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相変化材料と蓄熱 技術解説

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TECHNOLOGY EXPLAINER

相変化材料と蓄熱
― 「潜熱〇〇 J/g」という数字は、どう測り、どう封じ込めた値か

相変化材料(PCM:phase change material)は、固体と液体のあいだ(または固体どうしのあいだ)で状態が変わるときの潜熱を、ほぼ一定の温度で出し入れする材料です。パラフィン、脂肪酸、塩水和物、固–固相変化材料が代表で、建物、電池の熱管理、衣料、データセンターで研究・利用されています。 一方で、報告される潜熱や融点は、DSC の昇温速度、校正、試料の容器、純物質か複合材かで大きく動きます。 この記事では、潜熱と顕熱の差を計算で示し、塩水和物の過冷却と不一致融解、漏れと熱伝導を解決する封じ込め(カプセル化・形状安定化)、サイクル安定性と難燃、そして DSC 測定の落とし穴を、一次情報の範囲で整理します。

構成:IEA の技術報告(SHC Task 42/ECES Annex 29)、Applied Energy 論文、ORNL などの会議論文(Purdue)、RAL-GZ 896、NASA Spinoff、NREL の会議論文、査読論文(Molecules、Polymers、Batteries)、ISO・IEC・JIS の規格ページを使用/確認日 2026年10月10日

同じ材料の固体と、溶けている途中の状態を示しています
図1 概念画像(ImageGenで生成)。同じ材料の固体と、溶けている途中の状態を示しています。温度が上がるだけでなく、相が変わる間に熱を蓄える仕組みです。 実際の施設・製品・測定結果ではありません。
この記事の構成
  1. 相変化材料とは何か(3行でつかむ)
  2. 潜熱と顕熱 ― どれだけ違うか(本稿の計算)
  3. 材料の系統 ― パラフィン、脂肪酸、塩水和物、固–固
  4. 塩水和物の難しさ ― 不一致融解、過冷却、報告値のばらつき
  5. 漏れと熱伝導 ― カプセル化と形状安定化
  6. サイクル安定性と難燃 ― 「何回使えるか」「燃えるか」
  7. DSC で測る ― 昇温速度が結果を変える
  8. 応用 ― 建物、電池の熱管理、衣料、データセンター
  9. 評価・標準の読み方
  10. 限界と、確認できなかったこと
  11. 用語集
  12. 参考資料(一次情報)
  13. 主張と出典の対応表(監査)
本記事の表記ルール

事実=公表資料に記載のある内容(出典リンクあり)
本稿の計算=明示した前提をもとに本記事が算出した値
未確定/将来=計画・予定であり、実績が確認できていない事項
このほか、材料設計上の読み取りは「解説」として区別しています。推測は太字で示します。

この記事の数値の読み方

ここに出てくる融点・潜熱(kJ/kg または J/g)は、測定法(DSC の昇温速度など)、純物質か複合材か、文献からの引用か実測かで変わります。同じ材料でも、文献により20〜30%違う例を第4章で示します。 電池・建物・データセンターの結果は、特定の試験・シミュレーションの条件での報告であり、安全性や省エネ効果を保証するものではありません。製品や企業の優劣は論じず、安全に関する個別の助言は書きません。

1. 相変化材料とは何か(3行でつかむ)

  • 潜熱をほぼ一定の温度で出し入れする:PCM は熱をほぼ一定の温度で取り込み、ためて、放出できます。ただし、使う温度が相変化の温度に合っていなければ、潜熱は使えず、普通の顕熱蓄熱と変わりません事実[参考資料1]
  • 系統は4つ:パラフィン(有機)、脂肪酸(有機)、塩水和物(無機)、固体のまま結晶状態が変わる固–固相変化材料。それぞれ、潜熱・過冷却・漏れ・燃えやすさに特徴があります事実[参考資料1・2・3・8]
  • 数字は条件つき:潜熱や融点は、DSC の昇温速度や校正、容器、複合材かどうかで変わります。IEA の国際比較では、同じ純物質でも手順を決めないと研究機関ごとに結果が大きくばらつきました事実[参考資料4・5]
この記事でいちばん大事な一行

「潜熱〇〇 J/g、融点〇〇 ℃」は、どの手順で測った、どの形態(純物質か複合材か)の値かが書かれて初めて意味を持ちます。 IEA の三回のラウンドロビンでは、手順を決めない最初の比較では再現性が得られず、昇温速度を遅く(5 mg の試料で 0.5 K/分未満)し、校正・基線・データ処理まで揃えて初めて加熱時のエンタルピーと温度が揃いました。一方、冷却側は揃いませんでした事実[参考資料4]。

2. 潜熱と顕熱 ― どれだけ違うか(本稿の計算)

物質の温度を上げるのに使う熱(顕熱)と、融けるときに温度を上げずに使う熱(潜熱)の差を、実在の物質の基準値で計算します。IEA のラウンドロビンで基準 PCM に使われた n-オクタデカンは、融解エンタルピー 241.65 J/g、融点 28.15 ℃、比熱は固体 1.91・液体 2.23 J/(g・K) と、文献の基準値が整理されています事実[参考資料4]。

本稿の計算:n-オクタデカンを 20 ℃から 35 ℃へ温めるときの吸熱

本稿の計算

  • 固体の顕熱(20 → 28.15 ℃):1.91 × 8.15 = 約15.6 J/g
  • 融解の潜熱(28.15 ℃):241.65 J/g
  • 液体の顕熱(28.15 → 35 ℃):2.23 × 6.85 = 約15.3 J/g
  • 合計:約 272.5 J/g。同じ 15 K を、相変化を使わず比熱 2.23 J/(g・K) だけで温めると 2.23 × 15 = 約33.5 J/g。比は約8.1倍
  • 窓を狭めると比は大きくなる:26〜31 ℃(5 K)では、合計 約 252.1 J/g に対し顕熱のみ 約 11.2 J/g で、比は約22.6倍

前提と限界:理想的な純物質が一点で融けるとした折れ線で、実測の DSC 曲線ではありません。比熱は温度によらず一定と仮定しています。蓄熱量の「何倍」は、使う温度の窓の幅で大きく変わるので、倍率だけを材料の性能として比べることはできません。

潜熱は、狭い温度範囲に大きな熱をためる(n-オクタデカン・本稿の計算) 文献の基準値から作図した理想的な折れ線です。実測の DSC 曲線ではありません。 0 100 200 280 20 25 30 35 温度(℃) 吸熱量 J/g 潜熱 241.65 J/g (28.15 ℃で融解) 固体 cp 1.91 J/(g・K) 液体 cp 2.23 J/(g・K) 顕熱だけなら 15 K で 33.5 J/g 20 → 35 ℃(15 K)の吸熱 固体の顕熱  15.6 J/g 融解の潜熱  241.65 J/g 液体の顕熱  15.3 J/g 合計 272.5 J/g 顕熱だけ 33.5 J/g 比 約8.1倍 窓を 26〜31 ℃(5 K)に 狭めると約22.6倍 倍率は窓の幅で変わる ※ 基準値:n-オクタデカンの融解エンタルピー 241.65 J/g、融点 28.15 ℃、cp 固体 1.91・液体 2.23 J/(g・K)(Lazaro らが引用した値[参考資料4])。 ※ 比熱は温度によらず一定と仮定しています。縦軸は 20 ℃の固体を 0 としたときの吸熱量です。
図2 本稿の計算を含む作図(ベクター作図)。文献の基準値から作図した理想的な折れ線で、実測の DSC 曲線ではありません。潜熱は狭い温度範囲に大きな熱を集中して出し入れします。

