えるときは、酸化という新しい課題が加わります。 銀はイオンマイグレーションに注意が必要で、PF 455Bのような絶縁ペーストは「銀のマイグレーションのリスクを減らした」交差部(クロスオーバー)の絶縁に使われる、とHenkelは説明しています[参考資料11]。 導電ペーストの課題は、導電性だけでなく、まわりの材料との組み合わせにも広がっています。

8. はんだペースト ― 粉末とフラックス

はんだペーストは、はんだ合金の球状粉末と、フラックスを混ぜたペーストです。 IPC J-STD-005Bは、「はんだ粉末は、粒子の形と粒度分布で分類される」「ペーストのフラックスの性質は、J-STD-004にもとづく」「はんだ合金の性質は、J-STD-006にもとづく」と定めています事実[参考資料1]。

粉末の区分(Type 3〜6)

はんだ粉末の区分(Type 3〜6)と、印刷できる開口の目安 粉末が細かいほど、小さな開口に印刷できる 0 10 20 30 40 50 60 粒径(μm) Type 3 25〜45 Type 4 20〜38 Type 5 15〜25 Type 6 5〜15 開口の目安 (5ボール) 約225 μm 約190 μm 約125 μm 約75 μm バーは「主な粒径範囲(80%以上が入る範囲)」。開口の目安は、この範囲の上限の5倍(5ボールルール)を本稿が計算した値です。 ※ 粒径範囲はIPC J-STD-005Aの表をLentzの論文[参考資料4]が転載したもの。論文の表の値は9・7.5・5・3 milで、本稿の計算とほぼ一致します。 ※ 規格にはType 7・8もあります[参考資料1]。粉末区分ごとの粒径の上限・下限の細かい規定は規格本文を参照してください。
図5 本稿の計算を含む作図(ベクター作図)。IPCの粉末区分Type 3〜6の主な粒径範囲と、5ボールルールによる開口の目安です。粒径範囲はLentzの論文[参考資料4]が転載した表によります。開口の目安は本稿の計算です。

Lentzの論文が、IPC J-STD-005AのTable 3-2を転載して示す区分は次のとおりです事実[参考資料4]。

IPCの区分80%以上が入る範囲10%まで許される大きい側0.5%未満しか許されない大きさ10%まで許される小さい側
Type 325〜45 μm45〜60 μm60 μm超25 μm未満
Type 420〜38 μm38〜50 μm50 μm超20 μm未満
Type 515〜25 μm25〜40 μm40 μm超15 μm未満
Type 65〜15 μm15〜25 μm25 μm超5 μm未満

規格本文は有料のため、論文が転載した表を示します(IPC J-STD-005A Table 3-2)。J-STD-005BにはType 7・8の粉末も扱う試験の項があります[参考資料1]。

合金、金属含有率、フラックスの分類

  • 合金:Indium10.1のデータシートは、SAC305(96.5Sn/3.0Ag/0.5Cu)などを標準としています[参考資料5]。AIMの合金データシートは、SAC305の融解温度を固相線217℃、液相線220℃としています[参考資料16]。
  • 金属含有率(質量%):Indium10.1は、Type 3で88.75%、Type 4/4.5で88.5%(メーカー公称)[参考資料5]。Lentzの試験では、粉末が細かくなるほど少なくし、Type 3で88.5%、Type 4で88.3%、Type 5で88.0%、Type 6で87.5%としました[参考資料4]。
  • フラックスの分類:Indium10.1のフラックスはROL1(J-STD-004Bの分類)[参考資料5]。Lentzの論文では、ノークリーンのフラックスがROL0、水溶性のフラックスがORH1です[参考資料4]。
本稿の計算:質量%を体積%に直す

金属含有率88.5 wt%を、体積の割合に直します本稿の計算。 SAC305の比重を約7.38[参考資料15]、フラックスの密度を1.0〜1.1 g/cm³と仮定すると、 金属の体積 = 88.5 ÷ 7.38 = 12.0、フラックスの体積 = 11.5 ÷(1.0〜1.1)= 11.5〜10.5 なので、 金属の体積分率は 12.0 ÷(12.0 + 11.5)= 約51%(フラックスが1.1 g/cm³のときは約53%)になります。

前提と限界:フラックスの密度1.0〜1.1 g/cm³は本稿が置いた仮定で、公表値ではありません。粉末どうしのすき間や、溶剤の蒸発による変化は考えていません。 重さでは9割近い金属が、体積ではほぼ半分にすぎない、という桁の感覚をつかむための計算です。

フラックスの役割と、粉末が細かいときの影響

Lentzの論文は、フラックスは金属の酸化物を除去し、さらなる酸化を遅らせると説明します。 粉末が細かいと、同じ質量でも表面積が大きくなり、酸化と反応が進みやすくなります事実[参考資料4]。 その結果として、論文は次のような傾向を、試験と説明で示しています[参考資料4]。

  • 粉末が細かいほど、保存中にフラックスと金属が反応して塩を作り、活性が消耗し、ペーストが増粘して、なめらかな外観から、くすんだざらついた外観へ変わる。
  • ステンシルの上に放置したときの転写効率が、8時間から24時間の間で下がる幅(論文の表記は「Drop in TE%」)は、ノークリーンでType 3が8、Type 4が10、Type 5が18、Type 6が25。水溶性ではType 3が5、Type 4が5、Type 5が8、Type 6が6。
  • IPCのスランプ試験で、加熱だれ(180℃)に不合格になったのは、ノークリーンのType 6と、水溶性のType 5・6。IPCのソルダボール試験で不合格だったのは、Type 6(すべて)。
  • 水溶性のフラックスでは、粉末が細かいほどボイド(空隙)が増える傾向。

