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ユミコア 企業解説

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COMPANY PROFILE / 水素エネルギー

ユミコア
― 燃料電池と水電解に使う白金・イリジウムの触媒粉末を、金属の精錬とリサイクルまで含めて作る素材会社

Umicore(ユミコア)は、ベルギーに本社を置く素材・リサイクル会社です。事業の中心は、自動車の排ガス浄化触媒、貴金属を含む廃棄物の精錬・リサイクル、半導体や光学向けの特殊材料などで、水素は一部です。 水素に直接関わるのは、触媒部門(Catalysis)の中のFuel Cell & Stationary Catalysts(燃料電池・定置用触媒)事業のうち、固体高分子形燃料電池(PEFC)用の触媒粉末と、水電解向けの白金・イリジウム系触媒です。 同社は約30年の燃料電池触媒の製造経験があると説明し、ドイツ、韓国に生産拠点を持ち、中国・常熟市に建設した新工場が2026年に生産を始めたと、2026年7月31日の決算発表で述べています。 一方、この事業単独の売上・利益は開示されておらず、同社は「中国での水素技術の採用が予想より遅れている」ため、燃料電池触媒の需要は低調だと説明しています。 本稿は、年次報告書・決算発表・公式のプレスリリース・製品ページから、何を確認でき、何を確認できなかったかを整理し、素材技術者の視点で触媒粉末の何が効くかを書きます。

構成:Annual Report 2025(2026年公開)、2025年通期決算の発表と説明資料(2026年2月20日)、2026年上期決算の発表と説明資料(2026年7月31日)、Annual Report 2024、常熟工場に関する公式発表(2022年7月・2023年12月)と2024年の公式記事、2018年の韓国工場の公式発表、フラウンホーファーIWKSの公開資料、公式の製品ページを一次情報として使用/最終更新 2026年10月

この記事でわかること
  1. 30秒でわかるUmicoreと、水素エネルギーでの立ち位置
  2. ロゴと社名の表記について
  3. 水素エネルギーの世界で、この会社はどこにいるか
  4. 会社の規模
  5. 水素エネルギーにかけているリソース
  6. これまでの取り組み
  7. 今後の計画
  8. この会社は水素エネルギーで何を目指しているか
  9. 水素エネルギー分野の提携マッピング
  10. 提供している技術・製品・サービス
  11. この企業が抱えるリスク
  12. 用語集
  13. 出典
  14. 主張と出典の対応表

1. 30秒でわかるユミコアと、水素エネルギーでの立ち位置

正式名称Umicore NV/SA
(ユミコア)
旧Union Minièreから発展した会社。年次報告書による
本社ベルギー・ブリュッセル
Rue du Marais 31
登記上の所在地(年次報告書)
上場Euronext Brussels
(ブリュッセル)
年次報告書が自社株の取引市場として記載
この分野での類型材料・部品
(燃料電池・水電解用の触媒)
PEFC用のPt/C、PtCo/C、Ir系触媒の粉末が中心。装置・膜・MEAは作らない
中心となる技術・対象PEFC用触媒粉末
(製品名 Elyst)
白金のカーボン担持品と白金コバルト合金、酸化イリジウムの担持品
連結売上(金属除く)€3,562 million2025年12月期。触媒部門は€1,668 million(約47%)
燃料電池・定置用触媒の売上非開示2025年は「前年並み」、2026年上期は「前年同期より減少」との記述のみ
従業員(連結)11,230人2025年末。うち触媒部門は2,806人。水素の事業単独は非開示
まず押さえるべき1点

Umicoreは水素の会社ではなく、水素関連は触媒部門の中の小さな事業です。同社の開示は事業単位(Business Unit)までしかなく、 燃料電池触媒と、排ガス用の「定置用触媒」(データセンター向けなど)が一緒に報告されます 事実。 そのため、水素に関わる売上・利益・従業員数は、公開資料からは切り出せません 未確定/将来。 確認できるのは方向性です。中国・常熟の新工場(同社は完成時に「世界最大の燃料電池触媒の生産設備」になる見込みと説明)は2026年に生産を始めた一方、 2026年上期は中国での需要が低調で、立上げ費用が利益を押し下げたと同社は説明しています。 需要が立ち上がる前に生産能力を用意する局面にある、というのが現時点の姿です。

2. ロゴと社名の表記について

ロゴは同社の公式サイト(umicore.com)のヘッダーに埋め込まれているロゴ(umicore の文字とマーク)を取り出して設置しています。形状は公式のままで、色のみ、本稿の背景に合わせて濃紺を指定しました(公式サイトは文字色に合わせて色を変える実装です)。生成画像による再現は行っていません。

表記の注意:社名は Umicore(日本語では「ユミコア」。カタカナは本稿の便宜表記)で、法人名は Umicore NV/SA です。 水素に関わる事業単位は、Fuel Cell & Stationary Catalysts(燃料電池・定置用触媒、2020年に発足と同社が説明)で、触媒部門(Catalysis)に属します。 製品名の Elyst は同社の燃料電池・水電解用触媒の製品群の名称で、会社名ではありません。 中国の生産子会社は Umicore Fuel Cell Catalyst (China) Co., Ltd.(100%出資、年次報告書の子会社一覧)です。

公式サイト:https://www.umicore.com/en/

3. 水素エネルギーの世界で、この会社はどこにいるか

水素エネルギーに関わる企業の4つの類型 同じ「水素の会社」でも、つくる・運ぶ・使う・素材を作るで、強みと売り先が違う 水電解装置 燃料電池・利用機器 ガス・大型案件 材料・部品 水から水素をつくる 水素を電気や動力に変える 水素を大量に作り運ぶ 膜や触媒の素材を供給 nucera/ITM Power Plug Power/Nel Ballard/Bloom Energy トヨタ/川崎重工業 Air Products/Linde Air Liquide/ACWA Chemours/AGC Johnson Matthey ほか 装置の実績と量産体制 用途ごとの製品と実績 ガス供給網と資金力 素材性能と品質の安定 案件と政策に左右 用途の立ち上がりに左右 巨額投資の回収に左右 完成品の需要に左右 Umicoreは右端の「材料・部品」。燃料電池と水電解に使う白金・イリジウムの触媒粉末を作る 水素関連の売上は非開示。中国・常熟の新工場は2026年に生産を開始したが、需要は低調と説明
図1 水素エネルギーに関わる企業の4類型と、Umicoreの位置づけ。区分は本稿によるもので、企業名は本シリーズで扱う企業から例示しています 本稿の計算。Umicoreが燃料電池・水電解向けの触媒を手がけていることは、同社の年次報告書と公式の製品ページに基づきます。