3. 材料の系統 ― パラフィン、脂肪酸、塩水和物、固–固

系統報告された融点・潜熱(条件)特徴・難しさ
パラフィン(n-アルカン、パラフィンワックス)n-テトラデカン 5.5 ℃・215 kJ/kg、n-ヘキサデカン 17.75±0.006 ℃・235.13±0.13 kJ/kg(DSC)、n-オクタデカン 27.07±0.095 ℃・243.68±0.096 kJ/kg(DSC)、n-エイコサン 35.69±0.15 ℃・247.05±0.14 kJ/kg(DSC)。混合のパラフィンワックスは 41.92〜66 ℃、184〜210 kJ/kg(文献値)[1]。総説は、ワックスの融点を30〜90 ℃、融解エンタルピーを180〜270 kJ/kgとする[3]融点は炭素数が増えると上がる。混合のワックスは成分ごとに融けるため融点が幅をもち(温度グライド)、融解と凝固の温度差(ヒステリシス)が数 K 出る。過冷却はまれ[1]。熱伝導率は平均 約0.2 W/(m・K) と低い[3]。燃える(第6章)
脂肪酸融点 5〜70 ℃、融解エンタルピー 45〜210 kJ/kg(総説)[3]。別の評価では 125〜250 J/g、密度 約0.9 g/cm³、体積当たり 32〜80 kWh/m³[2]再生可能原料のものが多い。体積当たりの蓄熱量は小さい[2]。値の幅が資料により異なる(ここでは並べて示すのみ)
塩水和物例:LiClO3・3H2O 8.1 ℃・253 kJ/kg から CH3COONa・3H2O(酢酸ナトリウム三水和物)58 ℃・226〜289 kJ/kg まで(文献ごとに異なる)[1]。別の評価では 100〜290 J/g、密度 1.3〜2.6 g/cm³、体積当たり 50〜130 kWh/m³[2]体積当たりの蓄熱量はパラフィンより大きい(塩水和物 40〜125 kWh/m³、パラフィン 40〜60 kWh/m³)[1]。一方で不一致融解、過冷却(5 ℃超)、腐食性の課題がある[2](第4章)
固–固相変化材料(例:ポリウレタンに PEG を組み込んだもの)PEG(分子量 2,000〜20,000)の融点 50.8〜62.5 ℃、融解エンタルピー 184.7〜212.1 J/g(総説の表)[8]。PEG をポリウレタンの軟質セグメントに組み込む軟質セグメントが融解・結晶化して潜熱を出し入れし、硬質セグメントが水素結合などで形を保つため、融けても流れ出さない設計だと総説は述べる[8]。値は設計(組成比)で変わる

すべて事実(各出典の記述)。融点・潜熱は文献値の引用が多く、測定法は出典ごとに違います。系統どうしの優劣は示しません。

Hirschey らの会議論文は、パラフィンと塩水和物の融解エンタルピーはおおむね100〜200 kJ/kg、融点は0〜100 ℃で建物に使いやすい、とまとめています。また、水の氷(0 ℃、333.5 kJ/kg)は、DSC の校正に使われます事実[参考資料1・4]。

4. 塩水和物の難しさ ― 不一致融解、過冷却、報告値のばらつき

塩水和物は、無水塩が決まったモル比の水とつくる結晶です。融けるとき、結晶水に無水塩が溶けきらないと、不一致融解(無水塩が沈み、凝固で水と再結合しない)が起こります。たとえば硫酸ナトリウム十水和物(グラウバー塩、融点 32.4 ℃)は不一致融解と不安定な過冷却に悩まされる、と Hirschey らは述べています事実[参考資料1]。

過冷却:極端な例と、役に立つ例

凝固では、液体が融点より低い温度まで固まらない過冷却が起こります。酢酸ナトリウム三水和物(融点 58 ℃)では、−12.7 ℃まで過冷却した後で自然に結晶化した例が報告されており、融点より約71 K 低い値です(58 − (−12.7) = 70.7 K)事実[参考資料1]本稿の計算。 一方で Johansen らは、酢酸ナトリウム三水和物に黒鉛粉末を混ぜた試料(1試料 200 g)を、室温で5か月間過冷却状態で保持できたと報告しています。黒鉛粉末はカルボキシメチルセルロースで安定化されていました事実[参考資料7]。過冷却は、短所にも、長期の蓄熱の手段にもなりうることを示す例です。

同じ材料でも、文献の潜熱は20〜30%違う

次の図は、Hirschey らの表にある塩水和物の融解エンタルピーを、材料ごとに並べたものです。測定法の記載がある報告は DSC、T-history(T-H)、簡易熱量計(コーヒーカップ型、CC)のいずれかで、記載のないものも多くあります。

同じ塩水和物でも、報告された融解エンタルピーは文献で違う(本稿の整理) 各点は一つの文献の報告値です(Hirschey らの表1[参考資料1])。右の%は、最大値が最小値を上回る割合です。 100 150 200 250 300 kJ/kg CaCl2・6H2O +23% Na2SO4・10H2O +6% Na2HPO4・12H2O +1% KF・4H2O +23% Na2S2O3・5H2O +5% CH3COONa・3H2O +28% DSC T-history 簡易熱量計(CC) 測定法の記載なし ※ 融点も文献で異なります(CaCl2・6H2O は 24〜30 ℃)。試料の純度・水分・測定法の差が含まれ、どの値が正しいかは判断できません。 ※ 表1の13材料のうち、報告値が3件以上ある6材料を示しました。%は本稿の計算で、最大値/最小値−1 です。
図3 本稿の計算を含む作図(ベクター作図)。Hirschey らの表1の報告値を材料ごとに並べたものです。同じ材料の値が最大で約28%違います。どの値が正しいかを判断するものではなく、文献値をそのまま設計に使う危うさを示すものです。
素材技術者の視点①:塩水和物は「相図」の問題で、補う手は“核”と“増粘”の二つ

不一致融解は、水が足りず無水塩が溶けきらない、という相図上の性質です。そのため対策は、無水塩が沈まないように動きを止める(増粘剤・ゲル化剤・多孔質の骨組み)か、溶液と同じ結晶構造の物質を核にして過冷却を抑える(硫酸ナトリウム十水和物にホウ砂〔四ホウ酸ナトリウム十水和物〕を加える例)か、のどちらかに寄ります。Hirschey らは、これらの添加物の質量分率は一般に20%未満で、潜熱は添加物の分だけ減るが、コストは大きく増えないと述べています[参考資料1]。

素材から見ると、運転温度の範囲を外れると核が働かなくなる、偏析が戻らなくなることが問題です。RAL-GZ 896 も、サイクル劣化の一般的な原因として、偏析と、運転温度範囲を外れたときの核剤の失活を挙げています[参考資料6]。「過冷却を抑える添加物を入れた」だけでなく、その核剤が何回の熱サイクルと、どの温度の逸脱に耐えるかを確認する必要があります(本記事による解説)。

