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ソフトアクチュエータと人工筋肉 技術解説

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TECHNOLOGY EXPLAINER

ソフトアクチュエータと人工筋肉
― 「筋肉並み」の数字は、何を分母に、どの条件で測ったか

「人工筋肉」と呼ばれるものは、動かす原理がまったく違います。誘電エラストマーは、事前に引き伸ばした膜で線ひずみ380%超が総説に引用される一方、動かすには高電圧が要ります。空気圧人工筋肉は、内径20 mm で1500 N の力が出せるとされますが、圧縮空気の供給が要ります。釣り糸をよじってコイルにした繊維は、49%収縮し、質量あたり5.3 kW/kg の仕事率を示しました。 これらの数字は、分母(体積・質量・全体)、範囲(材料か素子か)、条件(電界・温度・回数)が違い、そのままでは比べられません。この記事は、主な方式の仕組み、出力・応答速度・ひずみ・寿命の読み方、評価規格の読み方を、一次情報の範囲で整理します。

構成:査読論文(Science、IEEE 論文誌、Machines、Actuators、Sensors、Biomimetics)、IEC・ISO・JISC のデータベース、メーカーのデータシート/確認日 2026年10月10日

柔らかい指の内部の空気室が膨らみ、曲がって対象物をつかむ例です
図1 概念画像(ImageGenで生成)。柔らかい指の内部の空気室が膨らみ、曲がって対象物をつかむ例です。柔らかい材料だけでなく、空気源と制御部も必要です。 実際の施設・製品・測定結果ではありません。
この記事の構成
  1. ソフトアクチュエータと人工筋肉とは何か(3行でつかむ)
  2. 駆動方式の地図
  3. 誘電エラストマー(DEA)― 膜・電極・電圧
  4. 低電圧・水・熱・化学で動くもの ― IPMC、ハイドロゲル、CNT ヤーン、コイル繊維
  5. 空気圧人工筋肉
  6. 「筋肉並み」を読む ― 分母・範囲・時間・寿命
  7. 限界と、確認できなかったこと
  8. 評価・標準の読み方
  9. 用語集
  10. 参考資料(一次情報)
  11. 主張と出典の対応表(監査)
本記事の表記ルール

事実=公表資料に記載のある内容(出典リンクあり)
本稿の計算=明示した前提をもとに本記事が算出した値
未確定/将来=計画・予定であり、実績が確認できていない事項
このほか、材料設計上の読み取りは「解説」として区別しています。推測は太字で示します。

この記事の数値の読み方

ここに出てくるひずみ、力、エネルギー密度、速さ、寿命の数値は、特定の論文・総説が、特定の試料・素子を、特定の条件で報告した結果です。総説が引用する「報告された最大値」も含みます。量産品や他の素子の性能を示すものではありません。 研究室の最良のデータを、実用条件の性能として読まないでください。製品や企業の優劣は論じません。医療上の助言は書きません。

1. ソフトアクチュエータと人工筋肉とは何か(3行でつかむ)

  • 柔らかい材料そのものが変形して、力や動きを出す装置:従来のモーターやシリンダーの代わりに、電場、圧力、熱、水・化学の刺激で、ゴムや高分子、繊維、ゲルが変形します。筋肉のように縮む、曲がる、ねじれるものを「人工筋肉」と呼ぶことが多く、Madden らの総説は、誘電エラストマー、強誘電性高分子、液晶エラストマー、形状記憶合金、IPMC、導電性高分子、カーボンナノチューブを取り上げています事実[参考資料8]
  • 方式ごとに、ボトルネックが違う:誘電エラストマーは高電圧と膜の破壊・粘弾性、IPMC と ハイドロゲルは水分、空気圧は圧縮機と漏れ、熱で動くものは冷却(応答の速さ)が制約です事実[参考資料1・10・13・11・22]
  • 数字は「分母」「範囲」「条件」で読む:エネルギー密度は kJ/m3(体積あたり)、J/kg(質量あたり)、kW/kg(出力)、N(力)など単位が違い、さらに「材料だけ」か「素子全体」かで意味が変わります。寿命の報告は、100回未満から3億回超まで桁が違います事実[参考資料24・4]
この記事でいちばん大事な一行

「筋肉並み」は、何の指標(ひずみ・力・エネルギー密度・出力・速さ・寿命)が、どの分母で、どの条件のときに筋肉に並ぶのかが書かれて、初めて意味を持ちます。 たとえば、骨格筋のエネルギー密度は 40〜70 kJ/m3 とされ[参考資料22]、コイル繊維は「同じ長さ・重さの人の筋肉の100倍以上重い負荷」を持ち上げました[参考資料5]が、どちらも別の指標です。

2. 駆動方式の地図

方式は、何を入力にするかで分けると整理できます。図2は、電場(高電圧)、電場(低電圧・イオン)、流体、熱、水・化学の5つに分け、それぞれの代表的な方式と、出典で確認できた制約を示します。

