COMPANY PROFILE / 接着・封止材
シーカ
― 建設化学の総合メーカーが、接着剤・シーラントを成長の柱に据え、トルコのAkkimを買収した
Sika AGはスイスの建設化学・工業材料の大手で、コンクリート混和剤、防水、屋根、床材といった事業のなかに接着剤とシーラントを持っています。 建設現場の目地シーリングや弾性接着から、自動車の窓ガラス接着・車体の構造接着までを手がけ、 1980年代にSikaflexで自動車分野に入ったと会社は書いています。 2026年2月には、トルコの接着剤・シーラント大手Akkimの買収を発表し、9月3日に完了しました。 本稿は、会社が公表する年次報告書・半期報告書・ニュースリリース・技術データシートを一次情報として、 接着・封止材の会社としてSikaが何を作り、何にどれだけ投じ、どこと組んでいるかを整理します。 なお、接着・封止材だけの売上は公表されていません。
- 30秒でわかるSikaと、接着・封止材での立ち位置
- ロゴと社名の表記について
- 接着・封止材の世界で、この会社はどこにいるか
- 会社の規模
- 接着・封止材にかけているリソース
- これまでの取り組み
- 今後の計画
- この会社は接着・封止材で何を目指しているか
- 接着・封止材分野の提携マッピング
- 提供している技術・製品・サービス
- この企業が抱えるリスク
- 用語集/出典/主張と出典の対応表
1. 30秒でわかるシーカと、接着・封止材での立ち位置
(ツーク州)年次報告書の所在地表記はBaar
(チューリヒ)登録株式160,479,293株
構造接着・自動車PU・SMP・エポキシ・シリコーンなど
2026年9月3日2025年の売上は約CHF 220百万の接着剤・シーラント会社
接着・封止材の会社は、大きく総合接着剤・化学メーカー/半導体・電子材料メーカー/UV硬化・特殊用途メーカーに分かれます。 Sikaの主たる姿は総合接着剤・化学メーカーです 本稿の計算。 ただし、HenkelやH.B. Fullerのように接着剤が事業の中心にあるのではなく、 建設化学(コンクリート混和剤、防水、屋根、仕上げ材、床材、補修)のなかに接着剤・シーラントがある会社です 事実。 会社は8つの「対象市場」を挙げ、接着剤・シーラントは「Sealing & Bonding」(建設向け)と「Industry」(自動車・工業向け)にまたがりますが、 これらだけの売上は公表されていません 未確定/将来。 このため本稿は、会社全体の数字と、接着・封止材に関わる事実(買収、研究開発、製品ブランド、公称値)を分けて書きます。
2. ロゴと社名の表記について

表記の注意:親会社は Sika AG(スイスの株式会社)で、日本ではシーカ・ジャパン株式会社が事業を行っています。 ロゴ画像は、同社の公式サイトのヘッダーで使われているものを取得して設置しています。 会社は1910年にKaspar Winklerが防水混和剤「Sika-1」を発明して創業した、と沿革ページに書いています。 製品名の Sikaflex、SikaBond、SikaPower、Sikasil などは商標で、ブランド名として本稿に出てきます。
公式サイト:https://www.sika.com/en/3. 接着・封止材の世界で、この会社はどこにいるか
Sikaは自社を、建築・自動車産業における接着・シール・制振・補強・保護の技術の会社と説明しています 事実。 対象市場の数は、本社の説明が「8つ」、工業向けサイトの説明が「7つのうちの1つ」と書いており、資料によって食い違います。 年次報告書は8つの名前(Concrete、Waterproofing、Roofing、Building Finishing、Flooring、Sealing & Bonding、Engineered Refurbishment、Industry)を挙げ、 Industryの中に自動車(Automotive)を含めています。
4. 会社の規模
大企業のため、会社全体の売上・従業員を簡潔に示し、接着・封止材に近い事業の数値を別に示します 事実。会計年度は暦年(1〜12月)です。
| 指標(百万スイスフラン) | 2024年 | 2025年 | 2026年1〜6月 |
|---|---|---|---|
| 売上 | 11,763.1 | 11,201.3 | 5,589.8 |
| 前年比(現地通貨) | 本稿では未確認 | +0.6% | +4.0% |
| EBITDA | 2,269.5 | 2,064.7 | 1,063.0 |
| EBITDA率 | 約19.3%(本稿の計算) | 18.4% | 19.0% |
| 純利益 | 1,247.6 | 1,045.3 | 552.1 |
| 研究開発費(売上比) | 278.1(2.4%) | 280.8(2.5%) | 半期は記載なし |
