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H.B.フラー 企業解説

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COMPANY PROFILE / 接着・封止材

H.B.フラー
― 「接着剤専業」の世界大手。電子・封止は、工業用接着剤の一分野として手がけている

H.B. Fullerは1887年創業の米国の接着剤メーカーで、同社自身が「世界最大の接着剤ピュアプレイ企業」と称しています。 2025会計年度の売上はUS$3,473.6 million。ただし、売上の45%はおむつなどの衛生用品と包装向け、25%は建設向けで、 本稿のテーマである電子材料の封止・接着を含むのは、売上の約3割のEngineering Adhesives事業の中の一分野にとどまります。 本稿では、同社の中で電子・封止がどこにあり、何を確認でき、何を確認できなかったかに絞って整理します。

構成:H.B. Fuller が米国SECに提出した2025会計年度 Form 10-K(2026年1月22日提出)と2026年第3四半期 Form 10-Q(2026年9月24日提出)、同社の公式サイト、2025 Sustainability Report を一次情報として使用/最終更新 2026年10月

この記事でわかること
  1. 30秒でわかるH.B. Fullerと、接着・封止材での立ち位置
  2. ロゴと社名の表記について
  3. 接着・封止材の世界で、この会社はどこにいるか
  4. 会社の規模
  5. 接着・封止材にかけているリソース
  6. これまでの取り組み
  7. 今後の計画
  8. この会社は接着・封止材で何を目指しているか
  9. 接着・封止材分野の提携マッピング
  10. 提供している技術・製品・サービス
  11. この企業が抱えるリスク
  12. 用語集
  13. 出典
  14. 主張と出典の対応表

1. 30秒でわかるH.B.フラーと、接着・封止材での立ち位置

正式名称H.B. Fuller Company1887年創業。ミネソタ州法人(1915年設立)
本社米国ミネソタ州
セントポール
本社と中央研究施設は自社所有(10-K)
上場NYSE: FUL米国上場。10-K・10-Qを提出
この分野での区分総合接着剤・化学
メーカー(主)
電子・封止は事業の一部分。半導体・電子材料の専業ではない
2025会計年度の売上US$3,473.6 million2025年11月29日に終了した会計年度
電子・封止を含む事業Engineering Adhesives
US$1,061.8 million
全社売上の30%。電子単独の売上は非公表
同事業の調整後EBITDAUS$236.0 million
(利益率22.2%)
会社定義の非GAAP指標。2024年度は19.9%
従業員約7,100人44か国。2025年11月29日時点
まず押さえるべき1点

H.B. Fullerは「接着剤の会社」ですが、半導体メーカーの工程に入り込む電子材料メーカーというより、 おむつ・包装・自動車・建材・家電まで幅広く売る総合接着剤メーカーです 事実。 電子・封止は、同社が自社サイトで掲げる用途の一つ(回路基板の保護、アンダーフィル、熱を逃がす材料、EV電池向けなど)であり、 売上の中でどれだけを占めるかは公表されていません 未確定/将来。 一方で、半導体パッケージの封止に使うエポキシモールディング材料(EMC)や異方導電フィルム(ACF)を同社が手がけているかどうかは、 今回確認した公式資料では確認できませんでした。本稿は、同社を「電子・封止の周辺領域にも製品を持つ、総合接着剤メーカー」として読みます。

2. ロゴと社名の表記について

H.B. Fullerのロゴは同社の商標です。本稿では生成画像による再現を行わず、公式サイトから取得したロゴ画像を img/hb_fuller_logo.svg として設置しています。

表記の注意:法人名はH.B. Fuller Companyで、「H.B.」は創業者 Harvey Benjamin Fuller の頭文字です(同社の歴史ページ)。 日本語では「H.B.フラー」と表記されることがありますが、本稿では英字表記に統一します。 日本の合弁会社はSekisui-Fuller Company, Ltd.(同社が50%を保有)で、H.B. Fullerの連結子会社ではなく、持分法で会計処理されています。 また、同社は TONSAN、Thermonex など多数のブランドを持ちます(商標の一部は10-Kに列挙)。 ブランドは「同社の製品群」として扱い、本稿では特定製品の優劣を論じません。

公式サイト:https://www.hbfuller.com/

3. 接着・封止材の世界で、この会社はどこにいるか

接着・封止材に関わる企業の3つの類型 同じ「接着剤の会社」でも、強みと売り先がまったく違う 総合接着剤・化学 半導体・電子材料 UV硬化・特殊用途 幅広い用途の接着剤を世界で売る 半導体メーカーと共同で材料を作る 光で固める・用途に作り込む Henkel/H.B. Fuller Sika/Dow ほか レゾナック/住友ベークライト Indium ほか Dymax/DELO Master Bond ほか 用途の広さと世界の販売網 顧客の工程に合わせた材料開発 硬化条件と用途への作り込み 景気と原料価格に左右される 半導体の需要変動に左右される 規模が小さく顧客が偏りやすい H.B. Fuller は左端の「総合接着剤・化学」。電子・封止は事業の一部分にとどまる 売上の45%は衛生・包装、30%が電子・車載・クリーンエネルギーを含むEngineering Adhesives
図1 接着・封止材に関わる企業の3類型と、H.B. Fullerの位置づけ。区分は本稿によるもので、企業名は本シリーズで扱う企業から例示しています 本稿の計算。H.B. Fuller の売上構成(2025会計年度:衛生・包装系45%、工業用30%、建設25%)は同社の10-Kに基づきます。

