COMPANY PROFILE / ナノテクノロジー
ASML
― 波長13.5 nmのEUV光でナノサイズの回路パターンを描く露光装置の会社。EUV装置は2025年に48台・約116億ユーロ
ASMLは、半導体チップの回路を「光で焼き付ける」リソグラフィ装置を作る、オランダの会社です。ナノテクノロジーの文脈で名前が出るのは、回路の線幅をナノメートル単位で縮めるための光源・光学系・位置決めを、装置として量産しているからです。 同社は自社を「EUV(極端紫外線)リソグラフィ装置の世界で唯一のメーカー」と説明しています(会社の記述)。公式ページの数値(メーカー公称)では、EUV光の波長は13.5 nm、解像度は開口数(NA)0.33の装置で13 nm、NA 0.55の装置(High NA)で8 nmです。 一方で、露光に使う感光材料(レジスト)、マスク、ペリクルなどは同社の製品ではなく、パターンを実際に作るには周辺の材料や研究機関との共同開発が欠かせません。 本稿は、ナノ加工の視点(解像度の決まり方、光源と鏡、レジストとの関係)に絞り、一次資料で確認できたことと、確認できなかったことを整理します。
- 30秒でわかるASMLと、ナノテクノロジーでの立ち位置
- ロゴと社名の表記について
- ナノテクノロジーの世界で、この会社はどこにいるか
- 会社の規模
- ナノテクノロジーにかけているリソース
- これまでの取り組み
- 今後の計画
- この会社はナノテクノロジーで何を目指しているか
- ナノテクノロジー分野の提携マッピング
- 提供している技術・製品・サービス
- この企業が抱えるリスク
- 用語集/出典/主張と出典の対応表
1. 30秒でわかるASMLと、ナノテクノロジーでの立ち位置
ASMLは「ナノサイズのパターンを描く光と光学系を、装置として売る会社」であり、ナノ材料を作る会社ではありません 本稿の計算。 解像度は、波長(λ)、開口数(NA)、プロセス側の係数(k1)で決まります(レイリーの式 CD = k1・λ/NA。ASMLの技術ページ) 事実。 装置側ではλとNAを担い、k1はレジスト・マスク・エッチングなどの周辺と組み合わせて下げていきます。 つまり、ASMLの装置の性能は、レジストなどの材料側の進歩と切り離せません。 会社の公称する解像度(13 nm、8 nm)が、どんな条件で、実際のチップの量産でどこまで使われているかは、参照した資料からは確認できません 未確定/将来。
2. ロゴと社名の表記について

表記の注意:会社名は ASML Holding N.V.、通称は ASML(読みは「エーエスエムエル」)です。名称は、設立当初の社名 ASM Lithography に由来します(公式サイトの沿革)。 なお、ASM International(成膜装置・ALDの会社)は別の上場会社で、本シリーズでは別の記事で扱います。ASMLの沿革は、設立時にPhilipsとASMI(Advanced Semiconductor Materials International。現在のASM International)が新会社を作ったと記載し、ASM Internationalの年次報告書は、1980年代半ばにPhilipsとリソグラフィ技術の合弁事業を始め、1988年に持分を売却したと記載しています。 ロゴ画像は、同社の公式サイトで使われているロゴの図形を、そのまま単独のSVGにしたものです。
公式サイト:https://www.asml.com/3. ナノテクノロジーの世界で、この会社はどこにいるか
4. 会社の規模
ASMLは大企業のため、会社全体の数字を簡潔に示し、ナノ加工に関わるEUV装置の数値を中心に扱います。会計年度は暦年で、金額はユーロです(US GAAP)。
| 指標(百万ユーロ) | 2025年 | 2024年 |
|---|---|---|
| 売上 | 32,667.3 | 28,262.9 |
| うち 装置の売上 | 24,474.3 | 21,768.7 |
| うち サービス・機能追加の売上 | 8,193.0 | 6,494.2 |
| 営業利益 | 11,301.4 | 9,022.6 |
| 純利益 | 9,609.4 | 7,571.6 |
| 研究開発費 | 4,698.8 | 4,303.7 |
| 有形固定資産の購入(設備投資) | 1,573.6 | 2,067.2 |
| 従業員(2025年末) | 44,175人(人数)/44,000人超(FTE) | 43,395人(人数) |
EUV装置の数値(技術別の売上)
| 技術 | 2024年 | 2025年 | 2026年上半期 |
|---|---|---|---|
| EUV 0.33 NA(NXE) | 42台/7,856.4 | 44台/10,445.8 | 29台/6,708.5 |
| EUV 0.55 NA(EXE。High NA) | 2台/465.0 | 4台/1,156.9 | 3台/1,188.9 |
| EUV合計 | 44台/8,321.4 本稿の計算 | 48台/11,602.7 本稿の計算 | 32台/7,897.4 本稿の計算 |
| ArF液浸(DUV。193 nm) | 129台/9,667.0 | 131台/10,311.4 | 40台/3,331.7 |
| 装置の売上の合計(全技術) | 583台/21,768.7 | 535台/24,474.3 | 274台/12,844.2 |
各セルは「台数/金額(百万ユーロ)」。売上計上ベースの台数で、出荷台数とは異なる場合があります。EUVの合計は、NXEとEXEの台数・金額を足した本稿の計算です。
2025年のEUV装置の売上(116.0億ユーロ)は、装置の売上全体の約47%、売上全体の約36%に当たります 本稿の計算(11,602.7÷24,474.3、11,602.7÷32,667.3。四捨五入)。 EUV装置の利益・粗利益だけの開示は、参照した資料に見当たりません。 2025年の売上のうち、顧客1社が23.9%、4社がそれぞれ10%を超えて合計61.2%を占めました(顧客名は資料に記載なし) 事実。
