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機能性材料の分類と評価の読み方 技術解説

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TECHNOLOGY EXPLAINER

機能性材料の分類と評価の読み方
― 「ZT 2.6」の一行を、条件つきで読むための地図

同じ SnSe(セレン化スズ)という化合物でも、熱電性能指数 ZT は、単結晶のb軸方向で 2.6、多結晶で 0.5 と報告されています。数字の差は、材料の良し悪しではなく、試料の形、測る方向、温度、測り方の違いです。 この記事は、機能性材料シリーズ(35本)の入口として、材料を「刺激と応答」で並べる地図、性能値を読む5つの問い、3つの実例、技術成熟度(TRL)の見方、そして評価規格を調べる手順をまとめます。

構成:査読論文(Nature、PNAS、Rev. Sci. Instrum.、Appl. Phys. Lett. ほか)、NASA と欧州委員会の TRL の定義、ISO・IEC・JISC・FDA のデータベース/確認日 2026年10月10日

力・熱・電気などの入力と、電気・色・形の応答を別々の試料で示しています
図1 概念画像(ImageGenで生成)。力・熱・電気などの入力と、電気・色・形の応答を別々の試料で示しています。見た目より、何を入力し何を測ったかが機能性材料を読む入口です。 実際の施設・製品・測定結果ではありません。
この記事の構成
  1. 機能性材料とは何か(3行でつかむ)
  2. 機能性材料の地図 ― 「刺激→応答」で並べる
  3. 性能値を読む5つの問い
  4. 実例①:同じ SnSe で ZT が 0.5 から 2.6 まで
  5. 実例②:ピーク ZT と変換効率は別の指標
  6. 実例③:同じ試料でも、研究室によって ZT は19%ばらつく
  7. 技術成熟度(TRL)の見方
  8. 限界と、確認できなかったこと
  9. 評価・標準の読み方
  10. 用語集
  11. 参考資料(一次情報)
  12. 主張と出典の対応表(監査)
本記事の表記ルール

事実=公表資料に記載のある内容(出典リンクあり)
本稿の計算=明示した前提をもとに本記事が算出した値
未確定/将来=計画・予定であり、実績が確認できていない事項
このほか、材料設計上の読み取りは「解説」として区別しています。推測は太字で示します。

この記事の数値の読み方

ここに出てくる ZT、不確かさ、効率の数値は、特定の論文が、特定の試料を、特定の条件で測った結果です。材料の「実力」や、量産品・他の試料の性能を示すものではありません。 研究室の最良のデータ(チャンピオンデータ)を、実用条件の性能として読まないでください。企業や製品の優劣は論じません。

1. 機能性材料とは何か(3行でつかむ)

  • 強度ではなく「応答」で価値が決まる材料:熱・電場・磁場・光・力・化学環境といった刺激に応じて、形・電気・光・熱・表面を変える(または、望む機能を安定して保つ)材料を、本稿では機能性材料と呼びます。国際的に統一された定義は、本稿の調査範囲では確認できませんでした。この作業定義と分類は解説です
  • 性能値は「材料×形×条件×測り方」の値:同じ化合物でも、単結晶と多結晶、測る方向、温度で、数字が数倍違います事実[参考資料2・3]
  • 評価規格は「試験方法」であって、性能の保証ではない:規格には番号・題名・版があり、JIS と ISO は同一とは限りません(例:JIS Z 2241 は ISO 6892-1:2019 を修正して採用〔MOD〕)事実[参考資料23・14]
この記事でいちばん大事な一行

性能値は、「何を(組成・形)、どんな条件で、何で割って、どう測り、どれだけ代表的か」の5点とセットで読む。 シリーズ35本のどの記事でも、この5点が書かれていない数字は、比べずに保留してください。

2. 機能性材料の地図 ― 「刺激→応答」で並べる

機能性材料は、材料の種類(金属、セラミックス、高分子)でも、用途(電池、光学、医療)でも分けられます。ここでは、材料を選ぶときに最初に聞かれる「何を加えると、何が変わるのか」で並べてみます。図2の行が加えるもの(刺激)、列が変わるもの(応答)です。

刺激と応答で並べた機能性材料の地図(本稿の整理) 行が「何を加えるか」、列が「何が変わるか」。空欄は、このシリーズに該当する記事がない組み合わせです。 加えるもの \ 変わるもの 形・ひずみ 電気(電圧・電力) 光(色・屈折) 熱(温度・熱流) 表面・構造 熱(温度変化) 形状記憶合金 ポリマー・LCE 熱電変換材料 (温度差→電圧) ― 相変化材料 (潜熱で蓄熱) ビトリマー (加熱で結合交換) 電場・電流 圧電材料 誘電エラストマー 強誘電体 (分極の反転) エレクトロクロミック (色が変わる) 熱電変換材料 (ペルチェ冷却) ― 磁場 ― スピントロニクス (抵抗が変わる) ― 磁気熱量効果 (磁場→温度) ― 光 LCE・SMP (光応答型) ― メタサーフェス (光を制御) 放射冷却材料 (日射を反射) 光触媒 (表面の反応) 応力・振動 ― 圧電材料 ハーベスティング ― ― ― 水分・イオン ハイドロゲル (膨潤・収縮) ― ― ― ― ※ 表は本稿による整理(解説)です。1つの材料が複数の欄に入ることがあります。 ※ 導電性・バリア性・強度のように、刺激に応答しない(受動的な)機能の材料は、この表には載りません。 ※ LCE=液晶エラストマー、SMP=形状記憶ポリマー。ペルチェ冷却は熱電素子に電流を流して熱を運ぶ使い方です。
図2 概念図(ベクター作図)。機能性材料を「加える刺激」と「変わるもの」で並べた本稿の整理です。分類は解説であり、材料の優劣や網羅性を示すものではありません。

刺激に応答しない(受動的な)機能もあります。導電性、バリア性、強度、断熱性のように、「そこにあるだけで働く」材料です。図2には載りませんが、シリーズでは表面とコーティング、導電・ナノ炭素、構造と機能を兼ねる材料などの区分で扱います。次の表は、本稿を除くシリーズの34本を11の区分に分け、それぞれの代表的な性能値と、値が変わる主な条件を並べたものです。