何で動かすか:人工筋肉・ソフトアクチュエータの駆動方式の地図(本稿の整理) 列が「入力」、カードが主な方式、下段が出典で確認できた特徴・制約です。 電場(高電圧) 誘電エラストマー (DEA) HASEL (静電+液圧) 膜厚を薄くして 電圧を下げる。 破壊・粘弾性・寿命 450 V・10 Hz:14% 電場(低電圧・イオン) IPMC (<5 V が典型) CNT ヤーン (電解液中) 水分・電解液が 要る。含水率で 性能が変わる IPMC:2.5 V で屈曲 流体(圧力) 空気圧人工筋肉 (ゴム管+編組) 空気圧 ソフトアクチュエータ 圧縮機・配管・ 電源が要る。 漏れが課題 内径20 mm:1500 N 熱 コイル繊維 (釣り糸) 形状記憶合金・ ポリマー、LCE 応答は加熱より 冷却で決まる。 数秒かかる例が多い 49%収縮・5.3 kW/kg 水・化学 ハイドロゲル (温度・pH・ イオンで膨潤) 拡散が遅く、 乾燥しやすい。 小さくすると速い 含水率 80〜90 wt% ※ 方式は重なります(CNT ヤーンは化学・光でも動く)。値は出典の違う一例で、並べて優劣をつけるものではありません。 ※ LCE・SMA・SMP は、本シリーズ「液晶エラストマー」「形状記憶合金」編で詳しく扱います。
図2 概念図(ベクター作図)。人工筋肉・ソフトアクチュエータを、入力(電場、流体、熱、水・化学)で分けた本稿の整理です[参考資料1・10・11・5・13]。値は出典の違う一例で、優劣を示すものではありません。
方式何が起きるか報告された特徴(出典)読み方の落とし穴
誘電エラストマー(DEA)電極に挟んだ薄い誘電エラストマーの膜に電圧をかけると、静電気力で厚さが減り、面積が広がる事前に膜を引き伸ばすと、Pelrine らはシリコーンで117%、アクリルで215%のひずみを報告[参考資料2]。総説は、線ひずみ380%超(大きなプレストレッチ)と、450 V で面積ひずみ25%超・10 Hz で14%の素子を紹介[参考資料1]破壊電界、粘弾性(アクリル系は応答が遅い)、プレストレッチの枠、温度(Tg が室温より低く、環境温度の影響を受ける)[参考資料1]
HASEL(液圧増幅自己修復静電アクチュエータ)静電気力と液圧を組み合わせて、さまざまな作動様式を得る「筋肉のような性能」と、誘電破壊の後に繰り返し自己修復できることが示された(Acome らの要旨)[参考資料3]要旨に数値の記載がなく、本稿は出力・ひずみの値を確認していない
IPMC(イオン性ポリマー金属複合体)イオン性ポリマーの膜を金属電極で覆い、低電圧で曲がる。曲げると電圧も生じる低電圧(典型的に5 V 未満、2.5 V の例)で屈曲。作動は DC から約100 Hz[参考資料10]応答は試料の形状・湿度・含水率に依存する[参考資料10]。水分の管理が条件
空気圧人工筋肉ゴム管に圧縮空気を入れ、編組(同軸の織り)の拘束で、径方向に膨らみ軸方向に縮んで力を出す内径20 mm で1500 N の引張力が得られるとされる。軽量・高効率・非汚染で、電子部品なしでも動かせる[参考資料11]圧縮機が多くの電力を使い、携帯できる電源が課題[参考資料12]。気泡がなく漏れのない作りが必要[参考資料11]
コイル繊維(釣り糸・縫い糸)高強度の高分子繊維を、よじってコイルにする。加熱で縮む49%収縮し、同じ長さ・重さの人の筋肉の100倍超の負荷を持ち上げ、質量あたり5.3 kW/kg の仕事率。速く、ヒステリシスが小さく、長寿命をうたう[参考資料5]「5.3 kW/kg」は出力(質量あたり)で、エネルギー密度(体積あたり)とは別の量
CNT ヤーン電解液で満たした、よった CNT の糸が、電気化学的な電荷注入で体積が増え、ねじれる15,000°の可逆な回転、590回転/分(Foroughi らの三電極電気化学系)[参考資料6]。Lima らは、電気・化学・光で動く複合 CNT ヤーンを報告[参考資料7]電解液中の電気化学系で測った値で、空気中の素子の値ではない
ハイドロゲル水を80〜90 wt%含む網目が、温度(LCST)、pH、イオンなどで膨潤・収縮する生体医用ロボットの材料として有望。電気応答型は応答が遅く、大きな応力で疲労する。小型化や、pNIPAM と SWNT の複合(熱応答が5倍速い)で改善[参考資料13]乾燥・脱水で性能が落ちる。コーティングで抑える[参考資料13]

すべて事実(各出典の記述)。整理の仕方は本稿の解説です。形状記憶合金・形状記憶ポリマー・液晶エラストマー(熱・光で動く)は、本シリーズの各編で扱います。値は出典・試料・条件が違い、並べて優劣をつけられません。

3. 誘電エラストマー(DEA)― 膜・電極・電圧

DEA は、柔らかい電極で両面を覆った薄いエラストマー膜に電圧をかけると、静電気力で膜が厚さ方向に押しつぶされ、面積方向に広がる、という仕組みです(図3)。静電気力による有効な圧力は、膜の比誘電率 εr と電界 E(=電圧/膜厚)を使って、一般に p = ε0 εr E2 の形で書かれます(本稿の整理。Zhang らの総説も、両電極にかかるマクスウェル応力をこの種の式で扱っています)。電界の2乗で効くので、膜が薄いほど、同じ電界を低い電圧で得られます。 Pelrine らは、事前に膜を引き伸ばす(プレストレッチ)と性能が改善することを報告しました。ひずみは、プレストレッチなしで30〜40%、ありで、シリコーンが最大117%、アクリルが最大215%でした。ひずみ・圧力・応答時間はシリコーンで自然の筋肉を上回り、比エネルギー密度は他の電場で動く材料を大きく上回った、と述べています事実[参考資料2・1]。

左が電圧なし、右が電圧を加えた状態です
図3 概念画像(ImageGenで生成)。左が電圧なし、右が電圧を加えた状態です。膜が薄く広がる仕組みを誇張して示しており、変形量は実測ではありません。 [参考資料2・1] 形状・色・寸法は説明用です。数値と原文の対応は下の元図で確認できます。
元のSVG模式図と正確な説明を見る
誘電エラストマー:電圧で膜が薄く、広くなる 断面の概念図。両面の柔らかい電極に電圧をかけると、静電気力が膜を厚さ方向に押しつぶします。 電圧なし(V=0) 厚さ t、幅 w 電圧あり(V>0) 厚さが減り、面積が広がる + − 電圧 静電気力による有効な圧力 p = ε0 · εr · E² (E = V/t) ε0:真空の誘電率(8.85×10⁻¹² F/m) εr:膜の比誘電率 E:電界の強さ、V:電圧、t:膜厚 電界の2乗で効く。膜厚が薄いほど、 同じ電界を低い電圧で得られる。 事前に膜を引き伸ばす(プレストレッチ)と、報告されるひずみが大きくなる(Pelrine ら:シリコーンで117%、アクリルで215%)。 実際の膜は粘弾性が大きく(特にアクリル系)、破壊電界・温度・周波数で性能が変わる(Zhang らの総説)。 ※ 式は Pelrine らが定義した有効圧力の一般的な形です(本稿の整理)。図の寸法比は説明用で、実際の変形量ではありません。
図3 概念図(ベクター作図)。誘電エラストマーの断面を、電圧なしと電圧ありで比べた概念図です[参考資料2・1]。寸法比は説明用で、実際の変形量ではありません。

Zhang らの2025年の総説は、DEA の課題を整理しています。アクリル系(3M の VHB など)は、大きなプレストレッチで線ひずみ380%超、面積ひずみ2200%超(引用値)が得られる一方、粘弾性と非線形性のため応答が遅いこと。シリコーン系は粘弾性が小さく、速い動作と高い周波数に向くこと。DEA の材料には、低い弾性率、小さい粘弾性、高い比誘電率、高い破壊電界が要ること。VHB を空気中から シリコーンオイル中に入れると、破壊電界が450 MV/m から800 MV/m に上がった例(引用)があること。繰り返し荷重で劣化するエラストマーの疲労と、高電圧による漏れ電流の発熱が、劣化の要因になりうること。CNT 電極は、破壊の後に自己回復(セルフクリア)する性質があり、寿命の延長に有望であること、です事実[参考資料1]。

本稿の計算:電界の例から、圧力と電圧を出す

比誘電率 εr=3(シリコーン製品のデータシートに、100 Hz で約3.0とある値を、桁の目安に使用[参考資料20])、真空の誘電率 ε0=8.854×10−12 F/m として本稿の計算、電界 E=100 MV/m なら p = 8.854×10−12 × 3 × (108)2 = 約0.27 MPa、E=50 MV/m なら約0.066 MPa です。圧力は電界の2乗で変わるので、電界が半分になると4分の1です。

電圧は V = E × t です。E=100 MV/m で、膜厚 t=1 µm なら 100 V、10 µm なら 1 kV、50 µm なら 5 kV(図4)。

前提と限界:E の値は説明のための例示で、実際の膜が耐える破壊電界ではありません。p は有効な圧力(Pelrine らの定義の一般的な形)で、実際のひずみは弾性率・プレストレッチ・拘束で決まります。εr はデータシートの一例で、周波数・温度で変わります。