H.B. Fullerの主たる類型は総合接着剤・化学メーカーです。従たる類型として、電子・UV硬化の一部の用途に踏み込んでいますが、 半導体・電子材料メーカーやUV硬化・特殊用途メーカーが「主」ではありません。 どの材料・用途が中心かを、同社の資料で確認できた範囲で整理します。

材料・用途H.B. Fullerでの位置づけ確認できた一次情報区分
ホットメルト・包装・衛生用品中心。Hygiene, Health and Consumable Adhesives(売上の45%)10-Kの事業説明(熱可塑性、熱硬化性、反応型、水性、溶剤型)事実
構造接着・工業用接着剤中心。Engineering Adhesives(30%)。反応型、光硬化、2液、ポリウレタン、シリコーン、フィルム、速硬化10-K事実
シーラント・建設・屋根中心。Building Adhesive Solutions(25%)。屋根用の感圧接着剤・テープ・シーラント、断熱・空調向けなど10-K事実
回路基板の保護・封止一部。コンフォーマルコーティング、ポッティング、封止。熱・UV・UV+熱・UV+湿気・湿気硬化(RTV)など公式サイトの用途ページ事実
アンダーフィル・エッジボンド一部。BGA・WLCSP・フリップチップ向けの毛細管アンダーフィルと、フルアンダーフィルの代わりのエッジボンド公式サイトのPCB組立ページ事実
ダイアタッチ・表面実装・熱伝導接着剤一部。同ページでは基板組立向けの接着剤として列挙公式サイトのPCB組立ページ事実
太陽電池の封止材一部。2021年にSTR Holdingsを買収(Engineering Adhesives)。2009年に太陽電池向けシリコーンシーラントの技術センターを設置2021年度10-K、技術センターのページ事実
EV電池向け(接着・シール・TIM)一部。EV Bond、EV Seal、EV Protect、EV Thermなどの製品群公式サイト、2025 Sustainability Report事実
半導体封止材(EMC)・ACF・導電ペースト同社の資料では確認できず―未確定/将来

4. 会社の規模

会社全体の規模を、表1つで簡潔に示します。会計年度は2025年11月29日に終了した年度(2025会計年度)です 事実。金額の単位は米ドルです。

指標(US$ million)2024会計年度2025会計年度
売上(Net revenue)3,568.73,473.6
売上総利益率29.8%31.1%
当期純利益(H.B. Fuller帰属)130.3152.0
調整後EBITDA(会社定義の非GAAP指標)593.9620.7
研究開発費(販管費に含まれる)49.662.2
設備投資(有形固定資産の購入)139.2142.3
営業キャッシュフロー302.4263.5

2024会計年度の売上には、2024年12月2日に売却した北米フローリング事業($156.7 million)が含まれます。 2025会計年度の売上が前年より2.7%減ったのは、主に買収・売却の影響(-2.1%)です。

接着剤・封止材・電子材料に関わる事業セグメントは次のとおりです。2025会計年度の期首に、断熱ガラス・木工・複合材料の各事業を建設系に統合してBuilding Adhesive Solutionsを新設し、 北米フローリング事業を売却する再編を行ったため、前年の数字は遡って組み替えられています 事実。

事業セグメント主な用途(10-Kの説明)2025年度 売上2025年度 調整後EBITDA(利益率)2024年度 売上2024年度 調整後EBITDA(利益率)
Hygiene, Health and Consumable Adhesives包装、紙加工、不織布・衛生用品、医療・美容1,551.8(45%)244.4(15.7%)1,546.5245.8(15.9%)
Engineering Adhesives輸送、電子、クリーンエネルギー、航空宇宙・防衛、繊維、家電、重機1,061.8(30%)236.0(22.2%)1,009.0200.5(19.9%)
Building Adhesive Solutions屋根、インフラ、道路、通信・5G設備、LNG設備、建物外皮、空調断熱、木工、断熱ガラス860.0(25%)134.0(15.6%)856.5133.2(15.6%)

最新の2026会計年度第3四半期(2026年8月29日終了)までの9か月では、会社全体の売上がUS$2,659.3 million(前年同期は2,578.8)、 Engineering AdhesivesはUS$804.4 million(前年同期は785.5、+2.4%)、同事業の調整後EBITDAは178.2(前年同期は170.9)でした 事実。

項目内容(2025年11月29日時点)
従業員約7,100人(44か国。うち米国約2,500人)
工場米国に33工場、ほかの24か国に44工場(合計77工場。本稿の計算)
販売34か国で販売。売上の約56%(約US$2.0 billion)は米国外
原料売上原価の約75%が原料費。粘着付与樹脂、ポリマー、合成ゴム、酢酸ビニルモノマー、可塑剤などで、多くが石油・天然ガス由来
ここで注意

上の数字は会社全体、または事業セグメント全体のものです。 電子・封止だけの売上、利益、研究開発費、設備投資は公表されていません 未確定/将来。 本稿もこれらを推計しません。なお、10-Kの本文は、断熱ガラスと木工がBuilding Adhesive Solutionsに入るとMD&Aで説明する一方、 財務諸表の注記1の事業説明にはEngineering Adhesivesの用途として木工や断熱ガラスが残っています。 本稿はMD&Aの説明(再編後の区分)に従い、この記載の不一致は10-K側のものとして指摘しておきます。 研究開発費の対売上比は、全社で約1.8%(62.2÷3,473.6)です 本稿の計算。