区分何が起きるか代表的な性能値値が変わる主な条件本シリーズの記事
形状記憶・人工筋肉温度・光・電場などで、形が大きく変わる、元に戻る変態温度、回復ひずみ、回復応力、繰り返し回数組成、熱処理、拘束の有無、ひずみ振幅、試験回数形状記憶合金/形状記憶ポリマーと液晶エラストマー/ソフトアクチュエータと人工筋肉
圧電・強誘電・ハーベスティング力と電気の変換、電場による分極の反転d33、比誘電率、キュリー温度セラミック・単結晶・薄膜・ポリマーの別、測定周波数、電場圧電材料と無鉛化/強誘電体と誘電材料/エネルギーハーベスティング
熱電温度差と電圧の相互変換ZT(=S2T/ρκ。S はゼーベック係数、ρ は電気抵抗率、κ は熱伝導率)温度、材料単体か素子か、結晶の方位、温度差熱電変換材料
熱の貯蔵と制御潜熱で熱をためる、放射で熱を逃がす融点・潜熱、放射率、日射反射率測定法(DSC の昇温速度など)、複合材か純物質か、繰り返し回数相変化材料と蓄熱/熱制御材料と放射冷却
磁性磁化を保つ、磁場で温度が変わる、スピンで抵抗が変わるBr、HcJ、(BH)max、磁気熱量効果の温度変化温度、焼結磁石かボンド磁石か、測定の磁路永久磁石とレアアース/レアアースフリー磁石/磁気熱量効果と磁気冷凍/スピントロニクス材料
光の制御屈折・位相・色を設計する、電場で色を変える動作波長、効率、透過率の変化幅波長、偏光、入射角、効率が絶対か相対かメタマテリアルとメタサーフェス/メタレンズとフラット光学/エレクトロクロミック材料とスマートウィンドウ
導電・イオン伝導・ナノ炭素電気やイオンを通す、薄く軽い導体になる導電率、シート抵抗、移動度、イオン伝導度ドーピング、膜厚、湿度、欠陥の量導電性高分子とイオン伝導体/透明導電膜/グラフェン/カーボンナノチューブ/MXeneとナノシート
表面とコーティング濡れ、付着、腐食、光触媒反応などの表面の機能接触角、氷付着強度、耐食性、バリア性基材、膜厚、試験法、試験時間、屋外か促進試験か超撥水・防氷・防汚コーティング/抗菌・防食コーティング/バリア性とコーティング/ナノコーティングと薄膜/二酸化チタンと光触媒
自己修復傷や破断を、結合の再生で直す修復効率(強度の回復率)、修復の回数損傷の大きさ、温度、待ち時間自己修復材料とビトリマー
構造と機能を兼ねる強度・耐熱性に、耐食性や弾性などの機能を重ねる強度、硬さ、延性、耐熱性組成、加工状態(鋳造・焼鈍・圧延)、試験温度、造形条件高エントロピー合金/高エントロピー酸化物・セラミックス/ポリウレタンとエラストマー/3Dプリンティング用樹脂
ソフト・多孔・繊維水や気体を含む、柔らかい、織る含水率、比表面積、細孔径、伸縮率乾燥・保存の状態、湿度、繊維や織りの構造ハイドロゲルとエアロゲル/スマートテキスタイルとウェアラブル材料/金属有機構造体

区分と代表的な指標の整理は本稿の解説です。1つの材料が複数の区分にまたがることがあります(例:グラフェンは導電材料でも、バリア膜でもあります)。ZT の定義式は Kim らの論文[参考資料1]によります事実。本シリーズの他の記事は、本シリーズ「○○」編として文章で案内します(リンクは張りません)。

この材料地図は、刺激と応答を対応させるための本記事による概念整理です。性能値の比較は、後の章で取り上げる原著研究の試料・測定条件に戻って読みます。図の区分は、特定の製品の性能や成熟度の順位を示しません。

  • 熱電の性能値と変換効率:Kimらの原著研究[参考資料1]。
  • 自己修復:Whiteらの原著研究[参考資料6]。
  • 光の制御:Pendryの理論論文[参考資料7]。
  • 高エントロピー合金:Yehらの原著研究[参考資料8]。
  • 表面の濡れ:BarthlottとNeinhuisの原著研究[参考資料9]。
  • 導電性高分子:Chiangらの原著研究[参考資料10]。

3. 性能値を読む5つの問い

次の5つを確認できない数字は、他の数字と並べて優劣をつけません。シリーズの各記事も、この基準で数字を載せています。

問いなぜ大事か本稿で見る例
① 何の、どの形か(組成・単結晶か多結晶か・薄膜か・素子か)同じ化合物でも、結晶の方位や形で値が違う。材料単体と、素子・システムの値も別物SnSe の ZT は、単結晶のb軸 2.6、多結晶 0.5(第4章)[参考資料2・3]
② どんな条件か(温度・周波数・電場・荷重・雰囲気・時間)多くの特性は条件で連続的に変わる。ピークの一点と、使う範囲の平均は別ピーク ZT が高い材料が、使う温度範囲では効率が低くなる(第5章)[参考資料1]
③ 何で割ったか、何と比べたか(分母・比較対象)質量あたりか体積あたりか。材料かセルか、素子かシステムか。「従来比Y倍」の比較対象の条件電池では、条件を変えるだけで容量80%までのサイクル数が数千変わる[参考資料5]。本シリーズ「電池の評価と劣化」編
④ どう測ったか(測定法・規格・版・不確かさ)測定そのものが誤差を持つ。規格や版で手法が違う同じ試料を複数の研究室で測ると、ZT の不確かさは温度平均で19%(第6章)[参考資料4]
⑤ どれだけ代表的か(1個か統計か・小面積か・短時間か)チャンピオンデータは、最良の1点。量産では組成・寸法・接触のばらつきが加わる素子では、電気的な接触の抵抗などで理想の値より効率が下がる(第5章)[参考資料1]

③の電池の例は、Preger らの市販セルの試験の要旨にもとづく(メーカーの許容範囲で運転しても、容量80%に達する時間とサイクル数が各化学系で数千時間・数千サイクル変わった)事実。表の整理(①〜⑤)は本稿の解説です。

素材技術者の視点①:性能値は「材料の値」ではなく「材料×形×条件」の値

材料の名前(SnSe、NiTi、Nd-Fe-B)に値が付いているように見えても、実際に値が付いているのはその名前の材料を、ある形に作り、ある条件で測った試料です。単結晶なら方位、多結晶なら粒の大きさ・配向・粒界、薄膜なら基板との応力、繊維なら太さと表面、というように、微細構造と加工・合成の条件が値を決めます(本稿の解説)。

だから、材料技術者が数字を見るときの最初の質問は「その試料は、どう作って、どの方向を、どの温度で測ったか」です。合成と加工の条件が書かれていない数字は、同じ名前でも別の材料の数字かもしれません。

4. 実例①:同じ SnSe で ZT が 0.5 から 2.6 まで

Zhao らは、SnSe の単結晶を結晶のb軸方向に測り、ZT が 923 K(約650 ℃)で 2.6 ± 0.3 だったと報告しました。同じ論文で、c軸方向は 2.3 ± 0.3、a軸方向は 0.8 ± 0.2 でした。著者は、層状の結晶構造がもつ強い非調和性と異方的な結合が、極めて小さい格子熱伝導率(973 K で 0.23 ± 0.03 W m−1 K−1)をもたらしたと説明しています事実[参考資料2]。 一方、Sassi らは、多結晶のp型 SnSe を評価し、最大 ZT は 823 K で 0.5 だったと報告しました。著者らは、多結晶でも熱伝導率が本質的に非常に低いことは確認できたとしています事実[参考資料3]。