同じ電界を得るのに必要な電圧は、膜厚に比例する(本稿の計算) V = E × t。電界 E は説明用の例示値(50 と 100 MV/m)。両対数のグラフです。 1 10 100 10 V 100 V 1 kV 10 kV 100 kV 膜厚 t(µm) E = 100 MV/m E = 50 MV/m 450 V(Zhang らが紹介した素子の駆動電圧。膜厚は未確認) 100 V 1 kV 5 kV ※ 1 MV/m × 1 µm = 1 V。E=100 MV/m なら、1 µm で100 V、10 µm で1 kV、50 µm で5 kV。 ※ 実際に使える電界は、膜の破壊電界・プレストレッチ・周囲の媒質で決まります。例示の電界は実在の製品の値ではありません。
図4 本稿の計算を含む作図(ベクター作図)。V=E×t の関係を、例示の電界(50 と 100 MV/m)で描いた本稿の図です。450 V は Zhang らが紹介した素子の駆動電圧[参考資料1]。電界は実在の製品の値ではありません。

Zhang らの総説は、素子の例も挙げています。駆動電圧450 V で面積ひずみ25%超、10 Hz で14%ひずみの素子。材料のエネルギー密度は最大244.2 kJ/m3(引用)。別の誘電エラストマーでは、46 MV/m で面積ひずみ253%、40 MV/m で225 J/kg。同軸の多材料3Dプリントで作った DEA が、高周波で100万回超の寿命。グリッパーが0.17秒で2つの安定状態を切り替える例。DEA で駆動する羽ばたきロボットでは、材料の出力密度は離陸に足りるが、全体の出力密度に課題がある、という指摘もあります事実[参考資料1]。

寿命は、条件で桁が変わります。Matysek らは、Elastosil P7670(Wacker)で作ったDEA の積層素子が、電気的・機械的な駆動条件によらず、おおまかに3億2000万回超動かせたと報告しました。その後の劣化は、素子の接続部(インターコネクション)に由来し、接続を直せばさらに長い寿命がありうると述べています事実[参考資料4]。

HASEL は、DEA とは別の手段で、静電気力と液圧を結びつけます。Acome らは、柔らかい作動器に必要な「強力・高速・高効率・堅牢」を目標に、誘電破壊の後に繰り返し自己修復できること、柔らかいグリッパーや、自己センシングの人工筋肉でロボットアームを動かす例を示しました事実[参考資料3]。

素材技術者の視点①:DEA は「膜・電極・電圧」の三つ巴で、どれか一つの数字では決まらない

DEA の性能は、膜の力学(弾性率、粘弾性、プレストレッチ)、電気(比誘電率、破壊電界)、電極(柔らかさ、破壊後の自己回復)の組み合わせで決まります[参考資料1]。膜を薄くすれば電圧は下がります(図4)が、薄い膜は欠陥の影響を受けやすく、破壊電界・漏れ電流・繰り返しの疲労が問題になります(本稿の解説)。 同じ「DEA のひずみ 380%」でも、プレストレッチの量、枠、電界、媒質(空気かシリコーンオイルか)、周波数が違えば、別の素子の数字です。DEA のデータは、膜の材料・厚さ・プレストレッチ・電界・周波数・環境が書かれて初めて、他と比べられます。

4. 低電圧・水・熱・化学で動くもの ― IPMC、ハイドロゲル、CNT ヤーン、コイル繊維

(1) IPMC:低電圧だが、水分が条件

IPMC は、イオン性ポリマーのシートを金属電極(市販の高分子膜に、白金や金をめっきする方法が一般的)で覆ったもので、低電圧の刺激で曲がり、曲げると電圧を生じます。曲がるのに必要な電圧は典型的に5 V 未満で、2.5 V の例があります。作動できる周波数は DC から約100 Hz です。応答は試料の形状と環境の湿度に依存し、含水率や励起周波数で電圧の読みも変わります事実[参考資料10]。Shahinpoor と Kim は、IPMC の基礎(高い力密度をめざす方法を含む)を総説にまとめています[参考資料9]。

(2) ハイドロゲル:水が動力で、水が制約

ハイドロゲルは、水を80〜90 wt%含む架橋した網目で、温度、光、pH、イオン強度、磁場、圧力で膨潤・収縮します。LCST(下限臨界溶液温度)より上で体積と形が変わる性質を、アクチュエータに使います。Banerjee らの総説は、電気応答型のハイドロゲルは応答が遅く、大きな応力がゲルにかかって疲労しやすいこと、低ポリマー含量のゲルは弱く乾燥しやすいこと、乾燥を抑えるにはポリジメチルシロキサンなどで薄くコーティングする方法があることを述べています。応答の遅さには、ゲルを小さくする、pNIPAM と単層カーボンナノチューブを複合して熱応答を5倍にする、などの対策があります事実[参考資料13]。

本稿の計算:ゲルを薄くすると、どれくらい速くなるか

膨潤・収縮が水の拡散で決まる(拡散律速)と仮定すると、応答時間は、特性長 L(厚さ)の2乗に比例します(t ∝ L2/D)本稿の計算。厚さを1 mm から0.1 mm にすると、応答時間は (0.1/1)2 = 1/100 になります。

前提と限界:拡散係数 D が一定で、拡散が律速という単純化です(本稿の解説)。実際には、ゲルの組成・温度・網目で D が変わり、反応や熱の移動が律速になる場合もあります。総説が「小さくすると速くなる」と述べる方向を、桁で示すための計算です[参考資料13]。

(3) CNT ヤーン:電解液中でねじれる

Foroughi らは、電解液を満たした、よったカーボンナノチューブの糸(髪の毛より細い)が、三電極の電気化学系で、15,000°の可逆な回転と590回転/分のねじれ型の人工筋肉として働くと報告しました。糸の体積が電気二重層への電荷注入で増えるとき、長さ方向の収縮とねじれが同時に起こる(筋肉の流体静力学的な機構)と説明しています事実[参考資料6]。Lima らは、電気・化学・光で動く複合 CNT ヤーンを報告しています[参考資料7]。

本稿の計算:590回転/分は、どれくらいの速さか

590 rpm は、590 ÷ 60 = 約9.8回転/秒本稿の計算、1回転が360°なので約3540°/秒です。15,000° は 15,000 ÷ 360 = 約41.7回転にあたります。

前提と限界:電解液中の三電極の電気化学系での値で、空気中の素子や実用の機器の性能ではありません。回転数と、ねじれの角度は、それぞれ別の測定条件で報告されうるため、同時に出る値とは限りません。

(4) コイル繊維:安価な繊維の、熱による大きなストローク

Haines らは、釣り糸や縫い糸に使う安価な高強度の高分子繊維を、よって(撚りを入れて)コイルにすると、速く、スケールでき、ヒステリシスのない、長寿命の引張・ねじれの筋肉になると報告しました。極端によった繊維は49%収縮し、同じ長さ・重さの人の筋肉の100倍超の負荷を持ち上げ、質量あたり5.3 kW/kg の機械的仕事率(「ジェットエンジンに似る」)を出しました。温度で気孔率が変わる織物や、窓のシャッターの駆動も示されています事実[参考資料5]。彼らは、他の人工筋肉の制約として、高い費用、小さい寿命、ヒステリシス、低い効率を挙げ、この方式を、安価で、ヒステリシスがなく、長寿命のものと位置づけています。

