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パラグラフ 企業解説

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COMPANY PROFILE / バイオセンサー

パラグラフ
― グラフェンを素材の成長からチップまで一貫して作り、バイオセンサー用のトランジスタを研究者に販売する英国の新興企業

Paragrafは、英国ケンブリッジシャーに拠点を置くグラフェン電子デバイスの設計・製造会社です。グラフェンを転写せずに基板の上へ直接成長させる独自の方法で、 磁場を測るホール効果センサーと、分子を検出するグラフェン電界効果トランジスタ(GFET)を作っています。バイオセンサーに関わるのは後者で、 DNA・タンパク質・イオン・ガスなどを検出する実験用のチップとして、3チャンネルの「PMF2000」と12チャンネルの「PMF2002」を販売しています。 診断薬としての製品を自社で売っているとは確認できず、腎臓病の検査向けのカリウム検出チップ(Archer Materials)や在宅検査のカートリッジ(Tachmed)は、提携先が開発を進めている段階です。 本稿では、公式サイト、プレスリリース、製品データシート、英国の法定決算書から何を確認でき、何を確認できなかったかを整理し、素材技術者の視点でグラフェン素子の何が測定を左右するかを書きます。

構成:公式サイト(会社概要、分子センサーのページ、製品データシート、応用ノート、プレスリリース)、英国 Companies House の登記と2025年12月期の連結決算書(2026年9月14日提出)、査読論文1本(DOI確認済み)を一次情報として使用/最終更新 2026年10月

この記事でわかること
  1. 30秒でわかるParagrafと、バイオセンサーでの立ち位置
  2. ロゴと社名の表記について
  3. バイオセンサーの世界で、この会社はどこにいるか
  4. 会社の規模
  5. バイオセンサーにかけているリソース
  6. これまでの取り組み
  7. 今後の計画
  8. この会社はバイオセンサーで何を目指しているか
  9. バイオセンサー分野の提携マッピング
  10. 提供している技術・製品・サービス
  11. この企業が抱えるリスク
  12. 用語集
  13. 出典
  14. 主張と出典の対応表

1. 30秒でわかるパラグラフと、バイオセンサーでの立ち位置

正式名称Paragraf Limited英国の非上場会社。登記番号 09889431、2015年11月25日設立(Companies House)
本社(登記上)英国ケンブリッジシャー
Somersham
7-8 West Newlands。製造拠点は Huntingdon
形態非上場
(有限責任の民間会社)
調達額は同社の説明で累計1億5千万米ドル超。決算書は公開
この分野での類型材料・部品グラフェン素子のメーカー。診断薬の製品は未確認
中心となる技術・対象グラフェン電界効果
トランジスタ(GFET)
核酸・タンパク質・イオン・ガスの検出用チップ(研究用)
売上高(2025年12月期)£506,455総収益 £1,537,887(補助金などを含む)。営業損失 £21,012,114
従業員平均108人2025年の月平均(連結)。技術・知財 52人
主な市場研究用センサー、
磁場センサー、量子計算
バイオ以外に、極低温ホール素子や車載などの用途がある
まず押さえるべき1点

Paragrafのバイオセンサー用チップは「検出する分子を、買う側が自分で決める白紙のトランジスタ」です 事実。 同社は、GFETのセンサー表面は顧客が機能化するため、同じ土台で水質、土壌、ガス、分子バイオセンシングなど、どの対象にも設定できると説明しています(2026年8月18日のプレスリリース)。 つまり、血糖や特定の病気のマーカーを測る完成品ではなく、その手前の素子と、素子を作る工場を売る会社です。 診断用途は、腎臓病の在宅検査を目指す Archer Materials(豪州)と、在宅検査のカートリッジを手がける Tachmed(英国)との提携で進めている段階で、 規制当局の認可・適合の記録は確認できませんでした 未確定/将来。 また、同社の製品データと応用ノートには血糖(グルコース)を測る製品や実験データがありません。グルコースへの言及は、2023年のコラムでの例え話(血糖測定は精度と手軽さの両立に成功した例外、という文脈)と、買収前のCardea Bioが2022年に出した、細胞培養液中のグルコースなどを測る構想の記述にとどまります。公開資料が実験で示しているのは、カリウムイオン、pH、ガス、DNA・タンパク質の相互作用などです。

2. ロゴと社名の表記について

ロゴは同社の公式サイト(paragraf.com)のヘッダーで公開されているものを、そのまま取得して設置しています(img/paragraf_logo.png)。生成画像による再現は行っていません。

表記の注意:法人名は Paragraf Limited(英国の私有会社。登記上の所在地は Somersham)です。2023年に買収した米国の Cardea Bio は、Paragraf USA に名称変更されました(同社のプレスリリース)。 GFET は製品の種類(グラフェン電界効果トランジスタ)、PMF2000・PMF2002・GFET-PV01 は製品の型番で、会社名ではありません。TachShield は提携先 Tachmed の製品名です。 同社の沿革の説明は「2018年に設立(ケンブリッジ大学での初期開発のあと)」ですが、Companies House の登記は2015年11月25日で、一致していません。本稿は両方を記載します。 同社は ISO 9001:2015 と ISO 45001:2018 の認証を取得していると公式サイトで述べています。

公式サイト:https://www.paragraf.com/

3. バイオセンサーの世界で、この会社はどこにいるか

バイオセンサーに関わる企業の4つの類型 同じ「センサーの会社」でも、測る場面・売り先・規制の重さがまったく違う 糖尿病・連続測定 体外診断・POCT ウェアラブル・消費者 材料・部品 血糖を連続で測る 検査機器と試薬を売る 日常の計測を機器に載せる 酵素や電極素材を供給 Dexcom/Abbott Medtronic/Senseonics Roche/bioMérieux Siemens Healthineers Apple/Samsung Oura ほか 東洋紡/Paragraf ほか センサーと臨床データ 据付済みの装置網 多数の利用者と普及 素材性能と品質の安定 規制と償還に左右 検査需要と償還に左右 医療の主張に制約 完成品の需要に左右 Paragrafは右端の「材料・部品」。グラフェンのトランジスタ(GFET)を素材の成長から一貫して作る 診断薬の製品は未確認で、研究用チップを販売。診断用途は提携先(Archer、Tachmed)が開発中と発表
図1 バイオセンサーに関わる企業の4類型と、Paragrafの位置づけ。区分は本稿によるもので、企業名は本シリーズで扱う企業から例示しています 本稿の計算。Paragrafが研究用のGFETチップを販売し、診断用途は提携先と開発中であることは、同社の公式サイトとプレスリリースに基づきます。

Paragrafの主たる類型は材料・部品です。従たる類型は特にありません(診断薬や測定器の完成品は、確認できた範囲では自社で売っていません)。 バイオセンサーに関わる製品は、グラフェンの電界効果トランジスタ(GFET)のチップで、電解液を介して電圧を加え、分子がグラフェンの表面に付くことで起きる電気的な変化を読み取ります。 どの材料・用途が中心かを、同社の資料で確認できた範囲で整理します。

