COMPANY PROFILE / 次世代蓄電
住友金属鉱山
― 鉱山・製錬から一貫して持つニッケルを武器に、正極材をNCAからHigh-Ni系NMCと全固体電池向けへ切り替えている最中の会社
次世代蓄電で住友金属鉱山の名前が挙がるのは、電池の正極をつくる粉体の材料、ニッケル系の正極材(ニッケル酸リチウム=NCAが主力)を、鉱山と製錬から電池材料まで自社でつなげて作ってきた会社だからです。 2025年10月にはトヨタ自動車と、全固体電池用の正極材の量産に向けた共同開発契約を結びました。 一方で、電池材料事業は2024年度に大きな減損を計上し、2025年度は黒字に戻したものの、次の品種(High-Ni系NMC)への切り替えで生産能力が一時的に下がると会社自身が見込んでいます。 2026年度の電池材料のセグメント損益は、会社の5月時点の予想では30億円の赤字です。 本稿は住友金属鉱山全体ではなく電池材料(正極材)に絞り、何を投じ、誰と組み、どこまで公表しているかを一次資料の範囲で整理します。
- 30秒でわかる住友金属鉱山と、次世代蓄電での立ち位置
- ロゴと社名の表記について
- 次世代蓄電の世界で、この会社はどこにいるか
- 会社の規模(電池材料に関わる範囲で簡潔に)
- 次世代蓄電にかけているリソース
- これまでの取り組み
- 今後の計画
- この会社は次世代蓄電で何を目指しているか
- 次世代蓄電分野の提携マッピング
- 提供している技術・製品・サービス
- この企業が抱えるリスク
- 用語集/出典/主張と出典の対応表
1. 30秒でわかる住友金属鉱山と、次世代蓄電での立ち位置
証券コード 5713プライム市場。2022年4月に移行(有価証券報告書)
リサイクル(従)正極材が主。電池リサイクルは製錬事業の側で建設
NCA(ニッケル酸リチウム)水酸化ニッケル(ニッケル水素電池用)、NMCも製造
2025年度 100億円セグメント損益。2026年度の会社予想(5月)は▲30億円
(2025年10月8日)正極材の量産に向けた契約。量産の時期は会社の目標
竣工記念式典電池セル換算で年間約1万トン。試運転中
住友金属鉱山の電池材料は、会社の主力事業ではなく、資源(鉱山)・製錬・材料の3事業をつなぐ「シン・3事業連携」の一部です。 会社は、自社のニッケル原料を使って正極材までつくれることを強みとして挙げています 事実。 ただし、いまの電池材料は製品の切り替え期にあります。 主力のNCA正極材から、High-Ni系NMC正極材へ転換する計画で、有価証券報告書は「将来予定されている製品の品種切替えに伴う生産能力の低下が見込まれる」と記載し、 2024年度には電池材料の有形固定資産を75,888百万円から19,271百万円へ減額しました。 残った電池材料事業の有形固定資産は27,628百万円(連結総資産の0.8%)で、監査法人も、品種切替え後の販売数量の回復が事業計画に反映されている点を重要な検討事項として挙げています。 つまり本稿の主題は、「次の正極材へ移れるか」です。
2. ロゴと社名の表記について

表記の注意:法人名は「住友金属鉱山株式会社」、英文は Sumitomo Metal Mining Co., Ltd.(略称 SMM)です。 トヨタ自動車は、住友金属鉱山の株主(第4位、4.09%)であると同時に、会社が「正極材が使われる車載用電池等の主要な納品先」と記載する取引先であり、全固体電池用正極材の共同開発の相手でもありますが、別の会社です。 正極材の製造の一部は、子会社の住鉱エナジーマテリアル株式会社(福島県楢葉町)などに委託されています。 本稿は電池材料(正極材)に限って書いており、銅・金・ニッケルの鉱山や製錬、機能性材料の事業は扱いません。 ロゴ画像は、住友金属鉱山の公式サイトで公開されているものを取得しました。
公式サイト:https://www.smm.co.jp/3. 次世代蓄電の世界で、この会社はどこにいるか
次世代蓄電に関わる企業は、本稿ではセル・材料メーカー/長時間蓄電・新方式/蓄電システム・事業者/リサイクルの4類型に分けています。住友金属鉱山はこのうちセル・材料メーカー(電池の正極材)が主で、使用済み電池からニッケル・コバルト・リチウム・銅を取り出すリサイクルのプラントを2026年9月に竣工した点で、従としてリサイクルにも関わります。電池セルは作らないので、顧客は電池メーカーや、電池を自社向けに調達する自動車メーカーです。
4. 会社の規模(電池材料に関わる範囲で簡潔に)
住友金属鉱山は、資源(銅・金の鉱山)、製錬(銅・ニッケルなど)、材料(電池材料と機能性材料)の3事業を持つ非鉄金属の会社です。電池材料は「材料」セグメントの中の一事業で、同じセグメントに粉体材料、結晶材料(タンタル酸リチウム基板など)、パッケージ材料などの機能性材料が入っています。 会社全体と、材料セグメント・電池材料の数字だけを示します(IFRS)事実。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 売上高(連結・百万円) | 1,593,348 | 1,741,586 |
| 税引前利益(連結・百万円) | 31,383 | 255,680 |
| 「材料」セグメントの売上高(百万円) | 296,513 | 284,509 |
| 「材料」セグメントの損益(百万円) | △54,231 | 15,290 |
| 研究開発費(連結・億円) | 104 | 91(9,050百万円) |
| 設備投資(連結・百万円) | ― | 137,490(うち材料 27,012) |