5. 空気圧人工筋肉

空気圧人工筋肉の基本は、ゴム管に高圧の空気を出し入れし、同軸の編組(織り)で拘束することで、径方向の膨張・収縮を軸方向の力に変えることです。Su らの総説は、空気圧のソフトロボットを、軽量・高効率・非汚染で環境に強い(強い放射線、電磁波の妨害、粉じん、衝撃のもとでも、強磁性体や電子部品なしに動かせる)ものとしています。例として、内径20 mm の空気圧人工筋肉が1500 N の引張力を出せるとされ、実用の負荷に足りると述べています事実[参考資料11]。

一方、Walker らの総説は、一般的な圧縮機が多くの電力を使うため、化学反応や燃料を使う代替電源が検討されていること、持ち運べる電源、回路基板、駆動部品が今後の課題であることを述べています[参考資料12]。Su らは、薄い形状では、気泡のない作りで漏れや故障を避ける必要を挙げています[参考資料11]。

枠に張った膜の変形を、囲いの外から観測する試験です
図5 概念画像(ImageGenで生成)。枠に張った膜の変形を、囲いの外から観測する試験です。電極・膜・絶縁の位置を見てください。高電圧を扱う場合の安全設備も必要になります。 実際の施設・製品・測定結果ではありません。
本稿の計算:1500 N は、どの面積で割るかで、数字が変わる

内径20 mm の円の面積は π × (10 mm)2 = 約314 mm2 です本稿の計算。1500 N をこの面積で割ると、約4.8 MPa(=4.8 N/mm2)です。外径(編組を含む)の面積で割れば、これより小さくなります。

前提と限界:外径は出典に記載がなく、「約4.8 MPa」は内径の断面積に換算した見かけの応力で、空気圧そのものや、筋肉全体の出力応力ではありません。同じ「力」でも、どの面積で割るか(分母)で応力の数字が変わることを示すための計算です。

6. 「筋肉並み」を読む ― 分母・範囲・時間・寿命

(1) 分母と範囲:同じ「密度」でも意味が違う

人工筋肉の性能は、体積あたりのエネルギー(kJ/m3)、質量あたりのエネルギー(J/kg)、質量あたりの出力(kW/kg)、力(N)などで語られます。図6に、本稿で扱った値が、どの分母・どの範囲のものかを示します。形状記憶合金の総説は、そのエネルギー密度を 5000〜25000 kJ/m3 と報告し、人の骨格筋の 40〜70 kJ/m3 を大きく上回るとしています[参考資料22]。Zhang らの総説は、DE 材料のエネルギー密度を最大 244.2 kJ/m3(引用)、別の材料で 225 J/kg(40 MV/m)と述べています[参考資料1]。これらは、合金や材料そのものの値で、加熱・冷却や電源、拘束のばねを含む装置全体の値ではありません。

同じ「密度」でも、分母と含める範囲で意味が違う 内側ほど材料に近く、外側ほどシステム全体に近い。右は、報告された値がどの範囲のものか(出典の値)。 システム全体 電源・制御・圧縮機・配管・冷却 アクチュエータ全体 電極・フレーム・拘束ばね・配線 活性材料の質量あたり(J/kg、W/kg) 活性材料の体積あたり(kJ/m³) 体積あたり SMA:5000〜25000 kJ/m³(合金の体積、報告) 骨格筋:40〜70 kJ/m³ DE 材料:最大 244.2 kJ/m³(引用) 質量あたり DE:225 J/kg(40 MV/m、材料の質量) コイル繊維:5.3 kW/kg(出力) アクチュエータ全体 空気圧人工筋肉:内径20 mm で 1500 N(力) システム全体 LCE ロボット:0.28 体長/分(9.87 g) DE 羽ばたき機:材料の出力は足りるが、全体の出力密度が課題(引用) ※ 値は出典の違う一例です。単位が違う量(kJ/m³、J/kg、kW/kg、N)は、そのままでは比べられません。
図6 概念図(ベクター作図)。「密度」の分母と範囲(材料の体積・質量、アクチュエータ全体、システム全体)を入れ子で示し、報告された値がどの範囲のものかを並べた本稿の図です[参考資料22・1・5・11・24]。単位が違う量は、そのままでは比べられません。
本稿の計算:エネルギー(J/kg)に周波数を掛けると、出力(W/kg)になる

質量あたりのエネルギー 225 J/kg(DE 材料、40 MV/m)[参考資料1]を本稿の計算、仮に1秒に10回(10 Hz)出せるなら、225 × 10 = 2250 W/kg = 約2.25 kW/kg です。コイル繊維が報告した 5.3 kW/kg[参考資料5]と同じ「kW/kg」の単位になりますが、材料も、試験も、サイクルの定義も違います。

前提と限界:10 Hz で同じエネルギーを毎回出せるという仮定の例示です。Zhang らが紹介する10 Hz で14%ひずみの素子は別の素子で、実際には周波数が上がると、ひずみは下がります(粘弾性など)。エネルギー(1回あたり)と出力(時間あたり)は、周波数の分だけ違う量で、体積あたりと質量あたりの換算には、密度が要ります。

(2) 時間:「速い」は、何の時間か

応答の速さも、数えている時間が違います。DEA のグリッパーが2つの安定状態を切り替える時間は0.17秒(切り替え時間)、素子が10 Hz で14%のひずみを出すのは1サイクル0.1秒(周期)です[参考資料1]。IPMC の作動は DC から約100 Hz まで[参考資料10]。LCE は応答時間20秒、162°の屈曲に30秒の例[参考資料24]。形状記憶合金の素子は、1回の動作がふつう数秒で、冷却が速さを決めます[参考資料22]。ハイドロゲルは、電気応答型で遅い、とされています[参考資料13]。図7に、数値のある報告を並べます。

報告されている「動く時間」の桁(意味の違う時間を含む) 横軸は秒の対数。切り替え時間・1サイクルの周期・応答時間は同じ量ではありません。 0.01 0.1 1 10 100 1000 時間(秒、対数目盛) DEA グリッパー 切り替え0.17 s DEA 素子 10 Hz=周期0.1 s(14%ひずみ) IPMC(上限) 〜100 Hz=周期0.01 s LCE 応答20 s、162°曲げ30 s SMA 素子 1動作に数秒(総説) ※ ハイドロゲル・空気圧人工筋肉・コイル繊維・CNT ヤーンは、確認できた資料に時間の数値がなく、図には載せていません。 ※ SMA の「数秒」は、総説の記述(動作ごとに数秒)を、2〜9 s の帯で表した目安です。
図7 本稿の計算を含む作図(ベクター作図)。報告されている動作時間を、対数目盛で並べた本稿の図です[参考資料1・10・24・22]。切り替え時間・周期・応答時間は同じ量ではありません。