材料・用途Paragrafでの位置づけ確認できた一次情報区分
分子センサー用GFET(PMF2000、PMF2002)中心(バイオ)。PMF2000は3チャンネル、PMF2002は12チャンネル。研究・センサー開発用で、検出する分子は買う側が表面に付ける。オンラインストアで販売分子センサーのページ、PMF2000データシート(2026年5月6日版)、プレスリリース(2026年5月12日、同年8月18日)事実
前世代のGFET-PV01PMF2000の前の世代(同社は「PV01の後継」と説明)。応用ノート(pH、カリウム、血清中のカリウム、ピレン修飾、アセトンガス)の実験に使われたデバイス製品パンフレット(2024年)、応用ノート5点事実
診断用途(提携先が開発)腎臓病の在宅検査を目指すカリウム検出チップ(Archer Materials)と、在宅検査のカートリッジ(Tachmed)。どちらも開発中で、製品としての発売は確認できず同社のプレスリリース(2025年5月28日の2本)事実(提携の発表)
Cardea Bio 由来の技術2023年に買収した米国のバイオセンサー企業。CRISPRなどを使った分子検出のIPと人材を取り込んだと同社が説明。米国サンディエゴの拠点はParagraf USAプレスリリース(2023年5月2日)、査読論文(Advanced Materials、2026年)事実
グラフェンのホール効果センサー(GHS)別事業。磁場を測る素子で、極低温、量子計算、車載などが用途。本稿では扱わない公式サイトのトップページ事実
受託の2D材料ファウンドリ顧客の設計に合わせたグラフェンなどの堆積・デバイス製造の受託公式サイト、プレスリリース事実
血糖測定・連続血糖測定・ウェアラブル同社の資料では確認できず。製品データと応用ノートに血糖の記載は無い―未確定/将来

4. 会社の規模

Paragrafは非上場ですが、英国の会社法に基づく連結決算書が Companies House に提出されています。2025年12月期(2025年1月1日〜12月31日)の数値を、原文のまま英ポンド(£)で示します 事実。決算書の画像(スキャン)を目で読み取った数値で、バイオセンサー事業だけの内訳は開示されていません。

項目(連結)2025年12月期2024年12月期
売上高(Revenue)£506,455£319,563
 製品販売£300,005£307,745
 非反復の技術サービス(non-recurring engineering)£206,450£11,818
その他営業収益£1,031,432(補助金 £934,659、研究開発費の税額控除 £80,501、金属くずの売却 £16,272)£791,598
総収益(Total income)£1,537,887(同社は前年比38%増と説明)£1,111,161
従業員給付費用£7,448,380£7,788,845
減価償却・償却費£8,540,844£6,407,702
営業損失£21,012,114£19,339,381
当期損失£20,537,240£19,851,477
現金及び現金同等物(期末)£2,979,426(現金の純減 £4,169千)£7,184,492
純資産£48,087,210(無形資産 £33,145,285、有形固定資産 £19,997,407)£53,392,889
従業員(月平均、取締役を含む)108人(技術・知財 52、営業・運営 47、財務・人事・管理 7、取締役 2)115人
本稿の計算値
売上高のうち非反復の技術サービスの割合約40.8%(206,450 ÷ 506,455)本稿の計算
売上高のうち「その他の地域」(英国・北米・欧州・アジア以外)の割合約68.4%(346,263 ÷ 506,455)。2024年は0%で、北米が72.6%だった本稿の計算
総収益のうち補助金の割合約60.8%(934,659 ÷ 1,537,887)本稿の計算
ここで注意

売上高は£50万台と小さく、営業損失は売上高の約41倍です 本稿の計算(21,012,114 ÷ 506,455)。 監査人(Saffery LLP)は、財務諸表の作成に継続企業の前提を用いることは適切で、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象や状況は見いだしていない、との結論を示しています(監査報告書)。 また、決算日の後に株式の追加発行(2026年1〜3月に£5,000、£3,999,994、£1,838,235)があり、2026年3月には中国と中東(UAE)に子会社が設立されました。 同社の決算書は製品群(磁場センサー、分子センサー、固体素子)の別の売上を開示していません。バイオセンサー用GFETの売上は確認できません 未確定/将来。

5. バイオセンサーにかけているリソース

バイオセンサー部門だけの人員・費用は開示されていません。会社全体の数値と、バイオセンサーに直接関わる拠点・提携を分けて、人・金・外部・大学の4点で整理します。

項目確認できた内容区分
人(研究開発拠点・人員)月平均108人(2025年)で、技術・知財が52人。拠点は、英国の Somersham(本社・MOCVD設備)、Huntingdon(製造拠点・「ファウンドリ」)、米国サンディエゴ(Paragraf USA、旧Cardea Bio のバイオ研究室)。同社は「5拠点・3大陸(英国、米国、中国、UAE)」と説明。バイオセンサー部門だけの人員は非公表事実/非公表
金(研究開発費・設備投資)研究開発費として費用処理した額は£1,202,705(前年 £1,052,435)、開発費として資産計上した額は£656,819(前年 £424,362)。有形固定資産は£19,997,407、リース負債は£8,713,877。資金調達は、シード£2.9m(2018年)、シリーズA £12.8m(2019年3月)→£16.2m(同年12月)、シリーズB US$60m(2022年3月1日)、シリーズC US$55m(2025年8月25日)。累計は、公式サイトの会社概要で「US$1億4千万」、2026年のプレスリリースで「1億5千万米ドル超」と説明され、記載が一致していない。バイオセンサー用の投資額は非公表事実/非公表
外部への出資・買収・合弁2023年5月2日に米国の Cardea Bio を買収し、Paragraf USA に改称。条件は発表資料に記載なし。決算書は、この取引を「事業の取得」ではなく「資産の取得」として会計処理したと説明(価値が特許と開発技術に集中しているため)。出資者は、Cambridge Enterprise、Parkwalk、Amadeus、IQ Capital、Draper Esprit、New Science Ventures、In-Q-Tel、British Patient Capital など。他社への出資は確認できず事実/確認できず(他社への出資)
大学・研究機関・公的資金ケンブリッジ大学の研究から生まれた会社(同社の説明)。2025年にケンブリッジ大学と英国政府系の Innovate UK の助成による共同研究(強誘電体とグラフェントランジスタの記憶素子。バイオセンサーではない)。補助金の受領は2025年に£934,659(案件別の内訳は非公表)。2026年9月に韓国の「K-Graphene Commercialisation Council」に唯一の海外企業として参加。バイオセンサーに限った公的資金は確認できなかった事実/確認できず(個別案件)

規制・品質上の位置づけ

Paragrafのバイオセンサー用チップは、データシートが「単回使用」で、非産業・非研究の環境、屋外、濡れた環境、爆発性の雰囲気で使うよう設計されていないと明記する研究・開発用の部品です。診断薬や医療機器として売るという記載はありません。 下の表は、当局の公開データと同社・提携先の資料で確認できた範囲です(本稿は診断・治療・測定値の読み方を助言するものではありません)。

