🌐 This site is also available in English Visit English Site →
🌐 English

ダウ 企業解説

← 接着・封止材の解説一覧へ戻る

COMPANY PROFILE / 接着・封止材

ダウ
― 総合化学の中の「特殊シリコーン」で、電子部品を守り・冷やし・貼る材料を伸ばしている

Dow Inc. は2025年の売上が約400億ドルの総合化学メーカーですが、接着・封止材の文脈で注目すべきなのは、全社のうち約1割強を占めるシリコーン事業(DOWSIL ブランド)です。 同社の2025年12月期の年次報告書(Form 10-K)は、この事業が「接着剤・シーラント」「太陽光発電用の封止材」などを手がけ、 投資の重点を「AI・高性能計算の熱管理」「電気自動車の電子部品」「フッ素系材料の代替となるシリコーン」に置くと明記しています。 本稿は、高分子・樹脂の分野にある同社の記事とは別に、シリコーン・接着剤・封止材・熱界面材料・電子材料の視点で、何を投じ、誰と組み、何を目指しているかを整理します。

構成:Dow Inc. の2025年12月期 Form 10-K(2026年2月3日提出)と2026年6月期 Form 10-Q(同7月24日提出)、Dowの公式プレスリリース・製品ページを一次情報として使用/最終更新 2026年10月

この記事でわかること
  1. 30秒でわかるDowと、接着・封止材での立ち位置
  2. ロゴと社名の表記について
  3. 接着・封止材の世界で、この会社はどこにいるか
  4. 会社の規模(全社は簡潔に、シリコーン事業を中心に)
  5. 接着・封止材にかけているリソース
  6. これまでの取り組み
  7. 今後の計画
  8. この会社は接着・封止材で何を目指しているか
  9. 接着・封止材分野の提携マッピング
  10. 提供している技術・製品・サービス
  11. この企業が抱えるリスク
  12. 用語集/出典/主張と出典の対応表

1. 30秒でわかるダウと、接着・封止材での立ち位置

正式名称Dow Inc.事業会社は The Dow Chemical Company(1897年設立のミシガン州法人の後継)
本社米国ミシガン州
ミッドランド
2211 H.H. Dow Way
上場ニューヨーク証券取引所
NYSE: DOW
米国の10-K提出会社
この分野での類型総合接着剤・化学(主)
半導体・電子材料(従)
電子分野はシリコーンで参入。EMC(エポキシ封止材)は確認できず
全社の売上(2025年)US$39,968百万前年は US$42,964百万
シリコーン事業の売上(2025年)US$4,919百万Consumer Solutions。全社の約12.3%(本稿の計算)
中心となる素材シリコーン
(DOWSIL)
接着剤・シーラント、封止ゲル、熱伝導ゲル、ホットメルト
直近の投資約US$1億
(2027年末まで)
特殊シリコーンの製造・研究設備。2026年6月23日発表
まず押さえるべき1点

接着・封止材に関わる企業は、大きく総合接着剤・化学メーカー/半導体・電子材料メーカー/UV硬化・特殊用途メーカーの3類型に分かれます。 Dowは全社としては総合化学メーカーで、接着・封止材の中心はシリコーンです。 10-Kは、シリコーン事業(Performance Silicones & Specialty Materials)が「消費者・電子」「インフラ」「モビリティ」などの市場に製品を供給し、 製品群に「接着剤・シーラント」「太陽光発電用の封止材」「DOWSIL シリコーン製品」「SILASTIC シリコーンエラストマー」が含まれると書いています 事実。 一方で、Dowはエポキシ封止材(EMC)や半導体向けのエポキシ系アンダーフィルを主力とする会社ではありません。 少なくとも今回確認した一次資料には、その記載がありませんでした 未確定/将来。 つまり、本シリーズで扱うレゾナックや住友ベークライトのような「エポキシで半導体を封止する会社」とは別の軸にいます。 Dowの特徴は、柔らかく、熱に強く、低応力で、電気を通さないシリコーンを、封止・放熱・接着の3つの役割に使い分けて売っている点です。

作成の判定:本稿は作成すると判断しました。10-K、10-Q、2019年提出の8-K添付書類、Dowの公式プレスリリース6件、製品ページ4件など、 接着剤・封止材・電子材料に関する会社自身の一次資料が独立して3件以上確認できたためです。

2. ロゴと社名の表記について

Dow

表記の注意:本稿の「Dow」はDow Inc.(持株会社)とその子会社の総称です。 10-Kは、Dow Inc. がThe Dow Chemical Company(TDCC)を通じて全事業を運営し、 シリコーン事業は子会社のDow Silicones Corporation(旧 Dow Corning Corporation。2018年2月1日に改称)が担っていると説明しています 事実。 製品ブランドのDOWSIL、SILASTIC、SYL-OFFはDowの商標です(10-Kの商標一覧に記載)。

なお、2016年までDow Corningは、DowとCorning Incorporated(ガラス・セラミックスのメーカー)が半分ずつ出資する合弁会社でした。 ロゴは、公式サイトの画像を取得できなかったため、文字表記にしています(取得できなかった経緯は報告に記載)。