(3) 寿命:桁が違う報告

寿命は、方式と素子で桁が違います。DEA の積層素子は3億2000万回超(接続部の劣化まで)[参考資料4]、同軸3Dプリントの DEA は100万回超[参考資料1]。LCE は、軽く架橋したものは疲労しやすく、多くは100回未満、電気駆動の例で50回安定[参考資料24]。形状記憶合金(ニチノール)は、約1000万回未満の低サイクル疲労は繰り返しの相変態を伴う、と FDA の規制科学ツールが述べています[参考資料23]。HASEL は誘電破壊の後に繰り返し自己修復できる[参考資料3]。数える「1回」の定義(ひずみの大きさ、温度、負荷)が違うので、桁の比較は「確かめられている範囲」の目安にとどまります事実。

素材技術者の視点②:方式ごとに、「律速」が違う

材料の面から見ると、方式ごとに性能を決める段階(律速)が違います(本稿の解説)。DEA は電界(破壊電界と膜厚)[参考資料1]、IPMC とハイドロゲルは水分の出入り(拡散)[参考資料10・13]、熱で動くコイル繊維・形状記憶合金・LCE は冷却(熱の逃げ)[参考資料22・24]、空気圧は圧縮空気の供給と漏れ[参考資料11・12]です。 性能を上げる材料の工夫(薄膜化、小型化、放熱の改善、高い破壊電界)は、それぞれ別の律速に効きます。改良の数字を読むときは、その方式の律速に効く改良かを見ます。

素材技術者の視点③:「筋肉並み」を読む6点チェック

(1) 指標(ひずみ、力、エネルギー密度、出力、速さ、効率、寿命のどれか)、(2) 分母(体積、質量、断面積)、(3) 範囲(材料か、素子か、装置全体か)、(4) 条件(電界・圧力・温度・周波数・負荷・環境)、(5) 時間(切り替え、周期、応答のどれか)、(6) 回数(何回目の、どのひずみでの値か)。 この6点のどれかが書かれていない数字は、他と並べて優劣をつけません(本稿の解説。「5つの問い」[本シリーズ「機能性材料の分類と評価の読み方」編]と同じ考え方)。

7. 限界と、確認できなかったこと

(1) 数値の網羅

IPMC、HASEL、空気圧人工筋肉の出力密度・ひずみ・寿命の数値は、確認した資料の要旨・本文では限られており、本稿は載せていません。Madden らの総説にある性能の一覧表は、本文を確認していません。総説が引用する値(380%、2200%、244.2 kJ/m3、100万回、100回未満など)は、原論文を確認していません。

(2) 資料の読み方

Zhang らの DEA の総説、Su らと Walker らの空気圧の総説、Banerjee らのハイドロゲルの総説、MohdIsa らの IPMC の総説は本文を読みました。Pelrine ら、Acome ら、Haines ら、Foroughi ら、Lima ら、Matysek ら、Madden ら、Shahinpoor と Kim は、出版社・書誌データベースの要旨を確認したものです。

(3) 規格の本文

IEC 60243-1・-2、IEC 62631-2-1・-2-3、ISO 6943、ISO 37、JIS C 2110-1、C 2139-2-1、K 6270、K 6251 の本文は確認していません。ASTM International のサイトは AI 利用を禁じる旨を表示しているため開いておらず、ASTM 規格は番号と、何を測る試験かを、メーカーのデータシートと試験所の資料で確認した範囲に限っています。

(4) 専用の規格

ISO の規格検索(2026年10月10日)で、「electroactive polymer」に該当する規格はなく、「artificial muscle」「soft robot」の検索結果は、食品の微生物検査(人工消化法)やセラミックスの破壊靱性など、無関係の規格でした。JISC の名称検索で、「人工筋肉」「ソフトロボット」「電気活性」「誘電エラストマー」に該当する JIS はありませんでした。IEC・IEEE にも、人工筋肉・ソフトアクチュエータの性能試験を定める規格は確認できませんでした。

(5) 医療・安全・規制

ソフトアクチュエータの医療・ウェアラブルでの安全性、電気的安全性(高電圧の扱い)、規制は扱いません。製品・企業の優劣も論じていません。

(6) 他の方式

形状記憶合金・形状記憶ポリマー・液晶エラストマーは本シリーズの別の記事で、圧電・強誘電、導電性高分子、スマートテキスタイルも別の記事で扱います。ここでは、比較のための参照にとどめています。

8. 評価・標準の読み方

ソフトアクチュエータの評価は、(a) 材料の物性(弾性率、引張特性、比誘電率、破壊電界)、(b) 素子の出力(変位・ひずみ、力、仕事、出力)、(c) 動特性(応答時間、周波数特性)、(d) 寿命(繰り返し回数、劣化)、に分けられます。(a) には、ゴムや絶縁材料の汎用の規格が使えます。(b)(c)(d) を直接定める規格は、本稿の調査範囲では確認できませんでした。論文ごとに、独自の試験装置と定義が使われています。

規格の対応表

評価項目ISOIEC・IEEEJISASTM測定条件で値が変わる点
絶縁破壊の強さ(DEA の破壊電界の目安)事実確認できなかったIEC 60243-1:2013 “Electric strength of insulating materials — Test methods — Part 1: Tests at power frequencies”(第3版、2013年3月26日。48〜62 Hz の短時間の電気的強さ)、IEC 60243-2:2013(直流電圧での追加要求、2013年11月26日)JIS C 2110-1「固体電気絶縁材料-絶縁破壊の強さの試験方法-第1部:商用周波数交流電圧印加による試験」(制定2010/01/20、改正2016/10/20、確認2026/06/22)、C 2110-2(直流)。IEC との対応は確認できなかったD149(試験所の資料「Dielectric Strength ASTM D149, IEC 60243」。絶縁体の電気的強さを、厚さあたりの電圧で表す試験)膜厚(データシートの例:「4 mm 膜」と明記)、電圧の種類(交流か直流か)、周囲の媒質(空気か油か。VHB は空気中450 MV/m、シリコーンオイル中800 MV/m の報告)、プレストレッチ
比誘電率・誘電正接事実確認できなかったIEC 62631-2-1:2018 “Dielectric and resistive properties of solid insulating materials — Part 2-1: Relative permittivity and dissipation factor — Technical Frequencies (0,1 Hz – 10 MHz) — AC Methods”(第1版、2018年2月27日)。薄い単層フィルム(約10〜100 µm)は IEC 62631-2-3:2024JIS C 2139-2-1「固体電気絶縁材料の誘電特性及び抵抗特性-第2-1部:比誘電率及び誘電正接の測定-低周波数領域(0.1 Hz~10 MHz)」(制定2025/02/20)。IEC 62631-2-1 との対応は確認できなかったD150(シリコーン製品のデータシートに「Dielectric constant & loss, ASTM D150, 25 ℃」と記載)周波数(データシートの例:100 Hz で約3.0、1 MHz で約3.1)、温度、試料の厚さと電極
引張特性(ゴム・エラストマー)事実ISO 37:2024 “Rubber, vulcanized or thermoplastic — Determination of tensile stress-strain properties”(第7版、2024年5月)確認できなかったJIS K 6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張特性の求め方」(最新改正2023/11/20)D412 “Standard Test Methods for Vulcanized Rubber and Thermoplastic Elastomers – Tension”(-16(2021))ひずみ速度、温度、プレストレッチ。DEA の膜への適用は確認していない
ゴムの引張疲労事実ISO 6943:2017 “Rubber, vulcanized — Determination of tension fatigue”(第4版、2017年8月)確認できなかったJIS K 6270「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張疲労特性の求め方(定ひずみ方法)」(制定2001/11/20、改正2018/06/20)確認できなかったISO 6943 は、温度上昇がほとんどない条件で、ゼロひずみまで戻す繰り返しの引張が対象。電界を同時にかける DEA の寿命とは別の試験
出力・ひずみ・応答時間・寿命(人工筋肉・ソフトアクチュエータ)事実確認できなかった確認できなかった確認できなかった確認できなかった分母(体積・質量・断面積)、範囲(材料・素子・全体)、電界・圧力・温度・周波数・負荷、時間の定義、回数の定義