| 従業員(連結・人) | ― | 7,507(うち材料 2,525) |
電池材料事業だけの数字(統合報告書・決算説明資料)
| 億円 | 2024年度(実績) | 2025年度(実績) | 2026年度(5月時点の会社予想) |
|---|---|---|---|
| 電池材料の売上高 | 1,803 | 1,607 | 非公表(本稿では確認できず) |
| 電池材料のセグメント損益 | ▲585 | 100 | ▲30 未確定/将来 |
2024年度の▲585億円には、ニッケル製錬と電池材料で合計1,127億円の減損損失が含まれると、会社は2025年度の説明資料で記載しています。 売上高の数字は統合報告書の図表から読み取ったもので、電池材料と機能性材料の売上を合算すると、有価証券報告書の「材料」セグメントの売上高と一致します。 2026年度の第1四半期(4〜6月)について会社は、電池材料の需要は底堅く、セグメント利益は前年同期を上回ったと説明しています(金額は確認できなかった)。
電池材料の数字は、NCA正極材のほか、ニッケル水素電池用の水酸化ニッケルなども含む事業全体のものです。 本稿が確認した資料では、NCA正極材だけの売上・損益・生産能力の実績値は開示されていません(販売量は図の軸のみで、数値は読み取れなかった) 未確定/将来。 電池リサイクルは製錬セグメントで建設されており、上の電池材料の数字には含まれません。 また、有価証券報告書が挙げる主要な販売先(パナソニック ホールディングス:連結売上高の14.2%、住友電気工業:10.4%、田中貴金属工業:10.1%)は、製錬セグメントを含む会社全体の数字で、電池材料だけの販売先の内訳ではありません。
5. 次世代蓄電にかけているリソース
人員と金額の多くは、正極材だけでは開示されていません。確認できたもの、できなかったものを区別して示します。
| リソースの種類 | 一次情報で確認できた内容 | 区分 |
|---|---|---|
| 人 | 「材料」セグメントの従業員は2,525人(臨時従業員は年間平均190人、2026年3月末)で、電池材料と機能性材料の合算。電池材料だけの人員、研究開発人員は非公表。研究拠点として電池研究所(愛媛県新居浜市)がある | 事実/非公表 |
| 金(研究開発) | グループの研究開発費は9,050百万円(2026年3月期)、材料セグメントは5,953百万円(電池材料と機能性材料の合算)。電池材料分は非公表 | 事実/非公表 |
| 金(設備投資) | 材料セグメントの設備投資は27,012百万円(2026年3月期。主な内容は正極材生産の増強とSiC基板の量産ライン建設)。2021年7月に、新居浜の新工場(400億円)と播磨事業所のプリカーサー設備の増強(70億円)で合計470億円の投資を決定(最終的な能力は正極材2,000t/月の想定)。2026年度の計画(2026年3月末時点)は材料で22,400百万円 | 事実(計画を含む) |
| 金(資産の帳簿価額と減損) | 電池材料事業の有形固定資産は27,628百万円(連結総資産の0.8%)。2024年度に75,888百万円から19,271百万円へ減額し、材料セグメントで56,617百万円の減損損失を計上 | 事実 |
| 外部への出資・提携・買収・売却 | Nano One Materials(カナダ)に2023年9月に16.9百万カナダドルを出資し協業(同社の発表)。有価証券報告書の保有株式は5,498,355株、543百万円。トヨタ自動車と全固体電池用正極材の共同開発契約(2025年10月)。関東電化工業とリチウムのリサイクル技術を共同開発。住鉱エナジーマテリアル(子会社)とSMM VIETNAM(子会社)から正極材の製造・調達。電池材料事業の売却は確認できなかった | 事実/確認できず |
| 公的資金・研究機関 | 新居浜の新工場は経済産業省の「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」の対象(金額は確認できなかった)。NEDOのグリーンイノベーション基金で、高性能正極材料の開発(2023年4月時点の計画で、事業全体の資金需要が約91億円、うち国費約33億円)と蓄電池リサイクルが採択。東北大学と組織的連携協力協定。全固体電池用正極材の大学との共同研究は確認できなかった | 事実/確認できず |
主要な製品・設備の状況
| 設備 | 場所 | 規模 | 段階 | 日付・備考 |
|---|---|---|---|---|
| 磯浦工場 | 愛媛県新居浜市 | 能力は確認できなかった | 稼働中 | 会社が「電池材料を生産する自社工場」とする。晶析から焼成まで正極材を一貫して作る(2025年12月のリリース) |
| 新居浜工場(別子地区) | 愛媛県新居浜市 | 最終的に正極材2,000t/月の想定(2021年の計画) | 稼働中(1系列目)、試験(2系列目) | 2024年9月に完成(有価証券報告書の沿革)、2025年5月に竣工式。1系列目でNCAを計画どおり生産。2系列目は2025年度下期からHigh-Ni系NMCの量産立ち上げの試験 |
| 播磨事業所(プリカーサー) | 兵庫県播磨町 | 70億円の設備増強の計画(2021年) | 増強の完了は確認できなかった | 会社は、電池材料の新品種への転換による生産量減に伴い、2026年度は硫酸ニッケルを減産する予定と記載 |
| 住鉱エナジーマテリアル | 福島県楢葉町 | 能力は確認できなかった | 稼働中(製造委託) | 当社は同社に正極材の製造を委託(有価証券報告書) |