同じ SnSe でも、試料の形と測る方向で ZT が違う 報告された ZT(高いほど熱電性能が高い)。出典の値を並べた本稿の作図です。 0 1 2 3 ZT(無次元) 単結晶・b軸方向 2.6 ± 0.3(923 K) 単結晶・c軸方向 2.3 ± 0.3 単結晶・a軸方向 0.8 ± 0.2 多結晶(p型) 0.5(823 K) ※ 単結晶の値は Zhao ら(2014)、多結晶の値は Sassi ら(2014)。誤差は単結晶の報告値(多結晶の不確かさは要旨に記載なし)。 ※ a軸・c軸の測定温度は要旨に記載がありません。異なる論文・試料の比較で、同じ条件の比較ではありません。
図3 本稿の計算を含む作図(ベクター作図)。Zhao ら[参考資料2](単結晶)と Sassi ら[参考資料3](多結晶)が報告した SnSe の ZT を並べた作図です。論文・温度・試料が異なり、同じ条件の比較ではありません。
本稿の計算:何倍違うのか

同じ単結晶のb軸 2.6 ÷ a軸 0.8 = 約3.3倍です本稿の計算。b軸 2.6 ÷ 多結晶 0.5 = 約5.2倍にもなりますが、こちらは論文も、温度(923 K と 823 K)も、試料も違う比較で、同じ条件の比較ではありません。

前提と限界:数字は論文の要旨の値で、a軸・c軸の測定温度は要旨に記載がありません。多結晶の ZT が単結晶より低い理由は、本稿が確認した範囲の要旨では特定されていません。 推測:方位ごとの値が混ざること、結晶粒界での散乱などが一因かもしれませんが、本稿では確認していません。

この例が示すのは、SnSe が優れているか否かではなく、「SnSe の ZT」という一つの数字は存在しないということです。単結晶の高い値は、材料のポテンシャルを示す重要な結果です。しかし、それを多結晶の焼結体や、実際の素子の性能として読むことはできません。

5. 実例②:ピーク ZT と変換効率は別の指標

熱電素子の最大効率は、古くから、カルノー効率に、ZT で決まる縮小係数を掛けた形の式で見積もられてきました。Kim らの論文の式(1)です事実[参考資料1]。

ηmax = (ΔT/Th) × ( √(1+ZTavg) − 1 ) / ( √(1+ZTavg) + Tc/Th )

Th と Tc は高温側と低温側の温度、ΔT はその差、ZTavg は ZT の平均です。この式は、ZT が温度によらず一定という仮定の上にあり、温度差が小さい場合や、ZT がほぼ一定の材料でしか正しく予測できません。Kim らは、この式を使うと、実際に達成できる値よりずっと高い効率が報告されることが多いと指摘し、「ピーク ZT は材料の効率の正しい指標ではない」と述べています。そのうえで、温度依存性を累積して扱う工学的 ZT(ZTeng)を提案しました事実[参考資料1]。

論文の比較は具体的です。ハーフホイスラー合金(Hf0.19Zr0.76Ti0.05CoSb0.8Sn0.2)のピーク ZT は 700 ℃で 0.94、SnSe(Zhao らの結晶)は 650 ℃で 2.6 です。ところが、高温側 700 ℃、低温側 100 ℃で使うと、論文の式(2)による効率は、ハーフホイスラーが 9.7%、SnSe が 7.3% と逆転します。論文は、従来の式(平均 ZT を使う方法)は SnSe の効率を数値計算の約2倍に見積もること、新しい式でも 17% 過大であることも示しています事実[参考資料1]。

本稿の計算:ピーク ZT だけで効率を見積もると

式(1)で、まず一般的な例を計算します本稿の計算。ZT=1 が全域で一定、Th=500 K、Tc=300 Kなら、カルノー効率は 0.4、縮小係数は (√2−1)/(√2+0.6) = 0.2056 なので、効率は 0.4 × 0.2056 = 約8.2%です。ZT=1 という「良い」値でも、理論上の最大効率は一桁%台です。

次に、論文の2つの材料に、ピーク ZT がそのまま全温度域で続くと仮定して式(1)を当てはめます。Th=700 ℃(973.15 K)、Tc=100 ℃(373.15 K)で、カルノー効率は 61.7% です。ハーフホイスラー(ZT=0.94)は 約13.6%、SnSe(ZT=2.6)は 約24.3% となり、SnSe が約1.8倍有利に見えます。論文の式(2)の 9.7% と 7.3% では、この順位が逆転します。

前提と限界:中央の値は、ピーク ZT が全域で続くという非現実的な仮定の計算で、実在の素子の効率ではありません。電気的接触の抵抗や熱損失も含みません。「ピーク値だけで比べると順位を誤りうる」ことを示すための計算です。

ピーク ZT が高い材料が、効率も高いとは限らない 高温側700 ℃、低温側100 ℃で使う場合(Kim ら 2015 の比較)。左と右は論文の値、中央は本稿の計算。 ピーク ZT(論文) 0.94 2.6 ハーフホイスラー SnSe 効率:ピークZTが全域で続くと仮定 (本稿の計算) 13.6% 24.3% ハーフホイスラー SnSe 効率:論文の式(2) (温度依存を考慮) 9.7% 7.3% ハーフホイスラー SnSe ※ ハーフホイスラーは Hf0.19Zr0.76Ti0.05CoSb0.8Sn0.2、SnSe は Zhao らの単結晶(ピーク ZT:0.94=700 ℃、2.6=650 ℃)。 ※ 中央は、ピーク ZT を全温度域で一定とした式の計算で、実在の素子の効率ではありません。
図4 本稿の計算を含む作図(ベクター作図)。左と右は Kim ら[参考資料1]の値、中央は本稿の計算(ピーク ZT が全域で続くと仮定した式(1))です。実在の素子の効率ではありません。
素材技術者の視点②:ピーク値は「材料の自慢」、平均値と効率は「使い方の結果」

ピーク ZT は、ある一点の温度での材料の姿です。素子として使うときは、高温側から低温側まで温度が連続的に変わる範囲全体で、材料の性質が積み上がります(Kim らの工学的 ZT は、この累積を取り入れたものです)[参考資料1]。 ZT の温度依存性が大きい材料(ピークが鋭い材料)は、ピーク ZT が高くても、広い温度範囲では平均が下がります。逆に、温度によらず安定した ZT をもつ材料は、ピークが低くても素子の効率で有利になることがあります(本稿の解説)。

さらに、素子では電気的な接触の抵抗が加わります。Kim らが引用する Ni ドープ MgAgSb の素子の数値計算では、電気的接触・寄生抵抗(両端で合計 36 μΩ cm2)を含む実際の条件と、含まない理想の条件が区別されています事実[参考資料1]。材料の値を素子の値に読み替えるときは、このような差が必ず入ります。

6. 実例③:同じ試料でも、研究室によって ZT は19%ばらつく

測定そのものが誤差を持ちます。Alleno らは、欧州(主にフランス)の研究室が参加するラウンドロビン試験(同じ試料を複数の研究室で測り、結果を統計的に処理する試験)を行いました。試料は多結晶のスクッテルダイト Co0.97Ni0.03Sb3で、高温の熱電特性を測っています事実[参考資料4]。

測定した量参加した研究室の数温度平均(300〜700 K)の相対標準不確かさ(68%)
ゼーベック係数86%
電気抵抗率98%
熱拡散率6要旨に個別の値の記載なし
密度6要旨に個別の値の記載なし
比熱6要旨に個別の値の記載なし
熱伝導率(熱拡散率×密度×比熱)上の3つを合成11%
ZT上の量を合成19%