論文は、これらのペーストはもともとType 3・4の粉末を想定して配合されたもので、細かい粉末向けに最適化されたものではない、とも断っています[参考資料4]。 つまり、上の結果は「細かい粉末はだめ」という意味ではなく、フラックスの側も粉末に合わせて設計し直す必要があることを示しています(本記事の解説)。

9. 素材技術者の視点③:微粉化の代償は、表面積と保存性

素材技術者の読みどころ:粒径が1/3.5になると、同じ質量の表面積は3.5倍になる

球の粉末の質量あたりの表面積は、6 ÷(密度 × 粒径)です。粒径に反比例します本稿の計算。 SAC305の比重を7.38[参考資料15]、主な粒径範囲の中央値を使うと、1 kgあたりの表面積は次のようになります。

区分中央値の粒径本稿の計算(球モデル)Lentzの論文の値Type 3に対する倍率
Type 335 μm23.2 m²22.9 m²1.00
Type 429 μm28.0 m²27.7 m²1.21
Type 520 μm40.7 m²40.2 m²1.75
Type 610 μm81.3 m²80.3 m²3.50

例:Type 3の計算=6 ÷(7,380 kg/m³ × 35×10⁻⁶ m)=約23.2 m²/kg。論文の値[参考資料4]との差は約1〜1.3%で、球と中央値という単純な仮定でほぼ再現できます。

表面積は、酸化の「入口」であり、フラックスが「処理すべき相手」の量でもあります。 同じ酸化膜の厚さを仮定すれば、除去すべき酸化物の量も、おおむね表面積に比例します(本記事の解説。酸化膜の厚さは仮定で、公表値ではありません)。 細かい粉末で、ランダムなソルダボール、グレーピング(小さな粒が合体せず葡萄の房のように残る現象)、保存性の低下が出やすいのは、このためと論文は説明しています[参考資料4]。

これは、印刷性(細かい開口に入る)と、保存性・リフロー性(酸化に耐える)が、同じ「粒径」でトレードオフになっているということです。 本シリーズ「ACF実装」編で見た「捕捉」と「絶縁」のトレードオフと同じ構造で、片方を良くすると、もう片方が悪くなります。 だからこそ、フラックス側に、より強い活性と、より高い酸化防止の設計が求められます。 Henkelは、この保存性の課題に対して、室温で保管できる温度安定性ペースト(LOCTITE GC 10)を、自社の特長として説明しています[参考資料7]。

10. リフロー ― 温度プロファイルを描く

印刷したはんだペーストは、部品を載せたあと、リフロー炉で加熱されます。 溶剤が蒸発し、フラックスが酸化膜を除去し、粉末が溶けて合体し、冷えて固まります(本記事の整理)。

本稿の計算を含む作図:リフローの温度プロファイル(例) 予備加熱、ソーク(任意)、液相線超え、ピーク、冷却の順に温度を上げ下げする 0 50 100 150 200 250 0 50 100 150 200 250 300 時間(秒) 温度(℃) 液相線 220℃(SAC305、AIMの公表値) ソーク 140〜160℃(推奨帯) ピーク 230〜260℃ 液相線より上の時間 約48秒 昇温 1.25℃/秒 冷却 3℃/秒 曲線は、Indium10.1の推奨範囲(昇温1.0〜1.5℃/秒、ソーク140〜160℃、液相線超え45〜60秒、ピーク230〜260℃)に入る例として本稿が描きました。 ※ 実際のプロファイルは基板・部品・合金ごとに決めます。数値の出所は[参考資料5・16]で、メーカーも「参考値」としています。
図6 本稿の計算を含む作図(ベクター作図)。SAC305のはんだペーストのリフロー温度プロファイルの例です。Indium10.1の推奨範囲[参考資料5]に入るよう本稿が描きました。実在の炉の記録ではなく、実際のプロファイルは工程ごとに決めます。

Indium10.1のデータシートが示す、SAC305向けの推奨プロファイルは次のとおりです事実(メーカー公称、参考値)[参考資料5]。

項目推奨許容コメント(データシートの記載)
昇温(平均、室温からピークまで)1.0〜1.5℃/秒0.5〜2.5℃/秒ソルダボール、ビーズ、加熱だれを最小にする
ソーク帯(任意)20〜60秒、140〜160℃30〜120秒、140〜170℃BGA/CSPのボイドを減らせる場合がある。減らす・なくすとHIPやグレーピングを減らせる場合がある
液相線より上の時間(TAL)45〜60秒30〜100秒良好なぬれと、信頼性の高いはんだ接合に必要
ピーク温度230〜260℃230〜262℃—
冷却速度2〜6℃/秒0.5〜6℃/秒急冷は微細な結晶粒をつくる
雰囲気空気または窒素小さな部品には窒素が望ましい

Indium10.1のデータシート[参考資料5]。事実(メーカー公称)。「すべての値は参考値で、工程に合わせて修正が必要」とデータシートに書かれています。HIPはヘッド・イン・ピロー(部品側のはんだとペーストが合体しない不良。本記事の補足)です。

