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ロシュ 企業解説

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COMPANY PROFILE / バイオセンサー

ロシュ
― 検査室の大型分析装置で知られる体外診断の大手が、血糖測定と連続グルコース測定でも「現場で使うセンサー」を持つ

バイオセンサーの話題でRocheの名前が出るのは、体外診断(IVD)の事業規模が大きく、その中に血糖測定器・凝固測定・病院用の血糖測定、そして自社開発の連続グルコース測定(CGM)を持つからです。 2025年のFinance Reportによると、Diagnostics部門の売上は138億4,700万スイスフラン(CHF)。 血糖測定を含む「Near Patient Care」(検査室の外で使う診断)は、そのうちの14.3%でした。 本稿は、Diagnostics部門に限って(製薬部門は扱いません)、バイオセンサーに当たる製品群、規制上の位置づけ、投じた資金と買収を、一次資料の範囲で整理します。

構成:Roche Finance Report 2025、Annual Report 2025、Half-Year Report 2026、Diagnostics Day 2025 資料、公式リリース、取扱説明書、FDAの公開文書・データベース、ClinicalTrials.govを一次情報として使用/最終更新 2026年10月

この記事でわかること
  1. 30秒でわかるRocheと、バイオセンサーでの立ち位置
  2. ロゴと社名の表記について
  3. バイオセンサーの世界で、この会社はどこにいるか
  4. 会社の規模
  5. バイオセンサーにかけているリソース
  6. これまでの取り組み
  7. 今後の計画
  8. この会社はバイオセンサーで何を目指しているか
  9. バイオセンサー分野の提携マッピング
  10. 提供している技術・製品・サービス
  11. この企業が抱えるリスク
  12. 用語集/出典/主張と出典の対応表

1. 30秒でわかるロシュと、バイオセンサーでの立ち位置

正式名称Roche Holding Ltd上場会社。主な事業会社は F. Hoffmann-La Roche Ltd。日本語表記はロシュ。1896年創業
本社スイス・バーゼルRoche Holding Ltd の所在地
上場SIX Swiss Exchange株式(RO)と議決権のない証券(ROG)。米国ではOTCQXのADR(RHHBY)
この分野での区分体外診断・POCT
(従:糖尿病・連続測定)
製薬部門は本稿の対象外
Diagnostics部門の売上(2025年)CHF 13,847百万グループ売上(CHF 61,516百万)の約22.5%(本稿の計算)
Near Patient Care の売上(2025年)CHF 1,983百万Diagnostics部門の14.3%。糖尿病管理の製品を含む区分で、糖尿病だけの額は非公表
Diagnostics部門の従業員43,102人2025年末の人数。グループ全体は112,774人
中心となる測定対象・技術血糖(試験紙の電気化学測定)
皮下の間質液のグルコース
自己測定・病院用・連続測定の3つの使い方
まず押さえるべき1点

RocheのDiagnostics部門は、売上の55%(CHF 7,614百万)を検査室向けの大型分析装置と試薬(Core Lab)が占める会社で、 バイオセンサー(その場で測る小型のセンサー)に当たるのは、Near Patient Careに含まれる血糖測定・連続グルコース測定・凝固測定などの一部です 本稿の計算。 Near Patient Careは2025年に前年比で実質3%減(為替の影響を除く)、2026年上半期もCHF換算で11%減でした。会社は、2025年の減少の理由の1つに「血糖測定の売上減(競合圧力)」を挙げています 事実。 一方で、新しい連続グルコース測定「Accu-Chek SmartGuide」の立ち上げに費用をかけていることも、年次の財務資料に書かれています。 血糖測定器と連続測定のそれぞれの売上額は公表されていません 未確定/将来。

2. ロゴと社名の表記について

表記の注意:上場会社は Roche Holding Ltd、医薬品・診断薬の事業を担う主な会社は F. Hoffmann-La Roche Ltd で、日本語では「ロシュ」と書きます。 本稿が扱う Roche Diagnostics は、Roche グループの2つの事業部門(Pharmaceuticals と Diagnostics)の一方の名前です。 Roche Diabetes Care は糖尿病向け事業の呼び名で、Finance Reportの子会社一覧には国ごとの「Roche Diabetes Care」の名を持つ会社が14社あります。製造者として取扱説明書に書かれているのは Roche Diabetes Care GmbH(ドイツ・マンハイム)です。 Accu-Chek、cobas、CoaguChek、mySugr は製品・ブランドの名前で、会社名ではありません。 ロゴ画像は同社の公式サイト(roche.com)のページに埋め込まれているロゴを取得しました。

公式サイト:https://www.roche.com/

3. バイオセンサーの世界で、この会社はどこにいるか

バイオセンサーに関わる企業の4つの類型 同じ「センサーの会社」でも、測る場面・売り先・規制の重さがまったく違う 糖尿病・連続測定 体外診断・POCT ウェアラブル・消費者 材料・部品 血糖を連続で測る 検査機器と試薬を売る 日常の計測を機器に載せる 酵素や電極素材を供給 Dexcom/Abbott Medtronic/Senseonics Roche/bioMérieux Siemens Healthineers Apple/Samsung Oura ほか 東洋紡/Paragraf ほか センサーと臨床データ 据付済みの装置網 多数の利用者と普及 素材性能と品質の安定 規制と償還に左右 検査需要と償還に左右 医療の主張に制約 完成品の需要に左右 Rocheは主に体外診断・POCTの会社で、従として糖尿病・連続測定にも自社の製品を持つ Diagnostics部門の売上はCHF 13,847百万。血糖測定を含むNear Patient Careは14.3%
図1 バイオセンサーに関わる企業の4類型と、Rocheの位置づけ。区分は本稿によるもので、企業名は本シリーズで扱う企業から例示しています 本稿の計算。売上の割合は2025年のFinance Reportに基づきます。

4. 会社の規模

Rocheは医薬品(Pharmaceuticals)と診断(Diagnostics)の2部門からなり、本稿の主題はDiagnostics部門です。会社全体は簡潔に示します 事実。