5. 接着・封止材にかけているリソース

電子・封止に絞った投資額・人員は公表されていません。何をどこまで確認できたかを、人・金・外部・大学の4点で整理します。

項目確認できた内容区分
人(研究開発拠点・人員)世界に35の技術センター(2025 Sustainability Report)。顧客と並んで、モビリティ・電子・医療・断熱ガラスなどの高成長市場で開発する。SKUの50%超は個別の顧客向けに調整したもの(同社の説明)。中国・北京のTONSAN研究開発センターには70人超の化学者・技術者がいる(同社の技術センターのページ)。研究開発人員の総数、電子・封止の担当人数は非公表事実/非公表
金(研究開発費・設備投資)2025会計年度の研究開発費はUS$62.2 million、設備投資はUS$142.3 million、買収の現金支出はUS$167.0 million(取得現金控除後)。情報システム刷新(Project ONE)は累計約US$265 million(総額見込みUS$300〜320 million)。2023年開始の組織再編計画は費用見込みUS$80.0〜85.0 millionのうち79.2を計上し、2025年11月29日に完了。電子・封止向けの内訳は非公表事実/非公表
外部への出資・買収・合弁・事業売却日本の合弁Sekisui-Fuller(50%)。買収:STR Holdings(太陽電池封止材、2021年)、ND Industries(2024年5月、US$254.0 million)とその台湾・トルコ・中国(Dongguan Nako、2026年8月)の各事業、GEM/Medifill(2025年)。買収合意:Advanced Medical Solutions(2026年6月)。売却:北米フローリング事業(2024年12月)。スタートアップ出資は10-Kに記載なし事実/確認できず(スタートアップ出資)
大学・研究機関・公的資金10-Kは「大学などの学術機関との関係を活用する」と一般的に述べるのみで、共同研究先の具体名は確認できなかった。技術センターのページには、サステナビリティラボを Association of Plastics Recyclers などとの協力の場にも使える、との記載がある。公的資金は、2021会計年度に中国の工場建設に関連する政府補助金US$5.8 millionを受領したとの記載のみで、接着・封止材の研究開発向けの公的資金(NEDO、EUのプロジェクトなど)は確認できなかった確認できず

10-Kは研究開発について、「プラットフォームの開発は世界の研究所のネットワークで調整し、プロジェクトは各地域の研究所で進める」と説明しています 事実。つまり、電子・封止だけの専用拠点を置く形ではなく、地域の研究所と技術センターが、顧客の用途に合わせて調整する体制です。

6. これまでの取り組み

時期できごと意味
1887年創業。同社の歴史ページによると、この年に液状の魚膠(にかわ)接着剤を発売接着剤一筋の長い歴史
2005年積水化学との50対50の合弁会社を日本に設立(Sekisui-Fuller)日本市場への足場。持分法で会計処理
2009年中国・蘇州に技術センターを設置し、太陽電池向けシリコーンシーラントの市場に対応電子・クリーンエネルギー向けの早い取り組みの一つ
2015年中国のTONSAN Adhesiveを買収同社が「エンジニアリング接着剤」で顧客と取り組む拠点。北京に研究開発センター
2017年Royal Adhesives & Sealantsを買収接着剤・シーラント事業の拡大(社名と年のみ歴史ページで確認。事業内容の記載は確認できなかった)
2021年1月STR Holdingsの資産を取得(約US$5.4 million)。米コネチカット州の太陽電池用封止材メーカー。Engineering Adhesivesに計上「封止材」そのものを買収で取り込んだ例
2023年組織再編計画を承認。費用見込みUS$80.0〜85.0 million買収した事業の統合と最適化。2025年11月に完了
2024年5月ND Industriesの資産を取得(基本価格US$254.0 million)。自動車・電子・航空宇宙向けに、ねじ部品の固定・シールなどの特殊接着剤を提供Engineering Adhesivesの買収として最大級
2024年8月英国のHS Butylを買収(約£18.3 million)。ブチルテープメーカー建設・インフラ・自動車・再生可能エネルギー向けの防水シール
2024年12月〜2025年1月Medifill(2024年12月2日)とGEM(2025年1月15日)を買収(合計約€191.9 million)。傷口閉鎖用の医療用接着剤医療を成長市場として拡大
2024年12月北米フローリング事業を売却(公正価値US$74.3 million)事業ポートフォリオの整理。電子・封止の事業ではない
2025年2月・11月ND Industriesの台湾事業(約US$8.3 million)とトルコ事業(約US$7.9 million)を買収アジアと中東・欧州・アフリカでの展開
2025会計年度事業セグメントを再編し、Building Adhesive Solutionsを新設電子・封止を含むEngineering Adhesivesの範囲が変わった
2026年6月英国のAdvanced Medical Solutions Group(AMS)の買収で合意医療用接着剤の大型買収。次章
2026年8月中国のDongguan Nakoの資産を取得(約US$10.4 million)。ねじ部品の自動プレコート(緩み止め・漏れ止め・振動吸収)ND Industries系の固定・封止の塗布事業を中国で拡大