| 設備投資(有形・無形) | 359 | 375(3.4%) | 192.4(3.4%) |
| 従業員(人、期末) | 34,476 | 33,707 | 33,856 |
| 2025年の売上の内訳(百万スイスフラン) | 金額 | 前年比(現地通貨) |
|---|---|---|
| 建設向け製品 | 9,555.0 | +0.5% |
| 工業製造向け製品(自動車・商用車・再エネ・家電・窓・ファサードなど) | 1,646.3 | +1.4% |
| EMEA | 5,028.9 | +2.2% |
| 南北アメリカ | 3,878.8 | +2.2% |
| アジア太平洋 | 2,293.6 | -5.3% |
上の数字は会社全体のものです。接着剤・シーラント(建設向けのSealing & Bonding、自動車・工業向け)だけの売上・利益は公表されていません 未確定/将来。 また、会社の年次報告書には市場規模に関する数字(「建設化学と工業材料の市場は1,100億スイスフラン超」など)がありますが、 これは調査会社のデータを引いたものなので、本稿では採用しません。 2025年は、為替の影響(スイスフラン高で -5.4%)と、中国の建設事業の2桁減などで、スイスフランでの売上が減りました。 売上の増減を読むときは、スイスフラン建てと現地通貨建てを区別してください。
5. 接着・封止材にかけているリソース
4点(人・金・外部への出資・買収・大学や公的機関との連携)を、会社全体の数字と接着・封止材の具体例に分けて表にします。
| リソースの種類 | 内容 | 区分 |
|---|---|---|
| 人(研究開発) | 研究開発の人員1,841人、世界に16のグローバル・テクノロジーセンター、現地研究所は100超(2025年の報告書と研究開発のページ)。接着・封止材に限った人員は非公表 | 事実(接着分は非公表) |
| 金(研究開発) | 研究開発費はCHF 280.8百万で売上の2.5%(2025年、会社全体)。接着・封止材だけの金額は非公表 | 事実 |
| 金(設備投資) | 2025年の投資額はCHF 375百万(売上の3.4%)。内訳は能力増強41%、既存設備の保守・更新28%、合理化・効率化・デジタル化24%、環境・安全・品質7%。2026年上期は7つの新工場への投資。接着・封止材向けの例:蘇州の既存工場を拡張し、高粘度ポリウレタンの接着・シール製品(自動車・建設・工業向け)に特化(2025年6月) | 事実(接着分の金額は非公表) |
| 外部への出資・買収・合弁・事業売却 | Akkim(トルコの接着剤・シーラント。2026年2月13日に買収で合意、9月3日に完了。2025年の売上は約CHF 220百万。買収額は公表資料に記載なし)。ほかに2023年5月にMBCC(建設化学)、2025年にElmich、Cromar、HPS North America、GAF、Marlon、Gulf Seal、2026年2月にFinja(モルタル。買収額は約CHF 130百万)。上に挙げた買収のうち、接着剤・シーラントを主とするのはAkkimだけ | 事実 |
| 大学・研究機関・公的資金 | 接着技術の共同委員会GAK(ドイツ)に25年以上関わり、2019年からパーダーボルン大学LWFの研究プロジェクト(車載電池ケース、オフロード機械、基礎研究)に参加し、Sikaの接着剤・シーラントが試験された。ほかにETH Zurichの「Living Lab HIL」への資金提供(2026〜2028年)、スイスの研究助成機関Innosuisseとの協力(建設分野)。年次報告書に政府の支援(CHF 6.8百万、会社全体)の記載 | 事実 |
Sikaの研究開発費の比率(2.5%)は、専業メーカーの数字(本シリーズのDELOは約15%)とは桁が違って見えます。 ただし、Sikaの売上の大半はコンクリート混和剤・防水・モルタルなどの建設材料で、 これらは少量の特殊配合で現場の性能を出す材料なので、比率だけで開発の厚みを比べることはできません 未確定/将来。 数字から言えるのは、1,841人の研究開発人員、1,572の特許ファミリー、5,430の各国特許という研究開発の規模と、 接着剤が「数十年にわたる中核事業」で、弾性・構造接着剤とシーラントの技術リーダーだと会社が説明していることです 事実。
6. これまでの取り組み
| 時期 | できごと | 意味 |
|---|---|---|
| 1910年 | Kaspar WinklerがスイスでSika-1(セメントの防水混和剤)を発明し、創業。ゴッタルド鉄道トンネルの防水に使われた | 建設化学が原点 |