本稿の計算:体積当たりの蓄熱量の確かめ

体積当たりの蓄熱量 = 融解エンタルピー × 固体の密度 です本稿の計算。Hirschey らが比較に使うパラフィンワックス(融点48 ℃、189 kJ/kg、密度 0.912 g/cm³)では、189 kJ/kg × 912 kg/m³ ÷ 3,600 = 約47.9 kWh/m³で、論文の値と一致しました[参考資料1]。前提と限界:固体の密度を使っており、融けると密度が変わる材料では、系の設計に体積変化の取り扱いが別に要ります。論文も、塩水和物とパラフィンは融けるときの密度変化が一定でないと指摘しています[参考資料1]。

5. 漏れと熱伝導 ― カプセル化と形状安定化

固体–液体の PCM は、融けると流れ出すことと、パラフィンでは熱が伝わりにくいことが課題です。総説は、パラフィンの熱伝導率の平均を約0.2 W/(m・K)としており、熱伝導率の高い粒子(炭素材料など)を加える複合化が広く研究されています事実[参考資料3]。封じ込めには、大きく三つの方式があります。

左から小さな殻、孔のある支持体、大きな袋で材料を保持する例です
図4 概念画像(ImageGenで生成)。左から小さな殻、孔のある支持体、大きな袋で材料を保持する例です。拡大率・厚みは説明用で、封入材の製品仕様ではありません。 形状・色・寸法は説明用です。数値と原文の対応は下の元図で確認できます。
元のSVG模式図と正確な説明を見る
PCM の封じ込め方式(概念図) マイクロカプセル 形状安定化(多孔体・黒鉛) 大きな容器(パウチ・パネル) 青:芯の PCM 濃い縁:殻 灰:黒鉛や多孔体の骨組み 青:孔の中の PCM 灰の線:熱を通す金属のフィン 殻の破れ・熱伝導が課題 衣料・繊維への混入に使われる 漏れにくい・熱が伝わる PCM の割合が減り潜熱は下がる 大量に入れやすい 密閉と熱の通り道(フィン)が要る ※ 三方式は一般的な整理で、寸法・構造は説明用です。実在の製品の構造ではありません。 ※ 衣料は NASA Spinoff[参考資料13]、形状安定化は総説[参考資料3]、容器の密閉は Skach ら[11]と RAL-GZ 896[6]を参照。
図4 概念図(ベクター作図)。PCM の三つの封じ込め方式です。寸法・構造は説明用で、実在の製品の構造ではありません。
  • マイクロカプセル:NASA Spinoff によると、NASA は1980年代に、米国空軍の先行研究を土台に、ポンプを使わず繊維で温度を調節する方法を調べ始めました。Triangle Research and Development Corporation は、NASA ジョンソン宇宙センターとの SBIR 契約(1987年と1988年)に先立って、微小なカプセルに入れた PCM(mPCM)を含む繊維の価値を空軍向けに示していました。その特許権を得た企業が、のちに社名を Outlast Technologies に変え、mPCM を衣料・寝具などに組み込みました事実[参考資料13]。
  • 形状安定化(黒鉛・多孔体):総説には、オクタン酸–ミリスチン酸の共晶混合物を膨張黒鉛(EG)に質量比 93:7 で吸着させた複合材の例(相転移温度 6.8 ℃、潜熱 136.3 J/g、100回の蓄冷・放冷で相転移温度と潜熱に大きな変化なし)があります。別の例では、パルミチン酸/ポリアニリン/xGnP の形状安定化 PCM が熱伝導率 1.08 W/(m・K)、蓄熱量 157.7 J/g で、xGnP を含まない系より熱伝導率が237.5%高いと報告されています事実[参考資料3]。
  • 容器:データセンターの研究では、漏れた場合の被害を抑えるため、PCM を密閉した容器に入れる構成が想定されています[参考資料11]。RAL-GZ 896 も、PCM は環境(雰囲気、容器壁)との相互作用で安定性が時間とともに下がりうる、と述べています[参考資料6]。
本稿の計算:複合化は「潜熱を薄める」

複合材の潜熱は、おおまかには PCM の質量分率 × 純物質の潜熱 です本稿の計算。たとえば潜熱 200 J/g のパラフィンを質量分率0.8で含む複合材は、理論上 0.8 × 200 = 160 J/g です。この数字は、第4章の Hirschey らの記述(添加物は一般に質量で20%未満)と同じ桁の設定として選んだ例示です。 前提と限界:実際の複合材の潜熱は、DSC で測って確かめる必要があります(吸着の仕方、界面、PCM が実際に結晶化できる割合で変わる)。「熱伝導率が〇倍」と「潜熱が〇%減」は常に対で読みます。

素材技術者の視点②:複合化の評価は、潜熱・熱伝導率・漏れ・サイクルの四点セット

形状安定化 PCM の論文では、熱伝導率の向上率(上の例なら237.5%)が目立ちますが、それと同じ試料の潜熱、漏れ試験の条件(温度と時間)、サイクル回数が揃って初めて、使えるかどうかが読めます。たとえば総説の別の例は、エリスリトールに膨張黒鉛を加えて熱伝導率とサイクル安定性が改善した、と述べますが、潜熱の低下も伴います[参考資料3]。

また、固–固型は「漏れない」設計として語られますが、その潜熱の源は PEG などの軟質セグメントの結晶化・融解です(第3章)。分子量や組成比で融点と潜熱が動く(PEG 2,000で191.2 J/g、10,000で207.4 J/g など)ため、軟質セグメントの割合を増やすと潜熱が上がり、形状保持が難しくなるというトレードオフが予想されます(推測。総説は、軟質と硬質の比で相転移温度・熱伝導率・機械強度を調整できると述べますが、定量的な関係は本稿では確認していません)[参考資料8]。

セル間に入れる封入材と、微量試料を調べるDSC装置を分けています
図5 概念画像(ImageGenで生成)。セル間に入れる封入材と、微量試料を調べるDSC装置を分けています。材料の潜熱測定と、機器全体の温度制御評価は別の段階です。 実際の施設・製品・測定結果ではありません。

6. サイクル安定性と難燃 ― 「何回使えるか」「燃えるか」

サイクル安定性

ドイツの Gütegemeinschaft PCM(PCM 品質協会)が運用する RAL-GZ 896(2025年8月版)は、PCM の品質保証と試験の規定で、サイクル安定性を長期安定性の指標として検査します。1サイクルは加熱と冷却による完全な相変化で、規定の回数を無傷で越える必要があり、10,000回以上から50回以上まで6段階のサイクル区分で申告します。純粋な n-アルカンのみの PCM は安定とされ検査が必須ではありませんが、n-アルカンを使った複合材(PCM-C)は検査が必要です。規定は、ありふれた故障の原因として偏析と、運転温度範囲を外れたときの核剤の失活を挙げています事実[参考資料6]。 これは業界団体の品質保証であり、ISO や JIS のような国際・国内規格ではありません。規定の適用はドイツ語版が優先されます[参考資料6]。

燃えやすさ(パラフィンなど有機 PCM)

