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メタマテリアルとメタサーフェス 技術解説

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TECHNOLOGY EXPLAINER

メタマテリアルとメタサーフェス
― 「材料の性質」を「構造の寸法」で書き換える技術と、実験室から実装までの距離

メタマテリアルは、波長より小さな構造を並べて、材料の組成だけでは得られない波の振る舞い(電磁波の位相、吸収、音の遮断)を設計する考え方です。 厚みを波長より十分薄くした2次元版がメタサーフェスで、6G を見据えた「反射方向を変えられる反射板(RIS)」や、窓ガラスに貼る電波のレンズ、軽い遮音材として試作・発表が続いています。 一方で、狭い帯域、損失、制御素子のコスト、現場での比較対象(中継器など)という壁があります。この記事では、原理、材料と構造の勘どころ、電磁波と音の代表的な例、実験室と実装の違い、評価規格の読み方を、一次情報の範囲で整理します。

構成:査読論文(Science、Physical Review Letters、IEEE 系、Nature Nanotechnology)、3GPP・ETSI・IEC・ISO・IEEE・JIS の公式ページ、NTT・ドコモ・AGC・JDI・KDDI・日産の公式発表を使用/確認日 2026年10月10日

面に並ぶ小さな構造と、電波を送受信するアンテナを示しています
図1 概念画像(ImageGenで生成)。面に並ぶ小さな構造と、電波を送受信するアンテナを示しています。電波は肉眼で見えず、構造の寸法・並べ方で応答が変わります。 実際の施設・製品・測定結果ではありません。
この記事の構成
  1. メタマテリアルとメタサーフェス(3行でつかむ)
  2. 原理 ― 「波長より小さな構造」が有効な媒質になる
  3. メタサーフェス ― 位相を場所ごとに決める
  4. 本稿の計算:28 GHz の波長と、素子の数
  5. 電波吸収体とステルス ― 帯域と厚みの限界
  6. 素材技術者の視点①:損失と、同調する材料
  7. 6G の RIS と窓ガラスの電波レンズ ― 実験室から現場へ
  8. 音響・弾性波のメタマテリアル ― 遮音と制振
  9. 素材技術者の視点②:共鳴は「ずれる」
  10. 実験室の性能と実装の違い
  11. 限界と、確認できなかったこと
  12. 評価・標準の読み方
  13. 用語集
  14. 参考資料(一次情報)
  15. 主張と出典の対応表(監査)
本記事の表記ルール

事実=公表資料に記載のある内容(出典リンクあり)
本稿の計算=明示した前提をもとに本記事が算出した値
未確定/将来=計画・予定・研究段階の事項であり、実績が確認できていないもの
このほか、材料設計上の読み取りは「解説」として区別しています。推測は太字で示します。

この記事の数値の読み方

ここに出てくる吸収率・遮音・効率の数値は、特定の試料を、特定の周波数・条件で測った研究室またはデモの結果です。量産品や実環境の性能を示すものではありません。 「世界初」は発表した企業・機関の主張として扱い、独立した確認ではありません。製品や企業の優劣は論じません。 光学のメタレンズは次の記事(本シリーズ『メタレンズとフラット光学』編)で扱い、ここでは電波・音・弾性波を中心にします。

1. メタマテリアルとメタサーフェス(3行でつかむ)

  • 材料の「寸法」で性質を決める:波長より十分小さい構造(金属パターン、共振器、空洞、薄膜と格子)を周期的に並べると、全体を一つの媒質とみなしたときの誘電率・透磁率(電磁波)や有効密度・体積弾性率(音)が、組成だけでは得られない値になります。Smith らの総説は、人工的に構成したメタマテリアルが、従来の材料にない電磁特性(人工磁性、負の屈折率)を示すと述べています事実[参考資料1]
  • メタサーフェスは「薄い板で波面を作る」版:素子ごとに位相の遅れを変えた2次元の配列で、反射・屈折の向きを設計します。Yu らは、波長程度のスケールで位相を急に変える配列により、反射・屈折の法則を一般化できることを示しました事実[参考資料4]
  • 難しさは実装側にある:狭い帯域、金属や誘電体の損失、素子を切り替える部品、現場での位置づけ(既存の中継器との比較)が、実験室の「きれいな曲線」と現場の距離を作ります。2024年の「能動メタマテリアル」ロードマップも、複雑さが理論や研究室の実験を超えた発展の課題になると述べています事実[参考資料20]
この記事でいちばん大事な一行

メタマテリアルは「新しい物質」ではなく「寸法で設計した構造」です。だから、設計の自由度が大きい一方で、動作する周波数が構造の寸法に縛られ(寸法は波長に比例する)、材料の損失と製造のばらつきがそのまま性能に出ます。 「何GHzで、どの帯域幅で、何%の効率か」が書かれていない数字は、比べられません。

2. 原理 ― 「波長より小さな構造」が有効な媒質になる

波は、波長より十分小さな構造の細部を個別には「見ず」、平均した媒質として感じます。この平均した性質(有効媒質)を、構造の形・寸法・配置で設計するのがメタマテリアルの発想です。 Smith らの総説は、メタマテリアルが従来の材料にない電磁的な特性(人工磁性、負の屈折率)を示すことと、「材料とみなす範囲を広げる」ことの意義を述べています事実[参考資料1]。

理論の側では、Pendry が、負の屈折率をもつ薄板は伝搬しない成分も含めて像の全フーリエ成分を焦点に集められる(「超レンズ」)と示しました。マイクロ波帯では当時の技術で実現でき、可視光では銀の薄板で数 nm の物体を分解できる、とシミュレーションで述べています事実[参考資料2](光学側の実装は『メタレンズとフラット光学』編で扱います)。 実験の側では、Schurig らが2006年に、メタマテリアルでつくった「クローク」で銅の円柱を隠す実験をマイクロ波の帯域で行い、散乱と影が減ったと報告しています。著者らは、透明マントは原理的に「少なくとも狭い周波数帯で」可能という理論に沿った最初の実証だと位置づけています事実[参考資料3]。

同じ入射でも、反射の向きを「素子の並び」で選べる(概念図) 角度・素子の数は説明用で、実在の製品の構造ではありません。 普通の金属の反射板 メタサーフェスの反射板 入射 鏡面反射 入射角=反射角(向きは設置角度で決まる) 入射 設計した向きへ 鏡面反射の向き 素子の形で位相を 0 から 2π まで階段状に変える ※ 位相を場所ごとに変えて向きを選ぶ考え方は Yu らの一般化された反射・屈折の法則[参考資料4]、  電気的に切り替える方式の一例は Cui らのコーディング・メタマテリアル[参考資料5]によります。
図2 概念図(ベクター作図)。金属板は入射角と同じ角度で反射します。大きさを少しずつ変えた素子を並べると、各素子の位相の遅れが階段状に変わり、反射の向きを設計できます。角度・素子数・寸法は説明用で、実在の製品の構造ではありません。

3. メタサーフェス ― 位相を場所ごとに決める

Yu らは、波長のスケールで位相を急に変える2次元の配列(シリコン上の金属アンテナ)で、異常な反射・屈折が起きることを実験で示し、フェルマーの原理から導いた「一般化された法則」とよく一致したと報告しました。位相の飛びを使って光学渦を作る例も示しています事実[参考資料4]。 通常の光学部品は、波が進む間に位相をなだらかに積み重ねますが、メタサーフェスは薄い面の上で一気に位相を与えるので、厚みを波長程度に抑えられます事実[参考資料4]。