Umicoreの主たる類型は材料・部品です。扱う方式・用途は、固体高分子形燃料電池(PEFC)と、PEM水電解の触媒です。 同社の公式ページは、燃料電池触媒の粉末が「水電解装置の用途にも適している」と説明しています。アルカリ水電解・AEM水電解・固体酸化物形向けの製品は、水素の製品として確認できませんでした。 どの材料・用途が中心かを、同社の資料で確認できた範囲で整理します。

材料・用途Umicoreでの位置づけ確認できた一次情報区分
PEFC用の触媒粉末(Pt/C、PtCo/C)水素関連の中心。製品一覧にPt/C(白金20〜50%)とPtCo合金/C(30・50%)を掲載。生産はドイツ・ハーナウ、韓国、中国(新設)製品ページ、年次報告書、公式発表事実
水電解向けの触媒(白金・イリジウム)グリーン水素向けに白金・イリジウム系の触媒を開発と説明。製品一覧には酸化イリジウムの担持品(Ir75、イリジウム75%)。電解触媒はドイツで製造を続けると2024年の記事が説明。売上は非開示製品ページ、市場別ページ、公式記事事実(会社の説明)
使用済み触媒・工程屑のリサイクル燃料電池触媒の使用済み品と製造時の屑を処理して白金などを回収していると説明。ただし燃料電池・電解装置の市場がまだ小さく、水素用の廃棄物を分けて処理する流れは現時点でないと同社が記述公式の循環に関する記事事実(会社の説明)
定置用の排ガス浄化触媒同じ事業単位に含まれるが、発電機・船舶・産業の排ガス用で、水素の製品ではない。データセンター向けが増えていると説明決算発表事実
自動車の排ガス浄化触媒触媒部門で最大の事業。水素ではないため本稿では扱わない年次報告書事実
燃料電池システム・電解装置・膜・MEA、液状有機水素キャリア(LOHC)MEAや膜の製造は確認できず。製品ページにLOHC技術へのリンクがあるが、内容は本稿では確認できなかった―未確定/将来

4. 会社の規模

Umicoreは上場企業で、連結の財務は年次報告書で開示されています。会社全体の規模を簡潔に示し、水素に関わる事業単位は「開示の範囲」を明示します 事実。会計年度は暦年(2025年1〜12月)です。

項目(連結、2025年12月期)内容
売上(金属を除く)€3,562 million(前期 €3,461 million)。「Turnover」(金属を含む)は €19,374 million
調整後EBITDA/EBIT€847 million(前期 €763 million)/€579 million(前期 €478 million)。純利益(親会社持分)€385 million(前期は€1,480 millionの赤字)
R&D費・設備投資R&D費 €206 million(前期 €258 million)、設備投資 €310 million(前期 €555 million)。設備投資には「燃料電池・定置用触媒事業の中国のPEM燃料電池工場」への投資を含むと記載
従業員2025年末の連結従業員 11,230人(前期 11,581人)。持分法・共同支配の会社に別途 2,094人
事業の構成触媒(Catalysis)、リサイクル(Recycling)、特殊材料(Specialty Materials)、電池材料(Battery Materials Solutions)
本社・上場ブリュッセル。Euronext Brussels
触媒部門(Catalysis)2024年2025年
売上(金属を除く)€1,666 million€1,668 million(連結の約47%。本稿の計算 1,668 ÷ 3,562)
調整後EBITDA/EBIT€431 million/€362 million€450 million/€383 million
R&D費/設備投資€105 million/€78 million€86 million/€65 million
従業員(期末、連結)2,933人2,806人
事業単位ごとの売上自動車触媒、貴金属化学品、燃料電池・定置用触媒の金額は非開示。「燃料電池・定置用触媒は前年並み(2025年)」「前年同期より減少(2026年上期)」の記述のみ
ここで注意

2026年上期(1〜6月)の触媒部門は、売上が€883 million(前年同期比1%増)、調整後EBITDAが€250 million(8%増)と好調でしたが、その要因として同社が挙げるのは自動車触媒と貴金属化学品で、 燃料電池・定置用触媒は「売上は前年同期より減少、調整後EBITDAも減少」でした 事実。 同社は、PEM燃料電池触媒の需要が「中国での水素技術の採用が予想より遅れている」ため低調なこと、常熟の新工場の立上げ費用、定置用触媒の旧契約の影響を挙げています。定置用触媒はデータセンター向けの数量が増えています。 つまり、同じ事業単位の中で、水素に関わる部分と排ガス用の部分の動きが逆向きになっています。水素側の金額は開示されていません 未確定/将来。

