中国研究チーム、ペロブスカイト/シリコンタンデム太陽電池の効率と安定性を飛躍的に向上

Chinese Academy of Sciences 中国
概要
中国の研究チームが、ピラミッド状にテクスチャー加工されたシリコン基板を用いたペロブスカイト/シリコンタンデム太陽電池の性能を大幅に向上させる新戦略を発表しました。彼らはポリスチレンナノスフェアをテンプレートとして、電気的リーク経路を効果的にブロックする薄い酸化アルミニウム絶縁層を堆積させました。この技術により、約1平方センチメートルのセルで約33%の電力変換効率を達成し、1,000時間の連続動作後も初期効率の約90%を維持する優れた動作安定性を示しました。この成果は、次世代太陽電池の商業化に向けた重要な一歩と評価されています。
詳細

研究背景と課題

ペロブスカイト/シリコンタンデム太陽電池は、理論上の高効率から次世代太陽電池として大きな期待を集めていますが、実際の応用には変換効率のさらなる向上と長期的な動作安定性の確保が不可欠です。特に、シリコン基板の表面テクスチャが電気的リークパスを生じさせ、デバイス性能を低下させるという課題がありました。このリークは、高湿度や高温といった環境下で特に顕著になり、長期安定性を大きく損なう要因となっていました。

主要な技術革新と成果

中国科学院の寧波材料技術・工程研究所(NIMTE)の研究チームは、この課題を克服するため、革新的なパッシベーション戦略を開発しました。彼らは、ポリスチレンナノスフェアをテンプレートとして使用し、ピラミッド状のシリコン表面の突出部分にのみ、原子層堆積法(ALD)を用いて極めて薄い酸化アルミニウム(Al2O3)絶縁層を精密に形成しました。この「ピーク選択的パッシベーション」は、以下の点で画期的です:

  • シリコン表面の凹凸に起因する電気的リーク経路を局所的かつ効果的に遮断。
  • これにより、接触抵抗の最適化とキャリア輸送の効率化を実現。
  • 約1平方センチメートルの活性面積を持つデバイスにおいて、第三者機関による認証で32.89%という記録的な電力変換効率を達成(報告値は約33%)。
  • さらに、1,000時間の連続動作後も初期効率の約90%を維持し、従来のデバイスと比較して飛躍的な長期動作安定性を示唆。

影響と今後の展望

この技術は、ペロブスカイト/シリコンタンデム太陽電池の商用化を加速する上で極めて重要な意味を持ちます。特に、従来のパッシベーション技術では難しかった複雑なテクスチャ表面でのリーク抑制を可能にしたことで、実用的な大面積モジュール製造への道が開かれました。研究チームは、この戦略が他の種類のタンデム太陽電池や光電子デバイスにも応用可能であると考えており、太陽光発電分野全体の技術革新に貢献することが期待されます。今後は、さらに大面積化とコスト効率の最適化が焦点となるでしょう。

元記事: https://english.cas.cn/newsroom/cas-in-media/202605/t20260528_1160007.shtml

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