電磁波の位相を電気的に切り替える方法として、Cui らは、位相の応答が 0 と π の2種類の素子を「0」「1」とみなして並べるコーディング・メタマテリアルを提案しました。バイアスしたダイオードで各素子を0か1に切り替え、FPGA(書き換え可能な論理回路)で並びを変えると、一つの面が異なる働きをする「プログラマブル・メタマテリアル」になる、と数値計算と実験で示しています事実[参考資料5]。 Di Renzo らは、RIS の実現法に、半波長間隔の多数のアンテナの配列と、波長よりずっと小さい散乱素子のメタマテリアル型の大きな面があると整理し、RIS は素子数が最も多い一方で、各素子に付く部品は最も少なく安価で、通常は電力増幅器を要しない、と述べています事実[参考資料9]。

4. 本稿の計算:28 GHz の波長と、素子の数

寸法が波長に比例することを、数字で確かめます。真空中の光速を 299,792,458 m/s とすると、28 GHz の波長は約10.7 mm、39 GHz は約7.7 mm です本稿の計算。 素子を半波長のピッチで敷き詰めると仮定すると、50 cm 角の面には、28 GHz で一辺およそ93個(約8,650素子)、39 GHz で一辺およそ130個(約16,900素子)が入ります本稿の計算。

波長と、半波長ピッチで並べたときの素子数(本稿の計算) 光速 299,792,458 m/s、真空中の波長。素子を半波長ピッチで敷き詰めるという仮定は、本稿の置いた上限の目安です。 28 GHz の波長 10.7 mm 39 GHz の波長 7.7 mm 28 GHz の半波長 5.35 mm 39 GHz の半波長 3.84 mm 50 cm 角を半波長ピッチで埋めると 28 GHz:500 mm ÷ 5.35 mm ≒ 93 個/辺 → 約 8,650 素子(93×93) 39 GHz:500 mm ÷ 3.84 mm ≒ 130 個/辺 → 約 16,900 素子(130×130)
図3 本稿の計算を含む作図(ベクター作図)。周波数が高いほど波長は短く、同じ面積に入る素子は増えます。実際の製品の素子ピッチ・制御の方式は公表資料で確認できていないため、棒グラフは波長の計算値であり、素子数は半波長ピッチという仮定のもとの上限の目安です。

JDI・KDDI・KDDI総合研究所は2025年2月28日の発表で、28 GHz 帯用の可搬型の液晶メタサーフェス反射板を、約50 cm 四方、重量約8 kg、スマートフォンでオン・オフと散乱パターンの変更ができるものとして発表しています(メーカー・事業者の公称)事実[参考資料18]。素子のピッチ、素子数、液晶への電圧の与え方は、この発表では確認できませんでした。

5. 電波吸収体とステルス ― 帯域と厚みの限界

メタマテリアルの最初の実用的な応用の一つが、電波の吸収体です。Landy らは、電界と磁界にそれぞれ結合する2種類の共振器を1枚の単位胞に収め、入射する電波をほぼすべて吸収する設計を示しました。作製した試料の予測吸収率は96%、実測で11.5 GHz において88%超でした。構造は金属要素だけでできているため、基板は他の目的に合わせて選べる、と述べています事実[参考資料6]。

ここで、吸収率の数字には必ず周波数・入射角・偏波がつきます。Landy らの値は11.5 GHz の一点の実測で、広い帯域の吸収を示したものではありません事実[参考資料6]。 さらに、金属板の上に載せる吸収体には、厚みと帯域幅の間に原理的な限界があります。Rozanov は、金属裏打ちの多層板の反射係数の解析的な性質から、物理的に実現できるレーダー吸収体の、厚みと帯域幅の比の下限を導き、広帯域で10 dB 以上の吸収を実現する誘電体の吸収体の最小の厚みは、最も長い動作波長の1/17であると示しました事実[参考資料7]。

この1/17を、いくつかの周波数にあてはめます(動作波長は真空中の波長とし、「最も長い動作波長」を、吸収体が動作する最も低い周波数の波長と読みます。この読みは本稿の解釈で、推測を含みます)。1 GHz から使うなら約17.6 mm、3 GHz なら約5.9 mm、10 GHz なら約1.8 mm、28 GHz なら約0.63 mm です本稿の計算。 低い周波数まで広く吸収するには、薄さをあきらめるか、磁性材料など別の手段が要ることを示す数字です(誘電体の場合の下限で、磁性体を使う場合は別の関係になることが論文の要旨に示されています)事実[参考資料7]。

広帯域(10 dB)誘電体吸収体の厚みの下限の例(本稿の計算) 下限=最も長い動作波長の 1/17[参考資料7]。波長は真空中。「最も長い動作波長」を最低動作周波数の波長と読んだ、本稿の解釈を含みます。 最低動作周波数 1 GHz 約 17.6 mm 3 GHz 約 5.9 mm 10 GHz 約 1.8 mm 28 GHz 約 0.63 mm ※ 棒の長さは 1 mm=19.3 px。誘電体(非磁性)の吸収体の場合の下限で、磁性体を使う場合や狭帯域の吸収体には当てはまりません。 ※ 実在の吸収体の厚みを示すものではなく、薄くすると帯域が狭くなる、という関係を数字にしたものです。 ※ Landy らの吸収体[参考資料6]は 11.5 GHz の一点の実測で、広い帯域の吸収を示したものではありません。
図4 本稿の計算を含む作図(ベクター作図)。薄く作れる吸収体ほど、吸収できる帯域は狭くなります。広帯域・低周波まで吸収する場合の厚みの下限は、周波数が低いほど大きくなります。実在の製品の厚み・帯域ではありません。
ステルスについて、本稿が書かないこと

Schurig らのクロークは、マイクロ波の限られた帯域で、銅の円柱という単純な物体を対象にした実験室の実証です[参考資料3]。実際の航空機・艦船の低観測性(ステルス)への適用や、その性能は、公開された一次資料では確認できません。そのため、本稿はステルス性能の優劣・実用化の程度を書きません。

6. 素材技術者の視点①:損失と、同調する材料

素材技術者の視点①:メタマテリアルの性能は「材料の損失」で決まる部分が大きい

メタマテリアルの構造は、金属パターン、誘電体の基板、同調のための素子(ダイオード、液晶など)の組み合わせです。Khurgin は、金属の損失がプラズモニクスやメタマテリアルの構造すべての性能に影響し、損失にどう対処するかが実用になる度合いを決めると述べています事実[参考資料8](原文の対象は光領域のプラズモニクスですが、金属の損失が効く、という指摘はマイクロ波・ミリ波の共振構造にも当てはまる、というのは本稿の推測です)。

同調の材料:JDI と KDDI総合研究所の液晶メタサーフェス反射板は、ディスプレイの光制御に使う液晶を電波の制御に応用し、反射素子とグランド(地板)の間に液晶層を入れ、反射素子を電極と兼用して電圧で誘電率を変えます事実[参考資料17]。 ミリ波で液晶層の誘電損失がどれだけ効くかは、この発表資料では確認できませんでした。 窓ガラスの材料:ドコモ・AGC の発表は、ガラスに塗布した遮熱膜は電波を反射する性質がある、としています。遮熱ガラスにメタサーフェスレンズを組み合わせる際は、AGC のガラス電波透過構造設計技術を使って遮熱性を損なわずにミリ波が透過するように設計した、と述べています事実[参考資料16]。

解説:窓や外装に使う場合、可視光の透過、遮熱、電波の透過・反射、耐候性が同時に要求され、導電膜の材料と膜厚、パターンの線幅がそのまま設計のトレードオフになります。 透明な導電膜の材料の違いは、本シリーズ『透明導電膜』編で扱っています。

