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メタノール 技術解説

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TECHNOLOGY EXPLAINER

メタノール
― 水素と二酸化炭素からつくる液体燃料と、材料への影響

メタノール(CH₃OH)は、常温・常圧で液体の最も単純なアルコールです。水素と二酸化炭素(CO₂)から作るe-メタノールは、水素を液体の形で扱える一方、炭素の供給源が必要になります。 船舶燃料としては、IMOが暫定ガイドラインを定め、実際に対応船も就航しています。 素材の面では、金属の腐食(とくに異種金属の接触)、ゴム・樹脂の膨潤と添加剤の溶出が、アンモニアや液体水素とは別の論点になります。

構成:NIST、IMO、EU・日本の法令、IRENA、査読論文、メタノール協会の技術資料、企業の公表資料を一次情報として使用/最終更新 2026年10月

メタノールのheroを示す概念画像
図1 概念図(AI生成イメージ)。「船にメタノール燃料を供給する」場面を表現したものです。実在の港・船・会社・設備を示すものではありません。
この記事の構成
  1. メタノールとは何か(3行でつかむ)
  2. 水素とCO₂からつくる ― e-メタノールの反応と収支
  3. つくられている例と、炭素の勘定
  4. 船舶燃料としての位置づけ ― IMOの動向
  5. 制度 ― 日本とEUの扱い
  6. 毒性と安全の公的な記載
  7. 材料への影響 ― 腐食、膨潤、溶出(素材技術者の視点)
  8. 課題と、本稿で確認できなかったこと
  9. 用語集/参考資料/出典対応表
本記事の表記ルール

事実=公的機関・規格団体・査読論文・産業団体・企業の公表資料に記載のある内容(出典リンクあり)
本稿の計算=明示した前提をもとに本記事が算出した値
未確定/将来=計画・目標・見通しであり、実績が確認できていない事項
このほか、構造の整理や材料設計上の読み取りは「解説」として区別しています。産業団体や企業の資料は業界・企業の主張として扱います。
本記事は材料・原理・評価・制度の解説であり、メタノールや水素の取扱い・運用についての個別の助言ではありません。

1. メタノールとは何か(3行でつかむ)

  • 何か:分子式CH₃OH、分子量32.04。NISTによれば、標準沸点は337.8 ± 0.3 K(約64.7 ℃)で、25 ℃の飽和蒸気圧は約17 kPa、液体の密度は786.24 kg/m³です事実[参考資料1、2]。常温で液体なので、既存の液体燃料の仕組みで扱いやすい面があります。
  • 水素との関係:分子の質量の約12.6%が水素です(4.032÷32.042)本稿の計算。液体1 m³あたり約99 kgの水素を含みます(786.24 kg/m³ × 0.1258)本稿の計算。IRENAの表では貯蔵密度12.5%です[参考資料7]。ただし分子の水素を「取り出す」には改質などの工程が要り、本稿は扱いません。
  • 何が難しいのか:水素とCO₂が必要で、炭素の供給源(工場排ガス、バイオマス、大気中のCO₂)をどうするかが論点になります。また、金属の腐食や高分子の膨潤など、材料との相性があります。
この記事でいちばん大事な一行

メタノールは「液体の水素の運び手」というより、「水素と炭素を一緒に運ぶ液体燃料」です。 水素の部分は電解の電力に、炭素の部分はCO₂の調達に依存し、使うときは燃焼でCO₂が再び出ます。その炭素をどう勘定するかが、制度の中心になります(本記事による解説)。

他のキャリアとの比較の条件のそろえ方は本シリーズ「エネルギーキャリア」編、アンモニアは「アンモニア」編、電解で水素を作る部分は「PEM水電解」「アルカリ水電解」編、航空・自動車向けの合成燃料は「SAFとe-fuel」編で扱います。本稿はメタノールに固有の内容に絞ります。

2. 水素とCO₂からつくる ― e-メタノールの反応と収支

Olahは2005年のエッセイで、メタノールが便利な液体燃料であり合成炭化水素の原料でもあること、そして産業排ガスや大気中のCO₂とH₂の反応で作れることを述べ、「メタノール経済」を論じました事実[参考資料5]。 工業的なメタノール合成は、銅と酸化亜鉛のナノ粒子をアルミナ担体に載せたCu/ZnO/Al₂O₃触媒を使います。Behrensらは2012年のScience論文で、この触媒の高い活性は銅ナノ粒子上のステップと、それを安定させる積層欠陥などの欠陥に依存し、銅の一部を酸化亜鉛が覆うことが表面中間体(HCOなど)の安定化と反応障壁の低下に重要だと報告しています事実[参考資料6]。 同論文が扱ったのは水素と一酸化炭素からの合成ですが、CO₂を原料にする場合も同系統の触媒が使われます(本記事による解説。CO₂原料の場合の最適な組成・条件は本稿では確認していません)。