Lentzの試験では、別のプロファイル(昇温1.7〜1.8℃/秒、220℃以上の時間61〜67秒、ピーク241〜248℃、室温からピークまで4.70分)が使われました[参考資料4]。 同じSAC305でも、ペースト、部品、基板によってプロファイルは変わり、1つの正解があるわけではありません。

11. 絶縁ペーストと焼結ペースト

絶縁ペースト ― 「流れない材料」もペースト

導電ペーストの上に重ねて、配線の交差部(クロスオーバー)を絶縁するのが、絶縁ペーストの代表的な使い方です。 HenkelのLOCTITE EDAG PF 455B(2025年11月版のデータシート)は、UV(紫外線)で硬化するアクリレート系の絶縁インクで、スクリーン印刷に使います事実[参考資料11]。

項目(メーカー公称)値・記載
未硬化の状態固形分100%、粘度14,000 mPa·s(ブルックフィールド #6SP、25℃、20 rpm)、密度1.02 g/cm³
印刷モノフィラメントのポリエステルスクリーン(61〜120本/cm)。乾燥後の膜厚は、61本/cmで25 μm、77本/cmで18 μm、120本/cmで10 μm
クロスオーバーの作り方25〜30 μmの厚さを、2回に分けて(各12〜15 μm)印刷すると、ピンホールのない膜になる。各層を0.5 J/cm²のUVで硬化。上に重ねる導電インクは5分以内に乾燥させる
硬化後密着性5B、鉛筆硬度B、絶縁破壊電圧は25 μmで2,700 V(交流)を超える
保管5〜25℃で1年(適格性確認日から)。最適5〜30℃。0℃未満または40℃超は性質に悪影響。保管後にゲル状になったら、65℃以下の湯せんで温めて撹拌

Henkelのデータシート[参考資料11]。事実(メーカー公称の代表値)。

本稿の計算:データシートの数字は、自分で検算できる

PF 455Bの数字から、2つの計算ができます本稿の計算。

  • 被覆面積の検算:固形分100%、密度1.02 g/cm³なので、1 kgの体積は 1000 ÷ 1.02 = 980 cm³。これを乾燥膜厚10 μm(=10⁻³ cm)に広げる面積は 980 ÷ 10⁻³ cm = 9.8×10⁵ cm² = 98 m²で、データシートの「理論被覆面積 98 m²/kg」と一致します。
  • 絶縁耐力の下限:25 μmで2,700 V超なので、2,700 ÷ 25 = 108 V/μm(=108 kV/mm)超。

同じ考え方で、導電インクECI 1010の「理論被覆面積 10.6 m²/kg(乾燥膜10 μm)」と「固形分62 wt%」から、乾燥膜の平均密度を求めると、0.62 kg ÷(10.6 m² × 10 μm = 106 cm³)= 約5.9 g/cm³です。 銀の密度を約10.5 g/cm³、樹脂を1.2 g/cm³と仮定して2成分で割り振ると、銀は質量で約9割、体積で約5割になります。

前提と限界:最後の推定は、銀と樹脂の2成分だけと仮定した粗い計算です。銀の密度(一般的な値)と樹脂の密度は本稿が置いた仮定で、データシートに記載された配合ではありません。 「体積で約半分」という値は、粒子どうしが接触の網をつくるために必要な量の目安を考えるための参考にとどめてください。

焼結ペースト ― はんだの代わりに「金属の粒をつなぐ」

パワー半導体のチップ接合などでは、鉛フリーはんだに代わる接合材料が求められています。 日立化成の技術報告(2017年12月)は、はんだは金属の融点を利用して接合するため、接合部が再び溶けるので二次実装が難しく、接合位置の制御が難しく、接合温度より高い環境では使えない、と整理しています[参考資料13]。 その対案として、次の2つの方式の例があります。

  • TLPS(遷移的液相焼結)ペースト:日立化成の「HTシリーズ」は、銅粒子とスズ合金粒子を、熱可塑性の樹脂(ポリイミド)に分散させたペーストです。焼結の温度でスズ合金が溶けて銅粒子と反応し、融点の高い銅・スズの金属間化合物をつくるため、二次実装でも再溶融しない(再溶融温度400℃超)としています[参考資料13]。
  • 焼結銅ペースト:レゾナックは、焼結銀と同等の熱伝導率300 W/(m·K)を持ち、信頼性を高めた焼結銅の接合ペーストを提案しています。ダイボンド用(5〜13 mm角を想定)と、冷却器との接合用の大面積用(30〜50 mm角を想定、開発品)があります[参考資料14]。
項目(メーカー公称)HT-610S鉛フリーはんだ SAC305焼結銀ペースト
用途ダイボンド材実装材ダイボンド材
接合条件260℃・窒素リフロー260℃・窒素リフロー250℃・ホットプレス
再溶融温度400℃超220℃960℃
熱膨張係数19 ppm/℃19 ppm/℃20 ppm/℃
弾性率3.5 GPa31 GPa30 GPa
電気抵抗率5.0×10⁻⁷ Ω·m1.1×10⁻⁷ Ω·m2.0×10⁻⁸ Ω·m
熱伝導率43 W/(m·K)55 W/(m·K)400 W/(m·K)
信頼性試験(温度サイクル)3,000サイクル(−65〜175℃)2,000サイクル(−40〜125℃)3,000サイクル(−65〜175℃)
セルフアライメントなしありなし

日立化成テクニカルレポート No.60(2017年12月)の表1[参考資料13]。事実(メーカー公称)。温度サイクルの条件が列ごとに違う(SAC305のみ−40〜125℃)ため、信頼性の優劣は読み取れません。接合材としての詳細は、本シリーズ「ダイアタッチ」編を参照してください。