5. 水素エネルギーにかけているリソース

水素に関わる人員・投資は、事業単位の数字として開示されていません。人・金・外部・大学の4点で、確認できたか/できなかったかを整理します。

項目確認できた内容区分
人(研究開発拠点・人員)触媒部門の従業員は2,806人(2025年末)。燃料電池・定置用触媒の事業単位の本部は上海で、製造・試験の拠点は中国、米国、ドイツ、デンマーク、韓国と同社が説明。燃料電池触媒の生産拠点はハーナウ(ドイツ)と仁川(韓国)で、研究・応用技術の拠点は仁川、東京、蘇州、オーレン(ベルギー)、コペンハーゲン、ハーナウ(2023年12月時点)。水素に限った人員数は非公表事実/非公表
金(研究開発費・設備投資)触媒部門のR&D費は€86 million、設備投資は€65 million(2025年。自動車触媒を含む)。グループの設備投資には中国のPEM燃料電池工場を含むと記載。2018年の韓国工場は「low double-digit million euro(2桁台前半の百万ユーロ)」の投資と同社が発表。常熟工場の投資額、水素に限ったR&D費は確認できなかった事実/確認できず(個別額)
外部への出資・買収・合弁・事業売却水素に関わる買収・合弁・出資・事業売却は確認できなかった。2018年の韓国の増設は「Hyundai Motor Groupなどの自動車顧客の成長を支える」ためと発表。大手自動車メーカーとの「緊密な共同開発契約」は社名を示していない。中国の生産会社は100%子会社確認できず(出資・合弁)/事実(増設・子会社)
大学・研究機関・公的資金水素・燃料電池の協力プロジェクト H2anau(ドイツ・ハーナウ、約3年)に、Evonik、Heraeus、フラウンホーファーIWKSなどと参加し、ヘッセン州とEUの欧州地域開発基金(ERDF)の資金を受けた(2021年1月に結果を発表)。常熟の工場では地方政府から優遇措置を受け、蘇州市の「重点プロジェクト」になったと同社が説明。事業単位は「主要な大学や産業パートナーと次世代技術を共同研究」と一般的に説明。NEDO、Clean Hydrogen Partnership、IPCEIなど個別の公的資金の案件は確認できなかった事実/確認できず(個別案件)

主要プロジェクトの状況

Umicoreは装置メーカーではないため、プロジェクトは触媒の生産設備が中心です。生産量(トン/年)や投資額は公式資料で確認できませんでした。

案件場所規模段階日付・出典
PEM燃料電池触媒の新工場中国・江蘇省 常熟市(蘇州)当初は小規模から段階的に拡大。完成時に「世界最大のPEM触媒生産設備」となる見込みと同社が説明。生産能力・投資額は非開示稼働(生産を開始)。2022年7月に建設を発表(当時は2024年末に稼働の見込み)→2023年12月に起工式(2026年初頭の稼働見込み)→2025年は「完成間近」→2026年7月に「生産を開始」2022年7月7日、2023年12月5日、2024年4月、2026年2月20日・7月31日
韓国の燃料電池触媒工場韓国(ソウル近郊・仁川)low double-digit million euro(2桁台前半の百万ユーロ)の投資と発表2018年に増設を発表(2019年末に稼働、2020年末に本格稼働の見込み)。2022年以降の公式資料で、仁川に生産設備があると記載2018年12月17日、2022年7月
ドイツ・ハーナウの触媒生産ドイツ非開示稼働中。常熟が立ち上がるまでの間、ハーナウで燃料電池触媒と水電解触媒の生産を続けると説明2024年4月の公式記事

6. これまでの取り組み

時期できごと意味
約30年前〜燃料電池触媒の製造と開発を約30年続けてきたと同社が説明(2022年・2023年・2024年の資料。開始年の明示は確認できなかった)長い製造実績(同社の説明)
2018年12月韓国で燃料電池触媒の生産を増設すると発表。Hyundai Motor Groupなどの自動車顧客の成長を支えるため。ドイツ・ハーナウの既存設備と合わせて世界の自動車顧客に対応最初の大型の増設(アジア)
2018〜2021年H2anauプロジェクト(ドイツ・ハーナウ)に参加。燃料電池搭載の配送車7台が計12万kmを走行。ヘッセン州とEUの資金を受けた地域の水素・燃料電池クラスターでの協力
2020年Fuel Cell & Stationary Catalysts事業単位を発足(本部は上海)。2020年末ごろから中国での事業立上げを開始と責任者が説明中国を成長市場と位置づけた
2022年7月7日中国・常熟に大規模な燃料電池触媒工場を建設すると発表(2024年末に稼働の見込み)。使用済み触媒のリサイクルも言及中国での大規模生産を決定
2023年12月1日常熟工場の起工式(発表は12月5日)。稼働は2026年初頭の見込みに建設の開始(稼働時期は後ろ倒し)
2024年燃料電池触媒の受注は、アジアの市場の鈍化を反映して前年より減少。下期には中国で数量が回復し始めたと説明。常熟の建設は順調と説明需要は底を打つ兆しがあったが、弱い
2025年燃料電池・定置用触媒の売上は前年並み。燃料電池触媒は韓国の需要が改善、中国は低調。常熟は完成間近、2026年中に生産を拡大する見込み。2025年3月に新戦略「CORE」を開始し、触媒部門で「燃料電池触媒の新たな成長を取り込む準備ができている」と述べた需要の遅れの一方、生産能力は予定どおり建設
2026年7月31日常熟のPEM燃料電池工場が生産を開始。一方、中国での水素技術の採用が予想より遅く、燃料電池触媒の需要は低調。立上げ費用で調整後EBITDAが減少設備は完成、需要の立ち上がりは待ち

7. 今後の計画

常熟工場小規模から始め、
段階的に能力を増やす
2024年4月の公式記事の説明。2026年中に生産を拡大する見込み(2025年の決算発表)
製品の作り分け韓国は合金触媒、
中国は白金触媒から
同じ生産ラインで混ぜられないため、独立したラインを持つと説明。中国は長期的には両方を生産する計画
触媒部門の2028年目標売上 約€1.8 billion
調整後EBITDA率 約25%
ROCE 35%超。2025〜2028年の累計フリーキャッシュフロー €1.4 billion超。水素に限った目標は非開示
グループの2026年見通し調整後EBITDA
€1 billion を少し上回る
2026年7月31日に上方修正。金属価格は6月の水準が前提。水素に限った見通しは非開示

年次報告書は、触媒部門の戦略を「自動車触媒では成熟市場で価値と利益の質を最大化し、同時に燃料電池触媒市場の新たな成長を取り込む準備ができている(独自の技術、多様な顧客、中国の拠点を土台に)」と書いています 未確定/将来。 一方、燃料電池の売上・数量・シェアの目標、常熟工場の生産能力の計画、水電解向けの増産計画は、公式資料に記載がありません。