Hirschey らは、脂肪酸・脂肪アルコール・ワックスの課題として、低い熱伝導率、低い密度、一部に燃焼性の懸念、ポリマーなど一般的な工業材料との適合性の問題を挙げています事実[参考資料2]。 電池の熱暴走の実験では、Mei らが、パラフィン(PA)を入れると PA の燃焼で安定した炎の続く時間が長くなる、と報告しました。この試験はSony US18650VTC5(2600 mAh、NMC 系正極、黒鉛負極)の単セルを満充電(100% SOC)にして、200 W または 500 W のヒーターで熱暴走を起こしたものです。安定した炎の続く時間は、単セルが10秒、PA(相転移温度48〜50 ℃、潜熱136 J/g、14.55 g)を入れた場合が42秒でした。酢酸ナトリウム三水和物(SA、58 ℃、260 J/g)を組み合わせた複合材(PA 9.7 g と SA 7.99 g)では25秒と、PA より40.5%短くなりましたが、単セルよりは長いままでした。熱暴走前のセルの平均温度上昇速度は、複合材で0.1 ℃/秒と、単セルより87.3%、PA より44.4%小さくなりました。著者は、ヒーター出力を上げると熱暴走が速くなり、複合材の抑制効果は大きく下がると述べています事実[参考資料9]。

別の研究(シミュレーション)では、角形セルのモジュールで、SAT に膨張黒鉛を加えた複合 PCM の潜熱がパラフィン/膨張黒鉛の4.8倍で、熱暴走の伝播を遅らせる効果が6倍以上と計算され、モデル上は厚さ12 mm 超で伝播が起きないとされています事実[参考資料29]。これらは特定のセル・配置・条件での実験またはモデルの結果で、安全性を保証するものでも、他の電池や用途に一般化できるものでもありません。電池の熱暴走そのものは、本シリーズ「熱暴走と電池の安全」編で扱っています。

素材技術者の視点③:難燃化は“潜熱と熱伝導”の取り合い

Mei らの結果では、水和塩(結晶水が多い)を組み合わせると、PA だけの場合より炎の続く時間が短くなりました[参考資料9]。素材から見ると、水和塩の結晶水が熱を吸って蒸発する効果と、有機成分を薄める効果が重なっていると読めます(推測。論文は SA の結晶水が熱を吸収すると述べるが、燃焼抑制の機構の詳細は本稿では確認していない)。 ただし塩水和物には過冷却・不一致融解・腐食性の課題があり(第4章)、有機の PCM を塩で置き換えるとサイクル安定性の課題が入れ替わります。難燃の改善は、燃焼試験と、サイクル安定性、熱伝導率、漏れの同時評価で読む必要があります(本記事による解説)。

7. DSC で測る ― 昇温速度が結果を変える

PCM の潜熱と融点は、示差走査熱量測定(DSC)で測るのが一般的ですが、通常の高分子の DSC の習慣では正しく測れません。Lazaro らの総説は、Castellón らと Günther らが、PCM の DSC では通常 1 K/分より遅い加熱・冷却速度が必要で、高分子などの標準的な DSC 分析の慣習とは合わない、と示したことを挙げています事実[参考資料4]。

IEA のラウンドロビンが示したこと

  • 一回目(手順を決めず):各機関が自分の方法で基準 PCM を測り、再現性は得られませんでした。影響因子は、測定手順、DSC 自体、校正、試料の準備と容器、データ処理です[4]。
  • 二回目(RAL の手順を共通化):エンタルピーは再現できましたが、融点付近の温度は不確かさが大きく、特に冷却曲線で顕著でした。加熱側では2機種が理論値から±25 kJ/kg ずれ、オクタデカンの融解の終点(offset)は 26.8〜29.4 ℃に散らばりました。冷却側では、どの曲線も期待より低い温度で凝固し(過冷却)、その差は最大 3.6 ℃でした[4]。
  • 三回目(校正・測定・データ処理まで共通化、DSC のワークショップ):4種の熱流束型 DSC で、5 mg 程度のオクタデカンはすべての装置で 0.5 K/分より遅くする必要がありました。水(氷)とインジウムで校正し、基線を同じ速度で測り、同じ容器を使い、基線の安定を確認する、という手順で、加熱時のエンタルピーと温度が揃いました。冷却時の結果は揃いませんでした[4]。
本稿の計算:きちんと測ると、時間がかかる

本稿の計算

  • Lazaro らは、10〜40 ℃(30 K の窓)を 0.2 K/分で測定しました。昇温1回は 30 ÷ 0.2 = 150 分です[4]
  • IEA の手順(3個以上の試料、各4サイクル)を、30 K の窓・0.5 K/分で行うと、1回の昇温(または降温)が 60 分、1サイクルが 120 分、3試料 × 4サイクルで 1,440 分=24 時間になります[5]

前提と限界:等温保持、校正、ブランク測定、昇温速度の試験の時間を含まない下限の見積りです。試料が実際の温度窓より広い範囲で融ける混合物では、さらに延びます。この時間の重さが、論文の DSC 条件が速く(例:5〜10 K/分)、潜熱や融点が実際の熱平衡の値からずれやすい背景にあります(推測。個々の論文の条件は本稿では確認していません)。

PCM の DSC 測定手順の概要(IEA Task 42/Annex 29 の要約) 熱流束型 DSC を一定速度で使う場合の手順の要約です。細部は原文を確認してください。 ① 昇温速度の決定 4、2、1、0.5、0.25 K/分と半分ずつ遅くして試験し、 ピーク(変曲点)温度の差が 0.2 K未満になる遅い速度を選ぶ ② 校正 その速度で、温度範囲をカバーする3種以上の物質 (例:水、ガリウム、インジウム)を使って温度と熱量を校正する ③ ブランク測定 空の容器(ふたをのせる)で、試料と同じ速度・温度範囲・ 等温保持の時間で、1サイクル測る ④ 試料の測定 同じ製品の試料3個以上を各4サイクル(加熱と冷却)。試料量の例は 10 mg、 ばらつき±20%以内、容器は2/3以下。4サイクル目は速度を上げて確認 ⑤ 解析 基線(ゼロライン)とブランクを差し引き、サイクル1〜3の 開始・終了・ピーク温度と融解熱の平均と標準偏差を出す 所要時間の計算(本稿) 温度窓 30 K、0.5 K/分の場合 昇温または降温 1回 60 分 1サイクル 120 分 3試料 × 4サイクル 1,440 分 = 24 時間 等温保持・校正・ブランク・ 速度試験の時間は含まない 0.2 K/分なら昇温1回で 150 分(30 K の窓) Lazaro らは 5 mg の オクタデカンで 0.5 K/分 未満が必要と報告 ※ 手順は IEA SHC Task 42/ECES Annex 29 の DSC 4229 PCM Standard(2015年1月31日)の要約です[参考資料5]。 ※ この標準は RAL-GZ 896 の手順に、校正・試料準備・解析の定義を加えたものです[参考資料5]。時間は本稿の計算(下限の見積り)です。
図6 本稿の計算を含む作図(ベクター作図)。IEA の DSC 手順の要約と、所要時間の計算です。手順の細部は原文によってください。
素材技術者の視点④:測定の遅さは、シミュレーションにも効いてくる