レゾナックの焼結銅ペーストのページは、パワーサイクル試験(Tj,max=175℃)で、特性寿命が高鉛はんだの約40倍、焼結銀の約5倍という結果が得られたと述べています。 同ページは、掲載のデータは「測定や計算等の結果の一例を示した代表値であり、保証値ではありません」と注記しています事実(メーカー公称)[参考資料14]。

12. 保管・解凍・使用期限

ペーストは、時間とともに変わる材料です。 Lentzの論文は、保存中にフラックスが金属と反応して塩を作り、活性が消耗する、その反応は細かい粉末ほど速く、冷蔵がその進行を遅らせる、と説明しています[参考資料4]。 Henkelの特許も、活性剤が保存安定性を下げる要因になりうると述べています[参考資料8]。

保管から使うまでの流れ(データシートの例) 冷蔵・冷凍で反応を遅らせ、使う前に室温へ戻す はんだペースト(Indium10.1のデータシート) 冷蔵(10℃未満) 未開封で12か月 冷蔵から出して 室温に戻す 目安:2時間以上 温度を確認して開封 日時を容器に記入 印刷 ステンシル寿命 18時間(目安) 銀の接着ペースト(LOCTITE ABLESTIK 2815Aのデータシート) 冷凍(−40℃) 製造日から365日 シリンジを立てて 解凍する 25℃になるまで 容器を開けない 作業可能時間24時間 再凍結しない 銀の導電インク(LOCTITE ECI 1010のデータシート) 冷蔵(2〜8℃) 製造日から365日 使う前に よく混ぜる スクリーン印刷 120℃で15分 乾燥 ※ 3つのデータシート[参考資料5・9・10]の記載を並べた図です。メーカー公称で、優劣を示すものではありません。 ※ 解凍時間は容器の大きさで変わります。ABLESTIK 2815Aのデータシートは、容器別の解凍時間のグラフを示しています。
図7 概念図(ベクター作図)。3つのデータシート[参考資料5・9・10]の保管から使用までの手順を並べた図です。メーカー公称の値で、製品や容器により変わり、優劣を示すものではありません。
製品(メーカー公称)保管と期限使う前の扱い出所
Indium10.1(はんだペースト)未開封で、冷蔵(10℃未満)12か月/室温(20〜30℃)は最大30日冷蔵庫から出して少なくとも2時間置き、温度を確認してから開封。開封日時を容器に記入。カートリッジは先端を下に保管[参考資料5]
Indium6.5R(水溶性のSnPbペースト)10℃未満で、暫定の保存期間6か月作業環境は23〜28℃、25〜50%RHが理想。冷蔵から出して2時間以上[参考資料6]
LOCTITE ABLESTIK 2815A(銀の接着ペースト)−40℃で製造日から365日。作業可能時間は25℃で24時間シリンジを立てて解凍。25℃になるまで開けない。容器の結露は開ける前に拭く。再凍結しない[参考資料10]
LOCTITE ECI 1010(銀の導電インク)2〜8℃で製造日から365日。0℃未満・30℃超は性質に悪影響使う前によく混ぜる。取り出した材料を元の容器に戻さない[参考資料9]
LOCTITE EDAG PF 455B(絶縁インク)5〜25℃で1年(適格性確認日から)。最適5〜30℃撹拌は空気を巻き込まないようゆっくり。ゲル状になったら65℃以下で温めて撹拌[参考資料11]

各社のデータシート。事実(メーカー公称。製品やロットの条件で変わるため、必ず最新のデータシートを確認してください)。

これらに対して、HenkelはLOCTITE GC 10を「温度安定性」のはんだペーストと位置づけ、26.5℃で1年、40℃までの温度で1か月の安定性を持つように配合したと述べています。 同社は、一般的なペーストの放置可能時間(版の上に置いたままにできる時間)が1〜4時間に対し、GC 10は最大24時間で、起動時間(始動時の準備)がゼロだと説明しています事実(企業の主張。顧客の声を含む販促的な白書です)[参考資料7]。 本稿では、これらの数値を第三者が検証した結果は確認していません。

この記事のまとめ
  • ペーストは「粒子+ビヒクル」で、導電・はんだ・焼結・絶縁の4種類に整理できます。固まるしくみが違っても、粘度・チキソ性・印刷性・保存性が共通の設計項目です事実
  • 粘度の数字は、測定のせん断速度や装置とセットで読みます。スキージ付近のせん断速度は、本稿の推定で約390〜790 1/sです本稿の計算
  • 粉末が細かいほど印刷できる開口は小さくなりますが(Type 3の約225 μmからType 6の約75 μm)、質量あたりの表面積は最大3.5倍になり、保存性とリフロー性に影響します事実
  • はんだペーストの金属は、重さでは約88.5%でも、体積ではおよそ半分です本稿の計算
  • 導電ペーストの抵抗は、粒子の接触の網で決まります。焼結が進まない小径の銅粒子の膜は、体積抵抗率が約60倍高くなりました事実
  • 保管は反応を遅らせる操作です。冷蔵・冷凍と、使う前に室温へ戻す手順がデータシートに書かれています事実