上の台数は売上として計上した台数です。EUV装置の売上には、NXE:3800Eの出荷済み装置への性能向上(アップグレード)の収益が、装置の売上ではなく「サービス・機能追加の売上」に回る分があると、会社は説明しています(年次報告書のCFOの文章)。 したがって、EUV関連の収益の全体は、上の装置の売上より大きい可能性があります。ただし、その金額は参照した資料から分離できないため、本稿は推計しません 未確定/将来。
5. ナノテクノロジーにかけているリソース
| リソース | 一次情報で確認できた内容 | 区分 |
|---|---|---|
| 人 | 会社全体で44,175人(人数、2025年末)。国別はオランダ23,707人、米国8,242人、台湾4,548人。2026年7月時点の説明は「44,500人超(FTE)」。製造(組立・試験)の拠点は、Veldhoven、Eindhoven、Oirschot、Berlin、Wilton、San Diego、Pyeongtaek、Linkou、Tainan。EUV担当だけの人員は非公表 | 事実/一部非公表 |
| 金(研究開発・設備投資) | 研究開発費は46.99億ユーロ(2025年。売上の14.4%)。2025年の主な内容は、NXE:3800E・NXE:3800Fの開発、High NAのEXEの開発、DUV・計測検査の開発。2026年上半期の研究開発費は25億ユーロ(会社の記述。前年同期は18億ユーロ)で、内容にはEXE関連とNXE:3800F・NXE:4200Gが入る。設備投資(有形固定資産の購入)は15.74億ユーロ(2025年)。EUV単独の研究開発費・設備投資は非公表 | 事実/一部非公表 |
| 買収・出資・合弁・売却 | Carl Zeiss SMT Holdingの24.9%を2017年6月29日に取得(持分法)。光学系(レンズ・ミラー)の唯一の供給元。2013年にCymer(San Diego。光源)を買収。2021年と2024年にCarl Zeiss SMTへ各最大10億ユーロの貸付契約、2025年にも貸付。ほかに2025年にMistral(AI企業。ナノ加工とは直接関係しない)への投資13.02億ユーロ | 事実 |
| 大学・研究機関・公的資金 | 主な連携先として、デルフト・アイントホーフェン・トゥウェンテの各工科大学、ARCNL(Advanced Research Center for Nanolithography)、TNO、CEA-Leti、Fraunhofer、imec。2025年3月にimecと5年間の戦略的連携に署名。米国ではUC系列、Stanford、MITなど。EU・加盟国が助成する共同研究プロジェクトに参加(Horizon Europe、European Chips Actに言及)。個別の助成名・金額は参照資料で確認できず | 事実/助成の詳細は確認できず |
主要な製品・設備の状況
| 製品・設備 | 仕様(メーカー公称) | 段階 | 日付・出典 |
|---|---|---|---|
| TWINSCAN NXE:3800E(EUV。NA 0.33) | 波長13.5 nm、解像度13 nm、毎時220枚以上(ウエハー。照射量30 mJ/cm²の条件)。年次報告書は、NXE:3600Dより37%向上したと説明 | 出荷(2025年に仕様どおりで出荷。既設装置のアップグレードも実施) | 2025年(出典1・5) |
| TWINSCAN EXE:5200B(High NA。NA 0.55) | 波長13.5 nm、解像度8 nm、毎時175枚以上(照射量50 mJ/cm²の条件)。年次報告書は、EXE:5000より60%高い生産性と説明 | 出荷(2025年4月上旬に初号機。仕様どおりで最初の顧客に引き渡し)。量産での使用開始は2027年を見込む(未確定/将来) | 2025年(出典1・6) |
| TWINSCAN EXE:5000(High NA の初期機) | 波長13.5 nm、解像度8 nm、毎時110枚以上(照射量50 mJ/cm²の条件)。imecとの共同研究拠点で稼働 | 稼働(共同研究拠点。2024年6月開所) | 2024年6月3日(出典11・15) |
| NXE:3800F、NXE:4200G(次の0.33 NA装置) | 仕様は参照資料に記載なし | 開発中(2026年上半期の研究開発費の内訳に記載) | 2026年7月(出典3) |
| EUV(0.33 NA)の生産能力 | 2026年は約65台。2027年は2026年に30%を上乗せする計画、2028年はさらに30%の拡大を検討 | 未確定/将来(会社の計画) | 2026年7月15日(出典2) |
両者のスループットは照射量の条件が異なる(30 mJ/cm²と50 mJ/cm²)ため、数字だけを並べた比較はできません。照射量の意味は第10章で説明します。
6. これまでの取り組み
| 時期 | できごと | 意味 |
|---|---|---|
| 1984年 | PhilipsとASMIが、リソグラフィ装置を開発する新会社ASM Lithographyを設立。最初の装置PAS 2000を発売。1986年にCarl Zeissとの協力関係を確立 | 光学系を外部の専門会社と組む原型 |
| 2010年 | EUVの試作機(TWINSCAN NXE:3100)を、アジアのチップメーカーの研究施設に出荷 | EUVの実機が顧客の手に渡る |
| 2013年 | 光源メーカーのCymer(San Diego)を買収。第2世代のNXE:3300を出荷 | EUV光源の開発を自社に取り込む |
| 2016年〜2017年 | 2016年に、量産対応のNXE:3400の顧客からの発注が始まる。2017年6月29日、Carl Zeiss SMT Holdingの24.9%を取得 | 光学系の供給元との結びつきを強化 |
| 2019年5月31日 | Mitsui Chemicalsと、EUVペリクル(マスクを粉塵から守る薄膜)の事業のライセンス契約。ASMLが商用のEUVペリクルを開発した唯一のメーカーだとMitsui Chemicalsは説明 | マスク周辺の材料を、材料会社に委ねる |
| 2020年 | EUVが量産の段階に入り、EUV装置の出荷が100台に到達(会社の沿革) | 量産の実績が積み上がる |