7. 今後の計画

AMSの買収2026年内の
完了を予定
AMS株主は2026年8月12日に承認。規制当局の承認などが条件
長期目標調整後EBITDA率
20%超
年率5%の為替一定の売上成長も目標(会社の目標)
2026会計年度の見通し調整後EBITDA
US$655〜670 million
2026年9月23日の決算発表時点の会社予想
2030年の環境目標Scope1を25%削減
Scope2を35%削減
2024年を基準年とする絶対量。会社の目標

AMSの買収は、1株285ペンスの現金で、企業価値は約£715 million、AMSの発行済株式の評価額は約£659 millionです。 H.B. Fullerは買収後に年間売上が約US$300 million増え、2031年までに約US$55 million(約£41 million)の相乗効果を見込むと述べています 未確定/将来。 AMSは外科用の組織接着剤、テープ・ドレッシング、バイオ外科製品を扱う英国企業で、買収後は医療を新しい報告セグメント(全体の売上・EBITDAの約10%)として開示する計画です。

電子・封止に特化した計画は見当たりませんが、全社の計画として、情報システム刷新(Project ONE)を2026年以降もブラジルとアジア太平洋で続けること、サプライチェーンの再構築(Quantum Leap)を進めることを開示しています 事実。2030年の環境目標(水の使用量20%削減、製造廃棄物の原単位20%削減、廃棄物のリサイクル75%増、主要サプライヤーの70%からのデータ取得)はいずれも会社の目標であり、達成の事実とは区別します 未確定/将来。

確認できなかったこと

次はいずれも一次資料に記載がありません 未確定/将来。

電子・封止専用の設備投資額/半導体パッケージ向け(EMC・ACF)の新製品計画/電子材料の売上目標/電子・封止分野での新たな提携や買収の計画。 同社の公式サイトのPCB組立・回路基板保護のページにも、数値目標や投資計画はありません。

8. この会社は接着・封止材で何を目指しているか

ここは会社が直接には述べていない部分を含みます。一次情報から読み取れる範囲の推測として、根拠とともに書きます。

読み取れること根拠となる一次情報区分
医療を中核の成長市場と位置づけているAMSの発表で、CEOが「医療は中核の戦略的成長市場」と述べ、2025年にGEM/Medifillを買収。AMSは売上の約10%を占める新セグメントになる計画事実
電子・封止は、成長戦略の前面には出ていない買収の発表資料と決算発表で名前が出るのは医療。電子・封止に絞った数値目標、投資、買収の記載がない推測
電子・封止は既存の工業用接着剤の顧客基盤の中で対応する領域電子は、Engineering Adhesivesが対象とする市場の一つとして列挙されるのみ。電子向けの用途ページは一般的な説明で、製品ごとの数値は掲載されていない推測
Engineering Adhesivesは、買収で高収益の領域を足している2024年以降、ND Industriesとその3事業を取得。同事業の調整後EBITDA率は19.9%から22.2%に上昇。会社は「最も利益率が高く成長する市場セグメントに資本を配分する」と説明推測
全社の目標は利益率の底上げ長期目標は調整後EBITDA率20%超(2026年第3四半期は19.9%で、会社は過去最高と説明)事実
推測の根拠を1つだけ詳しく

「電子・封止は成長戦略の前面に出ていない」と読む根拠は、会社が自ら大きく語る場面に、電子・封止の名前が出てこないことです。 2026年6月のAMS買収の発表では、「医療が中核の成長市場」であること、AMSがもたらす売上の増加、相乗効果、セグメントの新設が語られました。 2026年9月の第3四半期の決算発表でも、成長の話題は価格改定、リストラの効果、AMSの完了に集中しています 事実。 一方、10-Kと公式サイトでは、電子はEngineering Adhesivesが対象とする市場の一つとして並べられているだけです。 もちろん、これは「電子・封止に力を入れていない」という意味ではありません。売上が非公表のため、重要度を外部から測れないというのが正確なところです 未確定/将来。

9. 接着・封止材分野の提携マッピング

H.B. Fuller を中心とした、合弁・買収・売却の関係 同社の10-K・10-Q・8-K・公式サイトに記載のある関係のみ。報道ベースの関係は含まない 合弁(出資) 買収(完了) 買収(手続き中) 事業の売却 H.B. Fuller 接着剤専業 Sekisui Chemical(積水化学) 日本の合弁・50対50(2005年) ND Industries・Nako(4件) ねじ部品の固定・封止の塗布 STR Holdings 太陽電池用の封止材(2021年) GEM / Medifill 医療用の接着剤(2025年) TONSAN(中国) エンジニアリング接着剤(2015年) 北米フローリング事業 売却(2024年12月) Advanced Medical Solutions 買収合意済み・2026年内の完了予定
図2 H.B. Fuller を中心とした合弁・買収・売却の関係。出典:同社の2025会計年度Form 10-K、2026年第3四半期Form 10-Q、2026年6月25日付8-K、公式サイト(歴史・技術センターのページ)。図に含めたのは同社の資料に記載のある関係だけで、報道で語られる取引先や共同開発(顧客名・供給契約)は含めていません。顧客については「単一顧客が連結売上の10%を超えることはない」との記載があるのみで、社名は確認できませんでした。