公式サイト:https://corporate.dow.com/en-us.html

3. 接着・封止材の世界で、この会社はどこにいるか

接着・封止材に関わる企業の3つの類型 同じ「接着剤の会社」でも、強みと売り先がまったく違う 総合接着剤・化学 半導体・電子材料 UV硬化・特殊用途 幅広い用途の接着剤を世界で売る 半導体メーカーと共同で材料を作る 光で固める・用途に作り込む Henkel/H.B. Fuller Sika/Dow ほか レゾナック/住友ベークライト Indium ほか Dymax/DELO Master Bond ほか 用途の広さと世界の販売網 顧客の工程に合わせた材料開発 硬化条件と用途への作り込み 景気と原料価格に左右される 半導体の需要変動に左右される 規模が小さく顧客が偏りやすい Dowは総合化学の中の特殊シリコーン部門で、電子向けの封止・放熱・接着材料を伸ばしている 電子向けシリコーンを成長分野に据え、汎用の基礎原料(シロキサン)は縮小している
図1 接着・封止材に関わる企業の3類型と、Dowの位置づけ。区分は本稿によるもので、企業名は本シリーズで扱う企業から例示しています 本稿の計算。Dowは全社としては総合化学(主)で、電子分野のシリコーン材料で半導体・電子材料の類型にもまたがる(従)。シリコーン事業の位置づけは10-Kの記載に基づきます。

Dowの接着・封止材は、次の3つの役割に整理すると読みやすくなります。 いずれも主役はシリコーンで、本シリーズの技術解説「シリコーン」「熱界面材料TIM」「車載用シリコーンと封止材」「半導体封止材」と関連します。

役割Dowの資料にある製品・用途主な使われ方
封止する(守る)熱伝導封止材(DOWSIL TC-6040)、シリコーンゲル(DOWSIL EG-4175)、ポッティングゲル、グロブトップ・ワイヤ封止材車載充電器・DC/DCコンバータ、インバータ、センサー
冷やす(熱を逃がす)熱伝導ゲル(DOWSIL TC-3120)、熱伝導コンパウンド、ギャップフィラー、TIM 1(チップとリッドの間)、Carbice製カーボンナノチューブTIM(共同開発)光トランシーバー、データセンターのサーバー、パッケージ
貼る・固定するシリコーン接着剤・シーラント、ダイアタッチ・リッドアタッチ接着剤、ファイバ接着剤、シリコーンホットメルト、シリコーン粘着剤(PSA、DOWSIL 2110 など)電子機器の組立、半導体パッケージ、光部品、工業用テープ

4. 会社の規模(全社は簡潔に、シリコーン事業を中心に)

全社の数字は簡潔にとどめ、接着・封止材に最も近い事業の数字を中心に示します 事実。Dowは2025年12月期の10-Kで、3つの事業セグメントを開示しています。 接着・封止材に関わるのは、このうちPerformance Materials & Coatings(コーティング材料と、シリコーンを扱うConsumer Solutionsの2事業)です。

指標(百万米ドル)2023年2024年2025年
全社の売上44,62242,96439,968
全社の研究開発費829810752
全社の設備投資2,3562,9402,479
Performance Materials & Coatings の売上8,4978,5748,134
うち Consumer Solutions(シリコーン)の売上5,1605,0824,919
うち Coatings & Performance Monomers の売上3,3373,4923,215
Performance Materials & Coatings の Operating EBIT219318306
Performance Materials & Coatings の設備投資422316217
項目内容
従業員(2025年12月31日)約34,600人(常勤。全社。シリコーン事業だけの人数は非公表)
製造拠点29か国。Performance Materials & Coatings の主要製造拠点として、英国バリー、米国ケンタッキー州キャロルトン、同ミシガン州ミッドランド、中国・張家港などが10-Kに挙がる
特許全社で、有効な米国特許約3,900件、外国特許約25,800件(2025年12月31日。接着・封止材に限った件数は非公表)
2026年上半期(6月期)全社の売上 US$21,886百万(前年同期 US$20,535百万)。Consumer Solutions は US$2,586百万(同 US$2,491百万。約3.8%増、本稿の計算)

Consumer Solutionsの売上が全社に占める割合は、2025年で約12.3%(4,919÷39,968)です 本稿の計算。 2025年は前年比で約3.2%減(5,082→4,919)でした 本稿の計算。 10-Kはその理由を、「全地域で現地価格が下がったこと」「上流のシロキサン(基礎原料)の出荷が減り、建築・建設向けの需要も弱かったこと」と説明し、 一方で「消費者・電子向けの需要は増えた」と述べています。

ここで注意

Performance Materials & Coatings の Operating EBIT(306百万ドル)は塗料用材料を含むセグメント全体の数字です。 Consumer Solutions(シリコーン)だけの利益、研究開発費、設備投資額は開示されていません 未確定/将来。 さらに、シリコーンの売上すべてが接着・封止材というわけでもありません(パーソナルケア、消費財、離型コーティングなども含みます)。 接着・封止材だけの売上は非公表で、本稿では推計しません。