すべて事実(Alleno ら[参考資料4]の要旨)。論文は、各量の不確かさが温度の上昇とともに増えること、電気抵抗率と熱拡散率の不確かさは試料寸法の不確かさに支配されている可能性が高いこと、熱伝導率の測定が最も不正確であること、ZT の温度平均の相対拡張不確かさ(信頼水準95%)が平均値で 17% であることを述べています。

本稿の計算:19%は、報告値の差としてどう見えるか

ZT=1.00 と報告された測定に、この温度平均の相対標準不確かさ(19%)をそのまま当てはめると、標準不確かさの範囲は 0.81〜1.19 です本稿の計算。したがって、ZT が 1.1 と 1.0(差10%)の2つの報告は、この不確かさの範囲内で、優劣をつけられません。

前提と限界:19% は Co0.97Ni0.03Sb3の試験での温度平均の値で、他の材料・温度・装置にそのまま当てはまる保証はありません。ここでは「測定の不確かさの大きさの目安」として使っています。不確かさの表し方の国際的な指針は ISO/IEC Guide 98-3(GUM)です[参考資料20]。

素材技術者の視点③:ZT は「4つの測定の掛け算」

ZT は、ゼーベック係数、電気抵抗率、熱伝導率、温度から計算します(ZT=S2T/ρκ)[参考資料1]。熱伝導率は、さらに熱拡散率・密度・比熱の3つの測定から求めます[参考資料4]。つまり、1つの ZT の背後に、少なくとも5つの測定量(ゼーベック係数、電気抵抗率、熱拡散率、密度、比熱)と温度があり、それぞれが別の装置・別の試料片で測られることもあります。

このため、論文の ZT を比べるときは、同じ試料で全部を測ったか(試料ごとの組成・寸法のずれが入らないか)、どの温度範囲か、不確かさが書かれているかを見ます。Alleno らが Co0.97Ni0.03Sb3 を高温用のn型熱電の標準材料として確立しようとしているのは、こうした比較を成り立たせる基準材料が必要だからです[参考資料4]。

7. 技術成熟度(TRL)の見方

「この材料は TRL 4」のように、技術の成熟度を1〜9の数字で表す方法があります。NASA は、TRL を「技術の成熟度を評価する測定の仕組み」とし、TRL 1 が最も低く TRL 9 が最も高い9段階だと説明しています。TRL 6 は完全に機能する試作機または代表的なモデルがある段階、TRL 7 は宇宙環境での実証、TRL 8 は「飛行に適格」と認められた段階、TRL 9 は実際の飛行で実績を得た段階です事実[参考資料11]。

欧州委員会の Horizon Europe(2023–2025年の作業計画、一般附属書)にも TRL の定義があります。ただし、公募の条件が TRL を求める場合に、別に指定がなければ適用される、という位置づけです。TRL 4 は「実験室で技術を検証」、TRL 5 は「関連環境で検証」、TRL 6 は「関連環境で実証」(重要基盤技術では産業的に関連する環境)、TRL 7 は「運用環境でのシステム試作の実証」、TRL 8 は「システムが完成し適格性確認済み」、TRL 9 は「運用環境で実際のシステムが実証済み」(重要基盤技術では競争力のある製造、または宇宙)です事実[参考資料12](日本語は本稿の訳)。 ISO 16290:2013 も TRL を定義する規格で、主に宇宙システムのハードウェア向けですが、より広い分野にも使える場合が多いとされています。2024年に再確認され、現行です事実[参考資料13]。

技術成熟度(TRL)の9段階と、材料に使うときの注意 定義は欧州委員会のHorizon Europe一般附属書の英語原文を、本稿が日本語にしたものです。 TRL 1 基本原理 を観察 TRL 2 技術概念 を形成 TRL 3 実験で 概念実証 TRL 4 実験室で 検証 TRL 5 関連環境 で検証 TRL 6 関連環境 で実証 TRL 7 運用環境で 試作を実証 TRL 8 システム完成 ・適格性確認 TRL 9 運用環境で 実績を確認 実験室までの段階(1〜4) 関連環境(5〜6) システムと運用(7〜9) ※ NASA の説明では、TRL 7 は宇宙環境での実証、TRL 9 は実際の飛行で実績を得た段階です。ISO 16290 は主に宇宙システムのハードウェア向け。 ※ TRL は通常、材料そのものではなく、材料を使った部品・システムに付けます(解説)。「材料の TRL 6」は、何に対する数字かを確認します。 ※ 帯の区分けと段の高さは説明用の本稿の整理で、定義文の一部ではありません。
図5 概念図(ベクター作図)。TRL の9段階を、欧州委員会の定義[参考資料12]にもとづいて並べた本稿の図です。NASA の説明[参考資料11]とは、TRL 7 の位置づけなどが異なります。帯の区分けは説明用の整理です。
素材技術者の視点④:TRL は「材料の良さ」ではなく「使われ方の成熟度」

TRL は、通常、材料そのものではなく、その材料を使った部品やシステムの成熟度に付けます(本稿の解説)。ISO 16290 が主に宇宙システムのハードウェア向けであることも、この性格を示しています[参考資料13]。 「この材料は TRL 6」と書かれていたら、何に対する TRL か(材料の試料か、部品か、システムか)、どの定義か(NASA、欧州委員会、自社)、誰が評価したかを確認します。TRL が同じでも、材料の性能値の信頼性や、量産のしやすさは別の問題です。

また、TRL が低いことは、その技術が劣ることを意味しません。実験室段階の材料は、まだ使い方を探している段階というだけです。逆に、TRL が高い材料は、性能が最良とは限りません。実績のある条件に絞って使われているだけかもしれません(本稿の解説)。

8. 限界と、確認できなかったこと

(1) 機能性材料の定義

機能性材料の国際的に統一された定義は、本稿の調査範囲では確認できませんでした。第1章の作業定義と第2章の分類は、本稿による整理(解説)です。

(2) 規格の本文

ISO 6892-1、ISO 14577-1、ISO 11357、ISO 22007-4、ISO 19403-2、IEC 60404-5、ISO/IEC Guide 98-3 の本文は確認していません。公式ページの題名・版・適用範囲(要旨)までです。試験の条件・手順・合否の基準は記載していません。JIS Z 2241 は、試し読みの序文で対応国際規格の記載のみ確認しました。

(3) 例の一般性

第4〜6章は、熱電の例(SnSe、ハーフホイスラー、Co0.97Ni0.03Sb3)です。他の材料区分でも同様のことが起きる可能性は高いですが、数値は他の材料に当てはまりません。シリーズの各記事で、それぞれの区分の例を扱います。

(4) 論文の本文

Kimらの論文は本文を確認しました。Zhaoら、Sassiら、Allenoらは、出版社・書誌データベースの要旨で確認できた範囲に限定して記述しています。第2章の追加の原著例は書誌情報を示すもので、それぞれの実験条件や結果を検証して比較したものではありません。

(5) TRL

Horizon Europe の定義は2023–2025年の作業計画の一般附属書によります。他の資金配分機関(日本の国のプログラムなど)の TRL の定義は確認していません。