指標(百万スイスフラン)2024年2025年前年比(為替の影響を除く)
グループ売上60,49561,516+7%
Diagnostics部門の売上14,32413,847+2%(CHF換算では-3%)
Diagnostics部門のコア営業利益2,4021,998-4%
Diagnostics部門のコア営業利益率16.8%14.4%-1.1ポイント
うち Near Patient Care の売上2,1601,983-3%

「コア営業利益」は、リストラ費用や無形資産の償却などを除いたRoche独自の指標です。 Diagnostics部門のコア営業利益が減った理由として、会社は設置済みの機器の増加、新製品(特にAccu-Chek SmartGuide)の生産立ち上げ費用、米国の関税、中国の医療価格改革を挙げています 事実。

Diagnostics部門の顧客領域(2025年)売上(百万CHF)実質成長率会社の説明
Core Lab7,6140%検査室向けの免疫測定・臨床化学。売上の55.0%
Molecular Lab2,527+4%病原体の検出、ゲノム解析
Near Patient Care1,983-3%救急室・診療所・個人向け。糖尿病管理の製品を含む。血糖測定の売上減(競合圧力)に言及
Pathology Lab1,723+14%組織染色、コンパニオン診断

2026年上半期(1〜6月)は、Diagnostics部門の売上がCHF 6,735百万(実質+3%、CHF換算-3%)、Near Patient CareはCHF 909百万(実質-5%、CHF換算-11%)でした。 会社は、Near Patient Careの減少の主因を「呼吸器感染症の流行が短く、分子診断のPOC(現場検査)の売上が減ったこと」とし、 血糖測定製品の需要が増えて一部を相殺したと説明しています 事実。

ここで注意

Near Patient Careには、血糖測定・連続測定のほか、分子診断のPOC(PCR)や免疫測定のPOCが含まれます。 Near Patient Careの増減は、バイオセンサーの売上の増減ではありません。 血糖測定器、試験紙、SmartGuide、病院用血糖測定それぞれの売上額は、Finance Reportでも半期報告書でも開示されていません。本稿はその額を推計しません 未確定/将来。

5. バイオセンサーにかけているリソース

Rocheの開示は、事業部門(Diagnostics)単位です。バイオセンサー(血糖測定・連続測定)に限った人員・研究開発費・設備投資の額はありません。確認できた範囲を表にします。

リソース一次情報で確認できた内容区分
人Diagnostics部門の従業員は43,102人(2025年末。欧州の報告基準に合わせて見習い・インターン等を含む人数)。糖尿病・連続測定に限った人数は非公表。米国インディアナポリスの拠点は、米国の研究開発、研究室、製造、物流などを持つ(会社の説明)。製造者として取扱説明書に書かれているのはドイツ・マンハイムの Roche Diabetes Care GmbH事実/一部非公表
金(研究開発)Diagnostics部門のコア研究開発費はCHF 1,844百万(2025年。売上比13.3%)。主な活動に「心代謝疾患、特に連続グルコース測定への継続投資」と明記。2026年上半期も、連続グルコース測定を主な活動に挙げる(CHF 870百万、売上比12.9%)。連続測定だけの研究開発費は非公表事実/一部非公表
金(設備投資)Diagnostics部門の有形固定資産の増加はCHF 352百万(2025年。前年CHF 307百万)。会社は、設備投資の増加に「機器の設置の増加とドイツの拠点への投資」を挙げる。さらに、2025年5月12日に、インディアナポリスの診断拠点へ2030年までに最大5億5,000万米ドルを投じ、連続グルコース測定の製造拠点にする計画を公表事実/未確定/将来(計画)
買収・出資1997年 Corange/Boehringer Mannheim、2010年 Medingo(インスリンポンプ。2025年にのれん全額CHF 39百万を減損)、2017年 mySugr(糖尿病管理アプリ)、2024年7月26日 LumiraDxの一部子会社(現金US$353百万。Near Patient Careに計上、現場検査の測定プラットフォーム)。2026年にはSAGA Dx(US$408百万)、PathAI(契約済み)もあるが、いずれも病理・がん関連でバイオセンサーとは別事実
大学・研究機関・公的資金Finance Report・年次報告書に、糖尿病・連続測定に関わる大学・公的助成の名前や額は確認できず。ClinicalTrials.govには、SmartGuideの臨床研究が2件あり、1件はRoche自身が主導(ポーランド・トルコの施設)、もう1件はドイツの糖尿病研究機関 FIDAM RDC が主導してRoche Diabetes Careが協力確認できず(研究機関との臨床研究は確認)

規制上の位置づけ(確認できた範囲)

製品用途(intended use)区分日付出典
Accu-Chek Guide(血糖測定器)指先・手のひら・上腕の毛細血管の全血のグルコースを定量。血糖コントロールの効果を見る補助(OTC=一般用)FDA 510(k) clearance(K160944)2016年8月31日出典9
Accu-Chek Guide Me同上(毛細血管の全血、指・手のひら・上腕)FDA 510(k) clearance(K181131)2018年12月13日出典10
Accu-Chek Guide Solo diabetes manager指先の毛細血管の全血のグルコースを定量する、個人が自宅で使う自己検査用。糖尿病の診断・スクリーニング、新生児には使わないFDA 510(k) clearance(K213131)2023年8月10日出典11
Accu-Chek Solo micropump(参考:センサーではなく投与側)インスリンの皮下投与(2歳以上、処方、自宅での単独患者用)。互換のデジタル機器と通信できるFDA 510(k) clearance(K213134)2023年8月10日出典12
cobas pulse(病院用の血糖測定)医療従事者が複数の患者に使う現場検査。静脈・動脈・新生児の動脈/かかと採血の全血のグルコースを定量。指先の毛細血管の血液は対象外。糖尿病の診断・スクリーニングではなく、血糖異常(dysglycemia)の判定用FDA 510(k) clearance(K252323。同じ技術の先行品 K220272)2026年6月12日(K220272は2024年4月26日)出典8
CoaguChek XS Plus医療従事者が、ワルファリン療法のモニタリングのためにプロトロンビン時間を定量する。毛細血管または抗凝固剤なしの静脈の全血FDA 510(k) clearance(K253188。Special 510(k))2025年10月24日出典13
Accu-Chek SmartGuide CGM皮下の間質液のグルコースの連続測定。18歳以上の糖尿病の人と介護者向け(取扱説明書)。欧州では1型・2型糖尿病で柔軟なインスリン療法の成人向けと公表欧州:CE マーク/米国:FDAのデータベースで確認できず(会社は2025年5月時点で510(k)申請中と資料に記載)/日本:確認できなかったCE マーク取得の公表は2024年7月9日出典4・5・7