| 1980年代 | 接着剤Sikaflexで自動車産業に参入。沿革ページの写真説明に「1980年代後半のBMW 7シリーズのフロントガラス」 | 建設化学から離れた最初の大きな分野 |
| 2000年 | 接着・シール・制振・補強・保護の5つを中核技術として整理 | 「基礎から屋根まで」の方針 |
| 2023年5月 | MBCCの買収を完了(同社の歴史で最大) | 建設化学の拡大。統合は2025年も継続 |
| 2025年 | 効率化・投資プログラム「Fast Forward」を開始。6社を買収(接着剤が中心ではない)。蘇州の高粘度PU工場を拡張 | 組織の効率化と、接着・シール製品の生産能力の増強 |
| 2026年2月 | Finja(スウェーデンのモルタル)を買収。2月13日にAkkimの買収で合意 | 接着・シーラントの品揃えと生産能力の拡大へ |
| 2026年9月3日 | Akkimの買収を完了 | 接着剤・シーラント事業の地理的な拡大 |
7. 今後の計画
(市場を上回る)現地通貨。EBITDA率20〜23%を目標
の効果2028年に全面効果。2026年は約CHF 80百万
EBITDA率19.0〜19.5%2026年上期の報告書で引き上げ
製造・輸出拠点トルコとルーマニアに2工場。トルコに追加の大規模拠点を計画
これらはすべて会社の目標・見通しであり、達成された事実ではありません 未確定/将来。 Strategy 2028は、市場浸透・技術革新とサステナビリティ・買収・人材の4本柱で、買収は「補完的な技術と市場へのアクセス、販路の拡大」の手段と位置づけられています。 Akkimの発表は、Strategy 2028が接着剤・シーラント事業の拡大と、その分野での販路の強化に重点を置くと書いています。
次はいずれも公開資料に記載がありません 未確定/将来。
接着剤・シーラントだけの売上と利益/Akkimの買収額と、買収後の売上への寄与/接着・封止材の売上の中期目標/ 自動車向けの接着剤の売上比率/主要顧客の名前と売上比率(自動車メーカーの名は、沿革の写真説明に出るBMWを除いて挙がっていません)。
8. この会社は接着・封止材で何を目指しているか
ここは会社が直接には述べていない部分を含みます。一次情報から読み取れる範囲の推測として、根拠とともに書きます。
| 読み取れること | 根拠となる一次情報 | 区分 |
|---|---|---|
| 接着剤・シーラントを、流通チャネル(ディストリビューター、小売、EC)を通じて売る商品へ広げようとしている | Akkimの発表が「流通チャネル向けの接着剤・シーラントの生産・輸出拠点」「流通・小売・eコマース事業の拡大」と書く。2026年上期の報告書も、EMEAでDIY・オンラインが好調と記載 | 事実(方向性の読みは推測) |
| 東欧・中央アジア・中東・北アフリカを、接着剤の次の成長地域とみている | Akkimの販路が東欧、中央アジア、中東、北アフリカに集中していると会社が説明 | 事実 |
| 買収で接着剤の品揃えと生産能力を、自社開発より速く増やす | Akkimが「独自配合を持つ研究開発チーム」と「2つの大規模工場」を持つと説明。Strategy 2028で買収を柱の一つとする | 推測 |
| 建設では、補修(リファービッシュメント)の需要が接着・シールの安定した需要になる | 年次報告書は、建設関連の売上の約55%が補修(成熟市場では約70%)と書く。建設用接着剤のページは、弾性接着剤が機械的な固定より応力を分散し、速く安全に施工できると説明 | 事実(需要の安定性は推測) |
| 自動車では、軽量化と低エネルギーの工程に合う接着剤を軸にする | 年次報告書が、低温硬化(ローベーク)の接着剤、水系の活性化剤、構造インサートを挙げる。剥離(デボンディング)できる接着剤で分離・リサイクルを助ける、とも書く | 事実(戦略上の位置づけは推測) |
Akkimの2025年の売上は約CHF 220百万で、Sika全体(CHF 11,201.3百万)の約2%です 本稿の計算。 金額としては小さい買収ですが、会社の説明は金額ではなく「販路」と「生産・輸出拠点」を強調しています 事実。 Sikaの接着剤はこれまで、現場の職人や工業メーカーに技術提案をして売る色が強いと考えられますが、 Akkimは流通網を通じて幅広い建設用の接着剤・シーラントを売る会社です。 ここから、Sikaは専門職向けのプロジェクト型の販売から、流通・小売・ECの商品型へ、接着剤の売り方を広げようとしていると本稿は読みます 未確定/将来。 ただし、Sikaの現在の販売チャネル別の売上は公表されていないため、どこまで比重を移すのかは分かりません。
9. 接着・封止材分野の提携マッピング
10. 提供している技術・製品・サービス