反応式と物質収支

CO₂ + 3H₂ → CH₃OH + H₂O が基本の反応です。モル質量から、メタノール1トンあたりの収支を計算できます。

e-メタノール1トンの物質収支とエネルギー収支(本稿の計算) 水素 H₂ 188.8 kg 二酸化炭素 CO₂ 1.373 t 合成反応 CO₂ + 3H₂ → CH₃OH + H₂O 発熱(約−132 kJ/mol) メタノール CH₃OH 1.000 t(19.9 GJ) 水 H₂O 0.562 t エネルギー(低位発熱量の基準) 投入した水素の熱量:188.8 kg × 33.3 kWh/kg = 6.29 MWh(22.6 GJ) 得られたメタノールの熱量:1,000 kg × 19.9 MJ/kg = 19.9 GJ = 5.53 MWh 反応の段階で水素の熱量の約88%がメタノールに残り、残りは反応熱として出る ※ 化学量論どおり、損失なしの値。CO₂の回収・圧縮・精製、蒸留、電力の損失は含めない。
図2 本稿の計算を含む作図(ベクター作図)。モル質量と、NISTの熱化学データ[参考資料2、3、4]からの本稿の計算です。実際のプラントの収支ではなく、損失のない化学量論の値です。
本稿の計算:メタノール1トンの収支と、水素に要る電力

前提:モル質量はCH₃OH 32.042、CO₂ 44.009、H₂ 2.016、H₂O 18.015 g/mol。損失なし。メタノールの低位発熱量は、NISTの燃焼エンタルピー(液体、−725.7 kJ/mol)から水2 molの蒸発熱(水の生成エンタルピーの差から44.0 kJ/mol)を引いた637.7 kJ/mol = 19.90 MJ/kgとする[参考資料2、4]。水素の低位発熱量は241.83 kJ/mol(3 molで725.5 kJ)。

  • メタノール1トンに必要な水素は 6.048 ÷ 32.042 = 188.8 kg、CO₂は 44.009 ÷ 32.042 = 1.373トン、副生する水は 0.562トン。
  • 熱量の保持率は 637.7 ÷ 725.5 = 約87.9%(低位発熱量基準)。高位発熱量基準では 725.7 ÷(3 × 285.83)= 約84.6%。差は反応熱として放出される。
  • 反応熱(CO₂は気体、メタノールと水は液体、25 ℃)は −239.5 −285.83 −(−393.51)= 約−132 kJ/mol。生成物を気体で数えると、メタノールの気体の生成エンタルピー(−205 ± 10 kJ/mol、NISTの平均値)を使って約−53 kJ/molとなり、相状態の数え方で大きく変わる(蒸発熱の差による)。
  • 水素に要る電力(電解槽システムの電力原単位を例示として45・50・55 kWh/kg-H₂と仮定):188.8 kg × 原単位 = 8.5/9.4/10.4 MWh/t-メタノール。メタノールの熱量5.53 MWhの約1.5/1.7/1.9倍。CO₂回収・圧縮、合成、精製の電力は含めない。

本稿の計算この比(約1.7倍)は、本シリーズ「アンモニア」編で計算したアンモニアの場合とほぼ同じ水準です。水素から液体燃料にする段階の熱量の保持率は高く、大きな電力は水素の製造そのものにかかることがわかります(本記事による解説)。

素材技術者の読みどころ:触媒の活性点は「欠陥」

Behrensらの結果は、触媒の活性が「理想的な結晶面」ではなくステップや積層欠陥のような不完全な構造に支えられていることを示しています[参考資料6]。 同じ組成でも調製法で活性が大きく変わる(桁で変わりうる)という報告の趣旨と合わせると、触媒の性能を材料の組成だけで比べることはできず、調製・前処理・運転履歴で評価する必要があると読めます(本記事による解説。論文は水素とCOからの合成を扱った点に注意)。

3. つくられている例と、炭素の勘定

実際に作られている例(企業の公表)

  • Carbon Recycling International(アイスランド・スヴァルツェンギ):同社の発表では、George Olah工場は2010〜2012年に建設され、地熱発電所の排ガスからCO₂を精製し、水の電気分解で得た水素と触媒で反応させてメタノールを作る施設で、2012年に運転を始めました。同社は「CO₂から燃料を作る世界初の工業規模の施設」と位置づけ、排出削減は最大80〜90%(SGS Germanyの監査)と記載しています事実(企業の主張)[参考資料8]。
  • European Energy・Mitsui & Co.(デンマーク・カスー):2025年5月13日に開所式を行うと発表した施設で、年間42,000トン(5,300万リットル相当)のe-メタノールを生産する能力があり、同社は「世界初の大規模商用e-メタノール施設」としています。主な引き取り先としてA.P. Moller - Maerskを挙げ、同社のLaura Maerskの燃料に使うとしています事実(企業の主張。能力は設計値)[参考資料9]。