13. 評価の考え方

ペーストの評価は、材料そのものの検査(規格の試験)と、工程での性能(印刷・リフロー・固まった後の特性)に分けて考えると整理できます(本記事の整理)。

評価項目何を見るか規格・方法の例出所
合金・フラックス合金の組成、フラックスの特性と分類IPC J-STD-006(合金)、J-STD-004(フラックス)にもとづく[参考資料1]
粉末粒径、形IPC J-STD-005B(粉末の粒度・形)。JIS Z 3284-2(はんだ粉末の形状、表面状態判定及び粒度分布測定試験)[参考資料1・2]
金属含有率ペースト中の金属の質量%IPC J-STD-005B[参考資料1]
粘度流動のしやすさIPC J-STD-005:T字バー(Tバースピンドル)法とスパイラルポンプ法。JIS Z 3284-3[参考資料1・2・4]
スランプ(だれ)形を保てるかIPC J-STD-005:常温(25℃)と加熱(180℃)。JIS Z 3284-3(印刷時のだれ、加熱時のだれ)[参考資料2・4]
ソルダボールリフロー時に不要な小球が出るかIPC J-STD-005:すりガラス板とホットプレート(245〜250℃)。JIS Z 3284-4[参考資料3・4]
タック(粘着性)部品を保持する力IPC J-STD-005。JIS Z 3284-3(粘着性試験)。Lentzの試験はJISの方法で24〜72時間の保持後も測定[参考資料2・4]
ぬれ・広がり溶けたはんだが広がるかIPC J-STD-005。JIS Z 3284-4(ぬれ性、ソルダボール及び広がり試験)[参考資料3]
印刷の性能転写効率、ステンシル寿命はんだペースト検査装置(SPI)で体積を測定。印刷と休止のくり返し(0、1、2、4、8、24時間)[参考資料4]
リフロー後の性能ぬれ、ランダムなソルダボール、グレーピング、ボイド専用の試験基板。QFNの熱パッドでボイドを測定[参考資料4]
保存安定性保管・加熱後の変化密閉容器で50〜55℃・72時間の加熱エージング後に、粘度・ソルダボール・タックを測定[参考資料4]
導電ペースト抵抗、折り曲げ、接合強度シート抵抗、二重折り曲げ試験後の抵抗上昇、ダイシェア強度(データシートの項目)[参考資料9・10]
絶縁ペースト密着、硬さ、絶縁破壊電圧碁盤目密着性5B、鉛筆硬度、25 μmでの交流絶縁破壊電圧(データシートの項目)[参考資料11]

すべて事実(規格の題名・適用範囲・目次、およびデータシート・論文の記載)。規格本文は有料のため、本文の試験条件は確認しておらず、論文やデータシートに書かれた範囲にとどめています。

JIS Z 3284は4つの部からなる規格群です。第1部「種類及び品質分類」、第2部「はんだ粉末の形状、表面状態判定及び粒度分布測定試験」、第3部「印刷性、粘度特性、だれ及び粘着性試験」(2024年改正)、第4部「ぬれ性、ソルダボール及び広がり試験」です事実[参考資料2]。 第4部(2014年制定)は、ぬれ性、ソルダボール、広がりの試験を規定します[参考資料3]。

14. 課題と、本稿で確認できなかったこと

(1) チキソ指数の定義と、高せん断側の粘度

ABLESTIK 2815Aの「0.5/5 rpm」、ECI 1010の「15/1.5 1/s」といったチキソ指数の定義(分子と分母)は、各データシートに書かれておらず、本稿では一般的な使い方を仮定しました。 また、印刷時のような高せん断での粘度は、公表資料に実測値が見つからなかったため、第3章の図は曲線の形を説明用に描き、スキージ付近のせん断速度も推定にとどめています。

(2) Indium10.1の粘度の測定条件

Indium10.1の「1,450ポアズ」は、測定装置・回転数・温度が、本稿が参照したデータシートの記載からは確認できませんでした。そのため、他社製品との比較はしていません。

(3) 規格本文の確認範囲

IPC J-STD-005B、JIS Z 3284は、題名・適用範囲・目次の確認にとどめ、粉末区分の細かい規定や、各試験の詳細な条件は、論文(Lentz)とデータシートに書かれた範囲で示しました。 J-STD-004(フラックス)の題名と内容は、J-STD-005Bが引用する範囲でのみ触れており、本稿では確認していません。

(4) フラックスの配合比、焼結ペーストの詳細

フラックスの成分は、特許の説明(樹脂、チキソ剤、活性剤、溶剤)にとどめ、配合比や具体的な化合物は、各社のデータシートでは確認できませんでした。 焼結ペーストの接合条件(圧力・時間)、粒子径、有機成分の種類も、本稿が参照した公開資料では確認できなかったため、記載していません。

(5) 銅ペーストの量産状況

日立化成の低温導体化銅ペーストは、2015年の開発品の報告です。現在の製品化・量産の状況は、本稿の調査範囲では確認できませんでした未確定/将来。

(6) 論文の試験は、試作したペーストでの結果

Lentzの論文は、SAC305の水溶性とノークリーンのペーストを試験用に作って比べたもので(掲載された年は、本稿が確認したPDFには記載がありません。引用文献は2017年まで)、市販品すべてに当てはまる結果ではありません。