Sikaの工業向けの接着・シール製品は、化学の系統ごとのブランドに分かれています 事実。 会社は、接着・シール・制振・補強・保護を5つの中核技術と位置づけ、 接着で「溶接・ネジ・ボルト・釘を置き換え、シールや制振、表面の凹凸の吸収などの機能を同時に足せる」と説明しています。
| ブランド | 会社の説明(要旨) |
|---|---|
| Sikaflex | 1液のポリウレタンとシラン末端ポリマー(SMP)の接着剤・シーラント。ガラス接着、シール、接着、ベッディング、コーキングなど。用途に合わせて力学特性を変えられる |
| SikaTack | 1液のポリウレタン接着剤。自動車の窓ガラス交換、ダイレクトグレージング、ファサードのパネル接着 |
| Sikasil | 1液・2液のシリコーン接着剤。ガラス、塗装金属、プラスチック、木材への接着。高い耐UV性と温度安定性を要する自動化工程向け |
| SikaPower | エポキシ接着剤。金属・複合材の接着で、高い静荷重と衝撃・疲労への耐性を要する場面 |
| SikaForce/SikaFast | 2液ポリウレタン接着剤(パネル・複合材・車両)/速硬化のアクリル系構造接着剤 |
| SikaMelt/SikaLastomer/SikaSeal | ホットメルト(工業ラミネート)/ブチルテープとシーラント/車両組立のマスチックと防振接着 |
| SikaBiresin RE | 電子部品のポッティング・封止用のポリウレタン・エポキシ樹脂。鉛フリーはんだ工程の温度に耐える。会社は「年1,000万個超のエアバッグセンサーの封止」「年1億個超の車載コネクタの保護」と説明(会社の説明であり、本稿では検証していない) |
建設向けでは、弾性接着(ビードや点状に塗って厚い層を作り、応力を分散する)と、剛性接着(面に塗って強固に固定する)、目地シーリング(動きを許しつつ水・空気・熱・蒸気を通さない)を提供しています。 目地シーラントでは、VOC、フタル酸エステル、錫触媒、イソシアネートが、地域の規制やグリーンビルディングの要件によって問題になりうる、と会社は書いています。
代表例として、1液ポリウレタンの汎用の接着シーラントSikaflex-221の技術データシート(2026年3月版)から、メーカー公称値を示します。
| 項目 | メーカー公称(Sikaflex-221) | 試験法・条件 |
|---|---|---|
| 化学系・硬化 | 1液ポリウレタン、湿気硬化 | ― |
| 表面硬化までの時間(皮張り) | 60分 | CQP019-1、23℃/50%RH |
| ショアA硬度 | 40 | CQP023-1/ISO 48-4 |
| 引張強さ | 1.8MPa | CQP036-1/ISO 527 |
| 破断伸び | 500% | CQP036-1/ISO 527 |
| 引裂伝播抵抗 | 7N/mm | CQP045-1/ISO 34 |
| 使用温度 | -50〜90℃(連続)、120℃(24時間)、140℃(1時間) | CQP513-1 |
| 貯蔵期間 | 12か月 | CQP016-1、25℃未満で保管 |
Sikaflex-221の公称値は、ショアA 40・引張強さ1.8MPaと、構造用の硬い接着剤に比べて低い一方で、破断伸び500%という大きな伸びを持ちます 事実。 建築や車両で、異なる材料が温度や湿度で別々に伸び縮みするとき、接着層が柔らかく伸びて応力を逃がすことで、接合部が壊れにくくなります(一般的な説明)。 会社の建設用接着剤のページも、弾性接着剤は機械的な固定より荷重を広い面で均一に分散し、厚い接着層が応力の補正と伝達に役立つと説明しています。 湿気硬化のポリウレタンは、空気中の水分と反応して固まるため、データシートは低温では空気の水分が少なく硬化がやや遅くなることと、 実際の基材で接着と材料の適合性を試験することを求めています。 反応にイソシアネートを使うポリウレタンに対し、会社はシラン末端ポリマー(SMP)の技術も同じSikaflexブランドで提供しており、 どちらを選ぶかは、強さ、硬化速度、規制(イソシアネートの扱い)、表面処理の違いで決まります(一般的な説明)。 本稿は製品の優劣を扱いません。値はどの試験法・どの条件で得られたかとセットで読んでください。 本シリーズの技術解説「接着剤」「ポリウレタンとエラストマー」「シリコーン」「接着強度試験」「車載用シリコーンと封止材」も参照してください。
11. この企業が抱えるリスク
| リスク | 内容 | 区分 |
|---|---|---|
| 建設市況・中国 | 建設向けが売上の約85% 本稿の計算。2025年は中国の建設事業が2桁減で、アジア太平洋の売上が現地通貨で -5.3%。2026年上期も中国の住宅の弱さが続くと説明 | 事実 |
| 為替 | スイスフラン建ての売上は、2025年に為替で -5.4%、2026年上期に -5.5% | 事実 |