PCM を建物のシミュレーションに入れるには、エンタルピーと温度の関係が必要です。NREL の Tabares-Velasco は、EnergyPlus で PCM 入り断熱材をモデル化し、エンタルピー曲線を直線に近似しても年間の省エネ効果はあまり変わらないが、時間ごとの結果では、直線近似を使うなら潜熱のおよそ80%を含む融解範囲を指定しないと最大20%違うことを示しました[参考資料12]。 つまり、DSC の曲線の形(融点だけでなく、潜熱がどの温度範囲に分布するか)が、用途の設計に効きます。融点と潜熱の二つの数字だけで材料を選ぶ設計は、冷却側の過冷却や温度のヒステリシスを見落とします(本記事による解説)。

8. 応用 ― 建物、電池の熱管理、衣料、データセンター

用途一次情報で確認できたこと読むときの注意
建物NREL の会議論文は、PCM が建物では、PCM を含ませた壁材、繊維断熱材への含浸、壁の中の大型カプセル、形状安定化 PCM を使った床暖房などに使われ、PCM の材料の多様さと高いコストのため用途ごとの設計が複雑だと述べる。ピーク負荷と HVAC のエネルギーを減らす研究は数十年続くが、建物エネルギーのシミュレーションで PCM を扱えるものは少なく、検証されたものはさらに少ない[12]ここで確認したのは設計とモデル化に関する記述で、実建物での削減量は本稿では示さない
電池の熱管理Al Hallaj と Selman(2000)は、電気自動車の電池モジュールに PCM を組み込む熱管理を提案し、有限要素シミュレーションで、放電中のセルの温度分布が PCM のない場合より大幅に均一になると報告した。可逆熱の大きい Li イオン電池などで有効で、蓄えた熱は電池が休むか温度が融点以下に下がると放出される[10]。単セルの熱暴走実験は第6章[9]2000年の提案とシミュレーション。実機の寿命・安全性を保証するものではない
衣料mPCM を繊維・布・衣料に組み込み、体の近くの温度変化を緩やかにする。NASA の SBIR 契約(1987〜1988年)を経て、Outlast Technologies が寝具、医療用品、アウトドア用品、衣料に展開(2009年の記事)[13]NASA の記事は事業の経緯の紹介。個別製品の性能比較は書かない
データセンターSkach らは、サーバー付近に市販グレードのパラフィン(潜熱 約200 J/g)を密閉容器に入れ、熱負荷のピークをずらす「熱的時間シフト」を提案した。3種類のサーバー構成について、実機で検証済みのシミュレーターで評価し、冷却に制約のないデータセンターでは、冷却のピーク使用量を12%減らせるか、同じ熱的な余裕で14.6%多くのサーバーを置けると予測した[11]シミュレーションの予測。実データセンターでの測定ではない。バックアップ冷却としての使い方は別の議論で、本稿では確認していない

すべて事実(出典は各セル)。

9. 評価・標準の読み方

PCM の性能は、融解・凝固の温度とエンタルピー、比熱、熱伝導率、サイクル後の変化、燃えやすさで評価します。融点・潜熱は DSC で、熱伝導率はホットディスク法や熱流計法、フラッシュ法などで測ります。ただしPCM を専用の対象にした国際規格・JIS は確認できませんでした。DSC の ISO 11357 や JIS K 7121〜7123 はプラスチックの規格で、パラフィンや塩水和物の PCM はその対象外ですが、方法の土台として引用されます。PCM 向けの手順は、IEA の技術報告(DSC 4229 PCM Standard)と、業界団体の RAL-GZ 896 にあります。

評価項目ISOIEC・IEEEJISASTM測定条件で値が変わる点
融解・凝固の温度とエンタルピー(DSC)ISO 11357-1:2023「プラスチック-示差走査熱量測定(DSC)-第1部:通則」[15]。ISO 11357-3:2025「…第3部:融解及び結晶化の温度並びにエンタルピーの測定」(結晶性・部分結晶性プラスチックが対象)[16]確認できなかったJIS K 7121「プラスチックの転移温度測定方法」(1987年制定、2012年改正)[22]。JIS K 7122「プラスチックの転移熱測定方法」(1987年制定、2024年改正)[23]ASTM D3418(転移温度と、融解・結晶化のエンタルピー)、ASTM E793(融解・結晶化の熱量)、ASTM E794(融解・結晶化の温度):機器メーカーの資料で DSC の規格として挙げられている[27]。PCM 向けは IEA の DSC 4229 PCM Standard(2015年1月)[5]と RAL-GZ 896(2025年8月)[6]昇温速度(PCM では遅く)、試料量、容器、校正、基線、加熱側か冷却側か[4]
比熱容量ISO 11357-4:2021「…第4部:比熱容量の測定」(プラスチックが対象)[17]確認できなかったJIS K 7123「プラスチックの比熱容量測定方法」(1987年制定、2012年改正)[24]ASTM E1269(DSCによる比熱):機器メーカーが ISO 11357-4 と並べて挙げる[28]空容器・標準物質・試料の3回の測定を同じ条件で行うこと、ベースライン
熱伝導率ISO 22007-2:2022「プラスチック-熱伝導率及び熱拡散率の求め方-第2部:過渡平面熱源(ホットディスク)法」[18]。ISO 22007-4:2024「…第4部:ライトフラッシュ法」[19]。ISO 8301:1991「断熱材-定常状態の熱抵抗及び関連する特性の求め方-熱流計装置」(平板試験片)[20]確認できなかったJIS A 1412-2「熱絶縁材の熱抵抗及び熱伝導率の測定方法-第2部:熱流計法(HFM法)」(1999年制定)[26]確認できなかった試料の形態(複合材の均質性)、温度、固体か液体か(液体は対流)
サイクル安定性確認できなかった確認できなかった確認できなかった確認できなかった業界の品質保証 RAL-GZ 896 が、10,000回以上から50回以上までの6区分で申告[6]
燃えやすさ(小炎試験)確認できなかったIEC 60695-11-10:2013「耐火性試験-第11-10部:試験炎-50 W 水平及び垂直燃焼試験方法」(電気・電子製品に使う固体・多孔質材料で、見かけ密度250 kg/m³超が対象)[21]JIS C 60695-11-10(2006年制定、2015年改正、2024年6月確認)[25]確認できなかった試験片の寸法と向き(水平・垂直)、炎の条件。粉末や液体の PCM はそのままでは対象外

番号・題名・版は各団体の公式ページで確認した事実。ASTM は番号と測る量のみで、非 ASTM の資料(機器メーカーのページ)で確認できたものに限りました。この表の整理は本稿の計算(本記事による並べ替え)です。

規格の読み方の注意

  • プラスチック用の DSC 規格を、PCM にそのまま当てはめない。ISO 11357-3 はプラスチックの融解・結晶化が対象で、パラフィンや塩水和物の PCM は対象外です。PCM の昇温速度(1 K/分より遅く)、校正(氷とインジウムなど)、基線の扱いは、IEA の報告や RAL-GZ 896 のような PCM 向けの手順で補います[4・5・6]
  • RAL-GZ 896 は業界の品質保証で、国際規格ではありません。ドイツ語版が優先され、メンバー企業の製品の品質表示の基礎です。「RAL 準拠」と書かれた値は、準拠した版(2025年8月版など)とサイクル区分、試験機関を併記して読みます
  • メーカーの値は、純物質の値か複合材の値か、測定法と昇温速度を併記して読む。機器メーカーの「準拠」の表記は装置の機能の説明で、得られた潜熱が規格で保証された値になるわけではありません