5. 接着・封止材にかけているリソース

人・金・外部との関係・公的な連携の4点について、一次情報で確認できたこと/できなかったことを分けて示します。「記載なし」も成果として書きます。

リソースの種類確認できた内容確認できなかった内容区分
人・拠点熱管理の共同評価拠点「Cooling Science Studios」を上海と米国ミシガン州オーバーンに置く。上海の最初のスタジオは2025年11月4日に開所。「Cooling Science Labs」を上海(2026年前半)とミッドランド(2026年6月)で拡張シリコーン事業・接着剤事業の研究開発人員数(全社の従業員数は約34,600人)事実/非公表
金特殊シリコーンの製造・研究設備に約US$1億(2027年末まで)。Performance Materials & Coatings の設備投資は2025年に US$217百万(2024年 US$316百万)。10-Kは「消費者・電子(データセンター、モビリティ向け)で製造能力と効率を高める投資」を明記シリコーンだけの研究開発費・設備投資額(セグメント全体の販売管理費・研究開発費の合計は2025年 US$608百万だが、内訳は非公表)事実/非公表
外部への出資・買収・合弁・売却2016年にDow Corning(旧合弁)を完全子会社化。2024年12月2日に軟包装用ラミネート接着剤事業をArkemaへ売却(現金US$115百万、米国・イタリア・メキシコの5工場を含む)。2024年10月にCarbiceと熱界面材料で提携シリコーン・電子材料に関する新たな買収・出資・合弁(10-K・10-Qに記載なし)事実/確認できず
大学・研究機関・公的資金との連携(大学・公的研究機関との共同研究は確認できなかった)10-K、10-Q、今回確認した公式リリース・製品ページのいずれにも、シリコーン・接着剤分野での大学・研究機関との共同研究、政府の補助金・基金の記載がない確認できず
素材技術者の視点:Dowの強みは「原料から配合・評価まで」が一続きであること

10-Kは、シリコーン事業の主要原料をメタノール、白金、シリカ、金属ケイ素と記し、 事業を「Performance Silicones & Specialty Materials(高付加価値の製品)」と「Silicone Feedstocks & Intermediates(金属ケイ素、シロキサン、中間体)」に分けています 事実。 つまりDowは、金属ケイ素から基礎のシロキサンを作る上流と、それを接着剤・封止ゲル・熱伝導材料に仕立てる下流の両方を持つ会社です。 接着・封止材の配合では、シリコーンポリマーの分子量分布、架橋点の数、フィラー(熱伝導粒子)との界面処理が性能を決めるため、 ポリマーの設計と配合・評価を同じ会社が持つことは、材料の改良を速める条件になり得ます 未確定/将来。 実際に、同社が2026年6月に拡張した「Cooling Science Labs」は、材料だけでなくパッケージ構造と工程条件を一緒に評価する場だと説明されています。

6. これまでの取り組み

時期できごと意味
2016年6月1日Dow Corning(現 Dow Silicones Corporation)が、Corningとの50対50の合弁からDowの完全子会社になるシリコーン事業をDowが100%持つ体制の始まり
2018年2月1日Dow Corning Corporation が Dow Silicones Corporation に改称社名からDow Corningが消える
2024年10月8日Carbiceと熱界面材料で提携を発表(The Battery Show North America)。DowのシリコーンとCarbiceのカーボンナノチューブ技術を組み合わせ、2025年に2製品(シリコーンワックス付き、シリコーン接着剤付き)を出す計画と発表自社のシリコーンに、他社のナノ素材を組み合わせる提携。実際の発売は本稿では確認していない
2024年12月2日軟包装用ラミネート接着剤事業をArkemaへ売却(現金US$115百万、米国・イタリア・メキシコの5工場)非シリコーン系の接着剤事業から退く。接着剤はシリコーンに絞る方向と読める(推測、第8章)
2025年9月4日電気自動車の800V化に向けたシリコーンゲル DOWSIL EG-4175を発表(180℃まで耐える、自己修復性、プライマーなしで接着)高電圧パワーエレクトロニクスの封止に向けた製品
2025年11月4日上海にCooling Science Studioを開所Dowが熱管理に特化して設けた初の共同研究開発環境と発表
2025年(年間)「SEAL」ビジネス・サステナビリティ賞(Sustainability, Environmental Achievement and Leadership)を受賞。DOWSIL TC-6040(熱伝導封止材)、DOWSIL 2102・2110(接着剤)が「Sustainable Product Award」10-Kに記載。受賞内容の詳細は10-Kに記載なし
2026年5月28日熱伝導ゲル DOWSIL TC-3120を発表(約12 W/m·K、光トランシーバー向けなど)光通信の高速化(800G・1.6T)に向けた放熱材料
2026年6月6日EUのD4・D5・D6(環状シロキサン)の制限が適用開始(EU規則2024/1328)。接着・シーリング・注型用の混合物には、シリコーンポリマーの残留分として1%以下を認める例外ありシリコーン各社に共通する規制。詳細は第11章
2026年(年央まで)英国バリーの汎用シロキサン工場を閉鎖(10-Kは「2026年年央までに閉鎖」と予告。2026年6月期の10-Qは「閉鎖」により固定費に影響と記載)上流の基礎原料から縮小
2026年6月23日特殊シリコーンの製造・研究設備に約US$1億を投じると発表(2027年末まで)2024年の投資家向け説明会で示した計画の完了分
2026年9月2日SEMICON Taiwan 2026(9月2〜4日)で、AI・先端パッケージ向けのシリコーン材料(TIM 1、PFASを意図的に添加していないMEMS用、光インターコネクト用、パネルレベル向けホットメルト)を披露半導体パッケージへの展開を前面に出した