規格の番号・題名・版は、ISO は ISO の規格ページ、IEC は IEC Webstore、JIS は JISC のデータベース、ASTM はメーカーのデータシート(Loctite、1995年)と試験所の資料(Intertek)で確認しました(本稿は ASTM のサイトを開いていません)[参考資料14・15・16・17・25・18・19・28・20・21・26]。ASTM の版は資料に載っている版で、最新版とは限りません。表の整理は本稿の解説です。

各行の規格の番号・題名・版・年月日は事実(規格団体・日本産業標準調査会・メーカー・試験所の公式ページで確認)です。どの欄にどの規格を置くかの整理は本稿の計算(本稿による整理)です。改訂中・制定途中の規格は確認できなかったため、未確定/将来に当たる行はありません。

規格の読み方の注意

  1. 絶縁材料の規格は、素材の試験で、アクチュエータの試験ではない。IEC 60243-1 は商用周波数(48〜62 Hz)の短時間の電気的強さで[参考資料14]、DEA がゆっくりした電圧や直流で動く場合は、直流の追加要求(IEC 60243-2)[参考資料15]や、膜の実際の使い方との差を考える必要があります(本稿の解説)。
  2. データシートの値は、厚さと周波数を併記して読む。Loctite のシリコーン製品の例では、ASTM D149 の絶縁破壊の強さが「4 mm 膜」での値、D150 の比誘電率が、100 Hz で約3.0、1 MHz で約3.1 と、周波数別に記載されています[参考資料20]。DEA に使う数十 µm の膜と、4 mm の厚い膜では、同じ材料でも値が同じとは限りません(本稿の解説)。
  3. ゴムの引張疲労の規格は、電気を同時にかける寿命の試験ではない。ISO 6943 は、温度上昇がほとんどない条件の繰り返し引張の疲労です[参考資料18]。DEA の寿命は、電界、漏れ電流による発熱、電極、接続部の劣化が絡みます[参考資料1・4]。
  4. 専用の規格がないので、論文の試験条件を読む。人工筋肉の「出力」「応答時間」「寿命」は、論文ごとに定義が違います。図6の分母と範囲、図7の時間の定義を、確認します。
この記事のまとめ
  • 人工筋肉は、動かす原理で5つに分けられます。電場(高電圧、低電圧)、流体、熱、水・化学。方式ごとに律速が違います事実
  • DEA は「膜・電極・電圧」で決まります。電圧は膜厚に比例し(100 MV/m で、10 µm なら1 kV)、プレストレッチと破壊電界がひずみを左右します事実/本稿の計算
  • 「筋肉並み」の数字は、分母・範囲で意味が変わります。kJ/m3、J/kg、kW/kg、N は別の量です事実
  • 速さは、切り替え・周期・応答の別があります。DEA は0.17秒(切り替え)や10 Hz、熱で動くものは数秒〜数十秒の報告です事実
  • 寿命は、100回未満から3億回超まで桁が違います。数える「1回」の定義を揃えて読みます事実
  • 人工筋肉の性能を直接定める評価規格は、確認できませんでした。絶縁・ゴムの汎用規格と、論文の条件を組み合わせて読みます。

9. 用語集

人工筋肉
筋肉のように縮む・曲がる・ねじれる、柔らかい材料でできた作動器の総称。
DEA
誘電エラストマーアクチュエータ。電極で挟んだ薄い膜が、電圧で厚さ方向に縮み面積方向に広がる。
プレストレッチ
膜を事前に引き伸ばしておくこと。DEA のひずみを大きくする。
マクスウェル応力
電界による静電気力が膜にかける圧力。ε0 εr E2 の形。
破壊電界
絶縁材料が絶縁破壊を起こす電界の強さ。
HASEL
液圧増幅自己修復静電アクチュエータ。静電気力と液圧を組み合わせる。
IPMC
イオン性ポリマー金属複合体。低電圧で曲がるイオン性ポリマーの膜。
空気圧人工筋肉
ゴム管と編組でできた、圧縮空気で縮む筒状の作動器(マッキベン型)。
コイル繊維
釣り糸などをよってコイルにした、熱で縮む繊維の筋肉。
CNT ヤーン
カーボンナノチューブをよった糸。電気化学などで体積が変わり、ねじれ・収縮する。
LCST
下限臨界溶液温度。これより上でハイドロゲルが収縮する温度。
律速
全体の速さ・性能を決めている、最も遅い(弱い)段階。

10. 参考資料(一次情報)