(7) 扱っていないこと

鉛フリー化に関する法規制、太陽電池用の電極ペースト、厚膜ペースト(セラミック基板用)、市場規模・シェア(調査会社の推計)は、本稿では扱っていません。

15. 用語集

ペースト
粒子を液体に分散させた練り状の材料。本記事では、導電・はんだ・焼結・絶縁の4種類に整理。
ビヒクル
粒子を運ぶ液体の部分。樹脂、溶剤、フラックスなど。
フラックス
はんだ付けで金属表面の酸化膜を除き、再酸化を防ぐ成分。樹脂・活性剤・溶剤・チキソ剤からなる。
せん断速度
材料がこすり合わされる速さ。単位は1/s。大きいほど強く動かされている。
せん断減粘性
せん断速度が上がると粘度が下がる性質。
チキソ性(チキソトロピー)
動かすと粘度が下がり、止めると時間をかけて戻る性質。
チキソ指数
異なる速さで測った粘度の比で、チキソ性の目安。定義は製品ごとの表記に従う。
スランプ(だれ)
印刷したペーストが、置いたあとに広がってしまう現象と、その試験。
タック
ペーストの粘着力。部品を載せたとき保持する力。
ソルダボール
リフロー後に周囲に残る、不要な小さなはんだ球。
グレーピング
小さなはんだ粉末が合体せず、ぶどうの房のように残る不良。
転写効率
開口の容積に対し、実際に基板へ移ったペーストの割合。
面積比
開口の面積を、開口の壁の面積で割った値。小さいほどペーストが離れにくい。
ステンシル/スキージ
開口を開けた薄い金属板/ペーストを押し込む刃。
リフロー
印刷したはんだペーストを加熱炉で溶かして接合する工程。
液相線(TAL)
合金が完全に溶ける温度。液相線より上にいる時間がTAL。
ノークリーン/水溶性
洗浄しなくてよいフラックス/水で洗い落とすフラックス。
焼結
粒子を溶かしきらず、加熱でつなげて固める現象。
TLPS
遷移的液相焼結。一時的に液体になる金属が粒子と反応し、高融点の化合物をつくる方式。
イオンマイグレーション
電圧がかかった状態で金属がイオンとなって移動し、電極間をつなぐ現象。銀で問題になりやすい。
シート抵抗
膜の抵抗を、正方形1枚あたりの値(Ω/sq)で表したもの。膜厚を掛けると体積抵抗率になる。

16. 参考資料(一次情報)

  1. IPCIPC-J-STD-005B「Requirements for Solder Pastes」(2024年3月)の目次・適用範囲を掲載したPDF — ipc.org
  2. 日本規格協会(JSA)JIS Z 3284-3:2024「ソルダペースト―第3部:印刷性,粘度特性,だれ及び粘着性試験」(規格票の閲覧用プレビュー) — webdesk.jsa.or.jp
  3. 日本規格協会(JSA)JIS Z 3284-4:2014「ソルダペースト―第4部:ぬれ性,ソルダボール及び広がり試験」(規格票の閲覧用プレビュー) — webdesk.jsa.or.jp
  4. Tony Lentz(FCT Assembly)“Size Matters - The Effects of Solder Powder Size on Solder Paste Performance” SMTA会議論文(PDFには発行年の記載がなく、引用文献は2017年まで) — smtnet.com
  5. Indium CorporationIndium10.1 Pb-Free Solder Paste, Product Data Sheet, Form No. 98881 R7(2022年版) — indium.com
  6. Indium CorporationIndium6.5R Water-Soluble SnPb Solder Paste, Product Data Sheet, Form No. 100151 (A4) R2(2025年版) — indium.com
  7. HenkelMark Currie “Temperature Stable Solder Paste Transforming Industry Mindset”(LOCTITE GC 10に関する白書。企業の主張を含む) — dm.henkel-dam.com
  8. Henkel AG & Co. KGaA(出願人)特許 US9511453B2「Solder paste composition, a solder paste and a soldering flux」(2016年12月6日公開) — patents.google.com
  9. HenkelTechnical Data Sheet LOCTITE ECI 1010, April 2025 — datasheets.tdx.henkel.com
  10. HenkelTechnical Data Sheet LOCTITE ABLESTIK 2815A, April-2014 — datasheets.tdx.henkel.com
  11. HenkelTechnical Data Sheet LOCTITE EDAG PF 455B, November 2025 — datasheets.tdx.henkel.com
  12. 浦島航介(日立化成)「低温導体化銅ペースト」日立化成テクニカルレポート No.58, p.30-31, 2015年12月 — resonac.com
  13. 竹内雅記、上野史貴(日立化成)「遷移的液相焼結法(TLPS)金属ペースト「HT」シリーズ」日立化成テクニカルレポート No.60, p.33-34, 2017年12月 — resonac.com
  14. レゾナック「焼結銀を上回る信頼性!熱伝導率300W/(m・K) の焼結銅接合ペースト」更新日 2023年12月13日 — resonac.com
  15. AIM SolderTechnical Data Sheet「SAC305 (Sn/Ag3.0/Cu0.5)」バーはんだ(比重 約7.38、融解温度217〜218℃)。RS Componentsが掲載した版 — assets.rs-online.com
  16. AIM SolderTechnical Data Sheet「SAC305 Lead-Free Solder Alloy」(固相線217℃、液相線220℃)。TestEquityが掲載した版 — assets.testequity.com

17. 主張と出典の対応表(監査)