| 2023年 | NA 0.55の次世代EUV(EXE)の初号機を出荷 | High NAへの移行 |
| 2024年6月3日 | imecと、VeldhovenにHigh NA EUV Lithography Labを共同で開所。EXE:5000で、金属酸化物レジストに10 nmの密なライン(ピッチ20 nm)を初めて印刷したと発表 | 装置とレジスト・マスクの共同開発の拠点 |
| 2025年 | NXE:3800Eを仕様どおりで出荷。4月上旬にEXE:5200Bの初号機を出荷。3月にimecと5年間の戦略的連携に署名 | 0.33 NAと0.55 NAの両方が前進 |
| 2026年7月15日 | 2026年の売上見通しを430〜450億ユーロに引き上げ(2026年2月の年次報告書では340〜390億ユーロ) | EUV・DUVの需要の強さを受けた見通し |
7. 今後の計画
一次資料には、次の方針と計画も書かれています 未確定/将来。
- EUVの製品ロードマップ:年次報告書は「2030年以降まで、手頃なコストでの微細化を支える」ことを目的と説明しています。EXE(High NA)はNXEとできるだけ部品を共通化し、2030年代初めに共通のプラットフォームにすることを最終目標としています
- DUV(液浸)の生産能力:2026年は約130台。2027年は30%の上乗せを計画し、2028年はさらに30%を検討
- 次の説明会:Capital Markets Dayは2027年6月10日。長期の見通しはそのとき更新するとしています
- 輸出管理と生産能力の見通し:EUV装置は、オランダ・米国などの法令で輸出に許可が必要です。許可の動向は売上の量・構成・時期に影響しうると、会社は書いています
EUV装置単独の利益・研究開発費・人員/EXE(High NA)の導入顧客名と台数/NXE:3800F、NXE:4200Gの仕様と発売時期/2026年のEUV売上の内訳(NXEとEXEの別)/オランダ政府の「Beethoven」プロジェクトの金額や、ASMLが受ける公的資金の個別の額。 いずれも、参照した20-F・6-K・公式ページ・共同リリースに記載がないか、本稿で原文を確認できていません。
8. この会社はナノテクノロジーで何を目指しているか
会社が「目指す」と直接書いている部分と、本稿が読み取った部分を分けます。推測は一次情報から本稿が読み取った解釈です。
| 読み取れること | 根拠となる一次情報 | 区分 |
|---|---|---|
| EUVで複数回の露光を1回に置き換え、工程を簡素にする | 年次報告書は、複雑なマルチパターニングから、1層につき1回の露光で済むEUVへの移行で、マスクと工程数を減らし歩留まりを高めると説明 | 事実(会社の説明) |
| High NAで微細化の余地を広げる | EXEは「微細化の道筋を延ばし、2重・3重のパターニングを最小化する」と記述。公式ページは「2 nm世代のロジックから始まる複数の世代」を想定と記載 | 事実(会社の説明) |
| 解像度の改善を、光学(波長・NA)と、プロセス・計算(k1)の両方で進める | 公式ページは、解像度の式の3つの要素を示し、k1の物理限界は0.25と記載。計算リソグラフィ(OPCなど)でk1を下げる方針を説明 | 事実 |
| 装置の性能を、レジスト・マスクなど周辺の材料・研究機関の側と一緒に引き上げる | imecとの共同リリースは、装置だけでなく、レジスト・下層材料・フォトマスク・計測検査などのパターニングの周辺を、imecが供給網と準備したと記載 | 事実(連携の記載)/推測(ASMLの狙いの解釈) |
「ASMLは、材料側の進歩を装置の価値の一部と見ている」という読みの根拠は、2024年6月のimecとの共同リリースです。 同リリースは、装置の準備と並行して、imecが、高度なレジストと下層材料、フォトマスク、計測・検査、OPC、エッチングとの統合などのパターニングの周辺環境を整えてきたと書き、金属酸化物レジストでの10 nmライン(ピッチ20 nm)の印刷を成果として挙げています 事実。 また2019年には、EUVペリクルの事業をMitsui Chemicalsにライセンスし、ASMLは技術の開発を続けるとMitsui Chemicalsが発表しています 事実。 これらから、装置を売るだけでなく、周辺の材料・部材の供給網も整えることを重視していると本稿は読みます。 ただし、ASML自身がそう書いた資料は確認できていません。レジストの調達先や、ASMLが材料会社に支払う・受け取る金額も公表されていません 未確定/将来。
9. ナノテクノロジー分野の提携マッピング
参照した資料から確認できるASMLの主な提携は、光学系のCarl Zeiss SMT(供給と出資)、imec(High NAの共同研究拠点と5年間の連携)、Mitsui Chemicals(EUVペリクルのライセンス)、Cymer(光源。買収済みで独立運営)です 事実。 Mitsui Chemicalsは2024年5月、High NA・高出力のEUV向けにカーボンナノチューブ(CNT)を膜に使うペリクルの量産設備を岩国・大竹工場に設けると発表しました(年産5,000枚、建設完了は2025年12月の予定。同社の公表)。 このCNTペリクルがASMLの技術かどうかは、同リリースに記載がなく、本稿では確認できていません 未確定/将来。 EUV向けレジストの供給元や、ASMLが材料会社と結んでいる個別の契約は、参照した資料に載っていません。
10. 提供している技術・製品・サービス
ASMLは、リソグラフィ装置を中心に、計測・検査、ソフトウェア、保守サービスを提供しています。性能の数値は会社の説明であり、条件を添えます。
| 区分 | 公式資料に載っている内容 | 条件・規模・出所 |
|---|---|---|
| EUVリソグラフィ(NXE。0.33 NA) | 波長13.5 nm。解像度13 nm。7 nm・5 nm・3 nm世代の重要な層に使われると説明。NXE:3800Eは2 nm世代のロジックと先端DRAMの量産向け | メーカー公称(公式ページ)。NXE:3800Eは毎時220枚以上、照射量30 mJ/cm² |