FDAの「510(k) clearance」は、既に販売されている同等の機器との実質的同等性を認める区分で、新規性の高い機器に使う「De Novo認可」や「PMA承認(approval)」とは異なります。

素材技術者の視点:「会社の財務資料」から素材は見えにくい

Rocheの開示は、検査室の大型分析装置と試薬が中心の会社の形をしています。電極・酵素・膜といった素材の話は、FDAの審査文書と取扱説明書のほうにまとまって書かれています。 たとえば病院用のcobas pulseの試験紙は、FAD依存型のグルコース脱水素酵素(FAD-GDH)でグルコースを酸化し、流れる電流を測る方式(アンペロメトリー)で、試料量は0.6マイクロリットル、ヘマトクリットの範囲は5〜70%と、FDAの審査文書に書かれています 事実。 SmartGuideの取扱説明書は、センサーを「皮下に挿入した電気化学センサー」と説明しますが、酵素・電極材料・拡散を制限する膜の材質は書かれていません 未確定/将来。詳しくは第10章に書きます。

6. これまでの取り組み

時期できごと意味
1896年バーゼルで創業(会社の記載)本稿の対象は診断(Diagnostics)部門
1990年代FDAのデータベースに、Boehringer Mannheim社の「Accu-Chek」血糖測定(1996年)と「CoaguChek」凝固測定(1993年〜)の510(k)が残る。Finance Reportは1997年のCorange/Boehringer Mannheimの買収を「戦略的取引」として記載血糖・凝固の現場測定の製品系統は、買収で引き継いだもの
2010年Medingo(インスリンポンプ)を買収のれん(CHF 39百万)は2025年に全額減損(下記)
2015〜2018年Accu-Chek Connect アプリ(2015年6月3日)、Accu-Chek Guide(2016年8月31日)、Guide Me(2018年12月13日)がFDAの510(k) clearanceを得る血糖測定器とアプリの接続が製品になった時期
2017年mySugr(糖尿病管理アプリ)を買収(Finance Reportの「技術取引」)後にSmartGuideのデータを見るアプリとして統合
2023年8月10日Accu-Chek Solo micropump と Guide Solo diabetes manager が510(k) clearanceセンサー側ではなく、投与側と測定側の機器
2024年4月26日病院用のcobas pulse(K220272)が510(k) clearance2026年に適用範囲が広がる(下記)
2024年5月13日Accu-Chek Guide の一部(限られた製造番号)で、測定単位の表示が誤る可能性があるとして、会社がリコールを開始。FDAがクラスⅡとして分類(Z-2174-2024)FDAの公表文書にある事実のみを記載。対象や対応は出典14を参照
2024年7月9日Accu-Chek SmartGuide CGM が CE マークを取得と公表。欧州の一部で発売予定自社開発の連続グルコース測定の入口。年次報告書は「2024年に発売」と記載
2024年7月26日LumiraDxの一部子会社を現金US$353百万で取得現場検査のプラットフォームの獲得
2025年SmartGuideを30か国超へ拡大。mySugr との統合(mySugr Glucose Insights)で CE マーク。5月12日にインディアナポリスへの最大US$550百万の投資を公表。Medingoののれんを全額減損CGM製造の増強と、アプリ側の連携
2025年4月14日SmartGuideと血糖自己測定(SMBG)を比べる無作為化臨床研究(NCT06704672)を開始目標症例数270人(予定)。2027年5月30日完了予定
2026年2月1日予測機能の心理・行動への影響を見る臨床研究(NCT07814508、FIDAM RDC主導)を開始目標症例数89人(予定)
2026年6月12日cobas pulse(K252323)が510(k) clearance。静脈全血で、集中治療を含む院内のすべての現場に使える範囲へハードウェア・試験紙の変更はなく、ソフトウェアと表示(ラベル)の変更

7. 今後の計画

以下はいずれも会社の計画・目標であり、達成された事実ではありません。Diagnostics Day 2025(2025年5月20日)の資料と公式リリース、ClinicalTrials.govの予定日に基づきます 未確定/将来。

2025〜2026年(会社のロードマップ)SmartGuideの完全な工場較正
mySugrとの統合
ペン型インスリン投与システムとの統合、30か国超での発売、製造の拡大
2027〜2029年経口薬・固定量インスリンへ拡大自動インスリン投与(AID)システムなど外部との統合も記載
2030年以降次世代センサー
75か国超への展開
追加の測定項目と、非侵襲/低侵襲の技術にも言及
インディアナポリスの投資2030年までに最大US$550百万CGM製造の拠点にする計画。完成時期は未確定
  • 米国での発売:2025年5月の資料は、SmartGuideを「米国では販売していない。FDAに510(k)申請中」と注記しています。本稿が2026年10月3日に行ったFDA 510(k)データベースの検索(出願者名と製品コードによる)では、Rocheの連続グルコース測定の掲載は確認できませんでした。申請の現状や承認時期の会社の発表は確認できませんでした。
  • 臨床研究:NCT06704672は、目標症例数270人(予定)、一次評価項目の完了予定は2026年11月15日、全体の完了予定は2027年5月30日。NCT07814508の完了予定は2026年10月31日。
  • 財務の目標:Diagnostics部門の中長期の目標は「売上の伸びが中位〜高位の1桁%」で、2025年は低位〜中位の1桁%の見込みと同じ資料に書かれています。事業全体の目標で、連続測定の目標ではありません。
確認できなかったこと