対象用途・内容区分日付
PMF2000・PMF2002(GFET)研究・センサー開発用。データシート:「単回使用」。非産業・非研究の環境などでの使用は設計外研究用部品。医療機器・体外診断用医薬品としての区分は確認できなかった2026年5月6日版(データシート)
Archer Materials の Biochip(カリウムイオン検出チップ)腎臓病の在宅検査を目指す。Paragraf のGFETの上に構築。作業は3か月ずつ2段階、見積総額£222,000(Paragraf のページによる)開発中。認可・適合の記録は確認できなかった2025年5月19日発表
Tachmed の在宅検査カートリッジ(TachShield)GFETバイオセンサーを使う次世代の診断検査を共同開発し、在宅検査のカートリッジの供給を拡大する、との発表開発中。認可・適合の記録は確認できなかった2025年5月28日発表
FDAのデータベースFDAの公開データ(openFDA)で、510(k)、PMA、医療機器登録の申請者名として「Paragraf」「Tachmed」を検索したところ該当なし。「Cardea」は別会社(Cardea Associates、2013年)のみ。De Novo は検索手段が限られ確認していない該当なし(認可が無いと断定するものではない)2026年10月確認
品質マネジメントISO 9001:2015 と ISO 45001:2018 の認証を取得していると公式サイトに記載(認証機関と登録番号は確認していない)民間の第三者認証(当局の承認ではない)―

6. これまでの取り組み

時期できごと意味
2015〜2018年2015年11月25日に法人登記(Companies House)。2018年にケンブリッジ大学からのスピンオフとして、£2.9mのシード資金を調達(主導は大学の事業化部門 Cambridge Enterprise)グラフェン素子の事業化の出発点
2019年シリーズA £12.8m(3月)、£3.4mを追加して£16.2m(12月、Draper Esprit が参加)最初の製品(ホール効果センサー)の市場投入に向けた資金
2022年3月シリーズB US$60m(主導は New Science Ventures)。同社は「臨床の検査現場を変えるグラフェンのバイオセンサー」を次の製品として準備中と説明バイオセンサーを次の柱に位置づけた最初の発表
2023年5月2日米国サンディエゴの Cardea Bio を買収し、Paragraf USA に改称。CRISPRなどによる分子検出のIPを取り込んだと説明バイオセンシングの知見と人材の獲得
2024年GFET-PV01の製品パンフレット(© 2024)と応用ノート(pH、カリウム、ピレン修飾、アセトンガス)を公開研究者向けの販売と、使い方の資料の整備
2025年5月Archer Materials がカリウム検出チップの開発で提携(5月19日)、Tachmed が在宅検査のカートリッジで提携(5月28日)診断用途は提携先を通じて進める形
2025年8月・12月シリーズC US$55m(8月25日)。Huntingdon で初の6インチウェハーを製造(12月22日)製造能力の拡大
2026年4〜5月血清中のカリウム検出の応用ノート(4月)。PMF2000データシート(5月6日)。Huntingdon の新工場で作った最初のデバイスとしてPMF2000を発表(5月12日)6インチ・シリコン上の量産ラインの最初の製品
2026年7〜9月査読論文(Advanced Materials、7月12日オンライン公開)。PMF2002と Enterprise Reader を発表(8月18日)。韓国の K-Graphene Commercialisation Council に参加(9月14日)。2025年12月期の決算書を提出(9月14日)12チャンネル化と、国際展開

7. 今後の計画

製品PMF2002(12チャンネル)と
Enterprise Reader
2026年8月18日に発表。多チャンネルで同時に測れる読み出し装置とセット
製造Huntingdon の
ファウンドリの完成と自動化
2025年12月期の戦略報告が「最優先」と記載。6インチウェハーで量産する
診断用途Archer の Biochip、
Tachmed のカートリッジ
提携先が開発。Tachmed は中東、英国、米国、アジアを優先市場とする
拠点中国とUAEに子会社
(2026年3月設立)
決算書の後発事象。LingXi (Shanghai) Microelectronics と Paragraf Technologies(UAE)

同社の公表している計画は、製品の追加、製造能力の拡大、提携先との開発が中心で、具体的な売上目標や発売日は示されていません 未確定/将来。 Archer との共同開発は、血液中のカリウムの検出を狙う目標仕様(target product profile)に向けた作業で、第1段階は測定条件の最適化、チップの品質検査の改善、センサー表面の機能化の独自開発、 第2段階は実験室用のデバイスから製品に近いチップへの再設計と、センサーの安定性・寿命・堅牢性の改善、という計画です(Paragraf のページによる)。 製品固有の知的財産は Archer が持つ、と書かれています。

確認できなかったこと

次はいずれも一次資料に記載がありません 未確定/将来。

診断薬としての製品の発売時期/規制当局への申請・臨床試験の計画/バイオセンサー用GFETの売上・数量の目標/血糖や連続血糖測定への展開/設備投資額(Huntingdon のファウンドリの投資額)/新たな買収の計画。

8. この会社はバイオセンサーで何を目指しているか

ここは会社が直接には述べていない部分を含みます。一次情報から読み取れる範囲の推測として、根拠とともに書きます。

読み取れること根拠となる一次情報区分
グラフェンを、シリコンの代わりになりうる半導体材料として、標準の半導体工程で量産することを狙っている公式サイト:「標準的な半導体の基板の上で直接グラフェンを成長」「世界初のグラフェンのファウンドリ」。2025年12月に2インチのサファイアから6インチのシリコンへ移行事実(会社の説明)
バイオセンサーでは、顧客が表面を機能化する「白紙のチップ」を売る位置にとどまろうとしている2026年8月のプレスリリース:「GFETのセンサー表面は顧客が機能化するので、同じ土台をどの対象にも設定できる」。データシートも、チャンネルごとの機能化を前提とする事実(会社の説明)
診断薬としての完成品は、提携先に任せる分業をとろうとしているArcher との提携で、製品固有の知的財産は Archer が持つ。Tachmed の提携は、同社のセンサーを Tachmed のプラットフォームに組み込み、カートリッジの供給を拡大するもの。自社で診断薬を売る記載は無い推測
売上は当面研究用チップと技術サービスが中心で、診断用途の売上は先になる2025年12月期の売上高 £506,455 のうち、製品販売 £300,005、非反復の技術サービス £206,450。製品販売は前年(£307,745)とほぼ同じ推測
バイオセンサー以外(磁場センサー、量子、車載、記憶素子)にも軸足を置いている取締役報告の「3つの製品の流れ(磁場センサー、分子センサー、固体素子)」、2026年4月の Archer との量子素子の協業、Innovate UK の助成による記憶素子の研究事実(会社の説明)
推測の根拠を1つだけ詳しく