| High NA EUV(EXE。0.55 NA) | 波長13.5 nm。解像度8 nm。2 nm未満の世代のロジックと先端DRAMの量産を想定 | メーカー公称。EXE:5200Bは毎時175枚以上、照射量50 mJ/cm² |
| DUV液浸(NXT) | ArFレーザー(193 nm)。ウエハーとレンズの間に水の層を置いてNAを上げる。最高NAは1.35。EUVと同じチップの別の層で併用できる | 公式ページ・年次報告書の説明。2025年は131台/103.1億ユーロ(売上計上ベース) |
| DUV(ArF乾式・KrF・i線) | 波長はそれぞれ193 nm、248 nm、365 nm。幅広い世代・用途向け | 年次報告書の説明 |
| 計測・検査 | 光学式と電子ビーム式。パターンの品質の評価と、露光の条件の管理に使う | 2025年は208台/8.25億ユーロ(売上計上ベース) |
| 計算リソグラフィ | シミュレーションで、マスクのパターンと露光条件を最適化(OPCなど)。2025年にHigh NA向けに、光源・マスク・波面の同時最適化などを強化 | 年次報告書の説明 |
| 保守・性能向上(設置済み装置の管理) | 設置済み装置の保守と、性能向上(アップグレード) | 2025年は81.93億ユーロ(売上の25.1%) |
光源は溶融スズです。公式ページによると、直径約25 µmの溶融スズの液滴を、毎秒70 mで放出し、弱いレーザーパルスで平らに潰したあと、強いパルスで蒸発させてプラズマにし、13.5 nmの光を出します。これを毎秒5万回繰り返します 事実。 EUVにはレンズが使えません。ほとんどの材料がEUV光を吸収するためで、代わりに真空中の多層膜ミラーを使います。1枚のミラーは100層超の材料でできていて、最大のものは直径約1 m、表面は「数十ピコメートル」まで平滑と説明されています 事実。 積層の材料名や、膜の欠陥の許容量は、参照した資料に載っていません。
もう1つの鍵はレジストです。解像度の式は光学の話ですが、実際に10 nm台のパターンを作るには、光に反応する膜の側の性能が効きます。 公式ページのスループットは、NXE:3800Eが照射量30 mJ/cm²、EXE:5200Bが50 mJ/cm²の条件で示されています(照射量はレジストに当てる光の量)。 EUV光子1個のエネルギーは約91.8 eV(E = hc/λ、λ=13.5 nm)で、30 mJ/cm²は1 nm²あたり約20個、50 mJ/cm²は約34個の光子に相当します 本稿の計算(膜に入る光子の数で、吸収される数は膜の吸収率による)。 10 nm角の領域に入る光子は約2,000〜3,400個で、個数のばらつき(ショットノイズ)がパターンの線の揺らぎに直接効く、という一般的な物理の説明が成り立ちます。 imecとの共同リリースでは、金属酸化物レジストで10 nmの密なラインを印刷したとされています。 レジストの材料の詳細や、2つの照射量の差が何に由来するかは、参照した資料では確認できません。2つの装置のスループットは条件が違うため、並べて優劣を言うことはできません。
さらに、マスクを粉塵から守るペリクルは、EUVでは光を通す薄膜でなければなりません。Mitsui Chemicalsは、CNTを膜材料にしたペリクルについて、EUV透過率92%以上、1 kW超の露光出力に耐える光耐性を目標とすると説明しています(同社の公表。未確定/将来)。
11. この企業が抱えるリスク
| リスク | 内容 | 区分 |
|---|---|---|
| 顧客の集中 | 2025年は、4社が各10%超で合計61.2%、最大の顧客1社が23.9%、上位2社で38.0%を占めた。顧客の投資計画の変更の影響が大きい | 事実 |
| 光学系の供給元が1社 | レンズ・ミラー・集光器などの光学部品はCarl Zeiss SMTのみから調達し、独占的な取り決めがある。同社が生産を維持・拡大できないと、受注に応えられない。20-Fは、同社が供給をやめた場合や長期間生産できない場合は、事業の継続が事実上できなくなると記載 | 事実 |
| 輸出管理・貿易措置 | EUV装置と一部のDUV液浸装置は、オランダ・米国などの法令で輸出許可が必要。オランダは2025年1月15日に、一部の計測・検査装置まで許可の対象を拡大。EUは2025年11月に、オランダの国内規制の一部をEUの管理リストに取り込み、全加盟国に拡大(ASMLは、対象の液浸装置は従来から許可が必要だったため変更はないと説明)。米国商務省が2025年10月1日に導入した「50%ルール(関連会社を含める拡大)」は、2026年11月10日までの1年間、実施が停止されている。中国の顧客の割合は2025年の売上の29.1%(2024年は36.1%) | 事実(段階:施行済み/停止中を区別) |
| レアアースなど重要材料の規制 | 中国は2025年にレアアースの輸出規制を導入し、米中の合意で2026年11月10日まで1年間停止。ASMLは装置の磁石への影響を点検し、現時点で顧客への重大な影響はないと説明 | 事実(停止中) |
| 需要の変動と生産能力の投資 | 顧客の設備投資が減ると売上・利益が下がる。逆に、生産能力を増やしても需要が追いつかない場合は、投資の損失につながると20-Fが記載。2026年にEUV約65台、2027年はさらに30%の計画は、需要が前提 | 事実/計画:未確定/将来 |
| 地政学(台湾など) | 20-Fは、製造・供給・顧客の拠点が台湾などにあり、地域の政治情勢が事業に影響しうると記載(台湾の従業員は4,548人) | 事実(会社の記載) |
| 技術の進展の不確実さ | High NAの量産での使用開始は2027年を見込むが、顧客ごとの導入や、レジスト・マスクなど周辺の準備状況は外部から確認できない | 未確定/将来 |
12. 用語集
- リソグラフィ
- 光で回路のパターンをウエハー上の感光膜に焼き付ける工程。本シリーズの技術解説「リソグラフィとEUV」を参照。
- EUV/DUV
- EUVは極端紫外線(波長13.5 nm)、DUVは深紫外線(ArFは193 nm、KrFは248 nm)。