もう一つの視点:制御を簡単にする設計

従来、動的なメタサーフェスは素子ごとに異なる制御信号を与えていました。ドコモ・AGC は、構造の異なる4種類の素子を適切に配置して、全素子に同じ制御信号を与えても焦点の位置を切り替えられる(単焦点と2焦点の切り替え)ことを実証し、制御が簡単になるので大きな面積でも焦点を変えられる、としています事実[参考資料16]。素子数が増えるほど制御回路が支配的になるため、材料側の工夫で制御を単純にする方向は重要です(本稿の解説)。

7. 6G の RIS と窓ガラスの電波レンズ ― 実験室から現場へ

28 GHz 以上のミリ波は直進性が強く、ビルや樹木の影に電波が届かない場所(カバレッジホール)ができやすい性質があります。基地局を増やす代わりに、電波を反射・集光する面で届ける、というのが RIS やメタサーフェス反射板の動機です事実[参考資料15・17]。 Di Renzo らは、RIS をスマート無線環境(SRE)の実現技術として整理しており、位相配列、多素子アンテナ、中継器と比べて、素子数は多いが部品は少なく安価で、電力増幅器を使わないのが通常で、小型・軽量・低電力(C-SWaP)の設計になりうる、としています事実[参考資料9]。

公表されている実験・実証の経過(日本の例)

時期発表主体内容(発表の記載)読むときの条件
2020年12月14〜18日の実験(2021年1月26日発表)NTTドコモ・AGC窓ガラス用のメタサーフェスレンズ(フィルム形状)。28 GHz帯で、窓ガラスを通るミリ波を屋内の焦点に集める。フロートガラスのみを0 dBとして、27.6 GHz で焦点の受信電力が24 dB 超。遮熱(金属膜)ガラスは−29 dB、電波透過構造で約0 dB、メタサーフェスレンズを足して約24 dB。動的レンズは29.5 GHz で焦点を切り替えドコモR&Dセンタでの垂直入射の測定。焦点での受信電力で、面全体の性能ではない。事業者の発表事実[16]
2021年10月7日JDI・KDDI総合研究所液晶を使った反射方向可変のメタサーフェス反射板(28 GHz帯)。小形の試作サンプルを電波無響室で試験し、電圧の設定で反射方向を受信アンテナ#1から#2の方向に変えられたと説明。発表は「世界初」としている小形試作・電波無響室。「世界初」は発表者の主張事実[17]
2021年11月12日NTT・NTTドコモユーザーの動きに合わせて反射方向を動的に変える実験に成功。AGC のミリ波帯の RIS 反射板に NTT の反射制御技術を適用。窓を通って室内に入った基地局の電波を反射させ、移動する受信機の受信電力を広範囲に改善。「世界初」としている屋内で移動する受信機を使った実験(場所・面積などの詳細は別紙にあり、本稿では確認していない)。「世界初」は発表者の主張。今後は有力な1候補として検討、と記載事実/未確定/将来[15]
2024年12月21日〜2025年3月31日の実証(2025年2月28日発表)JDI・KDDI・KDDI総合研究所可搬型の28 GHz帯液晶反射板(約50 cm四方、約8 kg、スマートフォンでオン・オフと散乱パターンの変更)。東京都新宿区西新宿で、商用のミリ波をビル間の届きにくい場所へ反射。太陽光パネルとバッテリーでの駆動も確認屋外の実環境。反射の改善量(dB)はこの発表の本文では数値で確認できなかった。「実用化に取り組んでいく」は未確定/将来[18]

数値・「世界初」はいずれも発表した事業者・機関の記載です。条件の異なる実験(測定点、面積、環境)を並べて優劣をつけないでください。

音を通す試験部に局所的な共鳴体を置く例です
図5 概念画像(ImageGenで生成)。音を通す試験部に局所的な共鳴体を置く例です。重さだけで遮音する材料とは別の仕組みですが、効く周波数の範囲に注意が必要です。 実際の施設・製品・測定結果ではありません。

標準化と、批判的な見方

標準化の側では、ETSI(欧州の標準化団体)の RIS に関する産業仕様グループが、2025年4月25日に、新しい技術報告として「実装と実用上の考慮事項」(GR RIS 004、単位胞設計、スイッチング方式、RIS の種類、コントローラ、コスト、フィールド試験、測定方法を含む)と「RIS 支援通信のダイバーシティと多重化」(GR RIS 005)を発表し、既存の GR RIS 001(ユースケース、展開シナリオ、要求条件)、002(技術的課題とアーキテクチャ・標準への影響)、003(通信モデル、チャネルモデル、チャネル推定、評価方法)を更新した、と公表しています事実[参考資料13]。 これらは技術報告(Group Report)で、規格(標準)そのものではありません。

3GPP では、リピーターにネットワークの制御を加えたネットワーク制御リピーター(NCR)が、Release 18 で検討されました。技術報告 TR 38.867 V18.0.0(2022年9月)は、NCR を FR1・FR2 の帯域のインバンド RF リピーター(受けた帯域をそのまま増幅して再送する中継器)で、単一ホップの固定設置、端末から透過的に見えるものとして想定し、「費用効率が重要な検討点」と記しています。検討の対象は、サイド制御情報(ビーム、タイミング、UL-DL TDD 構成、ON-OFF、電力制御)とそのシグナリング、リピーターの管理です事実[参考資料14]。 RIS については、Åström らのプレプリントが、RIS は 3GPP の Release 18 と 19 で検討項目として提案されたが、いずれも検討項目として進めないことになり、将来の仕様化に委ねられたと述べ、その根拠として実用上の問題点を整理しています。同じ論文は、RIS の性能を、Release 18 で標準化されたネットワーク制御リピーターと比較しています事実(査読前のプレプリントの記載で、本稿は 3GPP の議事録そのものは確認していません)[参考資料12]。

研究の側でも、見方は割れています。Björnson らは、RIS への期待の高まりの中で広がった誤解を整理し、「現在のネットワーク技術は送受信機しか制御できない」「漸近的なアレイ利得が通常のビームフォーミングより良い」「経路損失がアノマラス・ミラー(異常反射板)と同じ」の3つを神話として検討しました。RIS が成功するための問いとして、説得力のあるユースケースと、チャネルの推定と RIS のリアルタイム制御の方法を挙げています事実[参考資料10]。 Tang らは、RIS の自由空間の経路損失モデルを、送受信機との距離、RIS の大きさ、近傍界・遠方界、素子と RIS の放射パターンの関係として整理し、試作した3つの RIS を電波暗室で測定して、測定がモデルとよく一致したと報告しています事実[参考資料11]。電波暗室の条件と、反射の多い現場の違いは第10章で整理します。

8. 音響・弾性波のメタマテリアル ― 遮音と制振

普通の壁は、重いほど音を通しにくくなります(質量則)。軽くしたまま遮音するのが、音響メタマテリアルの動機の一つです。 Liu らは2000年に、局所的な共振構造をもつ「局所共鳴型」の音響結晶を作製し、格子定数が関係する波長より2桁小さいのに音の通らない周波数帯(バンドギャップ)が現れることを示しました。この複合材料は有効的に負の弾性定数のように振る舞い、厚さ2 cm の板で、400 Hz において、従来の質量則を1桁以上破ると報告しています事実[参考資料19]。 Yang らは、剛体の格子で区切った薄い膜に小さな質量を載せた膜型の音響メタマテリアルを作り、100〜1000 Hz の領域で質量則を約200倍上回る遮音を報告しています。固有周波数は膜の中央に載せる小さな質量で調整でき、二つの固有モードの間の周波数で、面内平均の法線変位がゼロになってほぼ全反射が得られる、と説明しています事実[参考資料21]。 Ma と Sheng の総説は、音響メタマテリアルが15年ほどで学術的な好奇心から活発な分野に成長し、局所共鳴から、位相の操作、超吸収、能動制御、流体の流れ・弾性体・機械的メタマテリアルでの波の輸送へと広がったと整理しています事実[参考資料23]。