7. 今後の計画

設備投資(特殊シリコーン)約US$1億
2027年末まで
2026年6月23日のリリース。時期は需要と採算性を踏まえ更新されたと記載
LSR(液状シリコーンゴム)2027年に稼働予定米国キャロルトン、中国・張家港。モビリティ・電子・医療向け
電子向け特殊シリコーン2026年・2027年に
順次稼働予定
2026年:中国・松江、福井(日本)/2027年:オーバーン、張家港
2026年の全社設備投資約US$25億10-Kの見通し(全社。シリコーン分は非公表)

2026年6月23日のリリースによると、投資の内訳は、液状シリコーンゴムの増設(キャロルトン、張家港)、電子向けの特殊シリコーン材料の増設(パワーエレクトロニクス、半導体パッケージ、熱・電気保護向け。松江、福井、オーバーン、張家港)、 Cooling Science Labsの拡張(上海、ミッドランド)の3つです 事実。 会社は「特殊シリコーンの需要はGDPより速く成長する」と述べていますが、これは会社の見通しです 未確定/将来。

確認できなかったこと

次はいずれも、今回確認した一次資料に記載がありません 未確定/将来。

電子向け特殊シリコーン各拠点の増設能力(トン数)/各拠点への個別の投資額/TC-3120など個別製品の販売数量・売上/ Carbiceとの2製品が実際に発売されたか(2025年に出す計画との発表のみ確認)/電子向けシリコーンの売上目標。 調査会社の市場規模推計は、出所が会社自身ではないため本稿では採用しません。

8. この会社は接着・封止材で何を目指しているか

ここには、会社が直接には述べていない部分を含みます。一次情報から読み取れる範囲の推測として、根拠とともに書きます。

読み取れること根拠となる一次情報区分
汎用の基礎原料から、電子・熱管理などの高付加価値品へ重心を移している英国バリーの汎用シロキサン工場の閉鎖(「市場向け販売への依存を減らす」と10-K)。同時に、電子向け特殊シリコーンの増設に約US$1億推測
成長の柱は、AI・データセンターの熱管理と、電気自動車・産業用電力の電子部品10-Kが「高性能計算とAIの熱管理、産業用電源、電気自動車の電子部品」を投資の重点として列挙。2026年のリリースも光トランシーバー向けTC-3120や先端パッケージ向け材料を前面に出す事実
非シリコーン系の接着剤は手放し、シリコーン系に絞っている2024年に軟包装用ラミネート接着剤事業をArkemaへ売却。一方、10-Kの製品一覧にはシリコーン系の接着剤・シーラントが残る推測
材料の売り方を「単品の販売」から「パッケージ設計の初期からの共同開発」へ変えようとしている2026年9月のリリースが、Cooling Scienceを「材料、パッケージ構造、工程条件を1つの開発の枠組みで評価する」手法と説明し、「材料科学を設計と検証の早い段階に持ち込む」と述べる事実(会社の説明)
フッ素系材料の代替としてのシリコーンを規制対応の追い風と見ている10-Kが「フッ素系材料を置き換えるシリコーンとハイブリッド化学材料」への投資を明記。SEMICON Taiwanでは「意図的に添加したPFASを含まない」MEMS・センサー用シリコーンを紹介推測
推測の根拠を1つだけ詳しく

1つ目の推測は、バリー工場の閉鎖と電子向け増設が同じ10-Kに並んでいることが根拠です。 10-Kは、バリーの汎用シロキサン事業の閉鎖を「地域の能力を適正化し、市場向けの販売への依存を減らし、コストが高くエネルギーを多く使う部分を事業から除く」と説明し、 あわせて「採算の良い誘導品(川下)の需要に供給する力を高め、利益率を最適化する」と述べています 事実。 基礎のシロキサンは、他社にも売れる汎用品ですが、価格競争を受けやすい素材です。これを減らし、自社の接着・封止・熱管理の製品に回す比率を高める、と読めます。 ただしDowは接着・封止材の売上比率の目標を示していないため、これは本稿の解釈です 未確定/将来。

9. 接着・封止材分野の提携マッピング

Dowを中心とした接着・封止材分野の関係 Dowの10-K、8-K添付書類、公式リリースに記載のある関係のみ。報道ベースの関係は含まない Dow シリコーン Carbice(米国) 熱界面材料を共同開発(2024年) Arkema ラミネート接着剤事業を売却(2024年) Corning Incorporated 旧・合弁相手(2016年に完全子会社化) 顧客・半導体メーカー 共同評価の枠組み(社名の開示なし) 参考:10-Kがシリコーン事業の競合に挙げる Elkem/Momentive/Shin-Etsu/Wacker Chemie 共同開発・共同評価 出資・買収・事業売却(過去の取引)
図2 Dowを中心とした接着・封止材分野の関係。出典:2025年12月期 Form 10-K(Arkemaへの売却)、2019年提出の8-K添付書類(Dow Corningの完全子会社化)、2024年10月8日のDowのリリース(Carbice)、2026年9月2日のDowのリリース(Cooling Science Studiosでの共同評価)。図に含めたのは一次資料に記載がある関係だけです。製造受託・供給の関係と、顧客名は確認できませんでした。競合は提携ではなく参考表示です。