H.B. Fullerの関係は、共同開発や製造受託よりも、出資と買収で広げる形が目立ちます。 10-Kでは、「単一の顧客が連結売上の10%を超えることはない」と述べており、特定の顧客との関係に依存しない構造です。 一方で、電子・封止の分野で、特定の顧客や研究機関と共同開発した事例は、今回の一次資料では確認できませんでした 未確定/将来。

10. 提供している技術・製品・サービス

製品ごとの数値(粘度、ガラス転移点、熱膨張係数、硬化条件)を示す技術データシートは、同社の製品ページが自動アクセスを制限しているため、今回は確認できませんでした 未確定/将来。以下は、同社の用途ページに書かれた特徴の記述です(メーカー公称の位置づけで、試験条件は記載がありません)。

分野同社ページの記述
回路基板の保護・封止コンフォーマルコーティング、封止(エンキャプシュレーション)、ポッティング。硬化は熱、UV、UV+熱、UV+湿気、RTV(湿気硬化)。1液・2液。特徴として低収縮、高Tg、低CTE、低背(低い塗布高さ)を挙げる
PCB組立ウレタン、アクリル、エポキシ、シリコーンの化学系統。コンフォーマルコーティング、接着剤(ダイアタッチ、表面実装、熱伝導)、ポッティング・封止材。アンダーフィル(BGA・WLCSP・フリップチップ向けの毛細管アンダーフィル)とエッジボンド。信頼性は落下、衝撃、オートクレーブ、温度サイクルで示す
電子市場の用途構造接着・部品固定、シールと環境保護、電気絶縁・回路保護、放熱、振動吸収・衝撃対策。車載電子、民生電子(スマートフォン、ディスプレイ、ウェアラブル)、医療電子、航空電子、スマート家電
EV電池接着剤、難燃フォーム、熱界面材料(TIM)、コーティング。EV Bond(強度)、EV Seal(水分の侵入防止)、EV Protect(難燃の安全障壁)、EV Therm(熱管理)の製品群。UV硬化のコーティングは「数秒で硬化でき、熱硬化や粉体塗装に比べて工程時間を大幅に短縮できる」と説明
太陽光太陽電池向けのシリコーン接着剤・シーラント。2021年にSTR Holdingsを買収(太陽電池用封止材)

アンダーフィルについて、同社の2018年のブログ記事(マイクロエレクトロニクス実装の主任研究員による執筆)は、 熱サイクル時にBGAやCSPとプリント基板が相対的に動いてはんだ接合部が疲労すること、 アンダーフィル(通常はエポキシ系)が毛細管現象で流れ込み、加熱して硬化することで、はんだ接合部を機械的に補強することを説明しています。 同記事は、CSP、WLCSP、フリップチップで落下性能が高まり、熱サイクル性能が約7〜10倍になると述べますが、試験条件の記載はなく、 メーカー公称の一般的な説明として扱います 事実。

素材技術者の視点:この会社の封止・接着で、素材の「どこ」が効くか

同社のページが特徴として挙げる低収縮・高Tg・低CTEは、封止・保護材料の設計でそのまま効く3点です。 硬化するときに収縮すると、基板や部品との界面に残留応力が生じ、剥離やクラックの原因になります。 また、基板(FR-4など)・チップ・はんだ・封止材の熱膨張率(CTE)がずれていると、温度サイクルのたびに接合部にひずみが集中します。 アンダーフィルは、このひずみをはんだ接合部から樹脂側に分散させる材料です(本シリーズの技術解説『エポキシ樹脂』『ガラス転移点とクリープ』『熱膨張係数』『アンダーフィル』も参照)。 Tgを高くすると、使用温度で樹脂が硬い状態を保ちやすい一方、硬いほど応力は伝わりやすく、ここに設計のトレードオフがあります。 以上は一般的な技術の説明であり、同社の個別製品の値ではありません。

もう一つは硬化機構の選び方です。同社が挙げる「UV+湿気」の二重硬化は、光が届く部分をUVで短時間に固め、光が届かない陰の部分は湿気で硬化させるという考え方で、 部品が密集した基板の保護に向きます(一般的な説明)。熱硬化は炉が必要ですが陰の部分も硬化でき、UV硬化は秒単位で終わりますが光が当たらない所は固まりません。 工程の速さと、硬化の確実さのどちらを取るかが、塗布ラインの設計に直結します。

逆に、同社の中心であるホットメルトなどの工業用接着剤では、原料の選び方が利益を左右します。 10-Kは、原料費が売上原価の約75%を占め、粘着付与樹脂・ポリマー・合成ゴム・酢酸ビニルモノマー・可塑剤が主要原料だと書いています。 電子向けの封止材とは原料の系統が違い、同じ「接着剤」でも、原料価格の影響の受け方が事業ごとに違うと考えられます(推測。電子向けの原料費率は非公表)。