左は重い壁、右は局所共鳴体を組み込む材料の例です
図6 概念画像(ImageGenで生成)。左は重い壁、右は局所共鳴体を組み込む材料の例です。遮音の優劣ではなく、音に応答する仕組みの違いを示しています。 形状・色・寸法は説明用です。数値と原文の対応は下の元図で確認できます。
元のSVG模式図と正確な説明を見る
質量則と、局所共鳴型の遮音の違い(概念図) 山と谷の位置・高さは説明用で、実在の材料のデータではありません。縦軸・横軸に数値はありません。 ↑ 遮音(透過損失) 周波数 →(対数軸のイメージ) 質量則:面密度で決まる緩やかな増加 二つの固有モードの間 固有モード付近は谷 次の固有モードも谷 帯域を外れると質量則に近づく ※ 質量則を上回る帯域が現れることは Liu らの局所共鳴型[参考資料19]、固有モードの間でほぼ全反射となることは  Yang らの膜型[参考資料21]の報告によります。谷の位置関係は、固有モードで遮音が下がるという一般的な説明に沿った本稿の作図です。
図6 概念図(ベクター作図)。灰色の直線が質量則、青い曲線が局所共鳴型の概念的な遮音です。共鳴で遮音が高まる帯域は狭く、その両側の固有モードの近くでは遮音が下がります。数値は説明用で、実在の材料のデータではありません。

実用の側では、日産自動車が2020年1月6日(米国時間)の発表で、格子構造とプラスチックフィルムの組み合わせで空気の振動を制御し、ロードノイズやエンジン音などの500〜1200 Hzの広い周波数帯の騒音の透過を抑える「音響メタマテリアル」を CES 2020 で紹介しました。同社は、この帯域の遮音に多く使われる重いゴム板に比べ、同程度の遮音を、重さ4分の1で実現する、量産時のコスト競争力は現行材料とほぼ同等かそれ以上、と述べています(メーカーの公称。比較の条件、測定法、実車での効果は発表では確認できません)事実[参考資料22]。同社は2008年ごろにメタマテリアルの研究を始めた、とも述べています事実[参考資料22]。

音の波長を計算すると、500 Hz で約0.69 m、1200 Hz で約0.29 m(空気中の音速を343 m/s とした場合)、Liu らの400 Hz では約0.86 m です本稿の計算。厚さ2 cm の板は、400 Hz の波長の約1/43にあたります本稿の計算。電磁波の28 GHz の波長(約10.7 mm)に比べて桁違いに長い波長を、薄い板で制御している、という関係が分かります。

弾性波(固体中の振動)では、Hussein らが、材料・内部の形状・境界条件のいずれかに周期性をもつ「フォノニック媒質」を、電子のバンド図と同じ周波数バンド構造で記述できるものとして整理し、トラス、リブつきシェル、フォノニック結晶、メタマテリアルまで含む分野として概観しています事実[参考資料24]。振動を抑える製品の事例は、本稿では一次資料で確認していないため書きません。

9. 素材技術者の視点②:共鳴は「ずれる」

素材技術者の視点②:性能は、共振器の固有周波数のずれにそのまま現れる

局所共鳴型では、遮音が高まる周波数が、膜の張力・厚み・載せた質量・格子の寸法で決まります。Yang らは、固有周波数が膜の中央に載せる小さな質量で調整できると述べています事実[参考資料21]。 推測:これは裏返すと、質量・膜の弾性率・取り付けの張力のばらつきが、遮音のピーク位置のずれとして現れやすい、ということです。量産では、フィルムの厚み公差、温湿度による弾性率の変化、経年のたるみが、狭い帯域の性能に直接効く可能性があります(公表資料には、これらの影響を示す数値は確認できませんでした)。

実験室と実機のずれ:ISO 10140-2 の適用範囲は、実験室の測定結果が、側路伝搬(フランキング)、境界条件、全損失係数など他の要因を考慮せずにそのまま現場に当てはまるわけではない、と明記しています事実[参考資料29]。 板の周囲の固定のしかたが固有モードを決める膜型の構造では、取り付けの境界条件が材料の性能の一部になります(本稿の解説)。

電磁波との共通点:周波数を上げると波長が短くなり、構造の寸法も波長に比例して小さくなります(第4章)。電磁波のメタサーフェスでは、素子の寸法公差は、波長に対する比で効きます(本稿の解説)。

10. 実験室の性能と実装の違い

ここまでの内容を、「実験室・デモで示された内容」と「実装で問われること」に分けて整理します。右端の根拠は、本文の参考資料です。

観点実験室・デモで示されたこと実装で問われること根拠・区分
帯域吸収率88%超は11.5 GHz の一点の実測。クロークは、理論が想定した狭い周波数帯の実証。局所共鳴の遮音は共鳴の間の帯域使う帯域の全体で、入射角と偏波が変わっても性能が保たれるか。薄さと帯域には原理的な限界がある(第5章)[6][3][21][7]事実
試料の大きさ小形の試作サンプル(2021年)、窓ガラスに貼る試作、約50 cm四方(2025年)数m級の面に素子を敷く場合の素子数(28 GHz・半波長ピッチで50 cm角に約8,650)、均一性、つなぎ目の電波への影響[17][16][18]事実、素子数は本稿の計算
測定環境電波無響室、電波暗室での測定が、モデルと一致反射・散乱の多い現場で、他の経路との干渉や、見通し外の場所での効果が出るか[17][11]事実/現場の効果は解説
制御素子ごとの制御から、全素子に同じ信号を与えて焦点を切り替える設計へ(ドコモ・AGC)チャネルの推定と RIS のリアルタイム制御の方法が、RIS 成功の鍵になる問いとされる[16][10]事実
比較対象単独の測定(受信電力の改善)既存の手段(基地局の増設、中継器、3GPP のネットワーク制御リピーター)と、費用・性能・運用で比べて選ばれるか[12][14]事実(プレプリントを含む)
電源・設置可搬型で、太陽光パネルとバッテリーで駆動を確認(約50 cm四方、約8 kg)長期の屋外耐久性、風・雨・温度変化の影響、保守。公表資料では確認できなかった[18]事実/耐久は未確定/将来
遮音の重さ・費用同程度の遮音を重さ4分の1、量産時のコスト競争力は同等以上(メーカーの公称)比較の条件(試験法、周波数帯、板の構成)、実車の効果、長期の劣化[22]事実(企業の主張)
標準化ETSI の技術報告(001〜005)。3GPP はネットワーク制御リピーターを検討(TR 38.867)RIS は 3GPP の検討項目にならなかったとのプレプリントの記載。規格化は将来の課題[13][14][12]事実/未確定/将来

11. 限界と、確認できなかったこと

(1) 実用化の程度

公表されているのは、研究室の測定、デモ、実証実験の段階の結果です。商用の導入の規模、価格、長期の信頼性は、公開された一次資料では確認できませんでした。

(2) 素子の構造と材料の詳細

JDI・KDDI の反射板の素子ピッチ・素子数・液晶層のミリ波での誘電損失、ドコモ・AGC のメタサーフェスレンズの材料と素子の寸法は、発表資料では確認できませんでした。日産の音響メタマテリアルの格子の寸法、フィルムの材質、測定条件も、発表では確認できません。