10. 提供している技術・製品・サービス

Dowの電子向けの接着・封止材は、メーカー公称の値で読むと、使い分けが見えてきます。 下表は、Dowの公式の製品ページ・リリースに記載のある値です。グレードが違うため、値の大小を製品の優劣として読まないでください。 試験法・測定条件は、ページに記載があるものだけを併記し、無いものは「確認できず」としています。

製品(DOWSIL)種類メーカー公称の値試験法・条件出所と時点
TC-60402液の熱伝導封止材(ピンク色)熱伝導率 4.0 W/m·K/硬さ 32 Shore A/引張強さ 0.3 MPa/比重 3.1/混合比 1:1(重量)/高温安定性 175℃まで/UL 94 V0/ASTM E595の outgassing 要件に適合/低分子の揮発分(D4〜D10)200 ppm未満硬化:25℃で24時間、または100℃で60分。熱伝導率の試験法は確認できずDow製品ページ(2026年10月に確認。改訂日は確認できず)
TC-31201液の熱伝導ゲル(再作業可)熱伝導率 約12 W/m·K(Dowが商用で出しているシリコーンゲルで最高)/押し付け後の最小ボンドライン厚 200 µm/オイルブリードと凝縮アウトガスを抑制熱伝導率の試験法は確認できずDowのリリース(2026年5月28日)
EG-4175シリコーンゲル(高電圧パワーエレクトロニクス向け)180℃まで耐える/自己修復性/プライマーなしで接着/低オイルブリード/室温硬化(加熱で促進も可)具体的な物性値は確認できずDowのリリース(2025年9月4日)
2110無溶剤・白金触媒型のシリコーン粘着剤(PSA)用途:画面保護テープ、出荷時の保護テープ、ダイカット・キャリア用テープなど。「安定した中程度の粘着」「速い硬化」「低い移行性」具体的な物性値は確認できずDow製品ページ(2026年10月に確認)

Dowの接着剤・シーラントのページは、シリコーンのほかに、アクリル系の粘着剤、ホットメルト接着剤、ポリウレタン系(VORAMER を含む)も製品分類に挙げています。ただし、本稿で数値を確認できたのはシリコーン系です。

半導体パッケージ向けについて、Dowは自社ページで、ダイアタッチ・リッドアタッチ接着剤、TIM 1(チップからリッドへ熱を伝える層)、グロブトップ・ワイヤ封止材、ポッティングゲルを挙げています。 さらに、共パッケージド・オプティクス(CPO)向けには、PIC/EIC接着剤、低弾性率のファイバ接着剤、光学用封止材、パネルレベル向けのシリコーンホットメルトシートを挙げています 事実。 2026年9月のリリースは、シリコーンホットメルトを「ラミネートとモールドの工程、反りの制御、応力の分散、接着強度に対応する」材料と説明しています。

素材技術者の視点:Dowの封止材を読むときの4つの勘所

(1) 熱伝導率はフィラーで稼ぎ、その代償が粘度と界面に出る。 TC-6040の比重3.1は、一般にシリコーンポリマーの比重が1前後であることを考えると、熱伝導性の粒子を多く入れた配合であることを示唆します 推測(今回確認した資料に、フィラーの種類と量の記載はありません)。 粒子を詰めるほど熱は伝わりますが、粘度が上がって流れにくくなり、粒子とポリマーの界面処理が悪いとオイルが染み出します。 TC-3120がオイルブリードの少なさを前面に出しているのは、この課題への対応と読めます 未確定/将来。 本シリーズの技術解説「熱界面材料TIM」「高熱伝導ペーストとギャップフィラー」と合わせて読むと分かりやすくなります。

(2) 硬さが低い=応力を逃がす。TC-6040は32 Shore A・引張強さ0.3 MPaで、ゴムのように柔らかい封止材です。 エポキシ封止材と違い、冷熱サイクルで部品に力をかけにくいのが売りです。代わりに、機械的な保護や寸法の安定ではエポキシに及ばないため、用途で使い分けます。

(3) 低分子シロキサンの管理。TC-6040は低分子の揮発分(D4〜D10)が200 ppm未満と公称されています。 環状シロキサン(D4・D5・D6)はEUで制限が適用されたため、シリコーン製品ではこの残留量を管理する意味が大きくなりました(第11章)。 電子機器では、揮発した低分子が接点などに付着する問題も一般に知られています。

(4) 白金触媒の付加硬化。DOWSIL 2110は「白金触媒型」と明記されています。付加硬化は副生成物が出にくい利点がありますが、 窒素・硫黄・スズ系の化合物などで硬化が阻害される場合があることが、一般に知られています 未確定/将来 (Dowの資料に書かれた内容ではなく、本稿の補足です)。