本文の主張根拠区分
IPC J-STD-005B(2024年3月版)の適用範囲(はんだペーストの特性評価と試験の一般要求。材料の品質管理文書であり、組立工程での性能と直接関係づけない)。粉末は形と粒度分布で分類されること、フラックスはJ-STD-004、合金はJ-STD-006にもとづくこと。粘度・スランプ・ソルダボール・タック・ぬれの試験項目。Type 1〜6と、Type 7・8の粉末の項があること出典1 https://www.ipc.org/TOC/IPC-J-STD-005B-TOC.pdf事実
JIS Z 3284-3:2024の題名、IEC 61189-5-3:2015を基にした修正規格であること、印刷性・粘度特性・印刷時のだれ・加熱時のだれ・粘着性の試験を規定すること。JIS Z 3284規格群の4つの部の題名出典2 https://webdesk.jsa.or.jp/preview/pre_jis_z_03284_003_000_2024_j_ed10_ch.pdf事実
JIS Z 3284-4:2014の題名(ぬれ性、ソルダボール及び広がり試験)と制定出典3 https://webdesk.jsa.or.jp/preview/pre_jis_z_03284_004_000_2014_j_ed10_ch.pdf事実
粉末区分Type 3〜6の粒径の表(IPC J-STD-005A Table 3-2の転載)。表面積の表(1 kgあたり22.9・27.7・40.2・80.3 m²)、5ボールルールによる最小開口(9・7.5・5・3 mil)、IPC-7525の目安(アスペクト比1.5超、面積比0.66超)、各Typeの用途。試験した金属含有率(88.5・88.3・88.0・87.5%)、ROL0とORH1のフラックス、転写効率5〜60%、スランプ(25℃と180℃)・ソルダボールの結果、8→24時間の転写効率の低下、水溶性でのボイドの増加、保存・加熱エージングの結果、フラックスが酸化物を除去すること、各試験の方法出典4 https://www.smtnet.com/library/files/upload/Effects-of-solder-powder-size-on-paste.pdf事実
Indium10.1のデータシート:粘度1,450ポアズ(SAC305 Type 4.5)、フラックス分類ROL1、金属含有率(Type 3で88.75%、Type 4/4.5で88.5%)、保管(冷蔵12か月、室温30日、2時間以上の解凍)、印刷条件(玉の大きさ、速度、圧力、版離れ速度、裏面拭き取り、ステンシル寿命18時間)、開口の設計、SAC305のリフロープロファイル(昇温、ソーク、TAL、ピーク、冷却、雰囲気)出典5 https://www.indium.com/wp-content/uploads/2025/03/Indium10.1-Pb-Free-Solder-Paste-PDS-98881-R7-1.pdf事実
Indium6.5R:10℃未満で暫定6か月の保存期間、作業環境23〜28℃・25〜50%RH、2時間以上の解凍出典6 https://www.indium.com/wp-content/uploads/2025/01/Indium6.5R-Water-Soluble-SnPb-Solder-Paste-PDS-100151-A4-R2.pdf事実
LOCTITE GC 10:26.5℃で1年・40℃までで1か月の温度安定性、放置可能時間が一般に1〜4時間のところ最大24時間、起動時間ゼロ(企業の主張。顧客の声を含む白書)出典7 https://dm.henkel-dam.com/is/content/henkel/whitepaper-loctite-gc10-temperature-stable-solder-paste事実
フラックスが一般に樹脂・チキソ剤・活性剤・溶剤からなること。活性剤が保管中に合金粉末と相互作用して、ペーストのレオロジーなどに影響し保存安定性を下げうること出典8 https://patents.google.com/patent/US9511453B2/en事実
LOCTITE ECI 1010の数値(固形分62 wt%、密度2.1 g/mL、粘度6,400 mPa·s(1.5 1/s)、チキソ指数1.6、理論被覆面積10.6 m²/kg、シート抵抗0.0057 Ω/sq(25 μm)、折り曲げ後の抵抗上昇14%、乾燥120℃・15分、使用温度の上限100℃、スクリーン条件、保管2〜8℃・365日)出典9 https://datasheets.tdx.henkel.com/LOCTITE-ECI-1010-EC-en_GL.pdf事実
LOCTITE ABLESTIK 2815Aの数値(チキソ指数5.6、粘度8,000 mPa·s(5 rpm)、作業可能時間24時間、−40℃保管365日、硬化条件、熱伝導率20 W/(m·K)、体積抵抗率0.00004 Ω·cm、ガラス転移点63℃、ダイシェア強度、塗布量とパターン、解凍の手順、銀と樹脂の分離)出典10 https://datasheets.tdx.henkel.com/LOCTITE-ABLESTIK-2815A-en_GL.pdf事実
LOCTITE EDAG PF 455Bの数値(アクリレート、UV硬化、固形分100%、粘度14,000 mPa·s、密度1.02 g/cm³、理論被覆面積98 m²/kg、スクリーンと膜厚、2回印刷と0.5 J/cm²、絶縁破壊電圧2,700 V超、密着5B、鉛筆硬度B、保管5〜25℃・1年)、銀マイグレーションのリスクを減らしたクロスオーバー用であること出典11 https://datasheets.tdx.henkel.com/LOCTITE-EDAG-PF-455B-EC-en_GL.pdf事実