(3) 3GPP・ETSI の内容

3GPP の TR 38.867 V18.0.0 は本文を確認しました。RIS が Release 18・19 で検討項目にならなかった経緯は、Åström らのプレプリントの記載によるもので、3GPP の議事録そのものは確認していません。ETSI の技術報告の本文(GR RIS 001〜005)も確認しておらず、2025年4月25日の ETSI の発表の記載にとどめます。

(4) 規格の本文

IEC 62431、JIS R 1679、ISO 10140-2、ISO 354、ISO 10534-2、ISO 717-1、IEEE 149 などの規格の本文(有料)は、JIS R 1679 の見本の序文・適用範囲を除いて確認していません。試験の手順、合否の基準、校正は記載していません。

(5) 他の応用

光学のメタレンズ(本シリーズ『メタレンズとフラット光学』編)、プラズモニクス(本シリーズ『プラズモニクスとナノフォトニクス』編)、熱放射・放射冷却のメタ表面(本シリーズ『熱制御材料と放射冷却』編)、ステルスの実機、能動メタマテリアルの量産品は、ここでは扱っていません。

この記事のまとめ
  • メタマテリアルは「寸法で設計した構造」です。動作する周波数が構造の寸法に縛られ、波長に比例して寸法が変わります(28 GHz で波長約10.7 mm、500 Hz の音で約0.69 m)本稿の計算
  • 電磁波では、反射の向きや焦点を素子の並びで設計できます。ドコモ・AGC のフィルム状レンズは、27.6 GHz の焦点でフロートガラス比24 dB 超(事業者の発表、垂直入射・焦点の値)事実
  • 音では、軽くて薄い構造が特定の帯域で質量則を上回ります。ただし帯域は狭く、固有モードの近くでは遮音が下がります事実
  • 実装の壁は「帯域・損失・制御・比較対象」です。薄い広帯域の吸収体には厚みの下限があり、RIS は3GPP の検討項目にならなかったとの整理もあります事実(プレプリントを含む)
  • 規格は「試験方法」で、メタマテリアル全般を対象にした国際規格は確認できませんでした。用途ごとの電波吸収体・遮音・吸音の規格を、条件つきで読みます事実

12. 評価・標準の読み方

何を測るか:電波では、反射量(dB)、吸収率、反射・透過の位相と振幅、アンテナの利得と放射パターンを、自由空間の測定系(ホーンアンテナとネットワークアナライザ、電波暗室)で測ります。音では、透過損失(dB)、吸音率、表面インピーダンスを、残響室、2室の間に試料をはめ込む実験室、音響管で測ります。 メタマテリアル全般を名指しした ISO・IEC・IEEE の規格は、調べた範囲では見つかりませんでした。そのため、用途ごとの既存の規格(電波吸収体、アンテナ、建築部材の遮音、吸音材)を使うことになります事実(確認できなかったことの記載)。

評価項目ISOIEC・IEEEJISASTM測定条件で値が変わる点
ミリ波帯の反射量(電波吸収体・反射板の自由空間測定)事実確認できなかったIEC 62431:2008(Reflectivity of electromagnetic wave absorbers in millimetre wave frequency – Measurement methods)。第1.0版、2008年7月9日発行。反射量0〜−50 dB、入射角0〜80°。IEC/PAS 62431 を置き換え[25]JIS R 1679(電波吸収体のミリ波帯における電波吸収特性測定方法)。2007年6月20日制定の版を日本規格協会の見本で確認。30〜300 GHz、反射量0〜−50 dB、入射角0〜80°。序文は、制定時には対応する国際規格がないと記載[26・27]確認できなかった周波数、入射角、偏波、基準金属板での校正、アンテナ間の結合、ダイナミックレンジ(JIS R 1679 の附属書の題名による)、試料の大きさ
アンテナの利得・放射パターン事実確認できなかったIEEE 149-2021(IEEE Recommended Practice for Antenna Measurements)。2021年9月23日承認、2022年2月18日発行、149-1977 を置き換え。測定対象のアンテナを受動・線形・相反とみなす[28]確認できなかった確認できなかった測定距離(遠方界か近傍界か)、試験場の反射、偏波、校正。状態を切り替える面にこの前提がどこまで当てはまるかは、本稿では確認していない
RIS の通信上の評価未確定/将来確認できなかった確認できなかった。参考:ETSI の技術報告 GR RIS 001〜005(2025年4月25日発表、規格ではなく報告)[13]。3GPP TR 38.867 V18.0.0(2022年9月、ネットワーク制御リピーターの検討報告)[14]確認できなかった確認できなかったチャネルモデル、近傍界・遠方界、素子と RIS の放射パターン、電波暗室か現場か
空気音の遮音(実験室の透過損失)事実ISO 10140-2:2021(Laboratory measurement of sound insulation of building elements – Part 2: Measurement of airborne sound insulation)。第2版、2021年4月、2026年に確認済み。1/3オクターブ帯域の結果から ISO 717-1:2020(第4版、2020年12月)で単一数値に評価[29・30]確認できなかったJIS A 1416(実験室における建築部材の空気音遮断性能の測定方法)。版の年と国際規格との対応は未確認[33]ASTM E90(Standard Test Method for Laboratory Measurement of Airborne Sound Transmission Loss of Building Partitions and Elements)。版の年は未確認。題名と適用対象は ANSI Webstore の掲載で確認[36]試料の取付けと大きさ、周波数帯域、側路伝搬が抑えられた試験室という条件。ISO 10140-2 は、結果を側路伝搬・境界条件・全損失係数を考えずに現場へ当てはめないよう明記
吸音率(残響室法・拡散音場)事実ISO 354:2003(Measurement of sound absorption in a reverberation room)。第2版、2003年5月、2024年に確認済み。弱く減衰する共鳴器の測定には用いないと記載[31]確認できなかったJIS A 1409(残響室法吸音率の測定方法)。版の年と国際規格との対応は未確認[34]確認できなかった試料の大きさ・取付け、拡散音場への入射、周波数帯域
吸音率・表面インピーダンス(音響管・垂直入射)事実ISO 10534-2:2023(Determination of acoustic properties in impedance tubes – Part 2: Two-microphone technique for normal sound absorption coefficient and normal surface impedance)。第2版、2023年。ISO 354 の乱入射の値とは比べられないと記載[32]確認できなかったJIS A 1405-2(音響管による吸音率及びインピーダンスの測定-第2部:伝達関数法)。版の年と国際規格との対応は未確認[35]ASTM E1050(Standard Test Method for Impedance and Absorption of Acoustical Materials Using a Tube, Two Microphones and a Digital Frequency Analysis System)。垂直入射の吸音率と比音響インピーダンス比を測る方法として、Intertek の解説ページに記載[37]垂直入射のみ。試料は管の断面と同じ大きさ。周波数の上限は管の径で決まる
メタマテリアル全般の用語・特性評価事実確認できなかった確認できなかった確認できなかった確認できなかった調べた範囲では、メタマテリアルを名指しした ISO・IEC・IEEE の規格は見つからなかった(確認できなかったことの記載)

どの規格をどの評価項目に当てるかの整理は本稿の計算(本稿の整理)です。ISO は ISO の公式ページ、IEC は IEC Webstore、IEEE は IEEE SA のページ、JIS は JISC の JIS 検索で番号・題名を確認しました。ASTM の2件は ASTM 以外のページで確認し、ASTM のサイトは開いていません。