11. この企業が抱えるリスク

リスク内容区分
全社業績の悪化2025年は、のれんの減損などの特別項目(US$2,220百万)を含め、税引前損失 US$2,511百万。接着・封止材に回す投資余力は、全社の業績に左右される事実
価格の下落2025年はConsumer Solutionsの現地価格が全地域で下落。10-Qによると、2026年上半期も上流シロキサンの価格下落が続いた事実
需要の偏り成長の見通しをAI・データセンター、電気自動車、電子機器に置く。これらの需要が弱まった場合の影響は、会社が数値で示していない推測
環状シロキサンの規制EU規則2024/1328により、D4・D5・D6を0.1重量%以上含む物質・混合物は、2026年6月6日以降、EU市場に出せない。ただし、産業用途(シリコーンポリマーの原料、製品の製造など)と、シリコーンポリマーの残留分として接着・シール・貼り合わせ・注型用で1重量%以下などの例外がある事実
PFASの規制の見通し10-Kは「フッ素系材料の代替となるシリコーン」への投資を掲げる。EUのPFAS包括規制案の最新の手続きは、規制当局(ECHA)のページを開けず本稿では確認できなかった未確定/将来
環境規制の履行米国環境保護庁(EPA)が2025年10月14日、Dow Silicones Corporationに対し、2020年の同意判決に基づく違約金US$329,000の支払いを求めた(自主報告された違反に関するもの)。10-Kによると、支払いで違反は解決し、同意判決の終了に必要な手続きになる事実
競合との性能比較10-Kはシリコーン事業の競合として Elkem、Momentive、Shin-Etsu、Wacker Chemie を挙げる。本稿は製品の優劣を判断しない。メーカー公称の値は、試験法と条件が違えば比較できない事実
計画の遅れ2026年6月の投資計画は、2024年の説明会で示した計画の「時期が、市場の需要と採算性を踏まえて更新された」と会社が述べている事実

12. 用語集

シリコーン
ケイ素と酸素の骨格(Si–O)に有機基がついた高分子。熱や紫外線に強く、柔らかく、電気を通さない。
DOWSIL
Dowのシリコーン製品のブランド名(Dowの商標)。接着剤、封止材、ゲル、熱伝導材料などを含む。
封止材(エンキャプスラント)
電子部品を包み、湿気・汚れ・衝撃から守り、熱を逃がす材料。
ポッティング
部品を入れた容器に液状の材料を流し込み、硬化させて固める工法。
TIM(熱界面材料)/TIM 1
発熱部品と放熱部品のすき間を埋めて熱を伝える材料。TIM 1はチップとリッドの間に使う。
熱伝導率(W/m·K)
1mあたり1Kの温度差で、1秒間に流れる熱量。値が大きいほど熱を伝えやすいが、試験法によって値が変わる。
PSA(粘着剤)
押し付けるだけで貼れる粘着剤。テープや保護フィルムに使う。
ホットメルト
加熱して溶かして塗り、冷えて固まる材料。Dowのシリコーンホットメルトは、パネルレベルのパッケージ封止に提案されている。
D4・D5・D6
シリコーンの原料・不純物となる環状シロキサン(4・5・6量体)。EUでは0.1重量%以上で市場に出せなくなる(例外あり)。
PFAS
有機フッ素化合物の総称。耐熱・撥水の用途で使われてきたが、規制の対象が広がっている。
LSR
液状シリコーンゴム。型に射出して成形する。
Form 10-K/10-Q
米国上場企業がSECに提出する年次報告書/四半期報告書。
概念図:電源モジュールの容器にシリコーン封止材を流し込む工程と、基板の発熱部品に熱伝導ゲルを塗る工程
図3 Dowのシリコーン系の封止・放熱材料の使われ方を描いた概念図(AI生成による概念図。実際の設備や製品を写したものではありません)。電源モジュールに液状のシリコーン封止材を充填する工程と、基板の発熱部品に熱伝導ゲルを塗る工程を並べています。