確認できなかったこと

次はいずれも一次資料に記載がありません 未確定/将来。

燃料電池・定置用触媒事業の売上・利益・従業員数/水素に限った売上や数量(GW、トン)の目標/常熟工場の生産能力と投資額/顧客名(Hyundai Motor Group以外)と契約内容/白金・イリジウムの使用量(g/kW や g/MW)の公称値/水電解向け触媒の売上/水素事業の売却や撤退の計画(同社は発表していません)。

8. この会社は水素エネルギーで何を目指しているか

ここは会社が直接には述べていない部分を含みます。一次情報から読み取れる範囲の推測として、根拠とともに書きます。

読み取れること根拠となる一次情報区分
中国の水素・燃料電池車の市場が育つことを前提に、需要に先行して生産能力を用意している2022年に建設を発表し、2023年に起工、2026年に生産を開始。2024年の記事は「燃料電池の市場は中国から立ち上がると考える」と説明。一方で2025年・2026年上期は中国の需要が低調と記載事実(会社の説明)
生産能力は小さく始めて段階的に増やす方針で、需要が弱い間の固定費を抑えようとしている2024年の記事:「小規模で始め、能力を徐々に増やす」。設備投資を厳しく管理(グループの設備投資は2024年€555 millionから2025年€310 millionへ)推測
どの技術が主流になるか分からないため、合金触媒と白金触媒の両方を持つ構えを取っている2024年の記事:「どの技術が優勢になるかは言えない」。韓国は合金触媒、中国は白金触媒から開始、長期的には中国でも両方事実(会社の説明)
燃料電池触媒は触媒部門の成長の選択肢で、主な収益源は自動車の排ガス触媒と貴金属関連のままである触媒部門の2028年目標は売上約€1.8 billion(水素に限らない)。2026年上期の増益の要因は自動車触媒と貴金属化学品で、燃料電池は減益推測
貴金属の回収・再利用まで含めて、触媒の価値を高めようとしている公式の記事:白金・イリジウムは高価で、使用量を減らし、使用済みから回収することが重要。使用済み触媒と工程屑からの白金回収を既に実施。燃料電池の膜のリサイクルにも言及事実(会社の説明)
推測の根拠を1つだけ詳しく

「需要に先行して能力を用意している」と読む根拠は、建設の時系列と、同じ時期の需要の記述のずれです。 2022年7月の発表は、燃料電池市場が「2030年に向けて12倍に拡大する」と見込んで(会社の見込み)、2024年末の稼働を目指すと述べました。 2023年12月の起工時には稼働が「2026年初頭」になり、2024年4月の記事は「現在の経済環境のように、道のりには起伏がある」と述べています。 2025年の決算発表は、中国の市場が「低調」なままで、常熟は「完成間近」と書き、2026年7月に生産が始まりました。 同社はこの間、工場の規模を「小さく始めて徐々に増やす」と説明しており、完成から売上への立ち上がりが需要次第であることを自覚していると読めます。 これは公式資料の記述を並べた本稿の解釈であり、同社が能力の利用率や回収の見通しをどう置いているかは、公式資料では確認できません 未確定/将来。

9. 水素エネルギー分野の提携マッピング

Umicoreを中心とした、供給・協力・子会社・公的支援の関係 同社の公式資料に記載のある関係のみ。社名が書かれていない取引先は、そのとおり示す 共同開発・協力 供給 子会社・公的支援 Umicore 燃料電池触媒 Hyundai Motor Group 2018年 韓国の増設で成長を支える 大手自動車メーカー 共同開発の契約あり(社名なし) H2anau(ドイツ・ハーナウ) Evonik/Heraeus/IWKSなど 大学・研究機関 次世代技術の共同研究(個別は不明) Umicore Fuel Cell Catalyst (China) 100%子会社。常熟工場を運営 常熟市・蘇州市の政府 優遇措置、「重点プロジェクト」 自社の精錬・リサイクル 使用済み触媒から白金を回収 燃料電池メーカー(社名なし) 2025年は韓国向けが好調、中国は低調
図2 Umicoreを中心とした供給・協力・子会社・公的支援の関係。出典:同社の公式発表(2018年12月、2022年7月、2023年12月)、2024年の公式記事、年次報告書、フラウンホーファーIWKSの公開資料。図に含めたのは同社が公式資料で述べている関係だけです。Hyundai Motor Groupとの関係は、2018年の発表が「同グループなどの成長を支える」と述べたもので、現在の取引の内容は確認できません。H2anauは2018〜2021年のプロジェクトで、現在は完了しています。

Umicoreの関係の特徴は、水素の顧客の社名がほとんど公開されないことです。名前が出るのは、2018年の韓国の増設の発表にあるHyundai Motor Groupだけで、 その後の資料は「リーディングな自動車メーカー」「グローバルな自動車メーカー」「燃料電池メーカー」と書くにとどまります。 公式の記事は「主要な燃料電池メーカーのベンチマーク材料」と述べますが、メーカー名は示していません。取引先名を伏せる理由は同社の説明がなく、本稿では推測しません。 水素・燃料電池に関する共同開発や供給契約の個別案件、他の素材企業との提携は、公式資料では確認できませんでした 未確定/将来。

10. 提供している技術・製品・サービス

以下は、同社の公式の製品ページ、公式記事、年次報告書の記述です。製品一覧に載るのは組成の分類(担持金属、担持体、理論金属含有率、金属純度)だけで、 触媒の粒径、比表面積、活性、耐久性、白金・イリジウムの使用量などの性能値は、公開ページに見当たりませんので、性能値は書きません 未確定/将来。