| 電池研究所 第2開発棟 | 愛媛県新居浜市 | パイロット設備(中規模の実証) | 竣工 | 2025年12月に竣工。導入するパイロット設備はNEDOのグリーンイノベーション基金の補助対象 |
| 電池リサイクルプラント | 愛媛県西条市(東予工場・乾式)、新居浜市(ニッケル工場・湿式) | 電池セル換算で年間約1万トン | 竣工式を実施。試運転中 | 2026年9月11日に竣工記念式典。商業規模で国内初と会社が説明。回収したニッケルとコバルトは磯浦工場へ運び、正極材の原料にする |
会社は、磯浦工場の特徴を晶析から焼成まで正極材を一貫して作る体制だと説明し、電池研究所の第2開発棟に同じ工程のパイロット設備を入れることで、新しい材料も量産と同じ工程を経て評価できるようにしたと書いています 事実。 正極材(粉体)の性能は、原料の金属水溶液から沈殿をつくる「晶析」で決まる粒子の形や大きさと、リチウムを混ぜて焼く「焼成」での結晶のでき方に大きく左右されます。 研究室で性能が出ても、量産の晶析・焼成の条件で同じ粒子ができなければ使えないため、量産と同じ工程で試作できることは、全固体電池用のような新しい正極材を試すときにも意味があります。 会社が品種切替えの課題に挙げているのも、「晶析工程の能力改善」です(第7章)。 以上は一般的な説明を含み、住友金属鉱山が公表した個別の材料の性能値ではありません。
6. これまでの取り組み
| 時期 | できごと | 意味 |
|---|---|---|
| 2018年 | 2018年中期経営計画で、2027年までに正極材の生産量を10,000t/月に引き上げる目標を掲げた(2021年のリリースの記載) | 電池材料を大きく伸ばす計画だった。のちに環境は変わった |
| 2021年頃 | トヨタ自動車と、全固体電池用正極材の共同研究を開始(2025年10月のリリース) | 全固体電池向けの取り組みの出発点 |
| 2021年7月 | 車載電池向け正極材の増産を決定。新居浜に新工場(400億円)、播磨で設備増強(70億円)、合計470億円 | 経済産業省の補助金の対象。2025年の完成を計画 |
| 2022年 | NEDOのグリーンイノベーション基金に採択(蓄電池リサイクルの開発・実証。高性能正極材料の開発にも参画)。関東電化工業と、リチウムを含む使用済み電池のリサイクル技術を確立 | 公的資金を使った次世代材料とリサイクルの開発 |
| 2023年6月〜9月 | リサイクルしたニッケル・コバルトを使った正極活物質が、ユーザー実証試験に合格(6月)。Nano Oneに出資し協業(9月) | リサイクル原料の正極材への戻しと、LFPへの足がかり |
| 2024年3月 | 電池リサイクルプラントの建設を決定(年間約1万トン、2026年6月完成予定)。リサイクル事業者9社とパートナーシップ協定 | 使用済み電池の集荷網づくりに着手 |
| 2024年度(〜2025年3月) | ニッケル製錬と電池材料で1,127億円の減損損失。電池材料の有形固定資産を75,888百万円から19,271百万円へ減額。2024年9月に新居浜工場が完成 | 将来の品種切替えに伴う生産能力の低下を見込んだ減損 |
| 2025年5月 | 中期経営計画2027を公表。新居浜工場の竣工式 | 電池材料は「立て直し」と位置づけられた |
| 2025年10月〜12月 | トヨタ自動車と全固体電池用正極材の量産に向けた共同開発契約(10月8日)。電池研究所の第2開発棟が竣工(12月4日) | 20年以上の車載正極材の実績を生かして、新開発の正極材の供給と量産化を目指すと会社が説明 |
| 2026年3月〜5月 | リサイクルの湿式工程が試運転開始(3月)。High-Ni系NMCの販売開始時期は「顧客需要に応じて調整中」(5月18日) | 2025年11月の資料の「2026年度の販売開始に向けて量産化準備」から、時期の記載が変わった |
| 2026年9月 | 電池リサイクルプラントの竣工記念式典(11日) | 「電池 to 電池」の水平リサイクルを目指す商業規模の設備 |
7. 今後の計画
2027年度以降の予定統合報告書2026の記載。2026年5月の資料では「顧客需要に応じて調整中」
量産化を目標少量量産に向けた設備改造を計画。既存の生産拠点を活用する予定
(5月時点の予想)品種切替えに向けた販売量の調整を見込むと会社が記載
上の4項目はいずれも会社の計画・目標・見通しであり、達成された実績ではありません 未確定/将来。 トヨタ自動車も、全固体電池の実用化を2027〜2028年に目指すと発表しています(2025年10月8日のリリース)。ただし、住友金属鉱山が確認した資料に、正極材の供給量・価格・開始時期の取り決めは書かれていません。 会社の2023年4月時点のNEDOへの計画では、全固体電池用の正極材の量産規模を初年0.45GWh/年(600t/年)から10年目4.5GWh/年(6,000t/年)と、自社の想定台数とシェアから独自に算定したとされています(2028年頃の事業化、2035年頃の投資回収の想定) 未確定/将来。
次は、本稿で確認した一次資料に記載がありません 未確定/将来。
NCA正極材の販売終息の時期/High-Ni系NMC正極材の顧客・性能の数値・販売数量/全固体電池用正極材の顧客との供給契約の条件と、実際の量産設備の規模/NCA・NMCの生産能力の実績値(月産トンの数字は図の軸のみ)/リサイクルしたニッケル・コバルトを含む正極材の供給先/経済産業省・NEDOからの補助金の交付額。 報道ベースの数値は本稿では採用しません。