位置づけの違い

  • ISO・IEC・IEEE は国際・国際的な規格、JIS は日本の国家規格です。JIS R 1679 の序文は、制定時(2007年)には対応する国際規格がないと記しています[27]。その後、IEC 62431 が2008年7月に発行されましたが、両者の対応関係と JIS の現行の版は、本稿では確認していません
  • ASTM は米国を中心とした業界・標準化団体の規格です。国際規格と同じ題名の特性でも、手法や条件が同じとは限りません。ASTM E1050 は垂直入射の音響管、ISO 10534-2 も垂直入射の音響管ですが、版や細部の一致は確認していません
  • ETSI・3GPP は通信の標準化団体で、材料の試験規格ではありません。RIS 関連の文書は、技術報告や検討報告で、仕様(規格)とは区別します[13・14]

規格の読み方の注意

  • 規格は「試験方法」で、性能の保証ではありません。IEC 62431 や JIS R 1679 は反射量の測定方法で、反射方向を切り替える面の動作の評価まで定めているかは、本文を確認していません。ISO 354 は、弱く減衰する共鳴器の吸音特性を測る用途を意図していないと記しており、共鳴型の構造をどの規格で測ったかを確認する必要があります(共鳴型の構造が「弱く減衰する共鳴器」にあたるかは、本稿の推測で確認していません)
  • 同じ名前の特性でも、規格や版で手法が違います。ISO 10534-2 の垂直入射の吸音率は、ISO 354 の乱入射の吸音率とは比べられません[32]。遮音の単一数値(ISO 717-1)は帯域ごとの値を一つにまとめるため、狭い帯域の山と谷(図6)は単一数値には見えにくくなります(本稿の解説)
  • メーカーの値は、準拠規格・版・試験条件とセットで読みます。日産の「同程度の遮音、重さ4分の1」は、規格・条件が発表では確認できません[22]。ドコモ・AGC の「24 dB 超」は、焦点の受信電力、フロートガラスを0 dBとした値で、垂直入射・27.6 GHz の条件つきです[16]
  • 規格値の範囲と実使用条件のずれ:実験室の規格の結果は、現場の側路伝搬や反射環境を含みません[29]

13. 用語集

メタマテリアル
波長より小さな構造を周期的に並べ、組成だけでは得られない波の性質をもたせた人工媒質。
メタサーフェス
メタマテリアルの2次元版。素子ごとに位相などを変えた薄い面。
有効媒質
細部を平均して、一つの均一な媒質とみなしたときの性質。
単位胞
周期構造の最小の繰り返し単位。
RIS
反射板の表面に切り替え可能な素子を並べ、反射方向などを適応的に変える面(reconfigurable intelligent surface)。
NCR
ネットワーク制御リピーター。基地局が制御情報を送る RF の中継器(3GPP Release 18)。
コーディング・メタマテリアル
位相が 0 と π の素子を「0」「1」として並べ、並びで波を制御する考え方。
質量則
壁が重いほど音を通しにくくなる関係。
局所共鳴
構造内の小さな共振器の共鳴で、有効な弾性定数が変わること。
透過損失
音が壁を通るときに失われる量(dB)。大きいほど遮音できる。
反射量
入射した電波に対する反射の強さ(dB)。小さい(マイナスの値が大きい)ほど吸収が大きい。
カバレッジホール
基地局の電波が届きにくい場所。

14. 参考資料(一次情報)

  1. Smith D. R., Pendry J. B., Wiltshire M. C. K. “Metamaterials and Negative Refractive Index”, Science 305, 788–792 (2004), DOI 10.1126/science.1096796 — doi.org/10.1126/science.1096796
  2. Pendry J. B. “Negative Refraction Makes a Perfect Lens”, Phys. Rev. Lett. 85, 3966–3969 (2000), DOI 10.1103/PhysRevLett.85.3966 — doi.org/10.1103/PhysRevLett.85.3966
  3. Schurig D. ほか “Metamaterial Electromagnetic Cloak at Microwave Frequencies”, Science 314, 977–980 (2006), DOI 10.1126/science.1133628 — doi.org/10.1126/science.1133628
  4. Yu N. ほか “Light Propagation with Phase Discontinuities: Generalized Laws of Reflection and Refraction”, Science 334, 333–337 (2011), DOI 10.1126/science.1210713 — doi.org/10.1126/science.1210713
  5. Cui T. J. ほか “Coding metamaterials, digital metamaterials and programmable metamaterials”, Light: Science & Applications 3, e218 (2014), DOI 10.1038/lsa.2014.99 — doi.org/10.1038/lsa.2014.99
  6. Landy N. I. ほか “Perfect Metamaterial Absorber”, Phys. Rev. Lett. 100, 207402 (2008), DOI 10.1103/PhysRevLett.100.207402 — doi.org/10.1103/PhysRevLett.100.207402
  7. Rozanov K. N. “Ultimate thickness to bandwidth ratio of radar absorbers”, IEEE Trans. Antennas Propag. 48, 1230–1234 (2000), DOI 10.1109/8.884491 — doi.org/10.1109/8.884491
  8. Khurgin J. B. “How to deal with the loss in plasmonics and metamaterials”, Nat. Nanotechnol. 10, 2–6 (2015), DOI 10.1038/nnano.2014.310 — doi.org/10.1038/nnano.2014.310
  9. Di Renzo M. ほか “Smart Radio Environments Empowered by Reconfigurable Intelligent Surfaces: How It Works, State of Research, and The Road Ahead”, IEEE J. Sel. Areas Commun. 38, 2450–2525 (2020), DOI 10.1109/JSAC.2020.3007211 — doi.org/10.1109/JSAC.2020.3007211
  10. Björnson E., Özdogan Ö., Larsson E. G. “Reconfigurable Intelligent Surfaces: Three Myths and Two Critical Questions”, IEEE Commun. Mag. 58(12), 90–96 (2020), DOI 10.1109/MCOM.001.2000407 — doi.org/10.1109/MCOM.001.2000407
  11. Tang W. ほか “Wireless Communications With Reconfigurable Intelligent Surface: Path Loss Modeling and Experimental Measurement”, IEEE Trans. Wireless Commun. 20, 421–439 (2021), DOI 10.1109/TWC.2020.3024887 — doi.org/10.1109/TWC.2020.3024887
  12. Åström M. ほか “RIS in Cellular Networks — Challenges and Issues”, arXiv:2404.04753(プレプリント、第2版2024年11月7日、査読前) — arxiv.org/abs/2404.04753
  13. ETSI “ETSI releases new Reports on Reconfigurable Intelligent Surfaces”(2025年4月25日) — etsi.org/newsroom/news/2522
  14. 3GPP “TR 38.867 V18.0.0 (2022-09) Study on NR network-controlled repeaters (Release 18)” — 3gpp.org/ftp/Specs/archive/38_series/38.867
  15. 日本電信電話・NTTドコモ 「世界初、6G時代の超カバレッジの実現に向けたユーザー追従型メタサーフェス制御の実証に成功」ニュースリリース(2021年11月12日) — group.ntt/jp/newsrelease/2021/11/12/211112b.html
  16. NTTドコモ・AGC 「メタサーフェス技術により窓ガラスの電波レンズ化に世界で初めて成功」報道発表(2021年1月26日、別紙の実験結果を含む) — agc.com/news/pdf/20210126.pdf
  17. ジャパンディスプレイ・KDDI総合研究所 「世界初 電波の反射方向が変えられる液晶メタサーフェス反射板の開発に成功」プレスリリース(2021年10月7日) — j-display.com/news/release/detail/20211007000000.html
  18. ジャパンディスプレイ・KDDI・KDDI総合研究所 「液晶反射板でミリ波を反射させ、屋外ビル間をエリア化する実証に成功」プレスリリース(2025年2月28日) — j-display.com/news/release/detail/20250227161354.html
  19. Liu Z. ほか “Locally Resonant Sonic Materials”, Science 289, 1734–1736 (2000), DOI 10.1126/science.289.5485.1734 — doi.org/10.1126/science.289.5485.1734
  20. Active Metamaterials Roadmap(複数著者) “The 2024 Active Metamaterials Roadmap”, arXiv:2411.09711(プレプリント) — arxiv.org/abs/2411.09711
  21. Yang Z. ほか “Membrane-Type Acoustic Metamaterial with Negative Dynamic Mass”, Phys. Rev. Lett. 101, 204301 (2008), DOI 10.1103/PhysRevLett.101.204301 — doi.org/10.1103/PhysRevLett.101.204301
  22. 日産自動車 “Nissan shows new, lightweight noise-reducing technology at CES”(2020年1月6日) — global.nissannews.com/releases/nissan-shows-new-lightweight-noise-reducing-technology-at-ces
  23. Ma G., Sheng P. “Acoustic metamaterials: From local resonances to broad horizons”, Sci. Adv. 2, e1501595 (2016), DOI 10.1126/sciadv.1501595 — doi.org/10.1126/sciadv.1501595
  24. Hussein M. I., Leamy M. J., Ruzzene M. “Dynamics of Phononic Materials and Structures: Historical Origins, Recent Progress, and Future Outlook”, Appl. Mech. Rev. 66, 040802 (2014), DOI 10.1115/1.4026911 — doi.org/10.1115/1.4026911
  25. IEC “IEC 62431:2008” 製品ページ(IEC Webstore) — webstore.iec.ch/en/publication/7006
  26. 日本産業標準調査会(JISC) JIS検索「JIS R 1679」の一覧 — jisc.go.jp(JIS R 1679)
  27. 日本規格協会 “JIS R 1679:2007” 見本(序文・適用範囲・目次) — webdesk.jsa.or.jp/preview/pre_jis_r_01679_000_000_2007_j_ed10_ch.pdf
  28. IEEE SA “IEEE 149-2021” ページ — standards.ieee.org/ieee/149/6667
  29. ISO “ISO 10140-2:2021” ページ — iso.org/standard/79487.html
  30. ISO “ISO 717-1:2020” ページ — iso.org/standard/77435.html
  31. ISO “ISO 354:2003” ページ — iso.org/standard/34545.html
  32. ISO “ISO 10534-2:2023” ページ — iso.org/standard/81294.html
  33. 日本産業標準調査会(JISC) JIS検索「JIS A 1416」の一覧 — jisc.go.jp(JIS A 1416)
  34. 日本産業標準調査会(JISC) JIS検索「JIS A 1409」の一覧 — jisc.go.jp(JIS A 1409)
  35. 日本産業標準調査会(JISC) JIS検索「JIS A 1405」の一覧(第1部・第2部) — jisc.go.jp(JIS A 1405)
  36. ANSI Webstore(ASTM 以外の販売ページ) ASTM E90 の題名・適用対象の掲載ページ — webstore.ansi.org/standards/astm/astme9099
  37. Intertek(ASTM 以外の解説ページ) ASTM E1050 の題名・適用範囲の解説 — intertek.com/building/standards/astm-e1050