| 原料・調達 | 製品の原料の一部(ポリマー、樹脂など)は原油由来で、調達費が変動する。2025年の原料費はCHF 5,048百万 | 事実 |
| 化学品規制 | 2025年にPFASを含む製品は売上の0.4%、EUのSVHC候補リストの物質を0.1重量%超含む製品は売上の5.7%。MBCCの製品群の評価は継続中。PFASを含まない配合への切り替えが複数進行中と記載 | 事実 |
| 買収の統合 | MBCCの統合が2025年も継続中で、Strategy 2028のEBITDA率・ROCEの目標は「MBCCのシナジーが出たあと」と条件が付く。Akkimの統合はこれから | 事実(統合の成否は未確定) |
| 接着・封止材の透明性 | 接着剤・シーラントだけの売上・利益が非公表で、買収の効果を外部から確かめにくい。Akkimの買収額も公表資料に記載なし | 事実 |
| 資料の記述の不一致 | グローバル・テクノロジーセンターの数が、研究開発ページでは16、沿革ページでは21。対象市場の数が8と7で食い違う | 事実 |
12. 用語集
- 弾性接着
- ビードや点状に塗って厚い接着層を作り、荷重を分散して応力を逃がす接着。
- 剛性接着(構造接着)
- 面に塗って強固に固定する接着。静荷重や衝撃に強い。
- シーラント
- 目地や隙間をふさぎ、水・空気・熱を通さない材料。弾性接着剤はシーラントの性質も持つ。
- 1液ポリウレタン
- 空気中の水分と反応して固まる接着剤。混合が要らない。
- SMP(シラン末端ポリマー)
- イソシアネートを使わない湿気硬化型のポリマー。Sikaflexの一部の系で使われる。
- ショアA硬度
- ゴムの硬さの目安。数値が大きいほど硬い。
- デボンディング(剥離)
- 接着した部材を、後から分離できるようにする設計。リサイクルや修理を助ける。
- EBITDA
- 税引前・利払前・償却前の利益。事業の稼ぐ力を見る指標。
- 現地通貨ベースの成長
- 為替の影響を除いた売上の増減。
- PFAS
- 有機フッ素化合物の総称。規制が各国で議論されている。
- SVHC
- EUのREACH規則で候補リストに載る、高い懸念のある物質。
- MBCC
- Sikaが2023年5月に買収した建設化学の会社グループ。

13. 出典
- Sika AG Annual Report 2025(2026年公表、PDF)。売上・EBITDA・純利益、地域別・事業別売上、研究開発費、従業員数、特許、設備投資、Strategy 2028、Fast Forward、買収、PFAS・SVHCの開示、剥離可能な接着剤など。 https://www.sika.com/dam/dms/corporate/media/glo-ar-25-annual-report.pdf
- Sika AG Half-Year Report 2026(PDF)。2026年1〜6月の売上・EBITDA・純利益・従業員数・設備投資、買収と新工場、2026年の見通し。 https://www.sika.com/dam/dms/corporate/media/glo-hyr-26-half-year-report.pdf
- Sika AG ニュースリリース「Sika to acquire Akkim: Marking a major step in accelerating global expansion in adhesives and sealants」(2026年2月13日)。 https://www.sika.com/en/media/media-releases/2026/sika-to-acquire-akkim.html
- Sika AG ニュースリリース「Sika closes acquisition of Akkim – Accelerating global expansion in adhesives and sealants」(2026年9月3日)。 https://www.sika.com/en/media/media-releases/2026/sika-closes-acquisition-of-akkim.html
- Sika AG Research & Development(研究開発の体制:16のグローバル・テクノロジーセンター、研究開発人員1,841人、特許、接着剤・シーラントの位置づけ、自動車への採用の説明)。 https://www.sika.com/en/sustainability/innovation/research-development.html