製品・サービス同社ページの記述(会社の説明)
Elyst Pt20 0390/Pt50 0380/Pt50 0550
(白金のカーボン担持品、Pt/C)
Pt/C。理論金属含有率はそれぞれ20%・50%・50%。カソード用(Pt20 0390とPt50 0380はアノード用にも分類)。粉末で黒色、金属純度99.95(単位・測定法の記載なし)
Elyst Pt30 0690/Pt50 0690
(白金コバルト合金のカーボン担持品、PtCo/C)
Pt/Co合金をカーボンブラックに担持。理論金属含有率は30%・50%。カソード用に分類。同社は、韓国では合金触媒に注力し、燃料効率の面で優位になりうると説明
Elyst Ir75 0480/Ir75 0520
(酸化イリジウムの担持品)
Ir75 0480は、酸化イリジウム(IrO₂)を酸化物の担持体に載せた触媒で、理論金属含有率は75%(イリジウム)、金属純度99.95。アノード用に分類。Ir75 0520は詳細ページに仕様の記載が見当たらなかった
水電解向けの白金・イリジウム化学品グリーン水素の製造に向けて、白金とイリジウムの化学品・触媒(PEM触媒を含む)を提供と説明。燃料電池触媒の粉末は電解装置にも適すると説明。電解触媒の生産はドイツで続けると2024年の記事が説明
開発・応用の支援顧客の製品開発の過程で、触媒技術と応用の支援を提供し、顧客の用途に合わせた触媒の設計を行うと説明。製造は顧客の需要の規模に合わせて拡大できる合成プロセスと説明
リサイクル貴金属を含む廃棄物はまず試料を採取して含有量を分析してから処理し、製錬所で貴金属を分離すると説明。燃料電池触媒の使用済み品と製造時の屑から白金などを回収中。水素向けの廃棄物を分ける処理は、市場が小さいため現時点では行っていないが、必要になれば対応可能と説明
素材技術者の視点:触媒粉末で、素材設計の「どこ」が効くか

(1) 貴金属を「少なく、長く」使うことが設計の中心になる。 同社の公式記事は、白金とイリジウムは高価な資源で、供給リスクが高く、使用量を減らし、使用済みから回収することが重要だと述べます。 そのため、貴金属の使用量を最適化する形態と組成の電極触媒を開発している、と説明しています(国際ロードマップに沿って)。 PEFC用の触媒で白金をコバルトと合金にするのは、質量あたりの活性を高めて白金を減らす方向の設計として一般に知られていますが、 同社の公式資料に合金の組成比、粒径、質量活性、耐久性の数値はありません。製品名の数字(0690など)の意味も説明がなく、本稿では解釈しません 未確定/将来。詳しくは、本シリーズの技術解説『白金族金属と触媒』『燃料電池車と固体高分子形燃料電池』を参照してください。

(2) 担体は、触媒の分散と耐久性の両方を左右する。 同社の燃料電池触媒の多くは「カーボンブラック」に白金や白金合金を担持した粉末です。担持体が違うと、貴金属の粒子が散らばる状態や、起動・停止での劣化しやすさが変わります。 酸化イリジウムの触媒は、酸化物の担持体に載せた形で一覧に載っています。イリジウムは特に希少な金属で、担持体に載せて量を減らす設計が意味を持つと考えられますが、 同社は担持体の種類や載せ方、使用量を公開していません 推測。

(3) 合金触媒と白金触媒は「同じラインで混ぜられない」。 同社の責任者は2024年の記事で、合金触媒と白金触媒は同じ生産ラインで混ぜて作れず、独立した生産ラインが必要だと説明しています。 韓国は将来、合金触媒に注力し、中国の新工場は、運転上管理しやすい白金触媒から始める、という分担です。 素材の組成の違いがそのまま設備の分け方、つまり投資の組み方に直結する例です。どの技術が主流になるかは言えないため、両方を持つという説明でした。

(4) 酸化イリジウムは、電解のアノード側の「厳しい環境」に対応する材料。 水電解のアノード(酸素が発生する側)は、高い電位と酸性の水にさらされるため、使える触媒材料が限られ、イリジウム系が使われるのが一般的です(本稿の一般的な整理。同社の製品一覧にもIrO₂の担持品がアノード用として載る)。 金属純度や担持体の種類、使用量が、電解装置のコストと供給の制約に直結すると考えられますが、同社の資料に数値はありません 推測。詳しくは、本シリーズの技術解説『PEM水電解』を参照してください。

フッ素系の膜に関する規制の動向は、本シリーズの技術解説『フッ素樹脂とPFAS』を参照してください。同社の記事は、燃料電池・電解装置にフッ素が含まれ、政策立案者がフッ素化製品の段階的な廃止を求めているため、リサイクル工程でフッ素を捕捉・管理する必要があり、フッ素の受け入れと処理を既に調査中と述べています。具体的な規制名・日付・方法は書かれていません。

11. この企業が抱えるリスク

リスク内容区分
水素事業の損益が見えない燃料電池・定置用触媒の売上・利益・従業員数は非開示。水素に関わる部分と排ガス用の部分が同じ事業単位で報告され、水素側の損益は公開資料から切り出せない未確定/将来
需要の立ち上がりの遅れ2026年上期、PEM燃料電池触媒の需要は「中国での水素技術の採用が予想より遅く」低調と同社が説明。2024年も市場の鈍化で受注が減少。常熟の新工場の立上げ費用が、利益を押し下げた事実(会社の説明)
中国への依存と顧客の集中新工場は中国で、同社は中国が最初に立ち上がると見込んだ。顧客の多くは社名非公表で、燃料電池メーカー・自動車メーカーの数や比率は確認できない。韓国の需要は2025年に改善事実/確認できず
技術の選択の不確実性合金触媒か白金触媒か、どちらが主流になるか同社自身が「言えない」と述べる。ラインを分けて投資するため、一方が主流にならない場合の設備の利用に影響しうる推測
白金・イリジウムの価格と供給触媒の主要材料は白金とイリジウムで、価格と供給は原価に直結する。同社の公式記事も、供給リスクの高さを述べる。使用量や調達の方針の数値は公式資料に確認できず、一般的な指摘にとどめる事実(会社の説明)/推測
競合・顧客の技術変化燃料電池メーカーが貴金属の使用量を大きく減らす、別の触媒材料を採用する、などの変化が起きうる。競合の動向は同社の資料に書かれておらず、本稿は評価しない推測
リサイクルの流れの小ささ燃料電池・電解装置の市場が小さいため、使用済み品の流れが限られ、専用の処理は行っていない。市場が方向を定めれば最適化の余地があると同社は述べる事実(会社の説明)
グループの重心触媒部門の収益の大半は自動車の排ガス触媒。グループは資本配分を厳しく管理しており(設備投資は2024年の€555 millionから2025年の€310 million)、水素への追加投資の計画は確認できない事実/推測
規制・環境フッ素化製品に関する規制の動向がリサイクル工程の設計に影響しうる、と同社が説明。規制名や日付は書かれておらず、本稿は評価しない事実(会社の説明)