15. 主張と出典の対応表(監査)

本文の主張根拠区分
メタマテリアルが従来の材料にない電磁特性(人工磁性、負の屈折率)を示すこと、材料の概念を広げる意義Smith ら(2004)の総説
出典1 https://doi.org/10.1126/science.1096796
事実
負の屈折率の薄板(超レンズ)の理論、マイクロ波帯で実現可能、銀の薄板で数nmの物体を分解するシミュレーションPendry(2000)
出典2 https://doi.org/10.1103/PhysRevLett.85.3966
事実
メタマテリアルのクロークがマイクロ波帯で銅の円柱の散乱と影を減らしたこと、理論が「少なくとも狭い周波数帯」としていたことSchurig ら(2006)
出典3 https://doi.org/10.1126/science.1133628
事実
位相を波長のスケールで急に変える配列、一般化された反射・屈折の法則、シリコン上の金属アンテナ、光学渦Yu ら(2011)
出典4 https://doi.org/10.1126/science.1210713
事実
位相0・πの素子を0・1とするコーディング、ダイオードで切り替える素子、FPGAでのプログラムCui ら(2014)
出典5 https://doi.org/10.1038/lsa.2014.99
事実
電気・磁気共振器による吸収体、予測吸収率96%、実測88%超(11.5 GHz)、金属要素のみで基板を選べることLandy ら(2008)
出典6 https://doi.org/10.1103/PhysRevLett.100.207402
事実
金属裏打ちの吸収体の厚み・帯域の比の下限、10 dB広帯域の誘電体吸収体の最小の厚みが最長動作波長の1/17Rozanov(2000)の要旨
出典7 https://doi.org/10.1109/8.884491
事実
金属の損失が構造すべての性能に影響し、損失への対処が実用になる度合いを決めることKhurgin(2015)
出典8 https://doi.org/10.1038/nnano.2014.310
事実
RIS の実現法(半波長間隔のアンテナ配列、メタマテリアル型)、素子数は多いが部品は少なく安価で、電力増幅器は通常不要、C-SWaPDi Renzo ら(2020)
出典9 https://doi.org/10.1109/JSAC.2020.3007211
事実
RIS の3つの神話と2つの重要な問い(ユースケース、チャネル推定とリアルタイム制御)Björnson ら(2020)
出典10 https://doi.org/10.1109/MCOM.001.2000407
事実
RIS の自由空間の経路損失モデル、試作した3つの RIS の電波暗室での測定がモデルと一致Tang ら(2021)
出典11 https://doi.org/10.1109/TWC.2020.3024887
事実
RIS が3GPP Release 18・19 で検討項目として進められなかったこと、ネットワーク制御リピーターとの比較(プレプリントの記載)Åström ら(arXiv、第2版2024年11月)
出典12 https://arxiv.org/abs/2404.04753
事実
ETSI の RIS 技術報告 GR RIS 001〜005(2025年4月25日発表)の題名と004の内容の概要ETSI の発表
出典13 https://www.etsi.org/newsroom/news/2522-etsi-releases-new-reports-on-reconfigurable-intelligent-surfaces/
事実
3GPP TR 38.867 V18.0.0(2022年9月):NCR の想定(インバンド RF リピーター、単一ホップ・固定、端末に透過的、費用効率)、サイド制御情報の範囲3GPP TR 38.867
出典14 https://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/38_series/38.867/38867-i00.zip
事実
NTT・ドコモの反射方向の動的制御の実験(AGC の RIS 反射板)、「世界初」(発表者の主張)、有力な1候補として検討NTT・ドコモのニュースリリース(2021年11月12日)
出典15 https://group.ntt/jp/newsrelease/2021/11/12/211112b.html
事実
ドコモ・AGC のメタサーフェスレンズ(27.6 GHz、フロートガラス基準で24 dB超、遮熱ガラス −29 dB・約0 dB・約24 dB、29.5 GHz の動的レンズの値、全素子同一制御、実験期間2020年12月14〜18日、遮熱膜は電波を反射)ドコモ・AGC の報道発表(別紙)
出典16 https://www.agc.com/news/pdf/20210126.pdf
事実
液晶メタサーフェス反射板(液晶層を反射素子と地板の間に置き、電圧で誘電率を変更)、小形サンプルを電波無響室で試験、「世界初」(発表者の主張)JDI・KDDI総合研究所のプレスリリース(2021年10月7日)
出典17 https://www.j-display.com/news/release/detail/20211007000000.html
事実
可搬型の28 GHz帯液晶反射板(約50 cm四方、約8 kg、スマートフォン制御、西新宿、2024年12月21日〜2025年3月31日、太陽光パネル・バッテリー駆動)、実用化への取り組みの方針JDI・KDDI・KDDI総合研究所のプレスリリース(2025年2月28日)
出典18 https://www.j-display.com/news/release/detail/20250227161354.html
事実/未確定/将来
局所共鳴型の音響結晶(格子定数が波長の2桁小)、厚さ2 cmで400 Hzにおいて質量則を1桁以上破るLiu ら(2000)
出典19 https://doi.org/10.1126/science.289.5485.1734
事実
能動メタマテリアルの複雑さが、理論・研究室の実験を超える発展の課題になること2024 Active Metamaterials Roadmap(プレプリント)
出典20 https://arxiv.org/abs/2411.09711
事実
膜型の音響メタマテリアル、100〜1000 Hzで質量則を約200倍上回る、固有周波数は小さな質量で調整、二つの固有モードの間でほぼ全反射Yang ら(2008)
出典21 https://doi.org/10.1103/PhysRevLett.101.204301
事実
日産の音響メタマテリアル(格子とプラスチックフィルム、500〜1200 Hz、重さ4分の1、コスト競争力、研究開始は2008年ごろ、CES 2020)。メーカーの公称日産のニュースリリース(2020年1月6日)
出典22 https://global.nissannews.com/releases/nissan-shows-new-lightweight-noise-reducing-technology-at-ces
事実