「診断薬の完成品は提携先に任せる分業をとろうとしている」と読む根拠は、提携の発表が、役割の線をはっきり引いていることです。 Archer Materials との提携は、同社の Biochip(カリウムイオンのセンサー)をParagraf のGFETの上に構築する作業で、成果のうち製品固有の知的財産は Archer が持つ、と書かれています。 Tachmed との提携は、Paragraf の GFET を Tachmed のデジタルヘルスのプラットフォーム(TachShield)に組み込み、在宅検査のカートリッジの供給を拡大できるようにするものです。 どちらも、検査の対象物質(アッセイ)と最終製品の設計・規制対応は提携先の側にあり、Paragraf は素子とそれを作る工場を担う、という形に読めます。 ただし、これは両社の発表の文面からの本稿の解釈で、契約の詳細や今後の方針は公表されていません 未確定/将来。

9. バイオセンサー分野の提携マッピング

Paragrafを中心とした、買収・出資・提携・供給の関係 同社の公式サイトとプレスリリースに記載のある関係のみ。報道だけの関係は含まない 共同開発・連携 部材の供給 買収・出資 Paragraf グラフェンGFET Paragraf USA(旧Cardea Bio) 2023年5月に買収(サンディエゴ) 主な出資者 Parkwalk、IQ Capitalなど Archer Materials(豪州) カリウム検出チップを共同開発 Tachmed(英国) 在宅検査カートリッジを共同開発 ケンブリッジ大学 研究の起源。助成による共同研究 PalmSens キットの読み出し装置の製造元
図2 Paragrafを中心とした買収・出資・提携・供給の関係。出典:同社の公式サイト(会社概要、投資家のページ、ストア)とプレスリリース、2025年12月期の決算書。図に含めたのは同社が公式資料で述べている関係だけです。ケンブリッジ大学との共同研究は記憶素子の研究で、バイオセンサーではありません。出資者は同社の資金調達の発表に名前が挙がった一部です。PalmSens は GFET Discovery Kit に含まれる読み出し装置の製造元として、ストアのページに記載されています。

Paragrafの関係の特徴は、バイオセンサーの診断用途を、アッセイと最終製品を持つ提携先に任せていることです。 自社の側で確認できる関係は、買収した Cardea Bio(Paragraf USA)による分子検出の知見の取り込み、研究者向けキットに組み込む読み出し装置の調達、そしてGFETを作る工場への出資です。 提携先との契約の金額や期間は、Archer の見積総額(£222,000、2段階)を除いて公表されていません。 バイオセンサー分野の大手の診断薬メーカーや医療機器メーカーとの共同開発は、公式資料では確認できませんでした 未確定/将来。

10. 提供している技術・製品・サービス

以下は、同社の製品ページ、データシート、応用ノート、プレスリリースの記述です。数値はメーカー公称で、試験条件が書かれている場合は併記します 事実。応用ノートは「研究室での実証であり、特定の製品や使用環境を模したものではない」と同社自身が明記しています。

製品同社ページの記述(メーカー公称)
PMF2000 GFET
(3チャンネル)
データシート v1.0(2026年5月6日)。電解質ゲート型の電界効果トランジスタで、独自の方法で素子の基板の上に直接堆積したグラフェンを使い、「ポリマー残渣、異物、欠陥のないチャンネル」と説明。ディラック点 700 mV ±150 mV(試験用緩衝液の塩濃度 19 mM、pH 7.1)、相互コンダクタンス 標準 0.8、最小 0.5 mS·sq/V、チャンネル抵抗 1〜3.5 kΩ、チャンネル 100×100 µm、3チャンネルが中央の面内ゲート電極(白金系)の周りに等距離で配置。ダイ 5.55×6.2×0.675 mm、基板 24×50×2.7 mm。保護膜は 65 nm の Al2O3、金属配線は合計 120 nm(白金が露出)。エポキシの封止層が液体の保持とチャンネルごとの機能化を可能にする。推奨動作電圧 ±1 V、電流 1 mA、動作温度 50℃まで、保管 4〜50℃。測定用の緩衝液で10分以上なじませる。単回使用
PMF2002 GFET
(12チャンネル)
ディラック点 800 mV 未満(用途に合わせて調整可能、ロットごとの報告書は要望に応じて提供)、相互コンダクタンスと抵抗は PMF2000 と同じ表記、チャンネル 100×100 µm。共通ゲートで、ソースとドレインは別々に接続でき、1つの試料から複数チャンネルを同時に測れる(2026年8月18日の発表)。読み出し装置「Enterprise Reader」と組み合わせる
GFET-PV01(前世代)製品パンフレット(© 2024)。3チャンネル、ディラック点(試験用緩衝液の塩濃度 19 mM、pH 7.1)の欄に「500 to +900」mV(符号は原文の表記のまま)、相互コンダクタンス >1.5 mS·sq/V、チャンネル抵抗 <3 kΩ。PMF2000は「PV01プラットフォームの後継」と同社が説明。版・定義が違う可能性があるため、PV01とPMF2000の数値を並べて性能の優劣は述べない
応用ノートpHの検出(素のグラフェンと、酸化ハフニウムで覆った社内試作品〔未発売〕)。カリウムイオンの検出(PVC系のイオン選択性膜を1チャンネルに載せ、別のチャンネルに対照の膜を載せる)。血清(ヤギ血清)中のカリウムの検出:緩衝液より応答が小さくなり、1 mM の応答は−1.6 mV の信号を対照の膜と比べて分けられた、反応が下がる理由は調べていない、と同社が記載。ピレン酸(PyBA)による表面修飾。アセトンガスの検出
キットと周辺品GFET Discovery Kit(PMF2000×4、PalmSens の EmStat Pico MUX16、付属品)、PMF2000の4個パック、読み出し基板(Plug-in GFET:PiG)。用途の例として「カリウムイオン、アセトンガス、DNAやタンパク質の相互作用」。ストアは確認時点で「在庫なし・問い合わせ」表示
製造(ファウンドリ)グラフェンを転写せずに基板上へ直接成長(MOCVD装置〔金属有機化学気相成長〕)。これまで2インチのサファイアウェハーで作り、2025年12月22日にシリコンの6インチウェハーでGFETの最初のウェハーを製造(同社は「この大きさでの直接成長のGFETの最初の実証と考えられる」と説明)。Huntingdon の新工場の最初の製品がPMF2000
バイオセンシングの研究成果昆虫の嗅覚受容体 MhOR5 をGFETに組み込み、16種類の小さな有機化合物を濃度依存で検出(200 nM〜10 mM)。ウェハーの規模で作ったGFETを事前に品質検査して使用。受容体タンパク質は純度80%、安定性は最長3か月(Advanced Materials 2026、著者にParagraf〔旧Cardea Bio〕の所属を含む)
素材技術者の視点:グラフェン素子で、素材設計の「どこ」が効くか

(1) 「転写しない」ことが、素子の品質を決める。 同社は、グラフェンを別の基板で育ててから貼り付ける(転写する)のではなく、素子の基板の上に直接成長させる方式をとり、チャンネルが「ポリマー残渣、異物、欠陥がない」ことを売りにします。 一般に、転写では支持用のポリマー膜や金属触媒の残りがグラフェン表面に残りやすく、バイオセンサーでは表面に付ける分子の量や、表面の電荷のばらつきの原因になりえます(一般的な説明)。 同社の6インチシリコン上のGFETの発表も、「転写に頼る他の方法は金属汚染を持ち込みやすい」という点を、自社の強みとして挙げています。 ただし、汚染がないことと、測定の再現性が高いことの関係を示す定量的な比較データは、公開資料では確認できませんでした。同社が示すのは、ディラック点のばらつき(700 mV ±150 mV)、相互コンダクタンスと抵抗の範囲といった、素子ごとの規格値です。 本シリーズの技術解説『グラフェンとカーボンナノチューブ』も参照してください。