低温導体化銅ペースト:導電ペーストは銀が主流で、地金価格とイオンマイグレーションの懸念から適用が限られること。140℃・1時間・窒素・減圧で体積抵抗率17 μΩ·cm、膜厚1〜5 μm、粒子径100〜200 nm、小径粒子の膜は約1000 μΩ·cm、酸化と表面積についての記述出典12 https://www.resonac.com/sites/default/files/2022-12/pdf-rd-report-058-58_tr09.pdf事実
TLPS金属ペースト「HT」シリーズ:構成(銅粒子・スズ合金粒子・熱可塑性ポリイミド)、再溶融温度400℃超、HT-610S・SAC305・焼結銀ペーストの比較表(接合条件、熱膨張係数、弾性率、電気抵抗率、熱伝導率、温度サイクル、セルフアライメント)、はんだの制約の整理出典13 https://www.resonac.com/sites/default/files/2022-12/pdf-rd-report-060-60_tr09.pdf事実
焼結銅接合ペースト:熱伝導率300 W/(m·K)、高鉛はんだ30 W/(m·K)、パワーサイクル試験(Tj,max=175℃)での特性寿命の比較、ダイボンド用(5〜13 mm角)と大面積用(30〜50 mm角、開発品)、データは代表値で保証値ではないこと出典14 https://www.resonac.com/jp/solution/sinteredcopperpaste.html事実
SAC305の比重(約7.38)出典15 https://assets.rs-online.com/v1698743570/Datasheets/ec84ed6151a113af47e2746fced2b352.pdf事実
SAC305の固相線217℃・液相線220℃出典16 https://assets.testequity.com/te1/Documents/AIM_SAC305_TDS.pdf事実
低温導体化銅ペーストの量産状況(開発品の報告であり、製品化・量産の確認なし)出典12 https://www.resonac.com/sites/default/files/2022-12/pdf-rd-report-058-58_tr09.pdf未確定/将来
1ポアズ=0.1 Pa·sの換算(1,450ポアズ=145,000 mPa·s)。チキソ指数5.6から0.5 rpmの粘度約44,800 mPa·sへの推定。スキージ付近のせん断速度約390〜790 1/s本稿の計算。チキソ指数は低回転側÷高回転側と仮定した。せん断速度は「印刷速度50〜100 mm/sを版の厚さ0.127 mmで割った」粗い推定で、実測値ではない本稿の計算
面積比=一辺÷(4×版厚)、0.50の例、面積比0.66超に必要な版厚約0.096 mm。5ボールルールの開口の目安(225・190・125・75 μm)本稿の計算。正方形の開口を仮定した。5ボールルールは、主な粒径範囲の上限の5倍とした本稿の計算
シート抵抗0.0057 Ω/sq・25 μmから体積抵抗率約14 μΩ·cmへの換算、2815Aの40 μΩ·cm、銅ペースト膜の約60倍(1000÷17)。ECI 1010の乾燥膜の平均密度約5.9 g/cm³と、銀が質量で約9割・体積で約5割という推定本稿の計算。最後の推定は銀約10.5 g/cm³・樹脂1.2 g/cm³という本稿の仮定にもとづく。製品ごとに固め方・測定法が違うため優劣は示さない本稿の計算
金属含有率88.5 wt%を体積分率に直した約51〜53%本稿の計算。SAC305の比重7.38(出典15)と、フラックスの密度1.0〜1.1 g/cm³(本稿の仮定)にもとづく本稿の計算
球モデルによる1 kgあたりの表面積(23.2・28.0・40.7・81.3 m²)と、論文の値との約1〜1.3%の差本稿の計算。6÷(密度×粒径)、密度7.38 g/cm³、粒径は主な範囲の中央値(35・29・20・10 μm)本稿の計算
リフロー曲線の描画(昇温1.25℃/秒、ソーク150℃で40秒、液相線超え約48秒、ピーク245℃、冷却3℃/秒、全体で約309秒)本稿の計算・作図。出典5の推奨範囲に入るよう本稿が描いた例で、実在の炉の記録ではない本稿の計算
PF 455Bの被覆面積の検算(98 m²/kg)と、絶縁耐力108 V/μm超本稿の計算。固形分100%・密度1.02 g/cm³・25 μm・2,700 Vというデータシートの値から導出本稿の計算
チキソ指数の定義、Indium10.1の粘度の測定条件、高せん断側の粘度、フラックスの配合比、焼結ペーストの接合条件、規格本文の詳細な試験条件本稿が参照した公開資料では確認できなかったため、記載していない解説
ペーストを「粒子+ビヒクル」と捉える整理と、導電・はんだ・焼結・絶縁の4種類への分類。印刷に3つの時間スケール(止まる・流れる・戻る)があるという整理。導電は粒子の接触の網で決まるという読み取り。微粉化が印刷性と保存性のトレードオフであるという読み取り。フラックスも粉末に合わせて設計し直す必要があるという解釈公表内容にもとづく本記事の整理・解説。各社・各機関が表明した見解ではない解説
ヒーロー画像と図1がAI生成イメージであり、図2〜図7が説明のための作図であること本記事による注記解説

最終更新:2026年10月3日/出典は一次情報(規格団体・標準化機関の公式ページ、メーカーの公式データシート・技術報告、論文)に限定しています。 構造の整理や材料設計上の読み取りを含むため、それらは「解説」として出典付きの事実と区別しています。 データシートの値はメーカー公称で、製品グレード・試験条件が異なる値を並べて優劣を論じていません。 チキソ指数の定義、Indium10.1の粘度の測定条件、高せん断側の粘度、フラックスの配合比、焼結ペーストの接合条件、銅ペーストの量産状況、規格本文の詳細な試験条件については、公開された一次情報で確認できなかったため記載していません。 ヒーロー画像と図1はAI生成イメージ、図2〜図7はベクター作図(図3〜図6は本稿の計算を含む)であり、いずれも実際の顕微鏡像・製品の実物を示すものではありません。