連続グルコース測定・血糖測定器・試験紙それぞれの売上額、発売国ごとの出荷数/ユーザー数、SmartGuideのFDAへの申請の現状と時期、日本(PMDA)での位置づけ、 センサーの酵素・電極・膜の材料、SmartGuideの製造委託先や部材の供給元、研究開発費・人員の糖尿病分の内訳、大学・公的機関との共同研究の具体名(臨床研究の1件を除く)。

8. この会社はバイオセンサーで何を目指しているか

会社が資料に直接書いている部分と、本稿が読み取った部分を分けます。推測は一次情報から本稿が読み取った解釈です。

読み取れること根拠となる一次情報区分
血糖測定器の市場縮小を受けて、連続測定に軸足を移そうとしているFinance Report 2025:Near Patient Careの減収に「血糖測定の売上減(競合圧力)」、EMEAで「血糖測定市場の縮小が続く」と記載。同じ資料で、連続グルコース測定への研究開発投資と、SmartGuideの生産立ち上げ費用に言及推測
センサー単体ではなく、アプリ・予測・医療従事者向けの管理システムまで一式で売ろうとしているSmartGuideはセンサー、アプリ、予測アプリの3要素。医療従事者向けの Accu-Chek Care との連携、mySugr との統合(CEマーク)、ペン型インスリン投与・AIDシステムとの統合をロードマップに記載事実(構成)/推測(狙い)
米国を製造・販売の重要市場と見ているインディアナポリスをCGM製造の拠点にする投資(最大US$550百万)、米国のFDA申請中との資料の記載事実(投資・申請の記載)/推測(市場の位置づけ)
病院向けの血糖測定を、院内の全場面へ広げるcobas pulseの適用範囲を、2026年6月に静脈全血・集中治療を含む院内全体へ広げるクリアランス事実
将来は血糖以外の測定項目や、より侵襲の低い技術も視野に入れている2030年以降のロードマップに「追加の測定項目、非侵襲または低侵襲の技術」と記載(具体的な技術・時期は書かれていない)事実(記載)/推測(実現性は未確定)
推測の根拠を1つだけ詳しく

「測定器から連続測定へ」という読みの根拠は、財務資料の同じ年に出てくる2つの記述です。 2025年のFinance Reportは、Near Patient Careの売上が減った理由として「血糖測定の売上減(競合圧力)」を、地域別の説明では「血糖測定市場の縮小が続く」ことを書いています。 同じ資料が、Diagnostics部門の研究開発の重点として「心代謝疾患、特に連続グルコース測定への継続投資」を、原価の増加の理由として「SmartGuideの生産立ち上げ費用」を挙げています 事実。 つまり、主力の1つ(血糖測定器と試験紙)の売上が減る中で、費用の増える新しい製品に投資しているという並びです。 一方で、連続測定の売上や利益は開示されていないので、この投資が収益の柱になっているかは外部から確かめられません 未確定/将来。

9. バイオセンサー分野の提携マッピング

Rocheを中心としたバイオセンサー分野の買収と販売の関係 Finance Report・取扱説明書・FDA文書に記載のある関係のみ。報道ベースの関係は含まない Roche Diagnostics部門 Corange/Boehringer Mannheim 血糖・凝固の製品系統(1997年に買収) Medingo インスリンポンプ(2010年に買収) mySugr 糖尿病管理アプリ(2017年に買収) LumiraDx(一部子会社) 現場検査の基盤(2024年に取得) 各国の販売代理店 取扱説明書に連絡先を記載 相互運用する機器の相手 社名は審査文書に記載なし センサーの部材・製造委託先の社名は開示なし 買収 販売(供給) 相手の社名が不明
図2 Rocheを中心としたバイオセンサー分野の買収と販売の関係。出典:Finance Report 2025(買収・のれんの注記)、SmartGuide取扱説明書、FDA 510(k)文書(K213134)。点線は買収を、オレンジの実線は販売を表します。取扱説明書の連絡先一覧には、国ごとに現地法人(Roche Diabetes Care の各社)と販売代理店の名前があり、ここでは「各国の販売代理店」にまとめました。共同開発や部材供給の提携は社名が開示されていないため含められません。

Rocheの資料で社名が確認できる関係は、買収だけです 事実。 Accu-Chek Solo micropumpのFDA文書は、「互換のデジタル接続機器(自動インスリン投与ソフトを含む)と通信できる」と書いていますが、相手の社名は書かれていません。 SmartGuideのセンサーの部材(電極、酵素、膜、電池など)の供給元や製造委託先も、確認した資料にはありません 未確定/将来。

10. 提供している技術・製品・サービス

Diagnostics部門の製品は、検査室の大型分析装置(cobas、Elecsys など)から現場検査まで広がります。本稿ではバイオセンサーに当たる範囲に絞ります。 性能値は取扱説明書やFDA文書にあるメーカー公称・審査文書の値で、参照法・対象・条件とセットで読む必要があり、異なる試験の値を並べて優劣をつけることはできません。

区分公式資料に載っている内容ひとこと
血糖測定器と試験紙(Accu-Chek Guide、Guide Me、Guide Solo など)指先の毛細血管の血液を試験紙につけて測る自己検査用。試験紙の酵素はFAD依存型グルコース脱水素酵素、測定原理は電流を測るアンペロメトリー(Guide Meの審査文書の比較表)FDAでは「一般用(OTC)」の血糖測定器の区分(製品コードNBW)。本シリーズの技術解説「電気化学センサー」を参照
病院用の血糖測定(cobas pulse)FAD-GDH、アンペロメトリー、試料量0.6マイクロリットル、ヘマトクリット5〜70%、underdose(試料不足)検知あり、充電式のリチウム電池(FDA審査文書の比較表)医療従事者が複数の患者に使う。個人向けではない
凝固測定(CoaguChek XS Plus)医療従事者向け。ワルファリン療法のモニタリングのためのプロトロンビン時間の定量2025年10月の510(k)は測定原理を変えない変更(Special 510(k))
連続グルコース測定(Accu-Chek SmartGuide)センサー、アプリ、予測アプリの3要素。5分ごとにグルコース値を送信、装着14日、使い捨てのアプリケーター(一体型)。予測:30分以内の低血糖リスク、2時間先までの推移、夜間の低血糖リスク取扱説明書の用途は「皮下の間質液のグルコースの連続測定」
アプリと医療従事者向けの管理mySugr(登録アカウント600万超)に統合する機能 mySugr Glucose Insights(CEマーク)。医療従事者向けの Accu-Chek Care との連携データの閲覧・分析の側。測定そのものとは別
分子診断・免疫測定などの現場検査cobas liat(PCR、STI検査は20分)など。Diagnostics Day資料はNear Patient Careに複数の現場検査プラットフォームを挙げる分子認識の方式がセンサーとは異なるため、本稿では詳しく扱わない