(2) 素子の構造が、何を測るかを決める。 3つのチャンネルが中央の面内ゲート電極(白金系)の周りに等距離で並ぶのは、各チャンネルにかかる電場を均一にするためだと同社は説明します。チップの保護膜は 65 nm の Al2O3、金属配線は合計 120 nm で、白金の面が露出している、とデータシートに書かれています(どの面が電解液に触れるかの説明は、図の凡例〔保護された金属/保護されない金属/グラフェン/被覆したグラフェン〕にとどまります)。 エポキシの封止層が液体をためる井戸になり、チャンネルごとに別の分子を付けて、並行して測る(多重化)か、一部を対照にする(内部参照)ことができます。 カリウムの応用ノートでは、中央のゲートに Ag/AgCl のペーストを載せて参照電極にしており、ゲート材料と溶液の組成が測定値(ディラック点の位置)に直接効くため、塩化物とリン酸の濃度をそろえた溶液で比較しています。 本シリーズの技術解説『電界効果トランジスタセンサー』も参照してください。

(3) 読むのは電流ではなく「ディラック点」のずれ。 GFETは、ゲート電圧を掃引して電流が最小になる点(ディラック点、電荷中性点)を探し、分子が表面に付いたときのこの点のずれを信号にします。 応用ノートの結果は、20 mM のリン酸緩衝液では0.01〜10 mM のカリウムでディラック点のずれが見え、160 mM の緩衝液では対照の膜と比べて0.5〜10 mM でずれが見えた、と報告しています(応答は高い塩濃度で小さくなったと記載)。 イオンの多い溶液では、表面の電荷が溶液中の対イオンに遮へいされ、信号が小さくなる(デバイ遮へい)というのが一般的な説明で、血清のような塩濃度の高い試料で感度が落ちることは、この方式の設計上の課題として知られています。同社のノートは、血清中の応答が小さくなった理由を調べていない、と述べています。 ここに書いた機構の説明は本稿による一般的な解説で、同社の資料に明記された因果関係ではありません。

(4) 表面修飾(機能化)の化学が、使える溶媒と手順を縛る。 グラフェンは化学的に不活性なため、分子を付けるには足場が要ります。同社の応用ノートは、ピレン誘導体(ピレン酪酸、PyBA)がグラフェン表面に非共有結合で吸着する性質を使い、50 mM の PyBA を DMSO に溶かして2時間なじませ、DMSO、エタノール、水の順に洗う手順を勧めています。こうしてできたカルボキシル基を、EDC/NHSの化学でアミンと反応する層に変え、一次アミンなどの求核試薬を付ける足場にできる、と説明しています。 一方、同ノートはDMFやメタノールは、デバイスの他の部材と相性が悪いため勧めないと書いています(どの部材かは明記されていません)。素子を構成する材料の組み合わせが使える溶媒を縛る、という素材側の制約が読み取れます(エポキシの封止層が考えられますが、同ノートは明記していません)。 イオン選択性膜(カリウム用のPVC系の膜)は、応用ノートでは手作業で堆積されています。データシートは、チャンネルごとの機能化を手作業でも自動化でも行えるとしています。

最後に、同社の応用ノートの但し書きです。カリウムなどのノートは「ここに示すデータは使用例の実証で、独立に再現できるもの」、pHのノートは「最適化された条件でも、最適化されたデバイス設計でもない」と書いています。研究用のGFETの値は、診断用の完成品の性能を示すものではありません。 なお、読者個人に対する測定・診断の助言を意図したものではありません。

11. この企業が抱えるリスク

リスク内容区分
赤字と資金2025年12月期の営業損失は£21.0m、当期損失は£20.5mで、売上高は£506,455。期末の現金は£2,979,426(前年 £7,184,492)。決算日後に追加の株式発行(2026年1〜3月に合計約£5.8m〔3回の合計は本稿の計算〕)がある。監査人は継続企業の前提に重要な疑義は見いだしていない。成長は継続的な資金調達に依存する事実
売上の中身売上高の約41%が非反復の技術サービス(£206,450)で、製品販売(£300,005)は前年(£307,745)とほぼ同じ。売上の約68%が「その他の地域」。総収益の約6割が補助金。バイオセンサー用GFETの売上は開示されていない事実/本稿の計算
診断用途が提携先頼み診断の完成品(Archer の Biochip、Tachmed のカートリッジ)は開発中で、製品としての発売、規制当局の認可・適合は確認できない。製品固有の知的財産は Archer が持つ。提携が進まない場合、Paragraf の売上は研究用チップに限られる推測
実試料での性能同社自身の応用ノートで、血清(ヤギ血清)中のカリウムの応答は緩衝液より小さくなり、理由は調べていない。高い塩濃度の試料での感度は、診断用途の技術課題事実
仕様の位置づけデータシートの値(ディラック点 700 mV ±150 mV など)は研究用の規格値で、診断用の完成品の性能ではない。PV01とPMF2000では仕様の表記が異なり、世代間の比較はできない事実(メーカー公称)
量産の立ち上げ6インチのシリコン上の量産は2025年12月の最初のウェハーから始まったばかりで、Huntingdon のファウンドリの完成と自動化が「最優先」。ストアでは確認時点でPMF2000とキットが「在庫なし」表示。歩留まりや出荷数量は非公表事実
資金調達額の記載の不一致公式サイトの会社概要は「3回の調達で1億4千万米ドル」、投資家のページは「4回の調達で1億4千万米ドル」、2026年のプレスリリースは「1億5千万米ドル超」と書き、一致していない事実
会社の主張の検証「世界初のグラフェンのファウンドリ」「標準的な半導体工程で量産する唯一の会社」などは会社の主張で、第三者による検証は確認できない。設立年も、同社の説明(2018年)と登記(2015年)で異なる事実(会社の主張)
規制の道筋在宅検査向けの診断薬は、各国で医療機器・体外診断用医薬品としての承認や認証が必要になる。申請の計画や時期は公表されておらず、実現までの時間と費用は不明推測