本稿で確認できなかったこと:これらの施設の稼働率、実際の年間生産量、製造コストは、確認した公表資料に記載がなく、扱いません。

コスト構造(IRENAの推計)

IRENAの2022年の報告は、再生可能メタノールのコストはCO₂の調達費と水素費に強く依存すると整理しています。CO₂コストが100 USD/t上がるとメタノールは約140 USD/t上がり(1.4:1)、水素が2 USD/kg-H₂という低い水準でも約430 USD/t-メタノールとなり、現在の化石由来メタノールの水準の少なくとも2倍になる、という推計です。持続可能なCO₂源として、バイオ起源のCO₂と、大気直接回収(DAC)があり、DACは現状で1トンあたり数百ドル、エネルギーはおよそ10〜12 GJ/t-CO₂(将来は約6 GJ/t-CO₂の可能性)としています事実(推計・見通しを含む)[参考資料7]。

CO₂の比は、前章の計算(メタノール1トンあたりCO₂ 1.373トン)と整合します。DACのエネルギーを上の範囲で当てはめると、CO₂回収だけでメタノール1トンあたり約8.2〜16.5 GJ(6〜12 GJ/t-CO₂ × 1.373 t)で、メタノールの熱量19.9 GJに近い規模になりえます本稿の計算(DACを使う場合の目安。排ガス由来など、回収エネルギーが小さい炭素源には当てはまりません)。

炭素はどう「勘定」されるか

e-メタノールの炭素の流れと、勘定の論点(概念図) CO₂の供給源 工場の排ガス/バイオマス 大気(直接回収) e-メタノール製造 水素(電解)+CO₂ → メタノール 使用 船の燃料 化学品の原料 燃焼 CO₂が 再び出る 排出されたCO₂は大気や排ガスへ戻る(炭素は循環する) 勘定の論点(日本の省令の記述にもとづく整理) ① 回収したCO₂を、誰が差し引くのか(排出元か、燃料の使用者か)。二重計上をどう避けるか ② CO₂の由来(バイオ起源・大気由来か、それ以外か)で、必要な手続きが分かれる ③ 製造・輸送・貯蔵・使用の各段階の排出を、どこまで含めるか ※ 論点の整理は本記事によるもの(日本の施行規則の条文構成[参考資料15]を参照)。EUの扱いは第5章を参照。
図3 概念図(ベクター作図)。炭素の流れと論点の整理は本記事によるものです。特定の制度の算定式を示すものではありません。

メタノールを燃やすと、理論上1 molあたりCO₂が1 mol出ます。低位発熱量637.7 kJ/molあたりCO₂ 44.0 g、すなわち約69.0 g-CO₂/MJです本稿の計算。EUのFuelEU Maritimeの附属書IIには、メタノール(天然ガス由来)とe-メタノールの行があり、低位発熱量0.0199 MJ/g、燃料1 gあたりのCO₂排出係数1.375という数値が並びます事実[参考資料13]。この2値は、上の化学量論から計算した値(19.9 MJ/kg、1.373 t-CO₂/t)とほぼ一致します(表の体裁が崩れて列の定義の確認が難しいため、表の列の対応は条文の表で確認が必要です)。 e-メタノールの燃焼で出るCO₂は、原料として回収したCO₂が相殺するという考え方が制度の前提で、その相殺の条件が第5章の制度の中身です。

4. 船舶燃料としての位置づけ ― IMOの動向

IMOのガイドライン

IMOのMSC.1/Circ.1621(2020年12月7日付)は、メチル/エチルアルコールを燃料とする船舶の安全に関する暫定ガイドラインです。MSCは第102回会合(2020年11月4〜11日)で、メチル/エチルアルコールの燃料としての利用が増えている一方、IGFコード(ガス燃料等の低引火点燃料船の国際コード)に関連規定がないことを踏まえて承認しました事実[参考資料11]。 同文書は、運用経験を踏まえて見直しを続けるとしています[参考資料11]。

DNV(船級協会)の報告によれば、IMOの貨物・コンテナ小委員会(CCC 12、2026年9月14〜18日)が、このガイドラインの改訂案を最終化しました。燃料タンクの配置と漏えい対応の自由度、燃料区画の換気の新しい考え方、バンカリング(燃料供給)ステーションと消火の設計の指針、バンカリング作業と個人用保護具の指針などが盛り込まれています。小委員会の決定は海上安全委員会(MSC)の承認が必要で、承認の時期は確認できていません(IMOの公式の会合要旨は本稿では確認できず、DNVの報告による)事実(DNVの報告)[参考資料12]。