(6) ASTM 規格

ASTM International のサイトはAI利用を禁じる旨を表示しているため、本稿は ASTM のサイトを開いていません。ASTM 規格は、番号と題名を、ASTM 以外の公開資料(FDA の認定規格データベース、機器メーカーの資料、論文の参考文献、規格販売店の頁)で確認できたものに限って載せ、規格の本文・試験条件・合否基準は書いていません。確認できなかった規格は「確認できなかった」と書いています。

9. 評価・標準の読み方

機能性材料の性能値は、(a)材料そのものの物性(ZT、d33、Br、変態温度、接触角など)と、(b)素子・システムとしての出力に分かれます。測定には、引張試験機、DSC(示差走査熱量計)、フラッシュ法の装置、接触角計、磁気特性の測定装置などが使われ、それぞれに試験方法の規格があります。この章では、規格を調べる手順(図6)と、シリーズ全体で使う規格の読み方の基本を示します。

性能値の裏にある評価規格を、たどる手順 1 測る量を決める ZT、d33、Br、変態 温度、接触角など 「何を」測るか 2 規格体系を探す ISO と IEC の 委員会、JISC の JIS検索、FDA 等 3 公式ページで確認 番号・題名・版、 有効か廃止かを 見る 4 対応関係を見る JIS と ISO は 同一か修正か (例:MOD) 5 データを読む 準拠規格・版・ 試料・条件が 併記されているか 本稿での ASTM 規格の扱い:規格の本文は参照せず、番号と題名だけを、FDA の認定規格データベース、 機器メーカーの資料、論文の参考文献など、ASTM 以外の公開資料で確認できたものに限って載せています。 ※ 手順は本稿の整理(解説)です。規格本文が有料の場合は、題名と適用範囲(公式ページの要旨)まで確認します。 ※ 公式ページでは、ISO は「Read sample」で目次・適用範囲を見られる場合があります(有料規格でも)。
図6 概念図(ベクター作図)。評価規格を調べる手順を、本稿が整理したものです(解説)。

規格の対応表

次の表は、この記事で扱った測定量に対応する規格のうち、公式ページ等で番号と題名を確認できたものです。確認できなかった欄は「確認できなかった」と書いています。ISO・IEC は国際規格、JIS は日本の国家規格、ASTM は米国の規格団体 ASTM International の規格です。

評価項目ISOIEC・IEEEJISASTM測定条件で値が変わる点
金属の引張特性事実ISO 6892-1:2019 “Metallic materials — Tensile testing — Part 1: Method of test at room temperature”(第3版、2019年11月)確認できなかったJIS Z 2241「金属材料引張試験方法」。2022年9月20日改正で ISO 6892-1:2019 を修正して採用(MOD)、追補1(2023年8月21日)E8/E8M “Standard Test Methods for Tension Testing of Metallic Materials”ISO 6892-1 は室温の方法。温度や試験速度が違えば別の条件の値(解説)
形状記憶合金の変態温度事実確認できなかった確認できなかったJIS H 7101「形状記憶合金の変態点測定方法」(2002年3月20日改正、2021年確認)F2004 “Standard Test Method for Transformation Temperature of Nickel-Titanium Alloys by Thermal Analysis”(-24)、F2082/F2082M “Determination of Transformation Temperature of Nickel-Titanium Shape Memory Alloys by Bend and Free Recovery”(-23)熱分析か、曲げと自由回復かで手法が違う。組成と熱処理でも値が変わる(次の記事)
押込み硬さ・押込み弾性率(薄膜・コーティングを含む)事実ISO 14577-1:2026 “Metallic materials — Instrumented indentation test for hardness and materials parameters — Part 1: Test method”(第3版、2026年6月)確認できなかったJIS Z 2255「超微小負荷硬さ試験方法」(2003年3月20日制定)。ISO 14577 との対応は確認できなかった確認できなかったマクロ(2 N〜30 kN)・マイクロ・ナノ(押込み深さ 0.2 µm 以下)の3範囲で規定。ナノ範囲は圧子の先端形状と校正に強く依存する
高分子の転移温度・転移熱(DSC)事実ISO 11357-1:2023(一般原則)、ISO 11357-3:2025(融解・結晶化の温度とエンタルピー)確認できなかったJIS K 7121「プラスチックの転移温度測定方法」(2012年7月20日改正)、K 7122「プラスチックの転移熱測定方法」(2024年3月21日改正)。ISO 11357 との対応は確認できなかったD3418(高分子の転移温度と融解・結晶化のエンタルピー)、E1356(ガラス転移温度)、E1269(比熱容量)ISO 11357-1 は試料採取・校正・手順と報告の共通事項を定める。昇温速度や熱履歴を揃えないと値が変わる(解説)
熱拡散率(フラッシュ法)事実ISO 22007-4:2024 “Plastics — Determination of thermal conductivity and thermal diffusivity — Part 4: Light flash method”(第3版、2024年1月)確認できなかったJIS R 1611(ファインセラミックスのフラッシュ法による熱拡散率・比熱容量・熱伝導率の測定方法)、JIS H 7801(金属のレーザフラッシュ法による熱拡散率の測定方法)E1461 “Standard Test Method for Thermal Diffusivity by the Flash Method”ISO 22007-4 は薄い円板の厚み方向の熱拡散率。熱伝導率は密度と比熱を別に測って求める
接触角と濡れ性事実ISO 19403-2:2024 “Paints and varnishes — Wettability — Part 2: Determination of the surface free energy of solid surfaces by measuring the contact angle”(第2版、2024年9月)確認できなかったJIS R 3257(基板ガラス表面のぬれ性試験方法)、JIS R 1703-1(光触媒材料のセルフクリーニング性能試験方法 第1部:水接触角の測定)。ISO 19403 との対応は確認できなかった確認できなかった表面の形態的・化学的な均質性が結果に影響する(ISO 19403-2 の注記)
永久磁石の磁気特性事実確認できなかったIEC 60404-5:2015 “Magnetic materials — Part 5: Permanent magnet (magnetically hard) materials — Methods of measurement of magnetic properties”(第3版、2015年4月16日)。IEEE は確認できなかったJIS C 2501「永久磁石試験方法」(2019年3月20日改正)。IEC 60404-5 との対応は確認できなかった確認できなかったIEC 60404-5:2015 は、保磁力 HcJ が 2 MA/m を超える材料や温度係数の大きい材料に合わせて、測定条件と温度条件を更新した
測定の不確かさの表し方事実ISO/IEC Guide 98-3:2008(GUM:1995)同じ文書(ISO/IEC 共同のガイド)確認できなかった確認できなかった信頼水準(68%か95%か)と、何の不確かさかを明記する

規格の番号・題名・版は、ISO は ISO の規格ページ、IEC は IEC Webstore、JIS は JISC のデータベース(対応国際規格は JSA の試し読み)、ASTM は FDA の認定規格データベース・機器メーカー・論文の参考文献・規格販売店の頁で確認しました(本稿は ASTM のサイトを開いていません)[参考資料14・15・16・17・18・19・21・20・22・23・24・25・26・27・28]。表の整理は本稿の解説です。