- NA(開口数)/High NA
- 光学系が光を集める能力の指標。EUVではNA 0.33の装置と、NA 0.55の「High NA」装置がある。
- レイリーの式(CD = k1・λ/NA)
- 解像度(最小寸法CD)を決める式。λは波長、k1はプロセス側の係数で、物理限界は0.25(ASMLの説明)。
- 解像度(CD)
- 印刷できる最小の寸法。本稿の「13 nm」「8 nm」はASMLの公称値で、k1などの条件は公式ページに記載がない。
- レジスト
- 光で性質が変わる感光膜。パターンの基になる。本シリーズの技術解説「レジストとフォトマスク」を参照。
- ペリクル
- マスク(レチクル)を粉塵から守る薄い膜。EUVでは光を通す必要がある。
- 液浸
- レンズとウエハーの間に水を満たして、NAを1より大きくする方式。
- スループット(WPH)
- 1時間に処理するウエハーの枚数。照射量などの条件とセットで読む。
- 照射量(mJ/cm²)
- レジストに当てる光のエネルギー(1平方センチメートルあたり)。
- マルチパターニング
- 1層のパターンを複数回の露光とエッチングで作る方法。EUVは1回の露光で置き換えることを目指す。
- OPC(光学近接効果補正)
- 光の回折でパターンがゆがむ分を、マスク側で補正する計算。

13. 出典
- ASML Form 20-F(2025年12月期。2026年2月25日提出。年次報告書2025を含む)。会社概要、EUV装置の売上・台数、研究開発費、従業員、顧客集中、輸出管理、Carl Zeiss SMTとの関係、提携先。 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/937966/000162828026011378/asml-20251231.htm
- ASML Form 6-K 添付のプレスリリース「ASML reports €9.3 billion total net sales and €2.9 billion net income in Q2 2026」(2026年7月15日)。第2四半期の実績、2026年の見通し、EUV・DUVの生産能力の計画。 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/937966/000162828026048235/pressreleasefinancialresul.htm
- ASML Statutory Interim Report 2026(2026年上半期。同じ6-Kに添付)。技術別の売上(EXE・NXEの台数と金額)、研究開発の内容。 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/937966/000162828026048235/statutoryinterimreport20.htm
- ASML 公式サイト「EUV lithography systems」。NXE・EXEの解像度・NA・光源の説明。 https://www.asml.com/en/products/euv-lithography-systems
- ASML 公式サイト「TWINSCAN NXE:3800E」。波長、解像度、NA、スループット(30 mJ/cm²での条件)。 https://www.asml.com/en/products/euv-lithography-systems/twinscan-nxe-3800e
- ASML 公式サイト「TWINSCAN EXE:5200B」。波長、解像度、NA、スループット(50 mJ/cm²での条件)。 https://www.asml.com/en/products/euv-lithography-systems/twinscan-exe-5200b
- ASML 公式サイト「Light and lasers」。EUV光源(溶融スズ液滴とレーザー)、各世代の波長と最小寸法。 https://www.asml.com/en/technology/lithography-principles/light-and-lasers
- ASML 公式サイト「Lenses & mirrors」。EUVの多層膜ミラー、表面の平滑さ、NA。 https://www.asml.com/en/technology/lithography-principles/lenses-and-mirrors
- ASML 公式サイト「The Rayleigh criterion」。解像度の式 CD = k1・λ/NA、k1の物理限界0.25。 https://www.asml.com/en/technology/lithography-principles/rayleigh-criterion
- ASML 公式サイト「History」。1984年の設立、EUVの歴代装置、Cymerの買収、High NAの初出荷。 https://www.asml.com/en/company/about-asml/history
- imec(ASMLと共同) プレスリリース「ASML and imec open joint High NA EUV Lithography Lab」(2024年6月3日)。共同研究拠点の開所、金属酸化物レジストでの10 nmライン。 https://www.imec-int.com/en/press/asml-and-imec-open-joint-high-na-euv-lithography-lab-offering-early-development-platform
- Mitsui Chemicals ニュースリリース「ASML and Mitsui Chemicals Sign License Agreement for EUV pellicle business」(2019年5月31日)。ASMLからのEUVペリクル事業のライセンス。 https://jp.mitsuichemicals.com/en/release/2019/2019_0531_01/index.htm