12. 用語集

グラフェン
炭素原子が六角形の網目状に並んだ、原子1層分の薄さの材料。電気をよく通し、表面がむき出しなので、分子が付くと電気的な性質が変わる。
GFET(グラフェン電界効果トランジスタ)
グラフェンを電流の通り道(チャンネル)に使ったトランジスタ。ゲート電圧で電流を制御し、表面に付いた分子による変化を読み取る。
電解質ゲート
ゲート電極からの電圧を、溶液(電解液)を介してチャンネルに加える方式。バイオセンサーでは、試料の溶液がそのままゲートの一部になる。
ディラック点(電荷中性点)
ゲート電圧を掃引したとき、グラフェンの電流が最小になる点。分子が付くとこの点がずれるので、ずれの量が信号になる。
相互コンダクタンス
ゲート電圧の変化に対する電流の変化の大きさ。大きいほど、小さな変化を検出しやすい傾向がある。
デバイ遮へい
塩を多く含む溶液で、表面の電荷が溶液中のイオンに隠されて、遠くまで影響しなくなる現象。血清のような試料でFET型センサーの信号が小さくなる一因。
機能化(ファンクショナライゼーション)
センサーの表面に、検出したい分子と結合する物質(抗体、DNA、イオン選択性膜など)を付けること。
ピレン修飾/EDC・NHS
ピレン分子がグラフェン表面に吸着する性質を足場に使う方法と、カルボキシル基にアミンをつなぐ化学反応。
転写/直接成長
グラフェンを別の基板で育てて貼り付ける方法を転写、素子の基板の上で育てる方法を直接成長という。転写ではポリマーや金属の残りが問題になりやすい。
MOCVD
金属有機化合物のガスを原料にして、基板の上に薄い膜を成長させる装置・方法(金属有機化学気相成長)。
ファウンドリ
顧客の設計に基づいて半導体素子を製造する工場。Paragrafは「グラフェンなど2D材料のファウンドリ」を名乗る。
非反復の技術サービス(NRE)
顧客向けの開発や設計の作業に対する収入。繰り返し売れる製品の売上とは区別される。
メーカー公称
メーカー自身が示す性能値。試験条件と版が一緒でないと、他の製品と比べられない。
概念図:シリコンウェハーから切り出したグラフェン素子のチップを基板に載せ、バッファー液を点して測る研究室の場面
図3 Paragrafの事業の中心(グラフェン素子のウェハーと、研究用のGFETチップ)を表した概念図。シリコンウェハーから素子が切り出され、液体をためる井戸のあるチップに溶液を点して測る研究室の場面(AI生成による概念図。実際の設備や製品を写したものではありません)。

13. 出典

  1. Paragraf 公式サイト(トップページ)。製品(分子センサー、ホール効果センサー、受託ファウンドリ)、品質認証(ISO 9001・ISO 45001)、登記上の所在地。ロゴ画像の取得元。 https://www.paragraf.com/
  2. Paragraf Molecular Sensors(公式サイト)。PMF2000・PMF2002の概要と仕様、応用ノートの一覧。 https://www.paragraf.com/molecular-sensors/
  3. Paragraf PMF2000 GFET Datasheet(v1.0、2026年5月6日)。仕様、使い方、単回使用、使用環境の制限。 https://cdn.shopify.com/s/files/1/0737/6093/2108/files/PMF2000_GFET_Datasheet_1.pdf?v=1778078957
  4. Paragraf GFETs for Fast and Accurate Sensing Solutions(GFET-PV01の製品パンフレット、© 2024)。 https://www.paragraf.com/wp-content/uploads/2025/01/GFETs-for-fast-and-accurate-sensing-solutions.pdf
  5. Paragraf PRESS RELEASE – Paragraf Introduces PMF2000 GFET(2026年5月12日)。 https://www.paragraf.com/press-release-paragraf-introduces-pmf2000-gfet/
  6. Paragraf PRESS RELEASE: Paragraf Launches PMF2002 GFET Platform and Enterprise Reader, Expanding Sensing Portfolio(2026年8月18日)。 https://www.paragraf.com/press-release-paragraf-launches-pmf2002-gfet-platform-and-enterprise-reader-expanding-sensing-portfolio/
  7. Paragraf Paragraf Acquires Cardea Bio To Extend Graphene Electronics Industry Leadership(2023年5月2日)。 https://www.paragraf.com/paragraf-acquires-cardea-bio-to-extend-graphene-electronics-industry-leadership/
  8. Paragraf PRESS RELEASE – Archer enters partnership with Paragraf for Biochip development(2025年5月28日掲載、Archerの発表は5月19日)。 https://www.paragraf.com/press-release-archer-enters-partnership-with-paragraf-for-biochip-development/
  9. Paragraf PRESS RELEASE – Tachmed and Paragraf Announce Strategic Partnership to Scale Graphene-Powered Diagnostics(2025年5月28日)。 https://www.paragraf.com/press-release-tachmed-and-paragraf-announce-strategic-partnership-to-scale-graphene-powered-diagnostics/
  10. Paragraf PRESS RELEASE – Paragraf Closes $55M Series C Funding Round(2025年8月25日)。 https://www.paragraf.com/press-release-paragraf-closes-55m-series-c-funding-round/
  11. Paragraf Paragraf raises $60m in Series B financing(2022年3月1日)。 https://www.paragraf.com/paragraf-raises-60m-in-series-b-financing/
  12. Paragraf PRESS RELEASE – Paragraf Produces First 6-inch Graphene Wafer at New Huntingdon Facility(2025年12月22日)。 https://www.paragraf.com/6-inch-graphene-wafer/
  13. Paragraf PRESS RELEASE: Paragraf Joins Korea's National Graphene Commercialisation Initiative as Only International Consortium Member(2026年9月14日)。 https://www.paragraf.com/press-release-paragraf-joins-koreas-national-graphene-commercialisation-initiative-as-only-international-consortium-member/
  14. Paragraf About Paragraf(公式サイト)。スピンオフ、調達額の説明。 https://www.paragraf.com/about-paragraf/
  15. Paragraf Investors(公式サイト)。資金調達の履歴。 https://www.paragraf.com/investors/
  16. Paragraf Paragraf closes £2.9m seed round(シードラウンドの発表)。 https://www.paragraf.com/paragraf-closes-2-9m-seed-round-to-drive-first-ever-large-scale-production-of-graphene-based-technologies/
  17. Paragraf Paragraf raises £12.8m to deliver its first graphene-based electronics technologies(シリーズA、2019年3月7日)。 https://www.paragraf.com/paragraf-raises-12-8m-to-deliver-its-first-graphene-based-electronics-technologies/
  18. Paragraf Paragraf increases Series A round to £16.2m(2019年12月12日)。 https://www.paragraf.com/paragraf-increases-series-a-round-to-16-2m-to-accelerate-product-delivery/
  19. Paragraf Application Note: Potassium Sensing in Serum Samples with a GFET(応用ノート、2026年)。 https://www.paragraf.com/wp-content/uploads/2026/04/Application-Note-potassium-sensing-in-serum-samples-with-GFET-PV01.pdf
  20. Paragraf Application Note #4: Deposition of Pyrene on a GFET-PV01(応用ノート、2024年)。 https://www.paragraf.com/wp-content/uploads/2024/09/Application-Note-deposition-of-pyrene-on-a-GFET-PV01.pdf
  21. Paragraf Application Note: pH Sensing with the GFET-PV01(応用ノート、2024年)。 https://www.paragraf.com/wp-content/uploads/2024/06/Aplication-note-pH-sensing-with-GFET-PV01.pdf
  22. Paragraf Store GFET Discovery Kit(公式ストア)。キットの内容、PalmSens の EmStat Pico MUX16。 https://store.paragraf.com/products/gfet-discovery-kit
  23. Paragraf Store PMF2000 GFET Quad Pack(公式ストア)。仕様、在庫表示。 https://store.paragraf.com/products/gfet-pmf2000-quad-pack
  24. Companies House(英国) PARAGRAF LIMITED(09889431)の会社情報。設立日、登記上の所在地、決算期、事業分類。 https://find-and-update.company-information.service.gov.uk/company/09889431
  25. Companies House(英国) Paragraf Limited の提出書類:連結決算書(2025年12月31日終了事業年度、2026年9月14日提出、60ページ、スキャン画像の PDF)。 https://find-and-update.company-information.service.gov.uk/company/09889431/filing-history/MzU0NDU2NTI4N2FkaXF6a2N4/document?format=pdf&download=0
  26. Ban DK, Contet A, Catania M, Kanonenberg K, Tyler M, Goldsmith B, Aran K. Graphene Nanosensor for the Detection of Small Organic Compounds Using an Insect Olfactory Receptor. Advanced Materials 38(52), e74079(オンライン公開 2026年7月12日)。DOI は Crossref で確認。 https://doi.org/10.1002/adma.74079
  27. Paragraf Making High-Resolution Real-Time Biosensing for All a Reality(公式サイトのコラム、2023年5月9日)。血糖測定への言及。 https://www.paragraf.com/making-high-resolution-real-time-biosensing-for-all-a-reality/
  28. Paragraf(旧Cardea Bioの発表の再掲) Dr. Aran receives research gift from Agilent Technologies to develop real-time monitoring of cell cultures using Cardea's BPU platform(2022年6月14日)。 https://www.paragraf.com/dr-aran-receives-research-gift-from-agilent-technologies-to-develop-real-time-monitoring-of-cell-cultures-using-cardeas-bpu-platform/
  29. Paragraf PRESS RELEASE – Paragraf and Archer Materials Announce Strategic Collaboration on Graphene-Based Quantum Devices(2026年4月30日)。 https://www.paragraf.com/press-release-paragraf-and-archer-materials-announce-strategic-collaboration-on-graphene-based-quantum-devices/
  30. U.S. Food and Drug Administration (openFDA) openFDA Device 510(k) API の説明ページ。申請者名の検索に使用(検索結果の URL は固定されないため、ここにはデータベースの説明ページを示す)。 https://open.fda.gov/apis/device/510k/