8. この会社は次世代蓄電で何を目指しているか
ここは会社が直接には述べていない部分を含みます。一次情報から読み取れる範囲の推測として、根拠とともに書きます。
| 読み取れること | 根拠となる一次情報 | 区分 |
|---|---|---|
| 主力のNCAからHigh-Ni系NMCへ切り替え、既存顧客の需要を引き継ぐ | 統合報告書は、High-Ni系NMCはNCAに匹敵する需要が見込まれ、2027年度以降の販売開始に向けて量産化を準備すると記載 | 事実(会社の計画) |
| 自社のニッケルを使える一貫生産が、中韓との価格競争に対する武器 | 統合報告書は、中国・韓国の競合が過剰な生産能力を抱えコスト競争が激化するなかで、NCAの量産経験と自社のニッケル原料の強みで巻き返しを図ると記載 | 事実(会社の説明) |
| 全固体電池用は、当面は少量から入る | 2023年4月の計画で初年600t/年から、2026年5月の資料で「少量量産に向けた設備改造」を計画 | 推測 |
| EV用の一本足から、LFPやデータセンター(BBU)向けに広げる | 統合報告書は、データセンター等の民生向けLFP正極材の顧客獲得をNano Oneとの連携で模索し、BBU用途では既存の顧客に追随すると記載 | 事実(会社の方針) |
| リサイクルは、正極材の原料(ニッケル・コバルト)を自社で循環させる狙いを持つ | リサイクルしたニッケルとコバルトを、磯浦工場で正極材の原料に使うと会社が記載。2024年3月のリリースは、欧州電池規則のメタル回収率・リサイクル材含有率への対応を見据えた設計とも記載 | 事実 |
電池材料のセグメント損益は、2024年度の▲585億円から、2025年度は100億円の黒字に戻りました 事実。 ただし、2024年度の▲585億円には、1,127億円規模の減損損失(ニッケル製錬との合計)が含まれており、2025年度の黒字は「事業の稼ぐ力が戻った」と単純には読めません。 統合報告書によれば、2025年度は顧客需要が堅調で、NCA正極材は「High-Ni系NMCへの転換に向けて計画的に在庫水準を引き上げたこともあり、過去最高の生産量」でした。 一方、2026年度は、会社の5月時点の予想で▲30億円の赤字に戻る見込みで、「次期品種切替えに向けた販売量調整」を織り込んでいます。 ここから本稿は、2025年度の黒字を、減損で資産の帳簿価額が小さくなって後の負担が軽くなったことと、NCAの高水準の販売が重なった結果であり、切り替え期の2026年度は再び赤字に戻る想定、と読みます 未確定/将来(前半の仕組みは本稿の推測で、会社が説明した原因ではありません)。
9. 次世代蓄電分野の提携マッピング
10. 提供している技術・製品・サービス
会社の電池材料事業の製品は、電池の正極に使う粉体(正極活物質)です。公式サイトの製品ページと有価証券報告書は、次の製品を挙げています 事実。
| 製品・領域 | 公式資料に載っている内容 | ひとこと |
|---|---|---|
| ニッケル酸リチウム(NCA) | リチウムイオン電池の正極材活物質で、主に電気自動車に使われる。ニッケルの含有率が高いため電池を高容量化でき、一度の充電で走れる距離を長くすることに貢献すると会社が説明。強みは、ニッケル原料から電池材料までの一貫生産 | 主力製品。顧客需要に応じた生産・販売を継続。数値(容量など)は公式サイトに載っていない |
| 三元系正極材(NMC) | ニッケル・マンガン・コバルトが主成分で、主にハイブリッド自動車などの電動車向け。安全性が高く、用途に合わせた組成の最適化で電池の性能向上に寄与すると説明 | High-Ni系NMCはNCAの次の品種として準備中 |
| 水酸化ニッケル | ニッケル水素電池の正極材活物質。主にハイブリッド自動車向けで、会社は高いシェアを持つと説明 | リチウムイオン電池ではない。シェアの数値は確認できなかった |
| 全固体電池用正極材(ニッケル系) | トヨタ自動車と、住友金属鉱山の独自の粉体合成技術を使い、全固体電池に合った「耐久性に優れた正極材」を新たに開発した(2025年10月)。充放電を繰り返す間の正極材の劣化が課題だったと説明 | 開発段階。量産は会社の目標(2027〜2028年頃) |
| LFP正極材 | 新しい量産プロセス(固相法)の確立に向けた製品・技術開発を継続し、顧客候補による評価を実施中 | 製品の仕様と量産の時期は確認できなかった。子会社SMM VIETNAMから購入している正極材の種類も確認できなかった |
| 電池リサイクル(製錬セグメント) | 使用済みの車載用電池などから、ニッケル・コバルト・リチウム・銅を再資源化。回収したニッケルとコバルトは混合液として磯浦工場へ運び、正極材の原料にする。電池セル換算で年間約1万トンの処理能力 | 試運転中。商業規模で国内初と会社が説明(自社調べ) |
会社は、ニッケル系正極材の製造を鉱石から製錬、硫酸ニッケルなどの中間原料、正極材までの一貫生産として説明しています 事実。 2021年のリリースは、正極材ではハイニッケル化(ニッケル比率の向上)が進んでおり、会社の技術が活かされる分野が広がっていると述べています。 一般的に、ニッケル比率を高めるほど、同じ正極材から取り出せる容量は大きくなる一方、結晶の構造が不安定になりやすく、表面の処理や粒子の構造の制御がいっそう重要になります。 会社が開発の方向性として挙げる「表面処理」「結晶性の制御」「粒子構造の制御」は、まさにこの課題に対応するものです(以上は本稿の一般的な解説です)。