12. 用語集

白金族金属(PGM)
白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウムの総称。触媒として使われる高価な金属。
PEFC
固体高分子形燃料電池。水素と酸素から電気を作る。燃料電池車などに使われる。
PEM水電解
プロトン交換膜(固体高分子膜)を使い、水を水素と酸素に分解する方式。
触媒粉末(Pt/C)
カーボンブラックの粒子に白金のナノ粒子を載せた粉末。インクにして膜に塗り、電極の反応層になる。
合金触媒(PtCo/C)
白金とコバルトの合金をカーボンに載せた粉末。質量あたりの活性を高めて白金を減らす狙いで一般に使われる。
酸化イリジウム(IrO₂)
水電解のアノード(酸素発生側)で一般に使われる触媒。イリジウムは希少な金属。
担持体
触媒の貴金属粒子を載せる土台の粒子。カーボンブラックや酸化物が使われる。
アノード/カソード
電解では、アノードで酸素が、カソードで水素が発生する。燃料電池ではアノードで水素が反応する。
理論金属含有率
製品の中に含まれる貴金属の重量割合(計算上の値)。実測値や性能値ではない。
調整後EBITDA
Umicoreが、特別な項目などを除いて示す利益指標。会計上のEBITDAとは別。
ROCE
使った資本に対する利益の割合(Return on Capital Employed)。Umicoreの目標値は同社の定義による。
会社の説明/メーカー公称
メーカー自身が示す説明や性能値。試験条件と版が一緒でないと、他の製品と比べられない。
Umicoreのheroを示す概念画像
図3 Umicoreが供給する燃料電池・水電解用の触媒粉末づくりの場面を表した概念図。カーボンなどの担体に白金やイリジウムの粒子を載せた黒い粉末を、合成・ろ過・乾燥して量り分けるまでの流れ(AI生成による概念図。実際の設備や製品を写したものではありません)。

13. 出典

  1. Umicore Annual Report 2025(公式の統合報告書。公式サイトの報告書ページ)。事業の概要、触媒部門の実績と戦略、主要数値、子会社一覧。 https://reports.umicore.com/2025
  2. Umicore Annual Report 2025(PDF。ドイツ連邦議会のロビー登録簿に提出された同社の報告書の写し。本稿の数値はこのPDFで確認)。 https://www.lobbyregister.bundestag.de/media/a5/78/760796/Umicore-Annual-Report-2025.pdf
  3. Umicore Full Year Results 2025(プレスリリース、2026年2月20日)。2025年の事業別の実績、常熟工場の状況。 https://www.umicore.com/files/secure-documents/7893839e-71dc-414a-b5ec-1aa47454a114.pdf
  4. Umicore Full Year Results 2025(説明資料、2026年2月20日)。 https://www.umicore.com/files/secure-documents/9bad7334-d7d1-45fc-9684-04ca4c346bbf.pdf
  5. Umicore Half-Year Results 2026(プレスリリース、2026年7月31日)。燃料電池触媒の需要、常熟工場の生産開始、ガイダンスの上方修正。 https://www.umicore.com/files/secure-documents/7cfa416e-e500-4fbd-a040-2b45c0575430.pdf
  6. Umicore Half-Year Results 2026(説明資料、2026年7月31日)。 https://www.umicore.com/files/secure-documents/8b39d7eb-8694-4c9b-9dfc-5b12a2d2cf81.pdf
  7. Umicore Annual Report 2024(英語版PDF)。2024年の燃料電池触媒の受注、常熟工場の建設状況。 https://www.umicore.com/files/secure-documents/f80f2918-ed1f-4461-9f59-d6ef5aa9f7a5.pdf
  8. Umicore Umicore to build large-scale fuel cell catalyst plant in China to cater for accelerated hydrogen clean mobility growth(2022年7月7日)。 https://www.umicore.com/en/media/newsroom/umicore-to-build-large-scale-fuel-cell-catalyst-plant-in-china-to-cater-for-accelerated-hydrogen-clean-mobility-growth/
  9. Umicore Umicore broke ground for its large-scale fuel cell catalyst plant in China(2023年12月5日)。 https://www.umicore.com/en/media/newsroom/umicore-broke-ground-for-its-large-scale-fuel-cell-catalyst-plant-in-china/
  10. Umicore Gearing up for a fuel cell future(公式記事、2024年4月4日)。常熟工場の経緯、製品の作り分け、生産拠点。 https://www.umicore.com/en/media/newsroom/gearing-up-for-a-fuel-cell-future/
  11. Umicore Umicore expands production capacity for fuel cell catalysts(2018年12月17日)。韓国の増設。 https://www.umicore.com/en/media/newsroom/umicore-expands-production-capacity-for-fuel-cell-catalysts/
  12. Fraunhofer IWKS H2anau project completed - cooperation continues(2021年1月21日)。H2anauの参加者と資金。 https://www.iwks.fraunhofer.de/en/press-and-media/pressreleases/press-and-media-releases-2021/h2anau-project-.html
  13. Umicore Fuel Cell & Stationary Catalysts(事業単位のサイト)。事業単位の概要、拠点。 https://fcs.umicore.com/en/
  14. Umicore Fuel cell catalysts(事業単位のサイト)。PEM燃料電池触媒の概要。 https://fcs.umicore.com/en/fuel-cells/
  15. Umicore Fuel cell catalysts: Products(事業単位のサイト)。Elystの製品一覧。 https://fcs.umicore.com/en/fuel-cells/products/
  16. Umicore Elyst Ir75 0480(製品データ)。 https://fcs.umicore.com/en/fuel-cells/products/elyst-ir75-0480/
  17. Umicore Elyst Pt50 0690(製品データ)。 https://fcs.umicore.com/en/fuel-cells/products/elyst-pt50-0690/
  18. Umicore Elyst Pt50 0550(製品データ)。 https://fcs.umicore.com/en/fuel-cells/products/elyst-pt50-0550/
  19. Umicore Elyst Pt30 0690(製品データ)。 https://fcs.umicore.com/en/fuel-cells/products/elyst-pt30-0690/
  20. Umicore Elyst Pt50 0380(製品データ)。 https://fcs.umicore.com/en/fuel-cells/products/elyst-pt50-0380/
  21. Umicore Elyst Pt20 0390(製品データ)。 https://fcs.umicore.com/en/fuel-cells/products/elyst-pt20-0390/
  22. Umicore Elyst Ir75 0520(製品データ)。 https://fcs.umicore.com/en/fuel-cells/products/elyst-ir75-0520/
  23. Umicore Fuel cell catalysts(市場別ページ)。30年の経験、アノード・カソード、電解装置への適合。 https://www.umicore.com/en/markets-products/automotive-mobility/fuel-cell-catalysts/
  24. Umicore Green hydrogen(市場別ページ)。白金・イリジウム系の化学品・触媒。 https://www.umicore.com/en/markets-products/energy-and-batteries/green-hydrogen/
  25. Umicore Towards circular fuel cells: overcoming 3 challenges(公式記事)。回収・リサイクル、フッ素。 https://fcs.umicore.com/en/fuel-cells/why-fuel-cells/fuel-cells-challenges-for-circularity/
  26. Umicore 公式サイト(ロゴ画像の取得元)。 https://www.umicore.com/en/