- Mitsui Chemicals ニュースリリース「Mitsui Chemicals Sets up Production Facilities for CNT Pellicles to Be Used in Next-Gen EUV Lithography」(2024年5月28日)。CNTペリクルの量産設備。 https://jp.mitsuichemicals.com/en/release/2024/2024_0528_1/index.htm
- ASML 公式サイト(ロゴ画像の取得元。サイトのロゴ用SVGの図形を単独のSVGにして使用)。 https://www.asml.com/images/icons/asml-logo.svg
- ASML 公式サイト「TWINSCAN EXE:5000」。波長、解像度、NA、スループット(50 mJ/cm²での条件)。 https://www.asml.com/en/products/euv-lithography-systems/twinscan-exe-5000
- ASM International Annual Report 2025(2026年3月12日公表)。ASMの沿革(1980年代半ばのリソグラフィ合弁、1988年の持分売却)の記述。 https://www.asm.com/media/3skhiimk/asm-2025-annual-report.pdf
14. 主張と出典の対応表
| 本文の主張 | 区分 | 出典 |
|---|---|---|
| ASML Holding N.V.はオランダ法人で、本社はVeldhoven。Euronext AmsterdamとNasdaqに上場(ASML) | 事実 | 会社の公式資料の記載。 出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/937966/000162828026011378/asml-20251231.htm 出典2 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/937966/000162828026048235/pressreleasefinancialresul.htm |
| 2025年の売上326.673億ユーロ(2024年282.629億)、装置の売上244.743億ユーロ、サービス・機能追加の売上81.930億ユーロ、営業利益113.014億ユーロ、純利益96.094億ユーロ、研究開発費46.988億ユーロ(売上の14.4%)、有形固定資産の購入15.736億ユーロ | 事実 | 出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/937966/000162828026011378/asml-20251231.htm |
| 従業員は2025年末で44,175人(人数)、44,000人超(FTE)。国別はオランダ23,707人、米国8,242人、台湾4,548人。2026年7月時点は44,500人超(FTE) | 事実 | 出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/937966/000162828026011378/asml-20251231.htm 出典2 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/937966/000162828026048235/pressreleasefinancialresul.htm |
| 技術別の売上:2025年はEXE 4台/1,156.9百万ユーロ、NXE 44台/10,445.8、ArF液浸131台/10,311.4、計測・検査208台/824.6、合計535台/24,474.3。2024年はEXE 2台/465.0、NXE 42台/7,856.4。台数は売上計上ベース | 事実 | 出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/937966/000162828026011378/asml-20251231.htm |
| 2026年上半期:EXE 3台/1,188.9百万ユーロ、NXE 29台/6,708.5、ArF液浸40台/3,331.7、合計274台/12,844.2(前年同期はEXE 1台/273.8、NXE 24台/5,593.2) | 事実 | 出典3 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/937966/000162828026048235/statutoryinterimreport20.htm |
| EUV合計:2025年48台/11,602.7百万ユーロ、2024年44台/8,321.4、2026年上半期32台/7,897.4。装置の売上の約47%、売上全体の約36% | 本稿の計算 | 本稿の計算。NXEとEXEを足した。11,602.7÷24,474.3=47.4%、11,602.7÷32,667.3=35.5%。元の数値は出典1・3。 出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/937966/000162828026011378/asml-20251231.htm 出典3 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/937966/000162828026048235/statutoryinterimreport20.htm |
| 顧客集中:2025年は4社が各10%超で合計61.2%(200億ユーロ)、最大の顧客は23.9%、上位2社で38.0%。中国の顧客は売上の29.1%(2024年36.1%) | 事実 | 出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/937966/000162828026011378/asml-20251231.htm |
