主要成果
研究チームは、屋外の未フィルタ太陽光下におけるペロブスカイト太陽電池(PSC)の劣化メカニズムを調査し、高い効率と紫外線(UV)安定性を両立させる新しいハイブリッドポリマー材料を開発しました。この材料を用いたチャンピオンモジュールは、屋外試験の初期段階で動作効率が数パーセント上昇して約16%に達し、その後29週間にわたる屋外試験を経ても、16%以上の動作効率を維持したことが確認されました。
技術・詳細
本研究では、p-i-n構造のPSCにおいて、有機ハイブリッド正孔輸送材料(HTM)を用いた際のUV光誘起劣化メカニズムを分析しました。その結果、ペロブスカイト層、ポリマーHTM層、および透明導電酸化物(TCO)層の間の化学結合が弱く、この領域の結合不全が太陽光に含まれる強いUV成分による劣化の主因となっていることを突き止めました。
この課題に対し、研究チームはペロブスカイト/HTM/TCO領域の化学結合を強化する合成ポリマーを開発しました。正孔輸送層(HTM)とは、太陽光で生成された電荷のうち、正孔(ホール)を電極まで効率的に運ぶ役割を持つ層のことです。この新素材の導入により、屋外環境での耐久性が大幅に向上しました。なお、この結果はDOEの「ペロブスカイトPV商用化加速センター(PACT)」による独立した検証によって裏付けられています。
背景・業界の文脈
一般的に、PSCの性能試験の多くはLEDを光源とした制御環境下のラボで行われてきました。しかし、実際の屋外環境では、温度、日射量、UV光強度が常に変動しており、水分や酸素との反応、あるいは光・熱・印加電圧への長時間曝露によって薄膜が分解するという課題があります。商用化を加速させるには、ラボでの「ライトソーキング」や「最大電力点追跡(MPPT)」とは異なる、実世界での劣化メカニズムを理解し、対策を講じることが不可欠でした。
今後の展望
NRELの化学研究者でありPACTの副責任者を務めるLaura Schelhas氏は、面積15 cm²以上のペロブスカイト・ミニモジュールにおいて、29週間の屋外試験後に16%以上の開口効率を測定し、それを公開した初めての実証例であると考えています。実世界での実証は商用化への決定的なステップであり、PACTが提供する評価基準やデータを通じて、研究者や企業がデバイスの信頼性向上を加速させることが期待されています。
元記事: https://optics.org/news/nrel-examines-degradation-mechanisms-of-perovskite-solar-cells
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