10. 限界と、確認できなかったこと

(1) 規格の本文

ISO 11357、ISO 22007、ISO 8301、IEC 60695-11-10、JIS の本文は確認していません。試験条件、手順、合否の基準は記載していません。RAL-GZ 896 は本文を参照して概要のみを述べ、再掲はしていません。ASTM のサイトは開いておらず、ASTM 規格は機器メーカーの資料で確認できた番号と測る量のみです。

(2) 実機・実建物での効果

第8章の結果はシミュレーション、または特定の試験条件の報告で、実建物の省エネ量、電池パックの寿命・安全性、データセンターの運用効果は示していません。

(3) 固–固相変化材料と有機 PCM の安全性

固–固型の「漏れない」という記述は総説の主張で、本稿は独立の確認をしていません。脂肪酸の腐食性、各 PCM の毒性・環境影響は一次情報で確認できなかったため記載していません。

(4) サイクル劣化の定量データ

塩水和物・パラフィン複合材のサイクルごとの潜熱の低下を、横断的に比べた一次情報は確認できませんでした(総説の個別の例は第5章)。RAL-GZ 896 の区分は申告の仕組みであり、実使用での寿命の保証ではありません。

(5) 規制

建築基準、消防法、REACH などの規制の適用は確認していないため、記載していません。

この記事のまとめ
  • 潜熱は狭い温度範囲に大きな熱を集中させます。n-オクタデカンの 20〜35 ℃の吸熱は、潜熱を使うと顕熱だけの約8.1倍。窓を5 K に狭めると約22.6倍本稿の計算
  • 塩水和物は体積当たりの蓄熱量が大きい反面、不一致融解と過冷却が課題です。過冷却は最大約71 K の例があり、長期蓄熱の手段にもなります。同じ材料でも文献の潜熱は最大約28%違いました事実/本稿の計算
  • 封じ込めは潜熱と熱伝導率の取り合いです。カプセル化・形状安定化・容器、固–固型のどれでも、熱伝導率の向上率と潜熱の低下を対で読みます事実
  • DSC では昇温速度が結果を変えます。IEA の国際比較では、手順を決めないと再現せず、0.5 K/分未満・校正・基線の統一で加熱側が揃い、冷却側は揃いませんでした事実
  • パラフィンは燃えます。電池の単セル実験では、塩水和物との複合でパラフィンだけの場合より炎が短くなったが、出力を上げると効果が大きく下がると報告されました。安全性の保証ではありません事実

11. 用語集

PCM
相変化材料。融解・凝固などの潜熱で熱をためる材料。
潜熱/顕熱
相変化で出入りする熱/温度が変わるときの熱。
融解エンタルピー
融けるときに吸収する熱量。kJ/kg または J/g。
過冷却
融点より低い温度まで液体のまま固まらない現象。
不一致融解
融けたとき一部の成分が溶けきらず沈み、凝固で戻らない現象。
温度グライド
混合物が成分ごとに融けるため、融点に幅が出ること。
形状安定化PCM
多孔体や黒鉛に吸着させ、融けても形を保つ PCM。
mPCM
マイクロカプセルに入れた PCM。
固–固相変化材料
固体のまま結晶状態が変わって潜熱を出し入れする PCM。
DSC
示差走査熱量測定。温度を一定速度で変えて熱の出入りを測る。
T-history法
大きな試料を冷やして温度履歴から潜熱を求める方法。
ラウンドロビン
複数の機関が同じ試料を測り、再現性を比べる試験。

12. 参考資料(一次情報)

  1. Hirschey J., Gluesenkamp K. R., Mallow A., Graham S. “Review of Inorganic Salt Hydrates with Phase Change Temperature in Range of 5 to 60 °C and Material Cost Comparison with Common Waxes”, 5th International High Performance Buildings Conference at Purdue, 2018年7月(Purdue e-Pubs 掲載、本文は OSTI 掲載の PDF で確認) — docs.lib.purdue.edu/ihpbc/320
  2. Hirschey J., Kumar N., Turnaoglu T., Gluesenkamp K. R., Graham S. “Review of Low-Cost Organic and Inorganic Phase Change Materials with Phase Change Temperature between 0 °C and 65 °C”, International High Performance Buildings Conference(Purdue e-Pubs 389、掲載2021年8月) — docs.lib.purdue.edu/ihpbc/389
  3. Yang G., Yim Y.-J., Lee J. W., Heo Y.-J., Park S.-J. “Carbon-Filled Organic Phase-Change Materials for Thermal Energy Storage: A Review”, Molecules 24, 2055 (2019), DOI 10.3390/molecules24112055(オープンアクセス) — pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6600410
  4. Lazaro A. ほか “Intercomparative tests on phase change materials characterisation with differential scanning calorimeter”, Appl. Energy 109, 415–420 (2013), DOI 10.1016/j.apenergy.2012.11.045(IEA SHC Task 42 公開版) — task42.iea-shc.org(Intercomparative tests)
  5. Gschwander S. ほか(IEA SHC Task 42/ECES Annex 29) “Standard to determine the heat storage capacity of PCM using hf-DSC with constant heating/cooling rate (dynamic mode)”, DSC 4229 PCM Standard(技術報告、2015年1月31日) — task42.iea-shc.org(DSC 4229 PCM Standard)
  6. RAL Deutsches Institut für Gütesicherung und Kennzeichnung e. V.(Gütegemeinschaft PCM) “RAL-GZ 896 Phase Change Materials”(2025年8月版)。本文は再掲禁止のため、概要のみを参照 — pcm-ral.de(Güte- und Prüfbestimmungen)
  7. Johansen J. B. ほか “Thermal Conductivity Enhancement of Sodium Acetate Trihydrate by Adding Graphite Powder and the Effect on Stability of Supercooling”, Energy Procedia 70, 249–256 (2015), DOI 10.1016/j.egypro.2015.02.121 — doi.org/10.1016/j.egypro.2015.02.121
  8. Wang Z. ほか “Recent Research Progress on Polyurethane Solid–Solid Phase Change Materials”, Polymers 17, 1933 (2025), DOI 10.3390/polym17141933(オープンアクセス) — pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12298916
  9. Mei J. ほか “Organic and Inorganic Hybrid Composite Phase Change Material for Inhibiting the Thermal Runaway of Lithium-Ion Batteries”, Batteries 9, 513 (2023), DOI 10.3390/batteries9100513(オープンアクセス) — doi.org/10.3390/batteries9100513
  10. Al Hallaj S., Selman J. R. “A Novel Thermal Management System for Electric Vehicle Batteries Using Phase-Change Material”, J. Electrochem. Soc. 147, 3231 (2000), DOI 10.1149/1.1393888 — doi.org/10.1149/1.1393888
  11. Skach M. ほか “Thermal Time Shifting: Decreasing Data Center Cooling Costs with Phase-Change Materials”, IEEE Internet Computing 21, 34–43 (2017), DOI 10.1109/MIC.2017.2911418 — par.nsf.gov/servlets/purl/10053304
  12. Tabares-Velasco P. C.(NREL) “Energy Impacts of Nonlinear Behavior of PCM When Applied into Building Envelope”, NREL/CP-5500-54245(ASME ES2012 会議論文、2012年8月) — eere.energy.gov(NREL/CP-5500-54245)
  13. NASA Spinoff “Phase Change Fabrics Control Temperature”(2009年掲載) — spinoff.nasa.gov/Spinoff2009/ch_4.html
  14. Fatahi H. ほか “Thermal Characterization of Phase Change Materials by Differential Scanning Calorimetry: A Review”, Appl. Sci. 12, 12019 (2022), DOI 10.3390/app122312019(オープンアクセス、要旨のみ確認) — doi.org/10.3390/app122312019
  15. ISO “ISO 11357-1:2023″(第4版、2023年2月) — iso.org/standard/83904.html
  16. ISO “ISO 11357-3:2025″(第4版、2025年5月) — iso.org/standard/88106.html
  17. ISO “ISO 11357-4:2021″(第3版、2021年2月) — iso.org/standard/79998.html
  18. ISO “ISO 22007-2:2022″(第3版、2022年6月) — iso.org/standard/81836.html
  19. ISO “ISO 22007-4:2024″(第3版、2024年1月) — iso.org/standard/86202.html
  20. ISO “ISO 8301:1991″(第1版、1991年8月、2025年に再確認) — iso.org/standard/15421.html
  21. IEC “IEC 60695-11-10:2013″(第2版) — webstore.iec.ch/en/publication/2938
  22. 日本産業標準調査会(JISC) “JIS K 7121” 検索結果と詳細(制定1987/10/01、最新改正2012/07/20、最新確認2022/10/20) — jisc.go.jp(JIS K 7121)
  23. 日本産業標準調査会(JISC) “JIS K 7122” 検索結果と詳細(制定1987/10/01、最新改正2024/03/21) — jisc.go.jp(JIS K 7122)
  24. 日本産業標準調査会(JISC) “JIS K 7123” 検索結果と詳細(制定1987/10/01、最新改正2012/07/20、最新確認2022/10/20) — jisc.go.jp(JIS K 7123)
  25. 日本産業標準調査会(JISC) “JIS C 60695-11-10” 検索結果と詳細(制定2006/11/20、最新改正2015/03/20、最新確認2024/06/20) — jisc.go.jp(JIS C 60695-11-10)
  26. 日本産業標準調査会(JISC) “JIS A 1412-2” 検索結果と詳細(制定1999/04/20、最新確認2021/10/20) — jisc.go.jp(JIS A 1412-2)
  27. NETZSCH “DSC 214 Polyma — Method, Technique, Applications”(規格の一覧表に ASTM D3418、E793、E794 などを記載) — analyzing-testing.netzsch.com(DSC 214 Polyma)
  28. NETZSCH “Precise Determination of the Specific Heat by Means of DSC”(ASTM E 1269、DIN 51 007、ISO 11357-4 の記載) — analyzing-testing.netzsch.com(DSC 比熱)
  29. Zhang ほか “A Thermal Runaway Protection Strategy for Prismatic Lithium-Ion Battery Modules Based on Phase Change and Thermal Decomposition of Sodium Acetate Trihydrate”, Batteries 11, 198 (2025), DOI 10.3390/batteries11050198(数値シミュレーション、要旨を確認) — doi.org/10.3390/batteries11050198