各行の規格の番号・題名・版・発行年月は事実(規格団体等の公式ページで確認)です。どの欄にどの規格を置くかの整理は本稿の計算(本稿による整理)です。改訂中・制定途中の規格は、本稿の調査では確認できなかったため、未確定/将来に当たる行はありません。

規格の読み方の注意

  1. 規格は「試験方法」であって、性能の保証ではない。たとえば ISO 14577-1:2026 は、ナノ領域では圧子の先端形状に変形が強く依存し、機械間で再現できる結果を得るには、装置と圧子形状の注意深い校正が必要だと明記しています事実[参考資料15]。規格に従っても、校正や試料の状態が違えば値は再現しません。
  2. 同じ名前の特性でも、規格や版で手法が違う。ISO 6892-1 は、2016年版が廃止され、2019年版が現行です[参考資料14]。ISO 22007-4 は、2017年版「レーザーフラッシュ法」が廃止され、2024年版「光(ライト)フラッシュ法」に改訂されました[参考資料18・29]事実。JIS Z 2241 は ISO 6892-1:2019 を修正して採用しているので、本文が完全に同じとは限りません[参考資料23]。
  3. メーカーの値は、準拠規格・版・試験条件を併記して読む。「ISO ○○準拠」とあっても、版、試料の形、温度、試験速度が書かれていなければ、他社や論文の値とは比べられません。規格値の範囲と実使用条件がずれている場合もあります(本稿の解説)。

国際規格・国内規格・業界規格の位置づけ

ISO と IEC は国際規格で、各国の国内規格に取り入れられます。JIS は日本の国家規格で、国際規格を採用するときは、対応国際規格とその対応の程度が規格の序文に書かれます(例:JIS Z 2241 の MOD=修正して採用)[参考資料23]。ASTM は米国の規格団体 ASTM International の規格で、FDA が医療機器で適合宣言を受け付ける「認定された合意規格」に含まれるものがあります[参考資料25]。IEEE の規格は、この表の測定量では確認できませんでした。国際規格と国内規格、業界規格が同じ量を別の方法で測っている場合、値を直接比べることはできません。

試料の寸法、測る方向、温度、試験方法の記録をそろえる場面です
図7 概念画像(ImageGenで生成)。試料の寸法、測る方向、温度、試験方法の記録をそろえる場面です。高い数字だけでなく、その数字を得た条件を確認します。 実際の施設・製品・測定結果ではありません。
この記事のまとめ
  • 機能性材料は「刺激→応答」で並べると全体が見えます。シリーズの35本は11の区分に分かれます(解説)
  • 性能値は5つの問いとセットで読みます。何の・どんな条件で・何で割り・どう測り・どれだけ代表的か
  • 同じ SnSe でも ZT は 0.5 から 2.6 まで違います。単結晶のb軸 2.6(923 K)、多結晶 0.5(823 K)事実
  • ピーク ZT の高さは、変換効率の高さを意味しません。700 ℃と100 ℃の間で使うと、効率はハーフホイスラー 9.7%、SnSe 7.3% と逆転しました事実
  • 測定そのものが誤差を持ちます。同じ試料の ZT は、研究室間で温度平均19%ばらつきました事実
  • TRL は「何に対する、どの定義の」数字かを確認します。規格は番号・題名・版・対応関係を公式ページでたどります。

10. 用語集

ZT
熱電性能指数(無次元)。S2T/ρκ(S:ゼーベック係数、ρ:電気抵抗率、κ:熱伝導率、T:絶対温度)。
工学的 ZT(ZTeng)
温度差を考慮した熱電性能の指標。Kim らが、温度依存性を累積して効率を見積もるために提案。
異方性
結晶の方向によって値が違うこと。SnSe の ZT は a・b・c 軸で異なる。
格子熱伝導率
熱伝導率のうち、結晶格子の振動(フォノン)が運ぶ成分。
ラウンドロビン試験
同じ試料を複数の研究室で測り、結果のばらつきを統計的に調べる試験。
相対標準不確かさ
測定値のばらつきの大きさを、平均値に対する割合で表したもの(本稿では信頼水準68%)。
TRL
技術成熟度。技術の成熟度を1〜9で表す尺度。定義は機関によって少しずつ違う。
MOD
JIS が国際規格を「修正して採用」していることを表す記号(ISO/IEC Guide 21-1 に基づく)。
DSC
示差走査熱量測定。温度を変えながら、試料の吸熱・発熱を測る。
GUM
測定の不確かさの表現のガイド。ISO/IEC Guide 98-3。
ピーク値と平均値
ピークは最も良い一点の温度での値、平均は使う温度範囲での値。効率には平均が効く。
チャンピオンデータ
多数の試料のうち、最も良かった1点の結果。代表値ではない。

11. 参考資料(一次情報)