SmartGuideの取扱説明書にある性能の値(メーカー公称)

項目値条件・出所
全体のMARD9.2%3施設の臨床試験、48人(1型または、インスリンを使う2型糖尿病の18歳以上)。1人が3個のセンサーを上腕の背側に14日間装着。グルコース操作を伴う3日間の採血日に、指先の毛細血管血と比較。15,993組、範囲40〜400 mg/dL、3ロット
グルコース範囲別70〜180 mg/dLで9.8%、>180〜250で8.0%、>250〜350で7.3%、>350で4.9%同じ試験。70 mg/dL未満は相対差ではなく絶対差(54未満で7.5 mg/dL、54〜69で7.0 mg/dL)
装着期間別のMARD開始8.3%/中間9.0%/終了10.8%同じ試験
ParkesエラーグリッドA・B領域に99.8%公式リリースの記載(ADA 2024のポスター演題の結果として引用)。インスリン投与量の判断には較正が必要との注記つき
保管・使用条件保管2〜27°C/使用10〜40°C未開封の保管。防水はIP28(水深1 mで60分まで)。滅菌は放射線
センサーの寸法高さ約5.9 mm、径約33.3 mm、重さ約5 g、針長さ約8.2 mm粘着パッドを含む高さ。取扱説明書の技術データ

MARD(平均絶対相対差)は、センサーの値と比較値(ここでは指先の血液の測定値)の差の割合を平均した値で、小さいほど比較値に近いことを示します。 比較法、被験者、グルコースの操作、装着部位が違う試験の値は、そのまま並べて比べられません。 取扱説明書は、間質液のグルコースは血中の値と同じとは限らない(特に急な増減の間)こと、インスリン量などの治療判断には、アプリの求める較正を行った後の値に限ること、重症患者・透析中の患者は対象外であることを書いています 事実。本稿は測定値の読み方や使い方を助言するものではありません。

素材技術者の視点:試験紙の酵素と、14日間皮下に置くセンサーで効く素材

血糖測定の試験紙では、酵素(FAD-GDH)が起こした反応を、電極で電流として読むのが基本です。 審査文書が、試料量0.6マイクロリットル、ヘマトクリット5〜70%、試料不足の検知を特徴として挙げていることは、電極の面積と流路、血球の影響の抑え方が素材設計の主題だと示しています 事実。 FAD-GDHは、酸素を電子の受け手にするグルコースオキシダーゼ(cobas pulseの比較対象StatStripの酵素)と違い、酸素の濃度の影響を受けにくい酵素として一般に説明されます 未確定/将来。本シリーズの技術解説「酵素と電極界面の材料」を参照してください。

SmartGuideは、14日間、皮膚の上の粘着パッドと皮下の針状センサーで体液に触れ続ける製品です。 取扱説明書の技術データからは、素材に関わる次の点が読み取れます 事実。

  • 電気化学センサーの妨害物質:アスコルビン酸(1日500 mg超の経口、または静脈内の投与)、ゲンチジン酸を含む補助食品、メチルドパを摂取すると、CGM値が実際より高く出る可能性があると書かれています(摂取している場合は医療従事者に相談するよう記載)。電極で酸化されやすい物質が電流に混じる、電気化学方式に共通の課題です(本稿の解説)。
  • 保管温度の幅が狭い:未開封で2〜27°C。酵素を含む部材の安定性が、保管と輸送の条件を決めている可能性があります(推測。理由は書かれていません)。
  • 放射線滅菌:針と酵素を含むセンサーを、放射線で滅菌しています。滅菌後も酵素の活性や膜の性質が保たれる材料設計が必要です(本稿の解説)。
  • 電池の物質:電池に、REACH規則の高懸念物質(SVHC)の候補リストにある1,2-ジメトキシエタンが0.1重量%超含まれると明記されています。使用中に直接触れることはないとの説明です。
  • 防水と粘着:IP28(水深1 mで60分)と、14日間の装着に耐える粘着パッドの両立が必要です(本シリーズの技術解説「パッチ型センサーと皮膚接着」を参照)。

ただし、酵素の種類、メディエーター、電極材料、拡散を制限する膜の材質は、確認した資料に書かれていません。本稿は推測で補いません。

11. この企業が抱えるリスク

リスク内容区分
血糖測定器・試験紙の縮小と競争Finance Report 2025は、Near Patient Careの減収に「血糖測定の売上減(競合圧力)」を、EMEAでは「血糖測定市場の縮小が続く」ことを挙げる。2026年上半期は血糖測定製品の需要が増えたとも説明している事実
米国での連続測定の位置づけSmartGuideは米国で販売していない(2025年5月時点の会社資料)。FDA 510(k)データベースでは本稿の検索で掲載を確認できず、申請の現状と時期は確認できなかった。米国向けの製造拠点への投資は先行している事実/未確定/将来
立ち上げ費用と利益率2025年のDiagnostics部門のコア営業利益は-4%(為替の影響を除く)。原価率は51.9%(+3.4ポイント)で、会社は機器の増加、SmartGuideなど新製品の生産立ち上げ費用、米国の関税、中国の医療価格改革を理由に挙げる。2026年上半期も原価に新製品の費用と関税が含まれる事実
為替2025年のDiagnostics部門の売上は、為替の影響を除くと+2%、CHF換算では-3%。2026年上半期も同様(+3%と-3%)。スイスフラン高の影響を受ける事実
インスリンポンプ事業の不透明さMedingo(2010年買収)ののれんを、2025年の戦略見直しにより全額減損した。見直しの結果として事業をどうするかは、確認した資料に書かれていない事実/未確定/将来
品質に関する当局公表FDAのリコールデータベースには、Roche Diabetes Careを回収実施者とする記録が2017〜2024年に複数ある(試験紙のバイアル、メーターの電源、アプリの接続など。2024年はAccu-Chek Guideの一部で測定単位の表示が誤る可能性)。内容と対象は各記録による事実
開示の少なさ連続測定・血糖測定器それぞれの売上と費用、センサーの材料や部材の供給元がいずれも非開示のため、事業の規模と採算を外部から確かめにくい未確定/将来
材料に関する規制センサーの電池に、REACHのSVHC候補物質(1,2-ジメトキシエタン)が0.1重量%超含まれると取扱説明書が明記。将来の規制の動き次第で材料の見直しが必要になる可能性がある事実(含有の記載)/推測(見直しの可能性)