実際の船

Maerskは2023年9月14日、世界初のメタノール対応コンテナ船(同社の表現)「Laura Maersk」(2,100 TEU)の命名式を発表し、さらに24隻のメタノール船を2024〜2027年の引き渡しで発注していると述べています事実(企業の主張)、後者は未確定/将来(引き渡しの実績は未確認)[参考資料10]。 Svanbergらの総説(2018年)は、再生可能メタノールを海運の燃料とする可能性を扱っています(題名・掲載誌のみ確認[参考資料20])。

国際・地域のルール

  • EU FuelEU Maritime(規則(EU)2023/1805):2025年1月1日から、船舶が使うエネルギーの温室効果ガス強度に上限(基準値91.16 gCO₂e/MJから2025年2%、2030年6%…2050年80%の削減)を課します。さらに、非生物起源の再生可能燃料(RFNBO)には、2025年1月1日〜2033年12月31日の間、算定で係数2を使えると条文にあります事実[参考資料13]。e-メタノールは、燃料の区分として附属書IIに掲載されています[参考資料13]。
  • IMOネットゼロ枠組み:2025年4月のMEPC 83で承認されたが、同年10月の臨時会合は採択を1年延期しました。採択済みの制度としては扱いません[参考資料21](詳細は本シリーズ「アンモニア」編)。

5. 制度 ― 日本とEUの扱い

制度段階日付確認できた内容
水素社会推進法の施行規則(令和6年経済産業省令第69号)施行2024年10月23日水素の化合物の範囲に、水素とCO/CO₂から合成した液体(メタノール等)と合成メタンを定める。合成燃料の要件は、熱量1 MJあたりの製造・輸送・貯蔵・利用に伴う排出量から、原料として回収したCO₂量の全部または一部を控除した量が39.9 g-CO₂以下であることなど。原料の水素も水素の要件(1 kgあたり3.4 kg-CO₂以下)を満たす必要がある事実[参考資料15]
同省令の、外国で製造される合成燃料の条件施行2024年10月23日バイオマス由来または大気中のCO₂を回収して作る場合は、利用する本邦事業者が自らの排出量から利用に伴うCO₂を控除して報告することなどにより二重計上を避けること。それ以外の場合は、外国事業者と本邦事業者の間の合意と報告の要件が定められている事実[参考資料15]
EU 委任規則(EU)2023/1184(RFNBO)採択・施行2023年2月10日採択/2023年6月20日公布水素を原料とする再生可能な液体・気体の輸送用燃料(RFNBO)の電力に関する追加性と時間相関(2029年末まで暦月単位、2030年1月1日から1時間単位)等を定める。2028年1月1日前に稼働する設備には一部条件を2038年1月1日まで適用しない経過措置がある事実[参考資料14]
EU FuelEU Maritime(規則(EU)2023/1805)採択・適用2023年9月13日採択/2025年1月1日適用第4章のとおり事実[参考資料13]

確認日2026年10月5日。EUの規則の日付は官報の表記による。RFNBO規則は、欧州委員会が2028年7月1日までに影響報告を出すと条文にあり、見直しの議論は報道にありますが、改正の採択は本稿では確認できていません。

6. 毒性と安全の公的な記載

米国NIOSHのポケットガイド(2019年10月30日最終確認)によれば、メタノールの推奨曝露限度(REL)は時間加重平均200 ppm、短時間曝露250 ppm(皮膚吸収に注意)、OSHAの許容曝露限度(PEL)は200 ppm、生命・健康に直ちに危険な濃度(IDLH)は6,000 ppmです。引火点は52 °F(約11 ℃)、空気中の爆発範囲は下限6.0%・上限36%、沸点は147 °F(約64 ℃)とされています事実[参考資料16]。 メタノール協会は、メタノールの燃焼範囲の上限(36 vol%)がガソリン(6〜7 vol%)よりずっと高く、タンクの蒸気空間の内部でも蒸気が燃えうる点を、貯蔵上の重要な考慮点として挙げています事実(産業団体の資料)[参考資料17]。 IMOの暫定ガイドライン(MSC.1/Circ.1621)の本文にも、蒸気の検知システムの設計で毒性を特別に考慮すべきとする記述があります[参考資料11]。

これらは公的機関・産業団体の記載の整理であり、取扱い・運用の助言ではありません。日本の許容濃度や、毒物及び劇物取締法上の扱いは本稿では確認していません。

7. 材料への影響 ― 腐食、膨潤、溶出(素材技術者の視点)

メタノールは水と任意の割合で混ざる極性で導電性のある溶媒です。ガソリンのような非極性・非導電性の液体とは、材料への働き方が違います。メタノール協会は、メタノールが吸湿性で、空気中の水分をタンクの蒸気空間から取り込むこと、極性溶媒であるため電気化学的な腐食(異種金属の接触による腐食)が他の一般的な自動車燃料より起きやすいことを記載しています事実(産業団体の資料)[参考資料17]。