13. 主張と出典の対応表(監査)

本文の主張根拠区分
PCM は熱をほぼ一定温度で取り込み・ためて・放出できること、相変化の温度で使わなければ顕熱蓄熱と変わらないこと。パラフィンと塩水和物の融解エンタルピーは100〜200 kJ/kg、融点0〜100 ℃。塩水和物の定義、不一致融解、グラウバー塩(32.4 ℃)の課題。酢酸ナトリウム三水和物(58 ℃)が−12.7 ℃まで過冷却した例。表1・表2の n-アルカン・ワックス・塩水和物の融点・エンタルピーと測定法。体積当たりの蓄熱量(塩水和物40〜125、パラフィン40〜60 kWh/m³)、パラフィンワックス48 ℃・189 kJ/kg・0.912 g/cm³の47.9 kWh/m³。充填材は質量で20%未満、ホウ砂を核にする例、融けるときの密度変化Hirschey ら(2018)
出典1 https://docs.lib.purdue.edu/ihpbc/320/
事実
脂肪酸 125〜250 J/g・約0.9 g/cm³・32〜80 kWh/m³、塩水和物 100〜290 J/g・1.3〜2.6 g/cm³・50〜130 kWh/m³、ワックスの温度グライド、脂肪酸・脂肪アルコール・ワックスの課題(低熱伝導率・低密度・燃焼性の懸念・ポリマーとの適合性)、塩水和物の課題(過冷却5 ℃超・不一致融解・腐食性)、PCM は環境にさらされると劣化しうるので密閉が要ることHirschey ら(2021)の要旨
出典2 https://docs.lib.purdue.edu/ihpbc/389/
事実
パラフィンワックスの融点30〜90 ℃・180〜270 kJ/kg、平均熱伝導率約0.2 W/(m・K)、脂肪酸の融点5〜70 ℃・潜熱45〜210 kJ/kg、膨張黒鉛との複合材の例(オクタン酸–ミリスチン酸/EG:6.8 ℃・136.3 J/g・100回で大きな変化なし。パルミチン酸/PANI/xGnP:熱伝導率1.08 W/(m・K)・157.7 J/g・237.5%向上)、エリスリトールと膨張黒鉛の例Yang ら(Molecules 2019)の総説
出典3 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6600410/
事実
n-オクタデカンの基準値(241.65 J/g、28.15 ℃、cp 1.91・2.23 J/(g・K))、氷(333.5 kJ/kg)での校正、三回のラウンドロビンの結果(再現せず/±25 kJ/kg/融点の散らばり/冷却で3.6 ℃/0.5 K/分未満/加熱は揃い冷却は揃わず)、PCM では通常1 K/分より遅い速度が必要という先行研究の指摘Lazaro ら(Appl. Energy 2013)
出典4 https://task42.iea-shc.org/data/sites/1/publications/Task42-Intercomparative-Tests-on-Phase-Change-Materials.pdf
事実
DSC 4229 PCM Standard の手順(昇温速度試験、0.2 K/0.5 K の基準、校正3物質、試料3個・各4サイクル、試料量の例10 mg・±20%・容器2/3以下、基線とブランクの差引)、RAL-GZ 896 に基づくことIEA SHC Task 42/ECES Annex 29 技術報告(2015年1月31日)
出典5 https://task42.iea-shc.org/Data/Sites/1/publications/Task4224-Standard-to-determine-the-heat-storage-capacity-of-PCM-vers150326.pdf
事実
RAL-GZ 896(2025年8月版)が PCM の品質・試験規定であること、サイクル安定性の検査(1サイクルの定義、10,000回以上から50回以上までの区分、n-アルカンの扱い)、偏析と核剤の失活が代表的な故障原因であること、ドイツ語版が優先されることRAL-GZ 896 の本文および Gütegemeinschaft PCM のページ
出典6 https://www.pcm-ral.de/guete-und-pruefbestimmungen-fuer-phase-change-materials/
事実
酢酸ナトリウム三水和物+黒鉛粉末(カルボキシメチルセルロースで安定化、1試料200 g)が室温で5か月間過冷却を保持したことJohansen ら(Energy Procedia 2015)
出典7 https://doi.org/10.1016/j.egypro.2015.02.121
事実
ポリウレタン固–固 PCM の構成(軟質セグメントの結晶化・融解、硬質セグメントの形状保持)、PEG(分子量2,000〜20,000)の融点50.8〜62.5 ℃・融解エンタルピー184.7〜212.1 J/g、漏れのリスクがないという総説の主張Wang ら(Polymers 2025)の総説
出典8 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12298916/
事実
単セルの熱暴走実験(Sony US18650VTC5、2600 mAh、100% SOC、200 W・500 W)、PA(48〜50 ℃・136 J/g・14.55 g)と SA(58 ℃・260 J/g)の複合材、安定した炎の時間(単セル10秒、PA 42秒、PA/SA 25秒=PA 比−40.5%)、熱暴走前の温度上昇速度(PA/SA 0.1 ℃/秒、単セル比−87.3%、PA 比−44.4%)、出力を上げると効果が低下、PA の燃焼が炎の継続時間を長くすることMei ら(Batteries 2023)
出典9 https://doi.org/10.3390/batteries9100513
事実
電池モジュールへの PCM 熱管理の提案と、有限要素シミュレーションでの温度分布の均一化Al Hallaj と Selman(J. Electrochem. Soc. 2000)の要旨
出典10 https://doi.org/10.1149/1.1393888
事実
データセンターへの熱的時間シフトの提案、市販グレードのパラフィン(約200 J/g)、密閉容器、シミュレーションの予測(ピーク冷却使用量−12%、サーバー+14.6%)Skach ら(IEEE Internet Computing 2017)
出典11 https://par.nsf.gov/servlets/purl/10053304
事実
建物での PCM の用途、高コスト、シミュレーションの検証が少ないこと、年間の省エネ効果はエンタルピー曲線の直線近似にあまり敏感でないが、時間ごとの結果は融解範囲が潜熱の約80%を含まないと最大20%違うことTabares-Velasco(NREL/CP-5500-54245)