| EUV装置の性能:波長13.5 nm、NXEは解像度13 nm・NA 0.33、EXEは解像度8 nm・NA 0.55 | 事実 | メーカー公称。解像度のk1などの条件は記載なし。 出典4 https://www.asml.com/en/products/euv-lithography-systems 出典5 https://www.asml.com/en/products/euv-lithography-systems/twinscan-nxe-3800e 出典6 https://www.asml.com/en/products/euv-lithography-systems/twinscan-exe-5200b |
| NXE:3800E:毎時220枚以上(照射量30 mJ/cm²)。NXE:3600Dより37%向上。2025年に仕様どおりで出荷 | 事実 | メーカー公称。 出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/937966/000162828026011378/asml-20251231.htm 出典5 https://www.asml.com/en/products/euv-lithography-systems/twinscan-nxe-3800e |
| EXE:5200B:毎時175枚以上(照射量50 mJ/cm²)。EXE:5000より60%高い生産性。2025年4月上旬に初号機を出荷。EXE:5000は毎時110枚以上(50 mJ/cm²) | 事実 | メーカー公称。 出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/937966/000162828026011378/asml-20251231.htm 出典6 https://www.asml.com/en/products/euv-lithography-systems/twinscan-exe-5200b 出典15 https://www.asml.com/en/products/euv-lithography-systems/twinscan-exe-5000 |
| EXEの量産での使用開始は2027年を見込む | 未確定/将来 | 会社の見通し。 出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/937966/000162828026011378/asml-20251231.htm |
| 2026年の見通し:売上430〜450億ユーロ、粗利益率54〜56%(2026年7月15日)。第3四半期は110〜120億ユーロ。2026年のEUV(0.33 NA)の生産能力は約65台で、2027年に30%上乗せ、2028年はさらに30%を検討。DUV液浸は約130台で同様 | 未確定/将来 | 会社の見通し。 出典2 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/937966/000162828026048235/pressreleasefinancialresul.htm |
| 2026年2月時点の見通し:売上340〜390億ユーロ。2030年の売上の機会440〜600億ユーロ(粗利益率56〜60%) | 未確定/将来 | 会社の見通し。 出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/937966/000162828026011378/asml-20251231.htm |
| 解像度の式 CD = k1・λ/NA。k1の物理限界は0.25 | 事実 | 出典9 https://www.asml.com/en/technology/lithography-principles/rayleigh-criterion |
| 光源:CO₂レーザーでスズ液滴を蒸発させる。直径約25 µmの溶融スズ液滴、毎秒70 m、毎秒5万回。EUV波長は13.5 nmでDUVの14倍以上短い | 事実 | 会社の説明。 出典7 https://www.asml.com/en/technology/lithography-principles/light-and-lasers 出典4 https://www.asml.com/en/products/euv-lithography-systems |
| EUVのミラー:100層超、最大で直径約1 m、数十ピコメートルまで平滑。EUVはほとんどの材料に吸収されるためレンズが使えない。位置は1 nm以内に合わせる | 事実 | 会社の説明。 出典8 https://www.asml.com/en/technology/lithography-principles/lenses-and-mirrors |
| EUV光子のエネルギー約91.8 eV(hc/λ)、30 mJ/cm²は約20個/nm²、50 mJ/cm²は約34個/nm²、10 nm角で約2,000〜3,400個 | 本稿の計算 | 本稿の計算。E=1239.84 eV・nm÷13.5 nm=91.8 eV=1.47×10⁻¹⁷ J。0.030 J/cm²÷1.47×10⁻¹⁷ J=2.04×10¹⁵個/cm²=20.4個/nm²。50 mJ/cm²は34個/nm²。レジストへの吸収率は考慮していない。 |
| ショットノイズがパターンの揺らぎに影響する、という説明 | 事実 | 一般的な物理の解説。会社の資料の記述ではない。 出典9 https://www.asml.com/en/technology/lithography-principles/rayleigh-criterion |
| Carl Zeiss SMT Holdingの24.9%を2017年6月29日に取得(持分法)。光学系の唯一の供給元。2021年・2024年に各最大10億ユーロの貸付契約、2025年にも貸付。High NA向け研究開発の資金提供は2025年に22.5百万ユーロ | 事実 | 出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/937966/000162828026011378/asml-20251231.htm |