金属 ― 異種金属の接触に注意

導電性のある液体の中で、異種金属が接触すると(概念図) メタノール(極性・導電性の溶媒、吸湿性) 炭素鋼 (タンクの壁) アルミ合金 (付属品の例) 接触 液中をイオンが移動 腐食が進みやすい側 メタノール協会の記載 ・異種金属の腐食が、他の燃料より  起きやすい ・付属品の材質:アルミ・鉛・マグネ  シウム・銅・亜鉛・白金系の合金 ・アルミ合金の火炎防止器が腐食し  機能を失った火災の例 ※ 電気化学の一般的な構図を示した模式図。どちらの金属が腐食するかは材料の組み合わせと環境で決まります(本記事による解説)。 ※ 右の記載はメタノール協会(産業団体)の資料によります。
図4 概念図(ベクター作図)。異種金属の腐食が起きやすい点と、付属品の材質の例は、メタノール協会の資料[参考資料17]の記載によります。腐食の速度や、どちらの金属が先に腐食するかを示す図ではありません。
項目メタノール協会の記載(産業団体の資料)
タンクの材質炭素鋼または300系オーステナイト系ステンレス鋼。炭素鋼は初期費用が低いが、腐食対策のため保守費がかさみ、ライフサイクルの費用は高い。ステンレスは初期費用が高いが保守費が低く、メタノールの汚染が起きにくい
付属品(トリム)アルミニウム、鉛、マグネシウム、銅、亜鉛、白金系の合金で異種金属腐食が加速しうる。アルミ合金の火炎防止器が12年かけて腐食し、機能を失ったタンク火災の例を、米国化学安全委員会(CSB)の結論として引用している。亜鉛めっき鋼は不適とされる
内面のコーティングエポキシ樹脂での内面被覆は成功が限定的で、典型的な寿命は7年未満。被覆が電気的な絶縁層を作り、接地・ボンディングを複雑にする。導電性のスプレー式ライナーの開発が進みつつあるとされる
応力腐食割れメタノールはチタン合金でSCCを起こしうる数少ない環境の一つ(乾燥メタノール、メタノール/酸、メタノール/ハロゲン化物の混合で破損例。水が抑制剤になる)。高炭素で非モリブデン安定化のオーステナイト系ステンレスの溶接熱影響部は、塩化物を高濃度に含む水への局所的な曝露でSCCを起こしうる(極端な場合)。エタノールタンクで観察されたSCCは、メタノールでは報告されていない

すべて事実(Methanol Institute, Atmospheric Above Ground Tank Storage of Methanol[参考資料17]。産業団体の資料で、業界の主張として扱います。数値の寿命や事例の一般化は避けてください)。

ゴム・樹脂 ― 膨潤と、添加剤の溶出

Zhang、Abdellah、Kentishの研究(2022年、International Journal of Energy Research)は、天然ガスの配給網に使われる高密度ポリエチレン(HDPE)配管と関連するエラストマーが、メタノールにどう影響されるかを調べました。結果は次のとおりです事実[参考資料18]。

  • メタノールは、メタンよりもHDPE中の拡散係数がかなり大きく、透過度は2桁大きい。
  • メタノールに曝すと、HDPE配管の柔軟性(引張ひずみ)は低下した。
  • ゴム状の構造をもつSBRとNBRへのメタノールの収着は、HDPEより桁違いに大きかった。
  • 市販のエラストマーは、メタノールへの浸漬で添加剤が大量に溶出し、機械的性質が大きく損なわれた。
  • 著者らの結論:既存のHDPE配管はメタノールの輸送に適合するが、エラストマー材料は局所的なメタノール漏えいと破損の起点になる。

Halada Nandakrishnanらの研究(2022年、Journal of Elastomers & Plastics)は、燃料タンク・配管・噴射系で使われるPTFE、PET、HDPEを、P100、M15、M30の燃料混合物に4、10、30日浸漬して評価しました。質量の増加はHDPE>PTFE>PETの順、硬度の低下もHDPEが最大、PTFEとPETは強度が低下し、HDPEは引張強度が増加し、変化はP100で最小、M30で最大でした事実[参考資料19](試験条件の記号の定義は要旨に記載がなく、M15・M30はメタノール混合の燃料を指すと読めます)。

素材技術者の読みどころ:同じ材料群でも、評価が割れる理由

メタノール協会は、プラスチックは長期に可塑剤が劣化し、機械的完全性を失い、汚染のおそれがあるため貯蔵用には一般に推奨されない一方、多くの樹脂・ナイロン・ゴム、とくにニトリル(Buna-N)、エチレンプロピレン、テフロン、ネオプレンは設備の部品として良好に使われていると述べています事実[参考資料17]。 一方、Zhangらは、ゴム状のNBRへの収着が桁違いに大きく、市販品では添加剤が溶出して性質が低下したと報告しています[参考資料18]。