14. 主張と出典の対応表

本文の主張区分出典
法人名 Paragraf Limited、登記番号 09889431、2015年11月25日設立、登記上の所在地(7-8 West Newlands, Somersham)、非上場の有限責任会社、事業分類(電子部品の製造)事実出典24 https://find-and-update.company-information.service.gov.uk/company/09889431
2018年にケンブリッジ大学からスピンオフ、調達額の説明(About:3回で1億4千万米ドル/Investors:4回で1億4千万米ドル/2026年のプレスリリース:1億5千万米ドル超)、5拠点・3大陸事実(会社の説明)出典14・15・6・13 https://www.paragraf.com/about-paragraf/ https://www.paragraf.com/investors/ https://www.paragraf.com/press-release-paragraf-launches-pmf2002-gfet-platform-and-enterprise-reader-expanding-sensing-portfolio/ https://www.paragraf.com/press-release-paragraf-joins-koreas-national-graphene-commercialisation-initiative-as-only-international-consortium-member/
製品群(グラフェン分子センサー、ホール効果センサー、受託の2Dファウンドリ)、ISO 9001:2015・ISO 45001:2018の認証の記載、ロゴ画像の取得元事実出典1 https://www.paragraf.com/
PMF2000・PMF2002の概要と仕様(3チャンネル/12チャンネル、ディラック点、相互コンダクタンス、チャンネル抵抗)、PMF2000がPV01の後継であること、応用ノートの一覧事実(メーカー公称)出典2 https://www.paragraf.com/molecular-sensors/
PMF2000データシート v1.0(2026年5月6日)の仕様、構造(面内ゲート、Al2O3保護膜、エポキシ封止)、使い方、保管・動作温度、単回使用、非産業・非研究環境での使用は設計外事実(メーカー公称)出典3 https://cdn.shopify.com/s/files/1/0737/6093/2108/files/PMF2000_GFET_Datasheet_1.pdf?v=1778078957
GFET-PV01の仕様(パンフレット):3チャンネル、ディラック点の欄の表記、相互コンダクタンス >1.5、チャンネル抵抗 <3 kΩ事実(メーカー公称)出典4 https://www.paragraf.com/wp-content/uploads/2025/01/GFETs-for-fast-and-accurate-sensing-solutions.pdf
PMF2000の発表(2026年5月12日):Huntingdon のファウンドリの最初のデバイス、オンラインストアで販売事実出典5 https://www.paragraf.com/press-release-paragraf-introduces-pmf2000-gfet/
PMF2002とEnterprise Readerの発表(2026年8月18日):12チャンネル、顧客が機能化する表面、同社の事業概要(5拠点、1億5千万米ドル超)事実出典6 https://www.paragraf.com/press-release-paragraf-launches-pmf2002-gfet-platform-and-enterprise-reader-expanding-sensing-portfolio/
2023年5月2日のCardea Bio買収、Paragraf USAへの改称、CRISPRなどの分子検出のIP、サンディエゴの拠点、Somersham のMOCVD装置、「転写しないグラフェンを標準的な半導体工程で量産する唯一の会社」という会社の主張事実(会社の主張を含む)出典7 https://www.paragraf.com/paragraf-acquires-cardea-bio-to-extend-graphene-electronics-industry-leadership/
Archer Materials との提携(2025年5月19日発表):カリウムイオンのBiochip、2段階各3か月、見積総額£222,000事実出典8 https://www.paragraf.com/press-release-archer-enters-partnership-with-paragraf-for-biochip-development/
Tachmed との提携(2025年5月28日):GFETをTachShieldに組み込む、次世代の診断検査の共同開発、在宅検査カートリッジの供給拡大、優先市場事実出典9 https://www.paragraf.com/press-release-tachmed-and-paragraf-announce-strategic-partnership-to-scale-graphene-powered-diagnostics/
シリーズC US$55m(2025年8月25日)、シリーズB US$60m(2022年3月1日)と出資者、バイオセンサーを次の製品として準備中との記載事実出典10・11 https://www.paragraf.com/press-release-paragraf-closes-55m-series-c-funding-round/ https://www.paragraf.com/paragraf-raises-60m-in-series-b-financing/
シードラウンド £2.9m、シリーズA £12.8m(2019年3月)、£16.2m(同年12月)と出資者事実出典16・17・18 https://www.paragraf.com/paragraf-closes-2-9m-seed-round-to-drive-first-ever-large-scale-production-of-graphene-based-technologies/ https://www.paragraf.com/paragraf-raises-12-8m-to-deliver-its-first-graphene-based-electronics-technologies/ https://www.paragraf.com/paragraf-increases-series-a-round-to-16-2m-to-accelerate-product-delivery/
2025年12月22日の6インチウェハー(これまでは2インチのサファイア)と、「直接成長の最初の実証と考えられる」という会社の説明事実(会社の説明)出典12 https://www.paragraf.com/6-inch-graphene-wafer/
韓国の K-Graphene Commercialisation Council への参加(2026年9月14日)事実出典13 https://www.paragraf.com/press-release-paragraf-joins-koreas-national-graphene-commercialisation-initiative-as-only-international-consortium-member/
2025年12月期の連結決算(売上高、その他営業収益、営業損失、当期損失、現金、純資産、従業員数、研究開発費、補助金、売上の内訳、後発事象、監査人の結論、Innovate UKの助成による共同研究、Cardea Bioの会計処理)事実出典25 https://find-and-update.company-information.service.gov.uk/company/09889431/filing-history/MzU0NDU2NTI4N2FkaXF6a2N4/document?format=pdf&download=0