13. 出典

  1. Dow Inc. Annual Report on Form 10-K for the fiscal year ended December 31, 2025(米国SEC提出、2026年2月3日)。事業概要・セグメント別売上と Operating EBIT・設備投資・研究開発費・従業員数・特許・主要拠点・シリコーン事業の製品群と投資方針・バリー工場の閉鎖・ラミネート接着剤事業の売却・SEAL賞・EPAの違約金・のれん。 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1751788/000175178826000018/dow-20251231.htm
  2. Dow Inc. Quarterly Report on Form 10-Q for the quarter ended June 30, 2026(米国SEC提出、2026年7月24日)。2026年上半期の売上、Consumer Solutionsの売上・数量・価格、バリー工場の閉鎖の記述。 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1751788/000175178826000147/dow-20260630.htm
  3. Dow Inc. Form 8-K Exhibit 99.1(2018年12月期10-Kの再編集版、2019年提出)。Dow Corningの2016年6月1日の完全子会社化、2018年2月1日の社名変更。 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1751788/000175178819000025/dow201810kex991recast.htm
  4. Dow プレスリリース「Dow expands product and innovation capabilities to support continued growth in specialty silicones markets」(2026年6月23日)。約US$1億の特殊シリコーン投資の内訳と時期。 https://corporate.dow.com/en-us/news/press-releases/dow-expands-product-and-innovation-capabilities.html
  5. Dow プレスリリース「Dow to showcase chip-to-system materials innovation for AI and advanced packaging at SEMICON Taiwan 2026」(2026年9月2日)。TIM 1、PFASを意図的に添加していないMEMS用シリコーン、光インターコネクト用、ホットメルト、Cooling Science Studios。 https://corporate.dow.com/en-us/news/press-releases/dow-to-showcase-chip-to-system-materials-innovation-at-semicon-taiwan-2026.html
  6. Dow プレスリリース「Dow launches DOWSIL TC-3120 Thermal Gel」(2026年5月28日)。熱伝導率約12 W/m·K、最小ボンドライン厚200 µm。 https://corporate.dow.com/en-us/news/press-releases/dow-launches-dowsil-tc-3120-thermal-gel.html
  7. Dow プレスリリース「Dow launches DOWSIL EG-4175 Silicone Gel」(2025年9月4日)。800V電気自動車向けのシリコーンゲル。 https://corporate.dow.com/en-us/news/press-releases/dow-launches-dowsil-eg-4175-silicone-gel.html
  8. Dow プレスリリース「Dow and Carbice partner to advance thermal interface materials」(2024年10月8日)。Carbiceとの提携。 https://corporate.dow.com/en-us/news/press-releases/dow-and-carbice-partner-to-advance-thermal-interface-materials.html
  9. Dow プレスリリース「Dow Opens First Cooling Science Studio in Shanghai」(2025年11月4日)。熱管理の共同研究開発環境。 https://corporate.dow.com/en-us/news/press-releases/dow-opens-first-cooling-science-studio-shanghai.html
  10. Dow 製品ページ「DOWSIL TC-6040 Thermal Conductive Encapsulant」。メーカー公称の物性値。 https://www.dow.com/en-us/pdp.dowsil-tc-6040-thermal-conductive-encapsulant.522453z.html
  11. Dow 製品ページ「DOWSIL 2110 Adhesive」。無溶剤・白金触媒型のシリコーン粘着剤。 https://www.dow.com/en-us/pdp.dowsil-2110-adhesive.512284z.html
  12. Dow 技術ページ「Semiconductor Packaging & MEMS Materials」。ダイアタッチ・リッドアタッチ接着剤、TIM 1、グロブトップ、ポッティングゲル、CPO向け材料。 https://www.dow.com/en-us/market/mkt-electronics/sub-elec-mems-sensors-actuators.html
  13. Dow 技術ページ「Adhesives and Sealants」。シリコーン・アクリル・ホットメルト・ポリウレタン系の接着剤・シーラントの製品分類と市場。 https://www.dow.com/en-us/product-technology/pt-adhesives-sealants.html
  14. 欧州委員会 Commission Regulation (EU) 2024/1328 of 16 May 2024 amending Annex XVII to Regulation (EC) No 1907/2006(REACH)as regards D4, D5 and D6(官報 2024年5月17日)。 https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/HTML/?uri=OJ:L_202401328
  15. Dow 公式サイト(会社概要の確認用)。 https://corporate.dow.com/en-us.html