全固体電池では、電解質が固体なので、正極の粒子と固体電解質の接点が重要になります。 会社の2023年のNEDO向け資料は、固体電解質との接点を増やすために正極材の粒径は小さいほうが望ましいと説明し、300サイクルで容量維持率80%以上を目標の一つとして置いていました(これは当時の開発目標であり、達成の報告ではありません)。 また、品種を切り替えるうえで会社が課題として挙げているのは、晶析工程の能力改善です 事実。 逆に、会社の個別の正極材について、容量・出力・寿命の実測値は公式資料では確認できませんでした 未確定/将来。他社の正極材との優劣は、本稿では述べません。
11. この企業が抱えるリスク
| リスク | 内容 | 区分 |
|---|---|---|
| EV需要の鈍化と競争の激化 | 有価証券報告書は、電池材料はEV需要の鈍化と海外電池メーカーの台頭により事業環境が急速に変化し、価格・技術競争が激化していると記載。統合報告書は、中国・韓国の競合企業が過剰な生産能力を抱え、コスト競争が激化していると記載 | 事実 |
| 品種切替え(NCA→High-Ni系NMC) | 将来の品種切替えに伴い生産能力の低下が見込まれ、事業計画には切替え後の販売数量の回復が反映されている(有価証券報告書、監査報告書)。High-Ni系NMCの販売開始時期は、2025年11月の資料の「2026年度」から、統合報告書の「2027年度以降」、2026年5月の「顧客需要に応じて調整中」へと表現が変わった | 事実 |
| 固定資産の減損 | 2024年度に電池材料の有形固定資産を減額した。残る27,628百万円(連結総資産の0.8%)について、会社は減損の兆候を認めていないが、事業計画の見直しが必要になれば営業損益やキャッシュ・フローに影響し得ると、監査人が重要な検討事項に挙げている | 事実 |
| 顧客・取引の見えにくさ | 主要な納品先がトヨタ自動車であると会社は記載するが、電池材料の販売先別の内訳・販売量・生産能力の実績は開示が限られ、進捗を外部から十分に確かめられない | 未確定/将来 |
| 貿易・政策の変化 | 有価証券報告書は、米国の追加関税を含む保護主義政策、中国の輸出規制、中東情勢の悪化が、顧客の販売減速や値下げ要求、供給の途絶につながる可能性を記載。2026年5月の資料は、各国の支援政策の打ち切りでEV市場の成長速度が鈍るとも記載。本稿は、これらの制度の内容と段階を政府資料では確認していない | 事実(会社の記載) |
| リサイクル原料の集荷 | 電池リサイクルは、国内の使用済み電池由来の原料(ブラックマス)の発生量が低迷し、当初計画から海外ブラックマスの増処理と電池スクラップの優先処理へ計画を見直した。2030年度のKPIは年1万トン、2025年度の実績は0(建設中) | 事実 |
| 全固体電池の実用化の時期 | 正極材の量産は、全固体電池そのものの実用化(トヨタは2027〜2028年を目指す)に左右される。実用化が遅れれば、正極材の量産の時期も変わり得る | 推測 |
12. 用語集
- 正極材(正極活物質)
- 電池の正極をつくる粉体の材料。リチウムイオンを出し入れして、電池の容量や寿命、安全性を大きく左右する。
- NCA
- ニッケル・コバルト・アルミニウム系の正極材(ニッケル酸リチウム)。ニッケル比率が高く、高容量にしやすい。
- NMC/High-Ni系
- ニッケル・マンガン・コバルト系の正極材。ニッケル比率を高めたものをHigh-Ni系と呼ぶ。
- LFP
- リン酸鉄リチウム。ニッケルやコバルトを使わない正極材で、車載とデータセンター向けの電池に使われる。
- 全固体電池
- 電解質を液体ではなく固体にした電池。正極と固体電解質の接点が重要になる。
- プリカーサー(前駆体)
- 正極材の一つ手前の粉体。金属の水溶液から沈殿させて作り、これにリチウムを混ぜて焼成する。
- 晶析/焼成
- 晶析は、水溶液中で粒子を結晶として育てる工程。焼成は、リチウムを混ぜて高温で焼き、正極材の結晶をつくる工程。
- ブラックマス
- 使用済みのリチウムイオン電池を無害化・破砕・選別して得られる黒い粉状の濃縮物。ニッケルやコバルトなどを含む。
- グリーンイノベーション基金
- NEDOが管理する、日本の脱炭素技術の開発・実証を支援する基金。次世代蓄電池の開発も対象。
- BBU
- Battery Backup Unit。データセンターのラックごとに置き、瞬間的な電力の途切れを補う電池ユニット。
- セグメント損益
- 事業ごとの損益。住友金属鉱山では国際会計基準(IFRS)で、電池材料と機能性材料を「材料」としてまとめて報告している。

13. 出典
- 住友金属鉱山 第101期 有価証券報告書(2025年4月1日〜2026年3月31日、2026年6月24日提出)。事業の内容、沿革、設備投資、研究開発、従業員、主要な販売先、電池材料に関する減損と監査上の主要な検討事項、保有株式、中期経営計画2027の進捗。 https://www.smm.co.jp/ir/library/quarterly/pdf/2025/no101_yuho.pdf
- 住友金属鉱山 統合報告書2026(2025年4月1日〜2026年3月31日)。電池材料事業の概要、売上高とセグメント利益の図表、High-Ni系NMCへの転換、全固体電池向けの開発、LFP、研究開発。 https://www.smm.co.jp/ir/library/integrated_report/pdf/2026/2026_All.pdf