解説:この二つは、見ている尺度が違います(部品としての長期の実績・推奨か、浸漬での収着・溶出・機械的性質か)。配合(可塑剤・フィラー・架橋)、浸漬時間、温度、メタノール濃度、そして漏えいが許されるか、密封が必須かで結論は変わります。材料名(NBRなど)だけで適合性を判断せず、実際の配合品を、使用する温度・濃度で、質量変化・硬度・引張特性・溶出物で試験するという見方が必要です(Halada Nandakrishnanらの評価項目はこの形です[参考資料19])。

メタノールのsupportingを示す概念画像
図5 概念図(AI生成イメージ)。「メタノールへの浸漬試験で、質量・硬度・強度の変化を調べる」場面を表現したものです。実在の装置・試験条件を示すものではありません。
本稿で確認できなかった材料の論点

FKM(フッ素ゴム)、EPDM、各種シリコーン、ポリアミドなど、個別の材料とメタノールの適合性の数値、船舶用の材料規定(IMOのガイドラインの材料の章の細目)、低温側の影響は、一次情報の本文を確認できず、記載していません。 フッ素樹脂の一般的な性質は本シリーズ「フッ素樹脂とPFAS」編、バリア性は「バリア性とコーティング」編を参照してください。

8. 課題と、本稿で確認できなかったこと

  • 炭素の供給と勘定:CO₂源の持続可能性と、回収分の控除の扱いは、制度で定義が分かれます。DACのエネルギーは見通しを含みます。
  • コスト:IRENAの推計は2022年の報告に基づくモデルで、現在の価格ではありません。施設の実際の製造コストは確認できませんでした。
  • IMOの改訂ガイドライン:CCC 12で最終化された改訂案のMSCでの承認は確認できていません(DNVの報告による)。IMOの公式の会合要旨も確認できていません。
  • 施設の実績:CRIとカスーの稼働率・年間生産量は確認できていません。
  • 国内法令:消防法・毒物及び劇物取締法上の扱い、船舶安全法令上の扱いは本稿では確認していません。
  • 材料:金属の腐食速度、個別のゴム・樹脂の適合性、コーティングの寿命は、産業団体・論文の記載の範囲にとどまり、設計に使える数値は確認していません。

9. 用語集

e-メタノール
再生可能電力由来の水素と、回収したCO₂から合成したメタノール。
RFNBO
再生可能な非生物起源燃料。EUの再生可能エネルギー指令の用語。
低位発熱量(LHV)
燃焼で生じる水蒸気の凝縮熱を含めない発熱量。
DAC
大気中のCO₂を直接回収する技術。
IGFコード
ガスその他の低引火点燃料を使用する船舶の国際安全コード。メタノールの規定は暫定ガイドラインで補っている。
暫定ガイドライン
IMOが、正式なコードの改正前に示す指針(MSC.1/Circ.)。
バンカリング
船へ燃料を供給すること。
異種金属腐食(ガルバニック腐食)
電位の違う金属が電解質中で接触したとき、一方が優先的に腐食する現象。
SCC
応力腐食割れ。応力と腐食環境の組み合わせで金属が割れる現象。
収着
高分子に液体や気体が溶け込み、取り込まれる現象。膨潤の原因。
M15/M30
メタノールを混合した燃料の試験条件の記号(要旨の記載による。定義は未確認)。

10. 参考資料(一次情報)

  1. NIST NIST Chemistry WebBook, Thermophysical Properties of Fluid Systems — Methanol — webbook.nist.gov
  2. NIST NIST Chemistry WebBook — Methanol(生成エンタルピー・燃焼エンタルピー・沸点) — webbook.nist.gov
  3. NIST NIST Chemistry WebBook — Carbon dioxide(生成エンタルピー) — webbook.nist.gov
  4. NIST NIST Chemistry WebBook — Water(生成エンタルピー) — webbook.nist.gov
  5. Olah Beyond Oil and Gas: The Methanol Economy, Angew. Chem. Int. Ed. 44, 2636–2639 (2005) — doi.org/10.1002/anie.200462121
  6. Behrens ら The Active Site of Methanol Synthesis over Cu/ZnO/Al2O3 Industrial Catalysts, Science 336, 893–897 (2012) — doi.org/10.1126/science.1219831
  7. IRENA Global hydrogen trade to meet the 1.5°C climate goal: Part II – Technology review of hydrogen carriers(2022) — irena.org
  8. Carbon Recycling International George Olah — Industrial Scale Renewable Methanol Plant — carbonrecycling.com
  9. European Energy European Energy & Mitsui & Co. to inaugurate Kassø e-methanol facility in May 2025(2025年3月14日) — europeanenergy.com
  10. Maersk EU Commission President Names Landmark Methanol Vessel “Laura Mærsk”(2023年9月14日) — maersk.com
  11. IMO MSC.1/Circ.1621 Interim Guidelines for the Safety of Ships Using Methyl/Ethyl Alcohol as Fuel(2020年12月7日) — imo.org
  12. DNV IMO CCC 12: Revised guidelines for methanol as fuel(2026年) — dnv.com
  13. 欧州連合 Regulation (EU) 2023/1805 (FuelEU Maritime), EUR-Lex — eur-lex.europa.eu
  14. 欧州連合 Commission Delegated Regulation (EU) 2023/1184 (RFNBO), EUR-Lex — eur-lex.europa.eu
  15. 日本(e-Gov法令検索) 脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律施行規則(令和六年経済産業省令第六十九号) — laws.e-gov.go.jp
  16. 米国 CDC/NIOSH NIOSH Pocket Guide to Chemical Hazards — Methyl alcohol — cdc.gov
  17. Methanol Institute Atmospheric Above Ground Tank Storage of Methanol(技術資料、PDF) — methanol.org
  18. Zhang ら The compatibility of high-density polyethylene piping and elastomers with the future fuel methanol, Int. J. Energy Res. 46, 8376–8388 (2022) — doi.org/10.1002/er.7739
  19. Halada Nandakrishnan ら Exposure of thermoplastics to methanol–gasoline blends: A material compatibility study, J. Elastomers Plast. 54, 605–619 (2022) — doi.org/10.1177/00952443211058844
  20. Svanberg ら Renewable methanol as a fuel for the shipping industry, Renew. Sustain. Energy Rev. 94, 1217–1228 (2018) — doi.org/10.1016/j.rser.2018.06.058
  21. IMO IMO net-zero shipping talks to resume in 2026 — imo.org