14. 主張と出典の対応表

本文の主張区分出典
正式名称、本社所在地、持株会社と事業会社の関係、従業員約34,600人事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1751788/000175178826000018/dow-20251231.htm
全社の売上・研究開発費・設備投資(2023〜2025年)、Performance Materials & Coatings とConsumer Solutionsの売上、セグメントのOperating EBIT・設備投資事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1751788/000175178826000018/dow-20251231.htm
2026年上半期の全社売上とConsumer Solutionsの売上、数量・価格の動き事実出典2 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1751788/000175178826000147/dow-20260630.htm
シリコーン事業の製品群(接着剤・シーラント、太陽光発電用封止材、DOWSIL、SILASTIC)、主要原料(メタノール・白金・シリカ・金属ケイ素)、競合事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1751788/000175178826000018/dow-20251231.htm
投資の重点(AI・高性能計算の熱管理、電気自動車の電子部品、フッ素系材料を置き換えるシリコーン)事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1751788/000175178826000018/dow-20251231.htm
Dow Corningの2016年6月1日の完全子会社化と2018年2月1日の社名変更事実出典3 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1751788/000175178819000025/dow201810kex991recast.htm
軟包装用ラミネート接着剤事業のArkemaへの売却(2024年12月2日、US$115百万、5工場)事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1751788/000175178826000018/dow-20251231.htm
英国バリーの汎用シロキサン工場の閉鎖と、その説明事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1751788/000175178826000018/dow-20251231.htm
バリー工場の閉鎖が2026年第2四半期の固定費に影響したこと、上流シロキサンの価格下落事実出典2 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1751788/000175178826000147/dow-20260630.htm
約US$1億の特殊シリコーン投資の内訳(LSR、電子向け特殊シリコーン、Cooling Science Labs)と時期事実出典4 https://corporate.dow.com/en-us/news/press-releases/dow-expands-product-and-innovation-capabilities.html
SEMICON Taiwan 2026での展示内容(TIM 1、PFASを意図的に添加していないMEMS用、光インターコネクト用、ホットメルト)とCooling Scienceの考え方事実出典5 https://corporate.dow.com/en-us/news/press-releases/dow-to-showcase-chip-to-system-materials-innovation-at-semicon-taiwan-2026.html
DOWSIL TC-3120の熱伝導率(約12 W/m·K)・最小ボンドライン厚(200 µm)・発表日事実出典6 https://corporate.dow.com/en-us/news/press-releases/dow-launches-dowsil-tc-3120-thermal-gel.html
DOWSIL EG-4175の特徴(180℃まで、自己修復性、プライマーなし接着)と発表日事実出典7 https://corporate.dow.com/en-us/news/press-releases/dow-launches-dowsil-eg-4175-silicone-gel.html
Carbiceとの提携(2024年10月8日)と2製品を2025年に出す計画事実出典8 https://corporate.dow.com/en-us/news/press-releases/dow-and-carbice-partner-to-advance-thermal-interface-materials.html
上海のCooling Science Studioの開所(2025年11月4日)事実出典9 https://corporate.dow.com/en-us/news/press-releases/dow-opens-first-cooling-science-studio-shanghai.html
DOWSIL TC-6040の物性値(熱伝導率4.0 W/m·K、32 Shore A、比重3.1、UL 94 V0、D4〜D10が200 ppm未満など)事実出典10 https://www.dow.com/en-us/pdp.dowsil-tc-6040-thermal-conductive-encapsulant.522453z.html
DOWSIL 2110が無溶剤・白金触媒型のシリコーン粘着剤であること事実出典11 https://www.dow.com/en-us/pdp.dowsil-2110-adhesive.512284z.html
ダイアタッチ・リッドアタッチ接着剤、TIM 1、グロブトップ、ポッティングゲル、CPO向けのPIC/EIC接着剤・ファイバ接着剤・ホットメルトシート事実出典12 https://www.dow.com/en-us/market/mkt-electronics/sub-elec-mems-sensors-actuators.html
Dowの接着剤・シーラントの製品分類(シリコーン、アクリル、ホットメルト、ポリウレタン)と市場事実出典13 https://www.dow.com/en-us/product-technology/pt-adhesives-sealants.html
2025年のSEAL賞(DOWSIL TC-6040、2102、2110)、EPAの違約金US$329,000、税引前損失US$2,511百万事実出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1751788/000175178826000018/dow-20251231.htm
D4・D5・D6の0.1重量%制限(2026年6月6日以降)と、接着・シール・貼り合わせ・注型用の1重量%以下の例外事実出典14 https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/HTML/?uri=OJ:L_202401328
Consumer Solutionsの売上が全社の約12.3%、2025年は前年比約3.2%減、2026年上半期は約3.8%増本稿の計算本稿の計算(出典1・2の数値から算出)
Dowの3類型での位置づけ(総合接着剤・化学が主、半導体・電子材料が従)本稿の計算本稿による整理。企業名は本シリーズの企業から例示
シリコーン・接着剤・封止材だけの売上、利益、研究開発費、設備投資額、人員数未確定/将来いずれも非公表。本稿では推計もしない
各拠点の増設能力(トン数)・個別の投資額、電子向けシリコーンの売上目標、Carbice製品の発売実績未確定/将来今回確認した一次資料に記載なし。報道・調査会社の数字は本稿では採用しない
TC-6040・TC-3120・EG-4175・2110の熱伝導率などの試験法、製品ごとの改訂日未確定/将来製品ページ・リリースに記載なし。本稿では推定しない(メーカー公称の値であり、規格値ではない)
大学・研究機関・政府の補助金とシリコーン・接着剤分野の連携未確定/将来10-K・10-Q・公式リリースに記載なし。本稿では存在しないとも断定しない
EUのPFAS包括規制案の最新の手続き未確定/将来規制当局(ECHA)のページを開けず、本稿では確認できなかった
重心が汎用の基礎原料から電子・熱管理へ移っているという読み推測バリー工場の閉鎖と電子向け増設が並ぶことからの本稿の解釈(出典1・4)
接着剤をシリコーン系に絞っているという読み推測ラミネート接着剤の売却とシリコーン系の接着剤・シーラントが残ることからの本稿の解釈
フッ素系材料の代替が規制対応の追い風になるという読み推測10-Kの投資方針とSEMICON Taiwanの展示内容からの本稿の解釈
需要の偏り(AI・データセンター、電気自動車、電子機器)というリスク推測10-Kの投資の重点からの本稿の解釈
TC-6040の比重3.1が、フィラーを多く入れた配合を示唆するという読み推測一般的なシリコーンポリマーの比重との比較からの本稿の解説
白金触媒の付加硬化が一部の化合物で阻害されうるという補足未確定/将来解説。Dowの資料に書かれた内容ではなく、一般的な化学の知識による補足

最終更新:2026年10月3日/Troy Technical
本稿の数値は、Dow Inc. が米国証券取引委員会(SEC)に提出した法定開示書類と、Dowの公式リリース・製品ページ、欧州連合の官報に基づきます。調査会社の推計値・報道ベースの数値は使用していません。製品の性能値は「メーカー公称」で、試験法・条件が違えば比較できません。「推測」と記した箇所は、一次情報から本稿が読み取った解釈であり、会社の公表内容ではありません。