  1. Zhang ほか “A Review of the Applications and Challenges of Dielectric Elastomer Actuators in Soft Robotics”, Machines 13, 101 (2025), DOI 10.3390/machines13020101(オープンアクセス。本稿は本文を読んだ) — doi.org/10.3390/machines13020101
  2. Pelrine R. ほか “High-Speed Electrically Actuated Elastomers with Strain Greater Than 100%”, Science 287, 836–839 (2000), DOI 10.1126/science.287.5454.836 — doi.org/10.1126/science.287.5454.836
  3. Acome E. ほか “Hydraulically amplified self-healing electrostatic actuators with muscle-like performance”, Science 359, 61–65 (2018), DOI 10.1126/science.aao6139 — doi.org/10.1126/science.aao6139
  4. Matysek M. ほか “Lifetime investigation of dielectric elastomer stack actuators”, IEEE Trans. Dielectr. Electr. Insul. 18, 89–96 (2011), DOI 10.1109/TDEI.2011.5704497 — doi.org/10.1109/TDEI.2011.5704497
  5. Haines C. S. ほか “Artificial Muscles from Fishing Line and Sewing Thread”, Science 343, 868–872 (2014), DOI 10.1126/science.1246906 — doi.org/10.1126/science.1246906
  6. Foroughi J. ほか “Torsional Carbon Nanotube Artificial Muscles”, Science 334, 494–497 (2011), DOI 10.1126/science.1211220 — doi.org/10.1126/science.1211220
  7. Lima M. D. ほか “Electrically, Chemically, and Photonically Powered Torsional and Tensile Actuation of Hybrid Carbon Nanotube Yarn Muscles”, Science 338, 928–932 (2012), DOI 10.1126/science.1226762 — doi.org/10.1126/science.1226762
  8. Madden J. D. W. ほか “Artificial Muscle Technology: Physical Principles and Naval Prospects”, IEEE J. Ocean. Eng. 29, 706–728 (2004), DOI 10.1109/JOE.2004.833135 — doi.org/10.1109/JOE.2004.833135
  9. Shahinpoor M., Kim K. J. “Ionic polymer-metal composites: I. Fundamentals”, Smart Mater. Struct. 10, 819–833 (2001), DOI 10.1088/0964-1726/10/4/327 — doi.org/10.1088/0964-1726/10/4/327
  10. MohdIsa W. H. ほか “Sensing and Self-Sensing Actuation Methods for Ionic Polymer–Metal Composite (IPMC): A Review”, Sensors 19, 3967 (2019), DOI 10.3390/s19183967(オープンアクセス) — doi.org/10.3390/s19183967
  11. Su H. ほか “Pneumatic Soft Robots: Challenges and Benefits”, Actuators 11, 92 (2022), DOI 10.3390/act11030092(オープンアクセス) — doi.org/10.3390/act11030092
  12. Walker J. ほか “Soft Robotics: A Review of Recent Developments of Pneumatic Soft Actuators”, Actuators 9, 3 (2020), DOI 10.3390/act9010003(オープンアクセス) — doi.org/10.3390/act9010003
  13. Banerjee H. ほか “Hydrogel Actuators and Sensors for Biomedical Soft Robots: Brief Overview with Impending Challenges”, Biomimetics 3, 15 (2018), DOI 10.3390/biomimetics3030015(オープンアクセス) — doi.org/10.3390/biomimetics3030015
  14. IEC “IEC 60243-1:2013 Electric strength of insulating materials — Test methods — Part 1: Tests at power frequencies”(IEC Webstore) — webstore.iec.ch/en/publication/1101
  15. IEC “IEC 60243-2:2013 Electric strength of insulating materials — Test methods — Part 2: Additional requirements for tests using direct voltage”(IEC Webstore) — webstore.iec.ch/en/publication/1102
  16. IEC “IEC 62631-2-1:2018 Dielectric and resistive properties of solid insulating materials — Part 2-1: Relative permittivity and dissipation factor — Technical Frequencies (0,1 Hz – 10 MHz) — AC Methods”(IEC Webstore) — webstore.iec.ch/en/publication/34510
  17. IEC “IEC 62631-2-3:2024 Dielectric and resistive properties of solid insulating materials — Part 2-3: Relative permittivity and dissipation factor — Contact electrode method for insulating films — AC methods”(IEC Webstore) — webstore.iec.ch/en/publication/70208
  18. ISO “ISO 6943:2017 Rubber, vulcanized — Determination of tension fatigue”(ISO 規格ページ) — www.iso.org/standard/72790.html
  19. 日本産業標準調査会(JISC) 「JIS検索」のJISリスト(C 2110:絶縁破壊の強さ)。本稿は C 2110-1、C 2139-2-1、K 6270、K 6251 の番号・題名・年月日を JISC のリストと詳細画面で確認し、名称検索で「人工筋肉」「ソフトロボット」「電気活性」「誘電エラストマー」に該当する JIS がないことを確認 — www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISNumberNameSearchList?show&jisS…
  20. Loctite(Henkel) Technical Data Sheet, Product 5145, Worldwide Version, October 1995(シリコーン製品のデータシート。ASTM D150・D149 の番号と、膜厚4 mm の記載の確認に使用) — www.farnell.com/datasheets/16681.pdf
  21. Intertek “Dielectric Strength ASTM D149, IEC 60243″(試験所の技術資料。番号と、何を測る試験かの確認に使用) — www.intertek.com/polymers-plastics/testlopedia/dielectric-strength-…
  22. Romančík J. ほか “Shape Memory Alloy Actuators in Robotics”, Actuators 15, 162 (2026), DOI 10.3390/act15030162(オープンアクセス) — doi.org/10.3390/act15030162
  23. 米国食品医薬品局(FDA)CDRH “Strategy to Estimate Low to High Cycle Fatigue Transition of Nitinol for Fatigue to Fracture Test Planning”(Catalog of Regulatory Science Tools) — cdrh-rst.fda.gov/strategy-estimate-low-high-cycle-fatigue-transitio…
  24. Hasan M., Liu Y. “4D-Printed Liquid Crystal Elastomers: Printing Strategies, Actuation Mechanisms, and Emerging Applications”, J. Compos. Sci. 9, 633 (2025), DOI 10.3390/jcs9110633(オープンアクセス。本稿は本文を読んだ) — doi.org/10.3390/jcs9110633
  25. ISO “ISO 37:2024 Rubber, vulcanized or thermoplastic — Determination of tensile stress-strain properties”(ISO 規格ページ) — www.iso.org/standard/86892.html
  26. 米国食品医薬品局(FDA) “Recognized Consensus Standards: Medical Devices” データベースの検索結果(題名に tension testing を含む規格。ASTM D412 を含む。更新日 2026年9月28日) — www.accessdata.fda.gov/scripts/cdrh/cfdocs/cfStandards/results.cfm?…
  27. Staszczak M. ほか “Characterization of Polyurethane Shape Memory Polymer and Determination of Shape Fixity and Shape Recovery in Subsequent Thermomechanical Cycles”, Polymers 14, 4775 (2022), DOI 10.3390/polym14214775(オープンアクセス。本稿は全文を読んだ) — doi.org/10.3390/polym14214775
  28. 日本産業標準調査会(JISC) 「JIS検索」(番号・名称からJISを検索)。本稿は JIS Z 2255、C 2501、K 7121、K 7122、R 1611、H 7801、R 3257、R 1703-1、H 7101 などの番号・題名・制定/改正年月日を、JISリストとJIS規格詳細画面で確認 — www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISSearch.html

11. 主張と出典の対応表(監査)