11. この企業が抱えるリスク

リスク内容区分
原料価格原料費は売上原価の約75%。原料費が1%変わると純利益が約US$12.6 million変わると10-Kが試算事実
電子・封止の規模が見えない電子・封止の売上・投資・人員がいずれも非公表で、この分野の進捗を外部から確かめる手段がない未確定/将来
大型買収の統合と財務AMSの買収は2026年内の完了を予定。買収後に純有利子負債の対EBITDA倍率を2年以内に目標の2.5〜3倍まで下げる計画。2026年第3四半期末は3.0倍、純有利子負債はUS$1,957 million事実
買収が続くことによる減損のれんは各事業で毎年減損テストを実施。2025年のテストでは、公正価値が帳簿価額を33%〜80%上回った事実
PFAS規制10-Kは、米国EPAによるTSCA・TRI・CERCLAのもとでのPFAS規制の提案や規則、各州の法律により、評価・報告、場合によっては製品からの排除の義務が生じうるとして、リスクに挙げている。環境規制への対応費用は今後2年で約US$22.6 million(うち設備投資約US$2.6 million)と見積もる事実
売却した事業の製品クレーム売却した北米フローリング事業のグラウト(目地材)をめぐる訴訟(Rouse et al.)で、2025年10月に最大US$75.0 millionでの和解に原則合意。同社は和解に備えてUS$34.8 millionを計上。電子・封止とは別の事業の問題事実
地政学・為替売上の約56%が米国外。2026年第3四半期には、Quantum Leapの支援と、中東の混乱が続くなかでの顧客への供給継続のため、在庫への戦略的な投資を行ったと説明事実
リストラの実行サプライチェーンの再構築(Quantum Leap)などの遅れや想定外の費用で、期待した効果が得られない可能性があると10-Kが述べる事実

12. 用語集

ピュアプレイ
特定の事業だけを行う会社。H.B. Fullerは接着剤・シーラント・機能性コーティングに特化していると自称する。
ホットメルト接着剤
加熱して溶かして塗り、冷えて固まる接着剤。包装や衛生用品に多く使われる。
アンダーフィル
チップと基板の隙間に流し込む樹脂。はんだ接合部を補強し、熱ひずみや落下の衝撃から守る。
エッジボンド
チップの周囲だけを接着して固定する方法。フルアンダーフィルより工程が簡単で、手直しもしやすい。
コンフォーマルコーティング
基板全体を薄い膜で覆い、湿気・ほこり・薬品から守る保護膜。
ポッティング
部品や基板を樹脂の中に埋めて固める封止の方法。
TIM(熱界面材料)
発熱する部品と放熱部の間を埋めて熱を伝える材料。
二重硬化
光と湿気、光と熱など、2つの仕組みを組み合わせて固める方式。
Tg(ガラス転移点)
樹脂が硬い状態からやわらかい状態に変わる温度の目安。
CTE(熱膨張係数)
温度が上がったときの材料の伸びの割合。部品間でずれるとひずみが生じる。
調整後EBITDA
会社が定義する利益指標(非GAAP)。利息・税・減価償却前の利益から、一時的な項目を除いたもの。
Form 10-K
米国の上場企業がSECに提出する年次報告書。
概念図:包装ラインでのホットメルト接着剤の塗布(中心)と、電子基板への封止材の塗布(周辺)
図3 H.B. Fullerの事業の中心(包装ラインでのホットメルト接着剤の塗布)と、周辺にある電子基板の封止・保護を並べた概念図(AI生成による概念図。実際の設備や製品を写したものではありません)。

13. 出典

  1. H.B. Fuller Form 10-K for the fiscal year ended November 29, 2025(米国SEC提出、2026年1月22日)。事業内容、事業セグメント、売上・調整後EBITDA、研究開発費、設備投資、従業員・工場、買収・売却、リスク要因(原料・PFAS・訴訟)、のれん減損テスト、顧客集中度。 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/39368/000143774926001767/ful20251130_10k.htm
  2. H.B. Fuller Form 10-Q for the quarterly period ended August 29, 2026(米国SEC提出、2026年9月24日)。9か月の売上・Engineering Adhesives、AMS買収の概要、Dongguan Nako、ブリッジ融資。 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/39368/000143774926031145/ful20260831c_10q.htm
  3. H.B. Fuller Form 8-K(2026年6月25日付)。AMS買収の英国買収規則Rule 2.7発表、1株285ペンスの現金、完了見込み。 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/39368/000143774926021844/ful20260625_8k.htm
  4. H.B. Fuller H.B. Fuller Announces Offer to Acquire Advanced Medical Solutions(8-Kの添付プレスリリース、2026年6月25日)。買収の狙い、相乗効果、長期目標、財務。 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/39368/000143774926021844/ex_981232.htm
  5. H.B. Fuller H.B. Fuller Reports Third Quarter 2026 Results(8-Kの添付プレスリリース、2026年9月23日)。第3四半期の業績、2026会計年度の見通し、純有利子負債。 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/39368/000143774926031113/ex_1019044.htm
  6. H.B. Fuller Form 10-K for the fiscal year ended November 27, 2021(米国SEC提出、2022年1月25日)。STR Holdingsの取得。 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/39368/000143774922001550/ful20210928_10k.htm
  7. H.B. Fuller Electronics Adhesives and Sealants(公式サイト、市場ページ)。電子分野の用途。 https://www.hbfuller.com/en/markets/electronics
  8. H.B. Fuller Circuit Board Protection(公式サイト、用途ページ)。コンフォーマルコーティング・ポッティング・封止。 https://www.hbfuller.com/en/applications/circuit-board-protection
  9. H.B. Fuller PCB Assembly(公式サイト、用途ページ)。基板組立向けの接着剤、アンダーフィル、エッジボンド。 https://www.hbfuller.com/en/applications/pcb-assembly
  10. H.B. Fuller Technology Centers(公式サイト)。技術センター、TONSAN北京研究開発センター、蘇州技術センター。 https://www.hbfuller.com/en/about-us/technology-centers
  11. H.B. Fuller History(公式サイト)。創業と買収・合弁の年表。 https://www.hbfuller.com/en/about-us/our-history
  12. H.B. Fuller Electric Vehicles(公式サイト、市場ページ)。EV電池向けの材料。 https://www.hbfuller.com/en/markets/electric-vehicles
  13. H.B. Fuller 2025 Sustainability Report(公式サイト掲載のPDF)。技術センター数、SKUの個別調整、EV向け製品群、2030年の環境目標。 https://www.hbfuller.com/-/media/project/hbfuller/hbfuller/sustainability/files/h-b-fuller-sustainability-report-2025.pdf?sc_lang=en
  14. H.B. Fuller Understanding Underfill(The Glue Talk Blog、2018年12月13日)。アンダーフィルの仕組み。 https://www.hbfuller.com/en/blog/thegluetalkblog/2018/december/understanding-underfill
  15. H.B. Fuller 公式サイト(ロゴ画像の取得元)。 https://www.hbfuller.com/