  1. Kim H. S. ほか “Relationship between thermoelectric figure of merit and energy conversion efficiency”, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 112, 8205–8210 (2015), DOI 10.1073/pnas.1510231112(オープンアクセス) — doi.org/10.1073/pnas.1510231112
  2. Zhao L.-D. ほか “Ultralow thermal conductivity and high thermoelectric figure of merit in SnSe crystals”, Nature 508, 373–377 (2014), DOI 10.1038/nature13184 — doi.org/10.1038/nature13184
  3. Sassi S. ほか “Assessment of the thermoelectric performance of polycrystalline p-type SnSe”, Appl. Phys. Lett. 104, 212105 (2014), DOI 10.1063/1.4880817 — doi.org/10.1063/1.4880817
  4. Alleno E. ほか “A round robin test of the uncertainty on the measurement of the thermoelectric dimensionless figure of merit of Co0.97Ni0.03Sb3“, Rev. Sci. Instrum. 86, 011301 (2015), DOI 10.1063/1.4905250 — doi.org/10.1063/1.4905250
  5. Preger Y. ほか “Degradation of Commercial Lithium-Ion Cells as a Function of Chemistry and Cycling Conditions”, J. Electrochem. Soc. 167, 120532 (2020), DOI 10.1149/1945-7111/abae37(オープンアクセス) — doi.org/10.1149/1945-7111/abae37
  6. White S. R. ほか “Autonomic healing of polymer composites”, Nature 409, 794–797 (2001), DOI 10.1038/35057232 — doi.org/10.1038/35057232
  7. Pendry J. B. “Negative Refraction Makes a Perfect Lens”, Phys. Rev. Lett. 85, 3966–3969 (2000), DOI 10.1103/PhysRevLett.85.3966 — doi.org/10.1103/PhysRevLett.85.3966
  8. Yeh J.-W. ほか “Nanostructured High-Entropy Alloys with Multiple Principal Elements: Novel Alloy Design Concepts and Outcomes”, Adv. Eng. Mater. 6, 299–303 (2004), DOI 10.1002/adem.200300567 — doi.org/10.1002/adem.200300567
  9. Barthlott W., Neinhuis C. “Purity of the sacred lotus, or escape from contamination in biological surfaces”, Planta 202, 1–8 (1997), DOI 10.1007/s004250050096 — doi.org/10.1007/s004250050096
  10. Chiang C. K. ほか “Electrical Conductivity in Doped Polyacetylene”, Phys. Rev. Lett. 39, 1098–1101 (1977), DOI 10.1103/physrevlett.39.1098 — doi.org/10.1103/physrevlett.39.1098
  11. NASA “Technology Readiness Levels”(2023年9月27日掲載、2026年6月25日更新) — www.nasa.gov/directorates/somd/space-communications-navigation-prog…
  12. 欧州委員会 Horizon Europe Work Programme 2023-2025, “13. General Annexes”(欧州委員会決定 C(2025) 2779、2025年5月14日)の「Technology Readiness Levels」 — ec.europa.eu/info/funding-tenders/opportunities/docs/2021-2027/hori…
  13. ISO “ISO 16290:2013 Space systems — Definition of the Technology Readiness Levels (TRLs) and their criteria of assessment”(ISO 規格ページ) — www.iso.org/standard/56064.html
  14. ISO “ISO 6892-1:2019 Metallic materials — Tensile testing — Part 1: Method of test at room temperature”(ISO 規格ページ) — www.iso.org/standard/78322.html
  15. ISO “ISO 14577-1:2026 Metallic materials — Instrumented indentation test for hardness and materials parameters — Part 1: Test method”(ISO 規格ページ) — www.iso.org/standard/85223.html
  16. ISO “ISO 11357-1:2023 Plastics — Differential scanning calorimetry (DSC) — Part 1: General principles”(ISO 規格ページ) — www.iso.org/standard/83904.html
  17. ISO “ISO 11357-3:2025 Plastics — Differential scanning calorimetry (DSC) — Part 3: Determination of temperature and enthalpy of melting and crystallization”(ISO 規格ページ) — www.iso.org/standard/88106.html
  18. ISO “ISO 22007-4:2024 Plastics — Determination of thermal conductivity and thermal diffusivity — Part 4: Light flash method”(ISO 規格ページ) — www.iso.org/standard/86202.html
  19. ISO “ISO 19403-2:2024 Paints and varnishes — Wettability — Part 2: Determination of the surface free energy of solid surfaces by measuring the contact angle”(ISO 規格ページ) — www.iso.org/standard/87262.html
  20. ISO/IEC “ISO/IEC Guide 98-3:2008 Uncertainty of measurement — Part 3: Guide to the expression of uncertainty in measurement (GUM:1995)”(ISO 規格ページ) — www.iso.org/standard/50461.html
  21. IEC “IEC 60404-5:2015 Magnetic materials — Part 5: Permanent magnet (magnetically hard) materials — Methods of measurement of magnetic properties”(IEC Webstore。この頁は赤線版 RLV で、公式規格と赤線版の両方を含む) — webstore.iec.ch/en/publication/22141
  22. 日本産業標準調査会(JISC) 「JIS Z 2241 金属材料引張試験方法」のJIS詳細(制定1952/07/22、最新改正2023/08/21〔追補1〕) — www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISNumberNameSearchList?show&jisS…
  23. 日本規格協会(JSA) JIS Z 2241:2022 の試し読み頁(序文に、対応国際規格 ISO 6892-1:2019 とその対応の程度 MOD の記載) — webdesk.jsa.or.jp/preview/pre_jis_z_02241_000_000_2022_j_ed10_ch.pdf
  24. 日本産業標準調査会(JISC) 「JIS検索」のJISリスト(H 7 で始まるJIS。形状記憶合金のJISなどを含む) — www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISNumberNameSearchList?show&jisS…
  25. 米国食品医薬品局(FDA) “Recognized Consensus Standards: Medical Devices” データベースの検索結果(題名に nickel-titanium を含む規格。同データベースの更新日 2026年9月28日) — www.accessdata.fda.gov/scripts/cdrh/cfdocs/cfStandards/results.cfm?…
  26. 日立ハイテク 熱分析の規格一覧「規格 – ISO/ASTM/JIS/IPC」(機器メーカーの技術資料) — www.hitachi-hightech.com/jp/ja/knowledge/analytical-systems/thermal…
  27. ANSI Webstore “ASTM E8/E8M-08 — Standard Test Methods for Tension Testing of Metallic Materials”(規格販売店の頁。番号と題名の確認のみに使用) — webstore.ansi.org/standards/astm/astme8e8m08
  28. Carr E. J. “Rear-surface integral method for calculating thermal diffusivity from laser flash experiments”, arXiv:1809.06934(参考文献に ASTM E1461-13 “Standard test method for thermal diffusivity by the flash method” を挙げる論文。番号と題名の確認のみに使用) — arxiv.org/abs/1809.06934
  29. ISO “ISO 22007-4:2017 Plastics — Determination of thermal conductivity and thermal diffusivity — Part 4: Laser flash method”(廃止済みの版。ISO 規格ページ) — www.iso.org/standard/65085.html
  30. 日本産業標準調査会(JISC) 「JIS検索」(番号・名称からJISを検索)。本稿は JIS Z 2255、C 2501、K 7121、K 7122、R 1611、H 7801、R 3257、R 1703-1、H 7101 などの番号・題名・制定/改正年月日を、JISリストとJIS規格詳細画面で確認 — www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISSearch.html

12. 主張と出典の対応表(監査)