12. 用語集

Near Patient Care
RocheがDiagnostics部門の顧客領域の1つとして使う名前。救急室、診療所、個人向けなど、検査室の外で使う診断。糖尿病管理の製品を含む。
コア営業利益
リストラ費用や無形資産の償却などを除いた、Rocheが業績の比較に使う指標。
実質成長率(CER)
為替の影響を除いた売上の伸び。CHF換算の伸びとは別に示される。
510(k) clearance
FDAが、すでに販売されている同等の機器との実質的同等性を認める区分。De Novo認可やPMA承認(approval)とは異なる。
OTC(一般用)
処方箋なしで買って使える区分。FDAの血糖測定器の製品コードNBWは「Over-the-Counter」の血糖測定システム。
CGM(連続グルコース測定)
皮下の間質液のグルコースを、センサーで連続して測る方式。5分ごとなど一定間隔で値を送る。
MARD
平均絶対相対差。センサーの値と比較値の差の割合を平均した、測定の近さの指標。試験の条件で値が変わる。
アンペロメトリー
電極に一定の電圧をかけ、酵素の反応で流れる電流の大きさから濃度を求める電気化学の測定方式。
FAD-GDH
FAD依存型のグルコース脱水素酵素。グルコースを酸化し、電子を電極に渡す側の酵素として試験紙に使われる。
SMBG
血糖自己測定。指先の血液を試験紙で測る方法。
概念図:血糖を測る3つの場面(指先の血を試験紙で測る/上腕のセンサーで連続して測る/病院のベッドサイドで測る)
図3 Rocheの血糖測定の使われ方の概念図(AI生成による概念図。実際の製品や施設を写したものではありません)。左:指先の血液を試験紙につける自己測定、中央:上腕に貼ったセンサーと、皮下の細いセンサーの拡大窓、右:病院のベッドサイドでの医療従事者による測定を1枚に描いています。

13. 出典

  1. Roche Finance Report 2025。Diagnostics部門の売上・利益・顧客領域別の売上、研究開発費、設備投資、買収とのれん(Medingo、mySugr、LumiraDx)、子会社一覧、上場情報。 https://assets.roche.com/f/176343/x/fca190f63e/fb25e.pdf
  2. Roche Annual Report 2025。Diagnostics部門の事業の概観、SmartGuideの拡大とmySugr統合、従業員数(部門別)。 https://assets.roche.com/f/176343/x/fa3c863601/ar25e.pdf
  3. Roche Half-Year Report 2026(2026年7月)。2026年上半期のDiagnostics部門の売上・Near Patient Care・研究開発・原価。 https://assets.roche.com/f/176343/x/8a0b362d66/hy26e.pdf
  4. Roche Diagnostics Day 2025 資料(2025年5月20日)。SmartGuideのロードマップ、米国での状況の注記、財務の目標、Near Patient Careの構成。 https://assets.roche.com/f/176343/x/7656180b53/diagnostics-day-20-05-2025.pdf
  5. Roche Media & Investor Release「Roche receives CE Mark for its AI-enabled continuous glucose monitoring solution」(2024年7月9日)。 https://assets.roche.com/f/176343/caf466c9d0/09072024_mr_accu-chek-smartguide-cgm-solution_en.pdf
  6. Roche Diagnostics Media Release「Roche announces $550 million investment to expand its Indianapolis diagnostics manufacturing hub」(2025年5月12日)。 https://diagnostics.roche.com/content/dam/diagnostics/us/en/news-releases/pdf/indianapolis-investment-press%20release-051225.pdf
  7. Roche Diabetes Care User's Manual Accu-Chek SmartGuide device(2025年9月版)。用途、制限、技術データ、性能データ、製造者。 https://tools.accu-chek.com/documents/dms/en/smartguide_device_manual/smartguide_device_app_manual_en_2025-09.pdf
  8. FDA 510(k) K252323 cobas pulse blood glucose monitoring system(クリアランスの通知と510(k)要約、2026年6月12日)。 https://www.accessdata.fda.gov/cdrh_docs/pdf25/K252323.pdf
  9. FDA 510(k) K160944 Accu-Chek Guide Blood Glucose Monitoring System(2016年8月31日)。 https://www.accessdata.fda.gov/cdrh_docs/pdf16/K160944.pdf
  10. FDA 510(k) K181131 Accu-Chek Guide Me Blood Glucose Monitoring System(2018年12月13日)。試験紙の酵素・測定原理の比較表。 https://www.accessdata.fda.gov/cdrh_docs/pdf18/K181131.pdf
  11. FDA 510(k) K213131 Accu-Chek Guide Solo diabetes manager blood glucose monitoring system(2023年8月10日)。 https://www.accessdata.fda.gov/cdrh_docs/pdf21/K213131.pdf
  12. FDA 510(k) K213134 Accu-Chek Solo micropump system with interoperable technology(2023年8月10日)。 https://www.accessdata.fda.gov/cdrh_docs/pdf21/K213134.pdf
  13. FDA 510(k) K253188 CoaguChek XS Plus System(2025年10月24日、Special 510(k))。 https://www.accessdata.fda.gov/cdrh_docs/pdf25/K253188.pdf
  14. FDA Medical Device Recalls:Class 2 Device Recall Roche Diabetes Care, Inc., AccuChek Guide Meter(Z-2174-2024)。 https://www.accessdata.fda.gov/scripts/cdrh/cfdocs/cfres/res.cfm?id=207936
  15. FDA(openFDA) 510(k) K944459 ACCU-CHEK INSTANT PLUS G-C/DM(Boehringer Mannheim Corp.、1996年4月17日)の登録情報。 https://api.fda.gov/device/510k.json?search=k_number:K944459
  16. FDA(openFDA) 510(k) K930454 BOEHRINGER MANNHEIM COAGUCHEK SYSTEM(1993年8月5日)の登録情報。 https://api.fda.gov/device/510k.json?search=k_number:K930454
  17. FDA(openFDA) 510(k) K150910 ACCU-CHEK Connect Diabetes Management App(2015年6月3日)の登録情報。 https://api.fda.gov/device/510k.json?search=k_number:K150910
  18. FDA(openFDA) 510(k) K220272 cobas pulse blood glucose monitoring system(2024年4月26日)の登録情報。 https://api.fda.gov/device/510k.json?search=k_number:K220272
  19. ClinicalTrials.gov NCT06704672:Accu-Chek SmartGuide CGM と血糖自己測定の比較(Hoffmann-La Roche主導、募集中)。 https://clinicaltrials.gov/study/NCT06704672
  20. ClinicalTrials.gov NCT07814508:Accu-Chek SmartGuide CGM と Predict App の心理・行動への影響(FIDAM RDC主導、Roche Diabetes Careが協力、募集中)。 https://clinicaltrials.gov/study/NCT07814508
  21. Roche 公式サイト(ロゴ画像の取得元)。 https://www.roche.com/
  22. Mader JK ほか 「1924-LB: Clinical Performance of a Novel CGM System」Diabetes 2024; 73 (Supplement_1)(ADA 2024のポスター演題。公式リリースが引用)。 https://doi.org/10.2337/db24-1924-LB
  23. FDA 510(k) Premarket Notification Database(検索ページ。本稿が出願者名・製品コードで2026年10月3日に検索)。 https://www.accessdata.fda.gov/scripts/cdrh/cfdocs/cfpmn/pmn.cfm
  24. FDA(openFDA) Device Recall データベースでの Roche Diabetes Care の記録(検索結果)。 https://api.fda.gov/device/recall.json?search=recalling_firm:%22Roche+Diabetes+Care%22&limit=30