11. 主張と出典の対応表(監査)

本文の主張根拠区分
メタノールの標準沸点337.8 ± 0.3 K、25 ℃の飽和蒸気圧約17 kPa・液体密度786.24 kg/m³、燃焼エンタルピー(液体)−725.7 kJ/mol、生成エンタルピー(液体)−239.5 ± 0.2 kJ/mol、(気体)−205 ± 10 kJ/mol(平均値)NIST[参考資料 1]https://webbook.nist.gov/cgi/fluid.cgi?ID=C67561&Action=Page[参考資料 2]https://webbook.nist.gov/cgi/cbook.cgi?ID=C67561事実
CO₂(気体)の生成エンタルピー −393.51 kJ/mol、水(気体)−241.826/(液体)−285.83 kJ/molNIST Chemistry WebBook[参考資料 3]https://webbook.nist.gov/cgi/cbook.cgi?ID=C124389[参考資料 4]https://webbook.nist.gov/cgi/cbook.cgi?ID=C7732185事実
メタノールが便利な液体燃料で、H₂とCO₂から作れるというメタノール経済の論旨Olah(2005)の要旨[参考資料 5]https://doi.org/10.1002/anie.200462121事実
Cu/ZnO/Al₂O₃触媒の高活性は銅ナノ粒子上のステップと欠陥に依存し、ZnOによる部分被覆が中間体の安定化に重要なこと(水素とCOからの合成)Behrensら(2012)の要旨[参考資料 6]https://doi.org/10.1126/science.1219831事実
CO₂コスト100 USD/tの上昇でメタノールが約140 USD/t上がること、水素2 USD/kgで約430 USD/t、化石由来水準の少なくとも2倍、DACのエネルギー10〜12 GJ/t-CO₂(将来約6)、貯蔵密度12.5%、反応熱2.3 kWh/kg-H₂IRENA(推計を含む)[参考資料 7]https://www.irena.org/-/media/Files/IRENA/Agency/Publication/2022/Apr/IRENA_Global_Trade_Hydrogen_2022.pdf事実/推計
George Olah工場(アイスランド)の建設時期、CO₂の由来、運転開始年(2012年)、削減率80〜90%(監査)CRI(企業の主張)[参考資料 8]https://carbonrecycling.com/projects/george-olah事実
カスー施設の年間能力42,000トン(5,300万リットル)、開所式2025年5月13日、主な引き取り先European Energy(企業の主張)[参考資料 9]https://europeanenergy.com/2025/03/14/european-energy-mitsui-co-to-inaugurate-kasso-e-methanol-facility-in-may-2025/事実/設計値
Laura Maerskの命名(2023年9月14日)、2,100 TEU、24隻のメタノール船の発注(2024〜2027年引き渡し)Maersk発表(企業の主張)[参考資料 10]https://www.maersk.com/news/articles/2023/09/14/eu-commission-president-names-landmark-methanol-vessel-as-laura-maersk事実/計画
MSC.1/Circ.1621(2020年12月7日付)の位置づけ、MSC 102(2020年11月4〜11日)の承認の経緯、検知システムの設計での毒性への特別な考慮IMO[参考資料 11]https://wwwcdn.imo.org/localresources/en/MediaCentre/MeetingSummaries/Documents/MSC.1-Circ.1621%20-%20Interim%20Guidelines%20For%20The%20Safety%20Of%20ShipsUsing%20MethylEthyl%20Alcohol%20As%20Fuel%20(Secretariat)%20(2).pdf事実
CCC 12(2026年9月14〜18日)が改訂案を最終化したこと、改訂の内容、MSCの承認が必要なことDNV(船級協会)の報告[参考資料 12]https://www.dnv.com/news/2026/imo-ccc-12/事実(報告)