出典12 https://www1.eere.energy.gov/buildings/publications/pdfs/building_america/pcm_building_envelope.pdf
事実
mPCM を使った温度調節繊維の経緯(空軍向け実証、NASA の SBIR 契約1987・1988年、Outlast への社名変更1997年、寝具・医療用品・アウトドア用品・衣料への展開)NASA Spinoff 2009
出典13 https://spinoff.nasa.gov/Spinoff2009/ch_4.html
事実
DSC による PCM 評価の総説の存在(要旨のみ)Fatahi ら(Appl. Sci. 2022)
出典14 https://doi.org/10.3390/app122312019
事実
ISO 11357-1:2023、-3:2025、-4:2021、ISO 22007-2:2022、-4:2024、ISO 8301:1991 の番号・題名・版・適用範囲ISO の標準ページ
出典15 https://www.iso.org/standard/83904.html
出典16 https://www.iso.org/standard/88106.html
出典17 https://www.iso.org/standard/79998.html
出典18 https://www.iso.org/standard/81836.html
出典19 https://www.iso.org/standard/86202.html
出典20 https://www.iso.org/standard/15421.html
事実
IEC 60695-11-10:2013 の題名・適用範囲IEC Webstore
出典21 https://webstore.iec.ch/en/publication/2938
事実
JIS K 7121・K 7122・K 7123、JIS C 60695-11-10、JIS A 1412-2 の番号・題名・制定年月日・確認日JISC データベース
出典22 https://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISNumberNameSearchList?show&jisStdNo=K7121
出典23 https://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISNumberNameSearchList?show&jisStdNo=K7122
出典24 https://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISNumberNameSearchList?show&jisStdNo=K7123
出典25 https://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISNumberNameSearchList?show&jisStdNo=C60695-11-10
出典26 https://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISNumberNameSearchList?show&jisStdNo=A1412-2
事実
ASTM D3418・E793・E794、ASTM E1269 が機器メーカーの資料で DSC の規格として挙げられていること(ASTM のサイトは参照していない)NETZSCH の資料(非 ASTM の公開資料)
出典27 https://analyzing-testing.netzsch.com/_Resources/Persistent/1/1/3/a/113a82aa25c66d466843e79a134e449ecb15ac00/DSC_214_Polyma_en_web.pdf
出典28 https://analyzing-testing.netzsch.com/en-US/know-how/tips-tricks/dsc/precise-determination-of-the-specific-heat-by-means-of-dsc
事実
SAT と膨張黒鉛の複合 PCM による熱暴走伝播の遅延(シミュレーション:潜熱4.8倍・効果6倍以上・厚さ12 mm 超で伝播なし)Zhang ら(Batteries 2025)の要旨
出典29 https://doi.org/10.3390/batteries11050198
事実
n-オクタデカンの顕熱・潜熱の合計(272.5 J/g)と顕熱のみ(33.5 J/g)、比約8.1倍と約22.6倍、過冷却の幅(70.7 K)、塩水和物の報告値の幅(+23%、+6%、+1%、+23%、+5%、+28%)、複合材の潜熱の例(0.8×200=160 J/g)、DSC 手順の所要時間(150分、24時間)、規格対応表の整理本稿の計算。前提・限界は各所に明記(比熱一定、理想的な折れ線、固体の密度を使用、下限の見積りなど)本稿の計算
規格の本文、固–固型の漏れのなさの独立確認、各 PCM の毒性・環境影響、サイクルごとの潜熱低下の横断的な比較、実建物・電池パック・データセンターでの効果、建築基準・消防法・REACH などの規制本稿の調査範囲でアクセスできた一次情報では確認できなかったため記載していない解説
「塩水和物は相図の問題で、補う手は核と増粘」「複合化の評価は潜熱・熱伝導率・漏れ・サイクルの四点セット」「難燃化は潜熱と熱伝導の取り合い」「測定の遅さはシミュレーションにも効く」という読み取り。図4の封じ込めの分類公表内容にもとづく本記事の整理・解説。各機関・企業が表明した見解ではない解説
図2・図3・図4・図6が実際の観察像・実データではなく説明のための作図であること。図1と図5がAI生成イメージであること本記事による注記解説

最終更新:2026年10月10日/出典は一次情報(査読論文、IEA・NASA・NREL の公式資料、会議論文、規格団体のページ)に限定しています。規格の本文は有料のため確認できていません。ASTM International のサイトは参照していません。 構造の整理や材料設計上の読み取りを含むため、それらは「解説」として出典付きの事実と区別しています。 規格の本文、固–固型の漏れのなさの独立確認、各 PCM の毒性・環境影響、サイクルごとの潜熱低下の横断的な比較、実建物・電池パック・データセンターでの効果、規制の適用については、確認できなかったため記載していません。 融点・潜熱の数値は文献値の引用を多く含み、測定法・昇温速度・複合材か純物質かで変わります。電池・建物・データセンターの結果は特定の条件の実験またはシミュレーションであり、安全性や効果を保証しません。 図はすべて説明用の概念図です。図2・図3・図4・図6はベクター作図、図1と図5はAI生成イメージであり、いずれも実際の断面写真・顕微鏡像・製品の実物を示すものではありません。