14. 主張と出典の対応表

本文の主張区分出典
正式名称、1887年創業、ミネソタ州法人、NYSE上場(FUL)、本社・中央研究施設がセントポール地域事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/39368/000143774926001767/ful20251130_10k.htm
創業者の頭文字が「H.B.」であること、1887年に魚膠接着剤から事業を開始したこと、2005年の積水化学との合弁、2015年のTONSAN買収、2017年のRoyal Adhesives & Sealants買収事実出典11 https://www.hbfuller.com/en/about-us/our-history
売上、売上総利益率、純利益、調整後EBITDA、研究開発費、設備投資、営業キャッシュフロー(2024・2025会計年度)事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/39368/000143774926001767/ful20251130_10k.htm
3セグメントの売上、調整後EBITDA、利益率(2025・2024会計年度、遡って組み替え後)事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/39368/000143774926001767/ful20251130_10k.htm
2026会計年度の9か月の売上(US$2,659.3 million)とEngineering Adhesives(売上804.4、調整後EBITDA178.2)事実出典2 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/39368/000143774926031145/ful20260831c_10q.htm
2026年第3四半期の業績、調整後EBITDA率19.9%、2026会計年度の見通し、純有利子負債US$1,957 million、倍率3.0倍事実出典5 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/39368/000143774926031113/ex_1019044.htm
従業員約7,100人(44か国)、米国33工場・他24か国44工場、34か国で販売、売上の約56%が米国外事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/39368/000143774926001767/ful20251130_10k.htm
工場の合計77(33+44)、研究開発費の対売上比約1.8%(62.2÷3,473.6)本稿の計算本稿による計算(出典1の数値から)
原料費が売上原価の約75%、原料費1%の変動で純利益約US$12.6 million、主要原料の種類事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/39368/000143774926001767/ful20251130_10k.htm
電子・封止だけの売上・利益・研究開発費・設備投資未確定/将来いずれも非公表。本稿では推計もしない 出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/39368/000143774926001767/ful20251130_10k.htm
10-Kの事業内容説明に「encapsulants(封止材)」が含まれること事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/39368/000143774926001767/ful20251130_10k.htm
電子分野の用途(構造接着、シール、電気絶縁、放熱、振動吸収)と対象市場事実出典7 https://www.hbfuller.com/en/markets/electronics
回路基板保護の製品群(コンフォーマルコーティング、ポッティング、硬化方式、低収縮・高Tg・低CTE)事実出典8 https://www.hbfuller.com/en/applications/circuit-board-protection
PCB組立向け接着剤の化学系統、アンダーフィル・エッジボンド、信頼性の指標事実出典9 https://www.hbfuller.com/en/applications/pcb-assembly
アンダーフィルの仕組みと、熱サイクル・落下性能の向上(約7〜10倍。試験条件の記載なし)事実メーカー公称。 出典14 https://www.hbfuller.com/en/blog/thegluetalkblog/2018/december/understanding-underfill
EV電池向けの製品群(EV Bond・Seal・Protect・Therm)、UV硬化コーティング、難燃フォーム、TIM事実出典12・13 https://www.hbfuller.com/en/markets/electric-vehicles https://www.hbfuller.com/-/media/project/hbfuller/hbfuller/sustainability/files/h-b-fuller-sustainability-report-2025.pdf?sc_lang=en
35の技術センター、SKUの50%超が個別の顧客向け事実会社の説明。 出典13 https://www.hbfuller.com/-/media/project/hbfuller/hbfuller/sustainability/files/h-b-fuller-sustainability-report-2025.pdf?sc_lang=en
北京のTONSAN研究開発センターに70人超、蘇州の技術センター(2009年・太陽電池向けシリコーンシーラント)事実出典10 https://www.hbfuller.com/en/about-us/technology-centers
STR Holdingsの資産取得(2021年1月13日、基本価格US$5.4 million、太陽電池用の封止材メーカー)事実出典6 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/39368/000143774922001550/ful20210928_10k.htm
ND Industriesの資産取得(2024年5月20日、基本価格US$254.0 million)、台湾(2025年2月、約US$8.3 million)・トルコ(2025年11月、約US$7.9 million)事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/39368/000143774926001767/ful20251130_10k.htm
Dongguan Nakoの資産取得(2026年8月26日、約US$10.4 million、ねじ部品の自動プレコート)事実出典2 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/39368/000143774926031145/ful20260831c_10q.htm
HS Butyl(2024年8月)、Medifill・GEM(2024年12月・2025年1月、合計約€191.9 million)、北米フローリング事業の売却(2024年12月2日、公正価値US$74.3 million)事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/39368/000143774926001767/ful20251130_10k.htm