| 2013年にCymerを買収。2010年にEUV試作機(NXE:3100)を出荷。2023年にHigh NAの初号機を出荷。2020年に量産段階で100台の出荷。1984年設立、1986年にZeissとの協力関係 | 事実 | 出典10 https://www.asml.com/en/company/about-asml/history |
| 2024年6月3日、imecとHigh NA EUV Lithography Labを開所。EXE:5000を設置。金属酸化物レジストに10 nmの密なライン(ピッチ20 nm)を印刷。量産の使用開始は2025〜2026年と見込まれていた(2024年6月時点。2025年の年次報告書は2027年と記載) | 事実 | imecとの共同リリース。 出典11 https://www.imec-int.com/en/press/asml-and-imec-open-joint-high-na-euv-lithography-lab-offering-early-development-platform |
| 2025年3月、imecと5年間の戦略的連携に署名。主な連携先:各工科大学、ARCNL、TNO、CEA-Leti、Fraunhofer、imec。EU・加盟国が助成する共同研究に参加 | 事実 | 出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/937966/000162828026011378/asml-20251231.htm |
| 2019年5月31日、Mitsui ChemicalsとEUVペリクルのライセンス契約。ASMLが商用のEUVペリクルを開発した唯一のメーカーと同社が説明。ASMLは技術開発を続ける | 事実 | Mitsui Chemicalsの発表。 出典12 https://jp.mitsuichemicals.com/en/release/2019/2019_0531_01/index.htm |
| Mitsui ChemicalsのCNTペリクルの量産設備:岩国・大竹工場、年産5,000枚、建設完了は2025年12月(予定)、EUV透過率92%以上・1 kW超の露光出力に耐えることを目標 | 未確定/将来 | Mitsui Chemicalsの計画・目標。ASMLの技術かは記載なし。 出典13 https://jp.mitsuichemicals.com/en/release/2024/2024_0528_1/index.htm |
| 輸出管理:EUV装置は輸出許可が必要。オランダは2025年1月15日に対象拡大。EUは2025年11月に管理リストに取り込み。米国の50%ルールは2026年11月10日まで停止。中国のレアアース規制も同日まで停止 | 事実 | 出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/937966/000162828026011378/asml-20251231.htm |
| Mistralへの投資13.022億ユーロ(2025年)。ナノ加工とは直接関係しない | 事実 | 出典1 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/937966/000162828026011378/asml-20251231.htm |
| EUV装置単独の利益・研究開発費・人員、EXEの顧客名・台数、NXE:3800F・NXE:4200Gの仕様、ASMLが受ける公的資金の個別の額 | 未確定/将来 | 参照した資料に記載なし。確認できず。本稿では推計しない(見通し)。 |
| 4類型の区分と企業名の例示 | 本稿の計算 | 本稿による整理。企業名は本シリーズで扱う企業から例示。 |
| 「ASMLの装置の性能は、材料側の進歩と切り離せない」という整理 | 本稿の計算 | 本稿の整理。解像度の式(出典9)と、imecとの共同リリース(出典11)からの解釈。 |
| ASMLは、装置の価値の一部として、周辺の材料・部材の供給網の整備を重視しているという読み | 推測 | imecとの共同リリース、Mitsui Chemicalsとのライセンスからの本稿の解釈。 出典11 https://www.imec-int.com/en/press/asml-and-imec-open-joint-high-na-euv-lithography-lab-offering-early-development-platform 出典12 https://jp.mitsuichemicals.com/en/release/2019/2019_0531_01/index.htm |
| 1984年にPhilipsとASMIがASM Lithographyを設立。ASM Internationalは1988年にASMLの持分を売却した(ASMIは現在のASM International) | 事実 | 出典10 https://www.asml.com/en/company/about-asml/history 出典16 https://www.asm.com/media/3skhiimk/asm-2025-annual-report.pdf |
| ロゴ画像は、公式サイトのロゴ用SVGの図形を単独のSVGにしたもの | 事実 | 出典14 https://www.asml.com/images/icons/asml-logo.svg |
最終更新:2026年10月9日/Troy Technical
本稿の数値は、ASMLが米国証券取引委員会(SEC)に提出した法定開示書類(Form 20-F、Form 6-K)、公式サイトの製品・技術ページ、imecおよびMitsui Chemicalsの公式リリースに基づきます。調査会社の推計値・報道ベースの数値は使用していません。装置の性能値(解像度・スループット)はメーカー公称で、条件が異なる値を並べて優劣を示すものではありません。会社の見通し・計画は会社の説明であり、第三者の検証を経たものではありません。「推測」と記した箇所は、一次情報から本稿が読み取った解釈であり、会社の公表内容ではありません。