血清中のカリウム検出の応用ノート:PVC系イオン選択性膜、Ag/AgCl ゲート、20 mM・160 mM緩衝液での応答、ヤギ血清で応答が小さくなり1 mMで−1.6 mV、理由は未調査、データの位置づけ事実(同社の実験)出典19 https://www.paragraf.com/wp-content/uploads/2026/04/Application-Note-potassium-sensing-in-serum-samples-with-GFET-PV01.pdf
ピレン酪酸(PyBA)による表面修飾の手順(50 mM、DMSO、2時間、洗浄順序)、EDC/NHS、DMF・メタノールは非推奨事実(同社の実験)出典20 https://www.paragraf.com/wp-content/uploads/2024/09/Application-Note-deposition-of-pyrene-on-a-GFET-PV01.pdf
pHの応用ノート:素のグラフェンと酸化ハフニウムで覆った社内試作品(未発売)、最適化された条件ではないという但し書き事実(同社の実験)出典21 https://www.paragraf.com/wp-content/uploads/2024/06/Aplication-note-pH-sensing-with-GFET-PV01.pdf
GFET Discovery Kit の内容(PMF2000×4、PalmSens EmStat Pico MUX16)、用途の例、在庫表示事実出典22 https://store.paragraf.com/products/gfet-discovery-kit
PMF2000 Quad Pack の仕様、在庫表示事実出典23 https://store.paragraf.com/products/gfet-pmf2000-quad-pack
昆虫の嗅覚受容体 MhOR5 をGFETに組み込んだ検出(16種類の化合物、200 nM〜10 mM、純度80%、安定性最長3か月)と、著者の所属(CardeaBio〔現Paragraf〕、Paragraf)事実(査読論文)出典26 https://doi.org/10.1002/adma.74079
グルコースへの言及:2023年のコラムでの例え話、2022年のCardea Bioの発表における細胞培養液中のグルコースの監視の構想事実出典27・28 https://www.paragraf.com/making-high-resolution-real-time-biosensing-for-all-a-reality/ https://www.paragraf.com/dr-aran-receives-research-gift-from-agilent-technologies-to-develop-real-time-monitoring-of-cell-cultures-using-cardeas-bpu-platform/
Archer Materials との量子素子の協業(2026年4月30日、バイオセンサーではない)事実出典29 https://www.paragraf.com/press-release-paragraf-and-archer-materials-announce-strategic-collaboration-on-graphene-based-quantum-devices/
FDAの公開データ(openFDA)で、510(k)の申請者名「Paragraf」「Tachmed」に該当なし。「Cardea」は別会社(Cardea Associates、CARDEASCREEN、2013年)のみ事実(本稿の検索結果)出典30 https://open.fda.gov/apis/device/510k/
診断薬としての製品の発売時期、規制当局への申請・臨床試験の計画、バイオセンサー用GFETの売上・数量、バイオセンサー部門の人員・費用、血糖・連続血糖測定の製品、設備投資額、買収の条件、特許の権利関係未確定/将来公式資料に記載なし。本稿では存在しないとも断定しない(本稿)
「グラフェンを標準的な半導体工程で量産することを狙っている」「バイオセンサーでは顧客が表面を機能化する白紙のチップを売る位置にとどまろうとしている」という会社の説明事実(会社の説明)出典1・6・12 https://www.paragraf.com/ https://www.paragraf.com/press-release-paragraf-launches-pmf2002-gfet-platform-and-enterprise-reader-expanding-sensing-portfolio/ https://www.paragraf.com/6-inch-graphene-wafer/
診断薬の完成品は提携先に任せる分業をとろうとしている、売上は当面研究用チップと技術サービスが中心、という読み推測出典8・9・25 https://www.paragraf.com/press-release-archer-enters-partnership-with-paragraf-for-biochip-development/ https://www.paragraf.com/press-release-tachmed-and-paragraf-announce-strategic-partnership-to-scale-graphene-powered-diagnostics/ https://find-and-update.company-information.service.gov.uk/company/09889431/filing-history/MzU0NDU2NTI4N2FkaXF6a2N4/document?format=pdf&download=0
診断用途が提携先頼みで進まない場合は売上が研究用チップに限られる、規制の道筋に時間と費用がかかる、という読み推測出典8・9 https://www.paragraf.com/press-release-archer-enters-partnership-with-paragraf-for-biochip-development/ https://www.paragraf.com/press-release-tachmed-and-paragraf-announce-strategic-partnership-to-scale-graphene-powered-diagnostics/
Paragrafを「材料・部品」の類型とする区分と、4類型の整理本稿の計算本稿による整理・計算(技術説明は一般的な解説であり、同社の個別製品の値ではない。本シリーズの技術解説を参照)
非反復の技術サービスの割合(約40.8%)、「その他の地域」の割合(約68.4%)、補助金の割合(約60.8%)、営業損失が売上高の約41倍、後発の株式発行の合計約£5.8m本稿の計算本稿による整理・計算(技術説明は一般的な解説であり、同社の個別製品の値ではない。本シリーズの技術解説を参照)
グラフェン素子の構造、転写と直接成長の違い、ディラック点のずれ、デバイ遮へい、表面修飾の化学の技術説明本稿の計算本稿による整理・計算(技術説明は一般的な解説であり、同社の個別製品の値ではない。本シリーズの技術解説を参照)

最終更新:2026年10月3日/Troy Technical
本稿の内容は、Paragrafの公式サイト・プレスリリース・データシート・応用ノート、英国 Companies House の登記と連結決算書、査読論文に基づきます。調査会社の市場推計や報道ベースの数値は使用していません。決算書は画像(スキャン)で提出されているため、数値は紙面を目で読み取りました。「推測」と記した箇所は、一次情報から本稿が読み取った解釈であり、会社の公表内容ではありません。製品の性能値は同社のデータシート・パンフレットのメーカー公称で、研究用部品の規格値であり、診断用の完成品の性能を示すものではありません。本稿は、診断・治療・服薬・測定値の読み方について、読者個人に助言するものではありません。