- 住友金属鉱山 2026年度 経営戦略説明会(5月)資料(2026年5月18日)。業績比較(電池材料のセグメント利益と2026年度予想)、電池材料事業の進捗、リサイクルプラントの進捗。 https://www.smm.co.jp/ir/event/roadshow/pdf/2025/260518_setsumeikai.pdf
- 住友金属鉱山 2025年度 経営戦略説明会(11月)資料(2025年11月17日)。電池材料事業(新品種への対応、全固体電池向け・LFP正極材の開発)。 https://www.smm.co.jp/ir/event/roadshow/pdf/2025/251117_setsumeikai.pdf
- 住友金属鉱山 2027年3月期 第1四半期決算短信(2026年8月10日)。電池材料の需要と第1四半期のセグメント利益、通期予想。 https://www.smm.co.jp/ir/library/results/pdf/2026/20260810.pdf
- 住友金属鉱山 車載電池向け正極材の増産を決定-別子地区に新工場を建設-(2021年7月6日)。 https://www.smm.co.jp/news/release/uploaded_files/20210706_J.pdf
- 住友金属鉱山 リチウムイオン二次電池リサイクルプラントの建設を決定、パートナーシップ協定を締結(2024年3月28日)。 https://www.smm.co.jp/news/release/uploaded_files/20240328_JP.pdf
- 住友金属鉱山・トヨタ自動車 住友金属鉱山とトヨタ、全固体電池用の正極材量産に向けて協業(2025年10月8日)。 https://www.smm.co.jp/news/release/uploaded_files/20251008_JP.pdf
- 住友金属鉱山 電池研究所の第2開発棟が竣工(2025年12月4日)。 https://www.smm.co.jp/news/release/uploaded_files/20251204_JP.pdf
- 住友金属鉱山 電池リサイクルプラントの竣工記念式典を開催(2026年9月14日付、式典は9月11日)。 https://www.smm.co.jp/news/release/uploaded_files/20260914_PressRelease.pdf
- 住友金属鉱山(NEDO公表資料) 事業戦略ビジョン「次世代蓄電池用高性能正極材料の開発と実証」(2023年4月時点)。事業計画、資金計画、研究開発の目標。 https://green-innovation.nedo.go.jp/resources/pdf/next-generation-storage-batteries-motors/item-001-1/vision-smm-002.pdf
- NEDO グリーンイノベーション基金事業/次世代蓄電池・次世代モーターの開発(事業概要)。採択された実施者と開発内容の一覧。 https://www.nedo.go.jp/content/100945458.pdf
- Nano One Materials Nano One and Sumitomo Metal Mining Advance Collaboration on LFP Commercialization(英語、2025年9月17日)。2023年9月の16.9百万カナダドルの出資と協業の経緯。 https://www.newswire.com/news/nano-one-and-sumitomo-metal-mining-advance-collaboration-on-lfp
- 住友金属鉱山 材料製品:ニッケル酸リチウム(NCA)。 https://www.smm.co.jp/business/material/products/nickel_lite/
- 住友金属鉱山 材料製品:三元系正極材(NMC)。 https://www.smm.co.jp/business/material/products/nmc/
- 住友金属鉱山 材料製品:水酸化ニッケル。 https://www.smm.co.jp/business/material/products/hydroxide/
- 住友金属鉱山 公式サイト(ロゴの取得元)。 https://www.smm.co.jp/
14. 主張と出典の対応表
| 本文の主張 | 区分 | 出典 |
|---|---|---|
| 正式名称、本社所在地、東証プライム市場への移行(2022年4月)、事業内容(資源・製錬・材料の3セグメント)、2026年6月24日の提出 | 事実 | 出典1 https://www.smm.co.jp/ir/library/quarterly/pdf/2025/no101_yuho.pdf |
| 連結売上高(2025年3月期1,593,348百万円、2026年3月期1,741,586百万円)、税引前利益、材料セグメントの売上高(296,513→284,509百万円)と損益(△54,231→15,290百万円) | 事実 | 出典1 https://www.smm.co.jp/ir/library/quarterly/pdf/2025/no101_yuho.pdf |
| 研究開発費9,050百万円(材料セグメント5,953百万円)、設備投資137,490百万円(材料27,012百万円)、2026年度の材料の設備投資計画22,400百万円、従業員7,507人(材料2,525人、臨時190人) | 事実 | 出典1 https://www.smm.co.jp/ir/library/quarterly/pdf/2025/no101_yuho.pdf |