14. 主張と出典の対応表

本文の主張区分出典
連結の売上(金属除く)€3,562 million・Turnover €19,374 million、調整後EBITDA €847 million・EBIT €579 million、純利益、R&D費 €206 million、設備投資 €310 million(前期 €555 million)、従業員 11,230人・持分法等 2,094人事実出典2 https://www.lobbyregister.bundestag.de/media/a5/78/760796/Umicore-Annual-Report-2025.pdf
触媒部門の売上(金属除く)€1,668 million、調整後EBITDA €450 million・EBIT €383 million、R&D費 €86 million、設備投資 €65 million、従業員 2,806人(前期の数値を含む)事実出典2・3 https://www.lobbyregister.bundestag.de/media/a5/78/760796/Umicore-Annual-Report-2025.pdf https://www.umicore.com/files/secure-documents/7893839e-71dc-414a-b5ec-1aa47454a114.pdf
事業の構成、触媒部門の説明(自動車触媒、燃料電池・定置用触媒、貴金属化学品。PGMで50年超の経験)、本社所在地、Euronext Brussels、子会社 Umicore Fuel Cell Catalyst (China) Co., Ltd.(100%)事実出典2 https://www.lobbyregister.bundestag.de/media/a5/78/760796/Umicore-Annual-Report-2025.pdf
2025年の燃料電池・定置用触媒(売上は前年並み、韓国の需要改善、中国は低調、データセンター向けの定置用触媒、常熟は完成間近で2026年に生産を拡大)、「燃料電池触媒の新たな成長を取り込む準備ができている」事実(会社の説明)出典1・3 https://reports.umicore.com/2025 https://www.umicore.com/files/secure-documents/7893839e-71dc-414a-b5ec-1aa47454a114.pdf
触媒部門の2028年の目標(売上約€1.8 billion、調整後EBITDA率約25%、ROCE 35%超、フリーキャッシュフロー €1.4 billion超)未確定/将来出典2 https://www.lobbyregister.bundestag.de/media/a5/78/760796/Umicore-Annual-Report-2025.pdf
2026年上期の触媒部門(売上 €883 million、調整後EBITDA €250 million)、燃料電池・定置用触媒の売上と調整後EBITDAの減少、中国での採用の遅れ、常熟の立上げ費用、常熟工場が生産を開始、グループのガイダンス上方修正(調整後EBITDA €1 billion を少し上回る)事実(会社の説明)出典5・6 https://www.umicore.com/files/secure-documents/7cfa416e-e500-4fbd-a040-2b45c0575430.pdf https://www.umicore.com/files/secure-documents/8b39d7eb-8694-4c9b-9dfc-5b12a2d2cf81.pdf
2025年の説明資料(常熟の完成間近、2026年中に生産を拡大)事実(会社の説明)出典4 https://www.umicore.com/files/secure-documents/9bad7334-d7d1-45fc-9684-04ca4c346bbf.pdf
2024年の燃料電池触媒の受注減(アジアの鈍化)、下期の中国の数量回復、常熟の建設が順調(2026年初頭に稼働の見込み)事実(会社の説明)出典7 https://www.umicore.com/files/secure-documents/f80f2918-ed1f-4461-9f59-d6ef5aa9f7a5.pdf
常熟工場の建設発表(2022年7月7日、2024年末に稼働の見込み、ハーナウ・韓国の既存拠点、使用済み触媒のリサイクル)事実(2022年の計画)出典8 https://www.umicore.com/en/media/newsroom/umicore-to-build-large-scale-fuel-cell-catalyst-plant-in-china-to-cater-for-accelerated-hydrogen-clean-mobility-growth/
常熟の起工式(2023年12月1日、発表は12月5日)、約30年の経験、世界最大のPEM触媒生産設備となる見込み、生産拠点・研究拠点の一覧、2026年初頭に稼働の見込み事実(会社の説明)出典9 https://www.umicore.com/en/media/newsroom/umicore-broke-ground-for-its-large-scale-fuel-cell-catalyst-plant-in-china/
2024年4月の公式記事(韓国は合金触媒、中国は白金触媒から、ラインを混ぜられない、小規模から段階的に、ハーナウで電解触媒を含め生産継続、蘇州の重点プロジェクトと優遇措置、2020年末ごろに中国で開始、燃料電池の膜のリサイクルの研究)事実(会社の説明)出典10 https://www.umicore.com/en/media/newsroom/gearing-up-for-a-fuel-cell-future/
2018年12月の韓国の増設(Hyundai Motor Groupの成長を支える、low double-digit million euro、2019年末に稼働、2020年末に本格稼働、大手自動車メーカーとの共同開発契約)事実(2018年の計画)出典11 https://www.umicore.com/en/media/newsroom/umicore-expands-production-capacity-for-fuel-cell-catalysts/
H2anauプロジェクト(Umicore、Evonik、Fraunhofer IWKS、Heraeusなどが参加、燃料電池搭載の配送車7台・計12万km、ヘッセン州とEUのERDFの資金、2021年1月に結果を発表)事実出典12 https://www.iwks.fraunhofer.de/en/press-and-media/pressreleases/press-and-media-releases-2021/h2anau-project-.html