14. 主張と出典の対応表

本文の主張区分出典
正式名称(上場会社)、本社、上場市場、1896年創業、株式コード事実出典1 https://assets.roche.com/f/176343/x/fca190f63e/fb25e.pdf 出典6 https://diagnostics.roche.com/content/dam/diagnostics/us/en/news-releases/pdf/indianapolis-investment-press%20release-051225.pdf
グループ売上(2025年CHF 61,516百万、2024年CHF 60,495百万)、Diagnostics部門の売上・コア営業利益・利益率事実出典1 https://assets.roche.com/f/176343/x/fca190f63e/fb25e.pdf
顧客領域別の売上(Core Lab 7,614、Molecular Lab 2,527、Near Patient Care 1,983、Pathology Lab 1,723)と説明、血糖測定の売上減(競合圧力)、血糖測定市場の縮小事実出典1 https://assets.roche.com/f/176343/x/fca190f63e/fb25e.pdf
2026年上半期のDiagnostics部門の売上CHF 6,735百万、Near Patient Care CHF 909百万と減少の理由事実出典3 https://assets.roche.com/f/176343/x/8a0b362d66/hy26e.pdf
Diagnostics部門の従業員43,102人、グループ112,774人事実出典2 https://assets.roche.com/f/176343/x/fa3c863601/ar25e.pdf
Diagnostics部門のコア研究開発費CHF 1,844百万(連続グルコース測定への投資に言及)、2026年上半期CHF 870百万事実出典1 https://assets.roche.com/f/176343/x/fca190f63e/fb25e.pdf 出典3 https://assets.roche.com/f/176343/x/8a0b362d66/hy26e.pdf
Diagnostics部門の有形固定資産の増加CHF 352百万(前年CHF 307百万)、設備投資増加の理由事実出典1 https://assets.roche.com/f/176343/x/fca190f63e/fb25e.pdf
インディアナポリスの診断拠点へ2030年までに最大US$550百万を投じCGMの製造拠点にする計画(2025年5月12日)未確定/将来出典6 https://diagnostics.roche.com/content/dam/diagnostics/us/en/news-releases/pdf/indianapolis-investment-press%20release-051225.pdf
Corange/Boehringer Mannheim(1997年)、Medingo(2010年)、mySugr(2017年)の買収、Medingoののれん全額CHF 39百万の減損(2025年)事実出典1 https://assets.roche.com/f/176343/x/fca190f63e/fb25e.pdf
LumiraDxの一部子会社を2024年7月26日に現金US$353百万で取得、Near Patient Careに計上事実出典1 https://assets.roche.com/f/176343/x/fca190f63e/fb25e.pdf
2026年のSAGA Dx(US$408百万)・PathAIの買収契約は病理・がん関連事実出典3 https://assets.roche.com/f/176343/x/8a0b362d66/hy26e.pdf
1990年代のBoehringer Mannheim社のAccu-Chek(1996年)・CoaguChek(1993年)の510(k)事実出典15 https://api.fda.gov/device/510k.json?search=k_number:K944459 出典16 https://api.fda.gov/device/510k.json?search=k_number:K930454
Accu-Chek Connect アプリ(2015年6月3日)の510(k) clearance事実出典17 https://api.fda.gov/device/510k.json?search=k_number:K150910
Accu-Chek Guide(K160944、2016年8月31日)の用途と区分(OTC、製品コードNBW)事実出典9 https://www.accessdata.fda.gov/cdrh_docs/pdf16/K160944.pdf
Accu-Chek Guide Me(K181131、2018年12月13日)の用途、FAD-GDHとアンペロメトリー事実出典10 https://www.accessdata.fda.gov/cdrh_docs/pdf18/K181131.pdf
Accu-Chek Guide Solo(K213131)の用途、Solo micropump(K213134)の用途と対象年齢(2023年8月10日)事実出典11 https://www.accessdata.fda.gov/cdrh_docs/pdf21/K213131.pdf 出典12 https://www.accessdata.fda.gov/cdrh_docs/pdf21/K213134.pdf
cobas pulse(K252323、2026年6月12日)の用途、試験紙の酵素・試料量・ヘマトクリット範囲、先行するK220272(2024年4月26日)事実出典8 https://www.accessdata.fda.gov/cdrh_docs/pdf25/K252323.pdf 出典18 https://api.fda.gov/device/510k.json?search=k_number:K220272
CoaguChek XS Plus(K253188、2025年10月24日)の用途とSpecial 510(k)であること事実出典13 https://www.accessdata.fda.gov/cdrh_docs/pdf25/K253188.pdf