| 電池材料の売上高(2024年度1,803億円、2025年度1,607億円)と、セグメント損益(▲585億円、100億円、2026年度5月予想▲30億円) | 事実 | 出典2・3 https://www.smm.co.jp/ir/library/integrated_report/pdf/2026/2026_All.pdf https://www.smm.co.jp/ir/event/roadshow/pdf/2025/260518_setsumeikai.pdf |
| ニッケル製錬と電池材料で1,127億円の減損損失、電池材料の2026年度の予想(▲30億円) | 事実 | 出典3 https://www.smm.co.jp/ir/event/roadshow/pdf/2025/260518_setsumeikai.pdf |
| 電池材料の有形固定資産を75,888百万円から19,271百万円へ減額、材料セグメントの減損損失56,617百万円、残る27,628百万円(連結総資産の0.8%)、監査上の主要な検討事項 | 事実 | 出典1 https://www.smm.co.jp/ir/library/quarterly/pdf/2025/no101_yuho.pdf |
| 主要な販売先(パナソニック ホールディングス14.2%、住友電気工業10.4%、田中貴金属工業10.1%)、トヨタ自動車株の保有目的、トヨタの大株主(4.09%) | 事実 | 出典1 https://www.smm.co.jp/ir/library/quarterly/pdf/2025/no101_yuho.pdf |
| 2026年度第1四半期の電池材料の需要が底堅く、セグメント利益が前年同期を上回ったこと | 事実 | 出典5 https://www.smm.co.jp/ir/library/results/pdf/2026/20260810.pdf |
| 新居浜工場の完成(2024年9月)と竣工式(2025年5月)、1系列目でNCA、2系列目でHigh-Ni系NMCの試験、NCAの販売終息に備えた見直し、NCAの過去最高の生産量 | 事実 | 出典1・2 https://www.smm.co.jp/ir/library/quarterly/pdf/2025/no101_yuho.pdf https://www.smm.co.jp/ir/library/integrated_report/pdf/2026/2026_All.pdf |
| High-Ni系NMCの販売開始時期(2025年11月は2026年度に向け準備、統合報告書は2027年度以降、2026年5月は顧客需要に応じて調整中) | 事実 | 出典2・3・4 https://www.smm.co.jp/ir/library/integrated_report/pdf/2026/2026_All.pdf https://www.smm.co.jp/ir/event/roadshow/pdf/2025/260518_setsumeikai.pdf https://www.smm.co.jp/ir/event/roadshow/pdf/2025/251117_setsumeikai.pdf |
| 新工場と播磨の増強の投資決定(合計470億円、最終能力2,000t/月、2018年中計の10,000t/月の目標、補助金の対象) | 事実 | 出典6 https://www.smm.co.jp/news/release/uploaded_files/20210706_J.pdf |
| リサイクルプラントの建設決定(年間約1万トン、2026年6月完成予定、9社とのパートナーシップ協定、関東電化工業との共同開発、2022年のNEDO採択、2023年6月のユーザー実証試験) | 事実 | 出典7 https://www.smm.co.jp/news/release/uploaded_files/20240328_JP.pdf |
| リサイクルプラントの竣工記念式典(2026年9月11日)、商業規模で国内初(自社調べ)、回収したニッケル・コバルトを磯浦工場へ、NEDOの支援 | 事実 | 出典10 https://www.smm.co.jp/news/release/uploaded_files/20260914_PressRelease.pdf |
| トヨタとの全固体電池用正極材の共同開発契約(2025年10月8日)、2021年頃から共同研究、2027〜2028年の実用化目標(トヨタ)、20年以上の車載正極材の実績 | 事実 | 出典8 https://www.smm.co.jp/news/release/uploaded_files/20251008_JP.pdf |
| 電池研究所第2開発棟の竣工(2025年12月4日)、磯浦工場の晶析から焼成までの一貫体制、パイロット設備がNEDOの補助対象 | 事実 | 出典9 https://www.smm.co.jp/news/release/uploaded_files/20251204_JP.pdf |
| 全固体電池向け正極材の2027〜2028年頃の量産化目標、少量量産に向けた設備改造の計画、播磨事業所の2026年度の減産予定、リサイクルのブラックマスの集荷環境の変化 | 事実 | 出典3 https://www.smm.co.jp/ir/event/roadshow/pdf/2025/260518_setsumeikai.pdf |