音響メタマテリアルの発展の整理(局所共鳴、位相操作、超吸収、能動制御、弾性体など)Ma・Sheng(2016)
出典23 https://doi.org/10.1126/sciadv.1501595
事実
フォノニック媒質の周波数バンド構造による記述、トラスからメタマテリアルまでHussein ら(2014)
出典24 https://doi.org/10.1115/1.4026911
事実
規格の番号・題名・版:IEC 62431:2008(第1.0版、2008年7月9日)IEC Webstore
出典25 https://webstore.iec.ch/en/publication/7006
事実
規格の番号・題名:JIS R 1679(電波吸収体のミリ波帯における電波吸収特性測定方法)JISC JIS検索
出典26 https://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISNumberNameSearchList?show&jisStdNo=R1679
事実
JIS R 1679:2007の制定日(2007年6月20日)、適用範囲(30〜300 GHz、0〜−50 dB、0〜80°)、序文(制定時に対応する国際規格なし)、附属書の題名日本規格協会の見本
出典27 https://webdesk.jsa.or.jp/preview/pre_jis_r_01679_000_000_2007_j_ed10_ch.pdf
事実
規格の番号・題名:IEEE 149-2021(承認・発行日、前版、測定対象の前提)IEEE SA
出典28 https://standards.ieee.org/ieee/149/6667/
事実
規格の番号・題名・版:ISO 10140-2:2021(第2版、2021年4月、2026年に確認、現場に直接当てはまらないとの記載)ISO
出典29 https://www.iso.org/standard/79487.html
事実
規格の番号・題名・版:ISO 717-1:2020(第4版、2020年12月、1/3オクターブ帯域から単一数値)ISO
出典30 https://www.iso.org/standard/77435.html
事実
規格の番号・題名・版:ISO 354:2003(第2版、2003年5月、2024年に確認、弱く減衰する共鳴器は対象外)ISO
出典31 https://www.iso.org/standard/34545.html
事実
規格の番号・題名・版:ISO 10534-2:2023(第2版、垂直入射、ISO 354 とは比べられないとの記載)ISO
出典32 https://www.iso.org/standard/81294.html
事実
規格の番号・題名:JIS A 1416(実験室における建築部材の空気音遮断性能の測定方法)JISC JIS検索
出典33 https://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISNumberNameSearchList?show&jisStdNo=A1416
事実
規格の番号・題名:JIS A 1409(残響室法吸音率の測定方法)JISC JIS検索
出典34 https://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISNumberNameSearchList?show&jisStdNo=A1409
事実
規格の番号・題名:JIS A 1405-1・A 1405-2(音響管による吸音率及びインピーダンスの測定)JISC JIS検索
出典35 https://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISNumberNameSearchList?show&jisStdNo=A1405
事実
ASTM E90 の題名と適用対象(ASTM 以外の販売ページで確認。ASTM のサイトは開いていない)ANSI Webstore
出典36 https://webstore.ansi.org/standards/astm/astme9099
事実
ASTM E1050 の題名と適用範囲(ASTM 以外の解説ページで確認。ASTM のサイトは開いていない)Intertek の解説ページ
出典37 https://www.intertek.com/building/standards/astm-e1050/
事実
波長(28 GHz:約10.7 mm、39 GHz:約7.7 mm)、半波長ピッチで50 cm角に入る素子数(約8,650、約16,900)、Rozanov の1/17を各周波数にあてはめた厚み(約17.6・5.9・1.8・0.63 mm)、音の波長(500 Hz:約0.69 m、1200 Hz:約0.29 m、400 Hz:約0.86 m)、2 cmは400 Hzの波長の約1/43本稿の計算。光速299,792,458 m/s、空気中の音速343 m/s の仮定。素子数は半波長ピッチという仮定のもとの目安で、実在の製品の素子数ではない。1/17の適用は「最も長い動作波長」を最低動作周波数の波長と読んだ本稿の解釈(推測)を含む本稿の計算
JDI・KDDI の素子ピッチ・素子数・液晶層のミリ波損失、ドコモ・AGC のレンズの材料・寸法、日産の格子の寸法・フィルムの材質・試験条件、RIS の3GPP議事録、ETSI 報告の本文、規格の本文、ステルスの実機の性能、現場での長期耐久性本稿の調査範囲でアクセスできた一次情報では確認できなかったため記載していない解説
「メタマテリアルは新しい物質ではなく寸法で設計した構造」「素子の寸法公差は波長に対する比で効く」「共鳴型は質量・膜の弾性率・取り付けのばらつきがピークのずれに現れやすい」「窓や外装では導電膜の材料と膜厚が設計のトレードオフになる」「制御を材料側の工夫で単純にする方向は重要」「単一数値は狭い帯域の山と谷を隠す」「共鳴型が弱く減衰する共鳴器にあたるかは未確認」という読み取り公表内容にもとづく本記事の整理・解説。各社・各機関が表明した見解ではない解説
図2・図3・図4・図6が実データではなく説明のための作図であること。図1と図5がAI生成イメージであること本記事による注記解説

最終更新:2026年10月10日/出典は一次情報(査読論文、3GPP・ETSI・ISO・IEC・IEEE・JISC の公式ページ、各社・各機関の発表)に限定しています。規格の本文は有料のため、JIS R 1679 の見本の序文・適用範囲・目次を除いて確認できていません。ASTM International のサイトは開いていません。 構造の整理や材料設計上の読み取りを含むため、それらは「解説」として出典付きの事実と区別しています。 ステルスの実機の性能、素子の構造と材料の詳細、3GPP の議事録、ETSI 報告の本文、現場での長期耐久性は、確認できなかったため記載していません。 発表資料の数値は発表した事業者・機関の公称で、条件の異なる実験どうしを比べて優劣をつけるものではありません。 図はすべて説明用の概念図です。図2・図3・図4・図6はベクター作図、図1と図5はAI生成イメージであり、いずれも実際の写真・実測データ・製品の実物を示すものではありません。