Accu-Chek Guide の一部のリコール開始(2024年5月13日)、FDAのクラスⅡ分類(Z-2174-2024)と理由事実出典14 https://www.accessdata.fda.gov/scripts/cdrh/cfdocs/cfres/res.cfm?id=207936
Roche Diabetes Careを回収実施者とする記録が2017〜2024年に複数ある事実出典24 https://api.fda.gov/device/recall.json?search=recalling_firm:%22Roche+Diabetes+Care%22&limit=30
SmartGuideのCEマーク取得の公表(2024年7月9日)、構成(センサー・アプリ・予測アプリ)、5分ごとの送信、14日間装着、予測機能の説明事実出典5 https://assets.roche.com/f/176343/caf466c9d0/09072024_mr_accu-chek-smartguide-cgm-solution_en.pdf 出典7 https://tools.accu-chek.com/documents/dms/en/smartguide_device_manual/smartguide_device_app_manual_en_2025-09.pdf
SmartGuideを2024年に発売、2025年に30か国超へ拡大、mySugr統合でCEマーク、mySugrの登録アカウント600万超事実出典2 https://assets.roche.com/f/176343/x/fa3c863601/ar25e.pdf
SmartGuideの用途(皮下の間質液のグルコースの連続測定)、対象(18歳以上)、制限事項、妨害物質、寸法、保管・使用条件、IP28、放射線滅菌、電池のSVHC、製造者事実出典7 https://tools.accu-chek.com/documents/dms/en/smartguide_device_manual/smartguide_device_app_manual_en_2025-09.pdf
SmartGuideのMARD 9.2%、グルコース範囲別・装着期間別の値と試験の条件事実出典7 https://tools.accu-chek.com/documents/dms/en/smartguide_device_manual/smartguide_device_app_manual_en_2025-09.pdf
Parkesエラーグリッドでのゾーン A・B 99.8%(公式リリース)事実出典5 https://assets.roche.com/f/176343/caf466c9d0/09072024_mr_accu-chek-smartguide-cgm-solution_en.pdf 出典22 https://doi.org/10.2337/db24-1924-LB
SmartGuideは米国では販売しておらず510(k)申請中と注記(2025年5月時点の会社資料)事実出典4 https://assets.roche.com/f/176343/x/7656180b53/diagnostics-day-20-05-2025.pdf
FDA 510(k)データベースにRocheの連続グルコース測定の掲載を確認できなかったこと本稿の計算出典23 https://www.accessdata.fda.gov/scripts/cdrh/cfdocs/cfpmn/pmn.cfm
日本(PMDA)での位置づけ、SmartGuideの酵素・電極・膜の材料、製造委託先・部材供給元未確定/将来確認した資料に記載なし。確認できず。存在しないとも断定しない 出典7 https://tools.accu-chek.com/documents/dms/en/smartguide_device_manual/smartguide_device_app_manual_en_2025-09.pdf
SmartGuideの臨床研究NCT06704672(2025年4月14日開始、目標270人、完了予定2027年5月30日)事実出典19 https://clinicaltrials.gov/study/NCT06704672
臨床研究NCT07814508(FIDAM RDC主導、2026年2月1日開始、目標89人)事実出典20 https://clinicaltrials.gov/study/NCT07814508
2025〜2026年/2027〜2029年/2030年以降のロードマップ、財務の目標未確定/将来出典4 https://assets.roche.com/f/176343/x/7656180b53/diagnostics-day-20-05-2025.pdf
糖尿病・連続測定に限った売上額・研究開発費・人員、大学・公的助成の名前や額未確定/将来Finance Report・年次報告書に記載なし。本稿では推計しない 出典1 https://assets.roche.com/f/176343/x/fca190f63e/fb25e.pdf 出典2 https://assets.roche.com/f/176343/x/fa3c863601/ar25e.pdf
Diagnostics部門のグループ売上に占める割合約22.5%、Near Patient Careの割合14.3%本稿の計算本稿による割り算(出典1の数値から)
4類型の区分と企業名の例示本稿の計算本稿による整理。企業名は本シリーズで扱う企業から例示
「血糖測定器から連続測定へ軸足を移そうとしている」という読み推測出典1の記述の並びからの本稿の解釈(第8章)
アプリ・予測・医療従事者向け管理まで一式で提供しようとしているという読み推測出典5・7・4の構成からの本稿の解釈
米国を製造・販売の重要市場と見ているという読み推測出典4・6の記載からの本稿の解釈
FAD-GDHが酸素の濃度の影響を受けにくいと一般に説明されること、電極で酸化されやすい物質の妨害、放射線滅菌後の材料設計本稿の解説本稿の解説(素材技術者の視点)。出典7・8の事実を材料の観点で整理
保管温度の幅の狭さの理由推測取扱説明書に理由の記載なし(出典7)。本稿の解釈

最終更新:2026年10月3日/Troy Technical
本稿の数値は、Rocheの財務資料・公式リリース・取扱説明書、FDAの公開文書、ClinicalTrials.govに基づきます。調査会社の推計値・報道ベースの数値は使用していません(Roche自身の資料にある市場規模の数字は採用しません)。「推測」と記した箇所は、一次情報から本稿が読み取った解釈であり、会社の公表内容ではありません。本稿は製品の使用を勧めるものではなく、測定値の読み方や治療に関する助言ではありません。