本文の主張根拠区分
SnSe 単結晶のZT:b軸 2.6 ± 0.3(923 K)、c軸 2.3 ± 0.3、a軸 0.8 ± 0.2。格子熱伝導率 0.23 ± 0.03 W m−1 K−1(973 K)。層状構造の非調和・異方的な結合による説明Zhao ら(2014)の要旨(Nature のページ)
出典2 https://doi.org/10.1038/nature13184
事実
多結晶p型 SnSe の最大 ZT 0.5(823 K)。熱伝導率が本質的に非常に低いことSassi ら(2014)の要旨
出典3 https://doi.org/10.1063/1.4880817
事実
熱電素子の最大効率の式(1)とその前提(ZT 一定)、平均 ZT の使い方による差、ピーク ZT は効率の指標ではないこと、工学的 ZT(式(2))。ハーフホイスラー(ピーク ZT 0.94=700 ℃)と SnSe(2.6=650 ℃)の比較:高温側700 ℃・低温側100 ℃で式(2)の効率は 9.7% と 7.3%、従来の式は SnSe を数値計算の約2倍に、式(2)も 17% 過大。Ni ドープ MgAgSb の接触・寄生抵抗(両端合計 36 μΩ cm2)の区別。ZT=S2ρ−1κ−1T の定義Kim ら(2015)の本文(PubMed Central)
出典1 https://doi.org/10.1073/pnas.1510231112
事実
ラウンドロビン試験:参加研究室数(ゼーベック係数8、電気抵抗率9、熱拡散率・密度・比熱は各6)、温度平均(300〜700 K)の相対標準不確かさ(ゼーベック係数6%、電気抵抗率8%、熱伝導率11%、ZT 19%)、ZT の相対拡張不確かさ17%(95%)、不確かさが温度とともに増えること、熱伝導率が最も不正確なこと、寸法の不確かさが支配的な可能性、標準材料としての位置づけAlleno ら(2015)の要旨
出典4 https://doi.org/10.1063/1.4905250
事実
市販電池で、メーカーの許容範囲の運転でも、容量80%に達する時間とサイクル数が各化学系で数千変わったことPreger ら(2020)の要旨
出典5 https://doi.org/10.1149/1945-7111/abae37
事実
NASA の TRL の説明(9段階。TRL 6 は試作機またはモデル、TRL 7 は宇宙環境での実証、TRL 8 は飛行に適格、TRL 9 は飛行での実績)NASA の頁
出典11 https://www.nasa.gov/directorates/somd/space-communications-navigation-program/technology-readiness-levels/
事実
Horizon Europe の TRL の定義(TRL 1〜9。公募の条件が TRL を求める場合に、別に指定がなければ適用)。決定 C(2025) 2779、2025年5月14日欧州委員会の一般附属書
出典12 https://ec.europa.eu/info/funding-tenders/opportunities/docs/2021-2027/horizon/wp-call/2023-2024/wp-13-general-annexes_horizon-2023-2024_en.pdf
事実
ISO 16290:2013 の題名、第1版(2013年11月)、主に宇宙システムのハードウェア向けで広い分野に使える場合が多いこと、2024年に再確認ISO 規格ページ
出典13 https://www.iso.org/standard/56064.html
事実
ISO 6892-1:2019 の題名・第3版(2019年11月)・室温の引張試験の方法、2016年版が廃止されていることISO 規格ページ
出典14 https://www.iso.org/standard/78322.html
事実
ISO 14577-1:2026 の題名・第3版(2026年6月)、マクロ・マイクロ・ナノの3範囲、ナノ範囲で圧子先端形状と校正に強く依存することISO 規格ページ
出典15 https://www.iso.org/standard/85223.html
事実
ISO 11357-1:2023(第4版、2023年2月)と ISO 11357-3:2025(第4版、2025年5月)の題名・適用範囲ISO 規格ページ
出典16 https://www.iso.org/standard/83904.html
出典17 https://www.iso.org/standard/88106.html
事実
ISO 22007-4:2024 の題名(光フラッシュ法)・第3版(2024年1月)・適用範囲。2017年版(レーザーフラッシュ法)が廃止され2024年版に改訂されたことISO 規格ページ
出典18 https://www.iso.org/standard/86202.html
出典29 https://www.iso.org/standard/65085.html
事実
ISO 19403-2:2024 の題名・第2版(2024年9月)・適用範囲、表面の均質性が結果に影響する注記ISO 規格ページ
出典19 https://www.iso.org/standard/87262.html
事実
IEC 60404-5:2015 の題名・第3版(2015年4月16日)・TC 68、HcJ が 2 MA/m を超える材料や温度係数の大きい材料に合わせた更新IEC Webstore
出典21 https://webstore.iec.ch/en/publication/22141
事実
ISO/IEC Guide 98-3:2008(GUM:1995)の題名・第1版(2008年)・2023年に再確認ISO 規格ページ
出典20 https://www.iso.org/standard/50461.html
事実
JIS Z 2241「金属材料引張試験方法」:制定1952/07/22、最新改正2023/08/21(追補1)。2022年9月20日改正版の序文に、対応国際規格 ISO 6892-1:2019 とその対応の程度 MODJISC・JSA
出典22 https://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISNumberNameSearchList?show&jisStdNo=Z2241
出典23 https://webdesk.jsa.or.jp/preview/pre_jis_z_02241_000_000_2022_j_ed10_ch.pdf
事実
JIS H 7001(形状記憶合金用語)、H 7101(形状記憶合金の変態点測定方法)、H 7103、H 7105、H 7106、H 7107 の番号と題名JISC のJISリスト
出典24 https://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISNumberNameSearchList?show&jisStdNo=H7
事実
JIS H 7101(2002/03/20改正、2021/10/20確認)、K 7121(2012/07/20改正)、K 7122(2024/03/21改正)、R 1611、H 7801、R 3257、R 1703-1、C 2501(2019/03/20改正)、Z 2255(2003/03/20制定)の番号・題名・年月日JISC のJIS検索
出典30 https://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISSearch.html
事実
ASTM F2004、F2082/F2082M の番号・題名(FDA が認定した合意規格として掲載)。FDA が適合宣言を受け付ける「認定された合意規格」のデータベースであることFDA のデータベース
出典25 https://www.accessdata.fda.gov/scripts/cdrh/cfdocs/cfStandards/results.cfm?title=nickel-titanium&Search=Search
事実
ASTM D3418、E1356、E1269 の番号・題名(熱分析の規格一覧)日立ハイテクの技術資料
出典26 https://www.hitachi-hightech.com/jp/ja/knowledge/analytical-systems/thermal-analysis/standards.html
事実
ASTM E8/E8M の番号・題名ANSI Webstore の頁
出典27 https://webstore.ansi.org/standards/astm/astme8e8m08
事実
ASTM E1461 の番号・題名Carr の論文の参考文献
出典28 https://arxiv.org/abs/1809.06934
事実
第2章に挙げた原著研究の書誌情報。これらの追加例について実験結果の比較は行っていない。原著の書誌情報
出典1 https://doi.org/10.1073/pnas.1510231112
出典6 https://doi.org/10.1038/35057232
出典7 https://doi.org/10.1103/PhysRevLett.85.3966
出典8 https://doi.org/10.1002/adem.200300567
出典9 https://doi.org/10.1007/s004250050096
出典10 https://doi.org/10.1103/physrevlett.39.1098
書誌確認
ピーク ZT 一定を仮定した効率(ZT=1:約8.2%、ハーフホイスラー約13.6%、SnSe約24.3%)、b軸/a軸=約3.3倍、b軸/多結晶=約5.2倍、ZT=1.00 に19%を当てはめた範囲 0.81〜1.19本稿の計算。式(1)に温度非依存の ZT を入れた単純化で、実在の素子の効率ではない。比較は論文・温度・試料が異なる。19% は温度平均の値本稿の計算
規格の対応表の整理(どの欄にどの規格を置くか)、確認できなかった欄、IEEE 規格が確認できなかったこと、JIS と ISO の対応が確認できなかった行本稿の調査範囲で確認できなかったため記載していない解説
機能性材料の作業定義、「刺激→応答」の地図、11の区分と代表的な性能値・条件、5つの問い、「素材技術者の視点」①〜④、TRL を材料に使うときの注意公表内容にもとづく本記事の整理・解説。各機関が表明した見解ではない解説
図2〜図6が説明のための作図であり、実データの再現ではないこと(図3・図4は論文の値を並べた本稿の作図)。図1と図7がAI生成イメージであること本記事による注記解説

最終更新:2026年10月10日/出典は一次情報(査読論文、NASA と欧州委員会の公式文書、規格団体・日本産業標準調査会・FDA のデータベース)に限定しています。規格の本文は確認していません。 構造の整理や材料設計上の読み取りを含むため、それらは「解説」として出典付きの事実と区別しています。 機能性材料の統一的な定義、規格の本文、ASTM 規格の本文と試験条件、日本以外の資金配分機関の TRL の定義、IEEE の該当規格については、確認できなかったため記載していません。 ZT・不確かさ・効率の数値は特定の論文が特定の試料・条件で測った結果であり、他の試料や実機に一般化できません。 図2〜図6はベクター作図、図1と図7はAI生成イメージであり、いずれも実際の顕微鏡像・製品の実物を示すものではありません。