| LFP正極材の顧客候補による評価、Nano Oneとの連携、データセンター向けとBBU用途、High-Ni系NMCがNCAに匹敵する需要、競合の過剰な生産能力 | 事実 | 出典2 https://www.smm.co.jp/ir/library/integrated_report/pdf/2026/2026_All.pdf |
| Nano Oneへの16.9百万カナダドルの出資(2023年9月)と協業の進展(2025年9月) | 事実 | 出典13 https://www.newswire.com/news/nano-one-and-sumitomo-metal-mining-advance-collaboration-on-lfp |
| NEDOの高性能正極材料の開発計画(事業全体の資金需要約91億円、国費約33億円、自己負担約58億円、2028年頃の事業化、2035年頃の投資回収、量産規模の想定、300サイクル容量維持率80%以上) | 未確定/将来 | 出典11 https://green-innovation.nedo.go.jp/resources/pdf/next-generation-storage-batteries-motors/item-001-1/vision-smm-002.pdf |
| グリーンイノベーション基金で住友金属鉱山が高性能正極材料とリサイクルの実施者であること | 事実 | 出典12 https://www.nedo.go.jp/content/100945458.pdf |
| NCA・NMC・水酸化ニッケルの製品説明(用途、強み、シェアに関する会社の説明) | 事実 | 出典14・15・16 https://www.smm.co.jp/business/material/products/nickel_lite/ https://www.smm.co.jp/business/material/products/nmc/ https://www.smm.co.jp/business/material/products/hydroxide/ |
| 米国の追加関税、中国の輸出規制、中東情勢などの事業上のリスクの記載、電池材料の事業環境(EV需要の鈍化、海外電池メーカーの台頭) | 事実 | 出典1 https://www.smm.co.jp/ir/library/quarterly/pdf/2025/no101_yuho.pdf |
| NCA正極材だけの売上・損益・生産能力の実績、販売先別の内訳、性能の数値(容量・出力・寿命)、補助金の交付額、High-Ni系NMCの顧客と数量 | 未確定/将来 | 出典1・2・3・14 https://www.smm.co.jp/ir/library/quarterly/pdf/2025/no101_yuho.pdf https://www.smm.co.jp/ir/library/integrated_report/pdf/2026/2026_All.pdf https://www.smm.co.jp/ir/event/roadshow/pdf/2025/260518_setsumeikai.pdf https://www.smm.co.jp/business/material/products/nickel_lite/ |
| 全固体電池用正極材の大学との共同研究、電池材料事業の売却や再編の有無、SMM VIETNAMの正極材の種類と能力 | 未確定/将来 | 出典1・2・3 https://www.smm.co.jp/ir/library/quarterly/pdf/2025/no101_yuho.pdf https://www.smm.co.jp/ir/library/integrated_report/pdf/2026/2026_All.pdf https://www.smm.co.jp/ir/event/roadshow/pdf/2025/260518_setsumeikai.pdf |
| 4類型の区分(セル・材料/長時間・新方式/蓄電システム/リサイクル)と、住友金属鉱山の位置づけ(主:セル・材料、従:リサイクル) | 本稿の計算 | 本稿による整理。企業名は本シリーズで扱う企業から例示 |
| 2025年度の黒字は、減損後の資産の負担軽減とNCAの高水準の販売が重なった結果という読み | 推測 | 減損の影響と販売の記載からの本稿の解釈。会社が説明した原因ではない |
| 全固体電池用は当面少量から入るという読み | 推測 | 2023年4月の計画の量産規模と、少量量産に向けた設備改造の記載からの本稿の解釈 |
| 全固体電池の実用化の遅れが正極材の量産時期に影響し得るというリスク | 推測 | 正極材が全固体電池の実用化に連動するという本稿の見通し |
| ニッケル比率と結晶の安定性、表面処理・粒子構造の制御の関係(一般論) | 本稿の計算 | 本稿の一般的な解説であり、住友金属鉱山の性能値ではない |
| 補助金・関税・規制の制度の内容と段階の確認 | 未確定/将来 | 本稿では政府・規制当局の資料で確認していない。会社の記載の範囲にとどめる |
最終更新:2026年10月10日/Troy Technical
本稿の数値は、住友金属鉱山の有価証券報告書、統合報告書、決算説明資料、決算短信、公式リリース、NEDOの公開資料に基づきます。調査会社の推計値・報道ベースの数値は使用していません。「推測」と記した箇所は、一次情報から本稿が読み取った解釈であり、会社の公表内容ではありません。会社の計画・目標は未確定で、達成された事実ではありません。