本文の主張根拠区分
DEA の総説:マクスウェル応力、VHB 系アクリルの線ひずみ380%超・面積ひずみ2200%超(引用)、450 V で面積ひずみ25%超・10 Hz で14%、材料の最大エネルギー密度244.2 kJ/m3、253%(46 MV/m)・225 J/kg(40 MV/m)、同軸3Dプリント DEA の100万回超、グリッパーの0.17秒の切り替え、VHB の破壊電界450 MV/m(空気中)→800 MV/m(シリコーンオイル中)、アクリルの粘弾性と応答の遅さ、シリコーンの速さ、CNT 電極の自己回復、漏れ電流の発熱、Tg が室温より低いことの影響、羽ばたきロボットの出力密度、素子の要件Zhang ら(2025)の本文
出典1 https://doi.org/10.3390/machines13020101
事実
プレストレッチなし30〜40%、ありでシリコーン最大117%・アクリル最大215%のひずみ、シリコーンのひずみ・圧力・応答時間が自然の筋肉を上回ること、比エネルギー密度Pelrine ら(2000)の要旨
出典2 https://doi.org/10.1126/science.287.5454.836
事実
HASEL:静電気力と液圧の結合、筋肉のような性能、誘電破壊後の繰り返しの自己修復、グリッパーと自己センシング人工筋肉Acome ら(2018)の要旨
出典3 https://doi.org/10.1126/science.aao6139
事実
Elastosil P7670 の DEA 積層素子が、駆動条件によらず3億2000万回超(おおまか)、劣化は接続部に由来Matysek ら(2011)の要旨
出典4 https://doi.org/10.1109/TDEI.2011.5704497
事実
コイル繊維:49%収縮、同じ長さ・重さの人の筋肉の100倍超の負荷、5.3 kW/kg、速い・スケールできる・ヒステリシスがない・長寿命、他の筋肉の制約Haines ら(2014)の要旨
出典5 https://doi.org/10.1126/science.1246906
事実
CNT ヤーン:電解液を満たしたよった糸の、三電極電気化学系での15,000°の可逆な回転・590回転/分、流体静力学的な機構。電気・化学・光で動く複合 CNT ヤーンの報告Foroughi ら(2011)、Lima ら(2012)の要旨
出典6 https://doi.org/10.1126/science.1211220
出典7 https://doi.org/10.1126/science.1226762
事実
人工筋肉の総説の範囲(誘電エラストマー、強誘電性高分子、液晶エラストマー、形状記憶合金、IPMC、導電性高分子、カーボンナノチューブ)と、性能の一覧表の存在(表は未確認)Madden ら(2004)の要旨
出典8 https://doi.org/10.1109/JOE.2004.833135
事実
IPMC:低電圧(典型的に5 V 未満、2.5 V の例)で屈曲、DC〜約100 Hz、含水率・湿度への依存、白金・金の電極。IPMC の基礎の総説の存在MohdIsa ら(2019)の本文、Shahinpoor と Kim(2001)の要旨
出典10 https://doi.org/10.3390/s19183967
出典9 https://doi.org/10.1088/0964-1726/10/4/327
事実
空気圧:ゴム管と編組の仕組み、内径20 mm で1500 N、軽量・高効率・非汚染・電子部品なしでも動くこと、気泡のない作りと漏れ。圧縮機の電力と携帯電源の課題Su ら(2022)、Walker ら(2020)の本文
出典11 https://doi.org/10.3390/act11030092
出典12 https://doi.org/10.3390/act9010003
事実
ハイドロゲル:水80〜90 wt%、LCST、電気応答型の遅さと疲労、乾燥とコーティング、小型化・pNIPAM と SWNT で熱応答5倍Banerjee ら(2018)の本文
出典13 https://doi.org/10.3390/biomimetics3030015
事実
形状記憶合金のエネルギー密度5000〜25000 kJ/m3と骨格筋40〜70 kJ/m3、1回の動作に数秒、冷却が速さを決めること。約1000万回未満の低サイクル疲労と繰り返しの相変態Romančík ら(2026)、FDA の規制科学ツール(前の記事の出典)
出典22 https://doi.org/10.3390/act15030162
出典23 https://cdrh-rst.fda.gov/strategy-estimate-low-high-cycle-fatigue-transition-nitinol-fatigue-fracture-test-planning
事実
LCE の疲労(100回未満)、電気駆動の例(162°・30秒・50回、応答時間20秒)Hasan と Liu(2025)(前の記事の出典)
出典24 https://doi.org/10.3390/jcs9110633
事実
IEC 60243-1:2013(第3版、2013年3月26日)、IEC 60243-2:2013(2013年11月26日)、IEC 62631-2-1:2018(第1版、2018年2月27日)、IEC 62631-2-3:2024(薄い絶縁フィルム、約10〜100 µm)の題名・適用範囲IEC Webstore
出典14 https://webstore.iec.ch/en/publication/1101
出典15 https://webstore.iec.ch/en/publication/1102
出典16 https://webstore.iec.ch/en/publication/34510
出典17 https://webstore.iec.ch/en/publication/70208
事実
ISO 37:2024(第7版、2024年5月)、ISO 6943:2017(第4版、2017年8月)の題名・適用範囲。ISO 検索で「electroactive polymer」に該当する規格がないことISO 規格ページ
出典25 https://www.iso.org/standard/86892.html
出典18 https://www.iso.org/standard/72790.html
事実
JIS C 2110-1、C 2139-2-1、K 6270、K 6251 の番号・題名・年月日。JISC の名称検索で「人工筋肉」「ソフトロボット」「電気活性」「誘電エラストマー」に該当する JIS がないことJISC のJISリスト・JIS検索
出典19 https://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISNumberNameSearchList?show&jisStdNo=C2110
出典28 https://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISSearch.html
事実
ASTM D149、D150 の番号と、何を測る試験か(試験所の資料、データシートの「4 mm 膜」「100 Hz で約3.0、1 MHz で約3.1」の記載)。ASTM D412 の番号・題名・版(FDA が認定した合意規格)メーカーのデータシート、試験所の資料、FDA のデータベース
出典20 https://www.farnell.com/datasheets/16681.pdf
出典21 https://www.intertek.com/polymers-plastics/testlopedia/dielectric-strength-astm-d149/
出典26 https://www.accessdata.fda.gov/scripts/cdrh/cfdocs/cfStandards/results.cfm?title=tension+testing&Search=Search
事実
εr=3、E=100 と50 MV/m での圧力 約0.27 MPa と約0.066 MPa。V=E×t(100 MV/m で1 µm:100 V、10 µm:1 kV、50 µm:5 kV)。厚さ1 mm→0.1 mm でゲルの応答時間が1/100。590 rpm=約9.8回転/秒=約3540°/秒、15,000°=約41.7回転。1500 N÷内径20 mm の断面積314 mm2=約4.8 MPa。225 J/kg×10 Hz=2250 W/kg本稿の計算。式は一般的な形で、電界は例示、ゲルは拡散律速の仮定、内径換算は見かけの応力、10 Hz の出力は仮定の例示本稿の計算
IPMC・HASEL・空気圧人工筋肉の出力密度・ひずみ・寿命の数値、人工筋肉・ソフトアクチュエータの性能を定める ISO・IEC・IEEE・JIS・ASTM 規格、規格の本文、医療・安全・規制本稿の調査範囲で確認できなかったため記載していない(ISO 検索・JISC 名称検索で該当なし、2026年10月10日)解説
「方式ごとに律速が違う」「『筋肉並み』を読む6点チェック」「膜・電極・電圧の三つ巴」という読み取り。駆動方式の地図と方式別の表、規格の対応表の整理公表内容にもとづく本記事の整理・解説。各機関・企業が表明した見解ではない解説
図2〜図4、図6、図7が説明のための作図であり、実データの再現ではないこと(図4と図7は本稿の計算・報告値を並べた作図)。図1と図5がAI生成イメージであること本記事による注記解説

最終更新:2026年10月10日/出典は一次情報(査読論文、規格団体・日本産業標準調査会のデータベース、メーカーのデータシート、試験所の資料)に限定しています。規格の本文は確認していません。 構造の整理や材料設計上の読み取りを含むため、それらは「解説」として出典付きの事実と区別しています。 IPMC・HASEL・空気圧人工筋肉の出力密度・ひずみ・寿命の数値、人工筋肉・ソフトアクチュエータの性能を直接定める評価規格、ASTM 規格の本文と試験条件、医療・安全・規制については、確認できなかったため記載していません。 ひずみ・力・エネルギー密度・速さ・寿命の数値は特定の論文・素子の報告であり、他の素子や製品に一般化できません。医療上の助言や、特定の製品・企業の優劣の判断は書いていません。 図2〜図4、図6、図7はベクター作図、図1と図5はAI生成イメージであり、いずれも実際の顕微鏡像・製品の実物を示すものではありません。