事業単位の発足(2020年)、本部は上海、製造・試験の拠点(中国、米国、ドイツ、デンマーク、韓国)、大学・産業パートナーとの共同研究(一般的な記述)事実(会社の説明)出典13 https://fcs.umicore.com/en/
PEM燃料電池触媒の概要(約30年の経験、アノード・カソード、水電解装置にも適する、顧客の開発支援、拡張可能な合成プロセス)事実(会社の説明)出典14・23 https://fcs.umicore.com/en/fuel-cells/ https://www.umicore.com/en/markets-products/automotive-mobility/fuel-cell-catalysts/
Elystの製品一覧と各製品の仕様(Pt/C 20・50%、PtCo/C 30・50%、IrO₂担持品 Ir 75%、金属純度99.95、アノード用・カソード用の分類)事実(会社の説明)出典15・16・17・18・19・20・21 https://fcs.umicore.com/en/fuel-cells/products/ https://fcs.umicore.com/en/fuel-cells/products/elyst-ir75-0480/ https://fcs.umicore.com/en/fuel-cells/products/elyst-pt50-0690/ https://fcs.umicore.com/en/fuel-cells/products/elyst-pt50-0550/ https://fcs.umicore.com/en/fuel-cells/products/elyst-pt30-0690/ https://fcs.umicore.com/en/fuel-cells/products/elyst-pt50-0380/ https://fcs.umicore.com/en/fuel-cells/products/elyst-pt20-0390/
Elyst Ir75 0520の詳細ページに仕様の記載が見当たらないこと事実出典22 https://fcs.umicore.com/en/fuel-cells/products/elyst-ir75-0520/
グリーン水素向けの白金・イリジウム系の化学品・触媒(PEM触媒を含む)事実(会社の説明)出典24 https://www.umicore.com/en/markets-products/energy-and-batteries/green-hydrogen/
白金・イリジウムの希少性、使用量を減らす電極触媒の開発、使用済み触媒と工程屑からの白金の回収、水素用廃棄物の分離処理が現時点でないこと、リサイクルの3つの課題(フッ素を含む)事実(会社の説明)出典25 https://fcs.umicore.com/en/fuel-cells/why-fuel-cells/fuel-cells-challenges-for-circularity/
ロゴ画像は公式サイトのヘッダーに埋め込まれたロゴを取り出し、色のみ本稿で指定事実出典26 https://www.umicore.com/en/
燃料電池・定置用触媒の売上・利益・従業員数、水素に限った目標、常熟工場の生産能力と投資額、白金・イリジウムの使用量、顧客名と契約、水電解向け触媒の売上、水素に関わる買収・合弁・出資、個別の公的資金(NEDO、Clean Hydrogen Partnership、IPCEI)、LOHCページの内容未確定/将来公式資料に記載なし。本稿では存在しないとも断定しない(本稿)
「需要に先行して生産能力を用意している」「小さく始めて段階的に増やすのは固定費を抑える狙い」「燃料電池触媒は触媒部門の成長の選択肢」という読み、担持体と酸化イリジウムの使用量の制約、技術の選択の不確実性、顧客・競合の変化推測出典1・5・8・9・10・2 https://reports.umicore.com/2025 https://www.umicore.com/files/secure-documents/7cfa416e-e500-4fbd-a040-2b45c0575430.pdf https://www.umicore.com/en/media/newsroom/umicore-to-build-large-scale-fuel-cell-catalyst-plant-in-china-to-cater-for-accelerated-hydrogen-clean-mobility-growth/ https://www.umicore.com/en/media/newsroom/umicore-broke-ground-for-its-large-scale-fuel-cell-catalyst-plant-in-china/ https://www.umicore.com/en/media/newsroom/gearing-up-for-a-fuel-cell-future/ https://www.lobbyregister.bundestag.de/media/a5/78/760796/Umicore-Annual-Report-2025.pdf
Umicoreを「材料・部品」の類型とする区分と、4類型の整理本稿の計算本稿による整理・計算(技術説明は一般的な解説であり、同社の個別製品の値ではない。本シリーズの技術解説を参照)
触媒部門の売上がグループの売上(金属除く)に占める割合(約47%、1,668 ÷ 3,562)本稿の計算本稿による整理・計算(技術説明は一般的な解説であり、同社の個別製品の値ではない。本シリーズの技術解説を参照)
合金触媒の狙い、担持体の役割、水電解アノードの環境などの技術説明本稿の計算本稿による整理・計算(技術説明は一般的な解説であり、同社の個別製品の値ではない。本シリーズの技術解説を参照)

最終更新:2026年10月6日/Troy Technical
本稿の内容は、Umicoreの年次報告書、決算発表、公式のプレスリリースと記事、公式の製品ページ、フラウンホーファーIWKSの公開資料に基づきます。調査会社の市場推計や報道ベースの数値は使用していません(同社の発表に含まれる市場拡大の見込みは、同社の見込みである旨を明記して引用しました)。「推測」と記した箇所は、一次情報から本稿が読み取った解釈であり、会社の公表内容ではありません。製品の特長は同社の説明で、性能の公称値は公開されていません。会社の計画・目標は未確定で、実現を保証するものではありません。本稿は、水素の取扱い・運用、投資の判断について、読者個人に助言するものではありません。