AMS買収の合意(1株285ペンス、企業価値約£715 million、2026年内の完了予定、株主承認2026年8月12日)事実出典3・2 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/39368/000143774926021844/ful20260625_8k.htm https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/39368/000143774926031145/ful20260831c_10q.htm
AMS買収で見込む売上増約US$300 million、相乗効果約US$55 million(2031年まで)、新セグメントの比率約10%、財務の目標未確定/将来会社の見込みであり、達成の事実ではない。 出典4 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/39368/000143774926021844/ex_981232.htm
研究開発の体制(プラットフォームは世界の研究所で調整、プロジェクトは地域の研究所)、学術機関との関係を活用するとの一般的記述事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/39368/000143774926001767/ful20251130_10k.htm
2021会計年度の中国の工場建設に関連する政府補助金US$5.8 millionの受領事実出典6 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/39368/000143774922001550/ful20210928_10k.htm
日本の合弁Sekisui-Fuller(50%保有、持分法)事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/39368/000143774926001767/ful20251130_10k.htm
単一の顧客が連結売上の10%を超えないこと事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/39368/000143774926001767/ful20251130_10k.htm
2023年開始の組織再編計画(費用見込みUS$80.0〜85.0 million、79.2計上、2025年11月に完了)、Project ONEの支出事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/39368/000143774926001767/ful20251130_10k.htm
調整後EBITDA率20%超・為替一定の売上成長年5%という長期目標未確定/将来会社の目標。 出典4 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/39368/000143774926021844/ex_981232.htm
2030年の環境目標(Scope1を25%、Scope2を35%削減、水使用量20%削減ほか)。2024年を基準年とする未確定/将来会社の目標であり、達成の事実ではない。 出典13 https://www.hbfuller.com/-/media/project/hbfuller/hbfuller/sustainability/files/h-b-fuller-sustainability-report-2025.pdf?sc_lang=en
PFAS規制のリスク、環境規制対応費用(約US$22.6 million)、Rouse訴訟の和解合意と計上額、のれん減損テストの結果事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/39368/000143774926001767/ful20251130_10k.htm
Quantum Leapの支援と中東の混乱下での供給継続のための在庫投資事実出典5 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/39368/000143774926031113/ex_1019044.htm
EMC・ACF・導電ペーストを同社が手がけているかどうか未確定/将来今回確認した公式資料には記載なし。本稿では存在しないとも断定しない
製品ごとの技術データシート(粘度・Tg・CTE・硬化条件)未確定/将来製品ページが自動アクセスを制限しており確認できなかった。本稿では推定しない
共同開発した顧客・大学・研究機関の具体名、NEDOやEUなどの公的プロジェクト未確定/将来10-Kに具体名の記載なし。本稿では存在しないとも断定しない 出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/39368/000143774926001767/ful20251130_10k.htm
接着・封止材の3類型の区分と、H.B. Fullerを「総合接着剤・化学」とする区分本稿の計算本稿による整理。企業名は本シリーズで扱う企業から例示
医療を中核の成長市場と位置づけていること(AMS買収の発表でのCEOの発言)事実出典4 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/39368/000143774926021844/ex_981232.htm
電子・封止は成長戦略の前面には出ていないという読み推測AMS買収の発表と第3四半期決算発表で電子・封止に触れていないことからの本稿の解釈 出典4・5 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/39368/000143774926021844/ex_981232.htm https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/39368/000143774926031113/ex_1019044.htm
電子・封止は既存の工業用接着剤の顧客基盤の中で対応する領域という読み推測電子が市場の一つとして列挙されるのみ、という本稿の解釈 出典1・7 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/39368/000143774926001767/ful20251130_10k.htm https://www.hbfuller.com/en/markets/electronics
Engineering Adhesivesは買収で高収益の領域を足しているという読み推測買収の経過と利益率の推移(19.9%→22.2%)からの本稿の解釈 出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/39368/000143774926001767/ful20251130_10k.htm
ホットメルトなど工業用接着剤と電子向け封止材で、原料価格の影響の受け方が違うという読み推測10-Kの原料の説明と、電子向けの原料費率が非公表であることからの本稿の解釈 出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/39368/000143774926001767/ful20251130_10k.htm
低収縮・高Tg・低CTE、UV+湿気の二重硬化、アンダーフィルの応力分散に関する技術説明本稿の計算一般的な技術の説明であり、同社の個別製品の値ではない(本シリーズの技術解説を参照)

最終更新:2026年10月3日/Troy Technical
本稿の数値は、H.B. Fullerが米国証券取引委員会(SEC)に提出した法定開示書類と、同社の公式サイト・公式プレスリリースに基づきます。調査会社の市場推計や報道ベースの数値は使用していません(AMSの買収発表にある市場規模の推計も採用していません)。「推測」と記した箇所は、一次情報から本稿が読み取った解釈であり、会社の公表内容ではありません。製品の特徴は同社の用途ページの記述(メーカー公称)で、試験条件は記載がありません。