FuelEU Maritimeの基準値91.16 gCO₂e/MJと削減率、RFNBOに係数2を使える期間(2025年1月1日〜2033年12月31日)、附属書IIのメタノール・e-メタノールの行EUR-Lex 規則(EU)2023/1805[参考資料 13]https://eur-lex.europa.eu/eli/reg/2023/1805/oj事実
RFNBO委任規則の追加性・時間相関・経過措置・2028年7月1日の報告EUR-Lex 委任規則(EU)2023/1184[参考資料 14]https://eur-lex.europa.eu/eli/reg_del/2023/1184/oj事実
水素社会推進法の施行規則における合成燃料の範囲・要件(39.9 g-CO₂/MJ、原料水素の要件)と外国製造の条件e-Gov 施行規則[参考資料 15]https://laws.e-gov.go.jp/law/506M60000400069事実
メタノールのREL・PEL・IDLH 6,000 ppm、引火点52 °F、爆発範囲6.0〜36%、沸点147 °FNIOSH ポケットガイド[参考資料 16]https://www.cdc.gov/niosh/npg/npgd0397.html事実
燃焼範囲上限36 vol%(ガソリンは6〜7 vol%)、吸湿性、異種金属腐食、タンク材質、トリム材質、火炎防止器の事例、亜鉛めっき鋼は不適、内面コーティング、チタンのSCC、プラスチックと各種ゴムの評価Methanol Institute(産業団体の資料)[参考資料 17]https://www.methanol.org/wp-content/uploads/2018/03/atmosphericabovegroundstorage.pdf事実(産業団体)
HDPE・エラストマーとメタノールの適合性:透過度が2桁大きい、柔軟性の低下、SBR・NBRへの収着、添加剤の溶出、エラストマーが漏えい・破損の起点Zhangら(2022)の要旨[参考資料 18]https://doi.org/10.1002/er.7739事実
PTFE・PET・HDPEのメタノール混合燃料への浸漬の結果(質量・硬度・強度の変化、P100で最小・M30で最大)Halada Nandakrishnanら(2022)の要旨[参考資料 19]https://doi.org/10.1177/00952443211058844事実
再生可能メタノールの海運燃料に関する総説が存在すること(題名・掲載誌)Svanbergら(2018)[参考資料 20]https://doi.org/10.1016/j.rser.2018.06.058事実
IMOネットゼロ枠組みの採択延期(2025年10月)IMO発表[参考資料 21]https://www.imo.org/en/mediacentre/pressbriefings/pages/imo-net-zero-shipping-talks-to-resume-in-2026.aspx事実
メタノール1トンあたり水素188.8 kg・CO₂ 1.373 t・水0.562 t、熱量の保持率87.9%(高位基準84.6%)、反応熱約−132 kJ/mol(気体生成物では約−53)、水素の電力8.5/9.4/10.4 MWh/t、約99 kg-H₂/m³、燃焼CO₂約69.0 g/MJ、DACのCO₂回収8.2〜16.5 GJ/t本稿の計算(前提は各所に明記)。参照値はNIST[参考資料1〜4]、IRENA[参考資料7]本稿の計算
炭素の勘定の論点の整理、触媒の「欠陥」の読み取り、材料評価の見方(尺度の違い)、異種金属腐食の概念図本稿の解説(一次情報で確認した事実に基づく読み取り)解説
生産施設の稼働率・実生産量・コスト、MSCでの改訂ガイドラインの承認、個別のゴム・樹脂の適合性、国内法令上の扱い、金属の腐食速度本稿の調査範囲では公開された一次情報で確認できなかった事項(記載していない)解説
図1・図5がAI生成イメージであり、図2・図3・図4が説明のための作図であること本記事による注記解説

最終更新:2026年10月8日/出典は一次情報(NIST、IMO、EU・日本の法令、IRENA、査読論文、産業団体・企業の公表資料)に限定しています。産業団体・企業の資料は業界・企業の主張として扱っています。 施設の稼働率・実生産量・コスト、MSCでの改訂ガイドラインの承認、個別のゴム・樹脂の適合性、国内法令上の扱い、金属の腐食速度は、公開された一次情報で確認できなかったため記載していません。 図2・図3・図4はベクター作図、図1・図5はAI生成イメージであり、いずれも実在の設備・船・試験を示すものではありません。 本記事は材料・原理・評価・制度の解説であり、メタノールや水素の取扱い・運用の助言ではありません。