- Sika AG Universities(大学・研究機関との協力、ETH Zurichの「Living Lab HIL」への資金提供)。 https://www.sika.com/en/sustainability/innovation/research-development/partnerships/universities.html
- Sika AG Joining Technologies(接着技術の共同委員会GAK、パーダーボルン大学LWFとの研究プロジェクト)。 https://www.sika.com/en/sustainability/innovation/research-development/partnerships/joining-technologies.html
- Sika Industry Technologies and Brands(Sikaflex、SikaTack、Sikasil、SikaMelt、SikaFast、SikaForce、SikaSeal、SikaPowerなど工業向けブランドの説明)。 https://industry.sika.com/en/home/about-industry/technologies-brand.html
- Sika Industry Core Competencies(接着・シール・制振・補強・保護の5つの中核技術、Industryの市場)。 https://industry.sika.com/en/home/about-industry/core-competencies.html
- Sika Industry Electronic Potting and Casting(SikaBiresin REの電子部品向けポッティング・封止材)。 https://industry.sika.com/en/home/advanced-resins/electronic-pottingandcasting.html
- Sika Industry Sika Industryのトップページ(工業向け接着剤・シーラント・制振の技術リーダーとの自己説明、対象市場の一覧)。 https://industry.sika.com/en/home.html
- Sika AG Target Markets(建設と自動車・工業にまたがる対象市場の説明)。 https://www.sika.com/en/about-us/organization/target-markets.html
- Sika AG Construction Adhesives(弾性接着剤と剛性接着剤、機械的な固定との比較)。 https://www.sika.com/en/construction/construction-adhesives.html
- Sika AG Joint Sealing(目地シーリングの用途、VOC・フタル酸エステル・錫触媒・イソシアネートに関する説明)。 https://www.sika.com/en/construction/joint-sealing.html
- Sika AG History(1910年創業、1980年代のSikaflexによる自動車事業の開始、2023年5月のMBCC買収)。 https://www.sika.com/en/about-us/who-we-are/history.html
- Sika AG Key Data on Sika Shares and Shareholders(SIX Swiss Exchangeでの上場、株式数)。 https://www.sika.com/en/investors/shares/key-data-on-sika-shares.html
- Sika AG Product Data Sheet Sikaflex-221 Version 05.01(2026年3月、en_GB)。1液ポリウレタン接着・シーラントの公称値。 https://gbr.sika.com/dam/dms/gb01/4/sikaflex-221.pdf
- シーカ・ジャパン 日本法人のメディアリリースページ(日本法人の名称の確認)。 https://jpn.sika.com/ja/media/media-releases/2026.html
14. 主張と出典の対応表
最終更新:2026年10月3日/Troy Technical
本稿の数値は、Sika AGのAnnual Report 2025、Half-Year Report 2026、公式サイトのページ、2026年のニュースリリース、製品データシートに基づきます。会社の年次報告書にある市場規模の数字は調査会社のデータを引いたものなので使用せず、調査会社の推計値・報道ベースの数値は使用していません。製品の性能値は会社が公表した値(メーカー公称)です。「推測」と記した箇所は、一次情報から本稿が読み取った解釈であり、会社の公表内容ではありません。